説明

数値地図データ処理方法、数値地図データ処理プログラム及び数値地図データ処理装置。

【課題】数値地図に基づいて地形を複数の要素からなる地貌指数で表し、可視性に優れた地図を作成する数値地図データ処理方法を提供することを目的とする。)
【解決手段】数値地図データ50から、各格子点Eにおける標高値kを読み取る。中心格子点を囲繞する複数の格子点Eにより構成される範囲を近傍範囲NAとして、近傍範囲NA内の全格子点Eの標高値kの中から接峰標高値kmax及び接谷標高値kminを読み取り、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式から比標高Rを算出する。次に、各格子点Eの標高値kに基づき、各格子点Eの斜面の傾斜角θを算出する。そして、全格子点Eについて、T=log(k×tanθ×R)の式から地貌指数Tを算出する。そして、地貌指数Tから全ての格子点Eについて色画像データを算出し、色画像データを各格子点Eに貼り付ける等によって対応させることにより地貌図を作成し、表示部5に表示し、出力部6で出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値地図のデータに基づいて地形を数値化して表し、さらにその数値に基づいて可視性に優れた地図を作成する数値地図データ処理方法、数値地図データ処理プログラム及び数値地図データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地形を2次元平面である地図上に視覚化して表現することは従来から多くの試みがなされており、一般に地形を表現する地図には等高線図、陰影図、標高図、傾斜分布図等がある。等高線図は、同一標高地点を線で結ぶことによって地形を表現する方法である。陰影図は、特定方向からの光の照射をシミュレーションすることにより立体的に地形を表現する方法である。標高図は、標高を一定の区分で色分けして表示することにより地形を表現する方法である。傾斜分布図は、地形の傾斜量と明度、彩度等を対応させることにより地形を表現する方法である。それらの地図の多くは、地形を経度方向、緯度方向にそれぞれ分割して形成したメッシュと標高を対応させることにより地形をデータ化した数値地図データを基に作成されている。
【0003】
そして、その数値地図データの処理方法としては、隣接するメッシュの標高データを比較することにより数値地図の標高データの切捨てによる誤差が最も少ない標高データが関連付けられたメッシュを基準メッシュとし、さらにその基準メッシュの標高データを基準標高データとして設定することにより、基準メッシュの座標値及び基準標高データから同一の基準標高データを結んで誤差が少ない高精度の等高線を描き、傾斜面を高精度に表すことができる数値地図データの処理方法がある(特許文献1)。また、地形の表示方法としては、ベクトル場を立体的属性も含めて直感的に視覚化することにより、地形の凹凸部の高低及び傾斜を立体的に色調表現していわゆる赤色立体地図を作成する視覚化処理システムがある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−208094号公報
【特許文献2】特許第3670274号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、等高線図は、一定の標高間隔で等高線を作成するから、傾斜が急な地点では等高線間隔が密になりすぎ、また、傾斜が緩やかな地点では等高線間隔が広くなりすぎてしまい地形を正確に表現できず、視覚的に地形を把握しづらいという問題がある。特に崖部は等高線間の隙間がなくなり表現することが出来ないから、崖記号に置き換えるという煩雑な作業が必要となるという問題もある。
【0005】
陰影図は、斜め上方から光を当て地形の起伏を表現するものであるから、特定方向の傾斜が強調され、光が当たらず影になる箇所は暗くなって見えづらくなる。さらに凹凸が小さい地形は表現することが出来ないから、起伏が少なく平坦な平野部を表現することは出来ない。また、光の当たる向きによって見え方が異なる、凹凸が反転して見えてしまうという問題もある。
【0006】
標高図としては標高段彩図や等高線図などがあるが、いずれも高標高地域では表現が密になるが、低標高地域では標高の変化が乏しく表現が疎になり地形を詳細に表現をすることが出来ない。また、斜面が上昇斜面であるのか下降斜面であるのかを見分けることが困難であり、尾根部と谷部を見誤るおそれがあるから、地形を正確に判読するにはある程度の熟練を要する。さらに、地図全体として地形が立体的に表されているとはいえず、視覚的に地形を捉えるのが困難であるという問題もある。
【0007】
傾斜分布図では同一の傾斜箇所は同一表現になるから、例えば、尾根部でも谷部でもゼロ傾斜となる場合は同一表現となり、平地と山地の区別が不明瞭で尾根と谷の区別がつかない。また斜面の凹凸も不明瞭になるという欠点もある。そして、傾斜図は傾斜角に基づき地形を表現するものであるから、起伏が乏しく傾斜が少ない平野部を表現することが出来ない。このように、2次元平面上では標高や傾斜などの個別のデータのみによって地形の特徴を直感的に把握できるように表現することは難しい。
【0008】
