説明

放電装置

【課題】短命活性種と長命活性種のそれぞれの特徴を生かし、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることを可能とする放電装置を提供すること。
【解決手段】この放電装置DA1は、気中放電の放電発光高さが第一の高さとなる第一の放電と、気中放電の放電発光高さが第二の高さとなる第二の放電とを交互に発生させるものであって、第一の高さを第二の高さよりも高くすることで、第一の放電によって発生する活性種は第二の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が短い短命活性種を多く含む一方で、第二の放電によって発生する活性種は第一の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が長い長命活性種を多く含むように、発生する活性種の態様を変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液界面近傍で気中放電を発生させることで気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種を発生させる放電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中放電を発生させることで水の改質を行うことが提案されている(下記特許文献1参照)。下記特許文献1に記載の放電装置は、水中での放電によりこの水を改質するようになっている。具体的な構成としては、放電容器内の水に非接触状態で対向配置された電極に正負反転の非対称な波形を有する交流パルス電圧を印加し、電位反転の際に誘起されて放電容器内に発生する電場により水中放電を行うようになっている。そして、この構成によって水中での水を改質して高酸化性水を得るようにしている。
【0003】
ところで、下記特許文献1に記載の放電装置では、印加する電圧を、パルス波形の先行する一方の極性の持続時間を水分子の双極子モーメントの応答に合わせて比較的長くし、それに続く他方の極性への反転時間を、分極磁場の保存のため比較的短い時間で急峻に変化するような非対称波形にすることが必要である。そのため、そのような複雑な電圧波形を作るには、電源装置が大型化するという解決すべき課題があった。
【0004】
そこで、下記特許文献2では、簡易な構成で、気体、液体、又は固体の浄化や改質を可能とした放電装置を提供するものとしている。具体的には、交流電源と、交流電源の各端部に接続された電極とを有し、電極のうち一方の電極の少なくとも一部の領域が誘電体で覆われ、この誘電体と他方の電極との間に液体が介在し、誘電体と液体の液面とが接する部分において誘電体と液体間をその周囲の気体を介して放電させることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−9463号公報
【特許文献2】特開2009−22885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2に記載の放電装置は、電極と液体との間に誘電体を介在させて気中放電を行い、空気由来又は水由来の殺菌性を有する活性種としての殺菌ミスト(オゾン(O3)、過酸化水素(H22)、ヒドロキシラジカル(・OH)等)を発生させるものであって、簡易な構成で対象物の殺菌を行うことができる極めて有用な技術である。
【0007】
ところで、空気由来又は水由来の活性種には、活性寿命が比較的短い短命活性種としてのヒドロキシラジカル(・OH)と、活性寿命が比較的長い長命活性種としてのオゾン(O3)や過酸化水素(H22)がある。殺菌性の高さの観点からは、短命活性種の殺菌性が高く優位性があるものの、その殺菌性の高さを担保する活性の高さ故に活性寿命が短いという特徴がある。一方、長命活性種は活性寿命が比較的長く、殺菌性を長く保てるものの、その殺菌性は短命活性種に比較して高いものとはいえない。
【0008】
そこで、これら短命活性種と長命活性種のそれぞれの特徴を生かすように、放電装置において発生させる活性種の発生態様をコントロールできれば、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることができるものと本発明者らは考えたものである。
【0009】
本発明はこのような課題及び知見に基づいてなされたものであり、その目的は、短命活性種と長命活性種のそれぞれの特徴を生かし、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることを可能とする放電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る放電装置は、気液界面近傍で気中放電を発生させることで気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種を発生させる放電装置であって、液体を貯留するための貯水部を有し、底面に立設されることで前記貯水部を形成する側壁の少なくとも一部が誘電性を有する誘電性領域として形成されている貯水槽と、前記側壁を挟んで前記貯水部内に対向するように前記誘電性領域に当接して設けられ、交流電圧が印加可能なように構成されている一対の電極と、前記一対の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、前記貯水部に貯留されている液体の気液界面近傍における気中放電によって発生する、気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種の態様を変化させる活性種変容手段と、を備えている。