説明

数量無制限サービスも取り扱う飲食物注文受付システム

【課題】飲食物注文受付システムで数量無制限制メニューの注文も取り扱う。
【解決手段】係員によりサービスIDの入力があった際、サービス規定テーブルからサービスIDに該当する利用枠時間と品目ID集合とを抽出し、利用時間枠と経過時間とに基づいて残時間を管理する初期処理を行い、顧客入力手段の操作入力に応答してメニューデータベースの飲食物品目情報を表示させる際、残時間が有効である間は、初期処理で抽出した品目ID集合中の飲食物品目情報については数量無制限制サービスの対象品目である旨を付加して表示し、品目の注文入力を受け付け可能とし、表示した飲食物品目に対する注文入力を顧客入力手段から受け付けた際、受注品目情報を出力手段により出力する飲食物注文受付システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲食店において、入店した客にコンピュータ端末をあずけ、客がメニューを見て商品を選ぶ行為と、選んだ商品をお店に注文する行為とを、客自身がコンピュータ端末を操作して行う方式の飲食物注文受付システムに関し、とくに、食べ放題や飲み放題のサービス形態との共用に便利なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、レストランや居酒屋などにおいて、入店した客にコンピュータ端末をあずけ、客がメニューを見て商品を選ぶ行為と、選んだ商品をお店に注文する行為とを、客自身がコンピュータ端末を操作して行う方式の飲食物注文受付システムが実用化されている。このようなシステムは、たとえば特開2001−338035号公報や特開2002−7539号、特開2002−215755号公報、特開2004−302582号公報などにも開示されている。以下ではこのコンピュータ端末のことを客席端末と称する。
【0003】
客席端末としては、タッチパネルディスプレイ付きのタブレットコンピュータが用いられている。ディスプレイにメニューが表示され、表示中の商品をタッチ入力することで注文する。客室端末は、無線LANなどにより店舗のコンピュータシステムに組み入れられている。店舗のコンピュータシステムは、客席端末のほか、会計精算処理を行うレジ端末や、厨房に受注商品を告知する厨房端末や、これらを統括するPOSの店舗コンピュータなどによって構成されている。
【0004】
以前から飲食店においては、接客をする店員がハンディ端末を持ち、客は印刷物のメニューを見て商品の注文を店員に口頭で伝え、店員がハンディ端末を操作して注文品の受注入力を行うシステムが使用されている。この店員ハンディ端末もタッチパネルディスプレイにメニューが細かい表形式で表示され、店員はペンでタッチして品目や数を入力する。
【0005】
一方、客席に置かれたメニューは大判で何ページもある豪華な印刷物であり、多くの種類の飲食物がきれいな現実感のある写真つきで掲載されている。客は、メニューのページをめくって商品を選び、店員に商品を注文する。店員は、ハンディ端末のメニュー表にペンタッチして所要の入力を行う。
【0006】
大判で何ページもある豪華なメニュー印刷物の代わりに上記の客席端末を用いるシステムにおいては、客席端末の使い勝手を良くすることが最重要の課題となる。タブレットコンピュータのディスプレイ画面の面積はごく限られている。一画面にて見やすく表示できる情報はきわめて少ない。しかし、コンピュータのプログラムにより画面を切り替えて多種多様な情報を表示することは簡単である。
【0007】
この特性を活用し、個々の商品アイテムにさまざまな属性情報を付加してメニューをデータベース化しておき、わかりやすい多階層の分類検索により利用客が面倒がらずに商品選びを行ってくれるように、実用的な検索システムを構築することが肝要である。
【特許文献1】特開2001−338035号公報
【特許文献2】特開2002−7539号
【特許文献3】特開2002−215755号公報
【特許文献4】特開2004−302582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ちまたの飲食店では、飲み放題や食べ放題の人気は絶大である。集客のために飲み放題や食べ放題メニューをあらたに追加して、一躍、行列ができるようになる店も少なくはない。
【0009】
