説明

放送ストリーム記録装置、放送ストリーム記録方法、放送ストリーム記録プログラム、および記録媒体

【課題】放送局より受信した放送ストリーム中の不具合箇所に対応する正常データを、放送局とは異なる外部装置より取得した場合においても、記録媒体に記録する1つの放送コンテンツを1つのファイルによって管理する。
【解決手段】本発明の放送ストリーム記録装置102は、放送局101より受信した放送ストリームを記録媒体209に記録する書き込み制御部205と、受信した放送ストリームの不具合箇所を検出するエラー検出部202と、不具合箇所に対応する正常データとを備え、書き込み制御部205は、受信した放送ストリームのうち、不具合箇所以外の正常に受信したデータを、不具合箇所に対応する領域を含む1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、放送局以外の外部装置より、不具合箇所に対応する正常データを取得した際、記録済み放送ストリームに、正常データを追加記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送ストリームなどのストリームデータを記録媒体に記録する放送ストリーム記録装置、放送ストリーム記録方法、放送ストリーム記録プログラム、および記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ワンセグなどモバイル機器向けの放送サービスが開始され、ノートパソコンやPDA(Personal Digital Asistant)、携帯電話などのモバイル機器において、放送局からの放送コンテンツを視聴できる環境が整備されてきている。
【0003】
これらモバイル機器は、外部に持ち出して使用されるため、ビル影や地下などといった電波の入らない環境では、放送局からの放送電波を受信することができない。このため、放送電波を受信できない状態では再生する映像や音声が途切れるなどの、受信エラーが発生するという問題がある。
【0004】
このような課題を解決する手段として、例えばギャップフィラーなどの再送信設備を用い、電波の弱い場所や電波の届かない場所に電波を再度照射する方法が考えられている。
【0005】
また、これ以外の受信エラーへの対策として、特許文献1においては、放送コンテンツを構成する放送ストリーム全てを記録できる受信記録装置(以下、サーバとする)を用意し、インターネットなどの放送電波の受信とは異なるネットワークを介して、受信エラー部分に対応する放送ストリームを、サーバより取得する端末機器が開示されている。具体的には、端末機器は、放送局より受信した放送ストリームにエラーが含まれていた場合、または、受信できなかった放送ストリームがあった場合、受信エラー部分に対応する放送ストリームの送信要求を、インターネットを介して、サーバに送信する。端末機器からの送信要求を受信したサーバは、送信要求に応じた放送ストリームを端末機器へ送信する。サーバよりエラー部分に対応する放送ストリームを受信した端末機器は、サーバより受信した放送ストリームと、再生順序等を指示するための制御情報とを合わせて記録媒体に記録する。この再生順序を指示する制御情報に基づき、端末機器は、放送受信により取得した放送ストリームと、サーバより取得した放送ストリームを適宜切り替えて再生する。
【0006】
以下に、特許文献1における、放送ストリームの保存および再生の一例について、図12を参照して説明する。図12は、端末機器における、放送電波の受信によって取得した放送ストリームと、サーバより取得した放送ストリームとを記録媒体に保存した様子を示す説明図である。
【0007】
まず、端末機器が放送電波の受信により放送ストリームを取得する。ここで、図12に示すように、放送局からの放送ストリームを受信している際に、放送ストリーム11と放送ストリーム12との間、および放送ストリーム12と放送ストリーム13との間において、放送電波の受信不良が発生し、放送ストリームが受信できていない受信エラーが2箇所発生している。よって、端末機器は、放送電波の受信により取得できた正常な放送ストリーム11,12,および13を、自身の記録媒体に記録している。
【0008】
次に、端末機器は、放送ストリーム11と放送ストリーム12との間にあるべき、正常な放送ストリーム14と、放送ストリーム12と放送ストリーム13との間にあるべき、正常な放送ストリーム15とを、インターネットを介して、全ての放送ストリームを記録しているサーバより取得する。端末機器は、サーバより取得した放送ストリーム14,15を、更新データとして、放送局より取得した放送ストリーム11〜13とは異なるファイルとして、自身の記録媒体に記録する。なお、端末機器は、放送ストリーム11〜15の再生順序を決定する制御情報も同時に記録媒体に記録している。さらに、端末機器は、記録媒体に記録された放送ストリームを再生する場合、記録媒体の制御情報に基づき、放送ストリーム11〜15を切り替えて再生を行っている。
【0009】
以上により、端末機器は、放送局から受信した放送ストリームに受信エラーが発生したとしても、受信エラーに対応する放送ストリームを、インターネットを介して、正常な放送ストリームを記録しているサーバより取得できる。結果、端末機器は、受信エラーのない、正常な放送ストリームによって構成された放送コンテンツを、自身の記録媒体に記録することが可能となっている。
【特許文献1】特開2005−65232号公報(2005年3月10日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来例においては、放送局により取得した放送ストリームと、サーバより別途取得した放送ストリームとを、個別の異なるファイルとして記録媒体に記録している。そのため、端末機器が携帯型のモバイル機器であった場合など、放送電波の強い場所や弱い場所を行き来するなどして、受信不良が多く発生した場合、端末機器は、1回の受信不良に対して、受信エラー部分に対応する放送ストリームをサーバより取得し、取得した放送ストリームを1つのファイルとして、自身の記録媒体に記録することになる。つまり、1つの放送コンテンツの受信中に、複数の受信不良が発生すると、端末機器の記録媒体には、多数のファイルが個別に記録されることになり、1つの放送コンテンツに対して複数のファイルが記録媒体に記録されることになる。したがって、端末機器において、1つの放送コンテンツに対して多数のファイルが存在するため、放送コンテンツの管理が複雑になるという問題がある。
【0011】
なお、上記放送コンテンツとは、放送局より放送される放送番組情報を示し、放送ストリームとは、放送コンテンツを構成するためのデータの集まりを示す。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、放送局より受信した放送ストリーム中の不具合箇所に対応する正常データを、放送局とは異なる外部装置より取得した場合においても、記録媒体に記録する1つの放送コンテンツを1つのファイルによって管理することが可能な、放送ストリーム記録装置、放送ストリーム記録方法、放送ストリーム記録プログラム、および記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る放送ストリーム記録装置は、上記の課題を解決するために、
放送局より受信した放送ストリームを記録媒体に記録する記録手段を備えた放送ストリーム記録装置であって、
上記受信した放送ストリームにおける、データの不具合箇所を検出する検出手段と、
上記検出された不具合箇所に対応する正常データを、外部装置より取得する取得手段とをさらに備え、
上記記録手段は、
上記受信した放送ストリームのうち、上記検出手段によって検出された不具合箇所以外の正常に受信したデータを、当該不具合箇所に対応する領域を含む1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、
上記正常データが上記取得手段によって取得された際、上記記録済み放送ストリームに、当該正常データを追加記録することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、放送ストリーム記録装置は、たとえば放送局からの放送電波の受信不良によって、放送局より受信した放送ストリームに、データの不具合が発生した場合、不具合のない正常な放送ストリームと、不具合のある箇所に対応する領域とをまとめて、1つの記録済放送ストリームとして記録媒体に記録する。ここでいう不具合箇所とは、たとえば、受信した放送ストリームにおけるデータの誤りやデータの欠落である。放送ストリーム記録装置は、正常な放送ストリームと不具合箇所に対応する領域とを、1つのファイルとして記録媒体に記録する。
