説明

放射線検出器

【課題】シンチレータ結晶が一個でも長手方向の発光位置を特定することができる構造の放射線検出器を提供する。
【解決手段】放射線検出器100は、細長形状のシンチレータ結晶110に一端から放射線RRが入射することで、そのシンチレータ結晶110の内部で蛍光FRが発生する。この蛍光FRはシンチレータ結晶110の内部を伝播して他端の光検出器130で検出される。ただし、このようにシンチレータ結晶110の内部を伝播する蛍光FRは外側面に部分的に位置する光低減部111〜113により強度が低減される。このため、蛍光FRが発生した位置から光検出器130の位置までに存在している光低減部111〜113の個数により、光検出器130で検出される蛍光FRの強度が段階的に相違することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンチレータ結晶と光検出器とを有する放射線検出器に関し、特に、シンチレータ結晶の長手方向での発光位置を特定することができる放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に陽電子放射性同位元素(RI:Radio Isotope)標識の薬剤が投与されると、消滅γ線が放出される。PET(Positron Emission Tomography)、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)、ガンマカメラなどの核医学イメージング装置は、この放射線を検出することにより、被検体内のRIの分布像を得る装置である。
【0003】
このような核医学イメージング装置においては、放射線検出器のシンチレータ結晶の有限の長さ(深さ)の影響により、装置有効視野の周辺領域において断面内空間分解能が悪化する。
【0004】
さらに、有効視野の大きな大立体角・高感度装置の三次元的データ収集においては、同様な理由で軸方向分解能の劣化も生じる。それゆえ、空間分解能の更なる向上を目指すには、検出器深さ方向の反応位置を認識することが必要となる。
【0005】
上述のような核医学イメージング装置に用いられる放射線三次元位置検出器としては、複数のシンチレータ結晶を、屈折率の異なる透明板を挟みながら光検出器上に積層してシンチレータユニットを構成し、光検出器に到達する光の透過率を各段のシンチレータ結晶毎に異ならせることにより、光検出器における受光量の差に基づいて、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ結晶を同定する提案がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、複数のシンチレータ結晶を、その中心位置が光位置検出器の受光面に平行な方向に偏倚するように光位置検出器上に積層し、光位置検出器からの出力光の空間分布の重心位置を各積層シンチレータ結晶毎に異ならせることにより、重心位置演算に基づいて、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ結晶を同定する提案もある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、複数の蛍光減衰時定数の異なるシンチレータ結晶を光検出器上に積層してシンチレータユニットを構成し、各層に共通の受光素子によって検出された信号の異なる蛍光減衰時定数に基づいて、波形弁別法により放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ結晶を同定する提案もある(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
さらに、複数のシンチレータ結晶と遮断波長が相違する複数のカットフィルタとを積層し、共通の光検出器で蛍光の波長を検出することにより、どのシンチレータ結晶が発光したかを識別する放射線検出器もある(例えば、特許文献4,5参照)。
【特許文献1】特開昭63−047686号公報
【特許文献2】特開平01−229995号公報
【特許文献3】特開2003−021682号公報
【特許文献4】特開2005−043062号公報
【特許文献5】特開2005−043104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述の特許文献1〜5の何れも、複数のシンチレータ結晶を長手方向に多段に配置している。このため、シンチレータ結晶の個数が増大し、複数のシンチレータ結晶を多段に配置する構造体も必要となる。
【0010】
従って、放射線検出器の構造が複雑となり、その生産性が低下している。しかも、特許文献1に記載された技術では、シンチレータ結晶の光学的性質の微妙なばらつきの影響を受け易い。
【0011】
特許文献2に記載された技術では、シンチレータ結晶を多層化するほど、各シンチレータ結晶による光位置検出器からの出力光の空間分布の重心位置の配列が密となる。このため、当該重心位置の識別が困難になるため、放射線が入射して蛍光を発したシンチレータ結晶の正確な同定が困難になる恐れがある。