たとえば寿司屋で2000円の「梅コース」を注文すると、巻物、まぐろ、いか、玉子が30分間食べ放題になるとする。この梅コースを注文した客は、巻物、まぐろ、いか、玉子に限っては30分間に何度でも注文できる。この対象品目のうち何を何個注文しても、この客には梅コースの料金2000円が請求されるだけである。一方、この寿司屋のメニューはそれだけではない。梅コースを注文した客であっても、はまち、大トロ、など梅コースに含まれない品目も、別料金ではあるが注文できる。つまり、同じ客でも、まぐろ、いか、玉子を注文すると、2000円以外の追加料金は発生しないが、はまち、大トロなど梅コースに含まれない品目を注文すると、それぞれに設定されている料金が注文個数分だけ加算されて請求される。
【0010】
このような場合に、利用客には食べたい品目がコース対象品目なのか別料金品目なのかは、いちいち店のメニュー表と照らし合わせて確認しなければわからない。また、店員が注文をうける際には、この客がコースを利用しているのか否か、利用しているならどのコースを利用しているのか、注文された品目に追加料金が発生するのか否かということを間違えないように、よく確認しなければならない。
【0011】
また、ひとことで食べ放題・飲み放題コースといっても、料金やその対象品目の範囲によっていろいろなコースを設ける場合がある。たとえば、上述の「梅コース」に1000円上乗せして3000円支払うと制限時間30分は変わらないが対象品目にトロ、いくらが加わる「竹コース」にランクアップできるとか、竹コースに2000円上乗せして5000円支払うと、制限時間が1時間になったうえに対象品目にはさらに穴子、大トロが加わる「松コース」にランクアップできる、というように、複数の食べ放題・飲み放題コースが設定されている場合が多い。そうすると、たとえばトロは竹コースには含まれているが梅コースには含まれていないので、竹コース利用者がトロを注文しても追加料金は発生しないが、梅コース利用者やコースを利用していない客には追加料金が発生する。このように各品目の注文について、別に料金が発生する否かを確認する作業がさらに複雑になるので、利用客にとっては大変に面倒であるし、店側にとっても精算の間違いが生じやすくなる。
【0012】
そこで本発明者らは、普及しはじめたセルフ操作式の飲食物注文受付システムにおいて、限られた表示スペースで、飲み放題・食べ放題の利用客に、注文しようとする品目がコース対象品目なのか否か、別料金品目ならばその料金がわかるように表示すると利用客の利便性が向上するし、注文もその旨がわかるようにして取り扱えると、精算間違いがなくなって店側にとっても合理的であると考え、本発明を創作した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、つぎの事項(1)〜(10)により特定される飲食物注文受付システムである。
(1)メニューデータベースと、サービス規定テーブルと、表示手段と、顧客入力手段と、係員入力手段と、制御手段と、出力手段とを備えた飲食物受付システムであること
(2)メニューデータベースは、品目IDに対応付けした飲食物品目情報を多数格納すること
(3)サービス規定テーブルは、利用枠時間と、品目ID集合と、サービスIDを対応付けすること
(4)表示手段は、制御手段の制御によりメニューを表示すること
(5)顧客入力手段は、顧客による操作入力を受付可能であること
(6)係員入力手段は、係員によるサービスIDの入力が可能であること
(7)制御手段は、サービスIDの入力があった際、初期処理を行うとともに、メニュー表示処理と、発注処理を行うこと
(8)初期処理は、サービス規定テーブルからサービスIDに該当する利用枠時間と品目ID集合とを抽出し、利用時間枠と経過時間とに基づいて残時間を管理すること
(9)メニュー表示処理は、顧客入力手段の操作入力に応答してメニューデータベースの飲食物品目情報を表示させる際、残時間が有効である間は、初期処理で抽出した品目ID集合中の飲食物品目情報については数量無制限制サービスの対象品目である旨を付加して表示し、品目の注文入力を受け付け可能とすること
(10)発注処理は、メニュー表示処理にて表示した飲食物品目に対する注文入力を顧客入力手段から受け付けた際、受注品目情報を出力手段により出力すること
【0014】
この発明において、メニュー表示処理は、数量無制限制サービスの対象品目については価格を表示しないことが望ましい。
さらに、数量無制限制サービスの対象品目を表示する際に、有効な残時間をあわせて表示することが望ましい。
