説明

整備用マット

【課題】寿命の向上が可能な整備用マットを提供すること。
【解決手段】整備用マット1は、複数のハニカムコア24の集合であるハニカムコアユニット21を有する接地層10と、ハニカムコアユニット21の上面を覆う、樹脂材料で形成された中間層11と、中間層11の上面を覆うとともに、滑り止め加工がなされた上面層12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の機体や鉄道車両等の構造体の整備等に用いられる整備用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の機体や鉄道車両等の大型の構造体においては、軽量化の目的から、その外面を複合材料や薄厚の金属板により形成されている。このため、当該構造体の点検、整備又は製造組立時においては、構造体の上面での作業員の作業や、当該作業時の工具の落下により変形や破損の虞があった。
【0003】
そこで、構造体の外面を保護するために、整備用マットを用いる技術が知られている。このような整備用マットは、高い剛性を有し、且つ、荷重の分散が可能なように、構造体に接触する層に、熱可塑性エラストマー等の樹脂材料により形成されたハニカム形状の層が用いられたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−229494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した整備用マットでは、以下の問題があった。即ち、上述したハニカム形状の層が樹脂材料により形成された整備用マットでは、使用、屈曲又は経年変化により当該ハニカム形状の層が損傷と、その剛性の低下や荷重の分散性能の低下となる。このため、整備用マットは、更なる寿命の向上が求められている。
【0006】
そこで本発明は、寿命の向上が可能な整備用マットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の整備用マットは、次のように構成されている。
【0008】
本発明の一態様として、複数のハニカムコアの集合であるハニカムコアユニットを有する接地層と、前記ハニカムコアユニットの上面を覆う、樹脂材料で形成された中間層と、前記中間層の上面を覆うとともに、滑り止め加工がなされた上面層と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば寿命の向上が可能な整備用マットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態に係る整備用マットの使用の一例を模式的に示す説明図。
【図2】同整備用マットの構成を示す斜視図。
【図3】同整備用マットの構成を示す下面図。
【図4】同整備用マットの構成を拡大して示す断面図。
【図5】本発明の第1の変形例に係る整備用マットの構成を拡大して示す断面図。
【図6】本発明の第2の変形例に係る整備用マットの要部構成を拡大して示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態に係る整備用マット1を、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る整備用マット1の使用の一例として、航空機100の翼部101上で整備用マット1を使用する一例を模式的に示す説明図、図2は整備用マット1の構成を上方から示す斜視図、図3は整備用マット1の構成を示す下面図、図4は整備用マット1の構成を拡大して示す断面図である。
【0012】
整備用マット1は、航空機、鉄道車両及びその他大型の構造体の点検、修理、製造及び整備等において用いられる。具体的には、整備用マット1は、作業場所に持ち運び、作業場所に敷設される。当該構造体の作業者110は、作業場所に敷設された整備用マット1上で構造体の整備等を行う。なお、本実施の形態においては、整備用マット1は、航空機100の整備において使用される一例を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、整備用マット1は、例えば、航空機100の翼部101上で整備する際に、作業者110の足元に敷設可能な形状に形成されている。整備用マット1は、作業場所の底面、例えば翼部101に接地する接地層10と、接地層10の上面に設けられた中間層11と、中間層11の上面に設けられ、作業者110が載る上面層12と、を備えている。
【0014】
図2及び図3に示すように、接地層10は、その下面を開口端とし、その上面を中間層11によって閉塞面とした複数のハニカムコアユニット21を備えている。また、接地層10は、ハニカムコアユニット21の表面を覆う被覆部22を備えている。
【0015】
図3に示すように、ハニカムコアユニット21は、所定の強度を有する材料、例えば、金属材料により成形されたエキスパンドメタルにより形成され、複数の六角形状のハニカムコア24が連なったハニカム構造体である。ハニカムコアユニット21は、例えば、厚み1mmであって、一つのハニカムコア24の短目方向の中心間距離が7mmであって、長目方向の中心距離が14mmに形成され、例えば、1平方メートル辺り約2kgf程度に形成されている。