【0015】
さらに、放送ストリーム記録装置は、受信不良による不具合箇所に対応する正常な放送ストリームを、放送局とは異なる外部装置より取得する取得手段を備えている。さらに、放送ストリーム記録装置は、取得手段により取得した不具合箇所に対応する正常な放送ストリームを、記録媒体に記録された記録済放送ストリームに追加記録する。
【0016】
したがって、取得手段により取得した不具合箇所に対応する正常な放送ストリームは、記録済放送ストリームのファイル内に記録されることとなり、結果、放送ストリーム記録装置は、放送局より受信した放送ストリームと外部装置より取得した放送ストリームとを、1つのファイルとして、記録媒体に記録できる。
【0017】
以上より、本発明の放送ストリーム記録装置は、放送局より受信した放送ストリーム中の不具合箇所に対応する正常データを、放送局とは異なる外部装置より取得した場合においても、記録媒体に記録される1つの放送コンテンツを、1つのファイルによって管理することが可能となる効果を奏する。
【0018】
(放送ストリーム記録方法)
本発明に係る放送ストリーム記録方法は、上記の課題を解決するために、
放送局より受信した放送ストリームを記録媒体に記録する記録ステップを備えた放送ストリーム記録方法であって、
上記受信した放送ストリームにおける、データの不具合箇所を検出する検出ステップと、
上記検出された不具合箇所に対応する正常データを、外部装置より取得する取得ステップとをさらに備え、
上記記録ステップにおいて、
上記受信した放送ストリームのうち、上記検出ステップによって検出された不具合箇所以外の正常に受信したデータを、当該不具合箇所に対応する領域を含む1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、
上記正常データが上記取得ステップにおいて取得された際、上記記録済み放送ストリームに、当該正常データを追加記録することを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、本発明に係るコンテンツ再生装置と同様の作用効果を奏する。
【0020】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記記録手段は、
上記不具合箇所に対応する領域に、任意のダミーデータを記録すると共に、
上記正常データが上記取得手段によって取得された際、上記ダミーデータに当該正常データを上書きすることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、不具合箇所に対応する領域にダミーデータを記録するため、不具合箇所以外の正常に受信したデータとダミーデータとを、1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録することになる。さらに、外部装置より取得した正常な放送ストリームを、ダミーデータに上書きすることにより、1つの記録済み放送ストリームとして、言い換えれば、完全な1つのファイルとして、放送局より受信した放送ストリームと、外部装置より取得した放送ストリームとを1つのファイルとして、記録媒体に記録することが可能となる効果を奏する。
【0022】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記記録手段は、
上記検出手段によって上記不具合箇所が検出されたとき、当該不具合箇所に対応する領域のうち、上記記録媒体における1つのアクセス単位まで、任意のダミーデータを記録すると共に、
上記アクセス単位まで上記ダミーデータを記録したあと、上記検出手段によって上記不具合箇所がさらに検出され続ける間、上記記録媒体への上記ダミーデータの記録を停止することを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、放送局より受信した放送ストリームを記録中に、検出手段が不具合箇所を検出したとき、記録手段は、放送ストリームを記録中であった記録媒体の1つのアクセス単位まで、任意のダミーデータを記録する。つまり、不具合箇所の検出によって、記録中であったアクセス単位に空き領域が発生することを防ぐことになる。
【0024】
さらに、不具合箇所の発生が終了した後の、受信した放送ストリームは、新たなアクセス単位の先頭から記録されることになる。したがって、アクセス単位の空き領域によって、不具合箇所の発生前の放送ストリームと、不具合箇所の発生後の放送ストリームとが個別のファイルに分断されることを防ぐことになる。
【0025】
さらに、上記の構成によれば、記録手段は、アクセス単位まで上記ダミーデータを記録したあと、検出手段によって不具合箇所がさらに検出され続ける間、記録媒体への上記ダミーデータの記録を停止する。これにより、不具合箇所が長時間になったとしても、不具合箇所に対応する領域全てに対してダミーデータを記録することはない。結果、放送ストリーム記録装置は、記録媒体を効率的に使用できるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記受信した放送ストリームを、予め定められたデータ長の部分ストリームに分割する分割手段と、
上記部分ストリームを個別に識別する識別子を、当該部分ストリームごとに生成する生成手段とをさらに備え、
上記検出手段は、上記部分ストリームごとにデータの不具合箇所を検出し、
上記記録手段は、正常に受信した上記部分ストリームを上記記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、上記生成された識別子のうち、少なくとも、上記不具合箇所の前後に位置する正常な部分ストリームの識別子を、上記記録媒体に記録することが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、不具合箇所に対応する部分ストリームを特定する場合に、不具合箇所の前後に位置する正常な放送ストリームの識別子のみによって特定できる。
【0028】
したがって、外部装置より不具合箇所に対応する部分ストリームを取得する際、不具合箇所の前後に位置する正常な放送ストリームの識別子のみを、外部装置に送信することにより、不具合箇所に対応する正常な部分ストリームを取得できるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記生成手段は、上記部分ストリームごとに、上記識別子生成用の所定の関数と、上記放送ストリームのコンテンツ情報とを組み合わせることによって、上記識別子を生成することが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、所定の関数と、放送ストリームのコンテンツ情報を組み合わせて識別子を生成するため、異なるコンテンツにおいて同一の識別子となることを防止できる。
【0031】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記所定の関数は、ハッシュ関数であることが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、異なる部分ストリームにおいて同一の識別子となることを防止できる。
【0033】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記記録手段は、上記生成された識別子のうち、上記不具合箇所の前後に位置する正常な部分ストリームの識別子のみを、上記記録媒体に記録することが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、不具合箇所の前後に位置する正常な部分ストリームの識別子以外は、記録媒体に記録する必要がないため、記録媒体へデータを記録する処理を低減できる。
【0035】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
外部から送信を要求された上記部分ストリームを、上記記録媒体から読み出して当該外部に送信する送信手段をさらに備えていることが好ましい。
【0036】
上記の構成を備えたことにより、他の放送ストリーム記録装置に対して、他の放送ストリーム記録装置より要求された放送ストリームを送信できる。結果、他の放送ストリーム記録装置に対する、サーバとしての役割を果たすことができる。
