説明

放電分解炉

【課題】長期間連続的に処理対象物を処理可能な極めて処理能力の高い秀れた放電分解炉の提供。
【解決手段】炉本体1内に複数の電極棒2が水平方向に並設され、この電極棒2間に該電極棒2と近接状態で電通棒3が設けられ、電極棒2及び電通棒3の上方には該電通棒3に加重する複数の加重棒4が設けられ、電極棒2と電通棒3と加重棒4との間のアーク放電により処理対象物10を放電分解する放電分解炉であって、電極棒2と電通棒3と加重棒4とはその両端部が夫々支持体5に支持された一体の放電ユニット6に構成し、支持体5を炉本体1の対向壁部にして底面から所定距離だけ離れた位置に設けた取付部7に取り付け、取付部7を電極棒2の軸方向と平行な回転軸を中心に炉本体1に対して回転させる回転機構を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電分解炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に開示されるように、炉内に設けた複数の電極間に抵抗体(カーボン)を敷き詰め、大気中若しくは不活性ガス中でこの電極に通電して電極と抵抗体との間及び抵抗体同士の間でアーク放電を発生させ、このアーク放電による放電エネルギーにより発生する超高温(2500〜3000℃)で、処理対象物(例えば、廃棄物、汚泥、焼却灰など)を分子レベルに熱分解し、ダイオキシン類や一酸化炭素を排出させずに無害化処理するアーク放電を利用した廃棄物等の処理方法が提案されている。
【0003】
ところで、上記従来の方法では、電極及び抵抗体上に処理対象物を落下せしめて処理するため、処理対象物の残渣が電極及び抵抗体上に堆積することになるが、これらの残渣はアーク放電を阻害したり新たな処理対象物の熱分解の妨げとなるため、定期的に炉を開放して人手により除去する必要がある。
【0004】
従って、上記従来の方法において炉を長期間連続的に稼動させることは困難で、処理能力の更なる向上が要望されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−58820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、炉を開放することなく電極棒、電通棒及び加重棒上に堆積した残渣を落下せしめて除去することができ、長期間連続的に処理対象物を処理可能な極めて処理能力の高い秀れた放電分解炉を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
炉本体1内に所定間隔をおいて複数の電極棒2が水平方向に並設され、この電極棒2間に該電極棒2と近接状態で電通棒3が設けられ、この電極棒2及び電通棒3の上方には該電通棒3に加重する複数の加重棒4が設けられ、前記電極棒2と前記電通棒3と前記加重棒4との相互間でアーク放電を生じさせて該アーク放電により前記炉本体1内に投入された処理対象物10を放電分解する放電分解炉であって、前記電極棒2と前記電通棒3と前記加重棒4とはその両端部が夫々支持体5に支持された一体の放電ユニット6に構成され、この放電ユニット6の前記支持体5は前記炉本体1の対向壁部に設けた取付部7に取り付けられ、この取付部7は前記炉本体1の底面から所定距離だけ離れた位置に設けられており、また、前記取付部7を前記電極棒2の軸方向と平行な回転軸を中心に前記炉本体1に対して回転させる回転機構が設けられ、この回転機構により前記取付部7と共に前記放電ユニット6が回転するように構成されていることを特徴とする放電分解炉に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の放電分解炉において、前記炉本体1の前記取付部7の上方位置には、前記処理対象物10を前記炉本体1内に投入するための投入部8が設けられ、前記炉本体1の前記取付部7の下方位置には、放電分解された前記処理対象物10の残渣を回収する回収部9が設けられており、前記投入部8と前記回収部9との間の前記処理対象物10が通過する空間を閉塞するように前記電極棒2と前記電通棒3と前記加重棒4とが設けられていることを特徴とする放電分解炉に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の放電分解炉において、前記取付部7は前記炉本体1の鉛直方向に複数並設され、前記放電ユニット6が複数段に設けられていることを特徴とする放電分解炉に係るものである。
