放電加工装置
【課題】放電加工にて直線状の横穴を形成可能にするとともに、加工部に加工液を確実に供給可能にする。
【解決手段】電極2と支持体4をコイルばね3にて連結する。また、被加工物1の穴11に挿入されるガイド部材5には、電極2とコイルばね3と支持体4の進行方向をガイドする電極ガイド穴53を形成し、この電極ガイド穴53は、穴11と平行に延びた後に屈曲させる。コイルばね3は電極ガイド穴53の屈曲部位にて穴11に対して非平行な方向に曲げられ、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は直線状に復元して、コイルばね3の先端は屈曲部位にて曲げられた方向に直進し、直線状の横穴13が形成される。また、コイルばね3の外周を伸縮自在な筒状のカバーにて覆うことにより、コイルばね3の屈曲部位においてコイル間から加工液が漏れてしまうのを防止する。
【解決手段】電極2と支持体4をコイルばね3にて連結する。また、被加工物1の穴11に挿入されるガイド部材5には、電極2とコイルばね3と支持体4の進行方向をガイドする電極ガイド穴53を形成し、この電極ガイド穴53は、穴11と平行に延びた後に屈曲させる。コイルばね3は電極ガイド穴53の屈曲部位にて穴11に対して非平行な方向に曲げられ、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は直線状に復元して、コイルばね3の先端は屈曲部位にて曲げられた方向に直進し、直線状の横穴13が形成される。また、コイルばね3の外周を伸縮自在な筒状のカバーにて覆うことにより、コイルばね3の屈曲部位においてコイル間から加工液が漏れてしまうのを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1穴に対して横穴を形成する放電加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放電加工装置は、一端に電極が装着されるとともに曲げ部材により所定の曲率の曲がり形状が付与されたコイルばねをガイドパイプに収納し、ガイドパイプに対してコイルばねを被加工物の方向に送ることにより、コイルばねはガイドパイプから抜け出した部位が所定の曲率の円弧状になり、電極が円弧状に進んで被加工物に曲がり穴が形成されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−205523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ディーゼルエンジン用インジェクタのインジェクタボディには、ピエゾアクチュエータが収納される収納穴と、低圧の燃料を燃料タンク側に戻すためのリターン穴とが平行に形成されている。また、収納穴にリークした燃料を燃料タンク側に戻すために、収納穴とリターン穴とを小径の横穴で連通させることが検討されているが、この横穴は、収納穴から燃料リターン穴に向かって直線的に延びる穴であることが望ましい。
【0004】
しかしながら、上記した従来の装置では、曲がり穴になってしまい、直線的に延びる横穴を形成することはできない。
【0005】
また、曲がり穴であるため電極を回転して使用することはできない。そして、電極が回転しない場合、電極の先端に穴を明けるとそこが加工できなくなるため、電極の先端に加工液供給用の穴を明けることができず、加工液の供給が出来ない。この事から、加工時に発生する廃棄物(スラッジ)の排出不良や電極の冷却不足が発生し、極端にスローな加工しか出来ないという問題があった。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、放電加工にて直線状の横穴を形成可能にすることを主目的とする。また、加工部に加工液を確実に供給可能にすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴では、直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、電極(2)を回転させることにより、第1穴(11)に連通するとともに第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、一端側に電極(2)が装着されるとともに加工液を流通させるコイルばね(3)と、このコイルばね(3)の他端側に結合されるとともに加工液を流通させる筒状の支持体(4)と、コイルばね(3)の内周または外周に密着して配置され、コイルばね(3)の内周側空間と外周側空間とを気密的に隔てる伸縮自在な筒状のカバー(31)と、第1穴(11)に挿入固定されるとともに、第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して電極(2)とコイルばね(3)と支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えている。
【0008】
このような構成では、コイルばね(3)は電極ガイド穴(53)の屈曲部位にて第1穴(11)に対して非平行な方向に曲げられ、コイルばね(3)のうちガイド穴から抜け出した部位は直線状に復元して、コイルばね(3)の先端は屈曲部位にて曲げられた方向に直進する。したがって、コイルばね(3)の先端に装着された電極(2)も直線的に進み、放電加工にて直線状の横穴(13)を形成することができる。
【0009】
また、直線状の横穴(13)が形成されるため、電極(2)を回転して使用することができるとともに、電極の先端に加工液供給用の穴を明けて加工液を供給することができる。したがって、横穴(13)の加工速度を速くすることができる。
