説明

放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器

【課題】原子力発電プラント用のプロセス計測機器が放射線の被曝の累積によって、故障、または測定精度の許容限界を超えた低下が起こしてはならない。プロセス計測機器の放射線の被曝による寿命を事前に、かつ簡便に知らせる方法を提供する。
【解決手段】原子力発電プラントのプロセス量を計測するプロセス計測機器において、
前記プロセス量を計測するプロセス計測回路と、放射線被曝量を検出する放射線被曝量検出回路と、信号を変換処理する信号変換回路と、放射線被曝量を表示する被曝量表示回路と、を備え、前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路によって前記放射線被曝量を表示する信号に変換処理し、該変換処理した信号により、前記被曝量表示回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線環境下で使用するプロセス計測機器の保全に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントを運転する際には、それに係る各種のプロセス量(圧力、温度、流量など)の計測を行う必要がある。これらをプロセス計測機器と一般的には称するが、これらの原子力発電プラント用のプロセス計測機器は放射線を被曝するものが多数ある。この放射線の被曝に対するプロセス計測機器の耐性が時代の変遷とともに変ってきた。従来のプロセス計測機器は、現在に比較すれば相対的に大きな素子形状のバイポーラ素子を主体として、比較的大きな電流を流すアナログ回路で構成されていたことが多く、放射線の影響を受けることは軽微であった。しかし、プロセス計測機器の高機能化、小型化とともに電界効果型トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Insulator Semiconductor Field Effect Transistor、以下、MOSFETと略すこともある。なお、MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistorとほぼ同義語である。)を用いたデジタルICが多く使われるようになった。さらに時代とともにデジタルICに使われているMOSFETは高速化とともに素子形状が微細化され、ゲート酸化膜厚などが薄くなり、放射線の影響を非常に受けやすくなっている。このためプロセス計測機器の放射線への耐性がさらに低下していくことが予測されており、大きな問題となっている。
一方、原子力発電所の運転については各運転サイクルを長期化する方向にある。したがって、各プロセス計測機器の交換による予防保全時期の設定はますます短期化し、保全コストの増加が見込まれている。
なお、放射線の被曝量計測器としては特許文献1に開示されている。しかし、計測した場所およびその時点における被曝量の計測器であって、放射線の累積値は不明であり、かつ大型の機器であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−109850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子力発電プラント用のプロセス計測機器が放射線の被曝の累積によって、故障したり、あるいは測定精度の許容限界を超えた低下を起こしたりしてはならないという課題がある。
そこで、本発明はこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは、プロセス計測機器の放射線の被曝による計測機能の寿命を事前に、かつ簡便に知らせる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決して、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
すなわち、原子力発電プラントのプロセス量を計測するプロセス計測機器において、前記プロセス量を計測するプロセス計測回路と、放射線被曝量を検出する放射線被曝量検出回路と、信号を変換処理する信号変換回路と、放射線被曝量を表示する被曝量表示回路と、を備え、前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路によって前記放射線被曝量を表示する信号に変換処理し、該変換処理した信号により、前記被曝量表示回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量を表示する。
【0006】
かかる構成により、前記プロセス計測回路の被曝状況を前記被曝量表示回路がリアルタイムで表示する。
【0007】
また、原子力発電プラントのプロセス量を計測するプロセス計測機器において、デジタル処理回路を内蔵し、プロセス量を計測するプロセス計測回路と、放射線被曝量を検出する放射線被曝量検出回路と、信号を変換処理する信号変換回路と、放射線の被曝量を表示する被曝量表示回路と、被曝量が所定の閾値を超えた状態を警報する警報出力回路と、を備え、前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路でデジタル信号に変換し、このデジタル信号を前記プロセス計測回路に内蔵されたデジタル処理回路によって前記放射線量の被曝量を表示する信号と被曝量が所定の閾値を超えた状態を警報する信号とに変換処理し、該変換処理した信号により、前記被曝量表示回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量を表示し、かつ前記警報出力回路が警報出力をする。