また、制御手段は、数量無制限制メニュー表示モードの指定入力を受け付け可能とし、メニュー表示処理は、数量無制限制メニュー表示モードの指定入力を受け付けた際、数量無制限制サービスの対象品目のみを取り出して表示することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の飲食物注文受付システムによれば、複数の飲み放題・食べ放題コースのうちで、利用者が選択したコースで注文可能な対象品目が利用者にわかるように表示されるので、利用者は注文しようとする品目が飲み放題・食べ放題の対象品目か否かを迷う心配はなくなる。コース対象品目の注文があった際には、その旨も店員や厨房にわかるように表示されるので、精算の間違いなどのトラブルを未然に防止できる。コースの利用時間の残時間も監視しているので、利用客は安心して気兼ねなく注文できる。店員も余計な気を配る必要がないので、店舗の営業効率も増して便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
===システム構成例===
本発明の趣旨を端的に理解できるように、複数の食べ放題コースを設定している寿司がメインの和食料理屋における飲食物注文受付システムを実施例に取り上げた。図1にシステム構成を例示している。店舗に1台設置された店舗コンピュータ1と、フロントに設置されたフロント端末2と、厨房に設置された厨房端末3と、客席のテーブルごとなどに設置されている複数の客席端末4とを含み、各装置が店舗内LAN5に接続されて、店舗コンピュータ1をサーバーコンピュータとするクライアントサーバーシステムを構成している。また、フロント端末2には精算用のレジ端末が付帯されている。
【0017】
店舗コンピュータ1は汎用のサーバーコンピュータである。店員やオーナーの操作入力を受け付け可能なユーザインタフェースを備えている。ハードディスク装置には、後述するメニューデータベース6を構築して管理している。
【0018】
客席端末4はタブレットタイプの一体型パソコンであって、客席の利用者によって操作されるものである。透明タッチパネルを搭載した液晶表示器からなるユーザインタフェースを備え、利用者と対話形式で情報交換を行えるように構成されている。無線アダプターを介して店舗LAN5に接続され、LAN5を介して店舗コンピュータ1とデータ通信可能である。
【0019】
フロント端末2は汎用パソコンで、フロントの店員の操作入力を受け付け可能なユーザインタフェースを備え、LAN5を介して店舗コンピュータ1とデータ通信する。利用者を席に案内するに際して、後述するように、店員が利用可能時間を入力したり各室の利用残時間を確認したりできるように構成される。
【0020】
厨房端末3もまた、汎用パソコンからなるクライアントコンピュータであって、適宜にLAN5を介して店舗コンピュータ1とデータ通信する。プリンタを付帯して、注文内容に基づいて客席番号やその品目、個数などの注文内容を含む受注伝票を印刷出力する。調理・配膳担当の店員の操作入力を受け付けたり情報を提示するユーザインタフェースを備え、発注した客席番号やその品目、個数などの注文内容を提示したり、配膳し終わった注文について処理完了の旨の操作入力を受け付けたりしてもよい。
【0021】
なお、店舗コンピュータ1をフロントに設置し、フロント端末2としての機能を含んだ構成としてもよい。また、厨房には、受け付けられた注文内容などの情報を表示させるために、店舗コンピュータ1またはフロント端末2のディスプレイのみを設置するようにしてもよい。
【0022】
===メニューデータベース6の構成===
店舗コンピュータ1に付帯するメニューデータベース6には、図2に例示するように、店舗で提供可能な飲食物の品目(それぞれに付与された品目IDにより識別される)について、各品目の品目名、ジャンル、料金、主な材料、摂取カロリー、写真の所在情報など、さまざまな属性項目について記述され、品目IDをキー情報として格納され管理されている。
【0023】
その他の属性項目として、注文を受け付けてから調理・配膳を経て客が飲食し終えるまでにかかる標準時間を示す所要時間情報を含めてもよい。注文を受け付けてから客室に届けられるまでの平均的な時間と、顧客が余裕を持って飲食楽しむのに必要な平均的な時間とに基づいて設定するとよい。食べ放題・飲み放題コースの残り時間にあわせて注文する品目を決める参考にできるので便利である。
【0024】
これらメニューデータベース6に含まれる品目情報は、店舗コンピュータ1に備わる適宜なユーザインタフェースを介して、始業前や終業後のメンテナンス時間帯といった適宜な機会に、店員や店のオーナーによりデータ入力・更新がなされる。
【0025】