【0012】
特許文献3に記載された技術では、発光時定数の異なる異種シンチレータ結晶を積層して、波形弁別により発光している素子を同定する。しかし、これでは複数種類のシンチレータ結晶を形成して配置する必要がある。
【0013】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、シンチレータ結晶が一個でも長手方向の発光位置を特定することができる放射線検出器、この放射線検出器を有する放射線検出装置および位置検出装置、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の放射線検出器は、放射線が入射すると内部で蛍光が発生するシンチレータ結晶と、蛍光を検出することで放射線の入射を検出する光検出器と、を有する放射線検出器であって、細長形状に形成されていて一端に放射線が入射するシンチレータ結晶と、シンチレータ結晶の他端に配置されていて蛍光の強度を検出する光検出器と、シンチレータ結晶の外側面に部分的に位置して内部を伝播する蛍光の強度を低減する光低減部と、を有する。
【0015】
従って、本発明の放射線検出器では、細長形状のシンチレータ結晶に一端から放射線が入射することで、そのシンチレータ結晶の内部で蛍光が発生する。この蛍光はシンチレータ結晶の内部を伝播して他端の光検出器で検出される。ただし、このようにシンチレータ結晶の内部を伝播する蛍光は外側面に部分的に位置する光低減部により強度が低減される。このため、蛍光が発生した位置から光検出器の位置までに存在している光低減部の個数により、光検出器で検出される蛍光の強度が段階的に相違することになる。
【0016】
また、本発明の放射線検出器において、光低減部がシンチレータ結晶の外側面の長手方向の複数位置に配置されていてもよい。
【0017】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶は、内部から外側面に入射する蛍光を内部に反射し、光低減部は、シンチレータ結晶の内部から入射する蛍光を外部に放射してもよい。
【0018】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶は、内部から外側面に入射する蛍光を内部に反射し、光低減部は、シンチレータ結晶の内部から入射する蛍光を吸収してもよい。
【0019】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶は、内部から外側面に入射する蛍光を内部に反射し、光低減部は、シンチレータ結晶の内部から入射する蛍光を散乱してもよい。
【0020】
また、本発明の放射線検出器において、光低減部がシンチレータ結晶の平滑な外側面に部分的に形成されている粗面からなってもよい。
【0021】
また、本発明の放射線検出器において、光低減部がシンチレータ結晶の外側面に部分的に形成されている凹部からなってもよい。
【0022】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶の外側面に形成されていて蛍光を反射する光反射材を、さらに有し、光低減部は光反射材が部分的に排除された部分からなってもよい。
【0023】
また、本発明の放射線検出器において、光低減部がシンチレータ結晶の外側面に部分的に形成されている光吸収材からなってもよい。
【0024】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶が、LuAG結晶からなってもよい。
【0025】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶が、プラセオジムがドープされているLuAG結晶からなってもよい。
【0026】
また、本発明の放射線検出器において、シンチレータ結晶が、LuAG(Pr:LuAl12)結晶からなってもよい。
【0027】
本発明の放射線検出装置は、本発明の放射線検出器と、放射線検出器の光検出器が出力する信号の強度によりシンチレータ結晶の長手方向での発光位置を特定する発光特定部と、を有する。
【0028】
本発明の位置検出装置は、二次元状に配列されている複数の本発明の放射線検出器と、放射線検出器の光検出器が個々に出力する信号の強度により各々のシンチレータ結晶の長手方向での発光位置を特定する発光特定部と、発光特定部により特定された複数の放射線検出器の発光位置から放射線が放射された三次元での位置を特定する放射特定部と、を有する。
【0029】