【0011】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の放電分解炉において、前記回転機構は、前記放電ユニット6上に堆積した前記処理対象物10の残渣を落下させ得る角度まで該放電ユニット6を回転させるように構成されていることを特徴とする放電分解炉に係るものである。
【0012】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の放電分解炉において、前記回転機構は、前記取付部7に設けられ前記回転軸を中心とする円弧状の噛合部11と該噛合部11と噛合する駆動歯車12とで構成されていることを特徴とする放電分解炉に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、炉を開放することなく電極棒、電通棒及び加重棒上に堆積した残渣を落下せしめて除去することができ、長期間連続的に処理対象物を処理可能な極めて処理能力の高い秀れた放電分解炉となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施例の概略説明側面図である。
【図2】本実施例の概略説明断面図である。
【図3】本実施例の概略説明断面図である。
【図4】本実施例の概略説明断面図である。
【図5】本実施例の概略説明上面図である。
【図6】本実施例の放電ユニットの概略説明斜視図である。
【図7】別例の放電ユニットの拡大概略説明図である。
【図8】別例の放電ユニットの概略説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0016】
炉本体1内に投入された処理対象物10を、放電ユニット6において発生させたアーク放電による放電エネルギー(2500〜3000℃の超高温)で分子レベルに熱分解する。
【0017】
この際、処理対象物10を熱分解した後の残渣が放電ユニット6上に堆積しても、放電ユニット6を回転機構により電極棒2の軸方向と平行な回転軸を中心に例えば180°回転させることで、放電ユニット6上から落下させることができる。
【0018】
従って、放電ユニット6上に残渣が堆積することはなく(炉本体1を開放しての人手による放電ユニット6の清掃は不要であり)、よって、長期間連続的に処理対象物10を分解処理することが可能となる。
【実施例】
【0019】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0020】
本実施例は、炉本体1内に所定間隔をおいて複数の電極棒2が水平方向に並設され、この電極棒2間に該電極棒2と近接状態で電通棒3が設けられ、この電極棒2及び電通棒3の上方には該電通棒3に加重する複数の加重棒4が設けられ、前記電極棒2と前記電通棒3と前記加重棒4との相互間でアーク放電を生じさせて該アーク放電により前記炉本体1内に投入された処理対象物10を放電分解する放電分解炉であって、前記電極棒2と前記電通棒3と前記加重棒4とはその両端部が夫々支持体5に支持された一体の放電ユニット6に構成され、この放電ユニット6の前記支持体5は前記炉本体1の対向壁部に設けた取付部7に取り付けられ、この取付部7は前記炉本体1の底面から所定距離だけ離れた位置に設けられており、また、前記取付部7を前記電極棒2の軸方向と平行な回転軸を中心に前記炉本体1に対して回転させる回転機構が設けられ、この回転機構により前記取付部7と共に前記放電ユニット6が回転するように構成されているものである。
【0021】
具体的には、本実施例は、廃棄物、汚泥若しくは廃棄物を焼却した焼却灰などの有害物質を含む処理対象物10をダイオキシン類や一酸化炭素を排出させずに無害化処理する装置であって、図1〜3に図示したように、耐火性の直方体状の炉本体1の前記取付部7の上方位置には、前記処理対象物10を炉本体1内に投入するための投入部8が設けられ、前記炉本体1の前記取付部7の下方位置には、放電分解された前記処理対象物10の残渣を回収する回収部9が設けられており、前記投入部8と前記回収部9との間の前記処理対象物10が通過する空間を閉塞するように前記電極棒2と前記電通棒3と前記加重棒4とからなる放電ユニット6が上下2段に設けられているものである。尚、本実施例は炉本体1内は大気状態で処理を行う。
【0022】
本実施例においては、炉本体1の上部の2ヶ所に投入部8(投入口)を設けている。
【0023】
