説明

数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体

【課題】複数の操作パネルの表示を消灯した場合であっても、作業者が操作可能である操作パネルを探す必要がなく、作業効率の低下を防ぐことができる数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】CPUは、サブパネルの操作が有効であるときに、作業者によるサブパネルの操作がない時間が所定時間以上であるか否か判断する(S50)。作業者によるサブパネルの操作がない時間が所定時間以上であると判断した場合、CPUはメインパネル及びサブパネルのディスプレイを消灯する(S60)。CPUは、メインパネル及びサブパネルのディスプレイを消灯した場合に、サブパネルの操作を無効に切り替え、メインパネルの操作を有効にする(S70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械を制御する数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体に関し、特に、複数の操作パネルにより工作機械を制御する数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械は、操作パネルを設けている。操作パネルは、工作機械の数値制御装置と接続し、作業者は、操作パネルを使用して工作機械を操作する。工作機械は、操作パネルを複数設ける場合があり、作業者が種々の場所から工作機械を操作することができる。
【0003】
特許文献1に記載の数値制御装置は、作業者が複数の操作パネルの内最も操作に便利な操作パネルを選択する。選択された操作パネル以外の操作パネルは、工作機械と接続されず、作業者は該操作パネルを用いて工作機械を操作することができない。各操作パネルは、表示装置を設けている。表示装置は、現在どの操作パネルが工作機械に接続され、操作可能であるかを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−23007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の数値制御装置は、現在どの操作パネルが工作機械に接続され、操作可能であるかを常に表示装置に表示していた。該数値制御装置は、作業者が見ることのない表示装置についても表示しており、電力の無駄であった。近年、表示装置は、消費電力を抑える為に所定時間経過しても作業者による操作がされない場合、表示装置の表示を自動的に消灯する機能を備えている。前述した機能を前記数値制御装置に設けた場合、どの操作パネルが工作機械に接続されているかが不明になる場合がある。前述の場合作業者は、操作可能な操作パネルを探す作業が必要となり、作業効率が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の操作パネルの表示を消灯した場合であっても、作業者が操作可能である操作パネルを探す必要がなく、作業効率の低下を防ぐことができる数値制御装置、制御プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の数値制御装置は、工作機械の操作を行う複数の操作パネルを接続する数値制御装置において、前記複数の操作パネルのうち1つの操作パネルの操作の有効又は無効を切り替える操作切替手段と、前記操作切替手段により前記1つの操作パネルの操作を有効に切り替えた場合に、前記1つの操作パネル以外の操作パネルの操作を無効にするパネル無効手段と、前記パネル無効手段により前記1つの操作パネル以外の前記操作パネルの操作を無効にした場合に、前記1つの操作パネルが操作されていない時間を計測する計測手段と、前記計測手段により計測された時間が所定時間以上か否かを判断する計測時間判断手段と、前記計測時間判断手段によって前記1つの操作パネルが操作されていない時間が前記所定時間以上であると判断された場合に、全ての操作パネルの表示を消灯する第1パネル消灯手段と、前記第1パネル消灯手段によって前記全ての操作パネルの表示を消灯した場合に、前記1つの操作パネルの操作を無効にし、且つ前記1つの操作パネル以外の特定の操作パネルの操作を有効にする第1パネル切替手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明の数値制御装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記操作切替手段により前記1つの操作パネルの操作を有効に切り替えた場合に、前記1つの操作パネルを操作可能な位置に作業者がいるか否かを検知する検知手段と、前記検知手段が前記1つの操作パネルの操作を操作可能な位置に作業者がいないことを検知した場合に、前記1つの操作パネルの表示を消灯する第2パネル消灯手段と、前記第2パネル消灯手段によって前記1つの操作パネルの表示を消灯した場合に、前記1つの操作パネルの操作を無効にし、且つ前記特定の操作パネルの操作を有効にする第2パネル切替手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明の数値制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記計測時間判断手段によって判断される前記所定時