一方、上述の特許文献1の数値地図データの処理方法によって作成される地図は、標高データのみの単一表現であるから従来の地形表現方法の範疇を出ず、必ずしも可視性に優れているとはいえず、平坦で起伏の少ない低平地を明確に表現するのには難がある。また、上述の特許文献2の視覚化処理システムによって作成されるいわゆる赤色立体地図は、傾斜量が大きいほど赤く表示し、標高が高いほど明るく、低いほど暗く表示することにより構成される地図であり、標高が高くて凹凸が多い山地の表現には優れているが標高が低く凹凸の少ない地形を詳細に表現することができず、平野部や都市部の表現には不向きである。さらに単純なグラデーション表示ではないから、他の地図との重ね合わせが困難であるという問題もある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもので、数値地図データに基づいて地形を複数の要素からなる数値で表すことにより地形の様々な数値解析を可能にし、さらにその数値に基づいて可視性に優れた地図を作成する数値地図データ処理方法、数値地図データ処理プログラム及び数値地図データ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために構成された本発明の手段は、地表面上を2次元座標に沿って配列される複数のメッシュで区画し、該メッシュの各格子点における標高値により構成された数値地図データから、各格子点の標高値kを取得するステップと、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点で構成される範囲を該格子点の近傍範囲とし、該近傍範囲内の複数の格子点の標高値kの中から最高標高値kmax及び最低標高値kminを取得するステップと、取得した最高標高値kmax、最低標高値kmin及び標高値kに基づき、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式により、各格子点ごとに比標高Rを算出するステップを備えることにある。
【0011】
そして、前記各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点の標高値kをそれぞれ取得し、これら複数の標高値kに基づき該格子点における斜面の傾斜角θを算出するステップと、標高値k、比標高R及び傾斜角θに基づき、T=log(k×R×tanθ)の式により、各格子点ごとに地貌指数Tを算出するステップを更に備えるとよい。
【0012】
また、前記比標高Rに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより比標高図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップを更に備えるとよい。
【0013】
また、前記比標高図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップは、比標高Rに基づき濃淡を対応させる色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることによりグラデーション比標高図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するとよい。
【0014】
また、前記地貌指数Tに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップを更に備えるとよい。
【0015】
また、前記地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップは、地貌指数Tに基づき濃淡を対応させる色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることによりグラデーション地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するとよい。
【0016】
さらに、前記地貌図を作成するステップは、地貌指数Tに基づき色相を対応させる色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより段彩地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するとよい。
【0017】
また、請求項8に係る本発明を構成する手段は、地表面上を2次元座標に沿って配列される複数のメッシュで区画し、該メッシュの各格子点における標高値により構成された数値地図データから、各格子点の標高値kを取得する処理と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点で構成される範囲を該格子点の近傍範囲とし、該近傍範囲内の複数の格子点の標高値kの中から最高標高値kmax及び最低標高値kminを取得する処理と、取得した最高標高値kmax、最低標高値kmin及び標高値kに基づき、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式により、各格子点ごとに比標高Rを算出する処理と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点の標高値kをそれぞれ取得し、これら複数の標高値kに基づき該格子点における斜面の傾斜角θを算出する処理と、前記標高値k、比標高R及び傾斜角θに基づき、T=log(k×R×tanθ)の式により、各格子点ごとに地貌指数Tを算出する処理と、該地貌指数Tに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力する処理をコンピューターに実行させるべく機能することにある。