従って、例えば、炉本体1の天面部に設けた投入口はコンベア機構等の適宜な搬送機構を通じて自動的に処理対象物10を投入するために使用し、炉本体1の図1〜3中左側面上部位置に設けた投入口は手動で適宜処理対象物10を投入するために使用すること等が可能となる。
【0024】
また、回収部9としては、レールに沿って走行可能な台車を採用している。
【0025】
図中、符号14は処理対象物10を放電ユニット6へとガイドする導入ガイド部、15は処理対象物10の残渣を回収部9へとガイドする回収ガイド部である。
【0026】
従って、上部の投入口から投入された処理対象物10を無害化処理した後に若干残存する(無害な)残渣は、台車内に回収されて適宜外部へと搬出される。
【0027】
一方、処理対象物を熱分解することで生じたガスは、別途ガス処理機構13において処理されて無害化され大気に排出される。
【0028】
このガス処理機構13は本発明の本質部分ではないので詳細な説明は省略するが、例えば、上記炉本体1(一次炉)の直ぐ下流に炉本体1と同様に電極棒間に多数の抵抗体(カーボン)を敷き詰めてアーク放電を発生させ、ガスをこの電極棒及び抵抗体間を通過させることで無害化する二次炉を連設し、その下流にガス中の一酸化炭素を燃焼させる一酸化炭素焼却装置を連設し、その下流にガス中の物質を吸着する吸着槽を連設し、その下流に大気中に無害化したガスを排出する排気ダクトを連設する等、公知の構成を適宜採用できる。
【0029】
各部を具体的に説明する。
【0030】
カーボン製(黒鉛若しくは炭化珪素製)で丸棒状の電極棒2、電通棒3及び加重棒4は、図6に図示したように、その両端部が耐火コンクリート製の板状(円盤状)の一対の支持体5に架設状態で支持されている。
【0031】
尚、電極棒2と電通棒は同径(例えば100π)に設定され、加重棒4は電極棒2及び電通棒3より若干径小(例えば70π)に設定されている。
【0032】
図中、符号16は支持棒体5同士を連結する連結体、17は連結体を支持棒体5に係止する係止体である。
【0033】
具体的には、電極棒2は、一端部が支持体5の挿通孔を挿通して外方に突出するように支持されており、この突出端部には、電源からのケーブルと接続される金属電極部18が設けられている。また、他端部は支持体5の対向壁面に設けられる支持穴部に配設される。
【0034】
また、電極棒2は前後上下左右に移動不能となるように支持体5に位置決め状態で支持される。この電極棒2は所定間隔をおいて水平方向に3つ並設されている。
【0035】
電極棒2の間には夫々、この電極棒2と近接するように電通棒3が1つずつ設けられている。
【0036】
従って、電極棒2と電通棒3とは水平方向に略一直線状に並設される。この電通棒3の両端部は夫々、支持体5の対向壁面に設けられる支持穴部に配設され、左右方向(電極棒2との接離方向)に若干移動可能な状態で支持される。
【0037】
よって、摩耗した際には加重棒4による加重により電極棒2に若干近づいて好適な放電が持続されるようにすることができる。
【0038】
電極棒2及び電通棒3の上方には、電極棒2及び電通棒3に当接するように水平方向に略一直線状に6つの加重棒4が並設されている。
【0039】
この加重棒4の両端部は夫々、支持体5の対向壁面に設けられる支持穴部に配設され、上下左右方向に若干移動可能な状態で支持される。従って、電通棒3は常時加重棒4から加重を受けることになる。
【0040】
このように相互に近接状態で配設された電極棒2、電通棒3及び加重棒4は一対の支持体5によりユニット化され、常にこの近接状態が保持されることになり、金属電極部18からの通電により所定の電圧(100〜1000V程度)が印加されて所定の電流(800〜1500A程度)が流れると、相互間の隙間にアーク放電が生じ、各棒の表面温度は2000℃以上(2500〜3000℃程度)となる。
【0041】
従って、投入口から投入され放電ユニット6上(電極棒2、電通棒3及び加重棒4上)に落下した処理対象物10は、ほとんど高温により分子レベルに分解される。また、分解されない物質も存在するが、これに付着した物質は分解されることになり、分解されない物質は無害化された残渣となり、各棒の隙間から回収部9へと落下するか、各棒上に堆積する。
【0042】
また、放電ユニット6の支持体5は炉本体1の対向壁部に設けた取付部7に取り付けられている。
【0043】
