整形外科用途の超音波システム及び方法
医療診断用の器具及びシステムが提供され、この器具及びシステムは、(i)オペレータが器具を手で握れるように構成され且つ寸法決めされた基部ハンドルと、(ii)ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端する長手シャフト及び遠位端の近くで長手シャフトに取り付けられる超音波振動子を含む超音波プローブであって超音波振動子が超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる超音波プローブと、(iii)超音波プローブに取り付けられた触覚フィーラプローブであって超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフト及び触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部(例えば、球状先端)を含む触覚フィーラプローブと、を含む。開示された器具及びシステムの有利な利用方法、例えば、椎弓根スクリューの配置に関連した皮質骨内の破損を検出する方法、も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年5月7日に出願されて第61/176,373号の番号が付与された、「整形外科用途の超音波(Ultrasound for Orthopedic Application)」という名称の同時係属中の仮特許出願による利益を主張するものである。上記の仮出願は、その開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【0002】
本開示は、概して、脊椎手術の分野の機器及び手順に関し、例示的実施例においては、整形外科用途に関連する椎弓根スクリュー(pedicle screw)の位置決めとその位置決めの評価の少なくともいずれかを行う器具、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎固定の外科的技法は、使用する手術用機器のタイプによって各種様々であるが、現在の外科診療は、一般的な椎弓根スクリューによって得られる強度及び安定性に極めて大きく依存し続けている。しかし、椎弓根スクリューを配置する際には、神経損傷を防ぐための配慮が必要である。例えば、椎弓根の骨組織内にパイロット孔を形成した後、椎弓根スクリューの埋め込みを進める前に、外科医は、通常、パイロット孔の軸方向に延びる側面壁を検査する機会を利用して欠陥を特定する。低侵襲外科的処置が登場し、その利用が増えているが、この処置では、解剖学的構造に対する限定的な視野しか得られず、椎弓根スクリューを誤って配置するリスクが大きくなる。脊柱に隣接した皮質骨に無視できない大きさの破損が特定されると、外科医は、ほとんどの場合に、痛み、麻痺、出血などの併発症のリスクを避けるために、スクリューの向きを変えることを選択する傾向にある。
【0004】
外科医による通常の使用において、このような皮質破損を特定する一つの方法は、一般的な触覚フィーラプローブ(tactile feeler probe)を用いた組織の触診である。この方法には、比較的小さい破損の場合の感度に関し及び偽陽性に関して限界があることは全ての外科医が認めている一方で、大多数とまではいかないが、外科医の多くは、触覚フィーラプローブに満足するようになっている。低侵襲外科的処置を背景とした触覚診断技術の継続した効果的な利用を促す技術及び器具を開発できれば、現在の開業医の中に、この技術及び器具の大きな市場が存在する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外科的用途での超音波技術の利用における最近の発展は大いに期待できるものである。電子機器の小型化が進むにつれて、超音波振動子を配置する能力は、徐々に小さくなり、また、少なくとも最近までは到達が困難であった解剖学的部位に有利な効果をもたらしている。このような状況ではありながら、また、今日までの努力にも関らず、椎弓根スクリューを埋め込み前に、パイロット孔の骨組織の損傷を特定する、使い易く、衛生的で、低コストかつ効果的な装置及び関連技術についての要望が依然として存在する。
【0006】
前述したもの、及び他の要望は、下記の詳細な説明から、特に、付属の図面と組み合わせて詳細な説明を読めば明らかになるように、本明細書に開示した機器、システム、及び方法によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、椎弓根スクリューを埋め込む前に、解剖学的情報の取得及び判定の少なくともいずれかのための、例えば、パイロット孔の骨組織損傷の特定を行うのに有利な器具、システム、及び方法を提供する。例示的実施形態において、医療診断用器具が提供され、この器具は、(i)オペレータが器具を手で握れるように構成され且つ寸法決めされる基部ハンドルと、(ii)ハンドルから遠方に向かって延びて遠位端において終端する長手シャフトと長手シャフトの遠位端の近くでその長手シャフトに取り付けられた超音波振動子を含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる超音波プローブと、(iii)前記超音波プローブに搭載される触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと前記触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部(例えば、球状先端)とを含む触覚フィーラプローブと、を含む。
【0008】
前述の超音波振動子及び遠位端は、概して、オペレータが所望の解剖学的部位に超音波振動子及び遠位端を挿入でき、その解剖学的部位においてオペレータが、超音波検出可能な解剖学的特性を検出することを目的とした当該オペレータによる目視検査のために、解剖学的部位に対応する二次元画像を取得できるように、協働的に構成され、方向付けられ且つ寸法決めされる。超音波エネルギ生成素子アレイは、側面照射型であってよく、リニアアレイ又はフェイズドアレイで方向設定することができる。また、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトは、概して、オペレータが所望の解剖学的部位に触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを挿入でき、その解剖学的部位において、オペレータが選択した解剖学的部位の触覚検査を実行できるように、協働的に構成され且つ寸法決めされる。
