説明

放射線画像変換パネル

【課題】耐久性を有する放射線画像変換パネルを実現する。
【解決手段】 支持体11上に、輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層12を有する蛍光体シート20を被覆する保護フィルム13を備える放射線画像変換パネル10において、蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の表面と、保護フィルムの輝尽性蛍光体層側の面の少なくとも一方に、導電性膜(14a、14b)を備える構成にし、輝尽性蛍光体層に生じた不要な電子を、導電性膜を介して排除するようにし、その電子による輝尽性蛍光体の劣化を防ぎ、耐久性を向上させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像変換パネルに係り、特に輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病気診断等を目的として、X線画像に代表される放射線画像が用いられている。このような放射線画像を得るための方式として、近年においては、輝尽性蛍光体を採用した放射線画像読取方式が提案され、実用化されている。この方式においては、被写体を透過させた放射線を放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に照射して、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させる。そして、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって蓄積させた放射線エネルギーを輝尽発光光として放出させ、光電変換手段を用いてこの輝尽発光光を画像信号に変換して、デジタル画像データとして放射線画像を得ている。
【0003】
このような放射線画像読取方式に用いられる放射線画像変換パネルとして、支持体上に輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層が形成されたパネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−277598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、放射線画像変換パネルを長期使用する間に、輝尽性蛍光体がX線の照射を繰り返し受けることにより劣化してしまうことがあった。輝尽性蛍光体層の輝尽性蛍光体が劣化してしまうと、輝尽発光光が放出されにくくなり、放射線画像を得にくくなるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、耐久性を有する放射線画像変換パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
支持体上に、輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する蛍光体シートと、前記蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層側と前記支持体側に接するように配置され、前記蛍光体シートを被覆する保護フィルムと、を備える放射線画像変換パネルであって、
前記蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層の表面と、前記保護フィルムの前記輝尽性蛍光体層側の面の少なくとも一方に、導電性膜を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、放射線画像変換パネルにおいて、支持体上に備えられている輝尽性蛍光体層の表面と、蛍光体シートを被覆する保護フィルムの輝尽性蛍光体層側の面の少なくとも一方には導電性膜が備えられている。
輝尽性蛍光体層の表面に導電性膜が備えられることにより、輝尽性蛍光体層の表面に導電性が付与されることとなる。同様に、蛍光体シートを被覆する保護フィルムの輝尽性蛍光体層側の面に導電性膜が備えられることにより、その導電性膜が輝尽性蛍光体層に接することで輝尽性蛍光体層の表面に導電性を付与するようになる。
そして、輝尽性蛍光体層に導電性が付与されたことにより、輝尽性蛍光体層に生じた不要な電子が、輝尽性蛍光体層から逃げやすくなる。
【0008】
つまり、輝尽性蛍光体層に照射されたX線などが有するエネルギーによって励起し、輝尽性蛍光体層中に生じてしまった不要な電子が、輝尽性蛍光体層から導電性膜を介して、蛍光体シートや放射線画像変換パネルの外へ、効率的に逃げやすくなる。
そして、導電性膜によって、X線などが有するエネルギーによって励起してしまった不要な輝尽性蛍光体層中の電子を、輝尽性蛍光体層から効率的に排除することができる。
よって、この導電性膜により、不要な輝尽性蛍光体層中の電子を輝尽性蛍光体層から排除することができるので、その電子により輝尽性蛍光体層中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができる。
【0009】
このように、輝尽性蛍光体層の表面と、蛍光体シートを被覆する保護フィルムの輝尽性蛍光体層側の面の少なくとも一方には導電性膜を備えることにより、光の照射に伴い発生した電子により輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができるので、X線などに対する耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルとすることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記導電性膜の表面抵抗率が、2.0×1010(Ω)以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、導電性膜の表面抵抗率が、2.0×1010(Ω)以下であるので、輝尽性蛍光体層に生じてしまった不要な電子を放射線画像変換パネルの外部へと導電性膜が伝達するように逃がしやすく、効率的に不要な電子を排除することができる。
よって、輝尽性蛍光体層中の輝尽性蛍光体の劣化を低減することができる。
そして、X線などに対する耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルとすることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることを特徴とする。
一般式;Ba(1−x)(x)FBr(y)(1−y):aM,bLn,cO ・・・(1)