間を前記複数の操作パネルのそれぞれに対して設定可能な時間設定手段を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明の数値制御装置は、請求項1〜3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記複数の操作パネルのそれぞれに、当該操作パネルの表示を消灯するパネル手動消灯手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明の数値制御装置の制御プログラムは、工作機械の操作を行う複数の操作パネルを接続する数値制御装置の制御プログラムにおいて、前記複数の操作パネルのうち1つの操作パネルの操作の有効又は無効を切り替える操作切替ステップと、前記操作切替ステップにより前記1つの操作パネルの操作を有効に切り替えた場合に、前記1つの操作パネル以外の操作パネルの操作を無効にするパネル無効ステップと、前記パネル無効ステップにより前記1つの操作パネル以外の前記操作パネルの操作を無効にした場合に、前記1つの操作パネルが操作されていない時間を計測する計測ステップと、前記計測ステップにより計測された時間が所定時間以上か否かを判断する計測時間判断ステップと、前記計測時間判断ステップによって前記1つの操作パネルが操作されていない時間が前記所定時間以上であると判断された場合に、全ての操作パネルの表示を消灯する第1パネル消灯ステップと、前記第1パネル消灯ステップによって前記全ての操作パネルの表示を消灯した場合に、前記1つの操作パネルの操作を無効にし、且つ前記1つの操作パネル以外の特定の操作パネルの操作を有効に切り替える第1パネル切替ステップとを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明の記憶媒体は、請求項5に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の数値制御装置では、1つの操作パネルの操作が有効であるときに、当該1つの操作パネルが操作されていない時間が所定時間以上であると判断された場合、第1パネル消灯手段によって全ての操作パネルを消灯する。数値制御装置は、全ての操作パネルを消灯した場合に、第1パネル切替手段によって1つの操作パネルの操作を無効に切り替え、1つの操作パネル以外の特定の操作パネルの操作を有効にする。従って、全ての操作パネルが消灯された場合に操作可能な操作パネルは特定のパネルになるため、作業者は操作可能な操作パネルを探す必要がなくなり、作業効率の低下を防ぐことができる。
【0014】
請求項2の数値制御装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、第2パネル消灯手段は、検知手段が前記1つの操作パネルの操作を操作可能な位置に作業者がいないことを検知した場合に、1つの操作パネルの表示を消灯する。従って、数値制御装置は、作業者が1つの操作パネルによる操作を行わなくなった時点で、当該1つの操作パネルを消灯することができ、消費電力を抑えることができる。
【0015】
請求項3の数値制御装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、所定時間を複数の操作パネルのそれぞれに対して設定可能な時間設定手段を備えたので、使用頻度の低い操作パネルについては、作業者が所定時間を短く設定することで短い時間で消灯することが出来る。従って、数値制御装置は、消費電力を更に抑えることができる。
【0016】
請求項4の数値制御装置では、請求項1〜3の何れかに記載の発明の効果に加え、複数の操作パネルのそれぞれに、当該操作パネルの表示を消灯するパネル手動消灯手段を設けたので、作業者が操作パネルによる操作を行わなくなった時点で、手動で操作パネルの表示を消灯することができる。従って、数値制御装置は、消費電力を更に抑えることができる。
【0017】
請求項5の制御プログラムでは、1つの操作パネルの操作が有効であるときに、当該1つの操作パネルが操作されていない時間が所定時間以上であると判断された場合、第1パネル消灯ステップによって全ての操作パネルを消灯する。第1パネル切替ステップは、全ての操作パネルを消灯した場合に、1つの操作パネルの操作を無効に切り替え、1つの操作パネル以外の特定の操作パネルの操作を有効にする。従って、全ての操作パネルが消灯された場合に操作可能な操作パネルは特定のパネルになるため、作業者は操作する操作パネルを迷うことがなくなり、作業効率の低下を防ぐことができる。
【0018】
請求項6の記憶媒体では、請求項5に記載の制御プログラムを記憶しているので、請求項5に記載の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】数値制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】サブパネル20の操作が無効の場合にディスプレイ21に表示される画面を示す図である。
【図3】サブパネル20の操作が有効の場合にディスプレイ21に表示される画面を示す図である。
【図4】メインパネル10の操作が無効の場合にディスプレイ11に表示される画面を示す図である。
【図5】操作パネル切替処理のフローチャートである。
