説明

整列供給装置

【課題】円筒状をした整列対象物の姿勢が傾くのを防止し、所定数の整列対象物の姿勢を揃えて次工程に供給することができる整列供給装置を提供する。
【解決手段】整列供給装置45は、上下に開口し、整列対象物208が水平且つ上下に積層された状態で充填される収容部48aを備えた整列部材48と、整列部材48を充填位置と排出位置との間で移動させる駆動機構50と、供給部材47に整列対象物208を供給する供給機構と、充填位置で整列部材48の収容部48a内に、供給部材47に供給された整列対象物208を1個ずつ充填する充填機構51であって、上下動する充填部材53と、昇降自在に設けられ、収容部48a内に充填される整列対象物208を受ける受け部材61とを有する充填機構51と、排出位置で整列部材48の収容部48a内に充填された整列対象物208を収容部48aの下側から排出して外部に供給する排出機構70とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ニードルローラなどの円筒状をした整列対象物を整列させて外部に供給する整列供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記ニードルローラを備えた軸受を組み立て、組み立てた軸受を組付対象物(ワーク)に組み付ける組付装置として、従来、例えば、特開2007−160414号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
この組付装置は、ニードルローラを供給するパーツフィーダと、ワークが側面に取り付けられる組立治具であって、取り付けられたワークの軸受穴と同軸に形成され、両側面に貫通する組立穴と、この組立穴の内周面と組立治具の上部側面とに開口し、パーツフィーダから供給されるニードルローラが組立穴の軸線と平行に投入される投入スロットとを備えた組立治具と、組立治具の組立穴と同軸に配置され、先端に軸受シャフト及びリテーナが着脱自在に取り付けられる組立シャフトと、組立シャフトを軸線方向に沿って進退させる駆動シリンダと、組立シャフトを軸中心に回転させる回転駆動機構と、投入スロットの、組立治具上部側面の開口部から内部に投入されたニードルローラに向けてその上側から圧縮空気を吐出する圧縮空気供給機構などから構成される。
【0004】
そして、この組付装置では、まず、組立シャフトの先端に軸受シャフト及びリテーナが取り付けられた後、これらが組立穴内に挿入されるように組立シャフトが駆動シリンダにより前進せしめられる。
【0005】
次に、パーツフィーダから所定数のニードルローラが順次供給され、投入スロット内に投入されると、この順次投入されるニードルローラに向けて上側から圧縮空気供給機構により圧縮空気が吐出され、ニードルローラが下方に移動せしめられる。このとき、回転駆動機構により組立シャフトが軸中心に回転して軸受シャフト及びリテーナが回転し、これにより、下方に移動したニードルローラがリテーナの各ローラ穴内に挿入,保持される。このようにして軸受が組み立てられる。
【0006】
この後、組み立てられた軸受及び軸受シャフトがワークの軸受穴内に挿入されるように組立シャフトが駆動シリンダにより前進せしめられ、この軸受穴内に軸受が装着されると、組立シャフトが元の位置に戻るように後退せしめられる。これにより、軸受の組付けが完了する。
【0007】
【特許文献1】特開2007−160414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記従来の組付装置では、投入スロット内に投入されたニードルローラをリテーナの各ローラ穴内に挿入,保持する際に、ニードルローラをその上側から吐出される圧縮空気により投入スロット内で下方に移動させることでリテーナ側に供給するようになっている。
【0009】
しかしながら、このように、ニードルローラを下方に移動させてリテーナ側に供給したのでは、その移動中にニードルローラの姿勢が変化してニードルローラがリテーナの軸線と平行な姿勢から傾き易く、傾いた姿勢で投入スロット内を移動したり、リテーナ側に供給されると、投入スロット内や、組立穴とリテーナとの間の隙間にニードルローラが詰まり易いという問題があった。また、圧縮空気供給機構のために装置構成が複雑になるという問題もある。
【0010】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、ニードルローラなどの整列対象物の姿勢が傾くのを防止し、所定数の整列対象物の姿勢を揃えて次工程(外部)に供給することができる整列供給装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、
円筒状をした整列対象物を整列させて外部に供給する整列供給装置であって、
上下に開口し、前記整列対象物が水平且つ上下に積層された状態で充填される収容部を有する整列部材と、
前記整列部材を、その収容部内に充填された整列対象物の軸線と交差する方向に往復移動させて、前記収容部内に前記整列対象物が充填される充填位置と、前記収容部内の整列対象物が排出される排出位置との間で移動させる整列部材駆動手段と、
内部を前記整列対象物がその軸線方向に移動する供給孔と、前記供給孔の一端側でこの供給孔と連通するように上下に貫通したスリット状の貫通孔とを有し、前記整列部材の収容部と貫通孔とが前記充填位置で連通するように前記整列部材の上側に配設された供給部材を備え、前記供給部材の供給孔内にその他端側から前記整列対象物を供給して前記供給孔の一端側に向けて送る供給手段と、
前記充填位置で前記整列部材の収容部内に、前記供給部材の供給孔一端側に移動した整列対象物を1個ずつ充填する充填手段と、
前記排出位置で前記整列部材の収容部内に充填された整列対象物を前記収容部の下側から排出して外部に供給する排出手段と、
前記整列部材の下側で前記充填位置と排出位置との間に配設され、前記整列部材が前記充填位置から排出位置に移動している間、前記収容部内に充填された最下層の整列対象物に当接する当接部材とを備えてなり、
前記充填手段は、
前記供給部材の貫通孔内又は貫通孔の上方に下端が配置されて前記供給部材の供給孔内の整列対象物に当接する充填部材と、前記充填部材を上下動させる充填部材駆動手段と、昇降自在に設けられ、前記収容部内に充填される整列対象物を受ける受け部材と、前記整列部材の下側に配設され、前記受け部材の昇降移動を案内する受け部材案内手段と、前記受け部材を保持する保持手段と、前記受け部材を上方へ移動させる受け部材駆動手段とから構成され、