活性種変容手段は、前記気中放電の放電発光高さが第一の高さとなる第一の放電と、前記気中放電の放電発光高さが第二の高さとなる第二の放電とを交互に発生させるものである。活性種変容手段は、前記第一の高さを前記第二の高さよりも高くすることで、前記第一の放電によって発生する活性種は前記第二の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が短い短命活性種を多く含む一方で、前記第二の放電によって発生する活性種は前記第一の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が長い長命活性種を多く含むように、発生する活性種の態様を変化させる。
【0011】
本発明に係る放電装置は、貯水部に貯留されている液体の気液界面近傍における気中放電によって発生する、気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種の態様を変化させる活性種変容手段を備え、活性種変容手段は、気中放電の放電発光高さが第一の高さとなる第一の放電と、気中放電の放電発光高さが第二の高さとなる第二の放電とを交互に発生させるものである。従って、放電発光高さが互いに異なる第一の放電と第二の放電とを交互に発生させることができ、それぞれの放電態様に応じた活性種が生成されるように構成されている。
【0012】
活性種変容手段は、第一の高さが第二の高さよりも高くなるように、第一の放電と第二の放電とを交互に発生させるので、第一の放電と第二の放電とで放電態様の異なる気中放電を発生させることができる。このような放電態様の異なる第一の放電と第二の放電とを交互に発生させることで、第一の放電によって発生する活性種は第二の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が短い短命活性種を多く含む一方で、第二の放電によって発生する活性種は第一の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が長い長命活性種を多く含むように、発生する活性種の態様を変化させることができる。
【0013】
従って、殺菌性の高い短命活性種を多く発生させる第一の放電と、持続性の高い長命活性種を多く発生させる第二の放電とを交互に発生させることで、短命活性種による殺菌力の高いフェーズと、長命活性種による殺菌持続力の高いフェーズとを放電期間全体を通して混在させることができ、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることを可能とする放電装置を提供することができる。
【0014】
また本発明に係る放電装置では、前記活性種変容手段は、前記貯水部に貯留される液体の中央近傍の液面に対する、前記側壁の前記誘電性領域における液面の上昇量を変動させるものであって、当該変動によって、前記第一の高さを前記第二の高さよりも高くすることも好ましい。
【0015】
この好ましい態様では、活性種変容手段は、貯水部に貯留される液体の中央近傍の液面に対する、側壁の誘電性領域における液面の上昇量を変動させるので、側壁の誘電性領域に形成される薄い水膜の高さを変動させることができる。従って、放電が起きる領域における水膜の高さを変動させることで、第一の高さを第二の高さよりも高くすることができる。このように気中放電を発生させるための液体を利用して、第一の放電と第二の放電との放電態様を異ならせることができるので、側壁における液面の上昇量を異ならせるという簡単な構成で、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させた放電装置を提供することができる。
【0016】
また本発明に係る放電装置では、前記活性種変容手段は、前記電圧印加手段が前記一対の電極に印加する電圧を制御するものであって、前記一対の電極に印加する電圧を変動させることで、前記誘電性領域における液面の上昇量を変動させることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、一対の電極に印加する電圧を変動させることで、誘電性領域における液面の上昇量を変動させるので、一対の電極に印加する電圧を変動させるという簡易な手法で液面の上昇量を変動させ、第一の放電と第二の放電との放電態様を異ならせることができる。
【0018】
また本発明に係る放電装置では、前記活性種変容手段は、前記第一の放電及び前記第二の放電を発生させるために第一の期間継続して前記一対の電極に電圧を印加させ、前記第一の期間の後に第二の期間継続して前記一対の電極への電圧の印加を停止するように前記電圧印加手段を制御するものであって、前記第一の期間と前記第二の期間とが交互に到来するように前記電圧印加手段を制御することも好ましい。