【図6】変形例に係る数値制御装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】変形例に係る作業者検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態である数値制御装置1について、図面を参照して説明する。数値制御装置1は、工作機械200の動作を制御するものである。
【0021】
図1のブロック図を参照して、数値制御装置1の電気的構成について説明する。数値制御装置1は、CPU2、ROM3、RAM4からなるマイクロコンピュータと、入出力インタフェース5と、タイマ8とをバス7で接続している。入出力インタフェース5は、メインパネル10及びサブパネル20、30と電気的に接続している。尚、メインパネル10及びサブパネル20、30は本発明の「操作パネル」に相当する。
【0022】
メインパネル10は、ディスプレイ11とキーボード12とを備えている。メインパネル10は、工作機械200の動作の制御について全ての操作を行うことができるパネルである。キーボード12は、複数の操作キー及びスイッチを備えている。
【0023】
サブパネル20は、ディスプレイ21とタッチパネル22とを備える。サブパネル20は、工作機械200の特定の動作について、例えば工作機械200の工具マガジン(図示省略)に特化して操作を行うことができるパネルである。タッチパネル22は、ディスプレイ21の前面に設けている。タッチパネル22は、操作有効キー23(図2参照)、画面消灯キー24(図2参照)及び操作無効キー25(図3参照)等のタッチキーを備えている。タッチキーについては後述する。サブパネル30は、サブパネル20で操作可能な動作と異なる動作について操作を行うことができるパネルである以外はサブパネル20とほぼ同様の構成である。サブパネル30は、サブパネル20と同様にディスプレイ31とタッチパネル32とを備えている。
【0024】
ROM3は、工作機械200を制御する制御プログラムを記憶した制御プログラム領域等を設けている。制御プログラムは後述する操作パネル切替処理を含む。
【0025】
RAM4は、工作機械200を制御する制御プログラムの実行中に取得した種々のデータを格納するデータ記憶領域及び種々のワークメモリ等を設けている。RAM4は、メインパネル10、サブパネル20、30の内、操作可能なパネルが何れであるかを記憶する記憶領域を設けている。
【0026】
次に、サブパネル20の操作が無効又は有効であるときの表示についてそれぞれ説明する。尚、サブパネル30の操作が無効又は有効であるときの表示は、サブパネル20とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
【0027】
図2に示すように、サブパネル20の操作が無効であるとRAM4に記憶している場合に、サブパネル20は、メッセージとともに操作有効キー23と画面消灯キー24とをディスプレイ21に表示する。作業者が操作有効キー23を操作すると、サブパネル20の操作は無効から有効に切り替わる。作業者が画面消灯キー24を操作すると、ディスプレイ21の表示は消灯されて何も表示されなくなる。
【0028】
図3に示すように、サブパネル20の操作が有効であるとRAM4に記憶している場合に、サブパネル20は、各種操作キーとともに操作無効キー25をディスプレイ21に表示する。作業者が操作無効キー25を操作すると、サブパネル20の操作は有効から無効に切り替わる。サブパネル20の操作が無効に切り替わると、ディスプレイ21の表示は図2に示す表示になる。
【0029】
図4に示すように、サブパネル20、30の何れかの操作が有効であるとRAM4に記憶している場合、メインパネル10は、キーボード12による操作が無効である旨のメッセージをディスプレイ11に表示する。
【0030】
図5のフローチャートを参照して、操作パネル切替処理について説明する。ただし、図中の符号Si(i=10、20・・・)は各ステップである。本実施形態では、数値制御装置1にメインパネル10、サブパネル20、30の3つの操作パネルを接続している。3つの操作パネルは、その何れかのみが操作可能である。
【0031】
操作パネル切替処理は、所定の周期で実行される処理であり、作業者が工作機械200の電源を投入した場合に開始するメインプログラム(図示省略)実行中に割り込む処理である。尚、工作機械200の電源を投入した時点で、初期状態として操作パネルは、メインパネル10の操作を有効、サブパネル20、30の操作を無効としている。本実施形態では、サブパネル20の操作を切り替える処理について説明する。
【0032】
CPU2は、作業者がサブパネル20の操作を有効に切り替えたか否かを判断する(S10)。有効に切り替えたか否かの判断は、作業者が操作有効キー23(図2参照)を操作したか否かによって行う。作業者が操作有効キー23を操作していない場合(S10:NO)、CPU2は処理を後述するS90に移行する。
【0033】
作業者が操作有効キー23を操作した場合(S10:YES)、CPU2はメインパネル10の操作を無効、サブパネル20の操作を有効に切り替え(S20)、RAM4に操作可能なパネルがサブパネル20であることを記憶する。サブパネル20の操作を有効に切り替えると、ディスプレイ21の表示は図3に示すディスプレイ31と同様の表示となり、メインパネル10のディスプレイ11の表示は図4に示す状態となる。
【0034】