【0009】
開示した医療診断用器具は、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔に関連して有利に利用できる。また、超音波振動子の超音波エネルギ生成素子アレイは、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に沿って軸方向に延び、その選択部分に対して配置することができる。フィーラプローブ先端部は、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に配置することができる。本医療診断用器具は、Kワイヤを収容するように構成され且つ寸法決めされる、少なくとも一つのチャンネルを含んでもよく、Kワイヤに、器具を摺動可能に取り付けて、所望の解剖学的部位の軸方向に超音波プローブ及び触覚フィーラプローブを案内することができる。したがって、このチャンネルは、ハンドル内に位置してそのハンドルの中を通って延びる、もしくは、ハンドルの延長部に形成されてその先に延びる、またはその両方であってもよい。ハンドル及び超音波プローブの長手シャフトは単体の構造であっても、または、超音波プローブがハンドルに取り付けられて、その超音波プローブの長手シャフトが片持ち方式でハンドルのハウジングに支持されるようにしてもよい。また、触覚フィーラプローブは、その触覚フィーラプローブの長手シャフトが片持ち方式で超音波プローブの長手シャフトに支持されるように、超音波プローブに取り付けられてよい。
【0010】
開示した医療診断用器具は、典型的には、器具で使用する超音波映像モードに従って超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うケーブルアセンブリと協働するように構成される。ケーブルアセンブリは、通常、対応する超音波制御盤に器具を接続する電気接続部を含む基部端と、超音波プローブの長手シャフト内に形成されて、その長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部管路を少なくとも部分的に通って、前記電気接続部から遠方に超音波振動子まで延びる通電ワイヤと、を含む。また、通電ワイヤは、通常、ハンドルの基部端を通り、更に、ハンドルの長手シャフト内に形成されて、その長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部管路を通って、超音波振動子まで延びる。
【0011】
超音波エネルギ生成素子アレイにおいて、概して、超音波プローブの長手シャフトに沿った軸方向の長さが約8ミリメートルから約12ミリメートルの間に設定される。また、触覚フィーラプローブにおいて、通常、超音波プローブの長手シャフトの遠位端よりも遠方に延び、その触覚フィーラプローブの長手シャフトとフィーラプローブ先端部とで総体的に、側面照射の超音波エネルギ生成素子の配列の先の触覚フィーラプローブの軸方向の長さが、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間に設定される。
【0012】
また、本開示は、骨組織と一緒に使用される医療診断システムも有利に提供し、この医療診断システムは次のとおりである。
【0013】
医療診断用器具を含み、医療診断用器具は、(i)器具のオペレータの近くに設けられ、オペレータが器具を手で握って、ヒト患者の脊椎を基準に器具を操作できるように構成され且つ寸法決めされるハンドルと、(ii)ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端する長手シャフトとその長手シャフトの遠位端の近くで当該長手シャフトに取り付けられる超音波振動子とを含む超音波プローブであって、超音波振動子が長手シャフトに沿って延びる側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを含み、超音波振動子及び遠位端は、オペレータが、所望の解剖学的部位(例えば、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔)の中に超音波振動子と遠位端とを挿入でき、この挿入によって、超音波振動子の側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、解剖学的部位の選択部分に沿って軸方向に延びてその選択部分に対して配置されるように、協調的に構成され、方向決めされ且つ寸法設定される、超音波プローブと、(iii)超音波プローブに取り付けられる触覚フィーラプローブであって、超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて、その遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと、触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部と、を含み、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトは、前記オペレータが、所望の解剖学的部位(例えば、椎弓根スクリューパイロット孔)の中に触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部と長手シャフトとを挿入でき、この挿入によって、フィーラプローブ先端部が椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に配置され、更に、オペレータが、その配置場所において所望の解剖学的部位の触覚検査を実行できるように、協働的に構成され且つ寸法決めされる、触覚フィーラプローブと、(iv)器具で使用する超音波映像モードに従って、超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うための第1ケーブルアセンブリであって、対応する超音波制御盤に器具を接続する第1電気接続部を含む基部端と、電気接続部から遠方に向かい、超音波プローブの長手シャフトを通って超音波振動子まで延びる通電ワイヤを含む第1ケーブルアセンブリと、を含む。開示した本システムは、医療診断用器具を制御するプロセッサと、器具のオペレータによってプロセッサから取得された二次元超音波映像を表示するディスプレイと、対応するケーブル接続部を受け入れるポートと、を含む超音波制御盤と、超音波制御盤に対応付けられた前記ポートに連結される第2電気接続部、前記第1電気接続部に連結される第3電気接続部、及びこれらの接続部の間に延びる通電ワイヤを含む第2ケーブルアセンブリと、を更に含む、もしくは、超音波制御盤及び第2ケーブルアセンブリと共に動作するように構成される、またはその両方であってよい。