【0008】
かかる構成により、前記プロセス計測回路の放射線被曝状況を前記被曝量表示回路が表示するとともに、前記警報出力回路が警報を出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プロセス計測機器の放射線の被曝による計測機能の寿命を事前に、かつ簡便に知らせる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の第1の概略の機能構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の第2の概略の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の第3の概略の機能構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の第4の概略の機能構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の第5の概略の機能構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の第6の概略の機能構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器のプロセス計測回路の概略の機能構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の放射線被曝量検出回路の動作原理を示す第1の回路例の回路図である。
【図9】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の放射線被曝量検出回路の動作原理を示す第2の回路例の回路図である。
【図10】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の放射線被曝量検出回路の動作原理を示す第3の回路例の回路図である。
【図11】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の放射線被曝量検出回路の動作原理を示す第4の回路例の回路図である。
【図12】本発明の実施形態である放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器の信号変換回路の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態(その1))
図1は本発明の第1の実施形態を示す機能ブロックの構成図である。破線の内部が、本実施形態の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1である。放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1はプロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、信号変換回路13、被曝量表示回路14を備えて構成されている。
プロセス計測回路11は原子力発電プラントを運転する際における各種プロセス量(流量、圧力、温度など)を計測する回路である。放射線被曝量検出回路12は放射線を被曝すると影響を受ける素子を回路に含んでおり、この放射線の被曝による回路特性の変化を電気信号として出力する。信号変換回路13は放射線被曝量検出回路12の出力信号を受けて、被曝量表示回路14が被曝量に関する情報を表示できるように前記出力信号を信号変換処理する。被曝量表示回路14は信号変換回路13の出力信号を受けて被曝量に関する情報を表示する。
【0012】
次に、放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1のより詳しい説明をするために、まず先に、それを構成するプロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、信号変換回路13、被曝量表示回路14の詳細について順に述べる。その後、本発明の第1の実施形態の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1の全体について再度、説明する。
【0013】
(プロセス計測回路)
原子力発電プラントを運転する際におけるプロセス計測は、一般的には次のように行われる。プロセスの物理量は、各種計測原理を基に検出素子を介して、電気量に変換される。電気量はアナログ−デジタル変換回路(A/D変換回路、ADC:Analog Digital Convertor、以下A/D変換回路と略すこともある。)などでデジタル化処理が行われ、プロセッサなどのデジタル処理回路で演算処理され、その結果が出力される。
【0014】