【0010】
さらに、カバー(31)を備えていない場合はコイルばね(3)の屈曲部位においてコイル間から加工液が漏れてしまうが、その漏れはカバー(31)にて防止されるため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0011】
本発明の第2の特徴では、直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、電極(2)を回転させることにより、第1穴(11)に連通するとともに第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、一端側に電極(2)が装着されたコイルばね(3)と、このコイルばね(3)の他端側に結合された筒状の支持体(4)と、コイルばね(3)および支持体(4)のうち少なくともコイルばね(3)の内周に配置されて加工液を流通させる屈曲自在なチューブ(9)と、第1穴(11)に挿入固定されるとともに、第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して電極(2)とコイルばね(3)と支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えている。
【0012】
このような構成では、本発明の第1の特徴と同様に、放電加工にて直線状の横穴(13)を形成することができるとともに、横穴(13)の加工速度を速くすることができる。
【0013】
また、コイルばね(3)を加工液流通のための部材として用いると、コイルばね(3)の屈曲部位においてコイル間から加工液が漏れてしまうが、本発明の第2の特徴ではチューブ(9)を設けることによりコイルばね(3)を加工液流通のための部材として用いないようにしているため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0014】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る放電加工装置を一部断面で示す図、図2は図1の要部の拡大断面図である。
【0016】
図1および図2に示すように、被加工物としてのディーゼルエンジン用インジェクタのインジェクタボディ1には、ピエゾアクチュエータ(図示せず)が収納される円柱形状の収納穴11と、低圧の燃料を燃料タンク(図示せず)側に戻すための円柱形状のリターン穴12とが、切削加工によって平行に形成されている。また、収納穴11とリターン穴12とを連通させる横穴13が、放電加工によって形成される。この横穴13を形成するために、電極2、コイルばね3、支持体4、およびガイド部材5等が用いられる。
【0017】
図3は電極2、コイルばね3および支持体4が一体化された状態を示す図、図4は電極2およびジョイント6の分解斜視図、図5はコイルばね3の屈曲状態の拡大断面図である。
【0018】
図3および図4に示すように、電極2は、銅合金等の導電材にて略半球形のカップ状に形成されており、開口端側の内周部に雌ねじ21が形成されるとともに、底部側には加工液を流通させるための供給穴22が複数個形成されている。コイルばね3は、ピアノ線にて形成された、密着巻きの円筒コイルばねである。
【0019】
電極2とコイルばね3は、ジョイント6により結合されている。このジョイント6は、銅合金等の導電材よりなるパイプ内にリード線7およびワイヤ8を挿入した後にかしめたものである。ジョイント6のかしめ後の形状は、その軸方向に沿って見た場合、3つの片61を有するY字形状になっている。隣接する2つの片61間に形成される溝62は、加工液を流通させる通路として機能する。各片61の頂部には雄ねじ63が形成され、この雄ねじ63と電極2の雌ねじ21とを螺合させるとともに、ジョイント6をコイルばね3に挿入することにより、電極2とコイルばね3が結合されている。
【0020】
支持体4は、銅合金等の導電材にて円筒に形成されており、一端がコイルばね3に挿入されてコイルばね3と結合されている。そして、加工液は、支持体4の内部、コイルばね3の内部、ジョイント6の溝62、および電極2の供給穴22を介して、放電加工部に供給されるようになっている。
【0021】
一端がジョイント6にかしめ固定されたリード線7およびワイヤ8は、コイルばね3の内部および支持体4の内部を通って、支持体4の端部から突出している。そして、リード線7は、図示しない放電加工用電源装置に接続されており、放電加工の電力は、その電源装置からリード線7およびジョイント6を介して電極2に供給される。また、ワイヤ8は、ピアノ線よりなり、図示しないばねに結合されてそのばねにより張力が与えられている。換言すると、ばねにより、電極2およびコイルばね3を支持体4側に引き寄せるようにしている。
【0022】
図5に示すように、コイルばね3の外周には伸縮自在な筒状のカバー31が密着して配置されており、このカバー31により、コイルばね3の内周側空間と外周側空間とが気密的に隔てられている。
【0023】
このカバー31は、樹脂コーティングにて形成される。具体的には、密着状態のコイルばね3の外周面に液状のコーティング材を吹きつけ、その後コーティング材を乾燥させてカバー31を形成する。なお、コーティング材としては、シリコンを主成分とするコーティング材(例えば、株式会社吉田SKT製のCMT−101)を用いることができる。
【0024】