なお、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与された放射線検出器、コンピュータプログラムにより放射線検出器に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0030】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の放射線検出器では、放射線の入射により発生してシンチレータ結晶の内部を伝播する蛍光の強度が、シンチレータ結晶の外側面に部分的に位置する光低減部により低減される。このため、蛍光が発生した位置から光検出器の位置までに存在している光低減部の個数により、光検出器で検出される蛍光の強度が段階的に相違することになる。従って、光検出器で蛍光の強度を検出することにより、その蛍光の発生位置を光低減部の位置との相対関係として特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態の放射線検出装置1000は、図1に示すように、放射線検出器100と、発光特定回路200と、を有する。
【0033】
その放射線検出器100は、図1および図2に示すように、放射線RRが入射すると内部で蛍光FRが発生するシンチレータ結晶110と、蛍光FRを検出することで放射線RRの入射を検出する光検出器130と、を有する。
【0034】
上述のようなシンチレータ結晶110は、細長形状に形成されていて一端に放射線RRが入射する。光検出器130は、シンチレータ結晶110の他端に配置されていて蛍光FRの強度を検出する。
【0035】
ただし、本実施の形態の放射線検出器100は、シンチレータ結晶110の外側面に部分的に位置して内部を伝播する蛍光FRの強度を低減する光低減部111〜113を有する。
【0036】
そこで、放射線検出装置1000の発光特定回路200は、上述のような放射線検出器100の光検出器130が出力する信号の強度によりシンチレータ結晶110の長手方向での発光位置を特定する。
【0037】
より具体的には、本実施の形態の放射線検出器100では、シンチレータ結晶110は、プラセオジムがドープされているLuAG結晶であるLuAG(Pr:LuAl12)結晶からなり、細長形状である直方体状に形成されている。
【0038】
このようなシンチレータ結晶110の外側面の長手方向の複数位置である三箇所に光低減部111〜113が等間隔に配置されている。このため、シンチレータ結晶110は、三つの光低減部111〜113により、同一長の四つの部分121〜124に区分されている。
【0039】
シンチレータ結晶110は、外側面が平滑に形成されており、この外側面に光反射材140が被覆されている。このため、シンチレータ結晶110の外側面は内部から観測すると、蛍光FRを略全反射する鏡面となっている。
【0040】
しかし、光低減部111〜113は、精密切削などの機械加工により粗面からなる凹部として形成されている。そこで、光低減部111〜113では、光反射材140が排除されている。このため、シンチレータ結晶110の光低減部111〜113は、内部から入射する蛍光FRを全反射せず、放射や散乱や吸収などで低減する。
【0041】
なお、光検出器130は、例えば、入射する蛍光の強度に対応した波高値の信号を出力する。このような光検出器130としては、CCD(Charge Coupled Device)素子などを用いた光電変換器、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、シリコンフォトマルチプライヤ、フォトダイオード等を用いることができる。
【0042】
そして、発光特定回路200は、例えば、波高分析回路を有し(図示せず)、光検出器130の出力信号の波高値を複数の閾値と比較することにより、シンチレータ結晶110の四つの部分121〜124の何れで蛍光が発生したかを特定する。
【0043】
上述のような構成において、本実施の形態の放射線検出器100では、従来の装置と同様に、細長形状のシンチレータ結晶110に一端から放射線RRが入射することで、そのシンチレータ結晶110の内部で蛍光FRが発生する。この蛍光FRはシンチレータ結晶110の内部を伝播して他端の光検出器130で検出される。
【0044】
ただし、本実施の形態の放射線検出器100では、従来の装置とは相違して、放射線RRの入射により発生してシンチレータ結晶110の内部を伝播する蛍光FRの強度が、シンチレータ結晶110の外側面に部分的に位置する光低減部111〜113により低減される。
【0045】
このため、蛍光FRが発生した位置から光検出器130の位置までに存在している光低減部111〜113の個数により、光検出器130で検出される蛍光FRの強度が段階的に相違することになる。
【0046】
従って、本実施の形態の放射線検出装置1000は、放射線検出器100の光検出器130で蛍光FRの強度を検出することにより、その蛍光FRの発生位置を光低減部111〜113の位置との相対関係として特定することができる。
【0047】
それでいて、本実施の形態の放射線検出器100では、一個のシンチレータ結晶110で長手方向の発光位置を特定することができる。このため、複数のシンチレータ結晶を長手方向に多段に連設する必要がない。
【0048】
