説明

放射線画像変換パネル

【課題】低コストで製造することができ、画質及び安定性が良好な放射線画像変換パネルを実現する。
【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層に含有される輝尽性蛍光体の粒子の表面を、所定のフッ素含有化合物により覆い、輝尽性蛍光体に疎水性能を付与するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病気診断等を目的として、X線画像に代表される放射線画像が用いられている。このような放射線画像を得るための方式として、近年においては、輝尽性蛍光体を採用した放射線画像読取方式が提案され、実用化されている。この方式においては、被写体を透過させた放射線を放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に照射して、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させる。そして、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査することによって蓄積させた放射線エネルギーを輝尽発光光として放出させ、光電変換手段を用いてこの輝尽発光光を画像信号に変換して、デジタル画像データとして放射線画像を得ている。
【0003】
このような放射線画像読取方式に用いられる放射線画像変換パネルとして、輝尽性蛍光体層が支持体上に形成された放射線画像変換パネルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一般的に輝尽性蛍光体は潮解性を持ち、吸湿により特性が劣化する。この潮解性は、X線吸収率が高く、画質向上に寄与するヨウ素などの原子半径の大きい元素を用いたときに強くなるため、外気からの保護が必須となる。
そのため、この放射線画像変換パネル10は、図2に示されるように、支持体11上に輝尽性蛍光体層12が形成された蛍光体プレート20を保護フィルム13により被覆された構造を有している。
このように、蛍光体プレート20を保護フィルム13によって被覆することにより、輝尽性蛍光体層12を外気から遮断し、輝尽性蛍光体層12に含有される輝尽性蛍光体が吸湿することなどにより変質してしまうことから防ぐことができ、放射線画像変換パネル10としての機能、性能を維持することができる。
【特許文献1】特開2002−277598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、輝尽性蛍光体層12を外気から遮断するように、気密性よく蛍光体プレート20を保護フィルム13により被覆することによっては、製造コストが増大してしまうという問題があった。
また、より気密性をよくするために、保護フィルム13を積層したり、厚くしたりすることによっては、そのフィルム層内の光散乱が増大することにより、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が低下してしまうという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、低コストで製造することができ、画質及び安定性が良好な放射線画像変換パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、
前記輝尽性蛍光体層は、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子を含有して成り、当該輝尽性蛍光体層の表層側には保護層が備えられていることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、放射線画像変換パネルにおいて、支持体上に備えられている輝尽性蛍光体層に含有される輝尽性蛍光体の粒子は、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われている。輝尽性蛍光体の粒子の表面が所定のフッ素含有化合物により覆われたことにより、輝尽性蛍光体の粒子に疎水、撥水性が付与されることとなり、さらには、輝尽性蛍光体の粒子は耐湿性能を有するようになる。
つまり、輝尽性蛍光体の粒子の表面を所定のフッ素含有化合物により覆う処理を施すことにより、輝尽性蛍光体が外気に触れても吸湿したり、潮解したりするなど変質しにくくなる。
よって、吸湿することにより変質してしまう輝尽性蛍光体や、潮解性を有する輝尽性蛍光体にこのような撥水・耐湿処理を施すことにより、このような輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を形成した際に、従来のように、その輝尽性蛍光体層を外気から遮断するように保護フィルムにより気密性よく密封する必要がなくなる。そのため、輝尽性蛍光体層の表層側に、輝尽性蛍光体層が損傷してしまうことから防ぐための保護層を備えるようにすればよいようになるので、従来より安価に保護フィルムなどの保護層を配設することができるようになる。
従って、このような放射線画像変換パネルは低コストで製造することができるようになる。
【0008】
また、このような放射線画像変換パネルは、従来のように、輝尽性蛍光体層を外気から遮断するように保護フィルムにより気密性よく密封する必要がないので、保護フィルムなどの保護層をより薄くすることが可能となり、その保護層内の光散乱性を減少させることができる。そのため、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が向上することにより、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
また、表面を所定のフッ素含有化合物により覆われた輝尽性蛍光体は耐湿性能を有するようになり、その変質が低減されているので、好適な画質を維持することができる優れた放射線画像変換パネルとすることができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が15以上100以下であることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が15以上100以下であるので、良好な疎水、撥水性能、耐湿性能を有している。よって、このような輝尽性蛍光体の粒子を含有する輝尽性蛍光体層は変質しにくく、好適な画質を維持することができる。