【0037】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記記録済みの放送ストリームにおける各部分ストリームに優先度を設定する設定手段と、
上記送信手段は、上記部分ストリームのうち、より高い優先度が設定されているものをより優先して外部に送信することが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、優先度の高い部分ストリームを、外部へより優先的に送信できる。
【0039】
また、本発明に係る放送ストリーム記録装置では、さらに、
上記設定手段は、上記放送ストリームにおける映像信号の符号化情報に基づき、画面内符号化を行う上記部分ストリームに設定する優先度を、他の上記部分ストリームに設定する優先度に比べてより高くすることが好ましい。
【0040】
上記の構成によれば、画面内符号化を行う部分ストリームを優先して外部に送信することが可能となるため、外部との接続が接続中に切断された場合に、放送ストリームの送信要求を行った放送ストリーム記録装置において、より多くの画像を復号できる。
【0041】
(プログラムおよび記録媒体)
なお、上記放送ストリーム記録装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記放送ストリーム記録装置をコンピュータにおいて実現する放送ストリーム記録プログラム、およびその放送ストリーム記録プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0042】
本発明の放送ストリーム記録装置では、以上のように、記録手段が、受信した放送ストリームのうち、検出手段によって検出された不具合箇所以外の正常に受信したデータを、当該不具合箇所に対応する領域を含む1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、正常データが上記取得手段によって取得された際、上記記録済み放送ストリームに、当該正常データを追加記録する。
【0043】
したがって、本発明の放送ストリーム記録装置は、記録媒体に記録する1つの放送コンテンツを1つのファイルによって管理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0045】
(システム全体の構成)
まず、本実施形態における、放送ストリーム記録装置が動作するシステム全体の構成について、図2を参照して以下に説明する。図2は、本発明の実施形態における、放送ストリーム記録装置が動作するシステム全体の構成を示す説明図である。
【0046】
同図に示すように、本発明の放送ストリーム記録装置102が動作するシステムは、放送ストリームを放送電波によって送信する放送局101と、放送局101からの放送ストリームを受信し記録媒体に記録する放送ストリーム記録装置102、および放送ストリーム送信装置103(外部装置)と、放送ストリーム記録装置102と放送ストリーム送信装置103とを接続するインターネット等のネットワーク104とによって構成される。
【0047】
なお、放送ストリーム送信装置103は、家庭など、放送局からの放送電波状況の変動がない場所に設置されている。また、放送ストリーム記録装置102は、携帯電話のような持ち運び可能な移動環境にある。
【0048】
(システム全体の動作)
放送ストリーム記録装置102および放送ストリーム送信装置103は、放送局101より放送電波によって送信された、放送ストリームを受信する。放送ストリーム記録装置102および放送ストリーム送信装置103は、受信した放送ストリームを、自身が内蔵するそれぞれの記録媒体に記録する。ここで、放送ストリーム記録装置102は、携帯型の移動環境にある装置であるため、放送局101からの放送電波の電波強度が弱い、ビルの影や地下に移動することがある。このような、放送電波の電波強度が弱い場所に移動することにより、放送ストリーム記録装置102は、自身の記録媒体に記録される放送ストリームに、受信不良によるデータの誤りやデータの欠落などの、受信エラー(不具合箇所)を含むことになる。
【0049】
ここで、放送ストリーム記録装置102は、自身の記録媒体に記録した放送ストリームに、受信エラーがあることを検知すると、ネットワーク104を介して、受信エラー部分に対応する放送ストリームの送信要求を、放送ストリーム送信装置103に送信する。放送ストリーム記録装置102からの送信要求を受信した放送ストリーム送信装置103は、送信要求に基づく正常な放送ストリームを、放送ストリーム記録装置102に送信する。放送ストリーム記録装置102は、放送ストリーム送信装置103より受信した、受信エラー部分に対応する正常な放送ストリームを、自身の記録媒体に記録する。これにより、放送ストリーム記録装置102は、受信エラーを含まない放送ストリームで構成された放送コンテンツを、自身が内蔵する記録媒体に記録することが可能となっている。
【0050】
(放送ストリーム記録装置102の構成)
次に、放送ストリーム記録装置102の構成を、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態における、放送ストリーム記録装置102の構成を示すブロック図である。
【0051】
同図に示すように、放送ストリーム記録装置102は、放送局101からの放送ストリームを、アンテナ211を介して受信するチューナ201と、受信した放送ストリームに、受信不良によるデータの誤りや受信できない状態である受信不感の有無を検知するエラー検出部202(検出手段)と、放送局101からの放送ストリームを、所定のデータサイズ長に分割するストリーム分割部210(分割手段)と、所定のデータサイズ長に分割された放送ストリームごとに対応するIDを生成するID生成部204(生成手段)と、分割された放送ストリームの記録の制御をおこなう書き込み制御部205(記録手段)と、受信した放送ストリームおよびIDを記録する記録媒体209と、記録媒体209に記録されたデータを読み出す読み出し制御部208と、受信エラー部分に対応する放送ストリームの情報を、他機器に送信要求として出力する再送制御部207と、インターネットとのインターフェースであるネットインターフェース部206(取得手段)とによって構成される。
【0052】
(放送ストリーム記録装置102の動作)
次に、放送ストリーム記録装置102の動作を説明する。アンテナ211およびチューナ201を介して受信した放送局101からの放送ストリームは、エラー検出部202に入力される。放送局101からの放送ストリームを入力したエラー検出部202は、データの復調および誤り訂正などの処理を行い、放送データを生成する。このエラー検出部202において生成された放送データは、パケットと呼ばれる固定長のデータの集まりである。放送データの例として、MPEG(Moving Picture Expert Group)にて規格化されているTS(Transport Stream)などがある。放送データがTSの場合、パケットサイズは188バイト長である。
【0053】
ここで、放送ストリーム記録装置102が、ビルの影や地下などに入り、放送電波の電波強度が弱くなると、エラー検出部202において生成された放送データに、データの誤りが混入する。さらに、放送局101からの放送電波を全部または一部が受信できなくなる受信不感状態に陥ると、放送ストリーム記録装置102が記録する放送データが欠落するなどの現象が発生する。ここで、エラー検出部202は、このような、受信した放送データに、データの誤りやデータの欠落等の受信エラーが発生したことを検出すると、受信エラーの開始を示す情報を生成する。その後、再度正常に放送電波を受信できるようになると、受信エラーの終了を示す情報を生成する。このエラー検出部202において生成された受信エラーの開始を示す情報と、受信エラーの終了を示す情報とを合わせて受信不感情報とし、エラー検出部202は、この受信不感情報を書き込み制御部205に出力する。
【0054】
次に、エラー検出部202において生成された放送データは、ストリーム分割部210と書き込み制御部205に出力される。ストリーム分割部210は、エラー検出部202より入力した放送データを、所定の単位、例えば前記パケット単位に分割する。さらに分割した放送データを、ストリーム分割部210は、ID生成部204に出力する。
【0055】
(ID生成部204の構成および動作)