前記受け部材は、上昇端位置と、上端が前記収容部から下方に抜けた下降端位置との間で前記保持手段の保持力に抗して昇降するとともに、前記整列対象物の充填によって前記上昇端位置から下降端位置に向けて徐々に下降するように構成されてなることを特徴とする整列供給装置に係る。
【0012】
この発明によれば、供給手段により、供給部材の供給孔内にその他端側から整列対象物が供給されて供給孔の一端側に向けて順次送られ、供給孔の一端側(押込位置)まで移動した整列対象物は、充填手段によって整列部材の収容部内に1個ずつ充填される。
【0013】
具体的には、充填部材駆動手段により充填部材が下方に向けて駆動されると、充填部材の下端が供給孔内を前記押込位置に移動した整列対象物に上側から当接し、貫通孔内を通って整列部材の収容部内に充填される。このとき、充填される整列対象物は、受け部材によって受けられるようになっており、この充填により、受け部材は、受け部材案内手段により案内されつつ保持手段の保持力に抗して上昇端位置から整列対象物1個分だけ下降する。
【0014】
この後、充填部材が上方に向けて駆動された後、再び充填部材が下方に向けて駆動されると、上記と同様、充填部材の下端が前記押込位置に新たに移動した整列対象物に当接して整列部材の収容部内に充填される。このとき、充填される整列対象物は、先に充填された整列対象物の上側に充填されるようになっており、この充填により、受け部材は、上記と同様、保持手段の保持力に抗して整列対象物1個分だけ更に下降する。このような動作が所定数の整列対象物が充填されるまで繰り返され、このようにして整列対象物が水平且つ上下に積層された状態で充填される。尚、所定数の整列対象物が充填されると、受け部材は、下降端位置まで下降する。
【0015】
ついで、整列部材駆動手段により整列部材が充填位置から排出位置に向けて移動せしめられるが、このとき、収容部内に充填された最下層の整列対象物が、整列部材の下側に配設された当接部材に当接して収容部内の整列対象物が落下するのが防止される。そして、排出位置では、排出手段により、整列部材の収容部内に充填された整列対象物が収容部の下側から排出されて外部(次工程)に供給される。
【0016】
この後、整列部材は、整列部材駆動手段により排出位置から充填位置に向けて移動せしめられ、受け部材駆動手段により受け部材が上昇端位置まで上昇せしめられた後、上記と同様にして整列部材の収容部内に整列対象物が充填される。
【0017】
斯くして、本発明に係る整列供給装置によれば、整列部材の収容部内に充填される整列対象物を受け部材により受けるとともに、充填される整列対象物により受け部材を押し下げつつ充填するようにしたので、充填時に整列対象物の姿勢が傾いたり、収容部内に整列対象物が詰まるのを防止し、整列対象物が水平且つ上下に積層された状態に確実に充填することができる。また、整列させた整列対象物を次工程に供給することができるので、次工程への供給を容易に行うことができ、供給時間を短縮してサイクルタイムを短くすることができる。また、充填手段に流体を用いていないので、装置構成の簡素化を図ることもできる。
【0018】
尚、前記整列部材は、その移動方向に間隔を隔てて第1及び第2の2つの前記収容部を備え、前記整列部材駆動手段は、前記第1収容部内に前記整列対象物が充填され且つ前記第2収容部内の整列対象物が排出される第1移動位置と、前記第1収容部内の整列対象物が排出され且つ前記第2収容部内に前記整列対象物が充填される第2移動位置との間で前記整列部材を移動させるように構成され、前記供給部材及び充填手段は、前記第1移動位置で前記第1収容部内に、前記第2移動位置で前記第2収容部内に前記整列対象物が充填されるように、前記各移動位置に対応してそれぞれ配設されていても良い。
【0019】
このようにすれば、第1移動位置では、第1収容部内に整列対象物が充填されるとともに、第2収容部内の整列対象物が外部に排出され、第2移動位置では、第2収容部内に整列対象物が充填されるとともに、第1収容部内の整列対象物が外部に排出されるので、各収容部に対する整列対象物の充填及び排出を効率的に実施することができる。
【0020】
また、前記充填部材駆動手段は、前記充填部材に係合するカムと、前記カムを回転させるカム駆動手段とを備え、このカムと充填部材との係合関係により前記充填部材を上下動させるように構成されていても良い。このようにすれば、より簡単な構成で充填部材を上下動させることができる。
【0021】
この場合において、前記充填部材は、その上部に水平方向に突出した当接部を備え、前記充填部材駆動手段は、前記充填部材の上下動を案内する充填部材案内手段と、前記充填部材を下方に付勢する付勢手段とを更に備え、前記カムが、前記充填部材の当接部の下側に配設されて外周面が前記当接部に当接するように構成されていても良い。このようにすると、充填部材は、その当接部とカムとの係合関係及び付勢手段の付勢力により下方に移動し、その当接部とカムとの係合関係により付勢手段の付勢力に抗して上方に移動する。
【0022】
また、前記排出手段は、前記整列部材の収容部の上方に配置される押出部材であって、昇降自在に設けられるとともに、前記収容部内に挿入されて下端が前記収容部内の整列対象物に当接する押出部材と、前記押出部材に係合してこれを昇降させるための昇降手段とから構成されていても良い。この場合において、押出部材は、その自重によって下方に移動させても、昇降手段によって直接下方に移動させても良い。
【0023】
このようにすれば、収容部内に充填された整列対象物を、収容部内を下方に移動する押出部材によって確実に排出することができるので、排出時に整列対象物が収容部内に詰まるといった不都合を防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明に係る整列供給装置によれば、整列対象物の姿勢が傾くのを防止し、所定数の整列対象物の姿勢を揃えて次工程に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、以下の説明では、整列対象物の一例としてニードルローラを挙げ、また、このニードルローラの整列供給装置がトリポード部材組立装置に設けられている場合を一例に挙げて説明する。
【0026】
まず、図16及び図17を参照し、トリポード部材202について説明する。トリポード部材202は、例えば、自動車において、エンジンからの駆動力を駆動輪に伝達するために使用されるトリポード型自在継手200に設けられており、このトリポード型自在継手200は、一端が開口し、内周面の円周方向等間隔位置に3つの溝201aが軸線方向に沿って形成された円筒状のハウジング201と、ハウジング201内に設けられ、前記溝201aと係合する前記トリポード部材202とからなる。