従って、このような輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルは、放射線画像の悪化を低減し、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が25以上100以下であることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が25以上100以下であるので、より良好な疎水、撥水性能、耐湿性能を有している。よって、このような輝尽性蛍光体の粒子を含有する輝尽性蛍光体層は変質しにくく、好適な画質を維持することができる。
従って、このような輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルは、放射線画像の悪化を低減し、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記保護層の厚みが1μm以上15μm以下であることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、保護層の厚みが1μm以上15μm以下であるので、その保護層の励起光の散乱を防止させることができる。そのため、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が向上することにより、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記保護層の厚みが1μm以上9μm以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、保護層の厚みが1μm以上9μm以下であるので、その保護層の透光性をより向上させることができる。そのため、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が向上することにより、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることを特徴とする。
一般式;Ba(1-x)2(x)FBr(y)(1-y):aM1,bLn,cO ・・・(1)
〔式中、M2はMg、Ca、Sr、Zn及びCdの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子であり、XはCl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの各原子から選ばれる少なくとも1種の希土類原子であり、また、x、y、a、b及びcはそれぞれ0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1の範囲の数値を表す。〕
【0018】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、輝尽性蛍光体は、一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である。希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系の輝尽性蛍光体は、放射線(X線)吸収率がよいので、高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の放射線画像変換パネルにおいて、
前記輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であるので、より高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。
よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、放射線画像変換パネルにおいて、支持体上に備えられている輝尽性蛍光体層に含有される輝尽性蛍光体の粒子は、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われているので、輝尽性蛍光体の粒子に疎水、撥水性が付与されることとなり、さらには、輝尽性蛍光体の粒子は耐湿性能を有するようになる。つまり、輝尽性蛍光体の粒子の表面を所定のフッ素含有化合物により覆う処理を施すことにより、輝尽性蛍光体が外気に触れても吸湿したり、潮解したりするなど変質しにくくなる。
よって、吸湿することにより変質してしまう輝尽性蛍光体や、潮解性を有する輝尽性蛍光体にこのような撥水・耐湿処理を施すことにより、このような輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を形成した際に、従来のように、その輝尽性蛍光体層を外気から遮断するように保護フィルムにより気密性よく密封する必要がなくなる。そのため、輝尽性蛍光体層の表層側に、輝尽性蛍光体層が損傷してしまうことから防ぐための保護層を備えるようにすればよいようになるので、従来より安価に保護フィルムなどの保護層を配設することができるようになる。従って、このような放射線画像変換パネルは低コストで製造することができるようになる。
また、このような放射線画像変換パネルは、従来のように、輝尽性蛍光体層を外気から遮断するように保護フィルムにより気密性よく密封する必要がないので、保護フィルムなどの保護層をより薄くすることが可能となり、その保護層内の光散乱性を減少させることができる。そのため、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が向上することにより、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が15以上100以下であるので、良好な疎水、撥水性能、耐湿性能を有している。よって、このような輝尽性蛍光体の粒子を含有する輝尽性蛍光体層は変質しにくく、好適な画質を維持することができる。