図7にプロセス計測回路11の構成の一例を示す。物理量検出素子111は原子力発電プラントを運転する際における各種プロセス量(流量、圧力、温度など)を検出する素子である。物理量検出素子111で検出したプロセス量の物理情報は物理量検出回路112によって、電気信号に変換される。この電気信号はA/D変換回路116でアナログ信号の電気信号はデジタル信号の電気信号に変換され、デジタル処理回路113に送られる。デジタル処理回路113では、プロセス量の物理情報を所望の形態、例えばプロセス量のリアルタイム値や累積値や変化量等に演算処理して、アナログ出力回路114やデジタル出力回路115に信号を出力する。また、プロセス計測回路11において、アナログ出力回路114のプロセス計測アナログ出力信号やデジタル出力回路115のプロセス計測デジタル出力信号122を表示する装置を設けて前記プロセス量を表示する場合もある。
なお、アナログ出力回路114のプロセス計測アナログ出力信号121はプロセス計測値において、電流は4〜20mA、電圧は1〜5Vが標準となっている。
【0015】
また、プロセス計測回路11、さらには、そこに内蔵される物理量検出素子111、物理量検出回路112、デジタル処理回路113、アナログ出力回路114、デジタル出力回路115、A/D変換回路116は、原子力発電プラントを運転する際における各種プロセス量を測定する環境下に設置されるため、放射線の被曝を受け、その影響により、故障することがある。突然にプロセス計測回路11が故障すると、原子力発電プラントの運転に支障をきたすため、事前に対処すべく、この放射線の被曝による影響を検出するのが、放射線被曝量検出回路12である。
【0016】
(放射線被曝量検出回路)
まず、プロセス計測回路11に用いられるデバイス素子である電界効果型トランジスタ(MOSFET)やバイポーラトランジスタが放射線によってどのような影響を受け、回路の特性に変化を与えるかについて、述べる。
図8はMOSFETを備えたオペアンプ(回路)200の基本的な構造である。P型MOSFET201のソースは正極の電源端子212に接続され、ゲートとドレインは互いに接続されて、抵抗素子209の第1端子に接続されている。抵抗素子209の第2端子は負極の電源端子211に接続されている。以上のP型MOSFET201と抵抗素子209により、その接続点である抵抗素子209の第1端子からバイアス電圧が発生する。
【0017】
P型MOSFET202のソースは正極の電源端子212に接続され、ゲートは抵抗素子209の第1端子に接続されている。このため、ゲートには前記バイアス電圧が加わるので、P型MOSFET202は定電流で動作する。P型MOSFET203のソースはP型MOSFET202のドレインに接続され、ゲートは第1入力端子213に接続され、ドレインはN型MOSFET206のドレインに接続されている。N型MOSFET206のソースは負極の電源端子211に接続され、ゲートとドレインは互いに接続されている。P型MOSFET204のソースはP型MOSFET202のドレインに接続され、ゲートは第2入力端子214に接続され、ドレインはN型MOSFET207のドレインに接続されている。N型MOSFET207のソースは負極の電源端子211に接続され、ゲートはN型MOSFET206のゲートに接続されている。P型MOSFET203とN型MOSFET206の直列回路と、P型MOSFET204とN型MOSFET207の直列回路とは差動対をなしており、第1入力端子213と第2入力端子214の電位差がN型MOSFET207のドレインから出力される。
【0018】
P型MOSFET205のソースは正極の電源端子212に接続され、ゲートは抵抗素子209の第1端子に接続され、ドレインはN型MOSFET208のドレインに接続されている。N型MOSFET208のソースは負極の電源端子211に接続され、ゲートはN型MOSFET207のドレインに接続され、ドレインはオペアンプ200としての出力端子215となっている。P型MOSFET205とN型MOSFET208は、前記差動対の出力であるN型MOSFET207のドレインの出力信号を適正なバイアス電圧のもとに直すレベルシフト回路と、前記出力信号を増幅する増幅回路と、を兼ねた役目をしている。
【0019】
以上のオペアンプが放射線で被曝をしたとする。放射線はアルファ線(α線)とベータ線(β線)とガンマ線(γ線)からなるが、原子力発電プラントにおいてプロセス計測回路に影響を与える可能性があるものはα線とγ線である。α線は陽子2個と中性子2個からなる粒子であり、電離作用が強いが、透過力は弱い。また、γ線は高いエネルギーを持った電磁波であるので透過力は強いが、電離作用は弱い。したがって、状況により、影響の仕方は一概にはいえないが、MOSFETやバイポーラトランジスタのデバイス素子の近傍の酸化膜などに電荷を生成し、蓄積されるとデバイス素子としての駆動能力や増幅率の低下、またリーク現象を引き起こすことが知られている。
【0020】
図8において、MOSFET201〜208が放射線を被曝して、駆動能力低下やリーク現象を起こしたとして、回路としての影響の仕方は異なる。
P型MOSFET203とP型MOSFET204は対称の構成であり、差動対を形成しているので、P型MOSFET203とP型MOSFET204が同じように放射線を被曝して、それぞれが特性の変化をしても同じような影響であれば、特性変化は相殺されて、表面には現れてこない。同様にN型MOSFET206とN型MOSFET207は対称の構成であり、差動対を形成しているので、N型MOSFET206とP型MOSFET207が同じように放射線を被曝して、それぞれが特性の変化をしても同じような影響であれば、特性変化は相殺されて、表面には現れてこない。
【0021】
