説明

放送受信装置

【課題】本発明は、電子番組表に、過去と当日の番組情報を混在して表示することで、従来と比較して多くの番組情報を表示することができる放送受信装置を提供する。
【解決手段】本発明の放送受信装置は、少なくとも番組放送信号及び対応する番組情報を受信可能な受信手段と、前記受信手段で受信した番組情報が更新されたか否かを確認する更新確認手段と、前記受信手段で受信した番組情報から番組表データを作成する番組表データ作成手段と、前記更新確認手段で番組情報が更新されたときには、更新された最新番組情報に関する番組表データのみを更新し、過去の番組情報及び前記最新番組情報が混在した番組表データを作成する番組表データ更新手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送信号を受信可能な放送受信装置に関し、特に、電子番組表を用いて番組情報を表示する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、現在または将来の放送番組を予約録画して、録画した番組を後で視聴するというライフスタイルが定着している。また近年、地上デジタル放送についてはポータブル受信機器で視聴できる仕組みとしてワンセグ(1セグメント)放送が始まっている。ワンセグ受信に対応したポータブル受信機器では、電子番組表を表示することで現在あるいは将来の番組情報を表示できる機能や、番組表から録画予約を登録できる機能を持つものが多い。
【0003】
しかし、ワンセグ放送のための電子番組表は、最大10番組分の情報しか送出されない。そのため、ワンセグ放送受信機では、数時間先の番組表しか表示できないという課題があった。また、インターネットを介して番組情報を取得し、その番組情報を元に電子番組表を表示する方法もある。しかし、ポータブル受信機器でインターネット接続するにはコストアップにつながり、インターネット接続のための機能が搭載されないこともある。このような課題を解決のため、例えば、先行技術1では、フルセグ(12セグメント)放送やネットワークを介して1週間または数週間先の番組情報を受信可能な受信機と連携することで、1週間または数週間分の番組表を表示できる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−041583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、他機器と連携を取って、1週間または数週間分の番組表を表示する機能を実現するためには、他機器との連携を実現するための処理が複雑になるという課題がある。また、ユーザが当該機能を利用するためには、ポータブル受信機器の他、連携する他機器も購入する必要があり、導入コストの面でも課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決すべく、電子番組表に、過去と当日の番組情報を混在して表示することで、従来と比較して多くの番組情報を表示することができる放送受信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の放送受信装置は、少なくとも番組放送信号及び対応する番組情報を受信可能な受信手段と、前記受信手段で受信した番組情報が更新されたか否かを確認する更新確認手段と、前記受信手段で受信した番組情報から番組表データを作成する番組表データ作成手段と、前記更新確認手段で番組情報が更新されたときには、更新された最新番組情報に基づいて番組表データを更新し、過去の番組情報及び前記最新番組情報を混在した番組表データを作成する番組表データ更新手段とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、最新の番組情報と過去の番組情報とが混在された状態となり、実際に10番組分しか番組情報が送出されない状況であっても、それ以上の番組情報を表示可能な電子番組表を提供することできる。さらに、上記の構成によれば、他の機器との連携などの複雑な処理を不要となるため、導入コストを安価に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1にかかる放送受信装置のブロック図
【図2】実施の形態1にかかる放送受信装置においてチャンネル切換操作に基づいて番組情報を更新する際のフローチャート
【図3】実施の形態1にかかる放送受信装置において全チャンネルの番組情報を更新する際のフローチャート
【図4】実施の形態1にかかる放送受信装置において表示される電子番組表の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の放送受信装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に、実施の形態1にかかる放送受信装置のブロック図を示す。