【0027】
前記トリポード部材202は、軸線方向に貫通する貫通穴203aが形成された円筒状の本体部203と、本体部203の外周面に円周方向等間隔で放射状に突出した3つの脚軸部204と、各脚軸部204に所定数のニードルローラ208を介して回転自在にそれぞれ外嵌された環状のローラ209と、本体部203との間に各ニードルローラ208を挟むように各脚軸部204の先端側にそれぞれ装着された環状のリテーナ205とから構成されており、環状ローラ209が前記溝201a内に挿入されてこれと係合する。
【0028】
尚、前記ハウジング201の他端には前記エンジン側に接続された駆動軸210が固設され、前記本体部203の貫通穴203a内には前記駆動輪側に接続された回転軸211が挿入される。
【0029】
次に、前記トリポード部材組立装置1について説明する。図1及び図2に示すように、この組立装置1は、予めリテーナ205が装着された脚軸部204に対しニードルローラ208及び環状ローラ209を組み付けてトリポード部材202を組み立てるもので、脚軸部204の軸線が水平となるようにトリポード部材202を支持する支持部10と、支持部10によって支持されたトリポード部材202を水平回転させ、等間隔に設定された3つの回転角度位置(第1,第2及び第3回転角度位置α,β,γ)に割り出す水平回転駆動機構部14と、第1回転角度位置αにある脚軸部204に所定数(本例では32個)のニードルローラ208を供給するニードルローラ供給部20と、第2回転角度位置βにある、ニードルローラ208の供給後の脚軸部204に環状ローラ209を装着する環状ローラ装着部120と、これら支持部10,水平回転駆動機構部14,ニードルローラ供給部20及び環状ローラ装着部120を支持するフレーム5とから構成される。尚、図1は、前記トリポード部材組立装置を示した概略図であり、図2は、前記トリポード部材組立装置の支持部,水平回転駆動機構部及び後述の保持装置を示した断面図である。
【0030】
図2に示すように、前記支持部10は、軸線が上下方向に配置された支持軸11と、前記フレーム5に固定され、軸受13を介して支持軸11の中央部をその軸線中心に回転自在に支持する支持部材12とを備える。支持軸11の上端部には、トリポード部材202の本体部203が載置される載置部11aと、この載置部11aから上方に突出し、本体部203の貫通穴203a内に嵌挿される円柱状の突起部11bとが形成されている。
【0031】
前記水平回転駆動機構部14は、前記支持軸11の下端に接続してこれを軸線中心に回転させる。尚、水平回転駆動機構部14は、支持平板18の上面に固定され、この支持平板18は、前記フレーム5に固定された吊下部材19によって吊り下げられている。
【0032】
図1、図3乃至図5、図15などに示すように、前記ニードルローラ供給部20は、前記第1回転角度位置αにおいて前記トリポード部材202の脚軸部204の、根元部分とリテーナ205との間の外周面にニードルローラ208を供給する第1整列供給装置21と、第1整列供給装置21にニードルローラ208を供給する第2整列供給装置45と、第1整列供給装置21によって脚軸部204の外周面に供給されたニードルローラ208を保持する保持装置85とを備える。
【0033】
図3乃至図7に示すように、前記第1整列供給装置21は、内部が中空の外部円筒部材22と、内部が中空に形成され、外部円筒部材22内に一部分が収容された第1内部円筒部材23と、外周面に前記ニードルローラ208がそれぞれ収容される複数の溝25aを備え、第1内部円筒部材23内に収容された第2内部円筒部材24と、取付部材27を介して外部円筒部材22が載置される載置板28と、前記フレーム5に固定された支持台29と、支持台29の上面に設けられ、載置板28を支持,駆動する第1駆動シリンダ30と、第1内部円筒部材23を駆動する第1駆動機構31と、第2内部円筒部材24を駆動する第2駆動機構36と、第2内部円筒部材24の各溝25a内にあるニードルローラ208を溝25a側に押し付けて挟持する挟持機構40とから構成される。
【0034】
前記外部円筒部材22は、前記トリポード部材202の脚軸部204の軸線と同軸且つ先端面がこの脚軸部204と一定間隔を隔てて対向している。また、外部円筒部材22の先端部側の上部外周面には、ニードルローラ208が通過可能となったスリット状の貫通孔22aが軸線方向に沿って形成されている。
【0035】
前記第1内部円筒部材23は、その軸線方向に移動自在に且つ軸線中心に回転自在に設けられ、先端部が前記貫通孔22aよりも外部円筒部材22の後端部側に位置し、後端部が外部円筒部材22の後端部から突出している。
【0036】
前記第2内部円筒部材24は、その軸線方向に移動自在に設けられ、先端部が外部円筒部材22の先端部から内部に入り込んだ状態に位置している。また、第2内部円筒部材24は、先端部側の大径部25と後端部側の小径部26とからなり、前記溝25aは、大径部25に軸線方向に沿って形成される。また、第2内部円筒部材24(大径部25)の先端面には、リテーナ205の外径よりも大きい内径の開口部25bが形成されている。尚、前記溝25aは、供給すべきニードルローラ208と同数設けられる。また、前記各円筒部材22,23,24はそれぞれ同軸に配置される。
【0037】
前記第1駆動シリンダ30は、前記支持台29の上面に固設され、前記載置板28の下面に固設された駆動部材30bを備えており、駆動部材30bを外部円筒部材22の軸線方向と平行に移動させる。そして、駆動部材30bの移動により、載置板28,外部円筒部材22,第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24などが一体的にトリポード部材202の脚軸部204に接近,離反する方向に移動する。
【0038】
前記第1駆動機構31は、第1内部円筒部材23の軸線と平行な方向に移動可能な駆動ロッド32aを備える第2駆動シリンダ32と、駆動ロッド32aの先端に固設された第1係合部材34と、第1内部円筒部材23の後端部に固設され、第1係合部材34と係合した第2係合部材35とからなり、第2駆動シリンダ32は、取付部材33を介して載置板28に固設される。
【0039】