CPU2は、作業者がサブパネル20の操作を無効に切り替えたか否かを判断する(S30)。無効に切り替えたか否かの判断は、作業者が操作無効キー25(図3参照)を操作したか否かによって行う。作業者が操作無効キー25を操作した場合(S30:YES)、CPU2はサブパネル20の操作を無効、メインパネル10の操作を有効に切り替え(S80)、RAM4に操作可能なパネルがメインパネル10であることを記憶する。
【0035】
CPU2は、作業者がサブパネル20の画面消灯キー24を操作したか否か判断する(S90)。作業者が画面消灯キー24を操作していない場合(S90:NO)、CPU2は処理を終了する。作業者が画面消灯キー24を操作した場合(S90:YES)、CPU2はサブパネル20のディスプレイ21を消灯し(S100)、処理を終了する。
【0036】
S30において作業者が操作無効キー25を操作していない場合(S30:NO)、CPU2はタイマ8を起動し(S40)、作業者によるサブパネル20の操作がない時間を計測する。CPU2は、作業者によるサブパネル20の操作がない時間が所定時間以上か否かを判断する(S50)。本実施形態における所定時間は、作業者による操作パネルの操作がなかった場合に、ディスプレイを消灯して消費電力を抑える省電力機能を有効にする時間であり、予めRAM4に記憶してある。作業者によるサブパネル20の操作がない時間が所定時間未満の場合(S50:NO)、CPU2は処理をS30に移行する。
【0037】
作業者によるサブパネル20の操作がない時間が所定時間以上の場合(S50:YES)、CPU2は、メインパネル10及びサブパネル20、30のディスプレイ11、21、31を消灯する(S60)。CPU2は、サブパネル20の操作を無効、メインパネル10の操作を有効に切り替え(S70)、RAM4に操作可能なパネルがメインパネル10であることを記憶して処理を終了する。本実施形態では、サブパネル20の操作を切り替える処理について説明したが、サブパネル30の操作を切り替える場合も上述と同様の処理を行う。
【0038】
尚、本実施形態における操作有効キー23及び操作無効キー25は、本発明の「操作切替手段」に相当する。画面消灯キー24は、本発明の「パネル手動消灯手段」に相当する。S20の処理を実行するCPU2は、本発明の「パネル無効手段」に相当する。タイマ8は、本発明の「計測手段」に相当する。S50の処理を実行するCPU2は、本発明の「計測時間判断手段」に相当する。S60の処理を実行するCPU2は、本発明の「第1パネル消灯手段」に相当する。S70の処理を実行するCPU2は、本発明の「第1パネル切替手段」に相当する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の数値制御装置1は、サブパネル20の操作が有効であるときに、サブパネル20を操作していない時間が所定時間以上であると判断した場合、メインパネル10及びサブパネル20、30のディスプレイ11、21、31を消灯する。数値制御装置1は、ディスプレイ11、21、31を消灯した場合に、サブパネル20の操作を無効に切り替え、メインパネル10の操作を有効にする。従って、ディスプレイ11、21、31が消灯された場合に操作可能な操作パネルはメインパネル10になるため、作業者は操作可能な操作パネルを探すことがなくなり、作業効率の低下を防ぐことができる。
【0040】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、様々な変更が可能である。上記実施形態は、サブパネル20を操作していない時間が所定時間以上であると判断した場合、サブパネル20のディスプレイ21を消灯した。変形例は、作業者がサブパネル20を操作可能な位置にいるか否かを検知する作業者検出センサ9を設ける。作業者検出センサ9が、サブパネル20を操作可能な位置に作業者がいないことを検知した場合、ディスプレイ21を消灯するようにしてもよい。
【0041】
例えば、図6に示すように、作業者検出センサ9は、数値制御装置100の入出力インタフェース50に接続する。尚、数値制御装置100は、上述した実施形態とほぼ同様の構造を備えているので詳細な説明を省略する。図7に示す作業者検出処理は、図5のS40の処理とS50の処理との間に行う。CPU2は、作業者がサブパネル20を操作可能な位置にいるか否かを作業者検出センサ9の検出結果に基づいて判断する(S400)。作業者がサブパネル20を操作可能な位置にいる場合(S400:YES)、CPU2は処理を終了する。
【0042】
作業者がサブパネル20を操作可能な位置にいない場合(S400:NO)、CPU2はサブパネル20のディスプレイ21を消灯する(S410)。CPU2はサブパネル20の操作を無効、メインパネル10の操作を有効に切り替え(S420)、RAM4に操作可能なパネルがメインパネル10であることを記憶して処理を終了する。従って、数値制御装置100は、作業者がサブパネル20による操作を行わなくなった時点で、サブパネル20のディスプレイ21を消灯することができ、消費電力を抑えることができる。変形例における作業者検出センサ9は、本発明の「検知手段」に相当する。S410の処理を実行するCPU2は、本発明の「第2パネル消灯手段」に相当する。S420の処理を実行するCPU2は、本発明の「第2パネル切替手段」に相当する。
【0043】