【0014】
また、本開示は、所望の解剖学的部位(例えば、ヒト患者の脊椎に形成される椎弓根スクリューパイロット孔において、その軸方向に延びる側面壁内に存在する皮質破損)を調査する有利な方法を提供し、その方法は次を含む。
(i)ハンドルと、(ii)超音波プローブであって、ハンドルから遠方に向かって延びて遠位端において終端する長手シャフト、及び長手シャフトの遠位端の近くでその長手シャフトに取り付けられる超音波振動子を含み、超音波振動子が長手シャフトに沿って延びる(例えば、側面照射の)超音波エネルギ生成素子アレイを含む、超音波プローブと、(iii)超音波プローブに取り付けられる触覚フィーラプローブであって、超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて、その遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフト、及び触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部を含む触覚フィーラプローブと、を含む医療診断用器具を提供し、
ハンドルを利用して、医療診断用器具を手で握り、所望の解剖学的部位(例えば、ヒト患者の脊椎)を基準に医療診断用器具を操作し、その操作において、超音波プローブの超音波振動子及び長手シャフトの遠位端、ならびに、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを所望の解剖学的部位に挿入し、
所望の解剖学的部位に対して、超音波振動子の超音波エネルギ生成素子の配列を配置し、
超音波振動子の超音波エネルギ生成素子アレイを利用して、所望の解剖学的部位の二次元画像を取得し、
所望の解剖学的部位に対して、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を配置し、
触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を利用して、所望の解剖学的部位の触覚検査を実行し、
前記2つの配置するステップと、前記2つの利用するステップとを、超音波振動子、触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端、または触覚フィーラプローブの長手シャフトのフィーラプローブ先端部のいずれも所望の解剖学的部位から取り出さずに実行する。
【0015】
本開示の更なる特徴、機能、及び利点は、下記の詳細な説明から、特に、付属の図面と組み合わせて詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0016】
本開示の対象が属する分野の当業者が、本開示の対象であるシステム、装置、及び方法の構成及び利用方式をより容易に理解するように、下記の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】医療診断用器具、超音波制御盤及びこれらの間に通信を確立するための関連ケーブルアセンブリを含む、本開示に係る医療診断システムの模式的側面図である。
【図2】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図3】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図4】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図5】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図6】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図7】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図7A】本開示に係る代替の例示的医療診断用器具の部分側面図である。
【図8】本開示に係る医療診断用器具の更なる実施形態を示す側面図である。
【図9】本開示に係る医療診断用器具の更なる実施形態を拡大して示す側面詳細図である。
【図10】本開示に係る医療診断用器具の更なる例示的実施形態を示す側面図である。
【図11】本開示に係る医療診断用器具の更なる例示的実施形態を示す側面詳細図である。
【図12】本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す上面図である。
【図13】本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す側面図である。
【図14】本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す底面図である。
【図15】低侵襲脊椎手術中にKワイヤと組み合わせて用いられる、本開示に係る医療診断用器具の例示的実施形態を示す側面図である。
【図15A】低侵襲脊椎手術中にKワイヤと組み合わせて用いられる、本開示に係る図15の器具と同様の医療診断用器具の例示的実施形態を示す側面図である。
【図16】低侵襲脊椎手術中にKワイヤと組み合わせて用いられる、本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す側面図である。