ここで、電極2と一体に動くもの、すなわち、電極2、コイルばね3および支持体4を、以下、電極集合体2〜4という。そして、電極集合体2〜4は、図示しない駆動手段により、往復動および回転駆動されるようになっている。
【0025】
図6はガイド部材5を一部切り欠いて示す図、図7はガイド部材5の分解斜視図である。
【0026】
図1、図2、図6および図7に示すように、ガイド部材5は、樹脂等の絶縁材よりなり、インジェクタボディ1の収納穴11に挿入される円筒形状の筒状ガイド部51と、この筒状ガイド部51の一端側に位置し、インジェクタボディ1の端面に当接して位置決めされる平板の板状ガイド部52とを備えている。
【0027】
筒状ガイド部51および板状ガイド部52には、電極集合体2〜4が侵入して電極集合体2〜4の進行方向をガイドする断面が円形の電極ガイド穴53が形成されている。この電極ガイド穴53は、板状ガイド部52の端面から筒状ガイド部51の他端側に向かってインジェクタボディ1の収納穴11と略平行に延びた後に、筒状ガイド部51の他端側付近で90°屈曲して、筒状ガイド部51の他端側付近の外周側面に開口している。
【0028】
電極ガイド穴53の内径は、電極集合体2〜4の最大外径よりも僅かに大きく設定されており、電極ガイド穴53と電極集合体2〜4との間の隙間は、加工液の戻り通路として機能する。
【0029】
図7に示すように、ガイド部材5は、電極ガイド穴53を中心にして分割された2つの分割体5A、5Bを図示しないボルトにて結合して構成されている。このように、電極ガイド穴53を中心にして分割することにより、電極ガイド穴53の加工が容易になる。なお、分割された一方のガイド部材5Aにはボルト通し穴54が形成され、他方のガイド部材5Bにはボルトが螺合される雌ねじ55が形成されている。
【0030】
次に、インジェクタボディ1の横穴13の加工について説明する。なお、横穴13の加工を行う前に、インジェクタボディ1の収納穴11とリターン穴12は切削加工によって形成されている。
【0031】
まず、電極集合体2〜4をガイド部材5の電極ガイド穴53に挿入し、電極2が電極ガイド穴53の開口端に達するまで電極集合体2〜4を進める。この状態では、電極ガイド穴53の屈曲部位にてコイルばね3の中間部が90°曲げられている。
【0032】
続いて、図1に示すように、ガイド部材5の板状ガイド部52がインジェクタボディ1の端面に当接する位置まで、ガイド部材5の筒状ガイド部51を収納穴11に挿入する。
【0033】
続いて、放電加工部への加工液の供給を開始し、電極集合体2〜4を回転させつつ前進させて、インジェクタボディ1と電極2との間で放電させる。これにより、横穴13が形成される。
【0034】
ここで、コイルばね3は電極ガイド穴53の屈曲部位にて収納穴11に対して略垂直な方向に曲げられ、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は直線状に復元して、コイルばね3の先端側(電極2側)は屈曲部位にて曲げられた方向に直進する。したがって、コイルばね3の先端に装着された電極2も収納穴11に対して略垂直な方向に直線的に進み、収納穴11に対して略垂直な(すなわち、収納穴11に対して非平行な)直線状の横穴13が形成される。
【0035】
また、コイルばね3は密着巻きであるため、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は、直線状の形状が復元・維持され易く、直線的な横穴13を確実に形成することができる。
【0036】
また、ワイヤ8に結合されたばねにより電極2およびコイルばね3を支持体4側に引き寄せるようにしているため、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は、隣接するコイル同士が確実に密着して直線状の形状がより確実に復元・維持される。
【0037】
また、加工液は、支持体4の内部、コイルばね3の内部、ジョイント6の溝62、および電極2の供給穴22を介して、放電加工部に供給されるため、電極2の冷却不足が解消される。また、加工時に発生するスラッジは加工液とともに、電極ガイド穴53と電極集合体2〜4との間の隙間を介してガイド部材5の外に排出される。したがって、スラッジの排出不良や電極の冷却不足を解消して、横穴13の加工速度を速くすることができる。
【0038】
また、カバー31を備えていない場合はコイルばね3の屈曲部位においてコイル間からコイルばね3の外周側空間へ加工液が漏れてしまうが、その漏れはカバー31にて防止されるため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0039】
また、電極集合体2〜4を回転させるため、横穴13の表面粗さや真円度を小さくすることができる。
【0040】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図8は第2実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3を示す断面図である。
【0041】
上記実施形態では、コイルばね3の外周にカバー31を配置したが、図8に示すように、コイルばね3の内周にカバー31を配置してもよい。そして、このカバー31により、コイルばね3の内周側空間と外周側空間とが気密的に隔てられるため、コイルばね3のコイル間からコイルばね3の外周側空間へ加工液が漏れるのを防止することができる。