〔式中、MはMg、Ca、Sr、Zn及びCdの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子であり、XはCl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、MはLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの各原子から選ばれる少なくとも1種の希土類原子であり、また、x、y、a、b及びcはそれぞれ0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1の範囲の数値を表す。〕
【0013】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、輝尽性蛍光体は、一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である。希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系の輝尽性蛍光体は、放射線(X線)吸収率がよいので、高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であるので、より高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。
よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、放射線画像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層の表面に導電性膜が備えられることにより、輝尽性蛍光体層の表面に導電性が付与されることとなる。同様に、蛍光体シートを被覆する保護フィルムの輝尽性蛍光体層側の面に導電性膜が備えられることにより、その導電性膜が輝尽性蛍光体層に接することで輝尽性蛍光体層の表面に導電性を付与するようになる。
そして、輝尽性蛍光体層に導電性が付与されたことにより、輝尽性蛍光体層に生じた不要な電子が、輝尽性蛍光体層から逃げやすくなる。
つまり、導電性膜によって、X線などが有するエネルギーによって励起してしまった不要な輝尽性蛍光体層中の電子を、輝尽性蛍光体層から効率的に排除することができる。
よって、この導電性膜により、不要な輝尽性蛍光体層中の電子を輝尽性蛍光体層から排除することができるので、その電子により輝尽性蛍光体層中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができる。
従って、輝尽性蛍光体層の表面と、蛍光体シートを被覆する保護フィルムの輝尽性蛍光体層側の面の少なくとも一方には導電性膜を備えることにより、X線などの照射に伴い発生した電子により輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができるので、X線などに対する耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルとすることができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、導電性膜の表面抵抗率が、2.0×1010(Ω)以下であるので、輝尽性蛍光体層に生じてしまった不要な電子を放射線画像変換パネルの外部へと導電性膜が伝達するように逃がしやすく、効率的に不要な電子を排除することができる。
よって、輝尽性蛍光体層中の輝尽性蛍光体の劣化を低減することができる。そして、X線などに対する耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルとすることができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、輝尽性蛍光体は、一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である。希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系の輝尽性蛍光体は、放射線(X線)吸収率がよいので、高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であるので、より高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明にかかる放射線画像変換パネルは、被写体を透過させたX線などの放射線を放射線画像変換パネル内の輝尽性蛍光体層に照射して、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させるものである。そして、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって蓄積させた放射線エネルギーを輝尽発光光として放出させ、この輝尽発光光を画像信号に変換して、放射線画像を得るためのものである。
特に、本発明においては、輝尽性蛍光体層に接するように導電性金属からなる導電性膜を設け、輝尽性蛍光体層に生ずる不要な電子を、その導電性膜を介して排除することで、電子による輝尽性蛍光体層の劣化を低減するようにした放射線画像変換パネルである。
【0021】
図1は、本発明にかかる放射線画像変換パネル10の断面図である。
図1に示されるように、放射線画像変換パネル10は、支持体11と、支持体11上に形成された輝尽性蛍光体層12と、支持体11上に輝尽性蛍光体層12が形成された蛍光体シート20を被覆する保護フィルム13等により構成されている。
そして、蛍光体シート20における輝尽性蛍光体層12の表面には導電性膜14aが形成されており、また、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12側に配置された保護フィルム13の、輝尽性蛍光体層12側の面には導電性膜14bが形成されている。
【0022】
支持体11は、その表面に形成される輝尽性蛍光体層12を支持する支持部材である。支持体11の材料としては、例えば、各種高分子材料や金属、ガラス等が用いられる。特に、可撓性のあるフィルム状、シート状のものが取り扱い上好適であり、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートを用いることができる。
【0023】
また、これら支持体11の厚さは、用いる素材の材質によって異なるが、一般的には3〜1000μmの厚さのものを用い、より好ましくは80〜500μmの厚さのものを用いる。この支持体11の表面は、滑面であってもよく、輝尽性蛍光体層12の付着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0024】