【0018】
また、請求項9に係る本発明を構成する手段は、請求項8に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記憶媒体とすることにある。
【0019】
また、請求項10に係る本発明を構成する手段は、地表面上を2次元座標に沿って配列される複数のメッシュで区画し、該メッシュの各格子点における標高値により構成された数値地図データから、各格子点の標高値kを取得する手段と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点で構成される範囲を該格子点の近傍範囲とし、該近傍範囲内の複数の格子点の標高値kの中から最高標高値kmax及び最低標高値kminを取得する手段と、取得した最高標高値kmax、最低標高値kmin及び標高値kに基づき、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式により、各格子点ごとに比標高Rを算出する手段と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点の標高値kをそれぞれ取得し、これら複数の標高値kに基づき該格子点における斜面の傾斜角θを算出する手段と、前記標高値k、比標高R及び傾斜角θに基づき、T=log(k×R×tanθ)の式により、各格子点ごとに地貌指数Tを算出する手段と、該地貌指数Tに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力する手段を備えることにある。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上述の構成とすることにより以下の諸効果を奏する。
(1)侵食前の地形を表す侵食原面と侵食下限面の間のどこに地表面が位置しているかを表す比標高という値を定義し、その値に基づき地図を作成して地形を表現することにより、侵食により形成される地表面上の微細な起伏や、侵食によって形成される河川の生成過程や分布状況を的確に把握することができる。
(2)地形を対数変換した値で表し、その値に基づいて地図を作成することにより、標高が低く、起伏が乏しい地域を大きく強調して表現することができるから、従来の表現方法では表現することが難しい標高が低く、起伏の乏しい低平地部、都市部及び丘陵部等も詳細に表現することができる。
(3)地形を標高、傾斜角の正接、比標高の積を対数変換した値で表すことにより、標高が高く、傾斜が急で尾根に近い箇所はより高く、標高が低く傾斜が緩やかな箇所はより低く表現できるから、地形の特徴を強調して詳細に表現することができる。
(4)地貌指数に基づき作成する地図は、地形を立体的に表現することができるから、従来の地図に比べ可視性に優れており、地形判読を容易にそして正確に行うことができる。
(5)単一色のグラデーション表示で地図を表すことにより、立体的に地形を表現しながら、他の地図との重ね合わせも可能であり、様々な地図データを重ね合わせて多角的、複合的な表現、データ分析を容易に行うことができる。
(6)地貌指数に基づき作成する地図は洪水被害地域、浸水被害地域、火山災害地域、地震災害地域等を表すことができるから洪水氾濫危険区域図、浸水想定区域図等のハザードマップ、災害想定システム等に応用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基き説明する。図1は、数値地図データ処理装置の実施形態の概略ブロック図を示す。該数値地図データ処理装置は、各種の演算、処理を行う中央演算処理装置(CPU)である制御部1と、該制御部1に読み込まれるプログラム、オペレーティングシステム等を格納するROM等の第1記憶部2と、制御部1で処理する情報及び制御部1から書き込まれる情報を格納するRAM等の第2記憶部3と、設定、指示等の数値地図データ処理に必要な各種情報を入力するためのキーボード、マウス、タッチパネル等を含む入力部4と、制御部1から出力された情報を表示するディスプレイ等の表示部5と、制御部1から出力された情報をプリントアウト等することにより出力するプリンタ等を含む出力部6とを備えている。そして、前記第1記憶部2には、数値地図データ処理プログラム100が格納してある。
【0022】
前記第2記憶部3には、数値地図データ処理プログラム100の処理対象となる数値地図データ50が格納してあり、本実施の形態では、数値地図データ50として国土地理院発行の「数値地図50mメッシュ」を用いている。数値地図50mメッシュとは、国土地理院が刊行している二万五千分の一地形図に描かれている等高線を計測してベクトルデータを作成し、ベクターラスタ変換により求めた数値標高モデル(DEM:Digital