【0042】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図9は第3実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3およびチューブ9を示す断面図、図10はチューブ9とジョイント6の結合構造を示す分解斜視図である。
【0043】
本実施形態は、上記各実施形態におけるカバー31の代わりに、チューブ9を用いたものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
図9、図10に示すように、屈曲自在なビニール製のチューブ9が、コイルばね3の内周に配置されている。このチューブ9の一端側は支持体4(図1参照)の端部に気密的に接続され、チューブ9の他端側にジョイント6の端部が圧入固定されている。より詳細には、ジョイント6は、各片61の頂部の一部が切り欠かれて切り欠き部64が形成され、各片61における切り欠き部64が形成された部位がチューブ9に圧入される。
【0045】
リード線7およびワイヤ8は、チューブ9の内部および支持体4の内部を通って、支持体4の端部から突出している。
【0046】
そして、加工液は、支持体4の内部、チューブ9の内部、ジョイント6の溝62、および電極2の供給穴22を介して、放電加工部に供給される。このように、チューブ9を設けることによりコイルばね3を加工液流通のための部材として用いないようにしているため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、チューブ9の一端側を支持体4の端部に気密的に接続したが、チューブ9は支持体4の内部を通って支持体4の端部から突出していてもよい。
【0048】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、樹脂コーティングにてカバー31を形成したが、コイルばね3の外周にカバーとしてのゴムチューブを被せてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ピアノ線よりなるワイヤ8を用いたが、図11に示すように、ワイヤ8は、ピアノ線よりなる芯線81の外周に、例えば銅メッキにて形成した導電性のコート層82を設けてもよい。これによると、放電加工の電力はコート層82を介しても電極2に供給されることになり、全体の電気抵抗を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係る放電加工装置を一部断面で示す図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】第1実施形態の電極2、コイルばね3および支持体4が一体化された状態を示す図である。
【図4】第1実施形態の電極2およびジョイント6の分解斜視図である。
【図5】第1実施形態のコイルばね3の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【図6】第1実施形態のガイド部材5を一部切り欠いて示す図である。
【図7】第1実施形態のガイド部材5の分解斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3およびチューブ9を示す断面図である。
【図10】第3実施形態のチューブ9とジョイント6の結合構造を示す分解斜視図である。
【図11】ワイヤ8の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…インジェクタボディ(被加工物)、2…電極、3…コイルばね、4…支持体、5…ガイド部材、11…収納穴(第1穴)、13…横穴、22…供給穴、31…カバー、53…電極ガイド穴。
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1穴に対して横穴を形成する放電加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放電加工装置は、一端に電極が装着されるとともに曲げ部材により所定の曲率の曲がり形状が付与されたコイルばねをガイドパイプに収納し、ガイドパイプに対してコイルばねを被加工物の方向に送ることにより、コイルばねはガイドパイプから抜け出した部位が所定の曲率の円弧状になり、電極が円弧状に進んで被加工物に曲がり穴が形成されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−205523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ディーゼルエンジン用インジェクタのインジェクタボディには、ピエゾアクチュエータが収納される収納穴と、低圧の燃料を燃料タンク側に戻すためのリターン穴とが平行に形成されている。また、収納穴にリークした燃料を燃料タンク側に戻すために、収納穴とリターン穴とを小径の横穴で連通させることが検討されているが、この横穴は、収納穴から燃料リターン穴に向かって直線的に延びる穴であることが望ましい。
【0004】
しかしながら、上記した従来の装置では、曲がり穴になってしまい、直線的に延びる横穴を形成することはできない。
【0005】
