説明

放送受信装置及び放送受信装置の制御方法

【課題】放送受信装置において、コネクタを介して接続された機器の充電時間の短縮を図り、ユーザの使い勝手を向上する。
【解決手段】放送受信装置は、コネクタと、コネクタを介して接続された機器に対する動作モードとして通常モードあるいは充電モードを選択可能とする手段と、充電モードにおける充電電流の最大許容電流値を、通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い値に設定して機器に供給する制御手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放送受信装置及び放送受信装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送受信装置においては、USBメモリなどに格納された写真データ等に基づいて写真を表示画面に表示するなどの用途のために、USBコネクタが設けられ、このUSBコネクタにUSB端子を有する充電アダプタを介して携帯電話機を接続し、放送受信装置のUSBコネクタから電力を供給して、携帯電話機を充電するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−294495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、USBコネクタを介した充電は、USBコネクタにおける最大電流許容値の制限から、たとえ充電を行ったとしても、充電時間が長くなり、使い勝手がよくなかった。また、他のコネクタにおいても、最大電流許容値の制限から同様の問題点が生じていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、充電時間の短縮を図り、ユーザの使い勝手を向上することが可能な放送受信装置及び放送受信装置の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
コネクタを備えた実施形態の放送受信装置は、コネクタを介して接続された機器に対する動作モードとして通常モードあるいは充電モードを選択可能とされている。
そして、制御手段は、充電モードにおける充電電流の最大許容電流値を、通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い値に設定して機器に供給する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態の概要構成図である。
【図2】図2は、USBインタフェース及びUSBコネクタの具体的構成の説明図である。
【図3】図3は、第1実施形態の処理フローチャートである。
【図4】図4は、USBモード設定操作画面の表示例の説明図である。
【図5】図5は、USB動作モード設定後の処理フローチャートである。
【図6】図6は、充電モードにおける充電完了検出の説明図である。
【図7】図7は、充電完了表示画面の一例の説明図である。
【図8】図8は、第2実施形態におけるUSB動作モード設定後の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態の概要構成図である。
放送受信装置としてのディジタルテレビジョン11は、図1に示すように、入力側に放送波受信用のアンテナ21が接続され、また、ディジタルテレビジョン11は、外部の表示装置や音声出力装置に直接に、ユーザは、ディジタルテレビジョン11に設けられた操作部35を介して本装置の操作を行える他、赤外線通信によるリモートコントローラ11Rを介した操作が可能である。
【0009】
ディジタルテレビジョン11は、受信したディジタルテレビジョン放送信号をデコードすることにより放送番組を表示し、ユーザは受信した放送番組を視聴できるようになっている。また、外部の表示装置や音声出力装置を利用して放送番組を視聴できるようにもなっており、受信した放送番組を記録することも可能である。
【0010】
なお、図1に示すディジタルテレビジョン11は、放送波受信用に複数のチューナ等の受信回路を備える構成としてもよい。
地上波放送受信用のアンテナ21で受信した地上ディジタルテレビジョン放送信号は、入力端子22を介して地上ディジタル放送用のチューナ23に供給される。
【0011】
チューナ23は、処理部25からの制御信号により所望のチャネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号を復調器24aに出力する。
復調器24aは、処理部25からの制御信号により、チューナ23で選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、復号器24bに出力する。
【0012】
復号器24bは、処理部25からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のディジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信号処理部26内のSTDバッファへ出力する。また、復号器24bは、ディジタル放送により送られているセクション情報を信号処理部26内のセクション部26bへ出力する。
ここで、信号処理部26は、デコーダ26aとセクション部26bとを備え、入力された信号の処理を行う。
【0013】