Elevation Model)である。二万五千分の一地形図を経度方向、緯度方向にそれぞれ200等分して形成してある各格子点の標高がデータ化されており、格子点の間隔の実距離は約50m×50mである。
【0023】
なお、数値地図データ50としては国土地理院発行の「数値地図50mメッシュ」に限られず、航空写真測量により作成した「数値地図25mメッシュ」、航空レーザー測量法により作成した数値地図1mメッシュ及びSRTM(Shuttle
Radar Topography Mission)によりスペースシャトルに搭載したレーダーで地球の地形を測定して作成された数値地図等もスケールを問わず用いることができる。
【0024】
図2に第1の実施の形態に係る数値地図データ処理のフローチャートを示す。まず、制御部1は第2記憶部3に格納してある数値地図データ50から、地表面を互いに直交するX座標、Y座標に沿って配列してある各格子点E、E、・・・E(以下、場合によりEと総称する。)における標高値kを読み取る(ステップ1)。
【0025】
次に制御部1は、ステップ1で取得した各格子点Eの標高値kに基づき各格子点Eについて比標高Rを算出する。図3に示すように格子点Eについて比標高Rを算出しようとする場合は、まず、該格子点Eを中心格子点として格子点Eを囲繞する複数の格子点Eにより構成される範囲を格子点Eの近傍範囲NAとして、該近傍範囲NA内に存在する全格子点Eの標高値kの中から最大標高値kmax及び最低標高値kminを読み取り、該最大標高値kmaxを近傍範囲NAの中心に位置する格子点Eの接峰標高値kmaxとして、また、該最低標高値kminを同じく格子点Eの接谷標高値kminとして第2記憶部3に格納する(ステップ2)。本実施の形態では図3に示すように、格子点Eを中心として囲繞するX座標方向の11行、Y座標方向に11列の合計120個の丸点で示している格子点で構成される範囲を近傍範囲NAとしている。ただし、近傍範囲は120個の格子点に限られず地図の大きさ等に基づいて適宜変更するとよい。
【0026】
次に、読み取った標高値k、接峰標高値kmax及び接谷標高値kminに基づき、以下の式により算出される値を比標高Rとして各格子点Eに対応させて第2記憶部3に格納する(ステップ3)。この処理をX座標方向の格子点に沿って行い、X座標方向の格子点が終了すると同様の処理をY座標方向に沿って行うことにより、全ての格子点Eについて近傍範囲を設定し、比標高Rを算出することができる。
【0027】
【数1】

【0028】
図4は隣接する各近傍範囲における接峰標高値kmax、接谷標高値kmin、標高値kの関係を示す側面図であり、隣接する近傍範囲をそれぞれNA、NA11、NA21、NA31と表し、各近傍範囲の中心格子点をそれぞれE、E11、E21、E31として長線で表している。また、各近傍範囲の接峰標高値kmaxを△、接谷標高値kminを×、標高値kを○でそれぞれ表し、格子点は短線Lで表している。図4に示すように、近傍範囲内の接峰標高値kmaxを中心格子点の標高に置き換え、隣接する近傍範囲のそれぞれの接峰標高値kmaxを結ぶことにより作成した面を接峰面として定義すると、該接峰面は近似的に侵食が始まる前の地形を表していると見なすことができる。また、同様に該近傍範囲の接谷標高値kminを中心格子点の標高に置き換え、隣接する近傍範囲のそれぞれの接谷標高値kminを結ぶことにより作成した面を接谷面として定義すると、該接谷面は侵食の下限面を表していると見なすことができる。そして、ステップ3により算出される比標高Rは、近傍範囲の中心格子点の標高値kが侵食前の地形を表す侵食原面と侵食下限面との間のどこに位置しているかを表しており、広範囲における地形の起伏特性を表しているということができる。さらに、侵食度=1−比標高R、として侵食度を定義すると、比標高Rは侵食残存度と見なすこともできる。
【0029】
次に制御部1は、前記ステップ3で各格子点Eについて比標高Rを算出した後、該比標高Rの最大値を1、最小値を0として、以下の式を用いて全ての格子点Eについて色画像データを算出し、該色画像データを各格子点に対応させて第2記憶部3に格納する(ステップ4)。
【0030】
【数2】

【0031】
次に制御部1は、第2記憶部3から各格子点Eに対応した前記色画像データを読み取り、該色画像データを各格子点Eに貼り付ける等によって対応させることにより地図を作成する(ステップ5)。色画像データは、RGBカラーモデルの各色に対応しており、本実施の形態では、R及びBの値は0で固定し、比標高R=1の場合はgreen=255で色画像データは緑色になり、比標高R=0の場合はgreen=0で色画像データは黒色になり、比標高Rが増加するに伴い黒色から明るい緑色へとグラデーション変化していく緑色グラデーション比標高図として地形を表している。
【0032】
そして、作成したグラデーション比標高図を表示部5のディスプレイに表示し、又は/同時に、出力部6のプリンタ等でプリントアウトすることにより出力する(ステップ6)。図5は、本実施の形態を用いて作成した関東地方一帯のグラデーション比標高図を示す。なお、比標高を地図として表すに際しては、グラデーション表示に限られず、また色も緑色に限られず様々な表現方法、色を用いて地図に表すことができる。