【図17】各種の既知の脊椎インプラント適用例を示す図である。
【図18】各種の既知の脊椎インプラント適用例を示す図である。
【図19】各種の既知の脊椎インプラント適用例を示す図である。
【図20】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図21】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図22】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図23】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図24】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図25】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図26】(L2/3すべり症)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図27】(L2/3すべり症)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図28】(L2/3すべり症)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図29】(L2破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図30】(L2破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図31】(L2破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図32】(L1破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図33】(L1破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図34】(L1破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図35】(転移性骨疾患)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図36】(転移性骨疾患)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図37】(転移性骨疾患)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図38】(低侵襲手術)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図39】(低侵襲手術)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図40】脊椎の椎弓根の皮質骨組織内の破損の内部手術部位に対応した既存の技術を示す図である。
【図41】脊椎の椎弓根の皮質骨組織内の破損の内部手術部位に対応した既存の技術を示す図である。
【図42】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図43】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図44】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図45】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図46】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図47】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図48】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図49】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図50】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図51】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図52】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図53】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図54】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図55】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図56】椎弓根スクリューを埋め込む前に、存在する可能性のあるパイロット孔骨組織の損傷を特定するために体内で利用される、本開示に係る医療診断用器具の連続図である。
【図57】椎弓根スクリューを埋め込む前に、存在する可能性のあるパイロット孔骨組織の損傷を特定するために体内で利用される、本開示に係る医療診断用器具の連続図である。
【図58】超音波プローブと組み合わせて改良版のJamshidi型針が用いられる、本開示に係る実施例を示す図である。
【図59】超音波プローブと組み合わせて改良版のJamshidi型針が用いられる、本開示に係る実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施形態によれば、広範囲の各種脊椎手術において用いられる有利な医療診断用器具、システム、及び方法が提供される。本開示が提供する改良された装置及び有利な方法は、触覚検査技法の快適さ及び熟知感を、益々効果的になる超音波映像診断技法と組み合わせて、例えば、椎弓根スクリューを埋め込む前に、骨組織の損傷を探す迅速かつ快適なパイロット孔の検査において外科医を支援するものである。