デコーダ26aは、テレビ視聴時には、復号器24bから供給されたディジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のディジタル信号処理を施し、グラフィック処理部27及び音声処理部28に出力する。一方、番組録画時には、復号器24bから供給されたディジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のディジタル信号処理を施した信号を、処理部25を介して記録装置(例えば、HDD)41に記録する。
【0014】
また、デコーダ26aは、録画番組再生時には、処理部25を介して記録装置(例えば、HDD)41から読み出された録画番組のデータに、所定のディジタル信号処理を施し、グラフィック処理部27及び音声処理部28に出力している。
【0015】
さらに、デコーダ26aは、外部機器の表示画面表示時には、ディジタルテレビジョン11に接続された外部機器から処理部25を介して受信したデータに、所定のディジタル信号処理を施し、グラフィック処理部27及び音声処理部28に出力している。
【0016】
処理部25には、信号処理部26から、番組を取得するための各種データ(B−CASデスクランブル用の鍵情報等)や電子番組ガイド(EPG)情報、番組属性情報(番組ジャンル等)、字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が入力されている。処理部25は、これら入力された情報からEPG、字幕を表示するため画像生成処理を行い、この生成した画像情報をグラフィック処理部27へ出力する。
【0017】
また、この処理部25は、番組録画及び番組予約録画を制御する機能を有する。番組予約受付時には、表示装置31が有する液晶ディスプレイ上に電子番組ガイド(EPG)情報を表示し、操作部35またはリモートコントローラ11Rを介したユーザ入力により予約内容を所定の記憶手段に設定する。そして、設定された時刻に予約番組を録画するようチューナ23、復調器24a、復号器24b及び信号処理部26を制御する。
【0018】
セクション部26bは、復号器24bから入力されたセクション情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を処理部25へ出力する。
【0019】
グラフィック処理部27は、信号処理部26内のデコーダ26aから供給されるディジタルの映像信号と、OSD(On Screen Display)信号生成部29で生成されるOSD信号と、データ放送による画像データと、処理部25により生成されたEPG,字幕信号とを合成して映像処理部30へ出力する機能を有する。また、字幕放送による字幕を表示するとき、グラフィック処理部27は、処理部25からの制御による字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0020】
グラフィック処理部27から出力されたディジタルの映像信号は、映像処理部30に供給される。この映像処理部30は、入力されたディジタルの映像信号を、液晶ディスプレイ等で構成される表示装置31で表示可能なアナログ映像信号に変換した後、表示装置31に出力して、表示装置31の表示画面上に映像表示させる。また、出力端子32を介して外部の表示装置(図示せず)に、当該外部の表示装置で表示可能なフォーマットの映像信号を出力して映像表示させることもできる。
【0021】
また、音声処理部28は、入力されたディジタルの音声信号を、音声出力装置33で再生可能なアナログ音声信号に変換した後、音声出力装置33に出力して音声を再生させる。また、出力端子34を介して外部の音声出力装置(図示せず)に、当該音声出力装置で再生可能なフォーマットの音声信号を出力して音声再生させることもできる。
【0022】
ここで、このディジタルテレビジョン11は、各種の受信動作を含むその全ての動作を処理部25によって制御されている。この処理部25のコントローラ25dは、マイクロプロセッサとして構成されており、操作部35からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ11Rから送出された操作情報を受光部36を介して受信し、その操作内容(例えば、楽曲情報問い合わせ操作、チャネル切換操作等)が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0023】
この場合において、コントローラ25dは、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)25aと、作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)25bと、各種の設定情報、制御情報及び番組情報等が更新可能かつ不揮発的に格納されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ25cとを利用している。
【0024】
また、処理部25は、Wi−Fi通信I/F37を介して無線LAN通信ユニット38に接続されている。これにより、処理部25は、無線LAN通信ユニット38に、無線通信回線を介して接続された無線LAN対応の機器と、Wi−Fi通信I/F37を介して通信を行うことができる。
【0025】
また、処理部25は、LAN I/F39を介して有線LAN端子40に接続されている。これにより、処理部25は、有線LAN端子40とEthernet(登録商標)規格の有線ネットワークで接続された各種機器と、LAN I/F39を介して情報伝送することができる。