【0016】
ハニカムコアユニット21は、アルミニウム合金、チタニウム合金及び鉄鋼等により構成される。なお、ハニカムコアユニット21は、これら寸法及び材料に限られず、詳細な寸法や材料は適宜設定可能である。
【0017】
具体的に説明すると、ハニカムコアユニット21は、その両端側にエキスパンド加工を行わない非加工により形成されるプレート部25と、プレート部25間のエキスパンド加工により成形された複数のハニカムコア24が集合するハニカムコア群26と、を備えている。
【0018】
また、ハニカムコアユニット21は、そのプレート部25が隣り合うハニカムコアユニット21のプレート部25と隣接する。また、ハニカムコアユニット21は、隣り合うプレート部25間が、接続手段により接続可能に形成されている。接続手段は、例えば長尺のボルト及びナットであり、プレート部25にボルトを挿通可能とし、ボルト及びナットにより隣り合うハニカムコアユニット21同士を結合可能に形成されている。
【0019】
なお、隣り合うハニカムコアユニット21は、プレート部25同士をボルト及びナットである接続手段により結合する構成ではなく、別の接続手段、例えばレール溝を設けてアタッチメントで接続してもよく、また、磁石や面ファスナー等により接続する構成であってもよい。
【0020】
図4に示すように、被覆部22は、ハニカムコアユニット21の外面を被覆する。被覆部22は、振動の減衰性が高い材料、例えば、防音性及び防振性を有する樹脂材料により形成されている。具体的には、被覆部22は、発泡ポリエチレンフォーム、天然ゴムスポンジ、クロロプレンゴムスポンジ、チップウレタンフォーム等の防音ゴム材料、シリコーン防振ゴム、天然ゴム、クロロプレンゴムスポンジ等の防振ゴム材料、又は、これら材料のいずれかの複合的な組み合わせにより形成される。
【0021】
例えば、このような被覆部22は、ハニカムコアユニット21を、防音ゴム材料又は防振ゴム材料等を溶剤希釈した浴槽内に浸漬するか、又は、ハニカムコアユニット21の形状に沿って生ゴムシートを被覆後、加硫成形により形成される。
【0022】
中間層11は、ポリウレタン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の樹脂材料により形成されている。中間層11は、接地層10に固定されている。例えば、中間層11は、ハニカムコアユニット21を被覆する被覆部22に融着されている。なお、中間層11は、被覆部22と同一材料で構成してもよい。
【0023】
上面層12は、中間層11の上面を被覆するとともに、その上面が滑りにくい材料又は形状で形成される滑り止め加工がなされ、撥水性を有する。例えば、上面層12は、中間層11と同一材料で形成され、その表面に網形状や格子形状となる溝部31が形成されるとともに、その表面又はその材料中にフッ素系材料を用いることで、撥水性を有する。溝部31は、上面層12上に付着した雨水等の流体を、溝部31によりその側面へと案内し、排水可能に形成されるとともに、溝部31により滑り止めが成される。
【0024】
中間層11及び上面層12の少なくとも一方は、導電性を有して形成される。また、中間層11及び上面層12の少なくとも一方は、蛍光又は燐光の発光現象であるルミネセンスを発生可能、又は、光を反射可能に形成されている。具体的には、ルミネセンスを発生可能とする場合には、中間層11及び上面層12の少なくとも一方は、蛍光顔料若しくは蓄光(燐光)顔料をその材料に混合されるか、又は、蛍光塗料若しくは蓄光塗料を適量混合若しくは塗布することで形成されている。
【0025】
なお、光を反射可能とする場合には、中間層11及び上面層12の少なくとも一方は、例えば、反射材として、高輝度反射シート、縫製可能なガラスビーズ製の反射材、プリズム型反射素子材又は複合的な組み合わせにより構成される。なお、中間層11及び上面層12の少なくとも一方は、ルミネセンスを発生可能であって、且つ、光を反射可能に形成されていてもよい。
【0026】
このように構成された整備用マット1の使用の一例について説明する。整備用マット1は、接地層10の複数のハニカムコアユニット21が中間層11を介して連続的に接続されており、このため、収納時においては、折り畳み時に中間層11が折目として折り畳まれて収納される。
【0027】
また、収納された整備用マット1を使用する場合には、使用場所まで搬送し、中間層11を折り曲げて展開し、接続手段によりプレート部25同士を接続する。この展開した整備用マット1を接地層10のハニカムコアユニット21の被覆部22が接地面である翼部101の表面に接触させて配置する。
【0028】
なお、整備用マット1の接地層10は、六角形のハニカムコア24の集合となるため、その形状に方向性がなく、当該配置において、翼部101の傾斜面や曲面上においてもマットがずれ落ちるようなことがなく配置できる。
【0029】
作業者110は、配置された上面層12に載って整備等を行うことで、作業者110の体重(荷重)は、上面層12及び中間層11を介して接地層10に伝達されることとなる。また、整備等において工具の落下等が有る場合には、当該落下の衝撃は、上面層12及び中間層11を介して接地層10に伝達される。
