説明

教育支援システム用サーバ、教育支援システム

【課題】低年齢者の知識習得の能率を高める教育支援システム用サーバを提供する。
【解決手段】通信ネットワークを介して通信可能に接続された端末装置に対して教育支援サービスを提供する教育支援システム用のサーバであって、知識の習得に用いる第1シーンと、習得した知識の確認に用いる第2シーンとの各々に対応する画像表示及び音声出力を端末装置に実行させる。第1シーンは、複数のオブジェクトの各々に対応した静止画像を含む第1画像を表示することと、端末装置において複数のオブジェクトのいずれか1つが選択された際に当該選択されたオブジェクトに対応する音声を出力する。第2シーンは、複数のオブジェクトのいずれか1つに対応した非静止画像を含む第2画像を表示することと、非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット環境を利用した教育支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット環境を利用した教育支援システムが知られている(一例として特許文献1参照)。また最近では、学習者の軌跡とプロフィールの時間的変化を、連続的に測定するカリキュラム一体型の測定を行うことが検討されている。例えば、ドリルやゲームといった親しみやすい形式によって知識の習得を図るステップと、習得した知識を確認し、また本番の試験に備えて試験形式の習熟を図るステップと、実際に試験を行って知識習得度合いを測定するステップと、の相互間に有機的な関連性をもたせて実施することにより、学習者により良い学習環境を与えようとするコンセプトが提案されている。このような試みは、例えば低年齢者に対する語学教育の場面において実践されている。このような背景の下、低年齢者の特性(例えば、集中力が持続しない等)を踏まえ、知識習得の能率をより高めるための工夫が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006−93065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る具体的態様は、低年齢者の知識習得の能率を高めることが可能な教育支援技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る一態様の教育支援システム用サーバは、通信ネットワークを介して通信可能に接続された端末装置に対して教育支援サービスを提供する教育支援システムに用いられるものあって、端末装置に画像の表示および音声の出力を行わせるために必要なデータを格納する記憶部と、記憶部から読み出したデータを用いて所定の情報処理を実行する情報処理部と、情報処理部の指令に従って端末装置との間で情報通信を行う通信処理部と、を備える。情報処理部は、記憶部から読み出したデータを用い、通信処理部を介して端末装置との間で情報通信を行うことにより、知識の習得に用いる第1シーンと、習得した知識の確認に用いる第2シーンと、の各々に対応する画像表示及び音声出力を端末装置に実行させるものである。そして、第1シーンは、複数のオブジェクトの各々に対応した静止画像を含む第1画像を表示することと、端末装置において複数のオブジェクトのいずれか1つが選択された際に当該選択されたオブジェクトに対応する音声を出力することと、を含む。また、第2シーンは、複数のオブジェクトのいずれか1つに対応した非静止画像を含む第2画像を表示することと、非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声を出力することと、を含む。ここで本明細書において「オブジェクト」とは、その名称、状態(例えば形状、色彩等)、性質などを音声によって表現可能な対象をいい、例えば、種々の物品やその一部、自然現象などを広く含む。
【0006】
上述の本発明においては、知識の習得に用いる第1シーンでは、知識の習得を主眼におくことから各オブジェクトを静止画像によって表現しており、各オブジェクトが選択されるとそれに対応する音声が出力される。例えば、オブジェクトとして種々の果物、野菜などが静止画像で表示されている場合であれば、それらの1つが選択されるごとにその選択された果物等に関する単語やフレーズが音声出力される。これにより、ユーザは自身の興味に応じて各オブジェクトを自由に選択し、そのオブジェクトに関して視覚的な面と聴覚的な面から語学を学習できるため、識字能力が低い低年齢者であっても集中力が持続しやすい。一方、知識の確認に用いる第2シーンでは、複数のオブジェクトのいずれか1つが非静止画像(動きのある画像)によって表現され、この非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声が出力される。第1シーンでは静的な画像表現が用いられていたのに対して、第2シーンでは動的な画像表現を用いることにより、単調さを回避し、ユーザに刺激を与えることができる。それにより、低年齢者であっても楽しみながら知識の確認を行うことができる。またこのような楽しい第2シーンが控えていることにより、その前段階の第1シーンにおける学習意欲も高まることが期待される。このような本発明によれば、低年齢者の知識習得の能率を高めることが可能な教育支援技術を提供することが可能となる。