メモリカードリーダ/ライタ(R/W)42は、ICメモリカードMCからの各種データの読み込み及びICメモリカードMCへの各種データの書き込みを行う。
USBインタフェース(I/F)43は、外部のUSB対応機器、図1では、携帯機器MEにUSB接続ケーブルCB及びUSBコネクタ44を介して接続され、処理部25のコントローラ25dの制御下で、携帯機器MEとデータ通信を行ったり、携帯機器MEを充電したりする。充電時の動作については、後に詳述する。
【0026】
図2は、USBインタフェース及びUSBコネクタの具体的構成の説明図である。
ここで、USBインタフェース43と、コントローラ25dとの間の信号としては、データ通信を行うためのデータ通信信号SUSB(入出力)と、USBモードを通常モードあるいは充電モードに設定するためのUSBモード設定信号SMD(入力)と、USBコネクタ44に接続された携帯機器MEの充電が完了した場合に充電完了信号SCE(出力)と、がある。
データ通信信号SUSBは、充電機器の接続及び接続機器の種別を検出するための充電機器検出回路43Aを介してUSBコネクタ44のD+端子TDP及びD−端子TDNに接続されている。
【0027】
USBモード設定信号SMDは、充電機器検出回路43A及び実際に携帯機器MEに供給される充電電流を検出する電流検出回路43Bに供給される。これにより充電機器検出回路43Aは、USB動作モードが充電モードである場合に、D+端子TDP及びD−端子TDNを介して、問い合わせ信号を出力し、接続されている携帯機器MEが充電モードに対応する機器であるか否かを判別して、データ通信信号SUSBにより処理部25に通知する。一方、電流検出回路43Bは、高電位側電源端子TVB及び低電位側電源端子TGDを介して、充電電流を監視し、実際の充電電流値を検出し、後述するように充電電流値の変化に基づいて、充電が完了したか否かを判別し、USBコネクタ44に接続された携帯機器MEの充電が完了した場合に充電完了信号SCEを処理部25に出力することとなる。
【0028】
次に第1実施形態の動作について説明する。
以下の説明においては、ユーザは、入力手段として機能するリモートコントローラ11Rにより操作を行うものとする。
【0029】
図3は、第1実施形態の処理フローチャートである。
処理部25のコントローラ25dは、受光部36を介して、リモートコントローラ11Rの操作がなされたことを検出すると、当該操作がUSB動作モードを設定するUSBモード設定操作であるか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、リモートコントローラ11Rの操作がUSB動作モードを設定するUSBモード設定操作以外の操作である場合には(ステップS11;No)、コントローラ25dは、当該他の操作に対応する他モードの処理を行い(ステップS16)、処理を終了する。
【0030】
図4は、USBモード設定操作画面の表示例の説明図である。
ステップS11の判別において、リモートコントローラ11Rの操作がUSB動作モードを設定するUSBモード設定操作である場合には(ステップS11;Yes)、図4に示すUSBモード設定操作画面を表示装置31の表示画面に表示する。
図4の例の場合、現在の操作がUSBモード設定操作である場合に表示される、USBモード設定操作メニューM1が表示され、当該メニューM1で選択可能な項目が通常モードであることを示す下位メニューM11と、充電モードであることを示す下位メニューM12が表示されている。
【0031】
ここで、通常モードとは、USBコネクタ44を介して携帯機器MEに供給される充電電流の最大許容電流値が、例えば、どのような機器が接続された場合でも対応可能な電流値(例えば、500mA)となっているUSB動作モードである。また、充電モードとは、USBコネクタ44を介して接続された携帯機器MEをより迅速に充電するために、充電電流の最大許容電流値が、当該充電モードに対応する機器が接続された場合には、通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い最大許容電流値(例えば、1500mA)に設定して高速充電を行わせるためのUSB動作モードである。例えば、図4の例の場合には、ユーザにより選択操作が行われ、現在選択されているUSB動作モードが充電モードであることを示している。
次にコントローラ25dは、ユーザが現在選択しているUSB動作モードが通常モードあるいは充電モードのいずれであるかを判別する(ステップS12)。
【0032】
ステップS12の判別において、ユーザが現在選択しているUSB動作モードが充電モードである場合には(ステップS12;充電モード)、コントローラ25dは、図4に網目模様で示すように、充電モード選択状態表示を行い(ステップS13)、処理をステップS15に移行する。
ステップS12の判別において、ユーザが現在選択しているUSB動作モードが通常モードである場合には(ステップS12;通常モード)、コントローラ25dは、表示装置31の表示画面に、通常モード選択状態表示を行う(ステップS14)。
次にコントローラ25dは、ユーザによりリモートコントローラ11Rにおいて、USB動作モードを確定する確定操作がなされたか否かを判別する(ステップS15)。
【0033】
ステップS15の判別において、確定操作がなされていない場合には(ステップS15;No)、処理を再びステップS12に移行し、以下、同様の処理を行う。