【0030】
接地層10においては、当該荷重及び衝撃がハニカムコアユニット21により分散され、ハニカムコア群26を介して接地面である翼部101に伝達される。このため、翼部101の一部に集中して荷重が印加されることがなく、翼部101の表面の破損や変形を防止することが可能となる。
【0031】
このように構成された整備用マット1によれば、接地層10は、六角形のハニカムコア24の集合であるハニカムコア群26を有するため、剛性は維持したまま、大幅な軽量が図られる。即ち、接地層10は、軽量であって、且つ、高い剛性とすることが可能であるとともに、上面層12に印加された衝撃や荷重がハニカムコア群26で分散されて接地面である翼部101に伝達されることとなる。これにより、翼部101の破損を防止し、保護することができる。
【0032】
また、ハニカムコアユニット21は、金属材料でエキスパンド加工により形成されているため、高い剛性を有し、且つ、使用による劣化が防止できるとともに、その外周を被覆部22により被覆することで、接地面(翼部101)を傷つけることがない。また、被覆部22により、防音及び防振が可能となる。
【0033】
また、ハニカムコアユニット21が金属材料で形成されることで、過度な変形が防止でき、結果、被覆部22の変形量を小さくすることが可能となる。これにより、被覆部22の破損を極力防止可能となり、整備用マット1の寿命を向上させることが可能となる。また、ハニカムコアユニット21はエキスパンド加工という比較的安価な加工により形成することが可能となり、整備用マット1を安価で提供することも可能となる。
【0034】
さらに、被覆部22はハニカムコアユニット21の表面を被覆する構成であるため、ハニカムコア24の中心部に被覆部22が設けられることがない。換言すると、被覆部22は必要な部位にのみ設けられることとなり、極力軽量とすることが可能となる。
【0035】
また、接地層10は、収納及び展開が容易にでき、且つ、収納時に中間層11を中心に折畳むことで小型となり収納に必要な容積を低減することができる。
【0036】
また、ハニカムコアユニット21は、隣り合うハニカムコアユニット21とプレート部25を接続手段により接続可能とすることで、使用の際に、ハニカムコアユニット21のずれ等も防止できる。しかもこの整備用マット1は、導電性が付与されているので、設置面の帯電性を低減可能となる。
【0037】
また、整備用マット1は、上面層12に溝部31を設けることで、その表面の滑り止め機能となるとともに、上面の水の案内を行い、排水性も高い。
【0038】
また、整備用マット1は、中間層11及び上面層12の少なくとも一方を、ルミネセンスによる発光又は反射を可能とすることで、暗所等での使用においても、視認性を向上させることが可能となる。特に、航空機100等において整備用マット1を用いる場合に、整備用マット1を使用後放置したままとなると、甚大な問題が発生する虞がある。
【0039】
しかし、整備用マット1の視認性を向上することで、整備用マット1の放置が防止可能となる。また、翼部101上や大型の構造体上、又は、夜間に整備等を行う場合には、作業範囲が明確となり、作業範囲外への工具の載置や踏み外し等を防止することも可能となる。
【0040】
上述したように本発明の一実施の形態に係る整備用マット1によれば、ハニカムコアユニット21を用いることで、軽量であって、且つ、高い剛性を有するとともに、荷重の分散が可能となるとともに、寿命を向上することが可能となる。
【0041】
また、整備用マット1は、ハニカムコアユニット21に樹脂材料による被覆部22を有することで、防音及び防振が可能であって、且つ、接地層10の接触による構造体の破損を防止することも可能となる。
【0042】
次に、図5を用いて本発明の第1の変形例に係る整備用マット1Aを説明する。
【0043】
図5は、本発明の第1の変形例に係る整備用マット1Aの構成を拡大して示す断面図である。なお、第1の変形例に係る整備用マット1Aの構成のうち、上述した一実施形態に係る整備用マット1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0044】
図5に示すように、第1の変形例に係る整備用マット1Aは、接地層10Aと、中間層11と、上面層12Aと、を備えている。接地層10Aは、ハニカムコアユニット21と、ハニカムコアユニット21の下面を覆う薄厚の被覆部42と、を備えている。ハニカムコアユニット21は、下面に設けられた被覆部42によりハニカムコアユニット21の下端開口が閉塞される。被覆部42は、上述した被覆部22と同様の材料で成形され、防音及び防振性を有する。上面層12Aは、その上面に溶着等により設けられた金属製の網41又は樹脂粉砕物を備える。
【0045】
このように構成された整備用マット1Aは、上述した整備用マット1と同様の効果を有するとともに、上面層12Aに網41又は樹脂粉砕物を備えることから、溝31よりも高い上面層12Aの表面の滑り止め機能を有することが可能となる。また、被覆部42は、ハニカムコアユニット21の下面を覆う簡単な構成でよく、このため、製造コストの低減となる。また、ハニカムコアユニット21の下面を、その下端開口を含めて被覆部42が覆う構成であることから、受圧面積が大きくなり、荷重の分散が可能となる。