上記実施形態における所定時間は、予めRAM4に記憶された時間であった。所定時間は、サブパネル20、30の夫々に対して設定可能であってもよい。例えば、作業者はキーボード12を用いてサブパネル20、30の夫々について所定時間を設定し、RAM4に記憶する。CPU2は、作業者によるサブパネル20の操作がない時間を計測する際、サブパネル30の使用頻度が低い場合は、作業者が所定時間をサブパネル20より短く設定することで早くディスプレイ31を消灯することが出来る。従って、数値制御装置は、消費電力を更に抑えることができる。
【0044】
上記実施形態におけるサブパネルは2個であったが、3個以上であっても、1個であってもよい。サブパネルは、ディスプレイとタッチパネルとを備えていたが、メインパネル10と同様にキーボードを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1、100 数値制御装置
2 CPU
3 ROM
4 RAM
8 タイマ
9 作業者検出センサ
10 メインパネル
11 ディスプレイ
12 キーボード
20 サブパネル
21 ディプレイ
22 タッチパネル
23 操作有効キー
24 画面消灯キー
30 サブパネル
200 工作機械

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の操作を行う複数の操作パネルを接続する数値制御装置において、
前記複数の操作パネルのうち1つの操作パネルの操作の有効又は無効を切り替える操作切替手段と、
前記操作切替手段により前記1つの操作パネルの操作を有効に切り替えた場合に、前記1つの操作パネル以外の操作パネルの操作を無効にするパネル無効手段と、
前記パネル無効手段により前記1つの操作パネル以外の前記操作パネルの操作を無効にした場合に、前記1つの操作パネルが操作されていない時間を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された時間が所定時間以上か否かを判断する計測時間判断手段と、
前記計測時間判断手段によって前記1つの操作パネルが操作されていない時間が前記所定時間以上であると判断された場合に、全ての操作パネルの表示を消灯する第1パネル消灯手段と、
前記第1パネル消灯手段によって前記全ての操作パネルの表示を消灯した場合に、前記1つの操作パネルの操作を無効にし、且つ前記1つの操作パネル以外の特定の操作パネルの操作を有効にする第1パネル切替手段と
を備えたことを特徴とする数値制御装置。
【請求項2】
前記操作切替手段により前記1つの操作パネルの操作を有効に切り替えた場合に、前記1つの操作パネルを操作可能な位置に作業者がいるか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段が前記1つの操作パネルの操作を操作可能な位置に作業者がいないことを検知した場合に、前記1つの操作パネルの表示を消灯する第2パネル消灯手段と、
前記第2パネル消灯手段によって前記1つの操作パネルの表示を消灯した場合に、前記1つの操作パネルの操作を無効にし、且つ前記特定の操作パネルの操作を有効にする第2パネル切替手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
【請求項3】
前記計測時間判断手段によって判断される前記所定時間を前記複数の操作パネルのそれぞれに対して設定可能な時間設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。
【請求項4】
前記複数の操作パネルのそれぞれに、当該操作パネルの表示を消灯するパネル手動消灯手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の数値制御装置。
【請求項5】
工作機械の操作を行う複数の操作パネルを接続する数値制御装置の制御プログラムにおいて、
前記複数の操作パネルのうち1つの操作パネルの操作の有効又は無効を切り替える操作切替ステップと、
前記操作切替ステップにより前記1つの操作パネルの操作を有効に切り替えた場合に、前記1つの操作パネル以外の操作パネルの操作を無効にするパネル無効ステップと、
前記パネル無効ステップにより前記1つの操作パネル以外の前記操作パネルの操作を無効にした場合に、前記1つの操作パネルが操作されていない時間を計測する計測ステップと、
前記計測ステップにより計測された時間が所定時間以上か否かを判断する計測時間判断ステップと、
前記計測時間判断ステップによって前記1つの操作パネルが操作されていない時間が前記所定時間以上であると判断された場合に、全ての操作パネルの表示を消灯する第1パネル消灯ステップと、
前記第1パネル消灯ステップによって前記全ての操作パネルの表示を消灯した場合に、前記1つの操作パネルの操作を無効にし、且つ前記1つの操作パネル以外の特定の操作パネルの操作を有効に切り替える第1パネル切替ステップと
を備えたことを特徴とする数値制御装置の制御プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−48625(P2012−48625A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192256(P2010−192256)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】