一方、P型MOSFET201、202、205とN型MOSFET208は放射線を被曝して、それぞれが特性の変化を受けると、その影響を相殺するものがないので、オペアンプ200としての特性に変化がでる。どの程度の特性変化がでるかは回路の構成の仕方とデバイス素子としての材質や構造や占有面積あるいは周囲素子との関連などによって異なる。
なお、図8はオペアンプ200が放射線を被曝した際の影響や動作を説明するために用いた回路であるが、放射線被曝量検出回路12としても使用できる。
【0022】
図9は最も簡単な部類の放射線被曝量検出回路12の一例を示す回路図である。P型MOSFET301と抵抗素子302からなっている。P型MOSFET301のソースは正極の電源端子212に接続され、ゲートは入力端子314に接続され、ドレインは抵抗素子302の第1端子に接続されている。抵抗素子302の第2端子は負極の電源端子311に接続されている。P型MOSFET301のドレインと抵抗素子302の第1端子の接続点は放射線被曝量検出回路12としての出力端子315となっている。また、P型MOSFET301のゲートの入力端子314には所望の動作に必要な適切な電位が与えられる。
【0023】
このとき、P型MOSFET301が放射線を被曝したとすると、前記したように駆動能力の低下やリーク現象を起こす。その被曝の状況(被曝量、累積時間など)によって、放射線被曝量検出回路12としての出力端子315の出力電位が変化する。したがって、出力端子315の出力信号を用いることによって、図9に示した回路は放射線被曝量検出回路12として用いることができる。
なお、P型MOSFET301のゲートである入力端子314の電位を変化させることによって、放射線被曝量検出回路12としての感度を変えることもできる。また、入力端子314に負極の電位(311)や正極の電位(312)を与えることによって、放射線被曝量検出回路12をオン(ON)、オフ(OFF)するスイッチとしても使用できる。
【0024】
図10はバイポーラトランジスタ401を用いた放射線被曝量検出回路12である。NPNバイポーラトランジスタ401と抵抗素子402からなっている。NPNバイポーラトランジスタ401のエミッタは、負極の電源端子411に接続され、ベースは入力端子414に接続され、コレクタは抵抗素子402の第1端子に接続されている。抵抗素子402の第2端子は、正極の電源端子412に接続されている。NPNバイポーラトランジスタ401のコレクタと抵抗素子402の第1端子の接続点は放射線被曝量検出回路12としての出力端子415となっている。また、NPNバイポーラトランジスタ401のベースの入力端子414には、所望の動作に必要な適切な電位が与えられる。
【0025】
このとき、NPNバイポーラトランジスタ401が放射線を被曝したとすると、前記したように電流増幅率の低下やリーク現象を起こす。その被曝の状況(被曝量、累積時間など)によって、放射線被曝量検出回路12としての出力端子415の出力電位が変化する。したがって、出力端子415の出力信号を用いることによって、図10に示した回路は放射線被曝量検出回路12として用いることができる。
なお、NPNバイポーラトランジスタ401のベースである入力端子414の電位を変化させることによって、放射線被曝量検出回路12としての感度を調整することもできる。また、入力端子414に正極の電位(412)や負極の電位(411)を与えることによって、放射線被曝量検出回路12をオン(ON)、オフ(OFF)するスイッチとしても使用できる。
【0026】
図11はバイポーラを用いたオペアンプ501が放射線の被曝によって起こる特性変化について実験したときの回路の概略の構成を示したものである。オペアンプ501の電源は、正極の電源端子512と負極の電源端子511とによって供給される。オペアンプ501の第1入力端子513には定電源回路からの定電圧信号が接続され、第2入力端子514は抵抗素子504の第1端子と抵抗素子505の第1端子の接続点に接続されている。なお、この接続点は第2出力端子514Bとなっている。抵抗素子504の第2端子は正極の電源端子512に接続され、抵抗素子505の第2端子は負極の電源端子511に接続されている。抵抗素子502の第1端子と抵抗素子503の第1端子は接続され、第1出力端子515となっている。抵抗素子502の第2端子は正極の電源端子512に接続され、抵抗素子503の第2端子は負極の電源端子511に接続されている。
【0027】
なお、抵抗素子502、503、504、505は、第2出力端子514Bと第1出力端子515との間の電圧変化をみることによってオペアンプ501の第2入力端子514の電位変化を検出するものである。
実験ではオペアンプ501に放射線を被曝させたときに、第1出力端子515と第2出力端子514Bとの間に、時間の経過とともに電圧変化が観察された。オペアンプ501の中の構成はブラックボックスであるので、放射線による被曝がオペアンプ501の中のどのデバイスにどのように影響を与えたかは特定できないが、放射線の被曝とともにオペアンプ501の特性は変化した。
【0028】
以上により、放射線被曝量検出回路12に用いる素子としてはMOSFETでもバイポーラトランジスタでもよい。ただし、好ましくはプロセス計測回路11(図1)がMOSFETを主体として用いていれば、放射線被曝量検出回路12はMOSFETを用いた方が実態を反映し、プロセス計測回路11(図1)がバイポーラトランジスタを主体として用いていれば、放射線被曝量検出回路12はバイポーラトランジスタを用いた方がよいと考えられる。