【0046】
次に、図6を用いて本発明の第2の変形例に係る整備用マット1Bを説明する。
【0047】
図6は、本発明の第2の変形例に係る整備用マット1Bの要部構成、特に、接地層10B及び中間層11を拡大して示す平面図である。なお、第2の変形例に係る整備用マット1Bの構成のうち、上述した一実施形態に係る整備用マット1及び第1の変形例に係る整備用マット1Bと同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図6に示すように、第2の変形例に係る整備用マット1Bは、接地層10Bと、中間層11と、上面層12と、を備えている。接地層10Bは、ハニカムコアユニット21Bと、ハニカムコアユニット21の下面を覆う薄厚の被覆部22と、を備えている。なお、接地層10Bは、ハニカムコアユニット21Bと、被覆部42と、を備える構成であってもよい。
【0049】
ハニカムコアユニット21Bは、所定の強度を有する材料、例えば、金属材料により成形されたエキスパンドメタルにより形成される。図6に示すように、ハニカムコアユニット21Bは、六角形状のハニカムコア24、及び、二重の六角形状が連なった二重ハニカムコア24Bが複数連なったハニカム構造体である。ハニカムコアユニット21Bは、二重ハニカムコア24Bが一つのハニカムコア24を介して間欠的に配置される。
【0050】
ハニカムコアユニット21Bは、アルミニウム合金、チタニウム合金及び鉄鋼等により構成される。なお、ハニカムコアユニット21Bは、これら寸法及び材料に限られず、詳細な寸法や材料は適宜設定可能である。ハニカムコアユニット21Bは、プレート部25と、ハニカムコア24及び二重ハニカムコア24Bが集合するハニカムコア群26と、を備えている。
【0051】
このように構成された整備用マット1Bは、上述した整備用マット1と同様の効果を有するとともに、ハニカムコアユニット21Bは、ハニカムコア24だけでなく、二重ハニカムコア24Bを有する構成であることから、ハニカムコアユニット21に比べて、より高い剛性を有することが可能となる。また、二重ハニカムコア24Bは、間欠的に配置することで、強度を向上させつつ、重量の増加を極力防止可能となる。
【0052】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、上面層12に溝部31を設けることにより、滑り止めの機能及び排水性の向上が可能な構成を説明したがこれに限定されない。
【0053】
また、上述した例では、中間層11、上面層12及び被覆部22は、上述した樹脂材料に限定されず、使用の用途に合わせて適宜設定可能である。例えば、中間層11、上面層12及び被覆部22が整備時に作動油に接触の虞がある場合には、当該作動油に耐性のある樹脂材料を用いてもよい。具体的には、リン酸エステル等の作動油を用いる航空機等の整備に用いる整備用マット1には、当該作動油により影響を受けない樹脂材料を用いることであってもよい。
【0054】
さらに、上述した接地層10は、被覆部22の変形により、接地面に吸着する構成としてもよい。例えば、被覆部22の厚みを若干厚く形成し、接地面への設置の際に、被覆部22を変形させてハニカムコア24内を低圧として、整備用マット1を接地面に吸着し、固定する構成とする。また、被覆部42を、吸着性の高い材料により形成し、設置面に吸着させる構成としてもよい。このような構成とすることで、整備用マット1の使用時のずれを防止可能となる。特に、翼部101等の高所での作業となるときに、安全性を向上させることが可能となる。
【0055】
また、上述した例では、ハニカムコアユニット21、21Bは、金属材料により成形された構成を説明したがこれに限定されない。例えば、ハニカムコアユニット21、21Bは、樹脂材料で形成されていても良い。
【0056】
ハニカムコアユニット21、21Bを樹脂材料で成形した場合には、ハニカムコアユニット21、21Bを被覆部22,42よりも強度が同一又は高く形成されていることが望ましい。ここで、強度とは、例えば弾性率や座屈強度等であって、整備用マット1に加わる荷重を支持可能な強度である。
【0057】
即ち、ハニカムコアユニット21、21Bは、被覆部22,42よりも硬質な又は同等の樹脂材料で形成することが望ましく、ハニカムコアユニット21、21Bにより、整備用マット1上に加わる荷重が分散可能である材料により形成されていればよい。
【0058】
また、ハニカムコアユニット21、21Bを樹脂材料により成形する場合においては、被覆部22,42は、ハニカムコアユニット21、21Bと同一材料で形成されていてもよい。即ち、ハニカムコアユニット21、21Bの機能及び被覆部22,42の機能を有する構成であれば、ハニカムコアユニと21、21B及び被覆部22,42が同一材料であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0059】