また、ID生成部204は、ストリーム分割部210において分割された放送データごとに対応するID値を生成する。以下に、ID生成部204の構成および動作を、図5を参照して説明する。図5は、ID生成部204の構成を示すブロック図である。
【0056】
同図に示すように、ID生成部204は、固有値生成部501とコンテンツ識別情報生成部502とによって構成されている。ストリーム分割部210より入力した分割された放送データは、固有値生成部501に入力される。固有値生成部501は、入力した分割された放送データに対して演算処理を行い、分割された放送データごとに対応する固有の番号を生成する。また、コンテンツ識別情報生成部502においては、放送データによって構成される放送コンテンツのコンテンツ情報、例えば、放送コンテンツのタイトルなどから識別情報を生成する。次に、固有値生成部501によって生成された固有の番号と、コンテンツ識別情報生成部502によって生成された識別情報とは合成され、ID生成部204が、それぞれの分割された放送データごとに対応するIDとして、書き込み制御部205に出力する。なお、固有情報生成部501における演算処理としては、単純にコンテンツの先頭から0、1、2、・・・などとインデックス値を用いる方法や、放送コンテンツを受信した時刻情報を使用する方法や、同一コンテンツで同一の値を取らないハッシュ関数を用いる方法などがある。単純なインデックスや、時刻情報の代わりに、ハッシュ関数を用いると、ID値により、分割された放送データを一意に指定することができるため、例えば放送ストリーム記録装置と放送ストリーム送信装置との間において、録画開始タイミングや各装置自体の時刻を、厳密に合わせることが不要になる。
【0057】
(ダミーデータの記録)
次に、書き込み制御部205における動作を、図6(a)〜(c)を参照して説明する。図6(a)は、書き込み制御部205に入力されるデータを示す説明図であり、同図(b)は、書き込み制御部205が記録媒体209に書き込むデータを示す説明図であり、同図(c)は、放送ストリーム送信装置103より取得した、分割された正常な放送データを示す説明図である。
【0058】
書き込み制御部205が入力する、受信不感情報と、放送データと、IDとは、図6(a)に示すように、受信エラーのない正常な放送データと、分割された正常な放送データごとに対応したIDと、受信エラーが発生している箇所を示す受信不感情報である。
【0059】
ここで、書き込み制御部205は、入力した放送データと、対応するIDとを順次記録媒体209に入力する。ここで、エラー検出部202より、受信エラーの開始を示す情報を入力すると、放送データおよびIDの記録を中止し、代わりにダミーデータの記録を開始する。次に、書き込み制御部205は、エラー検出部202より、受信エラーの終了を示す情報を入力すると、ダミーデータの記録を終了する。さらに、受信エラーの終了を示す情報を入力した後、書き込み制御部205は、入力される正常な放送データと対応するIDとの、記録媒体209への書き込みを開始する。なお、受信エラーの開始を示す情報を入力してから、受信エラーの終了を示す情報を入力するまでの間において、書き込み制御部205に放送データが入力されたとしても、書き込み制御部205は、入力した放送データを記録媒体209に書き込むことはない。結果、記録媒体209は、同図(b)に示すように、受信エラーに対応する領域に、ダミーデータを記録した状態となる。ここで、同図(b)において網掛けがされた箇所が、ダミーデータを記録した領域である。なお、同図(b)において、放送データと、放送データに対応するIDとは、個別のファイルとして記録媒体209に記録されているが、放送データと対応するIDとを交互にインターリーブさせて同一のファイルとして保存してもよい。さらに、本実施の形態においては、エラー検出部202からの受信不感情報を、放送データを記録した領域の先頭に記録するが、別ファイルとして記録媒体209に記録してもよい。
【0060】
(クラスタ単位でのダミーデータの記録)
以上に説明したように、書き込み制御部205は、受信エラーの開始を示す情報を入力してから、受信エラーの終了を示す情報を入力するまでの間、記録媒体209にダミーデータを記録し続けている。しかしながら、本実施の形態においては、これに限るものではなく、以下に説明するように、記録媒体209の記録単位であるクラスタ単位によって、ダミーデータを記録してもよい。
【0061】
以下に、図13(a)〜(c)を参照して、ダミーデータの記録に関する、もう一つの実施例を説明する。図13(a)は、放送局101より受信した放送データを示す説明図であり、同図(b)は、放送局101より受信した放送データと、記録媒体209におけるアクセス単位であるクラスタとの関係を示す説明図であり、同図(c)は、放送ストリーム送信装置103より取得した、受信エラー箇所に対応する放送データである。
【0062】
同図(a)に示すように、放送ストリーム記録装置102において、放送局101より放送データA〜Cを受信した後、受信不良による受信エラーが発生している。その後、受信不良の発生がなくなり、受信エラーのない正常な放送データF〜Iを受信している。なお、放送データCの受信と、放送データFの受信の間に発生した受信エラーに対応する放送データを、放送データDおよびEとする。なお、同図(b)においては、記録媒体209のアクセス単位であるクラスタが、左から右に再生順に配置されているものとする。
【0063】
同図(a)および(b)に示すように、書き込み制御部205は、放送データAおよびBを、1番目のクラスタに記録し、放送データCを、2番目のクラスタに記録する。なお、ここでは、2つの放送ストリームが1つのクラスタに対応するように、放送データは分割されているものとする。受信した放送データCのサイズとクラスタサイズとは、一致するとは限らないため、書き込み制御部205は、放送データCを入力した後、受信エラーの開始を示す情報が入力されると、放送データCを記録した2番目のクラスタにおける、空き領域に、ダミーデータを記録する。次に、書き込み制御部205は、2番目のクラスタに空き領域がなくなった時点において、ダミーデータの記録を終了する。さらに、書き込み制御部205は、2番目のクラスタの空き領域へのダミーデータの記録を終了した後は、受信エラーの終了を示す情報が入力されるまで待機状態となる。書き込み制御部205は、受信エラーの終了を示す情報が入力された後、入力される放送データFからIを、順次各クラスタに記録していく。さらに受信エラー箇所に対応する放送データDおよびEを、放送ストリーム送信装置103より取得した際、書き込み制御部205は、放送データDおよびEを、既に記録媒体209に記録済みとなっている放送データIの後ろに続けて、記録媒体209に記録する。
【0064】
以上のように、受信エラーによって、放送データを記録されたクラスタに空き領域が発生した場合に、書き込み制御部205は、空き領域にダミーデータを記録して、放送データを記録したクラスタに空き領域がない状態にする。このように、1つの放送コンテンツを構成する放送データを記録したクラスタにおいて、受信エラーによるクラスタの空き領域をなくすことにより、1つの放送コンテンツを構成する放送データを記録したクラスタは、1つのファイルとして、記録媒体209は認識することになる。
【0065】
(境界IDの読み出し)
次に、読み出し制御部208は、再送制御部207からの制御に基づき、記録媒体209より、受信不感情報を読み出す。さらに、読み出し制御部208は、読み出した受信不感情報を、再送制御部207に出力する。ここで、記録媒体209に受信不感情報が記録されていなければ、記録媒体209に記録された放送データは、受信エラーのない放送データであると、再送制御部207が判断する。一方、記録媒体209に受信不感情報が記録されていた場合は、記録媒体209に記録された放送データに受信エラーがあると、再送制御部207は判断し、受信エラーの箇所に対応する放送データを、放送ストリーム送信装置103より取得する処理を開始する。
【0066】
再送制御部207は、受信不感情報を読み出し制御部208より入力した場合、図6(b)に示すように、受信エラーのある箇所と正常な放送データとの境界に隣接する、正常な放送データに対応する2つのID(以下、境界IDとする)を読み出すように、読み出し制御部208を制御する。読み出し制御部208は、再送制御部207の指示に基づき、記録媒体209より、2つの境界IDを読み出し、再送制御部207に出力する。
【0067】