【0007】
本発明に係る他の態様の教育支援システム用サーバは、通信ネットワークを介して通信可能に接続された端末装置に対して教育支援サービスを提供する教育支援システムに用いられるサーバであって、端末装置に画像の表示および音声の出力を行わせるために必要なデータを格納する記憶部と、記憶部から読み出したデータを用いて所定の情報処理を実行する情報処理部と、情報処理部の指令に従って端末装置との間で情報通信を行う通信処理部と、を備える。情報処理部は、(a)複数のオブジェクトの各々に対応した静止画像を含む第1画像を端末装置に表示させるための情報を、通信処理部によって端末装置へ送信し、(b)端末装置において複数のオブジェクトのいずれか1つが選択されたときに、当該選択されたオブジェクトを特定するための情報を、通信処理部によって端末装置から受信し、(c)選択されたオブジェクトに対応する音声を端末装置に出力させるための情報を、通信処理部によって端末装置へ送信し、(d)複数のオブジェクトのいずれか1つに対応した非静止画像を含む第2画像を端末装置に表示させるための情報を、通信処理部によって端末装置へ送信し、(e)非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声を端末装置に出力させるための情報を、通信処理部によって端末装置へ送信する。
【0008】
上述の本発明においては、まず始めに静止画像で表現された各オブジェクトを含む第1画像の表示が行われ、各オブジェクトが選択されるとそれに対応する音声が出力される。例えば、オブジェクトとして種々の果物、野菜などが静止画像で表示されている場合であれば、それらの1つが選択されるごとにその選択された果物等に関する単語やフレーズが音声出力される。これにより、ユーザは自身の興味に応じて各オブジェクトを自由に選択し、そのオブジェクトに関して視覚的な面と聴覚的な面から語学を学習できるため、識字能力が低い低年齢者であっても集中力が持続しやすい。その後、複数のオブジェクトのいずれか1つが非静止画像(動きのある画像)によって表現された第2画像が表示され、この非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声が出力される。第1画像を用いた場面では静的な画像表現が用いられていたのに対して、第2画像を用いた場面では動的な画像表現を用いることにより、単調さを回避し、ユーザに刺激を与えることができる。それにより、低年齢者であっても楽しみながら知識の確認を行うことができる。またこのような楽しい第2画像を用いた場面が控えていることにより、その前段階の第1画像を用いた場面における学習意欲も高まることが期待される。このような本発明によれば、低年齢者の知識習得の能率を高めることが可能な教育支援技術を提供することが可能となる。
【0009】
上述した問いかけ音声は、非静止画像のオブジェクトに対応する第1音声と非静止画像のオブジェクトに対応しない1つ以上の第2音声と、を含んでもよい。
【0010】
これによれば、例えば第1音声と第2音声のいずれが非静止画像のオブジェクトと一致しているかを学習者に選択させることによる知識確認を行える。
【0011】
上述した選択されたオブジェクトに対応する音声は、端末装置のユーザの母国語以外の言語の音声であることも好ましい。
【0012】
これにより、母国語以外の言語(すなわち外国語)の学習に適したサービスが提供される。
【0013】
上述した非静止画像は、所定時間が経過した後に非表示状態となることも好ましい。
【0014】
それにより、ユーザの非静止画像への注目度をより高め、知識確認の場面(第2シーン)をさらに刺激あるものにできる。
【0015】
本発明に係る一態様の教育支援システムは、通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された端末装置及びサーバを用いて教育支援サービスを提供するものであって、サーバとして、上記した本発明に係るサーバが用いられていることを特徴とする。
【0016】
この教育支援システムによれば、上記したような効果的な教育支援サービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態の教育支援システムの全体構成を示す図である。
【図2】サーバの詳細構成を示す図である。
【図3】第1シーンにおいて端末装置側で表示される画像例を示す図である。
