説明

放射線硬化性組成物

【課題】300nm以上の波長を有する放射線によって硬化可能であり、溶剤の拭き取りを必要とせず、放射線に曝露した直後に研磨することができる塗料組成物を提供する。
【解決手段】A)約1〜約99wt%の不飽和(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマー、B)約1〜約99wt%の不飽和エポキシ(メタ)アクリレート、C)1種類以上の光開始剤、および必要に応じてD)1種類以上の溶剤を含む、非水性塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
UV硬化性塗料は、塗料産業において急成長中の部門の1つである。近年、紫外線技術は、光ファイバー、感光−および感圧接着剤、UV硬化上塗り塗料のような自動車用用途、ならびにUV硬化性粉体塗料のような、多数の市場分野に浸透してきている。この開発の原動力は、主に、塗装および硬化プロセスの生産性向上の探求にある。軽微な修理を迅速に且つ大気温度で行う必要がある自動車再塗装用途において、UV技術は、自動車修理工場における車の処理能力を顕著に増大させることが期待される。再塗装用途の開発は、UV技術の新分野を開拓する。自動車修理工場におけるUVランプの使用に関連する安全上の懸念および経済上の制約により、高輝度光源の使用が妨げられる恐れがある。電磁スペクトルのUV-A領域のみを放射する比較的安価な低輝度ランプがそれらに取って代わり、従って、樹脂開発者および配合者に新たな課題を提起している。
【背景技術】
【0002】
UV硬化性塗料組成物は、当該分野において既知である。米国特許第5,684,081号には、放射線硬化性、水性分散系が記載されているが、この特許には、用いられる放射線の波長についての記載はない。UV-B含量が極めて低く、且つUV-Cを実質的に含まないUV放射線を用いて硬化可能である組成物もまた既知である(例えば、米国特許出願公開2003/0059555および米国特許第6,538,044号を参照)。前記第'044号特許に記載される組成物は、非水性であり且つウレタン化学に基づかない、芳香性ラッカー塗料である。前記'555公開には、下塗剤として有用な溶剤系組成物が記載されている。同公開中のこれらの組成物は非水性であり、UV放射線への曝露の後、塗装部分の研磨の前に、この塗料を有機溶剤で拭き取ることを必要とする。
【0003】
米国特許第6,559,225号には、ラッカー塗料および塗料に用いるための水性ポリウレタン分散系が記載されている。この第'225号特許には、UV硬化は記載されておらず、その中で記載されている分散系は、放射線硬化性結合剤と組み合わせ得ることが示唆されている(第5欄、17〜20行)。米国特許第6,579,932号には、ポリウレタン/アクリレート混合分散系と酸化乾燥剤基を含むポリウレタン樹脂との混合物である、水性塗料組成物が記載されている。この第'932号特許には、UV硬化は記載されていない。
【0004】
水性放射線硬化性分散系もまた既知である(例えば、米国特許第5,362,773号、同第6,011,078号、同第6,479,577号、同第6,521,702号および同第6,541,536号を参照)。
【0005】
非水性、放射線硬化性組成物もまた既知である。国際公開WO01/74499には、1分子当たり2つ以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する、1つ以上の化合物を含む、下塗剤組成物が記載されている。これらの化合物のうち、記載されているものは、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートおよび不飽和ポリエステルである。同国際公開に記載されている組成物は、かなりの量の比較的低分子量の物質(例えば、エチルヘキシルアクリレートおよびイソボルニルメタクリレート)も必要とする。この'499公開は、その中で記載されている組成物が、1:1以下のUV-B:UV-A比を有し且つ実質的にUV-Cを含まないUVランプを用いたUV放射で硬化させ得ることを示している。上記の'555公開におけるように、これらの組成物は、UV放射線への曝露の後、塗装部分の研磨の前に、この塗料を有機溶剤で拭き取ることを必要とする。類似の組成物が、公開された米国特許出願US2003/0045598および同US2003/045596、ならびに米国特許第4,937,173号、同第5,013,631号、同第5,213,875号および同第6,509,389号に記載されている。
【0006】
放射線硬化性ウレタンアクリレートは、米国特許第4,380,604号、同第6,232,360号、同第6,753,394号および同第6,790,485号にも記載されている。最後に、放射線硬化性エポキシアクリレートは、米国特許第5,726,255号、同第5,756,829号、同第6,359,082号およびRE37,448に記載されている。
【0007】
少なくとも300nm、好ましくは320nm〜450nmの波長を有する放射線で硬化することができる組成物が、見出された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、300nm以上の波長を有する放射線、好ましくは約320nm〜約450nmの波長を有する放射線によって硬化可能な組成物に関する。本発明の組成物は、溶剤の拭き取りを必要とせず、放射線に曝露した直後に研磨することが可能である。さらに、本発明の組成物は、例えば、金属、木材、コルク、プラスチック、皮、織物、フェルト、ガラス、紙、鉱物または複合基材のような種々の基材上の、下塗剤、シーラー、充填剤、パテ、および上塗り塗料として用いられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の組成物は非水性組成物であり、エチレン性不飽和モノマーを含まず、以下のA)〜D)を含む:
A)約1〜約99wt%、好ましくは約10〜約90wt%、最も好ましくは約25〜約75wt%の、以下のa)〜c)よりなる群から選択される不飽和(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマー;
a)1wt%以下のイソシアネート基含量を有し、以下のai)およびaii)を、約0.95:1〜約1:0.95(好ましくは約1:1)のイソシアネート対ヒドロキシル当量比で反応させることによって調製される、不飽和ウレタン(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマー;
ai)1種類以上の有機ポリイソシアネート、および
aii)以下の1)および2)よりなる群から選択される不飽和(メタ)アクリレート;
1)約30〜約500(好ましくは約100〜約400、最も好ましくは約200〜約300)のOH価を有し、ポリエーテルジ-またはポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートポリオール0〜100wt%、および
2)モノ-、ジ-、トリ-もしくはポリ-ヒドロキシル-C1-C10-アルキルまたはC6-C10-アリール(メタ)アクリレート0〜約100wt%(ここで、成分aii)1)およびaii)2)の重量パーセントは、成分aii)1)およびaii)2)の総重量に基づき、合計100%である);
b)約30〜約100(好ましくは約30〜約70、最も好ましくは約35〜約65)のOH価を有し、ポリエーテルジ-またはポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される、不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートポリオール;ならびに
c)それらの混合物、
B)約1〜約99wt%、好ましくは約10〜約90wt%、最も好ましくは約25〜約75wt%の不飽和エポキシ(メタ)アクリレートであって、エポキシド基を実質的に含まず、以下のbi)〜biii)を、成分bi)のエポキシド当量に対する成分bii)〜biii)の反応当量の比が少なくとも約1:1で反応させることによって調製される;
bi)少なくとも1つのエポキシド基を含み、且つ約130〜約1000の数平均分子量を有する、1種類以上の有機化合物、