従って、このような輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルは、放射線画像の悪化を低減し、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が25以上100以下であるので、より良好な疎水、撥水性能、耐湿性能を有している。よって、このような輝尽性蛍光体の粒子を含有する輝尽性蛍光体層は変質しにくく、好適な画質を維持することができる。
従って、このような輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルは、放射線画像の悪化を低減し、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、保護層の厚みが1μm以上15μm以下であるので、その保護層の励起光の散乱を防止させることができる。そのため、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が向上することにより、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、保護層の厚みが1μm以上9μm以下であるので、その保護層の透光性をより向上させることができる。そのため、輝尽発光光に基づいて取得する放射線画像の鮮鋭性が向上することにより、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、輝尽性蛍光体は、一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である。希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系の輝尽性蛍光体は、放射線(X線)吸収率がよいので、高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であるので、より高感度の輝尽性蛍光体層を形成することができる。
よって、より画質が良好な放射線画像の記録、撮影を行うことができる放射線画像変換パネルとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる放射線画像変換パネル5の断面図である。
図1に示されるように、放射線画像変換パネル5は、支持体1と、支持体1上に形成された輝尽性蛍光体層2と、輝尽性蛍光体層2の表層側に備えられた保護層としての保護フィルム3等により構成されている。
【0029】
支持体1は、その表面に形成される輝尽性蛍光体層2を支持する支持部材である。支持体1の材料としては、例えば、各種高分子材料や金属、ガラス等が用いられる。特に、可撓性のあるフィルム状、シート状のものが取り扱い上好適であり、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートを用いることができる。
【0030】
また、これら支持体1の厚さは、用いる素材の材質によって異なるが、一般的には3〜1000μmの厚さのものを用い、より好ましくは80〜500μmの厚さのものを用いる。この支持体11の表面は、滑面であってもよく、輝尽性蛍光体層2の付着性を向上させる目的でマット面としてもよい。
【0031】
輝尽性蛍光体層2は、一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系の輝尽性蛍光体が結合剤中に分散含有されている層状体であり、輝尽性蛍光体の粒子を含む輝尽性蛍光体層用の塗布液が、支持体1に塗工されて、所定の厚みに形成されたものである。
一般式;Ba(1-x)2(x)FBr(y)(1-y):aM1,bLn,cO ・・・(1)
【0032】
一般式(1)で表される輝尽性蛍光体において、M2はMg、Ca、Sr、Zn及びCdの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子である。
XはCl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、なかでもIが好ましい。
1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子である。
LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの各原子から選ばれる少なくとも1種の希土類原子であり、なかでもEuが好ましい。これら金属は、例えば、付活剤として用いられる。
【0033】
また、化学量論的に一般式(1)で表される輝尽性蛍光体において、x、y、a、b、cはそれぞれ0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1の範囲である。
ここで、y=0であることが好ましい。
【0034】
そして、特に、本実施の形態においては、前述の一般式(1)における好適な原子(X;I、Ln;Eu)や条件(y=0)の組み合わせであるEu付活BaFIを母体とする輝尽性蛍光体を用いることとする。
【0035】
特に、本発明において、輝尽性蛍光体は、所定のフッ素含有化合物により、その表面が覆われた状態に処理され、撥水性能が付与されている。所定のフッ素含有化合物としては、例えば、EGC−1700(住友スリーエム社製)やサイトップ(旭硝子社製)等のフッ素樹脂などを用いることができる。
輝尽性蛍光体の表面をフッ素含有化合物で覆う処理は、例えば、所定のフッ素含有化合物を所定の溶媒(例えば、パーフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテルなど)に溶解した溶解液中に、輝尽性蛍光体の粒子を含浸させた後、乾燥する方法や、所定のフッ素含有化合物の溶解液を輝尽性蛍光体の粒子に噴霧した後、乾燥する方法などがあげられる。
【0036】
表面がフッ素含有化合物により覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法により疎水化度(MW値)を測定し、その撥水性能を確認することができる。
この輝尽性蛍光体の粒子の疎水化度(MW値)は、フッ素含有化合物の溶解液の濃度により調整することができ、高濃度の溶解液を用いるほど高い疎水化度(MW値)を有する輝尽性蛍光体の粒子として処理することができる。