【0019】
図1を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断システム101が示されている。このシステム101は、第1ケーブルアセンブリを含むことができる医療診断用器具103を含む。このシステム101は、超音波制御盤107及び第2ケーブルアセンブリ109も含む。
【0020】
器具103はハンドル111を含む。ハンドル111は、器具103のオペレータ(図示せず)の近くで利用でき、オペレータ(図示せず)が器具103を手で握って、ヒト患者(図示せず)の脊椎を基準に器具103を操作できるように構成され且つ寸法決めされている。
【0021】
器具103は、超音波プローブ113を更に含む。超音波プローブ113は、ハンドル111から遠方に延びて遠位端117において終端する長手シャフト11を更に含む。超音波プローブ113は、長手シャフト11の遠位端117の近くで長手シャフト11に取り付けられる超音波振動子119を更に含む。超音波振動子119は、長手シャフト11に沿って延びる側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイ(個別には図示せず)を含む。
【0022】
超音波振動子119及び遠位端117は、オペレータ(図示せず)が、ヒト患者(図示せず)の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に超音波振動子119と遠位端117とを挿入でき、この挿入によって、超音波振動子119の側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁(図示せず)の選択部分に沿って延びて、その選択部位に対して配置されるように、かつ、オペレータが、内部に存在する超音波検出可能な皮質破損(図示せず)を検出することを目的とした当該オペレータによる目視検査のために、前述の配置場所において、側面壁の選択部分に対応する二次元画像(図示せず)を取得できるように、協働的に構成され、方向付けられ且つ寸法決めされている。
【0023】
器具103は、超音波プローブ113に取り付けられる触覚フィーラプローブ121を更に含み、この触覚フィーラプローブ121は、超音波プローブ113の長手シャフト115に取り付けられ、長手シャフト115からその遠位端117を超えて遠方に延びる長手シャフト123と、触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123の遠位端127をなすフィーラプローブ先端部125とを含む。触覚フィーラプローブ121のフィーラプローブ先端部125及び長手シャフト123は、オペレータ(図示せず)が、椎弓根スクリューパイロット孔の中に触覚フィーラプローブ121のフィーラプローブ先端部125及び長手シャフト123を挿入でき、その挿入によって、フィーラプローブ先端部125が椎弓根スクリューパイロット孔(図示せず)の側面壁の選択部分に配置されるように、かつ、オペレータが、内部に存在する、手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分の触覚検査をその挿入場所で実行できるように、協働的に構成され且つ寸法決めされる。
【0024】
前述したように、器具103は、第1ケーブルアセンブリ105を更に含んでよい。第1ケーブルアセンブリ105は、器具103で使用している超音波映像モードに従って、超音波振動子119に対する電気信号の送受信を行うように構成及び配置されてよい。第1ケーブルアセンブリ105は、対応する超音波制御盤(ultrasound console)107に器具103を接続するための第1電気接続部131を含む基部端129と、電気接続部131から遠方に向かい、超音波プローブ113の長手シャフト123を通って超音波振動子119まで延びる通電ワイヤ(個別には図示せず)とを含むことができる。
【0025】
超音波制御盤107は、器具103を制御するプロセッサ133と、オペレータによって器具103から取得された二次元超音波映像を表示するディスプレイ135と、対応するケーブルコネクタを受け入れるポート137と、を含む。
【0026】
前述したように、システム101は、超音波制御盤107に対する電気信号の送受信を行うための第2ケーブルアセンブリ109を含む。第2ケーブルアセンブリ109は、超音波制御盤107に対応付けられたポート137に連結される第2電気接続部139と、第1電気接続部131に連結される第3電気接続部141と、これらの間に延びる通電ワイヤ(個別には図示せず)と、を含む。
【0027】
第2ケーブルアセンブリ109の第3電気接続部141と、第1ケーブルアセンブリの第1電気接続部131との間の接続は、医療診断用器具103を含む、医療診断システム101の消耗品部分143と、超音波制御盤107及び第2ケーブルアセンブリ109を含む、医療診断システム101の非消耗品部分145との間のアンビリカル接続(umbilical connection)であってよい。
【0028】
次に、図1及び図2を参照して説明すると、触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123は、超音波プローブ113の長手シャフト115から遠方に向かう触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123が沿って延びる長手方向軸線201と、遠方のフィーラプローブ先端部125まで触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123が沿って延びる長手方向軸線203と、長手方向軸線201と長手方向軸線203の両方で第1平面(図2においてその図2が表されている平面)を画定するように、これらの軸線の間に形成される屈曲部205と、を画定できる。超音波プローブ113の長手シャフト115は、ハンドル111から遠方に向かう超音波プローブ113の長手シャフト115が沿って延びる長手方向軸線207を画定できる。側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイ(個別には図示せず)を構成する複数の側面照射型超音波エネルギ生成素子は、その側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが沿って延びる長手方向軸線209を画定できる。