【0033】
グラデーション比標高図では、河川や湖沼は浸食の下限に近いから、黒色又はこれに近い暗い色調で表現され、それに対し、台地は侵食度が低いから明るい色調で表現されている。さらに、台地では僅かな侵食度の差が微地形として表現されることにより台地面の微細な起伏の変化が表現されている。このようにグラデーション比標高図からは、河川や台地の分布状況や活構造等による構造規制のパターン等を読み取ることができるから、河川の生成過程、発達状況等を詳細に把握することができる。
【0034】
図6は本発明の第2の実施の形態に係る数値地図データ処理のフローチャートを示す。なお、本実施の形態及び後述する他の実施の形態において、第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し、その説明を省略する。
【0035】
制御部1は、ステップ1で取得した各格子点Eの標高値kに基づき、各格子点Eの斜面の傾斜角θを算出し、その傾斜角θを各格子点Eに対応させて第2記憶部3に格納する(ステップ11)。この処理も全ての格子点Eについて行う。傾斜角θは、図7に示すように、格子点E(格子点Eの標高値をeとする。)について傾斜角θを求めようとする場合、該格子点EにX座標方向、Y座標方向に隣接する4つの格子点E(4近傍)の標高値(b、h、d、f)を用いて算出することができる。算出する式を以下に示す。
【0036】
【数3】

【0037】
Wは格子点間距離である。なお、傾斜角θは4近傍の標高値ではなく、格子点Eを囲繞する周囲8方位の8つの格子点E(8近傍)の標高値(a、b、c、d、f、g、h、i)を用いて、以下に示す式で求めることもできる。
【0038】
【数4】

【0039】
そして、制御部1は、前記ステップ1乃至ステップ3及びステップ11の処理により読み取り又は算出した各格子点Eの標高値k、比標高R、傾斜角θに基づき、全格子点Eについてそれぞれ以下の式を用いて算出した値を地貌指数Tとして各格子点Eに対応させて第2記憶部3に格納する(ステップ12)。
【0040】
【数5】

【0041】
次に制御部1は、該地貌指数Tの最大値を5、最小値を−2として、以下の式を用いて全ての格子点Eについて色画像データを算出し、該色画像データを各格子点Eに対応させて第2記憶部3に格納する(ステップ13)。色画像データは、RGBカラーモデルの各色に対応しており、地貌指数T=5の場合はgray=0で色画像データは黒色になり、T=−2の場合はgray=255で色画像データは白色になり、地貌指数Tが増加するに伴い白色から灰色、黒色へとグラデーション変化していく。
【0042】
【数6】

【0043】
次に制御部1は、第2記憶部3から各格子点Eに対応した前記色画像データを読み取り、該色画像データを各格子点Eに貼り付ける等によって対応させることにより地図を作成する(ステップ14)。これにより地貌指数Tが低い地形は白く表示され、地貌指数Tが高い地形は黒く表示され、地貌指数Tが高くなっていくに伴い白色から灰色、そして黒色へと変化していく灰色単色グラデーション地貌図を作成することができる。そして、作成したグラデーション地貌図を表示部5のディスプレイに表示し、又は/同時に、出力部6のプリンタ等でプリントアウトすることにより出力する(ステップ15)。図8は、本実施の形態を用いて作成した関東地方一帯のグラデーション地貌図を示す。
【0044】
従来の表現方法では、地形は通常、標高、傾斜角など単一の要素によって表現されてきたが、上述の処理により算出される地貌指数Tは、地形についての3つの要素である格子点の標高値k、傾斜角θの正接、比標高Rの積を対数変換したものであるから、標高が高く、傾斜が急で、尾根に近い地点においてはより大きい値になり、標高が低く、傾斜が緩やかで、谷に近い地点においてはより低い値となり、地形の特徴を強調する擬似標高を表す値であるということができる。また、それら3つの要素の積は、侵食に対する抵抗の度合いを強調した値であるとみなすこともできる。さらに、地貌指数Tは上述の3つの要素の積を対数変換した値であるから、標高値k、傾斜角θの正接、比標高Rの積の値が小さくなる、標高が低く、傾斜が緩やかな低平地の形状が大きく詳細に表現され、低平地の僅かな起伏も正確に把握することができる。
【0045】
なお、グラデーション地貌図の表示、出力に代えて、又は同時に、各格子点Eについて算出した地貌指数Tを数値データとして表示部5のディスプレイに表示したり、出力部6のプリンタ等でプリントアウトすることにより出力してもよい。数値データとして表示、出力された地貌指数Tは、単一要素ではなく、3つの要素を用いて地形を数値化して表したものであるから統計解析等の種々の数値解析、地貌指数Tを擬似標高値と見なすことによる地形数値解析、グレイシステムやファジーシステム解析等の複雑性解析及びシミュレーション等に様々な目的に用いることができ、防災計画、地域計画等に有用であると考えられる。
【0046】