輝尽性蛍光体層12は、以下の一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系の輝尽性蛍光体が結合剤中に分散含有されている層状体であり、輝尽性蛍光体の粒子を含む輝尽性蛍光体層用の塗布液が、支持体11に塗工されて、所定の厚みに形成されたものである。この場合、この輝尽性蛍光体の平均粒子径は2〜20μmで、好ましくは3〜15μmである。
一般式;Ba(1−x)(x)FBr(y)(1−y):aM,bLn,cO ・・・(1)
また、これらの蛍光体層は蒸着法等の気相堆積法で形成することもできる。この場合、蛍光体層には、CsBr、RbBr等のアルカリ金属ハロゲン化物が一般に使用されている。
なお、気相堆積法の事例は特開昭62−133399及び特開昭62−133400に記載されている。
【0025】
一般式(1)で表される輝尽性蛍光体において、MはMg、Ca、Sr、Zn及びCdの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子である。
XはCl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、なかでもIが好ましい。
はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子である。
LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの各原子から選ばれる少なくとも1種の希土類原子であり、なかでもEuが好ましい。これら金属は、例えば、付活剤として用いられる。
【0026】
また、化学量論的に一般式(1)で表される輝尽性蛍光体において、x、y、a、b、cはそれぞれ0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1の範囲である。
ここで、y=0であることが好ましい。
【0027】
そして、特に、本実施の形態においては、前述の一般式(1)における好適な原子(X;I、Ln;Eu)や条件(y=0)の組み合わせであるEu付活BaFIを母体とする輝尽性蛍光体を用いることとする。
【0028】
このような輝尽性蛍光体を含む塗布液は、輝尽性蛍光体と、その輝尽性蛍光体を支持体11に付着させる結合剤が、所定の有機溶媒に混合されて調整されている。
【0029】
本発明において、結合剤としては、例えば、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、アラビアゴムのような天然高分子物質、またはポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質、樹脂などを用いることができる。このような結合剤の中で、特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これらの結合剤は、架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
【0030】
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、結合剤は輝尽性蛍光体に対し1〜20質量部用いることが好ましく、さらには2〜10質量部用いることがより好ましい。
【0031】
また、本発明において塗布液の調製に用いられる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0032】
なお、塗布液には、該塗布液中における輝尽性蛍光体の分散性を向上させるための分散剤や、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と輝尽性蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤など、種々の添加剤が混合されていてもよい。
そのような分散剤としては、例えば、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。また、可塑剤としては、例えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル、そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0033】
塗布液の調製は、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、あるいは超音波分散機などの分散装置、ミキサーを用いて、所定の有機溶媒に輝尽性蛍光体、結合剤等を混合させることで行われる。
【0034】
そして、調製された塗布液を、支持体11の表面上に均一に塗布、塗工することにより輝尽性蛍光体の塗工層が形成される。塗布液を支持体11に塗工する方法としては、一般的な塗工技術を適用することができ、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リップコーターなどを用いることができる。
次いで、形成された塗工層を加熱、乾燥することにより、支持体11上に輝尽性蛍光体層12が形成される。輝尽性蛍光体層12の膜厚は、所望する放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。
【0035】
このように形成された輝尽性蛍光体層12の表面には、導電性膜14aが形成されている。
導電性膜14aは、所定の導電性金属が輝尽性蛍光体層12の表面に数nm〜数百nmの厚さに蒸着などによって形成される薄膜である。
所定の導電性金属としては、Ag、Sn、Zn、In、Cu、Pb、Ni、Ti、Sb、Au、Al等から選ばれる少なくとも1種の導電性金属を用いることができる。
また、輝尽性蛍光体層12の表面に導電性金属の薄膜を形成する装置としては、例えば、真空蒸着装置、分子線蒸着(MBE)装置、イオンプレーティング装置、イオンビーム蒸着装置、スパッタリング装置、メッキ装置等を用いることができる。
なお、導電性層に用いられる物質として、導電性金属の他、導電性酸化物や有機導電性物質がある。導電性酸化物として、例えば、In−Sn酸化物、In−As酸化物等があり、有機導電性物質として、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホナート、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン、セキシチオフェン、ポリ(3−アルキルチフェン)等がある。
【0036】
このように輝尽性蛍光体層12の表面に形成された導電性膜14aは、輝尽性蛍光体層12に照射されたX線などが有するエネルギーによって励起してしまった不要な電子が、輝尽性蛍光体層12から保護フィルム13などを介して、蛍光体シート20や放射線画像変換パネル10の外へ、効率的に逃がすように作用する金属膜である。