bii)約98〜約166の数平均分子量を有する、1.3〜3.0カルボキシ当量の有機ジカルボン酸または無水物、
biii)カルボキシ対ヒドロキシル当量比が0.6:1〜0.95:1で調製される、
1)(メタ)アクリル酸、および
2)約180〜約1000の数平均分子量を有し、且つ少なくとも2つのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位をエーテル構造の一部として含む、トリ-またはテトラヒドロキシエーテルアルコール
の1ヒドロキシ当量のヒドロキシル基含有反応生成物、
C)約0.1〜約10wt%、好ましくは約0.5〜約6wt%、最も好ましくは約1〜約4wt%の1種類以上の光開始剤(ここで、成分C)の重量パーセントは成分A)およびB)の合計重量に基づいており、成分A)およびB)の百分率は合計100%である)、ならびに
D)0〜約90wt%の溶剤または溶剤の混合物(ここで、成分D)の重量パーセントは、成分A)およびB)の合計重量に基づく)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
成分Aは、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物よりなる群から広く選択される、不飽和(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマーである。有用なウレタン(メタ)アクリレートは、米国特許第4,380,604号および同第6,753,394号に記載され、これらの開示内容は本明細書中に参照して援用される。有用なエポキシアクリレートは、米国特許第5,726,255号、およびRE37,448に記載され、これらの開示内容は本明細書中に参照として援用される。
【0011】
本明細書中で使用される場合、「エチレン性不飽和モノマー」は、約250未満の数平均分子量を有する、比較的低分子量の化合物を意味する。
【0012】
成分A)
成分A)は、
a)1wt%以下のイソシアネート基含量を有し、以下のai)およびaii)を、約0.95:1〜約1:0.95のイソシアネート対ヒドロキシル当量比で反応させることによって調製される、不飽和ウレタン(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマー;
ai)1種類以上の有機ポリイソシアネート、および
aii)以下の1)および2)よりなる群から選択される不飽和(メタ)アクリレート;
1)約30〜約500(好ましくは約100〜約400、最も好ましくは約200〜約300)のOH価を有し、ポリエーテルジ-またはポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される。不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートポリオール0〜100wt%、および
2)モノ-、ジ-、トリ-もしくはポリ-ヒドロキシル-C1-C10-アルキルまたはC6-C10-アリール(メタ)アクリレート0〜約100wt%(ここで、成分aii)1)およびaii)2)の重量パーセントは、成分aii)1)およびaii)2)の総重量に基づき、合計100%である);
b)約30〜約100(好ましくは約30〜約70、最も好ましくは約35〜約65)のOH価を有し、ポリエーテルジ-またはポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される、不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートポリオール;ならびに
c)それらの混合物
よりなる群から選択される不飽和(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマーである。
【0013】
上述のように、有用なウレタン(メタ)アクリレート(A)a))は、米国特許第4,380,604号および同第6,753,394号に記載される。このようなウレタン(メタ)アクリレートは、一般に、1種類以上のポリイソシアネートとヒドロキシル基含有不飽和(メタ)アクリレートを反応させることによって調製される。
【0014】
適切なポリイソシアネートとしては、脂肪族、脂環式および/または芳香族結合イソシアネート基を有し、一般に約144〜約1000の分子量、より好ましくは約168〜約300の分子量を有する、有機ポリイソシアネートが挙げられる。適切な例としては、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HTI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、3(4)-イソシアナトメチル-メチルシクロヘキシルイソシアネート(IMCI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(2,2,4および/または2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジイソシアネート)、異性体ビス(4,4'-イソシアナト-シクロヘキシル)メタン(H12MDI)、異性体ビス(イソシアナトメチル)-メチルシクロヘキサン、イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4および/または2,6-トルイレンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4'および/または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリフェニルメタン-4,4',4''-トリイソシアネート、あるいはウレタン、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、ウレットジオン、イミノオキサジアジンジオン構造および/またはそれらの混合構造を有するそれらの誘導体、ならびに脂肪族および芳香族ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートの混合物が挙げられる。このような誘導体の製造は既知であり、例えば、米国特許第3,124,605号、同第3,183,112号、同第3,919,218号、および同第4,324,879号ならびに欧州特許第798 299号に記載される。
【0015】
好ましく用いられるものは、HDI、IPDI、TDI、H12MDIおよび/またはHDI、TDIもしくはIPDIの三量化によって得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートである。特に好ましくは、HDIおよびIPDIならびにこれらの混合物である。
【0016】
不飽和ウレタン(メタ)アクリレートの調製にあたって、ポリイソシアネートを、約0.95:1〜約1:0.95(より好ましくは約1:1)のイソシアネート対OH当量比で、i)約30〜約300のOH価を有する不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレート、ii)モノ-、ジ-、トリ-もしくはポリ-ヒドロキシル-C1-C10-アルキルまたはC6-C10-アリール(メタ)アクリレート、あるいはiii)それらの混合物と反応させる。生じる不飽和ウレタン(メタ)アクリレートは、1wt%未満のイソシアネート基含量を有する。
【0017】