前記第2駆動機構36は、第1内部円筒部材23内であって一端が前記大径部35に、他端が第1内部円筒部材23の段付き部23aに当接する圧縮ばね37と、第1内部円筒部材23の後端部側の上部外周面に軸線方向に沿って形成された長孔38と、前記小径部26に固設され、長孔38内に挿入されてこれと係合可能な係合ピン39とからなる。この長孔38及び係合ピン39は、第1内部円筒部材23が第2内部円筒部材24の先端部側に移動するのを許容する一方、第1内部円筒部材23が外部円筒部材22の後端部側に移動する際に係合してこの第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24を一体的に移動させるように構成される。
【0040】
そして、この第1駆動機構31及び第2駆動機構36では、第2駆動シリンダ32の駆動ロッド32aがトリポード部材202の脚軸部204に接近する方向に移動すると、第1内部円筒部材23が同方向に移動するとともに第2内部円筒部材24が圧縮ばね37の付勢力によって同方向に移動する。一方、第2駆動シリンダ32の駆動ロッド32aが脚軸部204から離反する方向に移動すると、第1内部円筒部材23が同方向に移動するとともに、長孔38と係合ピン39とが係合して第2内部円筒部材24が第1内部円筒部材23とともに同方向に移動する。
【0041】
前記挟持機構40は、第2内部円筒部材24の各溝25aと一対一で対応するように放射状且つ環状に配置され、各溝25a内にあるニードルローラ208を把持する複数の把持爪41と、外部円筒部材22の先端部に配設され、各把持爪41を、各把持爪41の先端部が広がる方向及び狭まる方向に回動自在に支持する環状の支持部材42と、環状の弾性体から構成され、軸線が外部円筒部材22の軸線と平行に設けられて各把持爪41とそれぞれ係合した付勢部材43とを備える。
【0042】
前記各把持爪41は、その先端が内側に突出するようにL字状に形成されており、後端の両側面には支持部材42と係合する突起41bが、外周面には付勢部材43が嵌められる凹部41cが形成されている。前記支持部材42には、把持爪41と同数の溝が放射状且つ両端面に開口するように形成されており、この溝内に把持爪41の後端が挿入,配置される。また、支持部材42には、外周面に開口する環状溝42bが形成されており、この環状溝42bに前記突起41bが係合している。
【0043】
前記付勢部材43は、弾性変形することによって各把持爪41の前記広がる方向への回動を許容するとともに、その形状回復作用によって各把持爪41を前記狭まる方向に付勢するように構成される。
【0044】
斯くして、この第1整列供給装置21によれば、第2駆動シリンダ32により第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24が駆動され、脚軸部204に接近する方向に移動すると、第2内部円筒部材24が外部円筒部材22の先端部から外部に突出するとともに、第1内部円筒部材23の先端部が各溝25a内のニードルローラ208に当接してこれらが外部円筒部材22の先端部から外部に押し出される。
【0045】
そして、ニードルローラ208が押し出されると、これらと各把持爪41とが当接して、この各把持爪41が広がる方向に付勢部材43の付勢力に抗して回動し、溝25aと把持爪41の先端部との間にニードルローラ208が挿入,挟持される(図8参照)。
【0046】
この後、第1駆動シリンダ30により外部円筒部材22,第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24などが脚軸部204に接近する方向に移動せしめられ、第2内部円筒部材24の開口部25bの奥側垂直面に脚軸部204の先端が当接すると、外部円筒部材22及び第1内部円筒部材23が第2内部円筒部材24の先端部側に向けて移動する(図8参照)。
【0047】
そして、第2内部円筒部材24の先端部が外部円筒部材22内に入ると、各把持爪41が狭まる方向に付勢部材43の付勢力によって回動し、ニードルローラ208がトリポード部材202の脚軸部204側に移動してその外周面と把持爪41の先端部との間に挟持される(図9参照)。
【0048】
こうして、脚軸部204の、根元部分とリテーナ205との間の外周面に所定数のニードルローラ208が脚軸部204の軸線と平行且つ環状に整列した状態に供給される。尚、脚軸部204の外周面にニードルローラ208が供給されると、供給されたニードルローラ208は前記保持装置85によって保持される(図15参照)。
【0049】
この後、第1駆動シリンダ30により外部円筒部材22,第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24などが脚軸部204から離反する方向に移動せしめられる。また、第2駆動シリンダ32により第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24が脚軸部204から離反する方向に移動せしめられる。これにより、外部円筒部材22,第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24が元の位置に戻り、また、各把持爪41がニードルローラ208から離れて各把持爪41によるニードルローラ208の挟持が解除される(図3参照)。尚、このとき、ニードルローラ208は、その移動がリテーナ205によって規制されているので、脚軸部204から抜けることはない。
【0050】
図3乃至図5及び図10乃至図14に示すように、前記第2整列供給装置45は、ニードルローラ208を供給する供給機構46と、矩形ブロック状に形成され、前記外部円筒部材22の軸線と直交する水平方向に移動自在となった整列部材48と、整列部材48の移動方向における両側面に当接してその移動を規制する2つのストッパ49と、整列部材48を支持,駆動する第1駆動シリンダ50と、供給機構46から供給されるニードルローラ208を前記所定数(本例では32個)整列部材48に充填する充填機構51と、整列部材48に充填されたニードルローラ208を外部に排出して前記第2内部円筒部材24の溝25a内に供給する排出機構70と、排出機構70によるニードルローラ208の排出時に前記第1内部円筒部材23及び第2内部円筒部材24をこれらの軸線中心に回転させる回転駆動機構79と、鉛直に配置されて前記載置板28に取付部材83を介し固定され、ストッパ49,第1駆動シリンダ50,充填機構51及び排出機構70を支持する支持平板82とから構成される。
【0051】