【0019】
この好ましい態様によれば、一対の電極に電圧を印加する第一の期間と、一対の電極に電圧を印加しない第二の期間とが交互に到来するようにし、第一の期間において第一の放電と第二の放電とを発生させている。従って、一対の電極への電圧の印加を行ったり停止したりといった簡単な通電制御を行うことで、第一の期間と第二の期間とを交互に到来させ、第一の放電及び第二の放電を簡易に発生させることができる。
【0020】
また本発明に係る放電装置では、前記活性種変容手段は、前記第一の期間における前記第一の放電が行われている時間と前記第二の放電が行われている時間とが略同一となるように、前記電圧印加手段を制御することも好ましい。
【0021】
この好ましい態様によれば、殺菌性が高い短命活性種が生成される第一の放電が行われている時間と、持続力の高い殺菌性を有する長命活性種が生成される第二の放電が行われている時間とが、略同一となるように通電制御されるので、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることができる。
【0022】
また本発明に係る放電装置では、前記活性種変容手段は、前記第一の期間よりも前記第二の期間が長くなるように前記電圧印加手段を制御することも好ましい。
【0023】
この好ましい態様によれば、第一の放電及び第二の放電が行われる第一の期間よりも、第二の期間が長くなるように一対の電極への電圧の印加を制御するので、放電の準備期間としての第二の期間を十分に長く確保することができる。従って、第一の期間における第一の放電を十分に行うことができ、必要十分な量の短命活性種を発生させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、短命活性種と長命活性種のそれぞれの特徴を生かし、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることを可能とする放電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る放電装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す放電装置を用いて殺菌ミストを発生させる動作を示すタイミングチャートである。
【図3】図1に示す放電装置の気液界面の様子を示す部分拡大図である。
【図4】図1に示す放電装置の気液界面の様子を示す部分拡大図である。
【図5】図3に示す状態において、実際に放電させた場合の状況を示す図である。
【図6】図4に示す状態において、実際に放電させた場合の状況を示す図である。
【図7】図1に示す放電装置の殺菌能力を実証した実験結果を示す図である。
【図8】図1に示す放電装置の変形例としての放電装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0027】
本発明の実施形態に係る放電装置について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る放電装置DA1の概略構成図である。図1に示されるように、放電装置DA1は、貯水槽10と、一対の電極21及び電極22と、交流電源PS(電圧印加手段)と、制御ユニットCU(活性種変容手段)とを備えている。尚、図1を参照しながら説明するに際して、xy平面が図に沿って広がるように横方向にx軸及び縦方向にy軸をそれぞれ設定すると共に、図を貫く方向にz軸を設定し、それらを適宜用いながら説明する。
【0028】
貯水槽10は、側壁101と、側壁102と、底面103とを有している。底面103は略長方形状の板状部材であって、図1におけるzx平面に沿って配置されている。側壁101は、底面103の一辺からy軸方向に沿って立ち上がるように立設される略長方形状の板状部材である。側壁102は、側壁101と対向するように配置される側壁であって、側壁101が立設されてなる底面103の一辺に対向する他辺から、y軸方向に沿って立ち上がるように立設される略長方形状の板状部材である。また、貯水槽10は、底面103の他の辺から立ち上がる側壁を一対有しており、その一対の側壁は側壁101と側壁102との一端同士及び他端同士を繋ぐように配置されている。このような構成によって、貯水槽10は直方体形状であって上方が開放された容器を構成し、水Wを貯留することが可能な貯水部100を形成している。
【0029】
側壁101の外側表面には電極21が密着するように取り付けられており、側壁102の外側表面には電極22が密着するように取り付けられている。本実施形態の場合、側壁101及び側壁102は誘電性材料によって形成されており、全体として誘電性を有するように構成されている。もっとも、誘電性を有する誘電性領域は電極21及び電極22と当接する領域に形成されていれば足りるので、側壁101の領域101a及び側壁102の領域102aのみを誘電性材料によって構成することも好ましいものである。電極21及び電極22は同形状の金属材料によって構成されており、y軸方向の高さが同一となるように配置されている。