図9は本発明の第3の実施の形態の数値地図データ処理のフローチャートを示す。制御部1は、ステップ11で各格子点Eについて傾斜角θを算出し、ステップ12で各格子点Eについて地貌指数Tを算出した後、地貌指数Tの最大値を4.0、最小値を0として0乃至4.0の間で0.2間隔で、地貌指数TとRGB値を対応させたRGB値ファイルに従い地貌指数Tごとに色画像データを算出する(ステップ21)。RGB値ファイルは図10に示すように地貌指数TとRGB値が対応しており、第1記憶部2に格納してある。そして、該色画像データを各格子点Eに貼り付ける等によって対応させることにより段彩地貌図を作成する(ステップ22)。本実施の形態では、地貌指数Tが最も大きい地域は茶色系統の色、それに次いで地貌指数が大きい地域は緑系統の色、さらにそれより地貌指Tが小さい地域は水色系統の色、さらに地貌指数Tが小さい地域は灰色系統の色、地貌指数Tが0の地域は白色で表現している。
【0047】
そして、作成した段彩地貌図を表示部5のディスプレイに表示し、又は/同時に出力部6のプリンタ等でプリントアウトすることにより出力する(ステップ23)。なお、段彩地貌図を表示、出力する際に同時に、カラーチャートを地貌指数と対応させた形式で表示、出力することもできる。また、第2の実施の形態同様、段彩地貌図の表示、出力に代えて、又は同時に地貌指数Tを数値データとして表示、出力してもよい。図11は、本実施の形態を用いて作成した関東地方一帯の段彩地貌図を示す。
【0048】
図12、図13、図14は、従来の表現方法によりそれぞれ作成した関東地方一帯の陰影図、標高段彩図、傾斜分布図を示す。これら3つの地図もグラデーション地貌図、段彩地貌図と同様に国土地理院発行の「数値地図50mメッシュ」を用いて作成したものである。そして、これら従来の表現方法により作成した地図と図8に示したグラデーション地貌図、図11に示した段彩地貌図を比較する。
【0049】
まず、図12の陰影図では、北東側12Aに位置する筑波山、八溝山地、北西側12Bに位置する足尾山地、西側12Cに位置する秩父山地等の標高が高い山地部についてはその起伏が立体的に表現されている。しかし、八溝山地と足尾山地に挟まれた地域12D、足尾山地と秩父山地に挟まれた地域12E、東京都や埼玉県周辺の標高が低く起伏が少ない平野部、都市部等はほとんどが暗くなってしまい視覚的に明確に表現されているとは言い難く地形の特徴を把握することは出来ない。次に図13の標高段彩図は、北西側13Aに位置する足尾山地等の標高が高い山地部では表現が密になっているが、それ以外の八溝山地と足尾山地に挟まれた地域13B、足尾山地と秩父山地に挟まれた地域13C等の中標高部、標高の変化に乏しい東京都周辺の平野部、都市部は表現が粗くなり地形を詳細に表現することは出来ていない。さらに地図に立体感がなく、高標高部と低標高部の判別も困難であるから、視覚的に地形の特徴を把握するのは難しい。そして、図14の傾斜分布図は、東京都、埼玉県周辺や、八溝山地と足尾山地に挟まれた地域14A、足尾山地と秩父山地に挟まれた地域14Bというような地形の起伏が少なく傾斜箇所が少ない地域はほとんど表現されていない。また、同一傾斜値は同一の表現になるから、尾根部と谷部でも傾斜が同じ場合は同じように表現されてしまい、視覚的表現力に乏しい。
【0050】
これに対し、図8に示すグラデーション地貌図は標高値k、傾斜角θ、比標高Rという3つの要素の積で地形を表現することにより地形の特徴を強調し、さらにそれを対数変換した値である地貌指数に基づいて作成した地図である。したがって、標高が高く、傾斜がきつい山間部がいずれも詳細に表現され、さらに筑波山、八溝山地と足尾山地に挟まれた地域8A、足尾山地と秩父山地に挟まれた地域8B、東京都、埼玉県周辺の標高が低く起伏が少ない平野部、都市部等の陰影図等では表現するのが困難であった地形も明瞭、詳細に表現されており、少ないながらも存在する起伏とその連なり、地形の隆起の方向等を的確に把握することができる。また、沖積低地の分布状況、地形の隆起の形状、河川地形等も詳細に表現されている。また、谷線、尾根線を含む地形の線形構造も詳細に表現されている。さらに、従来の表現方法に比べて立体的に表現されているから地形の特性を視覚的に把握することができる。
【0051】
図11に示す段彩地貌図もグラデーション地貌図と同様に、標高が高く、傾斜がきつい山間部のみならず、筑波山、八溝山地と足尾山地に挟まれた地域11A、足尾山地と秩父山地に挟まれた地域11B、東京都、埼玉県周辺の標高が低く起伏が少ない平野部、都市部等も明瞭、詳細に表現されている。また、一般的に、標高が高い山間部は生い茂る樹木によって視覚的には緑色のイメージがあり、標高が高く傾斜が急な尾根や山頂は露出した山肌の色によって視覚的には茶色のイメージがあり、さらに、標高が低く、傾斜が緩やかで凹凸が少ない都市部、平野部等は道路や建築物などによって視覚的には白、灰色のイメージがある。そこで、地貌指数Tが最も大きい地域は茶色系統の色で表現し、それに次いで地貌指数が大きい地域は緑系統の色で表現し、地貌指数Tが小さい地域は白、灰色系統の色で表現することによって、地貌指数Tによる地形表現の特徴を維持しながら、さらにそこに自然な感覚を加わえて、より視覚的に優れた状態で地形を表現することができる。
【0052】