有用な不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートは、(2〜6のヒドロキシル官能価を有する)ポリエーテルポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される。適切なポリエーテルポリオールは、ポリウレタンの技術分野で既知のタイプのポリエーテルポリオールであり、一般に、適切な出発分子(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサンジオール、ペンタエリスリトールなど)とエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはそれらの混合物とを反応させることによって調製される。次いで、ポリエーテルとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させる。不飽和(メタ)アクリレートが不飽和ウレタン(メタ)アクリレートを調製するのに用いられる場合、ポリエーテルは、必要なOH価を有する(メタ)アクリレートを生成するように選択され、これらの成分を、生じる不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートが約30〜約500、好ましくは約100〜約400、最も好ましくは約200〜約300のOH価を有するような量で反応させる。不飽和(メタ)アクリレートが成分A)の一部または全てとして用いられる場合、ポリエーテルは、必要なOH価を有する(メタ)アクリレートを生成するように選択され、これらのポリエーテルとアクリル酸(および/またはメタクリル酸)とを、生じる不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートが約30〜約100、好ましくは約100〜約400、最も好ましくは約200〜約300のOH価を有するような量で反応させる。
【0018】
有用なモノ-、ジ-、トリ-もしくはポリ-ヒドロキシル-C1-C10-アルキルまたはC6-C10-アリール(メタ)アクリレートもまた、ポリウレタンの技術分野で既知である。このような材料は、比較的低分子量のジオール、トリオールおよびポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ヘキサンジオール、ペンタエリスリトールなど)とアクリル酸および/またはメタクリル酸とを、生じる生成物が1つ以上のヒドロキシル基を含むような量で反応させることによって調製される。具体的な例としては、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、および対応するメタクリレートが挙げられる。
【0019】
成分B)
成分B)は、不飽和エポキシ(メタ)アクリレートであって、エポキシド基を実質的に含まず、
bi)少なくとも1つのエポキシド基を含み、且つ約130〜約1000の数平均分子量を有する、1種類以上の有機化合物、
bii)約98〜約166の数平均分子量を有する、1.3〜3.0(好ましくは1.8〜2.2、最も好ましくは1.9〜2.1)カルボキシ当量の有機ジカルボン酸または無水物、
biii)カルボキシ対ヒドロキシル当量比が0.6:1〜0.95:1で調製される、
1)(メタ)アクリル酸、および
2)約180〜約1000の数平均分子量を有し、且つ少なくとも2つのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位をエーテル構造の一部として含む、トリ-またはテトラヒドロキシエーテルアルコール
の1ヒドロキシ当量のヒドロキシル基含有反応生成物;
を、成分bi)のエポキシド当量に対する成分bii)〜biii)の反応当量の比が少なくとも約1:1で反応させることによって調製される。
【0020】
上述のように、有用な不飽和エポキシ(メタ)アクリレートは、米国特許第5,726,255号、同第6,359,082号およびRE37,448に記載されている。
【0021】
本発明で使用されるエポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシド基を含む有機化合物と、bii)約98〜約166の分子量を有する、1.3〜3.0カルボキシ当量の有機ジカルボン酸または無水物、ならびにbiii)COOH/OH当量比が0.6:1〜0.95:1で調製される、1)(メタ)アクリル酸、および2)180〜1000の数平均分子量を有し且つ少なくとも2つのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位をエーテル構造の一部として含むトリ-またはテトラヒドロエーテルアルコールの、1ヒドロキシ当量のOH基含有反応生成物とを反応させることによって、調製される。
【0022】
本発明において、「エポキシド基を有する化合物」とは、約130〜約1000の数平均分子量(Mn)を有し、且つ1分子当たり平均少なくとも1個(好ましくは1.5〜6個、より好ましくは1.5〜2個)のエポキシド基を含む、有機化合物を意味する。「エポキシド当量」とは、1モルのエポキシド基を含むエポキシド化合物の量(グラム)を意味する。
【0023】
エポキシド基を有する好ましい化合物は、100〜500のエポキシド当量を有する化合物である。例としては、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(ビスフェノールA)、4,4'-ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタンおよびノボラック(すなわち、一価または多価フェノールと、アルデヒド、特にホルムアルデヒドとの、酸触媒存在下における反応生成物)のような多価フェノールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。ビスフェノールAのポリグリシジルエーテルが好ましい。
【0024】
また、適切なものは、n-ブタノールまたは2-エチルヘキサノールのようなモノアルコールのグリシジルエーテル;ブタン1,4-ジオール、ブテン1,4-ジオール、ヘキサン1,6-ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびポリエチレングリコールのような多価アルコールのグリシジルエーテル;トリグリシジルイソシアヌレート;ビスメルカプトメチルベンゼンのような多価チオールのポリグリシジルチオエーテル;ベルサト酸のようなモノカルボン酸のグリシジルエステル;ならびに多価、芳香族、脂肪族および脂環式カルボン酸のグリシジルエステル、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステルおよびヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルである。
【0025】
ジカルボン酸またはジカルボン酸無水物(bii))は、4〜10個の炭素原子を含む飽和または不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸および/または対応する無水物;8〜10個の炭素原子を含む脂環式ジカルボン酸またはジカルボン酸無水物、例えばテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ノルボルネンジカルボン酸および/またはそれらの無水物;ならびに8個の炭素原子を含む芳香族ジカルボン酸またはそれらの無水物、例えばフタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸およびテレフタル酸より選択される。
【0026】
ジカルボン酸無水物(bii))は、4〜9個の炭素原子を有する飽和、芳香族、または不飽和脂肪族(脂環式)ジカルボン酸無水物、例えばマレイン酸、コハク酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸またはノルボルネンジカルボン酸の無水物より選択される。カルボキシ当量(成分biii)対ヒドロキシ当量(成分bii)の比を計算する際、1つのカルボン酸無水物基は2つのカルボキシル基に等しい。
【0027】
成分biii)は、(メタ)アクリル酸と、少なくとも2つのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位をエーテル構造の一部として含む180〜1000の数平均分子量(末端基分析によって決定)を有するトリ-またはテトラヒドロエーテルアルコールとのOH基含有反応生成物より選択される。これらの反応生成物は、COOH/OH当量比が0.6:1〜0.95:1で、好ましくは0.65:1〜0.90:1で調製される。これらのエーテルアルコールは、適切な出発分子のアルコキシル化によって、既知の方法で得られる。好ましい出発分子は、このエーテルアルコールに対応する、エーテル基を含まない三価−または四価アルコールである。例としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールおよびそれらの混合物が挙げられる。これらのエーテルアルコールは、好ましくは2〜20の、より好ましくは2〜15のアルコキシル化度を有する。アルコキシル化度とは、出発分子として用いられるアルコールの1モルに付加されたエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの平均モル数をいう。