【0030】
交流電源PSは、高圧の交流電源であって、電極21と電極22との間に電圧を印加可能なように、電極21及び電極22のそれぞれに接続されている。交流電源PSは、制御ユニットCUから出力される指示信号に基づいて、電極21と電極22との間に電圧を印加するように構成されている。
【0031】
制御ユニットCUは、CPUといった演算装置、RAMやROMといった記憶装置、及びリアルタイムクロックやインターバルタイマーといった計時装置を有していると共に、外部と信号の授受をするためのインターフェイスを有している。制御ユニットCUは、交流電源PSに対して動作信号を出力する。
【0032】
この放電装置DA1において、貯水部100内の領域101a,102aに対応する高さに水面が位置するように水Wを貯留し、電極21と電極22との間に交流電圧を印加すると、気液界面近傍で気中放電を発生させることができ、気体(空気)又は液体(水)由来の殺菌性を有する活性種を発生させることができる。より具体的には、交流電源PSによって電極21と電極22との間に交流電圧を印加すると、領域101a及び領域102aにおける誘電体と水Wの水面とが接する部分において、その周囲の部分の空気Aを介して放電が生じる。この気中放電によって、空気A中の酸素の一部がオゾン(O3)や酸素原子(O)、スーパーオキサイドアニオン(O2-)といった反応性に富んだ物質である活性種になる。また、それらの活性種が水Wと反応したり、あるいは水分子が直接的に放電の作用を受けたりすることで、ヒドロキラジカル(・OH)や過酸化水素(H22)といった活性種も生成される。これらの活性種は気体中に漂ったり、液体中に溶け込んだりして、気体中、液体中の物質を酸化(分解)や殺菌をし、気体、液体の浄化、改質が可能となる。また、気体や液体に含まれている臭気物質や汚染物質や黴菌が放電の作用を直接受け、他の物質に変化したり、殺菌されたりすることで、気体、液体の浄化、改質が行われる。
【0033】
また、貯水部100内の気体が空気の場合、放電により窒素酸化物(NOx)が生成し、それらが水Wに溶け込むことで硝酸(HNO3)になり、水が酸性水になる(水のpHが下がる)効果も期待できる。
【0034】
また、気体が空気、液体が水以外の場合でも、それらを形成する分子が放電により解離され、反応性に富んだ物質(例えばラジカル)となり、気体及び液体の浄化、改質が可能となる。更に放電部近傍の誘電体(領域101a,102aにおける側壁101,102)も放電の作用を直接受けたり、気体中や液体中で生成した活性種により、付着している物質(例えば汚れ)が除去(浄化)されたり、表面が親水化される等の改質をされる効果もある。このようにして、液体と誘電体との間の気体中で発生する放電により、液体、気体、又は固体の浄化や改質が可能となる。
【0035】
特に本実施形態に係る放電装置DA1では、一対の電極21,22への通電を制御することで、極めて反応性に富み殺菌性の高いヒドロキラジカル(・OH)といった活性種(短命活性種)と、反応性は比較的穏やかで殺菌力の持続性が高いオゾン(O3)や酸素原子(O)、スーパーオキサイドアニオン(O2-)、過酸化水素(H22)といった活性種(長命活性種)とをバランスよく発生させて、高い殺菌性能の発現と殺菌性能の維持とを両立させている。引き続いて、このように放電装置DA1を用いて殺菌性を有する活性種を発生させる動作を、図2に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。図2に示す動作は、主に制御ユニットCUが主体となって実行するものである。
【0036】
図2に示されるように、制御ユニットCUは、時刻t1から時刻t2までと、時刻t3から時刻t5までと、時刻t6から時刻t8までとのそれぞれで、一対の電極21,22に通電して電圧を印加する。制御ユニットCUは、時刻t1までと、時刻t2から時刻t3までと、時刻t5から時刻t6までと、時刻t8以降とのそれぞれで、一対の電極21,22への通電を停止する。本実施形態の場合、時刻t1から時刻2までは2秒、時刻t2から時刻t3までは10秒、時刻t3から時刻t5までは2秒、時刻t5から時刻t6までは10秒、時刻t6から時刻t8までは2秒に設定されている。
【0037】
時刻t1までは一対の電極21,22には通電していないので、放電装置DA1は初期状態となっている。水Wの状態も、通常の表面張力によって側壁101,102に沿ってやや上昇している。この状態を、側壁101側近傍を拡大して、図3に示す。図3では、時刻t1から時刻t2において、一対の電極21,22に通電した状態を示している。
【0038】
図3に示されるように、水Wは、通常の表面張力によって側壁101,102に沿ってやや上昇している。従って、貯水部100に貯留される水Wの中央近傍の水面WLaよりも、側壁101の領域101aにおける水Wの水面WLbはやや上方に位置している。一対の電極21,22に電圧を印加した場合の放電は、水Wが側壁101の領域101aに接している上端(水面WLbに相当する部分)と領域101aとの間で行われ、放電発光Saが生じる。水Wの水面WLaから放電発光Saの上端までの高さは、距離daとなっている。