【図4】第2シーンにおいて端末装置側で表示される画像例を示す図である。
【図5】第2シーンにおいて端末装置側で表示される画像例を示す図である。
【図6】教育支援システムの処理手順について示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、一実施形態の教育支援システムの全体構成を示す図である。図1に示す本実施形態の教育支援システムは、通信ネットワーク300を介して相互に通信可能に接続された端末装置200及びサーバ100を用いて教育支援サービスを提供する教育支援システムである。
【0020】
端末装置200は、教育支援システムのユーザが用いるものであり、例えばパーソナルコンピュータである。この端末装置200は、CPU、ROM、RAM、通信処理部等を有する制御部(情報処理部)201と、画像表示を行うための表示部202と、指示入力を行うためのキーボード、マウス等からなる操作部203と、音声を出力するためのスピーカー204と、を備える。本実施形態の端末装置200には、ウェブページを表示可能なブラウザがインストールされている。
【0021】
サーバ100は、端末装置200に対して教育支援サービスを提供する教育支援システムに用いられるものであり、詳細には図2に示すような構成を備える。具体的には、サーバ100は、プロセッサ(情報処理部)101、メモリ(記憶部)102、通信処理部103、データベース104を含んで構成されている。
【0022】
プロセッサ101は、メモリ102に格納されたプログラム111を読み出し、このプログラム111を実行することによりサーバ101全体の動作を制御する。プロセッサ101による制御の詳細については後述する。
【0023】
メモリ102は、プログラム111、コンテンツデータ112など、プロセッサ101の動作に必要な情報を格納する。コンテンツデータ112とは、教育支援サービスの提供に用いられるデータの総称であり、画像データ、音声データ、その他種々のデータを含む。
【0024】
通信処理部103は、プロセッサ101の動作指示に従い、端末装置200との間の情報通信を実行する。
【0025】
データベース104は、教育支援サービスに必要な各種情報(例えばユーザに関する各種情報)を格納する。このデータベース104に格納された情報はプロセッサ101によって適宜更新される。
【0026】
本実施形態の教育支援システムは以上のように構成されており、次にこの教育支援システムによって実行される教育支援サービスについて具体例を挙げて説明する。本実施形態では、我が国における幼児、児童などの低年齢者(すなわち日本語を母国語とする者)を対象として初等的な英語教育を支援するシステムを例示する。
【0027】
サーバ100のプロセッサ101は、メモリ102から読み出したコンテンツデータ112を用い、通信処理部103を介して端末装置200との間で情報通信を行うことにより、知識の習得に用いる第1シーンと、習得した知識の確認に用いる第2シーンと、の各々に対応する画像表示及び音声出力を端末装置200に実行させる。第1シーンは、いわゆるドリル形式で種々の対象物について単語、フレーズ等を学ばせるものである。また、第2シーンは、第1シーンで学んだ単語等についてゲーム形式で演習(確認テスト)を行うものである。以下、各シーンの内容を説明し、次いで各シーンを実行するための教育支援システムの処理手順について詳述する。
【0028】
図3は、第1シーンにおいて端末装置200側で表示される画像例を示す図である。図3(A)に示す例では、スーパーマーケットの様子が示されている。具体的には、端末装置200の表示部202には、野菜、果物、菓子など種々の商品の静止画像を含む画像(第1画像)が表示されている。本実施形態では各商品が「オブジェクト」に相当する。端末装置200側で学習者が操作部203を使って特定の商品(図示の例では「トマト」)を選択すると、図3(B)に示すように、その商品が拡大表示されるとともに、その商品に対応する音声(単語、フレーズ等)が出力される。
【0029】
このような、商品を選択し、選択された商品に対応する音声が出力される、というルーチンを繰り返すことにより、学習者に、商品の外観(視覚的な情報)とその商品の名称(聴覚的な情報)とを関連づけて学習させる。本実施形態では、所定数の商品が選択されるまでは次の第2シーン(演習)へ移行できないようにすることで、学習成果を確実にあげられるように配慮している。
【0030】
図4および図5は、第2シーンにおいて端末装置200側で表示される画像例を示す図である。図4〜図5に示す例では、上記の第1シーンにおける表示画像に含まれていた商品中のいずれか1つの商品が動きのある画像(非静止画像)によって表現される。具体的には、端末装置200の表示部202には、野菜、果物、菓子など種々の商品のいずれか1つの非静止画像を含む画像(第2画像)が表示される。本実施形態では、図4(A)〜図4(C)に示すように、特定の商品の画像が図中右側の幕から飛び出し、左側へ向かって比較的に短い時間内(例えば、0.5秒間程度)に移動し、図中左側の幕へ消える(非表示状態となる)ように画像表示が行われる。学習者は、動きのある画像によって表示される商品を注視してその内容を把握する。