【0011】
放送受信装置100は、受信部101、制御部102、アンプ部103、メモリ部104、入力操作部106で構成される。
【0012】
受信部101は、放送波及び番組情報を受信する。
【0013】
制御部102は、受信部101で受信した放送波をデコードするとともに、受信部101で受信した番組情報をもとに番組表データ105を作成する。作成された番組表データ105は、メモリ104に、一定期間分の情報として保持される。例えば1週間分(月〜日曜日)の番組表を表示できる放送受信装置の場合には、メモリ104内の番組表データ105は、少なくとも1週間分のデータを保持し、モニタ108に出力できるようにする。制御部102は、新しい番組情報が受信部101で取得されるたびに、番組表データ105を更新していくことで、常に最新の番組表データとなるように制御する。
【0014】
入力操作部106は、ユーザからの操作を受けるためのボタンなどで構成される。本実施の形態では、放送受信装置100に配置されたボタンでユーザの操作を受け付けたが、放送受信装置100に接続されるモニタ108に表示されるGUIや、放送受信装置100内に搭載されたタッチパネルでユーザの操作を受け付けるようにしても良い。
【0015】
アンプ部103は、制御部102でデコードされた音声データを増幅し、放送受信装置100に接続されたスピーカ107に出力する。
【0016】
メモリ部104は、受信部101で受信した番組情報、放送受信装置を動作させるための設定値、チャンネル一覧等のデータを保存する。メモリ部104は、番組表データ105を含む。
【0017】
次に、番組情報を更新する方法を説明する。
(1)チャンネル切換操作に基づいて番組情報を更新する方法
図2に、実施の形態1にかかる放送受信装置において、チャンネル切換操作に基づいて番組情報を更新する際のフローチャートを示す。
【0018】
ステップS1において、チャンネル切換操作があればステップS2に進む。ステップS2において、受信するチャンネルを切り換えて、ステップS3に進む。一方、ステップS1においてチャンネル切換操作がなければ、チャンネル切換せずにステップS3に進む。ステップS3において、番組情報の更新があると確認された場合は、ステップS4で番組表データを更新して、ステップS1に戻る。一方、ステップS3において番組情報が更新されていないと確認された場合は、そのままステップS1に戻る。
【0019】
このような方法で番組情報を更新することで、新たな番組情報を取得するたびに最新の番組表データに更新できるという作用を有する。
【0020】
ポータブル受信機器での受信を想定したワンセグ放送では、現在の番組を含めて最大で10番組分しか番組情報が送信されず、更に現在視聴中のチャンネルのみしか送信されない。このような環境の下で、ポータブル受信機器で電子番組表などの番組情報を表示する場合、当然、フルセグ放送の受信機と比べて表示可能な日数も少なく、チャンネル数も少ない場合が大半である。本実施の形態では、上記のように、過去に取得した番組情報を活用することにした。すなわち、最新の番組表データは、最新の番組情報と過去の番組情報とが混在されたものとなっており、モニタ107では電子番組表として同一画面内に最新の番組情報と過去の番組情報を表示することができる。
(2)全チャンネルの番組情報を更新する方法
図3に、実施の形態1にかかる放送受信装置において、ある特定の操作に基づいて全てのチャンネルの番組情報を更新する際のフローチャートを示す。
【0021】
ステップS11において、受信部101で放送を受信する。ステップS12において、制御部102で番組情報を取得する。ステップS13において、制御部102はステップS12で取得した番組情報で番組表データを更新し、メモリ104に記憶する。ステップS14において、登録されている全チャンネル分の番組情報が更新されたかを判定する。更新が完了している場合は終了する。一方、更新が完了していない場合はステップS15に進む。ステップS15において、チャンネルを別のャンネルに切り換えて、ステップS11に戻る。
【0022】
このような方法で番組情報を更新することで、当該装置に登録されている全チャンネルに対して現在の最新の番組情報に更新できる作用を有する。方法(2)に関しても、方法(1)と同様に、最新の番組表データは、最新の番組情報と過去の番組情報とが混在されたものとなる。
【0023】
なお、本実施の形態では、上記の方法(1)と(2)で番組情報を更新したが、AC電源で放送受信装置100が駆動していて電源がオフの状態のときに、一定時間の間隔(例えば3時間)で自動的に上記方法(2)により番組情報を更新するようにしても良い。
【0024】
図4は、本実施の形態1にかかる放送受信装置で表示する番組表の一例を示す。
【0025】