【0039】
図3に示されるような放電発光Saが生じると、その放電発光Saが生じた部分はコロナ処理がされたのと同様に親水性が増大する。その結果、図4に示されるように、水Wは、通常の表面張力によって上昇する位置よりも、更に高い位置まで上昇する。図4では、時刻t2から時刻t3において、一対の電極21,22への通電を停止した後、時刻t3から時刻t4において、一対の電極21,22に通電した状態を示している。貯水部100に貯留される水Wの中央近傍の水面WLaよりも、側壁101の領域101aにおける水Wの水面WLcは上方に位置している。水面WLcと水面WLbとを比較すると、水面WLcが水面WLbよりもかなり上方に位置している。このように水面WLcがかなり上昇した状態で、一対の電極21,22に電圧を印加した場合の放電は、水Wが側壁101の領域101aに接している上端(水面WLcに相当する部分)と領域101aとの間で行われ、放電発光Sbが生じる。水Wの水面WLaから放電発光Sbの上端までの高さは、距離dbとなっている。
【0040】
図4に示されるような放電発光Sbが生じる場合、側壁101の領域101aに接している水膜は薄くなっているので、放電発光Sbの上下方向(y方向、水Wの水面から立ち上がる方向)の長さ(高さ)は、図3に示された放電発光Saの上下方向(y方向、水Wの水面から立ち上がる方向)の長さ(高さ)よりも長く(高く)なっている。また、水Wの水面WLaから放電発光Sbの上端までの高さである距離dbは、図3に示す水面WLaから放電発光Saの上端までの高さである距離daよりも長くなっている。図4に示されるような放電発光Sbによって、側壁101の領域101aに接している水は活性種となるように消費される。従って、図4に示されるような放電発光Sbは短時間で終了し、図3に示されるような放電発光Saに移行する。
【0041】
本実施形態の場合、時刻t3から時刻t5までの通電期間において、時刻t3から時刻t4までの1秒間は放電発光Sbが発生し、時刻t4から時刻t5までの1秒間は放電発光Saが発生している。同様に、時刻t6から時刻t8までの通電期間において、時刻t6から時刻t7までの1秒間は放電発光Sbが発生し、時刻t7から時刻t8までの1秒間は放電発光Saが発生している。
【0042】
ここで、実際の放電発光Sa及び放電発光Sbが起こっている写真を、図5及び図6として示す。図5は、放電発光Saが起きている状態を示し、図6は、放電発光Sbが起きている状態を示している。図5に示されるように、放電発光Saの上下方向(y方向)の長さ(高さ)Lsaは比較的短く且つ均一である。一方、図6に示されるように、放電発光Sbの上下方向(y方向)の長さ(高さ)Lsbは比較的長く且つ不均一である。従って、放電発光Sbにおいては、水に局所的に大きなエネルギーが付与され、より殺菌性が高く活性寿命が短いヒドロキラジカル(・OH)といった活性種(短命活性種)が生じているものと考えられる。一方、放電発光Saにおいては、反応性は比較的穏やかで殺菌力の持続性が高いオゾン(O3)や酸素原子(O)、スーパーオキサイドアニオン(O2-)、過酸化水素(H22)といった活性種(長命活性種)が生じているものと考えられる。
【0043】
続いて、図7に殺菌試験を行った結果を示す。この殺菌試験は、放電装置DA1に相当する試験用装置と、オゾナイザとを用いて行っている。運転条件は、(運転条件1)連続放電で5分運転、(運転条件2)10秒通電10秒通電停止の間欠放電で10分運転、(運転条件3)2秒通電10秒通電停止の間欠放電で30分運転、の3条件で行っている。試験方法は、次のようなステップで行った。ステップ1では、標準寒天培地上に、102オーダーとなるように大腸菌を塗布する。ステップ2では、54Lの容量の箱を2つ準備し、一方には放電装置DA1に相当する試験用装置及び標準寒天培地を配置し、他方にはオゾナイザと標準寒天培地を配置する。ステップ3では、運転条件を、運転条件1に設定し、試験用装置及びオゾナイザを運転する。運転条件を運転条件2,3に変更し、新たな標準寒天培地を配置して同様の運転を行う。ステップ4では、標準寒天培地を取り出して、37℃で24時間培養し、殺菌率を測定する。
【0044】
このように行った殺菌試験の結果を、横軸にオゾンガスのCT値(ppm・min)縦軸に殺菌率(%)を取って、図7に示すようにプロットする。図7においては、オゾナイザを用いた殺菌試験の内、運転条件1の結果をプロットPa1とし、運転条件2の結果をプロットPa2とし、運転条件3の結果をプロットPa3とする。また、放電装置DA1に相当する試験用装置を用いた殺菌試験の内、運転条件1の結果をプロットPb1とし、運転条件2の結果をプロットPb2とし、運転条件3の結果をプロットPb3とする。
【0045】