なお、輝尽性蛍光体の粒子の疎水化度(MW値)は、15以上100以下であることが好ましく、より好ましくは25以上100である。
【0037】
このように、輝尽性蛍光体の粒子の表面を所定のフッ素含有化合物により覆う処理を施し、輝尽性蛍光体の粒子に撥水性能を付与することにより、輝尽性蛍光体の粒子は耐湿性能を有するようになる。つまり、潮解性を有する輝尽性蛍光体や、吸湿することにより変質してしまう輝尽性蛍光体に対し、その表面をフッ素含有化合物で覆う処理を施すことによって、輝尽性蛍光体が外気に触れても潮解や吸湿することがなくなる。
よって、Eu付活BaFIを母体とする輝尽性蛍光体ような潮解性を有する輝尽性蛍光体にこのような撥水・耐湿処理を施すことにより、Eu付活BaFIを母体とする輝尽性蛍光体を含有する輝尽性蛍光体層を形成した際に、従来のように、その輝尽性蛍光体層を外気から遮断するように保護フィルムにより気密性よく密封する必要がなくなる。
【0038】
この輝尽性蛍光体を含む塗布液は、輝尽性蛍光体と、その輝尽性蛍光体を支持体1に付着させる結合剤が、所定の有機溶媒に混合されて調整されている。
【0039】
本発明において、結合剤としては、例えば、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、アラビアゴムのような天然高分子物質、またはポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのような合成高分子物質、樹脂などを用いることができる。このような結合剤の中で、特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これらの結合剤は、架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
【0040】
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、結合剤は輝尽性蛍光体に対し1〜20質量部用いることが好ましく、さらには2〜10質量部用いることがより好ましい。
【0041】
また、本発明において塗布液の調製に用いられる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0042】
なお、塗布液には、該塗布液中における輝尽性蛍光体の分散性を向上させるための分散剤や、形成後の輝尽性蛍光体層中における結合剤と輝尽性蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤など、種々の添加剤が混合されていてもよい。
そのような分散剤としては、例えば、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。また、可塑剤としては、例えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル、そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0043】
塗布液の調製は、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、Kadyミル、あるいは超音波分散機などの分散装置、ミキサーを用いて、所定の有機溶媒に輝尽性蛍光体、結合剤等を混合させることで行われる。
【0044】
そして、調製された塗布液を、支持体1の表面上に均一に塗布、塗工することにより輝尽性蛍光体の塗工層が形成される。塗布液を支持体1に塗工する方法としては、一般的な塗工技術を適用することができ、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リップコーターなどを用いることができる。
次いで、形成された塗工層を加熱、乾燥することにより、支持体1上に輝尽性蛍光体層2が形成される。輝尽性蛍光体層2の膜厚は、所望する放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。
【0045】
このように形成された輝尽性蛍光体層2を物理的に保護するために、輝尽性蛍光体層2の表層側に保護フィルム3を備え、輝尽性蛍光体層2が損傷することから防ぐようにしている。
保護フィルム3は、例えば、所定の接着剤を用い貼付して備えられている。
保護フィルム3としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等を用いることができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強度の面で保護フィルムとして好ましい。
また、保護フィルム3は、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などの高分子樹脂の溶液を輝尽性蛍光体層2の表層側に塗工し、乾燥することによって形成するようにしてもよい。
【0046】
この保護フィルム3の膜厚は、1μm以上15μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上9μm以下である。
保護フィルム3が、この範囲以上の厚みを有すると、フィルムの光透過性が低下してしまうので、輝尽性蛍光体層2からの輝尽発光光の検出精度が悪化することとなり、放射線画像の鮮鋭性が低下してしまう。
また、膜厚1μm未満の極薄の保護フィルム3を製造したり、その極薄フィルムを好適に輝尽性蛍光体層2の表層側に配設したりすることによっては、放射線画像変換パネル5の製造コストが増大してしまう場合があり、また、そのような極薄フィルムでは輝尽性蛍光体層2を好適に保護するためにはフィルム強度が弱い場合があるので、保護フィルム3の膜厚は1μm以上であることが好ましい。
【実施例】
【0047】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
〔放射線画像変換パネルの作製〕
(輝尽性蛍光体の調製)
ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム(Eu付活BaFI)の輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol/l)2780mlとEuI3水溶液(0.15mol/l)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/l)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に、沈澱物をろ別後、エタノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0049】
次いで、上記調製したユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子100gを、シリカ微粒子(日本アエロジル社製、平均粒子径12nm)1.0gとシランカップリング剤(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)5.0gを添加したエタノール分散液中に浸してスラリー状とした後、濾過、乳鉢解砕して、80℃で3時間乾燥した。
【0050】
(輝尽性蛍光体粒子の表面の疎水化処理)
フッ素含有化合物であるEGC−1700(住友スリーエム(株)社製)を、HFE7100(住友スリーエム(株)社製)に所定量溶解した溶解液に、上記調製した輝尽性蛍光体の粒子を含浸させた後、120℃で3時間乾燥させ、疎水化処理された輝尽性蛍光体を調製した。
なお、以下のような濃度のEGC−1700溶解液を輝尽性蛍光体粒子に表面処理することにより、それぞれ以下の通りの疎水化度(MW値)を有する輝尽性蛍光体粒子を調製した。
0.0重量%(処理なし) ; MW値=3
0.01重量% ; MW値=10
0.02重量% ; MW値=15
0.05重量% ; MW値=25
0.1重量% ; MW値=75

そして、分級して平均粒径7μmの輝尽性蛍光体を調製した。
【0051】
(輝尽性蛍光体層塗布液の調製)
上記調製した疎水化処理された輝尽性蛍光体100gと結合剤としてのポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン63SS)16.7gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。なお、樹脂及び溶媒は、使用前にモレキュラーシーブ4Aと混合した状態で1日静置し、予め充分に脱水を行ったものである。
【0052】
(輝尽性蛍光体層の形成)
上記調製した塗布液を、ドクターブレードを用いて、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムよりなる支持体1上に、膜厚が230μmとなるように塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて輝尽性蛍光体層2を形成した。
そして、輝尽性蛍光体層2の表層側に、膜厚20μm、15μm、9μmのPETフィルムをそれぞれ貼付した放射線画像変換パネルと、輝尽性蛍光体層2の表層側に、膜厚20μm、15μm、9μmとなるようにアクリル樹脂(BR−88、三菱レイヨン社製)をそれぞれコーティングした放射線画像変換パネルと、輝尽性蛍光体層2の表層側に膜厚15μmのアルミナ蒸着フィルムを貼付した放射線画像変換パネルを作製した。
なお、MW値が3の輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネルにおいては、PETフィルムによる保護層、アクリル樹脂をコーティングした保護層、アルミナ蒸着フィルムによる保護層のものとも、膜厚15μmの保護層のもののみ作製し、さらに、比較例として、従来のように、輝尽性蛍光体層2を外気から遮断するようにアルミナ蒸着フィルムにより気密性よく真空封止する放射線画像変換パネルを作製した。
【0053】
〔放射線画像変換パネルの評価〕
(放射線画像変換パネルにおける鮮鋭性の評価)
鮮鋭性の評価の測定は、以下のように行った。
放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルを半導体レーザ光(690nm)で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、その記録をコンピュータで分析してX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。そして、空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値(%)を測定した。MTF値が高いほど良好な鮮鋭性が得られるので好ましい。また、放射線画像変換パネルとして実用するための鮮鋭性としては、65%を越えることが好ましい。
この鮮鋭性については、下記のように1〜5までの5段階評価を行った。
5 ; MTF値70%以上
4 ; MTF値68%以上、70%未満
3 ; MTF値65%以上、68%未満
2 ; MTF値63%以上、65%未満
1 ; MTF値63%未満
この1〜5までの5段階評価において、3以上であれば実用上問題のないものであると判断し、特に5以上であれば優れた画像鮮鋭性であると判断した。
【0054】
(放射線画像変換パネルにおける安定性の評価)
安定性の評価の測定は、以下のように行った。
基準パネルのMTFに対する強制劣化処理パネルのMTFの劣化率を算出し、鮮鋭性の劣化率とした。強制劣化の条件は40℃、湿度90%の環境下で2週間とした。
その劣化率については、下記のように1〜5までの5段階にランクつけした。
5 ; 鮮鋭性劣化率2%未満
4 ; 鮮鋭性劣化率2%以上、5%未満
3 ; 鮮鋭性劣化率5%以上、10%未満
2 ; 鮮鋭性劣化率10%以上、15%未満
1 ; 鮮鋭性劣化率15%以上
上記ランクにおいて、3以上であれば、実用上問題ないと判定した。
【0055】
(放射線画像変換パネルにおける経済性の評価)
経済性の評価の測定は、以下のように行った。
放射線画像変換パネルにおける製造コストの経済性については、パネルの保護膜形成に必要なベース搬送ラインの工程数に基づき、下記のように1〜3までの3段階評価を行った。
3 ; 1工程(樹脂コーティングorPETフィルム貼り付け)
2 ; 2工程(1.保護フィルムへのバリア層蒸着、2.貼り付け)
1 ; 3工程(蒸着フィルム真空封止)
この1〜3までの3段階評価において、3であれば優れた経済性であると判断した。