【0029】
以上、図8〜図11で放射線の被曝により電気回路の特性が変化する例を示したが、MOSFETやバイポーラトランジスタが1個でも影響を受けるので、通常の電気回路は基本的には、放射線の被曝により電気回路の特性が変化する。したがって、図8〜図11に示した回路以外の様々な回路も放射線被曝量検出回路12として用いることができる。
また、MOSFETとバイポーラトランジスタが放射線の被曝により、相対的に特性が大きく変化する素子として説明したが、抵抗素子やコンデンサなどのデバイス素子も放射線の被曝により、特性が変化する場合には、それらの影響も考慮する必要がある。
また、以上に述べた理由から、回路としても同じ放射線を被曝していても特性変化は回路毎に異なる。回路構成により、放射線の被曝の影響の大きいものと小さいものがある。したがって、放射線被曝量検出回路12として使用する場合には、放射線被曝量と回路の特性変化との相関を事前に把握しておく必要がある。この相関特性を把握することによって、プロセス計測回路11(図1)の耐放射線被曝限度を管理し、適切な対処が可能となる。
【0030】
(信号変換回路)
図12に信号変換回路13の構成の一例を示す。A/D変換回路606は放射線被曝量検出回路12(図1)の出力信号が一般的にはアナログ量であるので、アナログ−デジタル変換機能によって、処理しやすいデジタル信号に変換する。このデジタル信号は論理回路607に入力し、その後の被曝量表示回路14が表示しやすい信号に変換する。なお、論理回路607は前記した信号の変換をハードが固定された論理回路によって実現してもよいし、また、柔軟に機能変更ができるソフトによる信号処理で実現してもよい。ソフトの方が機能変更に対応しやすいが、ハードが固定された論理回路の方が回路規模が小さくなり、コストダウンと小型化につながる。また、デジタル信号を処理する機能が別の回路にある場合にはA/D変換回路606のみでもよい。また、A/D変換回路606も一般的に知られている機能の高い本格的なアナログ−デジタル変換を行うものとは限らず、用途に応じては1ビットから2ビット程度の簡単なアナログ−デジタル変換機能の回路でもよい。
【0031】
(被曝量表示回路)
被曝量表示回路14(図1)は信号変換回路13(図1)から出力された信号によって、放射線の被曝量を表示する信号を出力する。また、放射線被曝量機能付プロセス計測機器1(図1)に被曝量表示装置が搭載されているときには、信号変換回路13(図1)から出力された信号によって前記被曝量表示装置で被曝量を表示する。この表示する被曝量は累積した被曝量を表示することが第一の目的であるが、変化量を演算、記憶して、ある一定期間(月、週、日、時間など)の被曝量を表示してもよい。
【0032】
(第1の実施形態(その2))
以上、図1における本発明の第1の実施形態を構成する個々の機能ブロックについて説明したが、再度、図1を参照して全体の動作を説明する。
放射線被曝量機能付プロセス計測機器1の中には、原子力発電プラントを運転する際の各種プロセス量(流量、圧力、温度など)を測定するプロセス計測回路11と、放射線被曝量検出回路12が備えられている。したがって、プロセス計測回路11が各種プロセス量を測定する際に被曝した放射線を、放射線被曝量検出回路12もほぼ同量を被曝していると推定される。この放射線の被曝によって、プロセス計測回路11の中のMOSFETやバイポーラトランジスタに代表されるデバイス素子が劣化を起こし、特性変化が起きると、その変化は放射線被曝量検出回路12の中のMOSFETやバイポーラトランジスタに代表されるデバイス素子にもほぼ同様に起こり、放射線被曝量検出回路12として、特性変化が起きて、その変化が検出される。放射線被曝量検出回路12はその特性変化を通して放射線の被曝量を信号処理回路13と被曝量表示回路14とによって表示する。あるいは被曝量表示出力信号123によって放射線被曝量機能付プロセス計測機器1の外部の装置(不図示)で放射線被曝量を表示してもよい。
【0033】
被曝量表示回路14の表示する放射線の被曝量は、放射線被曝量検出回路12が受けたものであるが、放射線被曝量検出回路12とプロセス計測回路11は同じ放射線被曝量機能付プロセス計測機器1の中にあるので、プロセス計測回路11も同じような放射線の被曝量を受けたものと想定される。したがって、被曝量表示回路14の表示をもってプロセス計測回路11の放射線の被曝量を判断する。この表示が所定の放射線を被曝し、それ以上、被曝量を蓄積すれば、プロセス計測回路11が故障、あるいは許容される測定誤差を逸脱する段階に達したと、原子力発電プラントの管理者が判断した場合には、この管理者はプロセス計測回路11を故障前に交換することができる。この放射線被曝量検出回路12の検出と、信号処理回路13による信号変換と、被曝量表示回路14の表示とによる一連の機能の補助動作によって、原子力発電プラントの継続した安定運転が可能となる。
【0034】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態を示す機能ブロックの構成図である。破線の内部が、本発明の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1である。放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1は、プロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、信号変換回路13、警報出力回路15を備えて構成されている。
プロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12にいては、図1に示した第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。信号変換回路13は放射線被曝量検出回路12の信号をアナログ−デシダル変換することは同様であるが、その後のデジタル信号を警報出力回路15が動作するような信号変換をする点で相違する。警報出力回路15は信号変換回路13の出力信号を受けて累積した放射能の被曝量に関する警告情報を警報出力信号124として出力する。
【0035】
また、放射線被曝量機能付プロセス計測機器1に警報装置が搭載されているときには、前記警報出力回路15の警報出力信号124により、警報装置(不図示)が警報を発する。この警報は累積した放射能がプロセス計測回路11にとって故障を起こす危険な状況の警告を意味する場合もあるし、また故障を起こす危険な状況には至っていないが、短期的に放射線の被曝量が所定の値よりも多くなった場合などの警告を意味する場合もある。
この警告によって、原子力発電プラントの管理者が判断した場合には、放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1、もしくはプロセス計測回路11を原子力発電プラントの管理者が故障前に交換することができる。この放射線被曝量検出回路12の検出と、信号処理回路13による信号変換と、警報出力回路15の警告とによる一連の機能の補助動作によって、原子力発電プラントの継続した安定運転が可能となる。
【0036】
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示す機能ブロックの構成図である。破線の内部が、本発明の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1である。放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1は、プロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、信号変換回路13、被曝量表示回路14、警報出力回路15を備えて構成されている。
プロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、被曝量表示回路14にいては図1に示した第1の実施形態と同様であり、警報出力回路15については図2に示した第2の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。図3における信号変換回路13は放射線被曝量検出回路12の信号をアナログ−デシダル変換することは同様であるが、その後のデジタル信号を被曝量表示回路14と警報出力回路15が共に動作するように信号変換する点で相違する。
【0037】
したがって、図3においては、被曝量表示回路14と警報出力回路15は信号変換回路13の出力信号を受けて、それぞれ、累積した放射能の被曝量に関する表示信号である被曝量表示出力信号123と、警告情報を出力である警報出力信号124を出力する。また、放射線被曝量機能付プロセス計測機器1に被曝量表示装置と警報装置が搭載されているときには、前記被曝量表示回路14の被曝量表示出力信号123により、被曝量表示装置(不図示)が表示をし、前記警報出力回路15の警報出力信号124により、警報装置(不図示)が警報を発する。この表示と警告によって、原子力発電プラントの管理者が判断した場合には、放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1、もしくはプロセス計測回路11を原子力発電プラントの管理者が故障前に交換することができる。この放射線被曝量検出回路12の検出と、信号処理回路13による信号変換と、被曝量表示回路14の表示と、警報出力回路15の警告とによる一連の機能の補助動作によって、原子力発電プラントの継続した、より安定した運転が可能となる。
【0038】
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態を示す機能ブロックの構成図である。破線の内部が、本発明の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1である。放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1はプロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、信号変換回路13、被曝量表示回路14、警報出力回路15を備えて構成されている。
以上の構成は図3に示した第3の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。ただ、図3と異なるのは、図4の被曝量表示回路14と警報出力回路15が一体化して被曝量表示機能と警報出力機能を有する被曝量表示警報回路16となっていることである。このように被曝量表示機能と警報出力機能が一体化したものが原子力発電プラントの管理上は都合のよいことが多い。
【0039】
(第5の実施形態)