2つの境界IDを入力した再送制御部207は、受信エラーの箇所に対応する正常な放送データを取得するために、ネットワークインターフェース部206を介して、2つの境界IDを放送ストリーム送信装置103に送信する。
【0068】
(正常な放送ストリームの取得)
次に、放送ストリーム記録装置102が、受信エラーの箇所に対応する正常な放送ストリームを、放送ストリーム送信装置103より取得する処理について、図7を参照して説明する。図7は、放送ストリーム記録装置102と放送ストリーム送信装置103とにおける、正常な放送ストリームの要求および応答の流れを示すシーケンス図である。
【0069】
同図に示すように、放送ストリーム記録装置102は、再送制御部207によって、自身が内蔵する記録媒体209に記録した放送データに、受信エラーがあることを検知すると、放送ストリーム記録装置102は、放送ストリーム送信装置103との接続を確立する。次に、放送ストリーム記録装置102は、放送ストリーム送信装置103に対して、受信エラーの箇所に対応する正常な放送ストリームを記録しているかを問い合わせる、ID問い合わせを行う。具体的には、放送ストリーム記録装置102は、記録媒体209から読み出した、2つの境界IDを、放送ストリーム送信装置103に送信する(ステップ701:以下S701のように略称する)。放送ストリーム102より2つの境界IDを受信した放送ストリーム送信装置103は、2つの境界IDの間に存在する放送データを、自身の記録媒体に記録しているかを検索する(S702)。検索の結果、受信した2つの境界IDの間に存在する正常な放送データを記録していた場合は、放送ストリーム送信装置103は、2つの境界IDの間に存在する正常な放送データを、放送ストリーム記録装置102へ送信する(S703)。なお、S702における、2つの境界IDの間に存在する放送データの検索についての詳細な処理は後述とする。
【0070】
(更新データの書き込み)
ここで、2つの境界IDの間に存在する正常な放送データ、言い換えれば、受信エラーの箇所に対応する正常な放送データ(以下、更新データとする)を、放送ストリーム送信装置103より受信した放送ストリーム記録装置102は、ネットワークインターフェース部206を介して、更新データを書き込み制御部205に入力する。さらに、更新データを入力した書き込み制御部205は、図6(c)に示すように、記録媒体209に記録されているダミーデータに、入力した更新データを上書きする。書き込み制御部205が、更新データを記録媒体209に記録されたダミーデータに上書きすることにより、記録媒体209に記録された放送データは、受信エラーのない放送データを記録した状態と同様の状態となる。
【0071】
なお、本実施の形態において、放送ストリーム記録装置102は、記録媒体209に記録する放送データに対応する全てのIDを、記録媒体209に記録しているが、本発明はこれに限るものではなく、記録するIDのうち、受信エラーの箇所を示すための2つの境界IDのみを記録媒体209に記録するようにしてもよい。さらに、更新データをダミーデータに上書きをした後、言い換えれば、放送ストリーム記録装置102の記録媒体209に、正常な放送データを全て記録した後は、放送データに対応するIDは必要がないため、IDを削除するようにしてもよい。このような構成にすることにより、IDに対応するファイルを減らすことができ、コンテンツの管理が容易になる。
【0072】
(放送ストリーム送信装置103の構成)
以下に、放送ストリーム103の構成について、図3を参照して説明する。図3は、放送ストリーム送信装置103の構成を示すブロック図である。
【0073】
同図の示すように、放送ストリーム103は、放送局101からの放送ストリームを、アンテナ211を介して受信するチューナ201と、受信した放送ストリームに、受信不良によるデータの誤りや受信できない状態である受信不感の有無を検知するエラー検出部202と、放送局101からの放送ストリームを、所定のデータサイズ長に分割するストリーム分割部210と、所定のデータサイズ長に分割された放送ストリームごとに対応するIDを生成するID生成部204と、分割された放送ストリームの記録の制御をおこなう書き込み制御部205と、分割された放送ストリームを記録する記録媒体209と、記録媒体209に記録されたデータを読み出す読み出し制御部208と、インターネットとのインターフェースであるネットインターフェース部206と、外部装置からの放送データの送信要求に対して、送信要求に対応する放送データが自身の記録媒体209に記録しているかを検出する送信データ検出部212(送信手段、設定手段)とによって構成される。
【0074】
(放送ストリーム送信装置103の動作)
次に、図8を参照して、放送ストリーム送信装置103における動作について説明する。なお、放送ストリーム送信装置103の動作の説明においては、放送ストリーム記録装置102と異なる箇所について説明し、重複するブロックである、アンテナ211、エラー検出部211、ストリーム分割部210、ID生成部204、書き込み制御部205、記録媒体209における動作の説明は省略する。
【0075】
放送ストリーム送信装置103は、放送局101より受信した放送ストリームを、放送データとして、記録媒体209に記録している。放送ストリーム送信装置103においては、記録媒体209に記録された放送データに対応する全てのIDも、記録媒体209に記録されているものとする。
【0076】
図8は、放送ストリーム送信装置103における、境界IDの受信から、2つの境界IDによって示される更新データの送信までの処理を示すシーケンス図である。
【0077】
同図に示すように、放送ストリーム送信装置103は、放送ストリーム記録装置102との接続を確立した後、放送ストリーム記録装置102よりID問い合わせである2つの境界IDを、ネットワークインターフェース部206に受信する(S801)。ネットワークインターフェース部206が受信した2つの境界IDは、送信データ検出部212に、判定処理開始要求として、入力される(S802)。2つの境界IDを入力した送信データ検出部212は、記録媒体209に記録される全てのID(以下、保存IDとする)を読み出すように、読み出し制御部208を制御する(S803)。読み出し制御部208は、送信データ検出部212の制御に基づき、保存IDを読み出す。さらに、読み出し制御部208は、読み出した保存IDを送信データ検出部212に出力する(S804)。次に、送信データ検出部212は、保存IDと2つの境界IDとを逐次比較する(S805)。S805における比較において、2つの境界IDと一致する2つのIDを保存IDより検出した後、一致した2つのIDの間にあるID、言い換えれば、更新データに対応するID(以下、送信IDとする)を、読み出し制御部208に送信する(S806)。読み出し制御部208は、入力した送信IDに基づいて、記録媒体209に記録されている送信IDに対応する放送データを読み出し、読み出した放送データを更新データとして順次ネットワークインターフェース部206に出力する(S807)。ネットワークインターフェース部206は、読み出し制御部208より入力した更新データを、順次境界IDを送信した放送ストリーム記録装置102に送信する(S808)。
【0078】
(逐次比較)
ここでは、送信データ検出部212における、上記S805の逐次比較について、図9を参照して説明する。図9は、送信データ検出部212における、保存IDと2つの境界IDとの逐次比較より、送信IDを生成する処理を示す説明図である。
【0079】
保存IDと2つの境界IDとを入力した送信データ検出部212は、同図に示すように、一対のIDからなる2つの境界IDそれぞれに対して、保存IDと逐次比較を行う。ここで、2つの境界IDのそれぞれと一致するIDが、保存IDにおいて検出された後、送信データ検出部212は、2つの一致するIDの間にあるIDを、更新データに対応する送信IDとして、読み出し制御部208に出力する。
【0080】
(放送ストリームの優先度)
次に、放送ストリーム送信装置103における、境界IDに対応する放送データの優先度について、図10および図11を参照して説明する。図10は、放送ストリーム送信装置103に記録される、放送ストリームの優先度を示す説明図である。
【0081】
(優先度に基づく送信処理)