前記供給機構46は、パーツフィーダ46aと、パーツフィーダ46aからニードルローラ208が送給される供給部材47とから構成される。前記供給部材47は、整列部材48の上側に配置されて取付部材52を介し支持平板82の前面に固設されており、上下に貫通し、整列部材48の収容部48aの上側開口部と連通可能なスリット状の貫通孔47aと、一端側で貫通孔47aと連通し、他端側が供給部材47の裏面に開口した供給孔47bとを有する。この供給孔47bの他端には前記パーツフィーダ46aが接続されており、この供給孔47b内にニードルローラ208が送給されるようになっている。尚、ニードルローラ208は、その軸線方向にこの供給孔47b内を他端側から一端側(押込位置)に向けて移動する。
【0052】
前記整列部材48は、前記外部円筒部材22の上側であって支持平板82の前面側に配置されており、その移動方向の両端部側に上下に貫通し、長手方向が外部円筒部材22の軸線と平行に形成された長穴状の収容部48aを備え、この収容部48a内にニードルローラ208が水平且つ上下に積層された状態で充填される。
【0053】
前記第1駆動シリンダ50は、整列部材48の移動方向と平行に形成されたガイドレール50aと、整列部材48の裏面に固設され、ガイドレール50aと係合してこれに沿って水平移動するスライダ50bと、支持平板82の前面に固設され、前面にガイドレール50aが設けられたシリンダ本体50cと、スライダ50bの移動方向における両側面にそれぞれ設けられ、ストッパ49と当接可能な当接部材50dとからなる。そして、シリンダ本体50cによりスライダ50bが駆動されて移動すると、整列部材48がスライダ50bと同方向に移動し、第1移動位置と第2移動位置との間で往復移動する。
【0054】
尚、第1移動位置とは、一方の当接部材50dと一方のストッパ49とが当接する位置であり、第2移動位置とは、もう一方の当接部材50dともう一方のストッパ49とが当接する位置である。また、整列部材48は、前記第1移動位置では、一方の収容部48aと外部円筒部材22の貫通孔22aとが、もう一方の収容部48aと貫通孔47a及び後述の案内孔62aとが連通し、前記第2移動位置では、一方の収容部48aと貫通孔47a及び後述の案内孔62aとが、もう一方の収容部48aと外部円筒部材22の貫通孔22aとが連通するようになっている。
【0055】
前記充填機構51は、軸線が上下方向に配置され、下端が供給部材47内のニードルローラ208に当接してこれを収容部48a内に充填する充填軸53と、支持平板82の前面に固設され、充填軸53の上下方向への移動を案内する第1案内部材54と、充填軸53を上下方向に移動させる駆動機構55と、上下方向に移動自在に設けられ、収容部48a内に充填されたニードルローラ208を受ける受け部材61と、整列部材48の下側且つ外部円筒部材22の外周部に配置されて取付部材63を介し支持平板82に固設され、受け部材61の上下方向への移動を案内する第2案内部材62と、取付部材65を介して支持平板82の前面に固設され、受け部材61を上方に移動させる第2駆動シリンダ64と、受け部材61を押圧して保持する保持機構66とを備える。
【0056】
前記充填軸53は、供給部材47の供給孔47b内を前記押込位置まで移動したニードルローラ208の上面に当接する平板状の当接部53aを下端部に備えており、この当接部53aが供給部材47の貫通孔47a内に挿入された状態で設けられる。また、充填軸53の上端部には当接部材58が取り付けられている。前記第1案内部材54は、上下に貫通した案内孔54aを備え、この案内孔54a内に充填軸53がその上端及び下端が突出した状態で嵌挿されている。
【0057】
前記駆動機構55は、支持平板82の裏面に配設され、出力軸56aが支持平板82の貫通孔82a内に挿通されて前面側に突出した駆動モータ56と、駆動モータ56の出力軸56aに固設され、水平軸回りに回転するカム57と、充填軸53の上端部外周面及び第1案内部材54の外面にそれぞれ設けられたピン59と、両端が各ピン59にそれぞれ接続し、充填軸53を第1案内部材54側(下方)に付勢する引張ばね60とからなり、カム57が前記当接部材58よりも下側に配置されて当接部材58がカム57の外周面に当接,支持されている。
【0058】
この駆動機構55では、引張ばね60の付勢力によって充填軸53が下方に付勢されているので、駆動モータ56によりカム57が回転せしめられ、このカム57と当接部材58との当接位置が変化することで、充填軸53は引張ばね60の付勢力によって下方に移動し、また、引張ばね60の付勢力に抗して上方に移動する。そして、充填軸53が下方に移動すると、その当接部53aが前記貫通孔47a内のニードルローラ208の上面に当接してこれをこの貫通孔47aから整列部材48の収容部48a内に移動させ充填する。尚、このときにおける充填軸53の下方への移動量は、ニードルローラ208を1つ収容部48a内に充填可能な移動量に設定される。
【0059】
前記受け部材61は、平板状に形成され、長手方向が上下方向に配置されるとともに、整列部材48の収容部48a及び前記案内孔62a内を上下に移動可能となっており、収容部48a内に充填されたニードルローラ208を上面で受ける。また、受け部材61は、上部側面に係合ピン61aが設けられている。尚、受け部材61は、その上昇端位置にあるときには、上面が整列部材48の上面とほぼ同じ高さとなるように位置し、下降端位置にあるときには、上面が整列部材48の下面とほぼ同じ高さでこの下面よりも上側に出っ張らないように位置する。尚、受け部材61は、収容部48a内にニードルローラ208が充填される度にニードルローラ208一つ分だけ降下し、所定数のニードルローラ208が充填されると、下降端位置まで降下するようになっている。
【0060】
前記第2案内部材62は、上下に貫通して整列部材48の収容部48aの下側開口部と連通可能な案内孔62aを備え、この案内孔62a内に受け部材61が嵌挿されている。また、第2案内部材62には、その側面と案内孔62aの内面とに開口し、上下方向に沿って形成された貫通孔62bが形成されており、この貫通孔62b内に受け部材61の係合ピン61aが位置している。また、第2案内部材62には、側面と案内孔62aの内面とに開口した横穴62cが形成されており、この横穴62cは、案内孔62a側の内径が大きく、側面側の内径が小さい段付き形状に形成される。
【0061】
尚、第2案内部材62の上面は、前記外部円筒部材22の上部外周面とほぼ同じ高さで水平に形成されており、整列部材48が移動する際にその収容部48aの下側開口部を閉塞して、この収容部48a内に充填されたニードルローラ208が下方に落下するのを防止する役目も果たす。
【0062】