図5は本発明の第5の実施形態を示す機能ブロックの構成図である。破線の内部が、本発明の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1である。放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1はプロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12、信号変換回路13、被曝量表示回路14、警報出力回路15を備えて構成されている。
プロセス計測回路11、放射線被曝量検出回路12については、図3に示した第3の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図5における信号変換回路13は放射線被曝量検出回路12の信号をアナログ−デシダル変換することは同様であるが、その後のデジタル信号をプロセス計測回路11の中のデジタル処理回路113(図7)に供給している点で相違する。
【0040】
プロセス計測回路11に備えられたデジタル処理回路113は、図3に示した信号変換回路13に内蔵された論理回路607(図12)の機能よりも高い機能を有しているのが一般的であるので、より高機能で信号変換の演算処理をする。この演算結果で図5における被曝量表示回路14と警報出力回路15とを駆動する。この結果、被曝量表示回路14と警報出力回路15の機能をより高く、かつプログラムの変更で柔軟に機能変更に対応できる。
また、図5における信号変換回路13は、放射線被曝量検出回路12の信号をアナログ−デシダル変換するだけの機能となるので、回路規模は小型化でき、かつコストダウンが可能となる。
【0041】
(第6の実施形態)
図6は本発明の第6の実施形態を示す機能ブロックの構成図である。破線の内部が、本発明の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1である。放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器1はプロセス計測回路11、信号変換機能付の放射線被曝量検出回路17、被曝量表示回路14、警報出力回路15を備えて構成されている。
プロセス計測回路11、被曝量表示回路14、警報出力回路15については図5に示した第5の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図6における信号変換機能付の放射線被曝量検出回路17は図5における放射線被曝量検出回路12に簡単なアナログ−デシダル変換する回路(図12のA/D変換回路606にほぼ相当)を含めたものである。これによって、図5における信号変換回路13を省略したものである。全体の機能としては図5の回路と同等の機能となり、プロセス計測回路11以外の回路の構成が簡略化されるので、回路規模の小型化と、コストダウンが可能となる。
【0042】
(その他の実施形態)
以上においては、原子力発電プラントにおける各種プロセス量(流量、圧力、温度など)の測定を例にとって説明したが、原子力発電プラント以外の原子力利用の設備のプロセス計測機器においても、適用できる。
【0043】
また、計測機器としたが、機器の目的が計測ではなくとも、原子力関連の設備で放射線の影響で寿命が短縮される機器には本発明を適用できる。
【0044】
また、被曝量表示回路14は、累積した被曝量を表示するとしたが、同時に測定機器の推奨交換時期を表示してもよい。
【0045】
また、デバイス素子として、絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(MOSFET)とバイポーラトランジスタを例にあげたが、計測器に使用しているデバイスが他の素子であれば、放射線被曝量検出回路のデバイスもそれに対応した素子を用いることが望ましい。例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)、あるいはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリ素子、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの強誘電体メモリ素子なども対象となる。
【0046】
また、プロセス計測回路11において、様々なデバイス素子が回路構成として含まれ、どのデバイス素子が放射線の被曝に対して、最も影響を受けやすいかが、事前に不明の場合には、放射線被曝量検出回路12のデバイス構成が異なる2種類以上の放射線被曝量検出回路12を複数個、備えてもよい。
【0047】
以上、本発明の実施形態によれば、被曝によるデジタル計測機器の劣化を定量的に監視評価できるため、適切な状態監視による保全を実現することができる。
また、警報を出力することにより、より確実な監視が行える。
また、これにより、原子力発電所で使用する計測機器に対して高信頼化、高経済性が図れる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
原子力関連のプラント、設備、機器などにおいて、放射線の影響で計測器などの機器の寿命が短縮されるものについて、広く利用、採用される可能性がある。
【符号の説明】
【0049】
1 放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器
11 プロセス計測回路