【0031】
その後に、端末装置200のスピーカー204からは、非静止画像として表示された商品に関連する音声(第1音声)と、その商品に関連しない音声(第2音声)とが出力される。本実施形態では、図5(A)に示すように、3人の子供の画像が表示されており、これらの子供が1人ずつ振り返り、話しているような画像表示に合わせて、商品「いちご」に関連する第1音声(単語、フレーズ等)か、商品「いちご」に関連しない第2音声(単語、フレーズ等)のいずれかが出力される。その後、学習者が端末装置200の操作部203を操作していずれかの子供の画像を選択する。すなわち、各子供の画像が解答の選択肢(解答枝)としての役割を果たす。商品「いちご」に関連する第1音声を発した子供の画像が選択された場合には、図5(B)に示すように「正答」であることを示す画像表示が行われる。また、図示を省略するが、「誤答」である場合にはそれを示す画像表示が行われる。本実施形態では、すべての子供が音声を発するまでは解答を選べないようにしている。また、一定の時間制限を設け、その間に解答を行わなかった場合には、次の問題へ進むようにしている。
【0032】
図6は、上記の各シーンを実行するための教育支援システムの処理手順について示すフローチャートである。以下、サーバ100の処理手順と、それに対応した端末装置200側での動作について図6に沿って説明する。
【0033】
サーバ100のプロセッサ101は、複数のオブジェクト(上記例では種々の商品)の各々に対応した静止画像を含む第1画像を端末装置200に表示させるための情報を、通信処理部103によって端末装置200へ送信する(ステップS10)。例えば、HTLMデータ、画像データ、簡易プログラミング言語で記述されたスクリプトなどがサーバ100から端末装置200へ送信される。これらの情報を受信した端末装置200は、これを制御部201において処理し、表示部203に第1画像(第1シーンの画像;図3参照)を表示する(ステップS20)。
【0034】
端末装置200において、操作部203を使用して、第1画像中の複数のオブジェクトのいずれか1つが選択されると、この操作情報(選択されたオブジェクトを特定するための情報)が端末装置200からサーバ100へ送信される(ステップS21)。サーバ100のプロセッサ101は、この操作情報を通信処理部103によって受信する(ステップS11)。例えば、上記図3(A)に示した例であれば、プロセッサ101は、オブジェクトの1つである「トマト」を選択したことを特定するための情報を取得する。また、端末装置200側では、スクリプトが実行されることにより、選択されたオブジェクトが拡大表示される(図3(B)参照)。
【0035】
サーバ100のプロセッサ101は、選択されたオブジェクトに対応する音声を端末装置200に出力させるための情報(音声データ等)を、通信処理部103によって端末装置200へ送信する(ステップS12)。情報を受信した端末装置200は、これを制御部201において処理し、スピーカー204から音声を出力する。上記図3に示した例であれば、「トマト」に関連する音声がスピーカー204から出力される(ステップS22)。
【0036】
サーバ100のプロセッサ101は、上記ステップS11、S12の処理を所定回数実行したか否か(換言すれば、所定数以上のオブジェクトが選択されたか)を判断し(ステップS13)、所定回数以下である場合には、ステップS11以降の処理を繰り返す(ステップS13;NO)。
【0037】
一方、所定回数以上である場合には、プロセッサ101は、第2シーンへの移行を許容する状態になる(ステップS13;YES)。具体的には、プロセッサ101は、所定の情報を通信処理部103によって端末装置200へ送信することにより、端末装置200の表示部202に、第2シーンへ移行することができる旨を示す画像を表示させる。この画像表示に応じて、端末装置200側で操作部203が操作されると、操作情報が端末装置200からサーバ100へ送信される。通信処理部103を介してこの操作情報を受信したプロセッサ101は、第2シーンへ移行すべく次のステップへ処理を進める。
【0038】
具体的には、サーバ100のプロセッサ101は、複数のオブジェクト(上記例では種々の商品)のいずれか1つに対応した非静止画像(上記例では「いちご」の画像)を含む第2画像を端末装置200に表示させるための情報を、通信処理部103によって端末装置200へ送信する(ステップS14)。例えば、HTLMデータ、画像データ、簡易プログラミング言語で記述されたスクリプトなどがサーバ100から端末装置200へ送信される。これらの情報を受信した端末装置200は、これを制御部201において処理し、表示部203に第2画像(第2シーンの画像;図4参照)を表示する(ステップS23)。