また、曲がり穴であるため電極を回転して使用することはできない。そして、電極が回転しない場合、電極の先端に穴を明けるとそこが加工できなくなるため、電極の先端に加工液供給用の穴を明けることができず、加工液の供給が出来ない。この事から、加工時に発生する廃棄物(スラッジ)の排出不良や電極の冷却不足が発生し、極端にスローな加工しか出来ないという問題があった。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、放電加工にて直線状の横穴を形成可能にすることを主目的とする。また、加工部に加工液を確実に供給可能にすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴では、直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、電極(2)を回転させることにより、第1穴(11)に連通するとともに第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、一端側に電極(2)が装着されるとともに加工液を流通させるコイルばね(3)と、このコイルばね(3)の他端側に結合されるとともに加工液を流通させる筒状の支持体(4)と、コイルばね(3)の内周または外周に密着して配置され、コイルばね(3)の内周側空間と外周側空間とを気密的に隔てる伸縮自在な筒状のカバー(31)と、第1穴(11)に挿入固定されるとともに、第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して電極(2)とコイルばね(3)と支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えている。
【0008】
このような構成では、コイルばね(3)は電極ガイド穴(53)の屈曲部位にて第1穴(11)に対して非平行な方向に曲げられ、コイルばね(3)のうちガイド穴から抜け出した部位は直線状に復元して、コイルばね(3)の先端は屈曲部位にて曲げられた方向に直進する。したがって、コイルばね(3)の先端に装着された電極(2)も直線的に進み、放電加工にて直線状の横穴(13)を形成することができる。
【0009】
また、直線状の横穴(13)が形成されるため、電極(2)を回転して使用することができるとともに、電極の先端に加工液供給用の穴を明けて加工液を供給することができる。したがって、横穴(13)の加工速度を速くすることができる。
【0010】
さらに、カバー(31)を備えていない場合はコイルばね(3)の屈曲部位においてコイル間から加工液が漏れてしまうが、その漏れはカバー(31)にて防止されるため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0011】
本発明の第2の特徴では、直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、電極(2)を回転させることにより、第1穴(11)に連通するとともに第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、一端側に電極(2)が装着されたコイルばね(3)と、このコイルばね(3)の他端側に結合された筒状の支持体(4)と、コイルばね(3)および支持体(4)のうち少なくともコイルばね(3)の内周に配置されて加工液を流通させる屈曲自在なチューブ(9)と、第1穴(11)に挿入固定されるとともに、第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して電極(2)とコイルばね(3)と支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えている。
【0012】
このような構成では、本発明の第1の特徴と同様に、放電加工にて直線状の横穴(13)を形成することができるとともに、横穴(13)の加工速度を速くすることができる。
【0013】
また、コイルばね(3)を加工液流通のための部材として用いると、コイルばね(3)の屈曲部位においてコイル間から加工液が漏れてしまうが、本発明の第2の特徴ではチューブ(9)を設けることによりコイルばね(3)を加工液流通のための部材として用いないようにしているため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0014】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る放電加工装置を一部断面で示す図、図2は図1の要部の拡大断面図である。
【0016】
図1および図2に示すように、被加工物としてのディーゼルエンジン用インジェクタのインジェクタボディ1には、ピエゾアクチュエータ(図示せず)が収納される円柱形状の収納穴11と、低圧の燃料を燃料タンク(図示せず)側に戻すための円柱形状のリターン穴12とが、切削加工によって平行に形成されている。また、収納穴11とリターン穴12とを連通させる横穴13が、放電加工によって形成される。この横穴13を形成するために、電極2、コイルばね3、支持体4、およびガイド部材5等が用いられる。
【0017】
図3は電極2、コイルばね3および支持体4が一体化された状態を示す図、図4は電極2およびジョイント6の分解斜視図、図5はコイルばね3の屈曲状態の拡大断面図である。
【0018】
図3および図4に示すように、電極2は、銅合金等の導電材にて略半球形のカップ状に形成されており、開口端側の内周部に雌ねじ21が形成されるとともに、底部側には加工液を流通させるための供給穴22が複数個形成されている。コイルばね3は、ピアノ線にて形成された、密着巻きの円筒コイルばねである。
【0019】