番組表401は、全チャンネルのうち3チャンネルに対して、4時間分の番組スケジュールを表示するものである。本実施の形態では、××月××日に対するCH1〜3のチャンネルの10時から13時の番組を表示している。各番組を示すセル401の一部には付属情報402が表示されている。これは、最新の番組情報で更新されなかった過去の番組情報を示すものである。
【0026】
なお、本実施の形態では、このように付加情報を表示することで、過去の番組情報を表現しているが、セル401で表示される文字の色を、現在の情報であれば赤色、1週間前までの情報であれば黒色、1ヶ月前までの情報であれば灰色、1ヶ月より古い情報であれば表示しないなどにより、最新の情報と過去の情報を区別するようにしても良い。
【0027】
また、現在の最新の情報と過去の番組情報とを、文字の色を分けるなどの方法で区別して表示する方法について言及したが、更に番組表から予約録画を登録できる機器では、現在の番組表から録画予約する場合と、過去の番組表から予約する場合とで録画の扱いを変える仕組みとしても良い。例えば、現在の番組情報から予約登録した場合には情報の信頼性が高いことから予約した番組の開始時刻に録画を開始し、1ヶ月前の番組情報から予約登録した場合には、開始時刻より前に再度番組情報を取得して該当する番組の開始時刻に変化がないかを確認する方法がなど考えられる。
【0028】
また、連続ドラマなど毎週繰り返し放送する番組の場合、番組のタイトル情報で最終回であることが判断できる場合がある。過去の番組表のデータが最終回の場合に、上記とは異なる色で色分けすることで、ユーザの判断を助ける機能を付加することができる。
【0029】
なお、実施の形態1において、番組表データはワンセグ放送波による番組情報を元に作成する構成としたが、これには限らない。例えば、インターネットなどのネットワークへの接続が可能な機器の場合、ネットワークにつながる環境の場合にはネットワーク経由で番組情報を取得し、繋がらないときにはワンセグ放送波から番組情報を取得して更新する方法で、番組表データを更新してもよい。この方法であれば、より精度の高い番組表データを作成できるとともに、ネットワークに接続できない環境下でもワンセグ放送波から最新の番組情報に更新することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、放送信号を受信可能な放送受信装置に関し、特に、電子番組表を用いて番組情報を表示する方法に関するものであって、電子番組表に、過去と当日の番組情報を混在して表示することで、従来と比較して多くの番組情報を表示することができる放送受信装置を提供できる。そのため、本発明は、当日の番組情報が受信できない場合にも、過去の番組情報を利用して、電子番組表を作成することができるので、ポータブル受信機器に限らずフルセグ受信機器にも適用できる。
【符号の説明】
【0031】
100 放送受信装置
101 受信部
102 制御部
103 アンプ部
104 メモリ部
105 番組表データ
106 入力操作部
107 スピーカ
108 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも番組放送信号及び対応する番組情報を受信可能な受信手段と、
前記受信手段で受信した番組情報が更新されたか否かを確認する更新確認手段と、
前記受信手段で受信した番組情報から番組表データを作成する番組表データ作成手段と、前記更新確認手段で番組情報が更新されたときには、更新された最新番組情報に関する番組表データのみを更新し、過去の番組情報及び前記最新番組情報が混在した番組表データを作成する番組表データ更新手段とを備えることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記受信手段は、番組放送を切り換えるための操作を受けたときに、少なくとも番組情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
少なくとも番組放送信号及び対応する番組情報を受信可能な受信手段と、
前記受信手段で受信した番組情報から番組表データを作成する番組表データ作成手段と、前記受信手段により全チャンネルの番組情報の受信が完了した場合に、受信した最新番組情報に関する番組表データのみを更新し、過去の番組情報及び前記最新番組情報が混在した番組表データを作成する番組表データ更新手段とを備えることを特徴とする放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−205310(P2011−205310A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69595(P2010−69595)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】