オゾナイザを用いた殺菌試験では、オゾンガスのCT値の増大に比例して、殺菌率が上昇しているので、オゾンガスによる殺菌が主として行われているものと推察される。一方、放電装置DA1に相当する試験用装置を用いた殺菌試験では、オゾンガスのCT値の増大幅から推測される殺菌率(図中破線)よりも、実際の殺菌率が極めて高くなっている。これは、上述したように、一対の電極21,22に印加する電圧を間欠制御することで、極めて反応性に富み殺菌性の高いヒドロキラジカル(・OH)といった活性種(短命活性種)と、反応性は比較的穏やかで殺菌力の持続性が高いオゾン(O3)や酸素原子(O)、スーパーオキサイドアニオン(O2-)、過酸化水素(H22)といった活性種(長命活性種)とがバランスよく発生し、高い殺菌性能の発現と殺菌性能の維持とを両立させているためであると推察される。
【0046】
上述した放電装置DA1では、図4及び図6を参照しながら説明した放電発光Sbを起こさせるために、間欠的に一対の電極21,22に電圧を印加する構成を採用したけれども、活性種変容手段としてはこのような態様に限られるものではない。例えば、図4に示したような薄い水膜を形成させて水面WLcを形成させるため、当該部分に直接水を供給するようにすることも好ましい。このように側壁101に薄い水膜を形成するように、直接水を供給可能に構成した放電装置DA2について、図8を参照しながら説明する。
【0047】
図8は、変形例としての放電装置DA2の概略構成を示す図である。放電装置DA2は、放電装置DA1に給水管30(活性種変容手段)と給水弁301(活性種変容手段)とを設けたものである。図8に示されるように、貯水槽10には、給水管30が設けられている。給水管30は、貯水部100に水を供給するための管であって、その上流側は水道管に繋がれている。給水管30には給水弁301が設けられており、この給水弁301の開閉によって貯水部100に注がれる水の量を調整可能なように構成されている。給水弁301は電磁弁であって、制御ユニットCUから出力される指示信号に基づいてその開度を調整するように構成されている。
【0048】
給水管30は、側壁101側に延びる分岐管30aと、側壁102側に延びる分岐管30aとを有している。給水弁301を開いて、分岐管30aから側壁101に、分岐管30bから側壁102に、それぞれ局所的に水を供給することで薄い水膜を形成することができる。その水膜の形成タイミングに合わせて、一対の電極21,22に電圧を印加することで、図4に示したような放電発光Sbを行うことが可能なものとなる。
【0049】
上述したように本実施形態に係る放電装置DA1は、気液界面近傍で気中放電を発生させることで気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種を発生させる放電装置であって、液体を貯留するための貯水部100を有し、底面103に立設されることで貯水部100を形成する側壁101,102の少なくとも一部が誘電性を有する誘電性領域101a,102aとして形成されている貯水槽10と、側壁101,102を挟んで貯水部100内に対向するように誘電性領域101a,102aに当接して設けられ、交流電圧が印加可能なように構成されている一対の電極21,22と、一対の電極21,22に電圧を印加する電圧印加手段としての交流電源PSと、貯水部100に貯留されている液体の気液界面近傍における気中放電によって発生する、気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種の態様を変化させる活性種変容手段として機能する制御ユニットCUと、を備えている。また、変形例に係る放電装置DA1では、活性種変容手段として、制御ユニットCUに加えて給水管30及び給水弁301を備えている。
【0050】
活性種変容手段は、気中放電の放電発光高さが第一の高さ(距離db、高さ(長さ)Lsb)となる第一の放電(放電発光Sb)と、気中放電の放電発光高さが第二の高さ(距離da、高さ(長さ)Lsa)となる第二の放電(放電発光Sa)とを交互に発生させるものである。活性種変容手段は、第一の高さを第二の高さよりも高くすることで、第一の放電によって発生する活性種は第二の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が短い短命活性種を多く含む一方で、第二の放電によって発生する活性種は第一の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が長い長命活性種を多く含むように、発生する活性種の態様を変化させるものである。
【0051】
本実施形態に係る放電装置DA1,DA2は、貯水部100に貯留されている液体の気液界面近傍における気中放電によって発生する、気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種の態様を変化させる活性種変容手段を備えている。この活性種変容手段として機能する制御ユニットCUや給水管30及び給水弁301は、気中放電の放電発光高さが第一の高さ(距離db、高さ(長さ)Lsb)となる第一の放電(放電発光Sb、図4及び図6参照)と、気中放電の放電発光高さが第二の高さ(距離da、高さ(長さ)Lsa)となる第二の放電(放電発光Sa、図3及び図5参照)とを交互に発生させるものである。従って、放電発光高さが互いに異なる第一の放電と第二の放電とを交互に発生させることができ、それぞれの放電態様に応じた活性種が生成されるように構成されている。