このように、地貌指数Tに基づいて作成した地図は従来の地形表現方法では困難であった高い山地と低い山地の区別、低標高地での平野、丘陵部、沖積地等の分布状況及び河川の分布状況等を詳細に表現することが可能であるから、高標高地域だけでなく低標高地も含めた地形全体の特性を視覚的に正確に把握することができる。よって、その大部分が低平地に位置している都市部の解析にも有効である。また、従来の地図に比べ、地形をより立体的に表すことができるから地形を視覚的に捉えやすい表現力に優れた地図であるといえる。
【0053】
地貌指数Tに基づいて作成した地図、特に灰色グラデーション地貌図は、従来の地図に比べ地形を立体的に表現しながら、他の地図との重ね合わせが可能であり、様々な地図を重ね合わせて多角的、複合的な表現を行うことができる。図15は、北海道の大雪山系の灰色グラデーション地貌図と傾斜分布図を重ね合わせた地図を示す。グラデーション地貌図と傾斜分布図を重ね合わせることにより、標高が高い山地地域の地形、特にその傾斜の変化を明りょうに表現することができ、火山地域の地図について重ね合わせを行えば、溶岩流の状況や火砕流の分布状況を的確に把握することができる。なお、地図の重ね合わせは地貌図と傾斜分布図に限られず、陰影図や国土地理院の二万五千分の一地図情報等他の地図とも可能であり、また、地図以外にも、航空写真、衛星画像等との重ね合わせも可能であり、それにより新たな地形表現を得ることができる。
【0054】
図16は、北海道石狩側流域のグラデーション地貌図と洪水被害図を重ね合わせた図を示す。低標高地域にしみのように分布しているのが洪水で溢れ出た水による浸水域である。図16からわかるように浸水域はグラデーション地貌図が表す低地帯と一致しており、特に下流域ではほとんどが一致している。したがって、地貌図を用いることによって、洪水や津波などの水氾濫による浸水地域を表現することも可能であるから、洪水氾濫危険区域図、浸水想定区域図等の災害対策のハザードマップに応用して河川の氾濫予測、洪水による浸水域の予測等を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】数値地図データ処理装置のブロック図である。
【図2】数値地図データから比標高を算出し、比標高図を作成する手順を示すフローチャートである。
【図3】比標高の算出における近傍範囲の説明図である。
【図4】接峰面及び接谷面の説明図である。
【図5】グラデーション比標高図である。
【図6】図6乃至図8は本発明の第2の実施の形態に係り、図6は数値地図データから地貌指数を算出し、グラデーション地貌図を作成する手順を示すフローチャートである。
【図7】各格子点の傾斜角の算出に用いる格子点の説明図である。
【図8】関東地方一帯のグラデーション地貌図である。
【図9】図9乃至図11は本発明の第3の実施の形態に係り、図9は数値地図データから地貌指数を算出し、段彩地貌図を作成する手順を示すフローチャートである。
【図10】地貌指数とそれに対応するRGB値を示すRGB値表である。
【図11】関東地方一帯の段彩地貌図である。
【図12】関東地方一帯の陰影図である。
【図13】関東地方一帯の標高段彩図である。
【図14】関東地方一帯の傾斜分布図である。
【図15】北海道の大雪山系のグラデーション地貌図と傾斜分布図を重ね合わせた図である。
【図16】北海道石狩側流域のグラデーション地貌図と洪水被害図を重ね合わせた図である。
【符号の説明】
【0056】
5 表示部
6 出力部
50 数値地図データ
100 数値地図データ処理プログラム
E 格子点
k 標高値
NA 近傍範囲
R 比標高
T 地貌指数
θ 傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面上を2次元座標に沿って配列される複数のメッシュで区画し、該メッシュの各格子点における標高値により構成された数値地図データから、各格子点の標高値kを取得するステップと、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点で構成される範囲を該格子点の近傍範囲とし、該近傍範囲内の複数の格子点の標高値kの中から最高標高値kmax及び最低標高値kminを取得するステップと、取得した最高標高値kmax、最低標高値kmin及び標高値kに基づき、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式により、各格子点ごとに比標高Rを算出するステップを備えることを特徴とする数値地図データ処理方法。
【請求項2】
前記各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点の標高値kをそれぞれ取得し、これら複数の標高値kに基づき該格子点における斜面の傾斜角θを算出するステップと、標高値k、比標高R及び傾斜角θに基づき、T=log(k×R×tanθ)の式により、各格子点ごとに地貌指数Tを算出するステップを更に備えることを特徴とする請求項1記載の数値地図データ処理方法。
【請求項3】
前記比標高Rに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより比標高図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップを更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の数値地図データ処理方法。