【0029】
図2において参照番号211に示すように、側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを構成する複数の側面照射型超音波エネルギ生成素子に関連付けられた長手方向軸線209は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207から径方向にオフセット(radially offset)されてよい。この場合、長手方向軸線207と長手方向軸線209の両方で、前述の第1平面と同一の平面である第2平面(図2においてその図2が表されている平面)を画定することができる。
【0030】
図2において参照番号213に示すように、フィーラプローブ先端部125は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207から径方向にオフセットされてよい。この場合、フィーラプローブ先端部125、及び側面照射超音波エネルギ生成素子の配列に関連付けられた長手方向軸線209はそれぞれ、共通の径方向にオフセットされてよく、これにより、フィーラプローブ先端部125及び側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、超音波プローブ113の長手シャフト115を基準に互いに回転方向に整列される。これに代えて(図2には記載せず)、フィーラプローブ先端部125は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207上に配置されてもよい。
【0031】
引き続き図2を参照して説明すると、ハンドル111は、超音波プローブ113から基部方向に延びて、基部端217において終端する長手シャフト215を含むことができる。長手シャフト215は、超音波プローブ113から基部方向に向かうハンドル111が沿って延びる長手方向軸線219を画定できる。図2に示すように、長手方向軸線219は第1平面(図2においてその図2が表されている平面)に配置されてよい。この場合、ハンドルに関連付けられた長手方向軸線219は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207と同軸に配置及び方向設定できるため、ハンドル111及び超音波プローブ113は、長手方向において互いに位置合わせされる。
【0032】
図2において参照番号221に示すように、側面照射超音波エネルギ生成素子の配列は、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間で、超音波プローブ113の長手シャフト115に沿った軸方向長さを画定することができる。例えば、側面照射超音波エネルギ生成素子の配列は、約10ミリメートルという、超音波プローブ113の長手シャフト115に沿った軸方向長さを画定できる。
【0033】
図2において参照番号223に示すように、超音波プローブ113の長手シャフト115の遠位端117を超えて遠方に延びる触覚フィーラプローブ121は、触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123とフィーラプローブ先端部125とで集合的に、側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイの先の触覚フィーラプローブ121の軸方向長さを、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間で画定できることを含んでよい。例えば、触覚フィーラプローブ121のフィーラプローブ先端部125は、約10ミリメートルという、側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイの先の触覚フィーラプローブ121の軸方向長さを集合的に画定できる。
【0034】
図2において参照番号225に示すように、オペレータがヒト患者(図示せず)の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に超音波振動子119及び遠位端117を挿入できるように協働的に構成され、方向付けされ且つ寸法決めされた超音波振動子119及び遠位端117は、その超音波振動子119及び遠位端117が、約2ミリメートルから約4ミリメートルの間で、横方向の幅または直径を画定することを含む。例えば、超音波振動子119及び遠位端117は、約3ミリメートルの横方向の幅または直径を画定する。
【0035】
図1及び図2に示すように、フィーラプローブ先端部125は球状先端部であってよい。超音波振動子119に関連付けられた側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイはリニアアレイであってよい。これに代えて、超音波振動子119に関連付けられた側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイはフェイズドアレイであってよい。他のアレイタイプも同様に利用可能である。
【0036】
次に、図3を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具301が示されている。この器具301は、図1及び図2を参照しながら上記で説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具301は触覚フィーラプローブ303を含み、この触覚フィーラプローブ303は、触覚フィーラプローブ303の長手シャフト307が超音波プローブ305の長手シャフト309によって片持ち式に支持された状態で、超音波プローブ305に取り付けられる。また、図示するように、触覚フィーラプローブ303の長手シャフト307と超音波プローブの長手シャフト309との間に、長手方向の少なくとも一部の重複状態が存在する。図3に示す実施形態において、触覚フィーラプローブ303の長手シャフト307は、大きい屈曲部を含まず、超音波プローブ305の長手シャフト309の上に取り付けられる。