1、1A、1B…整備用マット、10、10A、10B…接地層、11…中間層、12…上面層、21、21B…ハニカムコアユニット、22…被覆部、24…ハニカムコア、25…プレート部、26…ハニカムコア群、31…溝部、41…網、42…被覆部、100…航空機(構造体)、101…翼部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のハニカムコアの集合であるハニカムコアユニットを有する接地層と、
前記ハニカムコアユニットの上面を覆う、樹脂材料で形成された中間層と、
前記中間層の上面を覆うとともに、滑り止め加工がなされた上面層と、
を備えることを特徴とする整備用マット。
【請求項2】
前記接地層は、前記ハニカムコアユニットが金属材料で形成され、前記ハニカムコアユニットを覆う被覆部を有することを特徴とする請求項1に記載の整備用マット。
【請求項3】
前記ハニカムコアは、その一部が二重に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の整備用マット。
【請求項4】
前記被覆部は、前記複数のハニカムコアを被覆することを特徴とする請求項2に記載の整備用マット。
【請求項5】
前記被覆部は、前記ハニカムコアユニットの下面を閉塞して覆うことを特徴とする請求項2に記載の整備用マット。
【請求項6】
前記ハニカムコアユニットは、複数設けられるとともに、前記ハニカムコアユニットの端部に、隣り合う前記ハニカムコアユニットと接続可能なプレート部を具備し、
前記中間層は、前記複数のハニカムコアユニットを連続的に繋げられることを特徴とする請求項2に記載の整備用マット。
【請求項7】
前記ハニカムコアユニットは、エキスパンド加工によりハニカム状に前記複数のハニカムコアが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の整備用マット。
【請求項8】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、防音及び防振性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項9】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、ルミネセンスが可能、又は、反射性を有することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項10】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、排水性を有することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項11】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、導電性を有することを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項12】
前記接地層は、前記ハニカムコアユニットが樹脂材料で形成され、前記ハニカムコアユニットと同等、又は、強度が高い樹脂材料で形成された前記ハニカムコアユニットを覆う被覆部を有することを特徴とする請求項1に記載の整備用マット。
【請求項13】
前記被覆部は、前記複数のハニカムコアを被覆することを特徴とする請求項12に記載の整備用マット。
【請求項14】
前記被覆部は、前記ハニカムコアユニットの下面を閉塞して覆うことを特徴とする請求項12に記載の整備用マット。
【請求項15】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、防音及び防振性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項16】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、ルミネセンスが可能、又は、反射性を有することを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項17】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、排水性を有することを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載の整備用マット。
【請求項18】
前記中間層及び前記上面層の少なくとも一方は、導電性を有することを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載の整備用マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−67170(P2013−67170A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222495(P2012−222495)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【分割の表示】特願2011−207982(P2011−207982)の分割
【原出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(391001169)櫻護謨株式会社 (40)
【Fターム(参考)】