【0028】
成分1)および2)の間の反応は、既知の方法、例えば、(メタ)アクリル酸とエーテルアルコールの共沸エステル化によって起こる。エポキシドと化合物bii)およびbiii)との反応も、例えば、DE-OS2,429,527およびDE-A2,534,012(それぞれ、米国特許第4,253,198号および同第4,081,492号に対応し、これらの両方とも、本明細書中に参考として援用される)のプロセスによって、必要に応じて溶剤の存在下で、1工程で起こり得る。適切な溶剤としては、不活性溶剤、例えば酢酸ブチル、トルエン、シクロヘキサンおよびそれらの混合物が挙げられる。所望により、成分bii)およびbiii)を、エポキシド基含有化合物と反応させる前に反応させ得る(米国特許第5,726,255号および米国再発行特許第37,448号を参照)。この反応は、一般に、エポキシドに基づき約0.01〜3wt%の触媒、例えば第三級アミン、第四級アンモニウム塩、水酸化アルカリ、有機カルボン酸のアルカリ塩、メルカプタン、硫化ジアルキル、スルホニウムまたはホスホニウム化合物およびホスフィンの存在下で行われる。トリエチルベンジルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム塩の使用は、特に好ましい。この反応は20〜120℃、好ましくは40〜90℃で行われる。
【0029】
エポキシ(メタ)アクリレートは、塩基性窒素化合物により、1エポキシド当量当たり0.3NH当量まで供するのに十分な量で、必要に応じて変性してもよい。この変性反応は、成分bii)およびbiii)とのエポキシド反応の前に行われても、後に行われてもよい。適切な塩基性窒素化合物としては、アンモニア、脂肪族(脂環式)第一級または第二級モノ-またはポリアミンが挙げられ、好ましくは31〜300の分子量を有する。第一級アミンとしては、例えば、モノ-およびジアミン、例えばメチルアミン、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、2-エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、異性体ジアミノブタン、異性体ジアミノヘキサンおよび1,4-ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。第二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-メチルエタノールアミンおよびN-シクロヘキシルイソプロピルアミンが挙げられる。
【0030】
エポキシド基と窒素化合物の反応は、必要に応じて、先に示したような溶剤の存在下で行い得る。この反応は、好ましくは、溶剤の不存在下で行われる。反応温度は20〜120℃、好ましくは40〜90℃である。
【0031】
出発化合物の量は、この反応が、最初に存在するエポキシド基を本質的に完全に変換するように、選択される。
【0032】
本発明による重合可能な反応生成物を望ましくない早期重合から保護するために、調製プロセスの間、助剤および添加剤を含む全反応混合物に基づき0.001〜0.2wt%の重合禁止剤または抗酸化剤、例えばフェノールおよびフェノール誘導体、好ましくは立体障害フェノールを添加することが望ましい。他の適切な安定剤は、「Methoden der organischen Chemie」(Houben-Weyl)、第4版、XIV/1巻、433〜452頁、756頁、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1961年に記載され、2,6-ジ-tert.-ブチル-p.-クレゾール、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよび/またはフェノチアジンが含まれる。
【0033】
成分C)
光開始剤である成分C)は、実質的に任意の光開始剤であってよい。種々の光開始剤が、本発明の放射線硬化性組成物に利用可能である。通常の光開始剤は、放射エネルギーに曝露されるとフリーラジカルを生じるタイプである。適切な光開始剤としては、例えば、芳香族ケトン化合物、例えばベンゾフェノン、アルキルベンゾフェノン、ミヒラーケトン、アントロンおよびハロゲン化ベンゾフェノンが挙げられる。さらに適切な化合物としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルグリオキシル酸エステル、アントラキノンおよびその誘導体、ベンジルケタールならびにヒドロキシアルキルフェノンが挙げられる。さらなる適切な光開始剤の具体例としては、2,2-ジエトキシアセトフェノン;2-または3-または4-ブロモアセトフェノン;3-または4-アリル-アセトフェノン;2-アセトナフトン;ベンズアルデヒド;ベンゾイン;アルキルベンゾインエーテル;ベンゾフェノン;ベンゾキノン;1-クロロアントラキノン;p-ジアセチル-ベンゼン;9,10-ジブロモアントラセン 9,10-ジクロロアントラセン;4,4-ジクロロベンゾフェノン;チオキサントン;イソプロピル-チオキサントン;メチルチオキサントン;α,α,α-トリクロロ-パラ-t-ブチルアセトフェノン;4-メトキシベンゾフェノン;3-クロロ-8-ノニルキサントン;3-ヨード-7-メトキシキサントン;カルバゾール;4-クロロ-4'-ベンジルベンゾフェノン;フルオロエン(fluoroene);フルオロエノン(fluoroenone);1,4-ナフチルフェニルケトン;1,3-ペンタンジオン;2,2-ジ-sec.-ブトキシアセトフェノン;ジメトキシフェニルアセトフェノン;プロピオフェノン;イソプロピルチオキサントン;クロロチオキサントン;キサントン;マレイミドおよびそれらの誘導体;ならびにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの適切な光開始剤がCibaから市販されており、それらとしては、Irgacure 184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)、Irgacure 819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド)、Irgacure 1850(ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニル-ホスフィンオキシドと1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンの50/50混合物)、Irgacure 1700(ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルフェニル-ホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの25/75混合物)、Irgacure 907(2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホロノプロパン-1-オン)、Darocur MBF(フェニルグリオキシル酸メチルエステル)、Irgacure 2020光開始剤ブレンド(20wt%のフェニルビス(2,3,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよび80wt%の2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン)ならびにDarocur 4265(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの50/50混合物)が挙げられる。上記のリストは例証にすぎず、任意の適切な光開始剤を除外するものではない。当業者であれば、光開始剤が有効に用いられる濃度が分かり、その濃度は一般に、放射線硬化性塗料組成物の約10wt%を越えるものではない。