前記第2駆動シリンダ64は、上下方向に移動可能な駆動ロッド64aと、この駆動ロッド64aの下端に設けられ、受け部材61の係合ピン61aに下側から係合する係合爪64bとを備える。この第2駆動シリンダ64では、駆動ロッド64aが駆動されて上方に移動すると、係合爪64bと係合ピン61aとが係合して受け部材61を上方に移動させる。
【0063】
前記保持機構66は、第2案内部材62の横穴62cの大径部にその軸線方向に移動自在に嵌挿され、一端が受け部材61の側面を第2案内部材62の案内孔62aの内面側に向けて押圧する押圧部材67と、第2案内部材62の横穴62cの小径部に設けられた封止部材68と、押圧部材67と封止部材68との間に設けられ、押圧部材67を受け部材61側に付勢する圧縮ばね69とからなる。
【0064】
この保持機構66では、圧縮ばね69の付勢力によって受け部材61の側面が押圧部材67によって押圧され、受け部材61は、案内孔62aの内面と押圧部材67とにより挟持された状態で保持される。尚、圧縮ばね69の付勢力は、ニードルローラ208の充填によって順次降下し、しかも、ニードルローラ208の重さで落下するようなことがなく、更に、駆動シリンダ64によって上昇させることが可能に設定される。
【0065】
尚、前記供給部材47,充填軸53,第1案内部材54,駆動機構55,受け部材61,第2案内部材62,駆動シリンダ64及び保持機構66は、整列部材48の2つの収容部48aにそれぞれ対応して2組設けられる。
【0066】
前記排出機構70は、上下に貫通した第1案内孔71a及び第2案内孔71bが形成され、前記支持平板82の前面に固設された案内部材71と、長手方向が上下方向に配置され、上下方向に移動自在に第1案内孔71a内に嵌挿される平板状の押出部材72と、棒状の連結部材74を介して押出部材72と連結され、上下方向に移動自在に第2案内孔71b内に嵌挿される円柱状の移動部材73と、取付部材76を介して支持平板82の前面に固設され、押出部材72,移動部材73及び連結部材74を上方に移動させる第3駆動シリンダ75とからなる。
【0067】
前記案内部材71は、その側面と第1案内孔71aの内面とに開口するとともに、第1案内孔71aの内面と第2案内孔71bの内面とに開口し、上下方向に沿って形成された貫通孔71cを備えており、この貫通孔71c内に連結部材74が位置している。また、案内部材71は、第1案内孔71aの下側開口部が整列部材48の収容部48aの上側開口部の真上に位置するように配置される。前記押出部材72は、下端が前記収容部48a内を移動してその内部に充填されたニードルローラ208の上面に当接する。
【0068】
前記第3駆動シリンダ75は、上下方向に移動可能な駆動ロッド75aと、この駆動ロッド75aの下端に設けられ、連結部材74に下側から係合する係合部材75bとを備える。この第3駆動シリンダ75では、駆動ロッド75aが駆動されて上方に移動すると、係合部材75bと連結部材74とが係合してこの連結部材74とともに押出部材72及び移動部材73が上方に移動する。一方、駆動ロッド75aが駆動されて下方に移動すると、押出部材72,移動部材73及び連結部材74がその自重により一体的に下方に移動する。
【0069】
前記回転駆動機構79は、載置板28に固設された駆動モータ(図示せず)の駆動力を伝達するための歯車80を備え、この歯車80は、前記第1内部円筒部材23の中央部に固設され、前記外部円筒部材22の後端部に軸受81を介し回転自在に支持される。そして、この回転駆動機構79では、駆動力が歯車80により第1内部円筒部材23に伝達されると、この第1内部円筒部材23がその軸線中心に回転するとともに、前記長孔38及び係合ピン39の係合関係によって第2内部円筒部材24がその軸線中心に回転する。
【0070】
斯くして、この第2整列供給装置45によれば、パーツフィーダ46aから供給部材47の供給孔47b内にニードルローラ208が順次送給され、この供給孔47b内を前記押込位置に移動すると、この押込位置のニードルローラ208は、カム57と当接部材58との係合関係により一定周期且つ一定ストロークで上下動する充填軸53によって収容部48a内に充填される。このとき、受け部材61は、新たなニードルローラ208が収容部48a内に充填されるたびに降下して行く。
【0071】
そして、収容部48a内に所定数のニードルローラ208が充填されると、第1駆動シリンダ50により整列部材48が移動せしめられ、ニードルローラ208が充填された一方の収容部48aと外部円筒部材22の貫通孔22aとが、もう一方の収容部48aと供給部材47の貫通孔47a及び第2案内部材62の案内孔62aとが連通する。尚、収容部48a内に所定数のニードルローラ208が充填されたか否かは、例えば、受け部材61が下降端位置まで下がったかどうかをセンサで検出することで確認することができる。
【0072】
この後、第3駆動シリンダ75により駆動ロッド75aが駆動されて下方に移動し、押出部材72,移動部材73及び連結部材74がその自重により一体的に下方に移動すると、押出部材72の下端が収容部48a内のニードルローラ208に当接してこれが押し下げられ、外部円筒部材22の貫通孔22aから第2内部円筒部材24の溝25a内に排出,供給される。このとき、回転駆動機構79により第2内部円筒部材24がその軸線中心に回転せしめられ、押出部材72により押し下げられたニードルローラ208が各溝25a内に1つずつ排出,供給される。こうして、すべての溝25aにニードルローラ208が供給され、第2内部円筒部材24と第1内部円筒部材23との間で保持される。
【0073】
尚、押出部材72は、前記溝25a内に収容されたニードルローラ208に直接当接するまで降下する。また、下方に移動した押出部材72,移動部材73及び連結部材74は、第3駆動シリンダ75により駆動ロッド75aが駆動されて上方に移動することで、元の位置に戻される。一方、前記もう一方の収容部48aについては、上記と同様にして、ニードルローラ208が充填される。
【0074】
この後、第1駆動シリンダ50により整列部材48が移動せしめられ、ニードルローラ208が充填された前記もう一方の収容部48aと外部円筒部材22の貫通孔22aとが、前記一方の収容部48aと供給部材47の貫通孔47a及び第2案内部材62の案内孔62aとが連通する。
【0075】
前記もう一方の収容部48aについては、上記と同様にして、ニードルローラ208が第2内部円筒部材24の溝25a内に排出,供給され、前記一方の収容部48aについては、第2駆動シリンダ64により駆動ロッド64aが駆動されて上方に移動せしめられ受け部材61が元の位置に戻された後、上記と同様にして、ニードルローラ208が充填される。尚、受け部材61が元の位置に戻ると、第2駆動シリンダ64により駆動ロッド64aが駆動されて下方に移動せしめられる。