従って、その構造が簡単で部品数を削減することができ、複数のシンチレータ結晶を多段に固定する構造体なども必要ない。このため、放射線検出器100の生産性を向上させることができる。
【0049】
しかも、本実施の形態の放射線検出器100では、光低減部111〜113がシンチレータ結晶110の外側面の長手方向の複数位置に配置されている。このため、シンチレータ結晶110の長手方向の複数位置の部分121〜124から発光位置を特定することができ、その長手方向の分解能が良好である。
【0050】
さらに、光低減部111〜113がシンチレータ結晶110の平滑な外側面に形成した粗面の凹部からなる。このため、蛍光を散乱や放射や吸収で低減する光低減部111〜113を簡単に形成することができる。
【0051】
しかも、シンチレータ結晶110は、プラセオジムがドープされているLuAG結晶であるLuAG(Pr:LuAl12)結晶からなる。このため、精密切削などで光低減部111〜113を形成しても破損しにくく、光低減部111〜113が形成されているシンチレータ結晶110を良好な生産性で製作することができる。
【0052】
なお、上述のような放射線検出器100は、実際にはPET装置などの位置検出装置(図示せず)に利用される。このような位置検出装置は、二次元状に配列されている複数の放射線検出器100と、放射線検出器100の光検出器130が個々に出力する信号の強度により各々のシンチレータ結晶110の長手方向での発光位置を特定する発光特定回路200と、発光特定回路200により特定された複数の放射線検出器100の発光位置から放射線RRが放射された三次元での位置を特定する放射特定回路と、を有する。
【0053】
PET装置などの位置検出装置では、膨大な個数の微少な放射線検出器100を二次元に配列することで分解能を向上させている。本実施の形態の放射線検出器100は、上述のように構造が簡単で設置も容易なので、位置検出装置の生産性も向上させることができる。
【0054】
しかも、構造が簡単で設置も容易な放射線検出器100は、そのサイズを前後左右に縮小することも容易である。このため、位置検出装置に配列する放射線検出器100の密度を向上させて分解能を改善することもできる。
【0055】
なお、本発明者は実際に上述のような放射線検出器100および放射線検出装置1000を試作し、その作用を確認した。そこで、この実験結果を以下に簡単に説明する。まず、縦3mm×横3mm×高さ30mmの直方体の、プラセオジムをドープしたLuAG(Pr: Lu3Al5O12)(以下「Pr:LuAG」と呼ぶ)結晶をシンチレータ結晶110として形成した。
【0056】
このシンチレータ結晶110の外側面にポリテトラフルオロエチレンにより200μmの膜厚の光反射材140を被覆した。このようなシンチレータ結晶110の外側面に、三つの光低減部111〜113を、幅0.5mmで深さ0.6mmの凹部として、7.5mmの間隔で形成した。上述のようなシンチレータ結晶110の下端に光検出器130として光電子増倍管を光学的に結合し、放射線検出器100を完成した。
【0057】
そして、図3に示すように、このような放射線検出器100の光低減部111〜113で区分された四つの部分121〜124に、鉛ブロックのスリットから662keVのセシウム137放射線を照射し、光検出器130で検出される光量を測定した。
【0058】
(表1)

放射線を照射した位置 光量(ch)
第一の部分121 126
第二の部分122 162
第三の部分123 224
第四の部分124 332
【0059】
すると、上述のように光低減部111〜113で区分された四つの部分121〜124ごとに、検出される光量が明白に相違することが確認された。さらに、光低減部111〜113で区分された四つの部分121〜124に選択的に放射線を照射したときに検出される波高分布を図4に示す。
【0060】
図4では、信号の波高値(受光素子で受け取る光の総量)を横軸にとり、パルス波高値ごとのカウント数を縦軸に示す。右側のシャープなピークに対応する波高値が、受光素子の最大光量を示す。
【0061】
発光位置が検出器から遠いほど光量が減少している。これにより、放射線が入射した領域毎に受光素子が受け取る光のエネルギー量が変化し、明確に放射線の反応位置を同定できることが確認された。
【0062】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではシンチレータ結晶110の組成やサイズなどを具体的に例示したが、当然ながら、その組成やサイズなどは各種に変形することができる。
【0063】
また、上記形態ではシンチレータ結晶110の外側面に光反射材140が被覆されていることを例示したが、これが被覆されていなくともよい。さらに、上記形態ではシンチレータ結晶110の外側面に三つの光低減部111〜113が形成されていることを例示したが、これは一つでも二つでも四つ以上でもよい。
【0064】
また、上記形態では光低減部111〜113が粗面の凹部からなることを例示した。しかし、光低減部が粗面のみで形成されていてもよく、凹部のみで形成されていてもよい。