【請求項4】
前記比標高図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップは、比標高Rに基づき濃淡を対応させる色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることによりグラデーション比標高図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力することを特徴とする請求項3記載の数値地図データ処理方法。
【請求項5】
前記地貌指数Tに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップを更に備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の数値地図データ処理方法。
【請求項6】
前記地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力するステップは、地貌指数Tに基づき濃淡を対応させる色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることによりグラデーション地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力することを特徴とする請求項5記載の数値地図データ処理方法。
【請求項7】
前記地貌図を作成するステップは、地貌指数Tに基づき色相を対応させる色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより段彩地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力することを特徴とする請求項5記載の数値地図データ処理方法。
【請求項8】
地表面上を2次元座標に沿って配列される複数のメッシュで区画し、該メッシュの各格子点における標高値により構成された数値地図データから、各格子点の標高値kを取得する処理と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点で構成される範囲を該格子点の近傍範囲とし、該近傍範囲内の複数の格子点の標高値kの中から最高標高値kmax及び最低標高値kminを取得する処理と、取得した最高標高値kmax、最低標高値kmin及び標高値kに基づき、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式により、各格子点ごとに比標高Rを算出する処理と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点の標高値kをそれぞれ取得し、これら複数の標高値kに基づき該格子点における斜面の傾斜角θを算出する処理と、前記標高値k、比標高R及び傾斜角θに基づき、T=log(k×R×tanθ)の式により、各格子点ごとに地貌指数Tを算出する処理と、該地貌指数Tに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力する処理をコンピューターに実行させるべく機能することを特徴とする数値地図データ処理プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
地表面上を2次元座標に沿って配列される複数のメッシュで区画し、該メッシュの各格子点における標高値により構成された数値地図データから、各格子点の標高値kを取得する手段と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点で構成される範囲を該格子点の近傍範囲とし、該近傍範囲内の複数の格子点の標高値kの中から最高標高値kmax及び最低標高値kminを取得する手段と、取得した最高標高値kmax、最低標高値kmin及び標高値kに基づき、R=(k−kmin)/(kmax−kmin)の式により、各格子点ごとに比標高Rを算出する手段と、各格子点ごとに該格子点を囲繞する複数の格子点の標高値kをそれぞれ取得し、これら複数の標高値kに基づき該格子点における斜面の傾斜角θを算出する手段と、前記標高値k、比標高R及び傾斜角θに基づき、T=log(k×R×tanθ)の式により、各格子点ごとに地貌指数Tを算出する手段と、該地貌指数Tに基づき各格子点ごとに色画像データを算出し、該色画像データを該当する格子点に対応させることにより地貌図を作成し、表示部に表示又は出力部に出力する手段を備えることを特徴とする数値地図データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−251250(P2009−251250A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98691(P2008−98691)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(593133866)株式会社シン技術コンサル (4)
【出願人】(508104536)
【Fターム(参考)】