店舗コンピュータ1が、インターネットなどの外部ネットワークに接続されたカラオケ事業者運営のカラオケサーバーなどと、LAN5に接続されたルーターなどの通信インタフェースを介して適宜な機会にデータ通信し、更新データの配信を受けてメニューデータベース6を更新するように構成してもよい。
【0026】
さらに本実施例においては、このメニューデータベース6を各客席端末4にも付帯させている。店舗コンピュータ1と適時にデータ通信して店舗コンピュータ1の管理するメニューデータベース6に基づいて更新し、店舗の営業時間帯には両データベースの内容が同一になるように管理している。
【0027】
===サービス規定テーブル===
店舗コンピュータ1は、食べ放題・飲み放題(数量無制限制サービス)の各コースについて、コース名と、制限時間(利用枠時間)と、対象品目の品目IDの集合と、コース料金とをサービスIDに対応付けしたサービス規定テーブルを適宜な記憶部に格納して管理している。
【0028】
たとえば、2000円の「梅コース」は制限時間30分、対象メニューは、巻物、まぐろ(赤身)、いか、玉子、3000円の「竹コース」は、制限時間は同じく30分で、対象メニューには「梅コース」の品目に加えてトロ、イクラが追加され、5000円の「松コース」は制限時間1時間、対象メニューは「竹コース」の品目に加えて、穴子、大トロが追加されるとする。この場合、図3に例示したように、サービス規定テーブルには、「梅コース」のサービスIDに対応付けして、料金2000円、制限時間30分、対象メニューには巻物、まぐろ(赤身)、いか、玉子それぞれの品目IDの集合が記述される。また「竹コース」のサービスIDに対応付けして、料金3000円、制限時間30分、対象メニューには巻物、まぐろ(赤身)、いか、玉子、トロ、イクラそれぞれの品目IDの集合が記述される。同様に「松コース」のサービスIDに対応付けして、料金5000円、制限時間1時間、対象メニューには巻物、まぐろ(赤身)、いか、玉子、トロ、イクラ、穴子、大トロそれぞれの品目IDの集合が記述される。
【0029】
このサービス規定テーブルの内容は、メニューデータベース6と同様に、適宜に店舗コンピュータ1のユーザインタフェースあるいは通信インタフェースを介して、データ入力・更新がなされる。
また、このサービス規定テーブルは、各客席端末4およびフロント端末2においても管理している。店舗コンピュータ1と適時にデータ通信して、メニューデータベース6の場合と同様に、店舗コンピュータ1の管理するサービス規定テーブルに基づいて更新し、店舗の営業時間帯には各サービス規定テーブルの内容が同一になるように管理している。
【0030】
なお、本実施例では、メニューデータベース6を参照する際にあわせてサービス規定テーブルと対照させることにより、各サービスIDに対応付けられている対象メニューの品目情報を取り出せるように構成しているが、この構成に限らない。たとえば、メニューデータベース6の各品目情報に、各サービスIDの対象品目であることを示すフラグを付しておいてもよい。
【0031】
===数量無制限サービスと利用時間枠===
店舗コンピュータ1は、各客席の利用状況を管理している。本システムにおいて各客席に1台ずつ設置されている客席端末4に客席番号を付与して識別している。
フロントの店員が来店者に客席を割り当てて着席させる際に、客が食べ放題・飲み放題コースを希望する場合には、店員がフロント端末2のユーザインタフェースを介して、着席させようとする客席番号と希望コース名を選択指定入力する。飲食物注文受付入力システムには、客席番号と選択されたコースに対応するサービスIDが入力されるように構成される。
【0032】
なお、食べ放題・飲み放題コースは、入店時に申し出るとは限らない。着席後に飲食の途中でコースの存在に気づいたり気が変わったりして、食べ放題・飲み放題コースを利用したいと客が申し出る場合もある。その場合にも、店員がフロントにあるフロント端末2から客席番号と希望コースを入力する。
【0033】
フロント端末2は、指定されたサービスIDおよび客席番号をLAN5を介して店舗コンピュータ1に転送する。店舗コンピュータ1は、受け取ったサービスIDに基づいてサービス規定テーブルを参照し、対応付けされている制限時間と品目ID集合とを取り出す。そして、現在時刻と制限時間に基づいて利用終了時刻を算出し、客席番号と対応付けして記憶部に記憶し利用時間管理簿として管理する。算出した利用終了時刻をフロント端末2に返送してもよい。その場合にはフロント端末2で算出する必要がなくなり、各装置で管理する利用終了時刻が食い違うことはなくなる。