【0034】
光化学の当業者であれば、光活性化剤を前述の光開始剤と組み合わせて用い得ること、および、このような組み合わせを用いる場合に相乗作用が時にはもたらされることを、十分認識している。光活性化剤は当該分野で周知であり、どのような化合物であるか、およびそれらの有効な濃度を示すために、さらに説明する必要はない。それでもなお、適切な光活性化剤の具体例として、メチルアミン、トリブチルアミン、メチルジエタノールアミン、2-アミノエチルエタノールアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロペンタジエニルアミン、ジフェニルアミン、ジトリルアミン、トリキシリルアミン、トリベンジルアミン、n-シクロヘキシルエチレンイミン、ピペリジン、N-メチルピペラジン、2,2-ジメチル-1,3-ビス(3-N-モルホリニル)-プロピオニルオキシプロパン、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0035】
硬化はまた、(ヒドロ)ペルオキシドのようなラジカルを生成する化合物の存在下で、必要に応じて硬化促進剤の存在下で、およびカチオン的にフェニルスルホニウム金属塩のような超酸の存在下で、起こり得る。
【0036】
成分D)
本発明の組成物は、1種類以上の溶剤を0〜約90wt%の量で含み得、この質量%は、成分A)およびB)の合計重量に基づく。溶剤は、他のいずれの成分にも不活性でなければならない。使用できる溶剤としては、C5-C8脂肪族および脂環式化合物、フッ化および/または塩素化炭化水素、脂肪族エステル、脂肪族エーテルおよびケトンならびに既知の芳香族溶剤が挙げられる。使用できる溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-アミルケトン、イソプロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびソルベントナフサが挙げられる。溶剤を含むまたは含まない配合物を、エアゾール容器中に充填し得る。
【0037】
他の添加剤
当該分野で既知のように、且つ塗料に関する用途に依存して、さらなる添加剤を用い得る。このような添加剤としては、分散剤、流動助剤、増粘剤、消泡剤、脱気剤、顔料、充填剤、均展剤および湿潤剤が挙げられる。さらに、塗装される物品が、塗装部分が放射線に曝露されない可能性があるような形状の物品である場合には、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基または水分を介して架橋する物質を添加することが可能である。このような物質としては、カルボジイミド、アジリジン、多価カチオン、メラミン/ホルムアルデヒド、エポキシド、およびイソシアネートが挙げられる。このような架橋剤を用いる場合、成分A)およびB)の合計重量に基づき0.1〜35wt%の量で用いるべきである。
【0038】
塗布および硬化
一般に、成分A)およびB)をまず一緒に混合し、次いで、成分C)および任意の他の添加剤をそこに添加する。本発明の組成物は、噴霧、ロール塗、ナイフ塗布、流し込み、はけ塗り、浸漬、パテナイフまたはスキージーによって、非常に多様な基材上に塗布し得る。次いで、存在するあらゆる溶剤を、通常のオーブン中で、約20〜約110℃、好ましくは約35〜約60℃の温度で、約1〜約10分間、好ましくは約4〜8分間加熱乾燥することによって蒸発させ得る。溶剤はまた、赤外線またはマイクロ波のような線源を用いても蒸発させ得る。
【0039】
一旦溶剤を加熱乾燥させると、この塗装基材に、少なくとも300nmの波長を有するUV放射線、好ましくは約320〜約450nmの波長を有する放射線を照射する。基材の表面と線源との間の距離は、光源の強度によって異なり、一般に4フィート以下とするべきである。塗装基材に放射線を照射する時間の長さは、放射線の強度および波長、線源からの距離、配合物中の溶剤含量、硬化環境の温度および湿度によって異なるが、一般に15分未満であり、わずか0.1秒程度であってもよい。
硬化塗料は、その研磨可能性に特徴がある。
【0040】
上述のように、本発明の組成物は、少なくとも300nm、好ましくは約320〜約450nmの波長を有する線源を用いて硬化可能である。放射線は、任意の適切な供給源、例えば、赤外線放射を含むかまたは減少させたUVランプ、赤外線放射を除くフィルターを取り付けたUVランプあるいは記述した波長で放射線を放射するいわゆるLED(発光素子)によって供され得る。特に有用な市販の装置としては:Panacol UVH-254ランプ(Panacol-Elosol GmbHから入手可能)−250Wの、オゾンを含まない、320〜450nmのスペクトル波長を有する鉄ドープ金属ハライドランプ;Panacol UVF-450(黒色、青色または透明フィルター使用により320nm〜450nm);Honle UVA HAND 250 CUL(Honle UV America Incから入手可能)−約320〜390nmの最大強度UVA範囲を放射;PMP 250ワット金属ハライドランプ(Pro Motor Car Products Incから入手可能);Cure-Tek UVA-400(H&S Autoshotから入手可能)、これは400ワット金属ハライド球を備え、このランプアセンブリは、青色、淡青色または透明のような種々のフィルターを取り付けてランプ源からの赤外線を制御/排除することができる);Con-Trol-Cure Scarab-250 UV-A ショップランプシステム(UV Process Supply Incから入手可能−320〜450nmのスペクトル波長出力を有する250Wの鉄ドープ金属ハライドランプを備える);Con-Trol-Cure-UV LED Cure-All 415(UV Process Supply Inc.から入手可能−2.5〜7.95Wの作動ワット数範囲で415nmのスペクトル波長);Con-Trol-Cure-UV LED Cure-All 390(UV Process Supply Inc.から入手可能−2.76〜9.28Wの作動ワット数範囲で390nmのスペクトル波長);UV H253 UVランプ(UV Light Technologiesから入手可能−黒色ガラスフィルターを取り付けて300と400nmの間のスペクトル波長を生じる、250Wの鉄ドープ金属ハライドランプを備えるユニット);Phoseon Technologyからの固体高輝度UV光源を用いて硬化するRadion RX10モジュール;低輝度マイクロ波UV System Model QUANT-18/36(Quantum Technologiesから入手可能−UV強度範囲:3〜30mW/cm2;UVスペクトル範囲:330〜390nm);WorkLED(400nmのLEDアレイを用い、Inretech Technologiesから入手可能);20xLEDアダプターを備えるFlashlight MC(400nmのLEDを用い、Inretech Technologiesから入手可能);および380nmを超える放射線出力を有するPhillips TL03ランプが挙げられる。
【0041】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を説明することを意図する。特に指示のない限り、全ての百分率(%)および部は、重量で示す。
【0042】
実施例において、以下の材料を用いた:
TiO2- TiO2 R-960、DuPontから入手可能
Tronox-A- Kerr-McGee Pigments GmbH&Co.から入手可能な、未処理アナターゼ顔料
Epon 828- Resolution Performance Productsから入手可能な、190のエポキシ当量を有しビスフェノール-Aおよびエピクロルヒドリンに基づく芳香族エポキシ樹脂
Desmodur N3600-Bayer MaterialScience LLCから入手可能な、低粘度ヘキサメチレンジイソシアネート三量体