電極2とコイルばね3は、ジョイント6により結合されている。このジョイント6は、銅合金等の導電材よりなるパイプ内にリード線7およびワイヤ8を挿入した後にかしめたものである。ジョイント6のかしめ後の形状は、その軸方向に沿って見た場合、3つの片61を有するY字形状になっている。隣接する2つの片61間に形成される溝62は、加工液を流通させる通路として機能する。各片61の頂部には雄ねじ63が形成され、この雄ねじ63と電極2の雌ねじ21とを螺合させるとともに、ジョイント6をコイルばね3に挿入することにより、電極2とコイルばね3が結合されている。
【0020】
支持体4は、銅合金等の導電材にて円筒に形成されており、一端がコイルばね3に挿入されてコイルばね3と結合されている。そして、加工液は、支持体4の内部、コイルばね3の内部、ジョイント6の溝62、および電極2の供給穴22を介して、放電加工部に供給されるようになっている。
【0021】
一端がジョイント6にかしめ固定されたリード線7およびワイヤ8は、コイルばね3の内部および支持体4の内部を通って、支持体4の端部から突出している。そして、リード線7は、図示しない放電加工用電源装置に接続されており、放電加工の電力は、その電源装置からリード線7およびジョイント6を介して電極2に供給される。また、ワイヤ8は、ピアノ線よりなり、図示しないばねに結合されてそのばねにより張力が与えられている。換言すると、ばねにより、電極2およびコイルばね3を支持体4側に引き寄せるようにしている。
【0022】
図5に示すように、コイルばね3の外周には伸縮自在な筒状のカバー31が密着して配置されており、このカバー31により、コイルばね3の内周側空間と外周側空間とが気密的に隔てられている。
【0023】
このカバー31は、樹脂コーティングにて形成される。具体的には、密着状態のコイルばね3の外周面に液状のコーティング材を吹きつけ、その後コーティング材を乾燥させてカバー31を形成する。なお、コーティング材としては、シリコンを主成分とするコーティング材(例えば、株式会社吉田SKT製のCMT−101)を用いることができる。
【0024】
ここで、電極2と一体に動くもの、すなわち、電極2、コイルばね3および支持体4を、以下、電極集合体2〜4という。そして、電極集合体2〜4は、図示しない駆動手段により、往復動および回転駆動されるようになっている。
【0025】
図6はガイド部材5を一部切り欠いて示す図、図7はガイド部材5の分解斜視図である。
【0026】
図1、図2、図6および図7に示すように、ガイド部材5は、樹脂等の絶縁材よりなり、インジェクタボディ1の収納穴11に挿入される円筒形状の筒状ガイド部51と、この筒状ガイド部51の一端側に位置し、インジェクタボディ1の端面に当接して位置決めされる平板の板状ガイド部52とを備えている。
【0027】
筒状ガイド部51および板状ガイド部52には、電極集合体2〜4が侵入して電極集合体2〜4の進行方向をガイドする断面が円形の電極ガイド穴53が形成されている。この電極ガイド穴53は、板状ガイド部52の端面から筒状ガイド部51の他端側に向かってインジェクタボディ1の収納穴11と略平行に延びた後に、筒状ガイド部51の他端側付近で90°屈曲して、筒状ガイド部51の他端側付近の外周側面に開口している。
【0028】
電極ガイド穴53の内径は、電極集合体2〜4の最大外径よりも僅かに大きく設定されており、電極ガイド穴53と電極集合体2〜4との間の隙間は、加工液の戻り通路として機能する。
【0029】
図7に示すように、ガイド部材5は、電極ガイド穴53を中心にして分割された2つの分割体5A、5Bを図示しないボルトにて結合して構成されている。このように、電極ガイド穴53を中心にして分割することにより、電極ガイド穴53の加工が容易になる。なお、分割された一方のガイド部材5Aにはボルト通し穴54が形成され、他方のガイド部材5Bにはボルトが螺合される雌ねじ55が形成されている。
【0030】
次に、インジェクタボディ1の横穴13の加工について説明する。なお、横穴13の加工を行う前に、インジェクタボディ1の収納穴11とリターン穴12は切削加工によって形成されている。
【0031】
まず、電極集合体2〜4をガイド部材5の電極ガイド穴53に挿入し、電極2が電極ガイド穴53の開口端に達するまで電極集合体2〜4を進める。この状態では、電極ガイド穴53の屈曲部位にてコイルばね3の中間部が90°曲げられている。
【0032】
続いて、図1に示すように、ガイド部材5の板状ガイド部52がインジェクタボディ1の端面に当接する位置まで、ガイド部材5の筒状ガイド部51を収納穴11に挿入する。
【0033】
続いて、放電加工部への加工液の供給を開始し、電極集合体2〜4を回転させつつ前進させて、インジェクタボディ1と電極2との間で放電させる。これにより、横穴13が形成される。
【0034】
ここで、コイルばね3は電極ガイド穴53の屈曲部位にて収納穴11に対して略垂直な方向に曲げられ、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は直線状に復元して、コイルばね3の先端側(電極2側)は屈曲部位にて曲げられた方向に直進する。したがって、コイルばね3の先端に装着された電極2も収納穴11に対して略垂直な方向に直線的に進み、収納穴11に対して略垂直な(すなわち、収納穴11に対して非平行な)直線状の横穴13が形成される。
【0035】
また、コイルばね3は密着巻きであるため、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は、直線状の形状が復元・維持され易く、直線的な横穴13を確実に形成することができる。
【0036】