【0034】
また店舗コンピュータ1は、客席番号に対応する客席端末4には、客席の利用開始の旨を示す信号に利用終了時刻とサービスIDを含めてLAN5を介して転送する。客席端末4は、受け取ったサービスIDを利用終了時刻とともに管理する。
【0035】
なお店舗コンピュータ1は、追加で飲み放題・食べ放題コースの利用開始の注文があった場合など、利用終了時刻が更新された際には、その都度、該当の客席端末4にその更新情報を通知する。客席端末4は、現在時刻と通知された利用終了時刻とに基づいて、現時点における自客席の利用時間の残時間がわかるようになっている。
【0036】
===メニュー表示処理===
客席端末4では、フロント端末2での所定の操作入力に基づいて、その客席で利用可能なメニューを表示する処理を行う。たとえば図4には、客席番号「15番テーブル」に着席させる利用者の希望コースが「松コース」であった場合の初期画面を例示している。画面には、利用可能な品目を選択指示するためのボタンが配設されるほか、客席番号、利用コース名、当該コースの利用の残時間などが表示される。
【0037】
フロント端末2から前述したように客席の利用開始の旨とともに利用終了時刻やサービスIDが転送されてくると、客席端末4は現在時刻を認識するとともに、現在時刻と利用終了時刻に基づいてこの客席の利用時間の残時間を算出する。以後、現在時刻の経過に同期して残時間を減じて表示させる。なお、客席の利用開始時に客席端末4にサービスIDが通知されない場合には、上記の残時間の算出は不要であり、残時間をゼロとみなす。
【0038】
次に客席端末4は、メニューデータベース6に含まれる多数の品目についての品目情報(品目ID、ジャンル、品目名、料金等)を読み出す。この際に、残時間がゼロでない場合には、サービスIDに基づいてサービス規定テーブルを参照して対応付けされている品目ID集合を取り出し、それらの品目IDに対応する品目情報に、数量無制限フラグを付加しておく。
【0039】
そして読み出した品目情報群に基づいて、タッチパネル表示器を使って利用者に対話形式で適宜に注文したい品目を検索させ、検索結果を一覧表示し、その中から目的の品目を選択指示させてその品目に関する情報を表示する。その際に、数量無制限フラグの付された品目については、料金のかわりにコース対象品目である旨を表示させる。
【0040】
よく知られているように、メニューデータベース6に含まれる品目の検索には、データベース6の属性項目に基づいて多様な方式をとることができる。図4〜5には、各品目のジャンルによる検索の例を示している。その他にも、たとえば品目名による検索(文字入力ボタン41を指示)や、品目IDの指定入力による検索(注文番号入力ボタン42を指示)も可能であることはいうまでもない。もちろん、コース専用メニューボタン43を配設して利用者に指示させるなどして、数量無制限フラグの付されたコース対象品目のみを一覧表示させることも可能である。
【0041】
図4の例では、利用者に飲食物品目のジャンルを選択指定させることによって目的の品目を検索させる。ジャンルの指定に際しては、よく知られているデータベースの検索手法にならい、複数の階層構造に構成するとわかりやすくて便利である。図4の例では、まずトップメニューでは「寿司」「そば・うどん」「ごはん」「椀もの」「酒類」「ソフトドリンク」「デザート」というように、ジャンルを適宜なカテゴリに分類して一覧的に表示させる。つぎに「寿司」を選択すると「にぎり」「巻物」「押し寿司」に分類される。さらに「にぎり」を選択すると「近海もの」「遠洋もの」「地魚」「赤身」「白身」「貝」「えび・かに」に分類される。このように、メニューデータベース6の属性項目(ジャンル)を複数階層のカテゴリに分類している。1つのジャンルが複数のカテゴリに重複して分類されてもよい。
【0042】
客席端末4は、利用者が表示されているカテゴリのうちのいずれかを選択指定する操作を繰り返していずれかのジャンルにたどりついて選択指定すると、図5に例示したように、そのジャンルに含まれる品目を適宜な順番で表示させる。たとえば、品目名の五十音順や、本来の料金の高い順、データ更新の新しい順など、いずれかの1つの属性項目または複数の属性項目組合せに基づいて表示させればよい。1ページに表示し切れない場合には複数ページに分けて、所定の操作でページをめくったり戻したりできるように構成する。
【0043】