Barytes1- Sparmite No.1 Barytes−Elementis Pigments Inc.からの体質顔料硫酸バリウム
CC- 炭酸カルシウム、Vicron 15-15、Whittaker, Clark & Daniels, Inc.から入手可能
T399- Talc 399、Whittaker, Clark & Daniels, Inc.から入手可能
B318- Bayferrox 318MとしてBayer Chemical Corporationから入手可能な、酸化鉄顔料
CD9052- Sartomer Inc.からの三官能性酸エステル接着促進剤
IRG2020- Ciba Specialty Chemicalsからの光開始剤ブレンド{20wt%のフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(I819)および80wt%の2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン(D1173)}
IRG819- Irgacure 819光開始剤、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能な{フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド}
【0043】
不飽和アクリレートポリマーA1
工程1:ヒドロキシル価250を有するポリエーテルポリオール86部(12倍エトキシル化トリメチロールプロパン)、アクリル酸18.7部、p-トルエンスルホン酸1.5部、p-メトキシフェノール0.3部および2,5-ジ-tert.-ブチルヒドロキノン0.02部を溶解してシクロヘキサン中70%溶液を生成し、攪拌および通気しながら還流温度まで加熱した。混合物を、KOH 5mg/g固体未満の酸価が得られるまで強還流下に保持した。混合物を50℃に冷却した後、減圧にして、シクロヘキサンを、生成した水と共に留去した。生成した不飽和ポリエーテルアクリレートポリオール(約70のOH価)を次の段階で用いて、ウレタンアクリレートを生成する。
【0044】
工程2:工程1を用いて調製した不飽和ポリエーテルアクリレートポリオール70部、ヒドロキシエチルアクリレート10.5部、イソホロンジイソシアネート20部を、ジブチル錫ジラウレート0.01部およびp-メトキシフェノール0.01部(重合禁止剤)と一緒に混合した。反応混合物を、IR分光法を用いてNCO基をモニタリングしながら80℃で攪拌した。イソシアネート基が完全に消費された時点で、生じた不飽和ウレタンアクリレート樹脂は、23℃で測定して約7,000mPasの粘度、および2.7mol/kgのC=C含量を有していた。
【0045】
不飽和アクリレートポリマーA2:ヒドロキシル価550を有するポリエーテルポリオール1モル(4倍エトキシル化トリメチロールプロパン)を、シクロヘキサンの70%溶液中、p-トルエンスルホン酸1.5部、p-メトキシフェノール0.3部および2,5-ジ-tert.-ブチルヒドロキノン0.02部の存在下で、2.6モルのアクリル酸と反応させ、攪拌および通気しながら還流温度まで加熱する。混合物を、KOH 5mg/g固体未満の酸価が得られるまで約4時間、強還流下に保持した。混合物を50℃に冷却した後、減圧して、シクロヘキサンを、生成した水と共に留去した。得られたポリエーテルアクリレートポリオールは、50のヒドロキシル価を有していた。
【0046】
不飽和アクリレートポリマーA3:50のヒドロキシル価を有する不飽和ポリエーテルアクリレートポリオール90.4部、イソフォロンジイソシアネート9.6部を、ジブチル錫ジラウレート0.01部およびp-メトキシフェノール0.01部(重合禁止剤)と一緒に混合した。反応混合物を、IR分光法を用いてNCO基をモニタリングしながら80℃で攪拌した。イソシアネート基が完全に消費された時点で、生じた不飽和ウレタンアクリレート樹脂は、23℃で測定して約800mPasの粘度、および5.3mol/kgのC=C含量を有していた。
【0047】
不飽和アクリレートポリマーA4:Desmodur N3600 62.1部、ヒドロキシエチルアクリレート22.8部、ヒドロキシプロピルアクリレート11部、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール4.1部を、ジブチル錫ジラウレート0.05部およびp-メトキシフェノール0.1部(重合禁止剤)および酢酸ブチル25部と一緒に混合した。反応混合物を、IR分光法を用いてNCO基をモニタリングしながら80℃で攪拌した。イソシアネート基が完全に消費された時点で、生じた不飽和ウレタンアクリレート樹脂は、23℃で測定して約6800cPsの粘度を有していた。
【0048】
不飽和エポキシアクリレートB:不飽和アクリレートポリマーA2 74部、無水マレイン酸7.1部、190のエポキシ当量を有するEpon 828 16.6部、ジエタノールアミン2.5部を、0.5%の塩化トリエチルベンジルアンモニウム(エポキシ酸触媒)およびp-メトキシフェノール0.01部(重合禁止剤)と一緒に混合した。混合物を攪拌および通気しながら80℃まで加熱した。混合物を、5mg KOH/g固体未満の酸価が得られるまでこの温度で保持した。生成した100%固体不飽和エポキシアクリレート樹脂は、23℃で測定して約8,000mPa.sの粘度、および5mol/kgのC=C含量を有した。
【実施例1】
【0049】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA1、50重量部の不飽和エポキシアクリレートBおよび7.8重量部のIRG819を一緒によく混合した。次いで、3.4重量部のTiO2、41.1重量部のCC、59重量部の体質顔料T399、0.58重量部のB318Mを、連続的に攪拌しながら、樹脂混合物にゆっくり加えた。調製した溶剤不含配合物を、一晩脱気した。次いで、この配合物を、スキージーまたは塗料ドローダウンバーを用いるかあるいはパテナイフを用いて、3ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。
【0050】
このパネルを、低輝度UV-A光源(H&S Autoshotから入手可能なCure-Tek UVA-400)により10インチの距離で2分間硬化させて、1.6〜2.0ミルの乾燥塗膜厚さでタックフリー表面を得た。配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【実施例2】
【0051】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA1、50重量部の不飽和エポキシアクリレートBおよび7.8重量部のIRG819を一緒によく混合した。次いで3.4重量部のTiO2、41.1重量部のCC、59重量部の体質顔料T399、0.58重量部のB318M、30重量部の接着促進剤CD9052を、連続的に攪拌しながら、樹脂混合物にゆっくり加えた。調製した溶剤不含配合物(顔料/結合剤比=0.8)を、一晩脱気した。次いで、この配合物を、スキージーまたは塗料ドローダウンバーを用いるかあるいはパテナイフを用いて、3ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。
【0052】
このパネルを低輝度UV-A光源(Panacol UV H-254ランプ−320〜450nmのスペクトル波長を有する、250Wの無オゾン鉄ドープ金属ハライドランプ)により3インチの距離で2分間硬化させて、1.6〜2.0ミルの乾燥塗膜厚さでタックフリー表面を得た。同じ配合物を、同様にパネルに塗布し、低輝度UV-A光源(H&S Autoshotから入手可能なCure-Tek UVA-400)により10インチの距離で2分間曝露して、タックフリー表面を得た。配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【実施例3】
【0053】