ここで、放送ストリーム記録装置102は、携帯型の移動環境にあるモバイル機器であるため、放送ストリーム送信装置103との接続中に、通信回線が切断されることがある。例えば、放送ストリーム記録装置102が、放送ストリーム送信装置103より更新データを受信中に、接続が切断したとする。このような場合、放送ストリーム送信装置102に記録される放送データにおいて、要求した更新データを全て受信することができず、記録媒体209に記録した放送データに、一部受信エラーの箇所が残ったままの状態になる。
【0082】
ここで、放送ストリーム送信装置103から放送ストリーム記録装置102へ、送信IDのそれぞれに対応する更新データを出力する際、送信IDのそれぞれに対応する更新データごとに、送信データ検出部212が優先度を設定し、当該優先度に基づいて、更新データを出力する構成としてもよい。
【0083】
以下に、放送データの優先度に基づく、更新データの送信について、図10を参照して説明する。図10は、放送ストリーム送信装置103における、受信した境界IDと、記録媒体209に記録される放送データの優先度を示す説明図である。
【0084】
同図に示すように、放送ストリーム送信装置103は、放送ストリーム102より、2つの受信エラー箇所を示す、4つの境界IDを入力している。同図においては、4つの境界IDによって示される受信エラー箇所に対応する、更新データ(A)と更新データ(B)を網掛けによって表示している。
【0085】
ここで、放送ストリーム送信装置103の記録媒体209に記録された放送データにおいて、同図に示す黒枠によって囲まれた領域に記録された放送データが、優先度の高い放送データであるとする。このとき、更新データ(A)を送信してから更新データ(B)を送信するよりも、更新データ(B)を送信してから更新データ(A)を送信することにより、放送ストリーム記録装置102と放送ストリーム送信装置103との接続が接続中に切断されたとしても、優先度の高い放送ストリームを優先的に、放送ストリーム記録装置102へ送信することが可能となる。
【0086】
(優先度の設定および送信処理)
以下に、更新データの優先度の設定および送付処理、さらに、優先度に基づいて更新データを送信したことによる効果について、図11(a)〜(c)を参照し、一例を用いて説明する。
【0087】
なお、同図(a)〜(c)において、記録される放送データは映像情報であり、さらに放送データは映像情報のフレーム単位に分割されているものとする。さらに、同図(a)〜(c)においては、左から右に各フレームが再生順に配置している。
【0088】
図11(a)は、更新データ記録前の、放送ストリーム記録装置102が記録している放送データの一例を示す説明図であり、同図(b)は、優先度に基づかない更新データ記録後の、放送ストリーム記録装置102が記録している放送データの一例を示す説明図であり、同図(c)は、優先度に基づく更新データ記録後の、放送ストリーム記録装置102が記録している放送データの一例を示す説明図である。
【0089】
同図(a)に示すように、放送ストリーム記憶装置102における、記録媒体209に記録している放送データは、3番目のフレームから9番目のフレームまでが受信エラーの箇所となっている。同図(a)における、Iフレームは、画面内符号化により符号化された映像フレームであることを示し、Pは画面間符号化により符号化された映像フレームであることを示している。さらに、同図(a)において、バツ印がされているフレームは、受信エラーの箇所であることを示している。
【0090】
次に、放送ストリーム送信装置103は、同図(a)において示した受信エラーの箇所に対応する更新データの送信を、フレーム単位によって順次放送ストリーム記録装置102に送信する。ここで、更新データの送信中に、放送ストリーム記録装置102と放送ストリーム送信装置103との通信回線が切断され、4フレーム分の更新データのみ、放送ストリーム記録装置102が受信したものとする。
【0091】
ここで、放送ストリーム送信装置103が、フレーム単位の更新データごとの優先度を考慮せず、放送ストリーム記録装置102に更新データを送信した場合、放送ストリーム記録装置102が記録する放送データは、同図(b)のようになる。
【0092】
同図(b)に示すように、放送ストリーム記録装置102は、放送ストリーム送信装置103より、更新データの先頭から順次4フレーム分まで受信し、受信できた4フレーム分まで正常な更新データを記録している。ここで、同図(b)における、再生不可能な映像のフレーム数をみると、まず、放送ストリーム送信装置103より受信できなかった7番目から9番目までのフレームが再生不可能である。さらに、同図(a)において正常に記録されていた、10番目および11番目のPフレームも、再生不可能となっている。これは、9番目のIフレームが受信エラーとなっているため、画面間符号化によって符号化された10番目および11番目のPフレームは復号されないためである。したがって、同図(b)においては、再生不可能なフレーム数は、5フレームとなる。
【0093】
次に、放送ストリーム送信装置103が、フレーム単位の更新データごとに、優先度を設定し、該優先度に基づいて更新データを送信した場合について説明する。
【0094】
放送ストリーム送信装置103における送信データ検出部212は、読み出し制御部208より入力された更新データに対して、更新データを構成するフレームごとの符号化情報を検出する。さらに送信データ検出部212は、検出したフレームごとの符号化情報に基づき、更新データのフレームごとに優先度を設定する。具体的には、画面内符号化により符号化された映像フレームに対しては、優先度を高く設定し、画面間符号化により符号化された映像フレームに対しては、優先度を低く設定する。
【0095】
次に、送信データ検出部212は、設定した優先度の基づき、優先度が高い画面間符号化により符号化された映像フレームから優先的に、放送ストリーム記録装置102に更新データを送信する。
【0096】
以上のような、優先度に基づいて更新データを放送ストリーム送信装置103が送信する構成を、図11(a)および(b)において説明した状態にあてはめると、放送ストリーム記録装置において記録される放送データは、図11(c)のようになる。
【0097】
上述したように、放送ストリーム送信装置103は、更新データのフレームごとの優先度に基づいて、更新データを送信しているため、放送ストリーム記録装置102が受信する更新データは、同図(c)に示すように、5番目および9番目のIフレームと、3番目および4番目のPフレームとの、4つのフレームとなる。
【0098】
ここで、同図(c)における、再生不可能なフレームをみると、通信回線の切断によって受信できなかった6番目から8番目までのフレームのみとなる。したがって、同図(c)においては、再生不可能なフレーム数は、3フレームとなる。
【0099】
結果、放送ストリーム送信装置103が、更新データに優先度を設定せずに、更新データを送信した場合に比べ、更新データに優先度を設定して、更新データを送信した場合の方が、再生可能となるフレーム数が多くなる。
【0100】
以上のように、放送ストリーム送信装置103が、更新データに優先度を設定し、該優先度に基づいて更新データを送信することにより、重要度の高い放送データをより確実に放送ストリーム記録装置102に送信できる。
【0101】
(放送ストリーム記録装置102の変形例)
以上に説明した放送ストリーム記録装置102は、放送局101からの放送データと、放送ストリーム送信装置103からの更新データとを受信して、自身の記録媒体209に放送データを記録する端末としての機能を有するものである。しかしながら、本発明においては、これに限るものではなく、図4に示すような、放送ストリーム記録装置102の構成と、放送ストリーム記録装置103の構成とにおける、互いに異なる構成を同時に備える構成としてもよい。図4は、放送ストリーム記録装置105の構成を示すブロック図である。
【0102】
同図に示すように、放送ストリーム記録装置102の端末としての機能と、放送ストリーム送信装置103のサーバとしての機能を備えるために、放送ストリーム記録装置105は、放送ストリーム記録装置102の構成にはない、送信データ検出部212を備え、かつ、放送ストリーム送信装置103の構成にはない、再送制御部207を備えている。
【0103】
なお、放送ストリーム記録装置105が備える各ブロックの機能動作は、放送ストリーム記録装置102および放送ストリーム送信装置103に対応する各ブロックの機能動作と同様であるため、ここでは機能動作の説明は省略する。
【0104】
(放送ストリーム送信装置103の変形例)