また、ワイヤ8に結合されたばねにより電極2およびコイルばね3を支持体4側に引き寄せるようにしているため、コイルばね3のうちガイド穴53から抜け出した部位は、隣接するコイル同士が確実に密着して直線状の形状がより確実に復元・維持される。
【0037】
また、加工液は、支持体4の内部、コイルばね3の内部、ジョイント6の溝62、および電極2の供給穴22を介して、放電加工部に供給されるため、電極2の冷却不足が解消される。また、加工時に発生するスラッジは加工液とともに、電極ガイド穴53と電極集合体2〜4との間の隙間を介してガイド部材5の外に排出される。したがって、スラッジの排出不良や電極の冷却不足を解消して、横穴13の加工速度を速くすることができる。
【0038】
また、カバー31を備えていない場合はコイルばね3の屈曲部位においてコイル間からコイルばね3の外周側空間へ加工液が漏れてしまうが、その漏れはカバー31にて防止されるため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0039】
また、電極集合体2〜4を回転させるため、横穴13の表面粗さや真円度を小さくすることができる。
【0040】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図8は第2実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3を示す断面図である。
【0041】
上記実施形態では、コイルばね3の外周にカバー31を配置したが、図8に示すように、コイルばね3の内周にカバー31を配置してもよい。そして、このカバー31により、コイルばね3の内周側空間と外周側空間とが気密的に隔てられるため、コイルばね3のコイル間からコイルばね3の外周側空間へ加工液が漏れるのを防止することができる。
【0042】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図9は第3実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3およびチューブ9を示す断面図、図10はチューブ9とジョイント6の結合構造を示す分解斜視図である。
【0043】
本実施形態は、上記各実施形態におけるカバー31の代わりに、チューブ9を用いたものである。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
図9、図10に示すように、屈曲自在なビニール製のチューブ9が、コイルばね3の内周に配置されている。このチューブ9の一端側は支持体4(図1参照)の端部に気密的に接続され、チューブ9の他端側にジョイント6の端部が圧入固定されている。より詳細には、ジョイント6は、各片61の頂部の一部が切り欠かれて切り欠き部64が形成され、各片61における切り欠き部64が形成された部位がチューブ9に圧入される。
【0045】
リード線7およびワイヤ8は、チューブ9の内部および支持体4の内部を通って、支持体4の端部から突出している。
【0046】
そして、加工液は、支持体4の内部、チューブ9の内部、ジョイント6の溝62、および電極2の供給穴22を介して、放電加工部に供給される。このように、チューブ9を設けることによりコイルばね3を加工液流通のための部材として用いないようにしているため、加工部に加工液を確実に供給することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、チューブ9の一端側を支持体4の端部に気密的に接続したが、チューブ9は支持体4の内部を通って支持体4の端部から突出していてもよい。
【0048】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、樹脂コーティングにてカバー31を形成したが、コイルばね3の外周にカバーとしてのゴムチューブを被せてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ピアノ線よりなるワイヤ8を用いたが、図11に示すように、ワイヤ8は、ピアノ線よりなる芯線81の外周に、例えば銅メッキにて形成した導電性のコート層82を設けてもよい。これによると、放電加工の電力はコート層82を介しても電極2に供給されることになり、全体の電気抵抗を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態に係る放電加工装置を一部断面で示す図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】第1実施形態の電極2、コイルばね3および支持体4が一体化された状態を示す図である。
【図4】第1実施形態の電極2およびジョイント6の分解斜視図である。
【図5】第1実施形態のコイルばね3の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【図6】第1実施形態のガイド部材5を一部切り欠いて示す図である。
【図7】第1実施形態のガイド部材5の分解斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3を示す断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る放電加工装置におけるコイルばね3およびチューブ9を示す断面図である。
【図10】第3実施形態のチューブ9とジョイント6の結合構造を示す分解斜視図である。