【0039】
次いで、サーバ100のプロセッサ101は、非静止画像のオブジェクトに関連する第1音声と非静止画像のオブジェクトに関連しない1つ以上の第2音声とを含んだ問いかけ音声を端末装置200に出力させるための情報(音声データ等)を、通信処理部103によって端末装置200へ送信する(ステップS15)。情報を受信した端末装置200は、これを制御部201において処理し、スピーカー204から音声を出力する(ステップS24)。上記図4(A)に示した例であれば、「いちご」に関連する音声と、「いちご」に関連しない音声とがスピーカー204から出力される。
【0040】
端末装置200において、操作部203を使用して、第2画像中の複数の解答枝(上記例では3人の子供の画像)のいずれか1つが選択されると、この操作情報(選択された解答枝を特定するための情報)が端末装置200からサーバ100へ送信される(ステップS25)。サーバ100のプロセッサ101は、この操作情報を通信処理部103によって受信し(ステップS16)、次の処理へ移行する。なお、一定時間を経過しても解答枝を示す操作情報が得られない場合にも、プロセッサ101は次の処理へ移行する。
【0041】
サーバ100のプロセッサ101は、解答の合否を画像および音声によって通知するための情報を、通信処理部103によって端末装置200へ送信する(ステップS17)。情報を受信した端末装置200は、これを制御部201において処理し、表示部203において画像を表示するとともにスピーカー204から音声を出力する(ステップS26)。上記図5(B)に示した例であれば、正答である旨を示す画像が表示され、音声が出力される。なお、誤答であればその旨の画像表示および音声出力がなされる。また、サーバ100のプロセッサ101は、この解答状況についての情報を、学習者の識別情報と関連付けてデータベース104に記録する。
【0042】
その後、サーバ100のプロセッサ101は、上記ステップS14〜S17の処理を所定回数実行したか否か(換言すれば、所定数以上の出題が行われたか)を判断し(ステップS18)、所定回数以下である場合には、ステップS14以降の処理を繰り返す(ステップS13;NO)。すなわち、新たな出題が行われる。所定回数以上の処理が実行された(所定数の出題が行われた)場合には、サーバ100のプロセッサ101は、一連の処理を終了する(ステップS18;YES)。
【0043】
以上の本実施形態によれば、低年齢者の知識習得の能率を高めることが可能な教育支援技術を提供することが可能となる。
【0044】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
【0045】
例えば、上述した実施形態では、第2シーンにおけるゲーム形式の演習として動体視力を試す要素を取り入れたゲームを例示していたが、ほかにも種々の形式が考えられる。例えば、いわゆるモグラたたきの要素を取り入れたゲームが挙げられる。これを図7に基づいて簡単に説明する。
【0046】
図7(A)は、第1シーンにおいて端末装置200側で表示される画像例を示し、図7(B)は、第2シーンにおいて端末装置200側で表示される画像例を示している。図7(A)に示すように、本例においても第1シーンでは、種々のオブジェクト(ここでは文房具等)の静止画像が示される。端末装置200側で学習者が操作部203を使って特定の物品(図示の例では「カレンダー」)を選択すると、その物品が拡大表示されるとともに、その物品に対応する音声(単語、フレーズ等)が出力される。次いで、第2シーンでは、複数のモグラがそれぞれオブジェクトのパネルを掲げた画像が表示される。これらのモグラは、穴から出たり穴に引っ込んだりといった動きのある状態で表示される。そして、いずれか1つのオブジェクトに対応する音声(例えば「tape!」)が問いかけ音声として出力される。学習者は、問いかけ音声によって提示されたオブジェクト以外のオブジェクトに対応するパネルをもったモグラを次々と選択する(たたく)ことによりゲームを楽しむ。所定時間内に、問いかけ音声によって提示されたオブジェクトに対応するモグラだけを残して他のモグラ全てをたたけば正答となる。
【0047】
また、上述した実施形態においては、インターネット等のネットワークを利用して、サーバ側と端末装置の間で情報通信を行うことによって教育支援サービスを提供する場合について説明していたが、サーバ側で実行されるプログラムを、端末装置がスタンドアロン状態で実行できるように変更してもよい。
【符号の説明】
【0048】
100 サーバ
101 プロセッサ(情報処理部)