以上に説明した放送ストリーム送信装置103は、放送局101からの放送電波を受信して放送データを取得する構成となっている。しかしながら、本実施の形態においては、これに限るものではなく、取得する放送データを、インターネットを介して放送データを記録するサーバ等から取得してもよい。インターネットを介して放送データを取得する場合は、放送ストリーム送信装置は、図14に示す、放送ストリーム送信装置106の構成となる。図14は、放送ストリーム送信装置106の構成を示すブロック図である。
【0105】
同図に示すように、放送ストリーム送信装置106は、記録媒体209と、読み出し制御部208と、送信データ212と、ネットワークインターフェース部206とから構成される。なお、放送ストリーム送信装置106を構成する各ブロックの機能動作は、放送ストリーム送信装置103に対応する各ブロックの機能動作と同様であるため、ここでは機能動作の説明は省略する。
【0106】
なお、本実施の形態においては、放送ストリーム記録装置102が、放送ストリーム送信装置103に対して、受信エラー箇所に対応する放送データを指定するために、境界IDを送信しているが、本発明にこれに限るものではなく、境界IDの代わりに、放送コンテンツを構成する放送データのデータ長の値によって、受信エラー箇所に対応する放送データを指定してもよい。具体的には、放送コンテンツを構成する放送データにおいて、該放送データの先頭から、受信エラー発生が開始した箇所までのデータ長と、受信エラー発生が終了した箇所から、該放送データの最後までのデータ長によって、受信エラー箇所に対応する放送データを指定してもよい。
【0107】
なお、本実施の形態においては、放送ストリーム記録装置102および放送ストリーム記録装置103は、放送データを記録する記録媒体209を、自身が内蔵する構成としているが、本発明はこれに限るものではなく、放送ストリーム記録装置102および放送ストリーム記録装置103に対して、取り外しが可能な、外部記録装置であってもよい。
【0108】
(プログラム関連発明)
なお、上記放送受信ストリーム録画再生装置が備える各部、および、上記データ再生装置が備える各部は、ハードウェアロジックによって構成されていてもよいし、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現する構成となっていてもよい。
【0109】
CPUなどの演算手段および記憶手段によって上記の各構成を構成する場合、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行することによって、上記各部の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0110】
この記録媒体としては、コンピュータによって処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0111】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0112】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0113】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0114】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0115】
なお、本発明の情報記憶媒体を以下のように構成してもよい。
【0116】
(第1構成)
放送波を受信するためのチューナと、受信した放送ストリームのデータ誤りや受信不感の少なくとも一方を検出するデータ誤り・受信不感検出部と、前記放送ストリームを所定の単位に分割するストリーム分割部と、前記分割されたストリームに対するID値を生成するID生成部と、前記データ誤り・受信不感検出部による検出結果を元に前記放送ストリームと前記生成されたID値を記録媒体に書き込むための制御を行なう書き込み制御部と、前記記録媒体に保存した放送ストリームおよびID値を読み出す読み出し制御部と、受信失敗する前後のID値を決定し、その間の放送ストリーム要求制御を行なう再送制御部と、他の機器とネットワークを介して接続し、前記前後のID値を送出し、それに対応する放送データを受信するネットワークインターフェース部とを備え、前記書き込み制御部は、データ誤りもしくは受信不感で正しい放送ストリームが存在しない場合にその分の領域を空けておき、その後ネットワーク経由で放送データが得られた場合には、前記空けた領域に保存することを特徴とする、受信した放送ストリームを録画する放送ストリーム録画装置。
【0117】
(第2構成)
前記書き込み制御部は、受信失敗する前後のID値のみを保存することを特徴とする前記第1構成に係る放送ストリーム録画装置。
【0118】
(第3構成)
前記書込み制御部は、放送ストリームが存在しない場合にダミーデータを書き込むことを特長とする、前記第1の構成または第2の構成に係る放送ストリーム録画装置。
【0119】
(第4構成)
前記書込み制御部は、放送ストリームが存在しない場合に、前記記録媒体のアクセス単位までダミーデータを書き込み、再度放送ストリームが受信されるまで書込みをやめることを特長とする、前記第1の構成または第2の構成に係る放送ストリーム録画装置。
【0120】
(第5構成)
放送ストリームと、前記放送ストリームを分割した単位毎に生成されたID値をあらかじめ保存した記録媒体を備え、他の機器とネットワークを介して接続し、他機器からID値を受信した場合には、それに対応する放送データがあればそれを送信するネットワークインターフェース部と、他機器から受信したID値を含む放送ストリームが記録媒体に格納されているかを、記録媒体上のIDを読み出すことで判定し、存在する場合は、対応する放送ストリームを他機器宛に送出するよう制御する送信データ検出部とを備える放送ストリーム送出装置。
【0121】
(第6構成)
前記送信データ検出部は、送信する放送ストリームの優先度を設定し、前記優先度の高いものから送信することを特徴とする、前記第5構成に係るに記載の放送ストリーム送出装置。
【0122】
(第7構成)
前記優先度は、放送ストリームに含まれる映像信号の符号化モードに基づき決定され、画面内符号化されたものの優先度を高くすることを特徴とする、前記第5の構成または第6の構成に係る放送ストリーム送出装置。
【0123】
(第8構成)
前記ID生成部は、前記分割されたストリームを所定の関数にて得られた分割ストリーム毎に固有の値をとなる変換値とコンテンツの識別情報とを組み合わせて得ることを特徴とする、前記第1の構成から第4の構成のうち、いずれか1つの構成に係る放送ストリーム録画装置。
【0124】
(第9構成)
前記IDは、前記分割されたストリームを所定の関数にて得られた分割ストリーム毎に固有の値をとなる変換値とコンテンツの識別情報とを組み合わせて得られることを特徴とする、前記第5の構成から第7の構成のうち、いずれか1つの構成に係る放送ストリーム送出装置。
【0125】
(第10構成)
前記所定の関数とは、ハッシュ関数であることを特徴とする前記第1の構成から第9の構成のうち、いずれか1つの構成に係る放送ストリーム録画再生装置。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、放送局とは異なる外部装置より、放送ストリームを取得した場合においても、記録媒体に記録する1つの放送コンテンツを1つのファイルによって管理することが可能な放送ストリーム記録装置を提供するものであり、特に、放送電波を受信可能な携帯電話や携帯情報端末において利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム記録装置が動作する、システム全体の構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム送信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム送信装置の機能を有する、放送ストリーム記録装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る、ID生成部の構成を示すブロック図である。