実施例2で用いたのと同じ配合物を、同じ方法で冷間圧延鋼基板に塗布した。次いで、液状塗料を、Con-Trol-Cure-UV LED Cure-All 415デバイスまたは Con-Trol-Cure-UV LED Cure-All(商標)100アレイ(390nmのスペクトル波長)を用いて、1/4インチの距離でLED源からの放射線に曝露した。良好な耐溶剤性を有するタックフリー表面が得られた。詳細を表1に示す。この下塗剤は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【表1】

【実施例4】
【0054】
実施例2で用いたのと同じ配合物を、溶剤として60部の酢酸ブチルを用いて希釈した。次いで、この配合物を、Binks Model#2001空気式サイホンガン(空気圧38〜40psi)を用いて噴霧することによって、4ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。噴霧されたパネルを室温で4分間風乾し、次いで、低輝度UV-A光源(Panacol UV H-254ランプ−320〜450nmのスペクトル波長を有する、250Wの無オゾン鉄ドープ金属ハライドランプ)により3インチの距離で2分間硬化させて、1.2〜1.5ミルの乾燥塗膜厚さでタックフリー表面を得た。噴霧されたパネルはまた、低輝度UV-A光源(H&S Autoshotから入手可能なCure-Tek UVA-400)により10インチの距離で2分間曝露して硬化させた場合、1.2〜1.5ミルの乾燥塗膜厚さとなった。これらの配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【0055】
これらの噴霧されたパネルを、通常の熱風炉中50℃で8分間予備焼付けし、次いで、Con-Trol-Cure-UV LED Cure-All 415デバイスを用いて、1/4インチの距離でLED源からの放射線に曝露した。良好な耐溶剤性を有するタックフリー表面が1分未満で得られた。この下塗剤は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【実施例5】
【0056】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA1および50重量部の不飽和エポキシアクリレートBを一緒に混合し、5重量部のT-TiO2、25重量部の体質顔料T399、132重量部のBarytes#1、1.0重量部のB318M、10重量部の接着促進剤CD9052を、連続的に攪拌しながらこの樹脂混合物にゆっくり加えた。別途、4.4重量部のIRG819を58.45重量部の酢酸ブチル中に溶解し、前記分散混合物に加えて十分に攪拌した。調製された溶剤系配合物(顔料/結合剤比=1.5)を、一晩脱気した。次いで、この配合物を、Binks Model#2001空気式サイホンガン(空気圧38〜40psi)を用いて噴霧することによって、3ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。
【0057】
この配合物を、低輝度UV-A光源(Panacol UV H-254ランプ−320〜450nmのスペクトル波長を有する、250Wの無オゾン鉄ドープ金属ハライドランプ)により3インチの距離で2分間、1.0〜1.2ミルの乾燥塗膜厚さに硬化させて、タックフリー表面を得た。この配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【実施例6】
【0058】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA1および50重量部の不飽和エポキシアクリレートBを一緒に混合した。6重量部のIRG819を、連続的に攪拌しながら、樹脂混合物にゆっくり加えた。調製された配合物を、一晩脱気した。次いで、この透明な配合物を、Binks Model#2001空気式サイホンガン(空気圧38〜40psi)を用いて噴霧することによって、2ミルの未乾燥塗膜厚さで木材基板に塗布した。
【0059】
この塗料を、低輝度Panacol UVA 400ランプ下で10インチの距離で8分間硬化させて、高い振子強度を有する塗膜(0.9〜1.2ミルの乾燥塗膜厚さ)を得た。この塗膜は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、木材基板に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に上塗りが可能であった。この塗膜は、良好な耐溶剤性および優れた耐ブロック性を示した。
【0060】
耐ブロック性試験は、以下のように行った:この試験は塗料を硬化させてから1時間後に行った。1インチ×1インチ平方のチーズクロスを、塗膜の表面上に置いた。次いで、重りを載せることによって、1平方インチ当たり2Lbs.の力をこのチーズクロスに加えた。24時間後に重りおよびチーズクロスを取り外し、この塗膜表面を欠陥/変化について観察した。
【実施例7】
【0061】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA1および50重量部の不飽和エポキシアクリレートBを一緒に混合した。30重量部の接着促進剤CD9052および7.8重量部のIRG819を、連続的に攪拌しながら、樹脂混合物にゆっくり加えた。調製された配合物を、一晩脱気した。次いで、この透明な配合物を、Binks Model#2001空気式サイホンガン(空気圧38〜40psi)を用いて噴霧することによって、2ミルの未乾燥塗膜厚さで木材基板に塗布した。
【0062】
この塗料を、低輝度Panacol UV H-254ランプ下で10インチの距離で8分間硬化させて、高い振子強度を有する塗膜(0.9〜1.2ミルの乾燥塗膜厚さ)を得た。この塗膜は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、木材基板に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に上塗りが可能であった。この塗膜は、良好な耐溶剤性および優れた耐ブロック性を示した。
【実施例8】
【0063】
実施例7で用いたのと同じ配合物を、実施例7に記載したのと同じ方法で冷間圧延鋼基板に塗布し、続いてCon-Trol-Cure-UV LED Cure-All(商標)415デバイスを用い、1/4インチの距離でLED源からの放射線に曝露した。曝露時間の詳細を表2に示す。いずれの場合にも、良好な耐溶剤性を有するタックフリー表面が得られた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。
【表2】

【実施例9】
【0064】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA2、50重量部の不飽和エポキシアクリレートBおよび7.8重量部のIRG819を一緒によく混合した。次いで3.4重量部のTiO2、41.1重量部のCC、59重量部の体質顔料T399、0.58重量部のB318Mを、連続的に攪拌しながら、樹脂混合物にゆっくり加えた。調製された溶剤不含配合物を、一晩脱気した。次いで、この配合物を、スキージーまたは塗料ドローダウンバーを用いるかあるいはパテナイフを用いて、6ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。
【0065】
この配合物を、低輝度UV-A光源(H&S Autoshot UVA 400ランプ(320〜450nmのスペクトル波長を有する)により3インチの距離で2分間、1.6〜2.0ミルの乾燥塗膜厚さに硬化させて、タックフリー表面を得た。この配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【実施例10】
【0066】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA3、50重量部の不飽和エポキシアクリレートBおよび7.8重量部のIRG819を一緒によく混合した。次いで3.4重量部のTiO2、41.1重量部のCC、59重量部の体質顔料T399、0.58重量部のB318Mを、連続的に攪拌しながらこの樹脂混合物にゆっくり加えた。調製された溶剤不含配合物を、一晩脱気した。次いで、この配合物を、スキージーまたは塗料ドローダウンバーを用いるかあるいはパテナイフを用いて、3ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。