【0076】
図15に示すように、前記保持装置85は、第1整列供給装置21によってトリポード部材202の脚軸部204の外周面に供給された所定数のニードルローラ208を左右両側から挟むように保持する第1保持部材86及び第2保持部材87と、各保持部材86,87を脚軸部204の軸線と平行な中心軸回りに回動自在に支持する支持部材(図示せず)と、各保持部材86,87を回動させてニードルローラ208の保持及びその解除を行う動作機構(図示せず)とから構成される。尚、この保持装置85は、前記支持軸11の円周方向に等間隔で3つそれぞれ設けられており、支持軸11とともに回転する。
【0077】
前記各保持部材86,87は、上部に半円状をした切り欠き部86a,87aが形成されており、この切り欠き部86a,87aによりニードルローラ208を保持する。また、各保持部材86,87は、その下部が前記支持部材によって支持されている。
【0078】
図1に示すように、前記環状ローラ装着部120は、前記支持軸11の上端に支持され第2回転角度位置βに割り出されたトリポード部材202の脚軸部204であって外周部にニードルローラ208が供給された脚軸部204に環状ローラ209を圧入により装着する。
【0079】
以上のように構成された本例のトリポード部材組立装置1によれば、脚軸部204にリテーナ205が装着され、環状ローラ209及びニードルローラ208は未装着のトリポード部材202が、作業者により或いは自動供給装置により支持軸11上に載置された後、第1回転角度位置αに割り出されているトリポード部材202の脚軸部204に対し、第1整列供給装置21により所定数のニードルローラ208が供給されるとともに、供給されたニードルローラ208が各保持部材86,87により保持される。
【0080】
この後、水平回転駆動機構部14により支持軸11が軸線中心に回転せしめられ、トリポード部材202が水平回転する。これにより、第1回転角度位置αに割り出されていた脚軸部204が第2回転角度位置βに、第2回転角度位置βに割り出されていた脚軸部204が第3回転角度位置γに、第3回転角度位置γに割り出されていた脚軸部204が第1回転角度位置αに割り出される。
【0081】
そして、第2回転角度位置βに割り出されニードルローラ208が供給されている脚軸部204に対し、環状ローラ装着部120により環状ローラ209が圧入される。その際、各保持部材86,87によるニードルローラ208の保持が解除される。また、第1回転角度位置αに割り出された脚軸部204については、同様にして所定数のニードルローラ208が供給され、保持される。
【0082】
この後、水平回転駆動機構部14により支持軸11が軸線中心に回転せしめられ、トリポード部材202が水平回転し、これにより、脚軸部204が各回転角度位置α,β,γに割り出される。そして、上記と同様、第1回転角度位置αに割り出された脚軸部204に対してニードルローラ208が供給されるとともに、第2回転角度位置βに割り出された脚軸部204に対して環状ローラ209が圧入される。この後、水平回転駆動機構部14により支持軸11が軸線中心に回転せしめられ、第2回転角度位置βに割り出された脚軸部204に対して環状ローラ209が圧入される。
【0083】
こうして、3つの脚軸部204に対してニードルローラ208及び環状ローラ209がそれぞれ組み付けられ、これにより、トリポード部材202が組み立てられる。そして、組み立てられたトリポード部材202は、環状ローラ209及びニードルローラ208が未装着の新たなトリポード部材202と交換される。以降、同様にして、所定数のトリポード部材202が組み立てられる。
【0084】
以上詳述したように、本例のトリポード部材組立装置1によれば、整列部材48の収容部48a内に充填されるニードルローラ208を受け部材61により受けるとともに、充填されるニードルローラ208により受け部材61を押し下げつつ充填するようにしたので、充填時にニードルローラ208の姿勢が傾いたり、収容部48a内にニードルローラ208が詰まるのを防止し、ニードルローラ208が水平且つ上下に積層された状態に確実に充填するこことができる。また、整列させたニードルローラ208を次工程に供給することができるので、次工程への供給を容易に行うことができ、供給時間を短縮してサイクルタイムを短くすることができる。また、充填機構51に流体を用いていないので、装置構成の簡素化を図ることもできる。
【0085】
また、整列部材48に2つの収容部48aを形成し、一方の収容部48a内に充填されたニードルローラ208を第2内部円筒部材24の溝25a内に供給しているときに、もう一方の収容部48aに新たなニードルローラ208を充填するようにしたので、ニードルローラ208の溝25a内への供給や収容部48a内への供給を効率的に実施することができる。
【0086】
また、カム57の回転により充填軸53を上下動させているので、より簡単な構成で充填軸53を上下動させることができる。また、収容部48a内に充填されたニードルローラ208を、押出部材72によって収容部48a内を下方に移動させながら、回転駆動機構79により第2内部円筒部材24をその軸線中心に回転させて、溝25a内にニードルローラ208を供給するようにしたので、ニードルローラ208を収容部48aから確実に排出して、排出時にニードルローラ208が収容部48a内に詰まるといった不都合を防止することができ、更に、ニードルローラ208を溝25a内に容易に供給することができる。
【0087】
また、第2内部円筒部材24の各溝25a内にそれぞれ配置して把持爪41により挟持させた所定数のニードルローラ208を付勢部材43の付勢力によってトリポード部材202の脚軸部204の外周面に供給するようにしたので、すべてのニードルローラ208を一度に供給することができ、効率的である。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0089】
上例では、整列部材48の収容部48a内のニードルローラ208を排出するに当たり、第3駆動シリンダ75の駆動ロッド75aを下方に移動させ、押出部材72,移動部材73及び連結部材74を自重で下方に移動させるようにしたが、係合部材75を連結部材74に固定して駆動ロッド75aにより直接押出部材72,移動部材73及び連結部材74を下降させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る整列供給装置(第2整列供給装置)が設けられたトリポード部材組立装置の概略図である。