一方、ステップS15の判別において、確定操作がなされた場合には(ステップS15;Yes)、現在選択されているUSB動作モードに確定し、処理を終了する。
【0034】
次にUSB動作モード設定後の動作について説明する。
図5は、USB動作モード設定後の処理フローチャートである。
まず、処理部25のコントローラ25dは、USBインタフェース43を介して、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続されているか否かを判別する(ステップS21)。
ステップS21の判別において、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続されていない場合には(ステップS21;No)、コントローラ25dは、待機状態となる。
【0035】
ステップS21の判別において、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続されている場合には(ステップS21;Yes)、コントローラ25dは、USB動作モードが通常モードあるいは充電モードのいずれであるかを判別する(ステップS22)。
ステップS22の判別において、USB動作モードが充電モードである場合には(ステップS22;充電モード)、コントローラ25dは、最大電流許容値を通常モードよりも高い値とし、本実施形態では1500mAとして(ステップS23)、処理をステップS25に移行する。
【0036】
ステップS22の判別において、USB動作モードが通常モードである場合には(ステップS22;通常モード)、コントローラ25dは、最大電流許容値を通常モードの値(本実施形態では500mA)として(ステップS24)、処理をステップS25に移行する。
【0037】
次にコントローラ25dは、電流検出回路43Bにより、充電電流の監視を行い(ステップS25)、設定されているUSB動作モードに対応する最大電流許容値に制御しつつ、USBコネクタ44の高電位側電源端子TVB及び低電位側電源端子TGDを介して、充電電流を携帯機器MEに供給する。
続いて、コントローラ25dは、電流検出回路43Bにより、充電が完了したことが検出されて、充電完了信号SCEが入力されたか否かに基づいて充電が完了したか否かを判別する(ステップS26)。
【0038】
ここで、電流検出回路43Bによる充電完了検出について説明する。
図6は、充電モードにおける充電完了検出の説明図である。
図6に示すように、時刻t0において、携帯機器MEがUSBコネクタ44に接続されると、コントローラ25dは、USBコネクタ44の高電位側電源端子TVB及び低電位側電源端子TGDを介して、初期電流量(本実施形態では100mA)で電流の供給を開始する。
【0039】
次に時刻t1に至ると、コントローラ25dは、充電を開始し、徐々に充電電流を増加させ、通常モードにおける最大電流許容値(=500mA)を超え、携帯機器MEが受け入れ可能な充電電流値(図6では、約850mA)で充電を行う。
その後、時刻t2に至り、充電電力量が所定値を超えると、携帯機器MEにより徐々に充電電流値が低下され、充電が完了した場合には、その電流値は、所定の充電完了電流値(図6では、100mA以下)となる。
【0040】
そこで、電流検出回路43Bは、時刻t1において充電を開始してから、電流値が再び所定の充電完了電流値以下になった時刻t3において、充電完了信号SCEを処理部25に出力する。
したがって、ステップS26の判別において、未だ充電が完了しておらず、電流検出回路43Bから充電完了信号SCEが出力されていない場合には(ステップS26;No)、コントローラ25dは、再び処理をステップS25に移行して同様の処理を行う。
【0041】
一方、ステップS26の判別において、充電が完了して、電流検出回路43Bから充電完了信号SCEが出力された場合には(ステップS26;Yes)、コントローラ25dは、映像処理部30を介して表示装置31の表示画面に充電完了表示を行って処理を終了する(ステップS27)。
図7は、充電完了表示画面の一例の説明図である。
この結果、表示装置31には、図7に示すように、ユーザにその旨を通知する「充電が完了しました!」という表示を行って、携帯機器MEの過充電がなされないように、携帯機器MEをUSBコネクタ44から取り外すことをユーザに促すこととなる。
【0042】
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、USBコネクタ44を介して接続された携帯機器MEに対するUSB動作モードとして通常モードあるいは充電モードを選択可能とされ、充電モードにおける充電電流の最大許容電流値を、通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い値に設定して携帯機器MEに供給するので、ディジタルテレビジョン11のUSBコネクタ44に接続された携帯機器MEの充電に要する時間を短縮して、ユーザの使い勝手を向上することが可能となる。
上記第1実施形態の説明においては、リモートコントローラ11Rの操作により、USBモード設定画面を表示する構成を採っていたが、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続された時点で、USBモード設定画面を自動的に表示する構成とすることも可能である。
【0043】
[2]第2実施形態