検索結果の品目を一覧表示させる際には、各品目に料金を対応付けて表示する。ただし、数量無制限フラグが設定されている品目には、利用中のコースに含まれる品目である旨を対応付けて表示する。たとえば料金表示に付加的に、あるいは料金表示の代わりに、「コース対象」と表示したり、所定のコース標識マークを付加表示したり、わかり易いようにコース対象を枠で囲ったりして、利用中のコースに含まれる品目である旨を表示する(コース専用メニューボタン43を指示した場合など、コース対象品目のみを表示させた場合には各品目の単価や表示しない方がわかりやすい。)。
【0044】
利用者が表示されている中から1品目を選択して指定すると、図6に例示したように、その品目についての摂取カロリーや写真などの詳細情報が表示されるように構成されている。
なお、図5にて、残時間がゼロになれば、数量無制限フラグが設定されている品目についても、別料金メニューの品目と同様に料金を表示させる。
また、図4にて「文字入力」41を指示すると、品目名を頭から1文字ずつ指定して目的の品目を検索することができるように構成されている。また「注文番号入力」42を指示すると、品目IDを数値入力して目的の品目を検索することができる。
【0045】
以上のようにすれば、利用客が注文しようとする品目が飲み放題・食べ放題コースの対象品目である場合には、それがわかるように表示される。コース対象品目か別料金品目かを区別せずに検索できるので、利用客はコース対象品目か否かを特に気にすることなく食べたい品目を探し出して、最終的に料金やコース対象品目か否かを参照しながら選択することができる。また、客席端末4が利用時間の残時間を監視しているので、利用者も気兼ねなく注文に専念できるし、店員も余計な気を配る必要がない。
【0046】
なお、上記例では客席端末4にて店舗コンピュータ1と同一のメニューデータベース6を管理する構成としているが、メニューデータベース6は店舗コンピュータ1のみで管理するものとして構成してもよい。その場合、客席端末4はメニュー表示処理の都度、店舗コンピュータ1とデータ通信してメニューデータベース6を参照する。
【0047】
===発注処理===
利用者は、上述したようにして客席端末4のタッチパネル式表示器にて適宜にページをめくったり戻したりする所定の操作を行いながら、注文したい品目を表示器に表示させて選択指示入力し(図5参照)、その品目の詳細情報を表示させる(図6参照)。その詳細情報が表示された画面にて注文する数量を指定入力する(図6の61)とともに注文ボタン62を指示入力すると、その品目の品目ID、品目名および注文数、客席番号をともなった発注信号が生成される。
この際に、利用客が食べ放題コース対象の品目を選択して注文した場合には、客席端末4は、残時間がゼロでないことを確認したうえで発注信号に数量無制限フラグを含める。
【0048】
生成された発注信号は、LAN5を介して店舗コンピュータ1に転送される。店舗コンピュータ1は受信した発注信号に基づいて、客席番号と品目名、注文数を対応付けて厨房端末3に通知する。厨房端末3は、ディスプレイに客席番号と品目名、注文数を一覧表示させる。厨房の店員がこれを見て注文の品を調理したり配膳したりする。
【0049】
なお、厨房端末3は品目IDと品目名との対応表を管理しておき、品目IDに基づいて品目名を取り出せるように構成してもよい。この対応表は、厨房端末3が適時に店舗コンピュータ1とデータ通信し、メニューデータベース6に基づいて更新する。そうすると、店舗コンピュータ1は発注信号には信号送信元の客席番号と品目ID、その数量を含む発注信号を厨房端末3に転送すれば足りる。
【0050】
===その他の処理===
メニューデータベース6に、各品目の標準調理時間などを管理して、厨房端末3において注文を表示する際に、標準調理時間などを表示させてもよい。厨房端末3にて品目IDと品目名との対応表を管理させる場合には、この対応表にあわせて各品目の標準調理時間を含めるようにしてもよい。厨房において実際の調理時間等が標準時間に遅れていないかなどを確認しながら処理を進行させることにも利用できる。
【0051】
さらに、メニューデータベース6にて各品目につき、調理・配膳し終えるまでの標準所要時間や、それに客が飲食し終えるまでを加えた標準所要時間などを管理しておき、厨房端末3などで、注文されたコース対象品目についてコース利用の残時間内に配膳や飲食が可能かの判断処理を追加してもよい。飲み放題・食べ放題の制限時間を、注文時までで管理するだけでなく、配膳時や飲食終了時までとして厳密に管理することもできるようになる。
【0052】