つまり、導電性膜14aは、X線などが有するエネルギーによって励起してしまった不要な輝尽性蛍光体層12中の電子を、輝尽性蛍光体層12から排除するために作用する金属膜である。
そして、この導電性膜14aによって、不要な輝尽性蛍光体層12中の電子を輝尽性蛍光体層12から排除することができるので、その電子により輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができる。
【0037】
上述のように支持体11に形成された輝尽性蛍光体層12や導電性膜14aを物理的、化学的に保護するために、支持体11上に輝尽性蛍光体層12が形成されて成る蛍光体シート20は、保護フィルム13により、外気との接触を遮断するように被覆される。
保護フィルム13は、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12側(導電性膜14a側)と、支持体11側に接するように配置され、蛍光体シート20の周囲において、蛍光体シート20の周辺に延出している保護フィルム13が蛍光体シート20の縁に沿うように接着剤等の接着手段によって接着されている。
このように、蛍光体シート20が保護フィルム13に被覆されることにより、輝尽性蛍光体層12や導電性膜14aが傷つき、損傷することから防ぐことができるとともに、輝尽性蛍光体層12が吸湿するなどして変質してしまうことから防ぐことができる。
【0038】
保護フィルム13としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等を用いることができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強度の面で保護フィルムとして好ましい。更には、これらのポリエチレンテレフタレートフィルム等の表面に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着し、防湿性能を付与した蒸着フィルムを用いることがより好ましい。
【0039】
また、保護フィルム13は、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が、5%以上60%未満の励起光吸収層を備えるフィルムであることが好ましい。更に好ましいヘイズ率は、10%以上50%未満である。ヘイズ率が5%未満では、画像ムラや線状ノイズを解消する効果が低く、また60%以上では画像の鮮鋭性が低下し、好ましくない。
【0040】
この保護フィルム13において、特に、本実施の形態においては、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12側(導電性膜14a側)に配置された保護フィルム13の、輝尽性蛍光体層12側(導電性膜14a側)の面には、導電性膜14bが形成されている。
この導電性膜14bは、輝尽性蛍光体層12に形成された導電性膜14aと同様の金属膜であり、所定の導電性金属が保護フィルム13の表面に数nm〜数百nmの厚さに蒸着などによって形成された薄膜である。
所定の導電性金属としては、Ag、Sn、Zn、In、Cu、Pb、Ni、Ti、Sb、Au、Al等から選ばれる少なくとも1種の導電性金属を用いることができる。また、保護フィルム13の表面に導電性金属の薄膜を形成する装置としては、例えば、真空蒸着装置、分子線蒸着(MBE)装置、イオンプレーティング装置、イオンビーム蒸着装置、スパッタリング装置、メッキ装置等を用いることができる。
【0041】
このように保護フィルム13の表面に形成された導電性膜14bは、対向する蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12に接触するように、その保護フィルム13が配設されているので、輝尽性蛍光体層12に照射されたX線などが有するエネルギーによって励起してしまった不要な電子が、輝尽性蛍光体層12から保護フィルム13などを介して、蛍光体シート20や放射線画像変換パネル10の外へ、効率的に逃がすように作用する。
つまり、導電性膜14bは、X線などが有するエネルギーによって励起してしまった不要な輝尽性蛍光体層12中の電子を、輝尽性蛍光体層12から排除するために作用する金属膜である。
特に、導電性膜14bは、保護フィルム13に形成されているので、放射線画像変換パネル10の外部物質と接触することにより、輝尽性蛍光体層12の不要な電子を放射線画像変換パネル10の外部物質へと伝達するように逃がしやすく、効率的に不要な電子を排除することができる。
そして、この導電性膜14bによって、不要な輝尽性蛍光体層12中の電子を輝尽性蛍光体層12から排除することができるので、その電子により輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができる。
【0042】
そして、本発明において、導電性膜14aと導電性膜14bの表面抵抗率は、2.0×1010(Ω)以下であることが好ましく、より好ましくは1.0×10(Ω)以下である。
このような表面抵抗率を有する導電性膜であれば、輝尽性蛍光体層12に生じてしまった不要な電子を放射線画像変換パネル10の外部物質へと伝達するように逃がしやすく、効率的に不要な電子を排除することができる。
そして、輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体の劣化を低減することができる。
【0043】
このように、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12の表面や、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12側に配置された保護フィルム13の輝尽性蛍光体層12側の面に、導電性膜(導電性膜14a、導電性膜14b)を形成することにより、輝尽性蛍光体層12の表面に導電性を付与することができる。そして、X線などの照射を受け、輝尽性蛍光体層12中に生じてしまった不要な電子を、導電性膜を介して輝尽性蛍光体層12から排除することができるので、その電子により輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができる。
【0044】
このように、本発明に係る輝尽性蛍光体パネル10は、輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができるので、光に対する耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルとすることができる。
また、蛍光体シート20(輝尽性蛍光体層12)が保護フィルム13に被覆されることにより、輝尽性蛍光体層12が傷つき、損傷することから防ぐことができるとともに、吸湿するなどして変質してしまうことから防ぐことができる。