【図6】(a)は、本発明の実施の形態に係る、放送局より受信した、受信エラーを含む放送データを示す説明図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る、受信エラー箇所にダミーデータを記録した放送データを示す説明図であり、(c)は、本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム送信装置より取得した更新データを示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム記録装置と、放送ストリーム送信装置とにおける、更新データ取得の流れを示すシーケンス図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム送信装置における、境界ID受信から更新データ送信までの流れを示すシーケンス図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る、送信データ検出部における、境界IDと保存IDとの逐次比較の処理を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る、放送ストリーム送信装置における、放送データの優先度および更新データを示す説明図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る、放送データ送信装置における、放送データの優先度を示す説明図である。
【図12】従来例における、放送局より受信した放送ストリームと、受信エラー箇所に対応する更新データとの関係を示す説明図である。
【図13】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る、記録媒体に記録される放送データと、クラスタとの関係を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る、インターネットを介して、放送ストリームを取得する放送ストリーム送信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0128】
101 放送局
102 放送ストリーム記録装置
103 放送ストリーム送信装置(外部装置)
105 放送ストリーム記録装置
106 放送ストリーム送信装置(外部装置)
202 エラー検出部(検出手段)
204 ID生成部(生成手段)
205 書き込み制御部(記録手段)
206 ネットワークインターフェース部(取得手段)
207 再送制御部
208 読み出し制御部
209 記録媒体
210 ストリーム分割部(分割手段)
212 送信データ検出部(送信手段、設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局より受信した放送ストリームを記録媒体に記録する記録手段を備えた放送ストリーム記録装置であって、
上記受信した放送ストリームにおける、データの不具合箇所を検出する検出手段と、
上記検出された不具合箇所に対応する正常データを、外部装置より取得する取得手段とをさらに備え、
上記記録手段は、
上記受信した放送ストリームのうち、上記検出手段によって検出された不具合箇所以外の正常に受信したデータを、当該不具合箇所に対応する領域を含む1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、
上記正常データが上記取得手段によって取得された際、上記記録済み放送ストリームに、当該正常データを追加記録することを特徴とする放送ストリーム記録装置。
【請求項2】
上記記録手段は、
上記不具合箇所に対応する領域に、任意のダミーデータを記録すると共に、
上記正常データが上記取得手段によって取得された際、上記ダミーデータに当該正常データを上書きすることを特徴とする、請求項1に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項3】
上記記録手段は、
上記検出手段によって上記不具合箇所が検出されたとき、当該不具合箇所に対応する領域のうち、上記記録媒体における1つのアクセス単位まで、任意のダミーデータを記録すると共に、
上記アクセス単位まで上記ダミーデータを記録したあと、上記検出手段によって上記不具合箇所がさらに検出され続ける間、上記記録媒体への上記ダミーデータの記録を停止することを特徴とする、請求項1に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項4】
上記受信した放送ストリームを、予め定められたデータ長の部分ストリームに分割する分割手段と、
上記部分ストリームを個別に識別する識別子を、当該部分ストリームごとに生成する生成手段とをさらに備え、
上記検出手段は、上記部分ストリームごとにデータの不具合箇所を検出し、
上記記録手段は、正常に受信した上記部分ストリームを上記記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、上記生成された識別子のうち、少なくとも、上記不具合箇所の前後に位置する正常な部分ストリームの識別子を、上記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項5】
上記生成手段は、上記部分ストリームごとに、上記識別子生成用の所定の関数と、上記放送ストリームのコンテンツ情報とを組み合わせることによって、上記識別子を生成することを特徴とする請求項4に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項6】
上記所定の関数は、ハッシュ関数であることを特徴とする、請求項5に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項7】
上記記録手段は、上記生成された識別子のうち、上記不具合箇所の前後に位置する正常な部分ストリームの識別子のみを、上記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項4から6のいずれか1項に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項8】
外部から送信を要求された上記部分ストリームを、上記記録媒体から読み出して当該外部に送信する送信手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項9】
上記記録済みの放送ストリームにおける各部分ストリームに優先度を設定する設定手段と、
上記送信手段は、上記部分ストリームのうち、より高い優先度が設定されているものをより優先して外部に送信することを特徴とする、請求項8に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項10】
上記設定手段は、上記放送ストリームにおける映像信号の符号化情報に基づき、画面内符号化を行う上記部分ストリームに設定する優先度を、他の上記部分ストリームに設定する優先度に比べてより高くすることを特徴とする請求項9に記載の放送ストリーム記録装置。
【請求項11】
放送局より受信した放送ストリームを記録媒体に記録する記録ステップを備えた放送ストリーム記録方法であって、
上記受信した放送ストリームにおける、データの不具合箇所を検出する検出ステップと、
上記検出された不具合箇所に対応する正常データを、外部装置より取得する取得ステップとをさらに備え、
上記記録ステップにおいて、
上記受信した放送ストリームのうち、上記検出ステップによって検出された不具合箇所以外の正常に受信したデータを、当該不具合箇所に対応する領域を含む1つの記録済み放送ストリームとしてまとめて記録すると共に、
上記正常データが上記取得ステップにおいて取得された際、上記記録済み放送ストリームに、当該正常データを追加記録することを特徴とする放送ストリーム記録方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の放送ストリーム記録装置を動作させる放送ストリーム記録プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための放送ストリーム記録プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の放送ストリーム記録プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−219189(P2008−219189A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50638(P2007−50638)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】