具体的には、取付部7は炉本体1の対向壁部に設けた円形孔の周縁部に回転自在に設けられる金属製の円環体であり、この円環体に支持体5がボルト・ナット等の適宜な係止機構により係止され、一体に回転し得るように構成されている。従って、円環体の中空部分から支持体5の中央部の外面が露出する。
【0044】
更に具体的に説明すると、円環体は円形孔に挿通される胴部と、炉外に設けられるフランジ部とからなり、炉内の胴部に支持体5が係止され、フランジ部の端面に後述する噛合部11が設けられている。円形孔は支持体5よりやや径大に設定され、この円形孔と支持体5との間は円環体により閉塞される。また、円形孔は支持体5により略閉塞されることで放電が外部に漏れることはない。
【0045】
また、取付部7は炉本体1の底面から所定距離だけ離れた位置に設けられており、放電ユニット6は炉本体1の底部でなく上下方向中間位置に宙吊り状態で保持される。従って、放電ユニット6で生じるアーク放電による炉本体1の損傷・劣化は可及的に防止される。
【0046】
また、本実施例においては、取付部7を炉本体1の鉛直方向に複数並設し、同構成の放電ユニット6を複数段に設けるように構成している。具体的には、放電ユニット6を上下2段設ける構成としている。従って、処理対象物10は上部側(1段目)及び下部側(2段目)の放電ユニット6により2段階で処理されることになり、より確実に無害化処理を行うことができる。
【0047】
また、本実施例においては、各棒上に堆積した残渣を強制的に回収部9へと落下せしめるために回転機構を設けている。この回転機構は、取付部7を電極棒2の軸方向と平行な回転軸を中心に炉本体1に対して回転させるものであり、この回転機構により取付部7と共に放電ユニット6を回転させるものである。
【0048】
具体的には、この回転機構は、各放電ユニット6上に堆積した処理対象物10の残渣を下方(回収部9)に落下させ得る角度まで該放電ユニット6を回転し得るように構成している。本実施例においては少なくとも約180°回転できるように構成している。
【0049】
本実施例の回転機構は、取付部7のフランジ部の端面に固定状態に設けられる前記回転軸を中心とする半円弧状の(外周部に歯形を有する)噛合部11と該噛合部11と噛合する駆動歯車12とで構成されている。図中、符号19は取付部7の周面に当接して該取付部7の回転をガイドするガイドローラ、20はガイドローラ19を支持する支持部材である。
【0050】
従って、駆動歯車12をモータ等で正逆回転させることで、噛合部11を介して取付部7を回転させることができ、これに伴って放電ユニット6を回転させることが可能となる。
【0051】
即ち、上部側の放電ユニット6においては、図2に図示したような処理前〜処理中の加重棒4が上方となる状態から、処理後には約180°回転させて図3に図示したような放電ユニット6の上下を反転させた加重棒4が下方となる状態へと切り替えて、残渣を強制的に下部側の放電ユニット6へと落下させることが可能となる(次に処理対象物10を投入する際には加重棒4が上方となる状態に切り替える。)。また、下部側の放電ユニット6においても同様に、図3に図示したような処理前〜処理中の加重棒4が上方となる状態から、処理後には約180°回転させて図4に図示したような放電ユニット6の上下を反転させた加重棒4が下方となる状態へと切り替えて、残渣を強制的に回収部9へと落下させることが可能となる。
【0052】
この駆動歯車12は、時期を見計らって作業者の操作指示により適宜回転させる構成としても良いし、所定の時間間隔で自動的に回転するように構成しても良い。
【0053】
上記のように構成することで、例えば、厚さのある固形物が投入された場合、当該固形物の一平面側を上部側(1段目)で重点的に処理した後、この上部側の放電ユニット6を回転させて下部側(2段目)の放電ユニット6上に反転落下させることで、下部側の放電ユニット6上では固形物の上下を反転させて当該固形物の他平面側を重点的に処理するなど、より効果的な処理が可能となる。
【0054】
また、加重棒4の支持体5への取付構成としては、図7,8に図示した別例のような構成を採用しても良い。
【0055】
具体的には、支持体5にして電極棒2及び電通棒3を支持する支持穴部21の上方及び下方に鉛直方向に延びる細長い溝22(レーン)を複数並設し、この溝に各加重棒4の端部に設けた中央部より径小な径小部23を配設して、加重棒4が当該溝22に沿って上下移動できるように構成しても良い。図中、符号24は加重棒4のストッパーとなる凸部である。
【0056】