【0052】
活性種変容手段は、第一の高さ(距離db、高さ(長さ)Lsb)が第二の高さ(距離da、高さ(長さ)Lsa)よりも高くなるように、第一の放電と第二の放電とを交互に発生させるので、第一の放電と第二の放電とで放電態様の異なる気中放電を発生させることができる。このような放電態様の異なる第一の放電と第二の放電とを交互に発生させることで、第一の放電によって発生する活性種は第二の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が短い短命活性種を多く含む一方で、第二の放電によって発生する活性種は第一の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が長い長命活性種を多く含むように、発生する活性種の態様を変化させることができる。
【0053】
従って、殺菌性の高い短命活性種を多く発生させる第一の放電と、持続性の高い長命活性種を多く発生させる第二の放電とを交互に発生させることで、ヒドロキラジカル(・OH)といった短命活性種による殺菌力の高いフェーズと、オゾン(O3)や酸素原子(O)、スーパーオキサイドアニオン(O2-)、過酸化水素(H22)といった長命活性種による殺菌持続力の高いフェーズとを放電期間全体を通して混在させることができ、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることを可能とする放電装置を提供することができる。
【0054】
また本実施形態に係る放電装置DA1,DA2では、活性種変容手段は、貯水部100に貯留される液体の中央近傍の水面WLaに対する、側壁101,102の誘電性領域101a,102aにおける水面WLcの上昇量を変動させるものであって、当該変動によって、第一の高さを第二の高さよりも高くしている。
【0055】
このように、活性種変容手段は、貯水部100に貯留される液体の中央近傍の水面WLaに対する、側壁101,102の誘電性領域101a,102aにおける水面WLb,WLcの上昇量を変動させるので、側壁101,102の誘電性領域101a,102aに形成される薄い水膜の高さを変動させることができる。従って、放電が起きる領域における水膜の高さを変動させることで、第一の高さを第二の高さよりも高くすることができる。このように気中放電を発生させるための液体を利用して、第一の放電と第二の放電との放電態様を異ならせることができるので、側壁101,102における水面WLb,WLcの上昇量を異ならせるという簡単な構成で、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させた放電装置を提供することができる。
【0056】
また本実施形態に係る放電装置DA1では、活性種変容手段は、電圧印加手段としての交流電源PSが一対の電極21,22に印加する電圧を制御する制御ユニットCUとして構成されており、一対の電極21,22に印加する電圧を変動させることで、誘電性領域101a,102aにおける水面の上昇量を変動させている。
【0057】
このように、一対の電極21,22に印加する電圧を変動させることで、誘電性領域101a,102aにおける水面WLb,WLcの上昇量を変動させるので、一対の電極21,22に印加する電圧を変動させるという簡易な手法で水面の上昇量を変動させ、第一の放電と第二の放電との放電態様を異ならせることができる。
【0058】
また放電装置DA1では、活性種変容手段としての制御ユニットCUは、第一の放電及び第二の放電を発生させるために第一の期間(例えば、図2において時刻t1から時刻t2、時刻t3から時刻t5、時刻t6から時刻t8)継続して一対の電極21,22に電圧を印加させ、第一の期間の後に第二の期間(例えば、図2において時刻t2から時刻t3、時刻t5から時刻t6)継続して一対の電極21,22への電圧の印加を停止するように交流電源PSを制御するものであって、第一の期間と第二の期間とが交互に到来するように交流電源PSを制御している。
【0059】
このように、一対の電極21,22に電圧を印加する第一の期間と、一対の電極21,22に電圧を印加しない第二の期間とが交互に到来するようにし、第一の期間において第一の放電(放電発光Sb)と第二の放電(放電発光Sa)とを発生させている。従って、一対の電極21,22への電圧の印加を行ったり停止したりといった簡単な通電制御を行うことで、第一の期間と第二の期間とを交互に到来させ、第一の放電及び第二の放電を簡易に発生させることができる。
【0060】
また放電装置DA1では、活性種変容手段としての制御ユニットCUは、第一の期間における第一の放電(放電発光Sb)が行われている時間と第二の放電(放電発光Sa)が行われている時間とが略同一となるように、交流電源PSを制御している。
【0061】
このように、殺菌性が高い短命活性種が生成される第一の放電(放電発光Sb)が行われている時間と、持続力の高い殺菌性を有する長命活性種が生成される第二の放電(放電発光Sa)が行われている時間とが、略同一となるように通電制御されるので、放電期間全体において高い殺菌性と持続性のある殺菌性とをバランスよく両立させることができる。