12、17 放射線被曝量検出回路
13 信号変換回路
14 被曝量表示回路
15 警報出力回路
16 被曝量表示警報出力回路
111 物理量検出素子
112 物理量検出回路
113 デジタル処理回路
114 アナログ出力回路
115 デジタル出力回路
116 A/D変換回路
121 プロセス計測アナログ出力信号
122 プロセス計測デジタル出力信号
123 被曝量表示出力信号
124 警報出力信号
200、501 オペアンプ
201、202、203、204、205、301 P型MOSFET
206、207 N型MOSFET
209、302、402、502、503、504、505 抵抗素子
211、311、411、511 負極の電源端子
212、312、412、512 正極の電源端子
213、214、314、414、513、514 入力端子
215、315、415、515、514B 出力端子
414 バイポーラ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力発電プラントのプロセス量を計測するプロセス計測機器において、
前記プロセス量を計測するプロセス計測回路と、
放射線被曝量を検出する放射線被曝量検出回路と、
信号を変換処理する信号変換回路と、
放射線被曝量を表示する被曝量表示回路と、を備え、
前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路によって前記放射線被曝量を表示する信号に変換処理し、該変換処理した信号により、前記被曝量表示回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量を表示することを特徴とする放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器。
【請求項2】
被曝量が所定の閾値を超えると警報を出力する警報出力回路を、さらに備え、
前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路によって変換処理し、該変換処理した信号により、前記警報出力回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量があらかじめ設定した所定の閾値を超えたときに警報を出力することを特徴とする請求項1に記載の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器。
【請求項3】
原子力発電プラントのプロセス量を計測するプロセス計測機器において、
デジタル処理回路を内蔵し、プロセス量を計測するプロセス計測回路と、
放射線被曝量を検出する放射線被曝量検出回路と、
信号を変換処理する信号変換回路と、
放射線被曝量を表示する被曝量表示回路と、を備え、
前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路でデジタル信号に変換し、このデジタル信号を前記プロセス計測回路に内蔵されたデジタル処理回路によって前記放射線量の被曝量を表示する信号に変換処理し、該変換処理した信号により、前記被曝量表示回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量を表示することを特徴とする放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器。
【請求項4】
原子力発電プラントのプロセス量を計測するプロセス計測機器において、
デジタル処理回路を内蔵し、プロセス量を計測するプロセス計測回路と、
放射線被曝量を検出する放射線被曝量検出回路と、
信号を変換処理する信号変換回路と、
放射線被曝量を表示する被曝量表示回路と、
被曝量が所定の閾値を超えた状態を警報する警報出力回路と、を備え、
前記プロセス計測回路が被曝した放射線量を前記放射線被曝量検出回路が検出し、該放射線被曝量検出回路の出力信号を前記信号変換回路でデジタル信号に変換し、このデジタル信号を前記プロセス計測回路に内蔵されたデジタル処理回路によって前記放射線量の被曝量を表示する信号と被曝量が所定の閾値を超えた状態を警報する信号とに変換処理し、該変換処理した信号により、前記被曝量表示回路が前記プロセス計測機器の放射線被曝量を表示し、かつ前記警報出力回路が警報出力をすることを特徴とする放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器。
【請求項5】
前記放射線被曝量検出回路と前記プロセス計測回路に絶縁ゲート電界効果型トランジスタを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器。
【請求項6】
前記放射線被曝量検出回路と前記プロセス計測回路にバイポーラトランジスタを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の放射線被曝量計測機能付プロセス計測機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−137770(P2011−137770A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299157(P2009−299157)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】