【0067】
この配合物を、低輝度UV-A光源(H&S Autoshot UVA 400ランプ(320〜450nmのスペクトル波長を有する)により3インチの距離で2分間、1.6〜2.0ミルの乾燥塗膜厚さに硬化させて、タックフリー表面を得た。この配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【実施例11】
【0068】
50重量部の不飽和アクリレートポリマーA4、50重量部の不飽和エポキシアクリレートBおよび7.8重量部のIRG819を一緒によく混合した。次いで3.4重量部のTiO2、41.1重量部のCC、59重量部の体質顔料T399、0.58重量部のB318Mを、連続的に攪拌しながら、この樹脂混合物にゆっくり加えた。調製された溶剤不含配合物を、一晩脱気した。次いで、この配合物を、スキージーまたは塗料ドローダウンバーを用いるかあるいはパテナイフを用いて、3ミルの未乾燥塗膜厚さで冷間圧延鋼基板に塗布した。
【0069】
この配合物を、低輝度UV-A光源(H&S Autoshot UVA 400ランプ(320〜450nmのスペクトル波長を有する)により3インチの距離で2分間、1.6〜2.0ミルの乾燥塗膜厚さに硬化させて、タックフリー表面を得た。この配合物は、クロスハッチ試験(ASTM D3359-95およびGeneral Motors GM 9071P テープ接着性試験)で測定した場合、冷間圧延鋼に対して優れた接着性を有していた。この塗膜は、#320グリットサンドペーパーで研磨でき、且つ硬化直後に下塗りが可能であった。この塗膜は優れた隠蔽性を示した。
【0070】
本発明を例証の目的で前記に詳細に記載してきたが、このような詳細は単にこの目的のためであり、変形は、特許請求の範囲によって限定され得る場合を除き、本発明の精神および範囲を逸脱することなく当業者によってなされ得ることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性不飽和モノマーを含まず、以下のA)〜D)を含む非水性組成物:
A)約1〜約99wt%の以下のa)〜c)よりなる群から選択される不飽和(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマー;
a)1wt%以下のイソシアネート基含量を有し、以下のai)およびaii)を、約0.95:1〜約1:0.95のイソシアネート対ヒドロキシル当量比で反応させることによって調製される、不飽和ウレタン(メタ)アクリレートポリマーまたはオリゴマー;
ai)1種類以上の有機ポリイソシアネート、および
aii)以下の1)および2)よりなる群から選択される不飽和(メタ)アクリレート;
1)約30〜約500のOH価を有し、ポリエーテルジ-またはポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートポリオール0〜100wt%、および
2)モノ-、ジ-、トリ-もしくはポリ-ヒドロキシル-C1-C10-アルキルまたはC6-C10-アリール(メタ)アクリレート0〜約100wt%(ここで、成分aii)1)およびaii)2)の重量パーセントは、成分aii)1)およびaii)2)の総重量に基づき、合計100%である);
b)約30〜約100のOH価を有し、ポリエーテルジ-またはポリオールとアクリル酸および/またはメタクリル酸とを反応させることによって調製される、不飽和ポリエーテル(メタ)アクリレートポリオール;ならびに
c)それらの混合物、
B)約1〜約99wt%の不飽和エポキシ(メタ)アクリレートであって、エポキシド基を実質的に含まず、以下のbi)〜biii)を、成分bi)のエポキシド当量に対する成分bii)〜biii)の反応当量の比が少なくとも約1:1で反応させることによって調製される;
bi)少なくとも1つのエポキシド基を含み、且つ約130〜約1000の数平均分子量を有する、1種類以上の有機化合物、
bii)約98〜約166の数平均分子量を有する、1.3〜3.0カルボキシ当量の有機ジカルボン酸または無水物、
biii)カルボキシ対ヒドロキシル当量比が0.6:1〜0.95:1で調製される、
1)(メタ)アクリル酸、および
2)約180〜約1000の数平均分子量を有し、且つ少なくとも2つのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位をエーテル構造の一部として含む、トリ-またはテトラヒドロキシエーテルアルコール
の1ヒドロキシ当量のヒドロキシル基含有反応生成物、
C)約0.1〜約10wt%の1種類以上の光開始剤(ここで、成分C)のwt%は成分A)およびB)の合計重量に基づいており、成分A)およびB)の百分率は合計100%である)、ならびに
D)0〜約90wt%の溶剤または溶剤の混合物(ここで、成分D)のwt%は、成分A)およびB)の合計重量に基づく)。
【請求項2】
約10〜約90wt%の成分A)、約10〜約90wt%の成分B)、および約0.5〜約6wt%の成分C)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約25〜約75wt%の成分A)、約25〜約75wt%の成分B)、および約1〜約4wt%の成分C)を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分aii)1)が、約100〜約400のOH価を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
成分aii)1)が、約200〜約300のOH価を有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記イソシアネート対ヒドロキシル当量が約1:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記成分A)b)のOH価が約30〜約70である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記成分A)b)のOH価が約35〜約65である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
約1.8〜約2.2カルボキシ当量の有機ジカルボン酸または無水物(成分bii))を反応させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
約1.9〜約2.1カルボキシ当量の有機ジカルボン酸または無水物(成分bii))を反応させる、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
成分bi)が、1分子当たり平均1.5〜6個のエポキシド基を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
成分bi)が、1分子当たり平均1.5〜2個のエポキシド基を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記カルボキシ対ヒドロキシル当量比(成分biii))が0.65:1〜0.9:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
基板に塗料組成物をまず塗布し、次いで塗装基板を放射線に曝すことによって塗装基板を製造する方法であって、前記組成物が請求項1に記載の組成物であり、且つ前記放射線が300nm以上の波長を有する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法によって製造された、塗装基板。

【公開番号】特開2006−117934(P2006−117934A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−301416(P2005−301416)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】