【0065】
また、光反射材140が部分的に排除されることで光低減部が形成されていてもよく、シンチレータ結晶110の外側面に部分的に形成されている光吸収材(図示せず)で光低減部が形成されていてもよい。
【0066】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態の放射線検出装置の内部構造を示す模式的な縦断正面図である。
【図2】放射線検出器の外観を示す模式的な斜視図である。
【図3】試作した放射線検出器での実験内容を示す模式図である。
【図4】放射線検出器の出力信号を示す特性図である。
【符号の説明】
【0068】
100 放射線検出器
110 シンチレータ結晶
111〜113 光低減部
121〜124 部分
130 光検出器
140 光反射材
200 発光特定回路
1000 放射線検出装置
FR 蛍光
RR 放射線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線が入射すると内部で蛍光が発生するシンチレータ結晶と、前記蛍光を検出することで前記放射線の入射を検出する光検出器と、を有する放射線検出器であって、
細長形状に形成されていて一端に前記放射線が入射する前記シンチレータ結晶と、
前記シンチレータ結晶の他端に配置されていて前記蛍光の強度を検出する前記光検出器と、
前記シンチレータ結晶の外側面に部分的に位置して内部を伝播する前記蛍光の強度を低減する光低減部と、
を有する放射線検出器。
【請求項2】
前記光低減部が前記シンチレータ結晶の外側面の長手方向の複数位置に配置されている請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記シンチレータ結晶は、内部から前記外側面に入射する前記蛍光を内部に反射し、
前記光低減部は、前記シンチレータ結晶の内部から入射する前記蛍光を外部に放射する請求項1または2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記シンチレータ結晶は、内部から前記外側面に入射する前記蛍光を内部に反射し、
前記光低減部は、前記シンチレータ結晶の内部から入射する前記蛍光を吸収する請求項1ないし3の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記シンチレータ結晶は、内部から前記外側面に入射する前記蛍光を内部に反射し、
前記光低減部は、前記シンチレータ結晶の内部から入射する前記蛍光を散乱する請求項1ないし4の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項6】
前記光低減部が前記シンチレータ結晶の平滑な外側面に部分的に形成されている粗面からなる請求項1ないし5の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項7】
前記光低減部が前記シンチレータ結晶の外側面に部分的に形成されている凹部からなる請求項1ないし6の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項8】
前記光低減部が前記シンチレータ結晶の外側面に部分的に形成されている光吸収材からなる請求項1ないし7の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項9】
前記シンチレータ結晶が、LuAG結晶からなる請求項1ないし8の何れか一項に記載の放射線検出器。
【請求項10】
前記シンチレータ結晶が、プラセオジムがドープされている前記LuAG結晶からなる請求項9に記載の放射線検出器。
【請求項11】
前記シンチレータ結晶が、LuAG(Pr:LuAl12)結晶からなる請求項10に記載の放射線検出器。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか一項に記載の放射線検出器と、
前記放射線検出器の前記光検出器が出力する信号の強度により前記シンチレータ結晶の長手方向での発光位置を特定する発光特定部と、
を有する放射線検出装置。
【請求項13】
二次元状に配列されている複数の請求項1ないし11の何れか一項に記載の放射線検出器と、
前記放射線検出器の前記光検出器が個々に出力する信号の強度により各々の前記シンチレータ結晶の長手方向での発光位置を特定する発光特定部と、
前記発光特定部により特定された複数の前記放射線検出器の前記発光位置から前記放射線が放射された三次元での位置を特定する放射特定部と、
を有する位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−31132(P2009−31132A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195664(P2007−195664)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】