【図11】ワイヤ8の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1…インジェクタボディ(被加工物)、2…電極、3…コイルばね、4…支持体、5…ガイド部材、11…収納穴(第1穴)、13…横穴、22…供給穴、31…カバー、53…電極ガイド穴。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、前記電極(2)を回転させることにより、前記第1穴(11)に連通するとともに前記第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、
一端側に前記電極(2)が装着されるとともに加工液を流通させるコイルばね(3)と、
このコイルばね(3)の他端側に結合されるとともに加工液を流通させる筒状の支持体(4)と、
前記コイルばね(3)の内周または外周に密着して配置され、前記コイルばね(3)の内周側空間と外周側空間とを気密的に隔てる伸縮自在な筒状のカバー(31)と、
前記第1穴(11)に挿入固定されるとともに、前記第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して前記電極(2)と前記コイルばね(3)と前記支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えることを特徴とする放電加工装置。
【請求項2】
前記カバー(31)は、樹脂コーティングにて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
【請求項3】
直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工
液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、前記電極(2)を回転させることにより、前記第1穴(11)に連通するとともに前記第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、
一端側に前記電極(2)が装着されたコイルばね(3)と、
このコイルばね(3)の他端側に結合された筒状の支持体(4)と、
前記コイルばね(3)および前記支持体(4)のうち少なくとも前記コイルばね(3)の内周に配置されて加工液を流通させる屈曲自在なチューブ(9)と、
前記第1穴(11)に挿入固定されるとともに、前記第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して前記電極(2)と前記コイルばね(3)と前記支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えることを特徴とする放電加工装置。
【請求項1】
直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、前記電極(2)を回転させることにより、前記第1穴(11)に連通するとともに前記第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、
一端側に前記電極(2)が装着されるとともに加工液を流通させるコイルばね(3)と、
このコイルばね(3)の他端側に結合されるとともに加工液を流通させる筒状の支持体(4)と、
前記コイルばね(3)の内周または外周に密着して配置され、前記コイルばね(3)の内周側空間と外周側空間とを気密的に隔てる伸縮自在な筒状のカバー(31)と、
前記第1穴(11)に挿入固定されるとともに、前記第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して前記電極(2)と前記コイルばね(3)と前記支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えることを特徴とする放電加工装置。
【請求項2】
前記カバー(31)は、樹脂コーティングにて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
【請求項3】
直線状の第1穴(11)が形成された被加工物(1)と加工
液を流通させる供給穴(22)が形成された電極(2)との間で放電させるとともに、前記電極(2)を回転させることにより、前記第1穴(11)に連通するとともに前記第1穴(11)に対して非平行な直線状の横穴(13)を形成する放電加工装置であって、
一端側に前記電極(2)が装着されたコイルばね(3)と、
このコイルばね(3)の他端側に結合された筒状の支持体(4)と、
前記コイルばね(3)および前記支持体(4)のうち少なくとも前記コイルばね(3)の内周に配置されて加工液を流通させる屈曲自在なチューブ(9)と、
前記第1穴(11)に挿入固定されるとともに、前記第1穴(11)と平行に延びた後に屈曲して前記電極(2)と前記コイルばね(3)と前記支持体(4)の進行方向をガイドする電極ガイド穴(53)が形成されたガイド部材(5)とを備えることを特徴とする放電加工装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−302460(P2008−302460A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151286(P2007−151286)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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