よって、この輝尽性蛍光体パネル10は、耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルであるといえる。
【0045】
なお、以上の実施の形態においては、図1に輝尽性蛍光体層12と保護フィルム13の両方に導電性膜を備える放射線画像変換パネルを示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性膜は輝尽性蛍光体層の表面と、保護フィルムの少なくとも一方に備えればよいので、輝尽性蛍光体層12側にのみ導電性膜を備える放射線画像変換パネルや、保護フィルム13の輝尽性蛍光体層12側(導電性膜14a側)の面にのみに導電性膜を備える放射線画像変換パネルであってもよい。
【0046】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【実施例】
【0047】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明は以下の実施例に限定されるものではない。ここでは、輝尽性蛍光体粒子を含む輝尽性蛍光体が結合剤中に分散された蛍光体層について述べるが、蒸着で作製した蛍光体層についても同様に適用できる。
【0048】
〔放射線画像変換パネルの作製〕
(輝尽性蛍光体の調製)
ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム(Eu付活BaFI)の輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI水溶液(3.6mol/l)2780mlとEuI水溶液(0.15mol/l)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/l)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行った。次に、沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0049】
次いで、上記調製したユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子100gを、シリカ微粒子(日本アエロジル社製、平均粒子径12nm)1.0gとシランカップリング剤(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)5.0gを添加したエタノール分散液中に浸してスラリー状とした後、濾過、乳鉢解砕して、80℃で3時間乾燥した後、分級して平均粒径7μmの輝尽性蛍光体を調製した。
【0050】
(輝尽性蛍光体層塗布液の調製)
上記調製した輝尽性蛍光体100gと結合剤としてのポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン63SS)16.7gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加するとともに、それらをプロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。なお、樹脂及び溶媒は、使用前にモレキュラーシーブ4Aと混合した状態で1日静置し、予め充分に脱水を行ったものである。
【0051】
(輝尽性蛍光体層、蛍光体シート、放射線画像変換パネルの形成)
上記調製した各塗布液を、ドクターブレードを用いて、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムよりなる支持体11上に、各々膜厚が230μmとなるように塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて輝尽性蛍光体層12を形成して、蛍光体シート20を作製した。
そして、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12表面に導電性膜14aとしてのAu蒸着膜を蒸着装置により形成した。
上記調製した蛍光体シート20に保護フィルム13を被覆し、放射線画像変換パネル10を作製した。
なお、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12側(導電性膜14a側)に配置する保護フィルム13の輝尽性蛍光体層12側(導電性膜14a側)の面に、導電性膜14bとしてのAu蒸着膜を蒸着装置により形成したものと、形成しないものとを用意し、以下の6種類の放射線画像変換パネル10を作製した。
尚、導電性膜14a及び14bの表面抵抗率はJIS C2151に準拠して測定した。
【0052】
〔実施例1〕
輝尽性蛍光体層12表面に、表面抵抗率が2.0×1010(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
また、保護フィルム13にはAu蒸着膜を形成せず、その保護フィルム13の表面抵抗率は2.0×1013(Ω)であった。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0053】
〔実施例2〕
輝尽性蛍光体層12表面に、表面抵抗率が1.0×10(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
また、保護フィルム13にはAu蒸着膜を形成せず、その保護フィルム13の表面抵抗率は2.0×1013(Ω)であった。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0054】
〔実施例3〕
輝尽性蛍光体層12表面に、表面抵抗率が1.0×10(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
また、保護フィルム13には、表面抵抗率が1.5×1010(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0055】
〔実施例4〕
輝尽性蛍光体層12表面に、表面抵抗率が1.0×10(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
また、保護フィルム13には、表面抵抗率が1.0×10(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0056】
〔実施例5〕
輝尽性蛍光体層12表面にはAu蒸着膜を形成せず、その輝尽性蛍光体層12の表面抵抗率は1.0×1013(Ω)であった。
また、保護フィルム13には、表面抵抗率が1.0×108(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0057】
