説明

放熱装置

【課題】本発明は、電気コネクタを電源コネクタに素早く、且つ容易に挿入することができる放熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る放熱装置は、電子素子から放熱し、且つ電線及び前記電線の一端に接続されている電気コネクタを備え、電気コネクタは電子装置の電気供給ユニットの電源コネクタと電気接続される。放熱装置には、さらに、電源コネクタに位置合わせされる係合部材が設置されており、電気コネクタは係合部材に係合され、且つ係合部材に係合されている電気コネクタは電源コネクタと位置合わせされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱装置に関し、特に電子装置に用いられる放熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンのような電子装置には、通常放熱装置が設置され、該放熱装置はファンユニット及びヒートシンクを備える。この放熱装置の組み立て過程において、ファンユニットの電線を電気コネクタに電気接続した後、該電気コネクタを電子装置の電気供給ユニットの電源コネクタに電気接続する。これにより、前記電気供給ユニットは、前記電気コネクタと前記電源コネクタとの電気接続によって、ファンユニットをはじめとする放熱装置全体に電気を供給する。従来の放熱装置において、電気コネクタを電源コネクタに電気接続する際、先ず、前記電気コネクタと前記電源コネクタとを位置合わせした後、前記電気コネクタを前記電源コネクタに挿入する。しかし、前記電気コネクタ及び前記電源コネクタの体積は小さいため、互いに位置合わせしにくく、素早く、且つ容易に挿入することができない。従って、放熱装置の組み立て効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、電気コネクタを電源コネクタに素早く、且つ容易に挿入することができる放熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明に係る放熱装置は、電子素子から放熱し、且つ電線及び前記電線の一端に接続されている電気コネクタを備え、前記電気コネクタは電子装置の電気供給ユニットの電源コネクタと電気接続される。前記放熱装置には、さらに、前記電源コネクタに位置合わせされる係合部材が設置されており、前記電気コネクタは前記係合部材に係合され、且つ前記係合部材に係合された前記電気コネクタは前記電源コネクタと位置合わせされる。
【発明の効果】
【0005】
本発明において、電気コネクタを係合する係合部材を設置することによって、前記電気コネクタは、放熱装置がハウジングに装着されると、電源コネクタと位置合わせされる。これにより、該電気コネクタは前記電源コネクタに容易に接続することができるので、電子装置の組み立て効率は向上される。また、本発明におけるヒートシンクは一体に形成され、且つ複数の固定部材によって複数のネジが前記ヒートシンクに固定されるので、前記ヒートシンクを装着する際、前記ヒートシンクを前記ハウジングに位置決めして、前記複数のネジと前記ハウジングに設けられている複数のネジ孔との位置合わせ後、自動設備によって前記複数のネジと前記ネジ孔とを螺合させるだけで良い。従って、組み立てが早く、且つ容易である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る電子装置の、放熱装置が設置されている部位を示す図である。
【図2】図1に示した放熱装置の構造を示す図である。
【図3】図2に示したIII部分の拡大図である。
【図4】図2に示した放熱装置の一部の分解図である。
【図5】図4に示した放熱装置の一部を別の視点から見た分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係る放熱装置について詳細に説明する。
【0008】
図1に示したように、本発明に係る電子装置10は、ハウジング100と、前記ハウジング100内に装着された放熱装置400及び電源コネクタ500と、を備える。前記放熱装置400は、前記電子装置10の電子素子から放熱を行い、前記電源コネクタ500は、前記電子装置10の電気供給モジュールのコネクタに電気接続される。本実施形態において、前記電子装置10は、ノートパソコンであり、前記放熱装置400は、該ノートパソコン内に設置されているCPU(中央処理装置)200及びディスプレイカード300から放熱を行う。他の実施形態において、前記放熱装置400は、他の電子素子から放熱を行うこともできる。
【0009】
図2に示したように、前記放熱装置400は、ヒートシンク410及びファンユニット412を備える。前記ヒートシンク410は、2つのヒートパイプ414及び複数の放熱フィン(図示せず)を備える。2つのヒートパイプ414は、前記CPU200及び前記ディスプレイカード300にそれぞれ連接され、前記CPU200及び前記ディスプレイカード300の稼働中に発生する熱を吸収して、該熱を前記複数の放熱フィンに伝達する。次いで、前記放熱フィンは、吸収した熱を空気中に放熱する。本実施形態において、前記ヒートシンク410は一体に形成され、且つ複数のネジ600によって、前記ハウジング100に固定される。前記ヒートシンク410は、さらに、前記複数のネジ600とそれぞれ螺合して、前記ネジ600が前記ヒートシンク410から脱落するのを防止する固定部材416を備える。本実施形態において、前記固定部材416は弾性のゴムリングである。前記複数のネジ600は前記固定部材416によって、前記ヒートシンク410に固定される。本実施形態の前記複数のネジ600は、前記ヒートシンク410が前記ハウジング100に装着される前に、既に前記ヒートシンク410に固定されているため、前記放熱装置400の組み立て過程において、前記複数のネジ600を前記ヒートシンク410に装着するステップを省略することができる。