【0056】
以上により得られた結果を、表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
表1から明らかなように、本発明の構成からなる放射線画像変換パネル5において、輝尽性蛍光体のMW値(疎水化度)が15以上であれば、輝尽性蛍光体層2の耐湿性は実用上問題なく、MW値(疎水化度)が25以上であれば、輝尽性蛍光体層2の耐湿性は実用上良好であることが判る。
また、保護層の膜厚が15μm以下であれば、放射線画像変換パネル5における放射線画像の鮮鋭性は良好であり、保護層の膜厚が9μm以下であれば、放射線画像の鮮鋭性は至極良好であることが判る。
また、保護層としては、PETフィルムのようなフィルムを輝尽性蛍光体層2に貼着することや、アクリル樹脂のような高分子樹脂を輝尽性蛍光体層2にコーティングすることにより配設することが、アルミナ蒸着フィルムを使用したり、従来のような真空封止することに比べ、経済性に優れ、製造コストを抑えることができることが判る。
【0059】
このように、輝尽性蛍光体層2に含有される輝尽性蛍光体の粒子の表面を所定のフッ素含有化合物により覆う処理を施し、輝尽性蛍光体に疎水性能、耐湿性能を付与することにより、輝尽性蛍光体層2が変質してしまうことを防ぐことができる。この輝尽性蛍光体のMW値(疎水化度)が15以上100(Max)以下、さらには、25以上100(Max)以下であれば、輝尽性蛍光体層2の変質を好適に防止することができ、このような輝尽性蛍光体層2を有する放射線画像変換パネル5を、好適な画質を維持することができる優れた放射線画像変換パネルとすることができる。
【0060】
また、輝尽性蛍光体層2にフィルムを貼着したり、輝尽性蛍光体層2に高分子樹脂をコーティングしたりすることによって、保護層、保護フィルムを配設することにより、保護層を低コストで備えることができ、放射線画像変換パネル5を低コストで製造することができる。
また、保護層の膜厚が15μm以下、特に、9μm以下であれば、放射線画像変換パネル5における放射線画像の鮮鋭性は良好であり、画質が良好な放射線画像変換パネルとすることができる。
【0061】
よって、このような条件を兼ね備えた放射線画像変換パネル5は、低コストで製造することができる、画質が良好な放射線画像変換パネル5であるといえる。
【0062】
なお、以上の実施の形態においては、支持体1上に輝尽性蛍光体層2の表層側を保護フィルム3により覆った放射線画像変換パネル5を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保護フィルム3を使用しなくてもよい。
【0063】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る放射線画像変換パネルを示す断面図である。
【図2】従来の放射線画像変換パネルを示す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 支持体
2 輝尽性蛍光体層
3 保護フィルム
5 放射線画像変換パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、
前記輝尽性蛍光体層は、所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子を含有して成り、当該輝尽性蛍光体層の表層側には保護層が備えられていることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【請求項2】
前記所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が15以上100以下であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項3】
前記所定のフッ素含有化合物により表面が覆われた輝尽性蛍光体の粒子は、メタノールウェッタビリティ法による疎水化度が25以上100以下であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項4】
前記保護層の厚みが1μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項5】
前記保護層の厚みが1μm以上9μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の放射線画像変換パネル。
【請求項6】
前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(1)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の放射線画像変換パネル。
一般式;Ba(1-x)2(x)FBr(y)(1-y):aM1,bLn,cO ・・・(1)
〔式中、M2はMg、Ca、Sr、Zn及びCdの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子であり、XはCl、Br及びIの各原子から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子であり、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの各原子から選ばれる少なくとも1種の希土類原子であり、また、x、y、a、b及びcはそれぞれ0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1の範囲の数値を表す。〕
【請求項7】
前記輝尽性蛍光体は、BaFIを母体とする輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の放射線画像変換パネル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−78333(P2006−78333A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262471(P2004−262471)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】