上記第1実施形態においては、ユーザがUSBモード設定操作を行った場合に、USB動作モードの設定モードに移行する構成としていたが、本第2実施形態は、充電動作モードに対応する携帯機器MEがUSBコネクタ44に接続されたか否かを自動的に判別して、充電動作モードに対応する携帯機器MEがUSBコネクタ44に接続された場合に、自動的にUSB動作モードを充電モードに設定する場合の実施形態である。
【0044】
図8は、第2実施形態におけるUSB動作モード設定後の処理フローチャートである。図8において、図5と同様の部分には、同一の符号を付し、その詳細な説明を援用する。
まず、処理部25のコントローラ25dは、USBインタフェース43を介して、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続されているか否かを判別する(ステップS21)。
【0045】
ステップS21の判別において、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続されていない場合には(ステップS21;No)、コントローラ25dは、待機状態となる。
ステップS21の判別において、USBコネクタ44に携帯機器MEが接続されている場合には(ステップS21;Yes)、コントローラ25dは、接続されている携帯機器の種別、すなわち、充電モード対応機器あるいは充電モード非対応機器のいずれであるかを特定するために携帯機器判別処理を行う(ステップS31)。
より具体的には、コントローラ25dは、充電モード対応機器の場合には、D+端子TDPに所定の電圧(例えば、0.5V〜0.7V)の電圧を印加する。
【0046】
そして、コントローラ25dは、携帯機器の種別を判別する(ステップS32)。より具体的には、充電モード対応機器の場合には、上述したようにD+端子TDPに所定の電圧を印加した場合に、携帯機器MEによりD−端子TDNに所定の電圧(例えば、0.5V〜0.7V)の電圧が出力されるので、D−端子TDNに所定の電圧が出力されたか否かを判別する。
ステップS32の判別において、接続されている携帯機器が充電モード対応機器である場合には(ステップS32;充電モード対応機器)、コントローラ25dは、最大電流許容値を通常モードよりも高い値とし、本実施形態では1500mAとして(ステップS23)、処理をステップS25に移行し、以下第1実施形態と同様の処理を行う。
【0047】
ステップS32の判別において、接続されている携帯機器が充電モード非対応機器である場合には(ステップS31;充電モード非対応機器)、コントローラ25dは、動作モードを通常モードに設定し(維持し)、最大電流許容値を通常モードの値(本実施形態では500mA)として(ステップS24)、処理をステップS25に移行し、以下第1実施形態と同様の処理を行う。
【0048】
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、携帯機器MEをUSBコネクタ44に接続するだけで、接続された携帯機器MEが充電モード対応機器である場合には、USB動作モードを充電モードとして、充電電流の最大許容電流値を、通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い値に設定して携帯機器MEに供給するので、ディジタルテレビジョン11のUSBコネクタ44に接続された携帯機器MEの充電に要する時間を短縮して、ユーザの使い勝手をより向上することが可能となる。
【0049】
以上の第2実施形態の説明においては、携帯機器MEをUSBコネクタ44に接続した場合に、自動的に接続された携帯機器MEが充電モード対応機器の種別を判別し、充電モード対応機器である場合には、自動的に充電モードに移行する構成を採っていたが、設定により、自動的な移行を禁止する構成とすることも可能である。
【0050】
[3]実施形態の変形例
以上の説明においては、ディジタルテレビジョン(放送受信装置)の動作電源は、商用電力などの外部電源が接続されている場合を前提として説明したが、外部電源から供給された電力を蓄え、停電などの理由により外部電源から電力の供給がなされなくなった場合に、電力を供給する蓄電手段としてのバッテリを備え、制御手段としてのコントローラ25dは、バッテリから電力供給がなされている場合には、USB動作モードを充電モードとすることを禁止し、通常動作モードで動作させることにより、バッテリによる動作可能時間の長期化を図るように構成することも可能である。
【0051】
以上の説明においては、通常動作モードでの充電動作は、常に行われるものとして説明したが、電流検出回路43Bと、USBコネクタ44の高電位側電源端子TVB及び低電位側電源端子TGDとの間に、機械的スイッチあるいは電気的スイッチを介挿することにより、充電電流の供給を強制的に遮断する構成を採ることも可能である。
【0052】
以上の説明においては、USBインタフェース43と、コントローラ25dとの間の信号としては、データ通信を行うためのデータ通信信号SUSBのやりとりを行うことが可能な構成としていたが、D+端子TDP及びD−端子TDNを非接続状態として、USBコネクタ44を介して充電のみを行うように構成することも可能である。
以上の説明においては、コネクタとしてUSBコネクタを例として説明したが、同様に当該コネクタに接続された機器に充電用の電力供給及びデータ通信が可能な他の種類のコネクタについても同様に適用が可能である。