この場合、電極棒2及び電通棒3の上下に設けられる加重棒4は、重力により各溝22の下端部側へ移動するから、回転機構による回転に応じて上下の加重棒4を交互に使用することが可能となり、また、例えば放電ユニット6を180°回転させて放電ユニット6上の残渣を下方に落下させると、以前とは異なる側の加重棒4が電極棒2及び電通棒3と当接することになり、従って、再反転させずにそのまま処理を続けることも可能となる。
【0057】
本実施例は上述のように構成したから、炉本体1内に投入された処理対象物10を、放電ユニット6において発生させたアーク放電による放電エネルギーにより発生する超高温(2500〜3000℃)で分子レベルに熱分解する際、処理対象物10を熱分解した後の残渣が放電ユニット6上に堆積しても、放電ユニット6を回転機構により電極棒2の軸方向と平行な回転軸を中心に例えば180°回転させることで、放電ユニット6上から落下させることができる。
【0058】
従って、放電ユニット6上に残渣が堆積した際に炉本体1を開放して人手により除去する必要なく、放電ユニット6を回転させるだけで残渣を除去することが可能となり、長期間連続的に処理対象物10を分解処理することが可能となり、よって、本実施例は、長期間連続的に処理対象物を処理可能で処理能力の高い極めて実用性に秀れたものとなる。
【符号の説明】
【0059】
1 炉本体
2 電極棒
3 電通棒
4 加重棒
5 支持体
6 放電ユニット
7 取付部
8 投入部
9 回収部
10 処理対象物
11 噛合部
12 駆動歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉本体内に所定間隔をおいて複数の電極棒が水平方向に並設され、この電極棒間に該電極棒と近接状態で電通棒が設けられ、この電極棒及び電通棒の上方には該電通棒に加重する複数の加重棒が設けられ、前記電極棒と前記電通棒と前記加重棒との相互間でアーク放電を生じさせて該アーク放電により前記炉本体内に投入された処理対象物を放電分解する放電分解炉であって、前記電極棒と前記電通棒と前記加重棒とはその両端部が夫々支持体に支持された一体の放電ユニットに構成され、この放電ユニットの前記支持体は前記炉本体の対向壁部に設けた取付部に取り付けられ、この取付部は前記炉本体の底面から所定距離だけ離れた位置に設けられており、また、前記取付部を前記電極棒の軸方向と平行な回転軸を中心に前記炉本体に対して回転させる回転機構が設けられ、この回転機構により前記取付部と共に前記放電ユニットが回転するように構成されていることを特徴とする放電分解炉。
【請求項2】
請求項1記載の放電分解炉において、前記炉本体の前記取付部の上方位置には、前記処理対象物を前記炉本体内に投入するための投入部が設けられ、前記炉本体の前記取付部の下方位置には、放電分解された前記処理対象物の残渣を回収する回収部が設けられており、前記投入部と前記回収部との間の前記処理対象物が通過する空間を閉塞するように前記電極棒と前記電通棒と前記加重棒とが設けられていることを特徴とする放電分解炉。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の放電分解炉において、前記取付部は前記炉本体の鉛直方向に複数並設され、前記放電ユニットが複数段に設けられていることを特徴とする放電分解炉。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の放電分解炉において、前記回転機構は、前記放電ユニット上に堆積した前記処理対象物の残渣を落下させ得る角度まで該放電ユニットを回転させるように構成されていることを特徴とする放電分解炉。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項に記載の放電分解炉において、前記回転機構は、前記取付部に設けられ前記回転軸を中心とする円弧状の噛合部と該噛合部と噛合する駆動歯車とで構成されていることを特徴とする放電分解炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−97938(P2012−97938A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244845(P2010−244845)
【出願日】平成22年10月30日(2010.10.30)
【出願人】(507004808)
【出願人】(510289892)
【Fターム(参考)】