102 メモリ(記憶部)
103 通信処理部
104 データベース
111 プログラム
112 コンテンツデータ
200 端末装置
201 制御部
202 表示部
203 操作部
204 スピーカー
300 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して通信可能に接続された端末装置に対して教育支援サービスを提供する教育支援システムに用いられるサーバであって、
前記サーバは、
前記端末装置に画像の表示および音声の出力を行わせるために必要なデータを格納する記憶部と、
前記記憶部から読み出した前記データを用いて所定の情報処理を実行する情報処理部と、
前記情報処理部の指令に従って前記端末装置との間で情報通信を行う通信処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、前記記憶部から読み出した前記データを用い、前記通信処理部を介して前記端末装置との間で情報通信を行うことにより、知識の習得に用いる第1シーンと、習得した知識の確認に用いる第2シーンと、の各々に対応する画像表示及び音声出力を前記端末装置に実行させるものであり、
前記第1シーンは、複数のオブジェクトの各々に対応した静止画像を含む第1画像を表示することと、前記端末装置において前記複数のオブジェクトのいずれか1つが選択された際に当該選択されたオブジェクトに対応する音声を出力することと、を含み、
前記第2シーンは、前記複数のオブジェクトのいずれか1つに対応した非静止画像を含む第2画像を表示することと、前記非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声を出力することと、を含む、
教育支援システム用サーバ。
【請求項2】
通信ネットワークを介して通信可能に接続された端末装置に対して教育支援サービスを提供する教育支援システムに用いられるサーバであって、
前記サーバは、
前記端末装置に画像の表示および音声の出力を行わせるために必要なデータを格納する記憶部と、
前記記憶部から読み出した前記データを用いて所定の情報処理を実行する情報処理部と、
前記情報処理部の指令に従って前記端末装置との間で情報通信を行う通信処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、
(a)複数のオブジェクトの各々に対応した静止画像を含む第1画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記通信処理部によって前記端末装置へ送信し、
(b)前記端末装置において前記複数のオブジェクトのいずれか1つが選択されたときに、当該選択されたオブジェクトを特定するための情報を、前記通信処理部によって前記端末装置から受信し、
(c)前記選択されたオブジェクトに対応する音声を前記端末装置に出力させるための情報を、前記通信処理部によって前記端末装置へ送信し、
(d)前記複数のオブジェクトのいずれか1つに対応した非静止画像を含む第2画像を前記端末装置に表示させるための情報を、前記通信処理部によって前記端末装置へ送信し、
(e)前記非静止画像のオブジェクトに関連した問いかけ音声を前記端末装置に出力させるための情報を、前記通信処理部によって前記端末装置へ送信する、
ことを特徴とする、教育支援システム用サーバ。
【請求項3】
前記問いかけ音声は、前記非静止画像のオブジェクトに対応する第1音声と前記非静止画像のオブジェクトに対応しない1つ以上の第2音声と、を含む、
請求項1又は2に記載の教育支援システム用サーバ。
【請求項4】
前記選択されたオブジェクトに対応する音声は、前記端末装置のユーザの母国語以外の言語の音声である、
請求項3に記載の教育支援システム用サーバ。
【請求項5】
前記非静止画像は、所定時間が経過した後に非表示状態となる、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の教育支援システム用サーバ。
【請求項6】
通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続された端末装置及びサーバを用いて教育支援サービスを提供する教育支援システムであって、
前記サーバとして、請求項1〜5のいずれか1項に記載のサーバが用いられた、
教育支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−7958(P2011−7958A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150204(P2009−150204)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(502194735)株式会社教育測定研究所 (10)
【Fターム(参考)】