また、配膳終了時などにその旨を厨房端末3やフロント端末2から入力できるようにして、注文を完了させるようにするとよい。こうすれば、発注から完了までの状態を管理できるので、注文を確実に処理できる。
【0053】
注文を完了させると、品目IDとその料金、数量を客席番号ごとに蓄積する。数量無制限フラグが付加されている品目については、料金はゼロとする。厨房端末3で蓄積してもよいし、店舗コンピュータ1に転送して蓄積するようにしてもよい。
【0054】
当該客席の利用終了をフロント端末2から通知された際には、店舗コンピュータ1が当該客席番号について蓄積されたデータを集約し、精算データを作成してフロント端末2に転送するようにするとよい。サービスIDが入力されている場合には、そのコースの料金を精算データに含めるとともに、数量無制限フラグが付加された品目についての注文は、精算データに含めないようにする。数量無制限フラグが付加された品目の請求金額ゼロとして含めてもよい。フロント端末2は付帯する精算レジにおいて、精算データに基づいて利用者に飲食代金を請求する。
【0055】
===他の実施形態===
本発明の飲食物注文受付システムは、宴会場やエステサロン、リラクゼーションスペースなどにも適用できる。宴会場の個室やエステサロンの施術室、リラクゼーションスペースの個室などに客席端末4を設置して、各部屋の利用コース料金に含まれていて何度でも利用できる飲食物や他の付加サービスメニューの注文を追加料金を請求することなく受け付けるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施例に係る飲食物注文受付システムのシステム構成を例示した図である。
【図2】本実施例に係るメニューデータベースの論理構成を例示した図である。
【図3】本実施例に係るサービス規定テーブルを例示した図である。
【図4】本実施例に係るメニュー表示処理の初期画面を例示している。
【図5】本実施例に係るメニュー表示例である。
【図6】本実施例に係る品目詳細表示および注文用画面例である。
【符号の説明】
【0057】
1 店舗コンピュータ
2 フロント端末
3 厨房端末
4 客席端末
5 LAN
6 メニューデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メニューデータベースと、サービス規定テーブルと、表示手段と、顧客入力手段と、係員入力手段と、制御手段と、出力手段とを備えた飲食物受付システムであって、
メニューデータベースは、品目IDに対応付けした飲食物品目情報を多数格納し、
サービス規定テーブルは、利用枠時間と、品目ID集合と、サービスIDを対応付けし、
表示手段は、制御手段の制御によりメニューを表示し、
顧客入力手段は、顧客による操作入力を受付可能であり、
係員入力手段は、係員によるサービスIDの入力が可能であり、
制御手段は、サービスIDの入力があった際、初期処理を行うとともに、メニュー表示処理と、発注処理を行い、
初期処理は、サービス規定テーブルからサービスIDに該当する利用枠時間と品目ID集合とを抽出し、利用時間枠と経過時間とに基づいて残時間を管理し、
メニュー表示処理は、顧客入力手段の操作入力に応答してメニューデータベースの飲食物品目情報を表示させる際、残時間が有効である間は、初期処理で抽出した品目ID集合中の飲食物品目情報については数量無制限制サービスの対象品目である旨を付加して表示し、品目の注文入力を受け付け可能とし、
発注処理は、メニュー表示処理にて表示した飲食物品目に対する注文入力を顧客入力手段から受け付けた際、受注品目情報を出力手段により出力する
飲食物注文受付システム。
【請求項2】
メニュー表示処理は、数量無制限制サービスの対象品目については価格を表示しない
請求項1に記載の飲食物注文受付システム。
【請求項3】
メニュー表示処理は、数量無制限制サービスの対象品目を表示する際に、有効な残時間をあわせて表示する
請求項1または2に記載の飲食物注文受付システム。
【請求項4】
制御手段は、数量無制限制メニュー表示モードの指定入力を受け付け可能とし、
メニュー表示処理は、数量無制限制メニュー表示モードの指定入力を受け付けた際、数量無制限制サービスの対象品目のみを取り出して表示する
請求項1〜3のいずれかに記載の飲食物注文受付システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図5】
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