【図2】図1に示したトリポード部材組立装置の支持部,水平回転駆動機構部及び保持装置の断面図である。
【図3】ニードルローラ供給部の概略構成を示した断面図である。
【図4】図3に示したニードルローラ供給部の平面図である。
【図5】図3に示したニードルローラ供給部の正面図である。
【図6】第1整列供給装置の主要部の概略構成を示した断面図である。
【図7】図6における矢示B−B方向の断面図である。
【図8】第1整列供給装置の動作を説明するための断面図である。
【図9】第1整列供給装置の動作を説明するための断面図である。
【図10】第2整列供給装置などの概略構成を示した断面図である。
【図11】第2整列供給装置の動作を説明するための断面図である。
【図12】図10における矢示C−C方向の断面図である。
【図13】図10における矢示D−D方向の断面図である。
【図14】図10における矢示E−E方向の断面図である。
【図15】図2における矢示A−A方向の断面図である。
【図16】トリポード型自在継手の概略構成を示した断面図である。
【図17】図16における矢示F−F方向の断面図である。
【符号の説明】
【0091】
1 トリポード部材組立装置
10 支持部
11 支持軸
14 水平回転駆動機構部
20 ニードルローラ供給部
21 第1整列供給装置
22 外部円筒部材
23 第1内部円筒部材
24 第2内部円筒部材
41 把持爪
45 第2整列供給装置
46a パーツフィーダ
47 供給部材
53 充填軸
57 カム
61 受け部材
62 第2案内部材
67 押圧部材
72 押出部材
73 移動部材
74 連結部材
79 回転駆動機構
85 保持装置
86,87 保持部材
120 環状ローラ装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状をした整列対象物を整列させて外部に供給する整列供給装置であって、
上下に開口し、前記整列対象物が水平且つ上下に積層された状態で充填される収容部を有する整列部材と、
前記整列部材を、その収容部内に充填された整列対象物の軸線と交差する方向に往復移動させて、前記収容部内に前記整列対象物が充填される充填位置と、前記収容部内の整列対象物が排出される排出位置との間で移動させる整列部材駆動手段と、
内部を前記整列対象物がその軸線方向に移動する供給孔と、前記供給孔の一端側でこの供給孔と連通するように上下に貫通したスリット状の貫通孔とを有し、前記整列部材の収容部と貫通孔とが前記充填位置で連通するように前記整列部材の上側に配設された供給部材を備え、前記供給部材の供給孔内にその他端側から前記整列対象物を供給して前記供給孔の一端側に向けて送る供給手段と、
前記充填位置で前記整列部材の収容部内に、前記供給部材の供給孔一端側に移動した整列対象物を1個ずつ充填する充填手段と、
前記排出位置で前記整列部材の収容部内に充填された整列対象物を前記収容部の下側から排出して外部に供給する排出手段と、
前記整列部材の下側で前記充填位置と排出位置との間に配設され、前記整列部材が前記充填位置から排出位置に移動している間、前記収容部内に充填された最下層の整列対象物に当接する当接部材とを備えてなり、
前記充填手段は、
前記供給部材の貫通孔内又は貫通孔の上方に下端が配置されて前記供給部材の供給孔内の整列対象物に当接する充填部材と、前記充填部材を上下動させる充填部材駆動手段と、昇降自在に設けられ、前記収容部内に充填される整列対象物を受ける受け部材と、前記整列部材の下側に配設され、前記受け部材の昇降移動を案内する受け部材案内手段と、前記受け部材を保持する保持手段と、前記受け部材を上方へ移動させる受け部材駆動手段とから構成され、
前記受け部材は、上昇端位置と、上端が前記収容部から下方に抜けた下降端位置との間で前記保持手段の保持力に抗して昇降するとともに、前記整列対象物の充填によって前記上昇端位置から下降端位置に向けて徐々に下降するように構成されてなることを特徴とする整列供給装置。
【請求項2】
前記整列部材は、その移動方向に間隔を隔てて第1及び第2の2つの前記収容部を備え、
前記整列部材駆動手段は、前記第1収容部内に前記整列対象物が充填され且つ前記第2収容部内の整列対象物が排出される第1移動位置と、前記第1収容部内の整列対象物が排出され且つ前記第2収容部内に前記整列対象物が充填される第2移動位置との間で前記整列部材を移動させるように構成され、
前記供給部材及び充填手段は、前記第1移動位置で前記第1収容部内に、前記第2移動位置で前記第2収容部内に前記整列対象物が充填されるように、前記各移動位置に対応してそれぞれ配設されてなることを特徴とする請求項1記載の整列供給装置。
【請求項3】
前記充填部材駆動手段は、前記充填部材に係合するカムと、前記カムを回転させるカム駆動手段とを備え、このカムと充填部材との係合関係により前記充填部材を上下動させるように構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の整列供給装置。
【請求項4】
前記充填部材は、その上部に水平方向に突出した当接部を備え、
前記充填部材駆動手段は、前記充填部材の上下動を案内する充填部材案内手段と、前記充填部材を下方に付勢する付勢手段とを更に備え、前記カムが、前記充填部材の当接部の下側に配設されて外周面が前記当接部に当接するように構成されてなることを特徴とする請求項3記載の整列供給装置。
【請求項5】
前記排出手段は、前記整列部材の収容部の上方に配置される押出部材であって、昇降自在に設けられるとともに、前記収容部内に挿入されて下端が前記収容部内の整列対象物に当接する押出部材と、前記押出部材に係合してこれを昇降させるための昇降手段とから構成されてなることを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの整列供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−100392(P2010−100392A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272724(P2008−272724)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000167222)光洋機械工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】