【0010】
図2を参照すると、前記ファンユニット412は、前記複数の放熱フィンの付近に設置され、且つ空気流を生成して、前記放熱フィンの熱を素早く放熱させる。前記ファンユニット412は、前記ハウジング100に連結されるケース418と、前記ケース418内に装着されている羽根車420と、電線422と、前記電線422の一端に設置されている電気コネクタ424及び前記電気コネクタ424を設置するために用いられ、且つ前記電源コネクタ500と係合する係合部材426と、を備える。図3を参照すると、前記ケース418は、弧形を呈するケース壁428を有する。電気コネクタ424が前記ハウジング100に設置されている前記電源コネクタ500と接続することによって、前記電子装置10の電気供給ユニットは前記電線422を介して、前記ファンユニット412に電気を供給する。また、前記係合部材426は、前記ケース壁428から延伸し、且つ前記ハウジング100の前記電源コネクタ500の位置に対応する。
【0011】
図4を参照すると、前記係合部材426は、前記ファンユニット412の前記ケース壁428から延伸する本体430及び該本体430から延伸する鈎部431を備える。前記本体430は、薄片の略直方体であり、且つ前記電源コネクタ500に対向する第一側面432及び該第一側面432と相対する第二側面434を有する。前記本体430には、収容部436及び2つの凹部438が設けられている。本実施形態において、前記凹部438の数量は2つであるが、他の実施形態においては3つ又は4つ以上でもよい。前記収容部436は、前記電気コネクタ424を収容することに用いられ、前記凹部438は、前記電気コネクタ424の2つの弾性部425と係合されて、前記電気コネクタ424が離脱することを規制するために用いられる。前記収容部436は、前記第一側面432から第二側面434に向けて窪んで形成され、且つ概ね前記第一側面432に垂直な2つの側壁442と、前記2つの側壁442とそれぞれ連結し且つ概ね前記第一側面432に平行な底壁440と、を備える。図5を併せて参照すると、各々の前記凹部438は、前記第二側面434から前記第一側面432へ且つ対向する2つの前記側壁442からそれぞれ離れる方向へ窪んで形成され、前記側壁442の長手方向中央部に位置している。なお、各々の前記凹部438は、前記第二側面434において外部に開口している。各々の前記凹部438は、前記第一側面432に平行であり且つ対応する弾性部425と当接する当接壁444を備える。また、前記係合部材426には、さらに、前記電気コネクタ424及び前記電源線42が貫通する貫通孔446が設けられている。本実施形態において、前記貫通孔446は「十」字形を呈し、且つ前記収容部436を部分的に貫通し、また、前記2つの凹部438と連通されている。前記鈎部431は、前記本体430の側縁から延伸し、且つ前記ケース418との間に、間隔をあけて収容空間を形成する。前記電線422は、前記鈎部431に掛けられて、前記収容空間を貫挿する。
【0012】
前記ファンユニット412を前記ハウジング100に組み立てる際、前記電線422に接続されている前記電気コネクタ424を、前記第二側面434から前記第一側面432に向けて、前記係合部材426の前記貫通孔446に貫通させて、前記第一側面432の下方に位置させた後、前記電気コネクタ424を90度回転させて、前記電気コネクタ424を前記収容部436に対応させる。次いで、該電気コネクタ424を前記第一側面432側から前記第二側面434側へ移動させて、前記収容部436の前記底壁440に当接させて、前記電気コネクタ424を前記収容部436に収容させる。この時、前記電気コネクタ424の本体部は前記収容部436の前記底壁440に当接される。これにより、前記電気コネクタ424が前記第一側面432側から前記第二側面434側へ前記係合部材426から脱離するのを防止する。同時に、前記2つの弾性部425は、前記収容部436の前記側壁442の押圧によって弾性変形されて、前記凹部438にそれぞれ進入した後、前記凹部438内において、弾性復帰し、且つ前記凹部438の前記当接壁444と当接されて、前記電気コネクタ424が前記第二側面434側から前記第一側面432の方向へ前記係合部材426から脱離するのを防止する。
【0013】
前記電気コネクタ424を前記係合部材426に係合した後、前記ファンユニット412を前記ハウジング100に装着する。前記係合部材426の前記収容部436と前記電源コネクタ500とは、既に位置合わせされているため、前記電気コネクタ424も前記電源コネクタ500と位置合わせされることができる。これにより、従来のように前記電気コネクタ424と前記電源コネクタ500とを入念に位置合わせせずとも、前記電気コネクタ424を押圧するだけで、前記電気コネクタ424を前記電源コネクタ500に接続させることができ、放熱装置の組み立て効率が大幅に向上される。また、前記係合部材426の前記鈎部431と前記ファンユニット412の前記ケース418との間に収容空間を形成し、前記電線422を該収容空間に収容させるので、前記ファンユニット412が占有する面積も小さくなる。
【0014】