【0062】
また放電装置DA1では、活性種変容手段としての制御ユニットCUは、第一の期間(例えば、図2において時刻t1から時刻t2、時刻t3から時刻t5、時刻t6から時刻t8)よりも第二の期間(例えば、図2において時刻t2から時刻t3、時刻t5から時刻t6)が長くなるように交流電源PSを制御している。
【0063】
このように、第一の放電及び第二の放電が行われる第一の期間よりも、第二の期間が長くなるように一対の電極21,22への電圧の印加を制御するので、放電の準備期間としての第二の期間を十分に長く確保することができる。従って、第一の期間における第一の放電を十分に行うことができ、必要十分な量の短命活性種を発生させることができる。
【0064】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0065】
DA1:放電装置
DA2:放電装置
10:電極
22:電極
30:給水管
30a:分岐管
30b:分岐管
100:貯水部
101:側壁
101a:領域
102:側壁
102a:領域
103:底面
301:給水弁
A:空気
CU:制御ユニット
da:距離
db:距離
PS:交流電源
Sa:放電発光
Sb:放電発光
W:水
WLa:水面
WLb:水面
WLc:水面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液界面近傍で気中放電を発生させることで気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種を発生させる放電装置であって、
液体を貯留するための貯水部を有し、底面に立設されることで前記貯水部を形成する側壁の少なくとも一部が誘電性を有する誘電性領域として形成されている貯水槽と、
前記側壁を挟んで前記貯水部内に対向するように前記誘電性領域に当接して設けられ、交流電圧が印加可能なように構成されている一対の電極と、
前記一対の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記貯水部に貯留されている液体の気液界面近傍における気中放電によって発生する、気体又は液体由来の殺菌性を有する活性種の態様を変化させる活性種変容手段と、を備え、
前記活性種変容手段は、
前記気中放電の放電発光高さが第一の高さとなる第一の放電と、前記気中放電の放電発光高さが第二の高さとなる第二の放電とを交互に発生させるものであって、
前記第一の高さを前記第二の高さよりも高くすることで、前記第一の放電によって発生する活性種は前記第二の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が短い短命活性種を多く含む一方で、前記第二の放電によって発生する活性種は前記第一の放電によって発生する活性種よりも活性寿命が長い長命活性種を多く含むように、発生する活性種の態様を変化させることを特徴とする放電装置。
【請求項2】
前記活性種変容手段は、前記貯水部に貯留される液体の中央近傍の液面に対する、前記側壁の前記誘電性領域における液面の上昇量を変動させるものであって、当該変動によって、前記第一の高さを前記第二の高さよりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の放電装置。
【請求項3】
前記活性種変容手段は、前記電圧印加手段が前記一対の電極に印加する電圧を制御するものであって、前記一対の電極に印加する電圧を変動させることで、前記誘電性領域における液面の上昇量を変動させることを特徴とする請求項2に記載の放電装置。
【請求項4】
前記活性種変容手段は、前記第一の放電及び前記第二の放電を発生させるために第一の期間継続して前記一対の電極に電圧を印加させ、前記第一の期間の後に第二の期間継続して前記一対の電極への電圧の印加を停止するように前記電圧印加手段を制御するものであって、前記第一の期間と前記第二の期間とが交互に到来するように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の放電装置。
【請求項5】
前記活性種変容手段は、前記第一の期間における前記第一の放電が行われている時間と前記第二の放電が行われている時間とが略同一となるように、前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の放電装置。
【請求項6】
前記活性種変容手段は、前記第一の期間よりも前記第二の期間が長くなるように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の放電装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−40532(P2012−40532A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186004(P2010−186004)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】