以上の説明においては、放送受信装置としてディジタルテレビジョンを例として説明したが、ディジタルテレビジョンチューナを有するレコーダ装置や、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送(ディジタル放送あるいはアナログ放送)、IP(ブロードバンドVOD等)等の放送信号を受信して、一般のテレビ装置で視聴可能な信号に変換するいわゆるセットトップボックスであっても適用が可能である。
【0053】
また、本実施形態の放送受信装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0054】
また、本実施形態の放送受信装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の放送受信装置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態のデータ処理装置の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0055】
以上においては、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
11 ディジタルテレビジョン(放送受信装置)
11R リモートコントローラ
25 処理部(動作モード設定手段)
25d コントローラ(動作モード設定手段)
31 表示装置
35 操作部
40 有線LAN端子
43 USB I/F
43A 充電機器検出回路
43B 電流検出回路
44 USBコネクタ
ME 携帯機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタと、
前記コネクタを介して接続された機器に対する動作モードとして通常モードあるいは充電モードを選択可能とする手段と、
前記充電モードにおける充電電流の最大許容電流値を、前記通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い値に設定して前記機器に供給する制御手段と、
を備えた放送受信装置。
【請求項2】
ユーザの指示に基づいて前記通常モードあるいは前記充電モードに前記動作モードを設定する動作モード設定手段を備えた請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記コネクタに前記機器が接続されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段にて前記コネクタが検出されたことに基づいて、表示装置に前記ユーザの指示を促す動作モード設定画面を表示するよう制御する表示制御手段と、
を備えた請求項2記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記機器に対する充電が完了したことを検出する充電完了検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記充電完了検出手段により、充電の完了が検出された場合に、充電が完了した旨を表示装置に表示するよう制御する、
請求項2記載の放送受信装置。
【請求項5】
外部電源から供給された電力を蓄え、電力を供給する蓄電手段を備え、
前記制御手段は、前記蓄電手段から電力供給がなされている場合に、前記充電モードにおける動作を禁止する、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記ユーザの指示が入力される入力手段を備えた請求項2乃至請求項4記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記機器が前記充電モードに対応した機器であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別に基づいて、前記コネクタに接続された前記機器が前記充電モードに対応した機器である場合には、前記動作モードを前記充電モードに設定する動作モード設定手段と、
を備えた請求項1記載の放送受信装置。
【請求項8】
前記機器が前記充電モードに対応した機器であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別に基づいて、前記コネクタに接続された前記機器が前記充電モードに対応しない機器である場合には、前記動作モードを前記通常モードに設定する動作モード設定手段と、
を備えた請求項1記載の放送受信装置。
【請求項9】
コネクタを備えた放送受信装置で実行される放送受信装置の制御方法において、
前記コネクタを介して接続された機器に対する動作モードとして通常モードあるいは充電モードを選択可能とされ、
前記動作モードとして前記充電モードが選択れているか否かを判別する過程と、
前記動作モードとして前記充電モードが選択されている場合に、当該充電モードにおける充電電流の最大許容電流値を、前記通常モードにおける充電電流の最大許容電流値よりも高い値に設定して前記機器に充電電流を供給して充電を行う過程と、
を備えた放送受信装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−244847(P2012−244847A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114759(P2011−114759)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】