前記ヒートシンク410を前記ハウジング100に装着する過程において、前記ヒートシンク410には、既に前記複数のネジ600が備え付けられているため、前記ヒートシンク410を位置決めした後、自動設備によって前記複数のネジ600を前記ハウジング100に設けられているネジ孔(図示せず)にそれぞれ螺合させる。従って、手動で前記複数のネジ600を前記ヒートシンク410のネジ孔及び前記ハウジング100のネジ孔にそれぞれ螺合させる必要はない。
【0015】
本発明において、前記電気コネクタ424を係合する前記係合部材426を設置することによって、前記電気コネクタ424は、前記放熱装置400が前記ハウジング100に装着されると、前記電源コネクタ500と位置合わせされる。これにより、該電気コネクタ424は前記電源コネクタ500に容易に接続することができるので、電子装置の組み立て効率は向上される。また、本発明における前記ヒートシンク410は一体に形成され、且つ複数の前記固定部材416によって前記複数のネジ600が前記ヒートシンク410に固定されるので、前記ヒートシンク410を装着する際、前記ヒートシンク410を前記ハウジング100に位置決めして、前記複数のネジ600と前記ハウジング100に設けられている複数のネジ孔との位置合わせ後、自動設備によって前記複数のネジ600と前記ネジ孔とを螺合させるだけで良い。従って、組み立てが早く、且つ容易である。
【0016】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正もまた本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0017】
10 電子装置
100 ハウジング
200 中央処理装置
300 ディスプレイカード
400 放熱装置
410 ヒートシンク
412 ファンユニット
414 ヒートパイプ
416 固定部材
418 ケース
420 羽根車
422 電線
424 電気コネクタ
425 弾性部
426 係合部材
428 ケース壁
430 本体
431 鈎部
432 第一側面
434 第二側面
436 収容部
438 凹部
440 底壁
442 側壁
444 当接壁
446 貫通孔
500 電源コネクタ
600 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子素子から放熱し、且つ電線及び前記電線の一端に接続されている電気コネクタを備え、前記電気コネクタが電子装置の電気供給ユニットの電源コネクタと電気接続される放熱装置において、
前記放熱装置には、さらに、前記電源コネクタに位置合わせされる係合部材が設置され、前記電気コネクタは前記係合部材に係合され、且つ前記係合部材に係合されている前記電気コネクタは前記電源コネクタと位置合わせされることを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
前記放熱装置は、ヒートシンク及び前記ヒートシンクに対応して設置されたファンユニットをさらに備え、前記ヒートシンクは前記電子素子に連結されて、前記電子素子が発生した熱を吸収し、前記ファンユニットは空気流を生成して前記ヒートシンクが吸収した熱を放熱させ、前記係合部材は、前記ファンユニットに設置されていることを特徴とする請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
前記ヒートシンクは一体に形成され、且つ複数のネジによって電子装置のハウジングに固定されることを特徴とする請求項2に記載の放熱装置。
【請求項4】
前記放熱装置は、前記ネジを前記ヒートシンクに固定させる固定部材をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の放熱装置。
【請求項5】
前記係合部材は本体を備え、該本体の前記電源コネクタに対向する一側面には、窪んで形成され且つ前記電気コネクタを係合する収容部が設けられ、前記収容部に係合された電気コネクタは、前記電源コネクタと位置合わせされることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の放熱装置。
【請求項6】
前記本体には、前記電気コネクタを貫通させるための貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の放熱装置。
【請求項7】
前記電気コネクタは、2つの弾性部を備え、前記収容部は、前記2つの弾性部に対応する2つの側壁を含み、各々の該側壁には、対向する側壁から離れる方向へ窪んで形成された凹部がそれぞれ設けられており、前記2つの弾性部は、前記2つの凹部にそれぞれ収容され、且つ凹部の当接壁に当接されて、前記電気コネクタが前記本体から脱離することを規制することを特徴とする請求項6に記載の放熱装置。
【請求項8】
前記ファンユニットは、ケースを備え、前記係合部材は、前記ケースから延伸して形成されることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の放熱装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−16810(P2013−16810A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151252(P2012−151252)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】