〔比較例1〕
輝尽性蛍光体層12表面にはAu蒸着膜を形成せず、その輝尽性蛍光体層12の表面抵抗率は1.3×1013(Ω)であった。
また、保護フィルム13にもAu蒸着膜を形成せず、その保護フィルム13の表面抵抗率は2.0×1013(Ω)であった。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0058】
〔比較例2〕
輝尽性蛍光体層12表面に、表面抵抗率が2.0×1011(Ω)のAu蒸着膜を形成した。
また、保護フィルム13には、Au蒸着膜を形成せず、その保護フィルム13の表面抵抗率は2.0×1013(Ω)であった。
この放射線画像変換パネル10の品質(輝度劣化)評価結果を表1に示す。
【0059】
(放射線画像変換パネルにおける輝度劣化の評価)
輝度劣化の評価の測定は、以下のように行った。
【0060】
(X線損傷)
輝度の測定は、レジウス170(コニカミノルタ社製)を用い、各々の放射線画像変換パネル(試料)に管電圧80kVp、200mRのX線を照射した後、レジウス170高精度モードで読み取った輝尽発光の信号値を輝度と定義し、基準試料を用いた放射線画像変換パネルに対する強制劣化処理試料を用いた放射線画像変換パネルの輝度劣化率を算出することにより評価し、ランク付けを行った。
強制劣化試料には、上記放射線画像変換パネル(試料)に管電圧80kVp、200mRのX線を照射し、レジウス170で消去することを、500回行った後の輝度を測定した。そして、初期輝度に対する輝度劣化率を算出し、下記の基準によりランク付けを行った。
5 ; 輝度劣化率2%未満
4 ; 輝度劣化率2%以上、5%未満
3 ; 輝度劣化率5%以上、10%未満
2 ; 輝度劣化率10%以上、15%未満
1 ; 輝度劣化率15%以上
この1〜5までの5段階評価において、3以上であれば実用上問題のないものであると判断した。
【0061】
以上により得られた結果を、表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
表1から明らかなように、本発明の構成からなる放射線画像変換パネル10において、輝尽性蛍光体層12中に生じてしまった不要な電子を、輝尽性蛍光体層12から排除するために作用する金属膜であるAu蒸着膜を備え、その表面抵抗率が2.0×1010(Ω)以下であれば、輝度劣化が少ない放射線画像変換パネル10が作製されることが判る。
また、そのAu蒸着膜の表面抵抗率が1.0×10(Ω)以下であれば、輝度劣化がより少ない放射線画像変換パネル10とすることができ、特に、輝尽性蛍光体層12と保護フィルム13の両方にAu蒸着膜を備えることで、さらに輝度劣化が少ない放射線画像変換パネル10とすることができる。
【0064】
このように、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12の表面や、蛍光体シート20の輝尽性蛍光体層12側に配置された保護フィルム13の輝尽性蛍光体層12側の面に、Au蒸着膜などの導電性膜(導電性膜14a、導電性膜14b)を形成することにより、輝尽性蛍光体層12の表面に導電性を付与することができる。そして、X線の照射を繰り返し受け、輝尽性蛍光体層12中に生じてしまった不要な電子を、導電性膜を介して輝尽性蛍光体層12から排除することができるので、その電子により輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することができる。
そして、輝尽性蛍光体層12中の輝尽性蛍光体が劣化してしまうことを低減することにより、X線などに対する耐久性を有する輝尽性蛍光体パネルとすることができる。つまり、本発明にかかる放射線画像変換パネル10は、X線損傷による輝度劣化防止を図った放射線画像変換パネルであるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る放射線画像変換パネルを示す断面図である。
【符号の説明】
【0066】
10 放射線画像変換パネル
11 支持体
12 輝尽性蛍光体層
13 保護フィルム
14a、14b 導電性膜
20 蛍光体シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を有する蛍光体シートと、前記蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層側と前記支持体側に接するように配置され、前記蛍光体シートを被覆する保護フィルムと、を備える放射線画像変換パネルであって、
前記蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層の表面と、前記保護フィルムの前記輝尽性蛍光体層側の面の少なくとも一方に、導電性膜を備えることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【請求項2】
前記導電性膜の表面抵抗率が、2.0×1010(Ω)以下であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項3】
前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線画像変換パネル。
一般式;Ba(1−x)(x)FBr(y)(1−y):aM,bLn,cO ・・・(1)
〔式中、MはMg、Ca、Sr、Zn及びCdの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子であり、XはCl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、MはLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの各原子から選ばれる少なくとも1種の希土類原子であり、また、x、y、a、b及びcはそれぞれ0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1の範囲の数値を表す。〕
【請求項4】
前記輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線画像変換パネル。

【図1】
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【公開番号】特開2006−105970(P2006−105970A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253403(P2005−253403)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】