【0037】
次に、図4を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具401が示されている。この器具401は、図1及び図2を参照しながら上記で説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具401は触覚フィーラプローブ403を含み、この触覚フィーラプローブ403は、触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407が超音波プローブ405の長手シャフト409によって片持ち式に支持された状態で超音波プローブ405に取り付けられる。また、図示するように、触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407と超音波プローブの長手シャフト409との間に、長手方向の少なくとも一部の重複状態が存在する。図4に示す実施形態において、触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407は、大きい屈曲部を含まない。触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407の基部端411は、超音波プローブ405の遠位端415に隣接してその超音波プローブ405の長手シャフト409内に形成される相補形空洞413内に埋め込まれる。
【0038】
次に、図5を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具501が示されている。この器具501は、図1及び図2を参照しながら上記で説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具501は触覚フィーラプローブを含まない。これ以外については、器具501は、器具103と実質的に同一の構成及び寸法に形成される。
【0039】
本開示の実施形態に係る医療診断用器具601が、図6に示されている。この器具601は、器具103と実質的に同一の構成及び寸法であるが、器具103のハンドル111と比べると、下記で説明するように器具601のハンドル603に違いがある。ハンドル603の長手シャフト605は、図6の平面内に配置される更なる長手方向軸線607を画定し、この軸線607に沿って、ハンドル603の長手シャフト605が、ハンドル603の基部端609まで延び、前記長手シャフト605は、長手方向軸線607と長手方向軸線613の間に形成される屈曲部611も画定し、この屈曲部611は、長手方向軸線607と長手方向軸線615の間に画定される角度が、長手方向軸線613と長手方向軸線615の間に画定される角度よりも大きくなり、ハンドル603が超音波プローブ617及びフィーラプローブ619に対するバイオネット型ハンドルとして機能するように形成される。
【0040】
次に、図7を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具701が示されている。この器具701は、図6を参照しながら上記で説明した器具601と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具701は、触覚フィーラプローブを含まない。これ以外については、器具701は、器具601と実質的に同一の構成及び寸法である。留意されたいが、超音波エネルギ生成素子は、当業者であれば明らかであるように、超音波プローブの反対側を向くように方向設定されてもよい。また、図7Aに、開示する代替バージョンの医療診断用器具701Aの遠位端を示す。この遠位端において、超音波エネルギ生成素子の配列は、超音波プローブからの超音波エネルギが、実質的に軸方向、すなわち、略前方の方向に送られるように、超音波プローブの軸方向に整列される。
【0041】
図8及び図9に、本開示の実施形態に係る医療診断用器具801の側面図及び拡大部分側面図をそれぞれ示す。この器具801は、図1及び図2を参照して既に説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。診断用器具801のハンドル803はハウジング805を含む。超音波プローブ807は、その超音波プローブ807の長手シャフト809がハンドルハウジング805によって片持ち式に支持された状態で、ハンドル803に取り付けられる。触覚フィーラプローブ811は、その触覚フィーラプローブ811が超音波プローブ807の長手軸809によって片持ち式に支持された状態で、超音波プローブ807に取り付けられる。図8及び図9に示した実施形態を含む、本開示の一部の実施形態によれば、超音波プローブの長手シャフト809と触覚フィーラプローブ811の長手シャフト813との間の重複状態は存在しない。代わりに、触覚フィーラプローブ811は、触覚フィーラプローブ811の基部ショルダ部817によって超音波プローブ807の長手シャフト809の遠位端815に直接取り付けられる。
【0042】
次に、図10及び図11を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1001が示されている。この器具1001は、構造及び機能の点で、図4を参照して上記で説明した器具401と同様であってよいが、若干の違いがある。図10及び図11に示した実施形態を含む、本開示の一部の実施形態によれば、超音波プローブ1005の長手シャフト1003と触覚フィーラプローブ1009の長手シャフト1007との間の重複状態は存在しない。代わりに、触覚フィーラプローブ1009は、その触覚フィーラプローブ1009の基部ショルダ部1013によって超音波プローブ1005の長手シャフト1003の遠位端1011に直接取り付けられる。
【0043】
次に、図12、図13、及び図14を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1201が示されている。この器具1201は、構造及び機能の点で、図5を参照して上記で説明した器具501と同様であってよいが、若干の違いがある。超音波プローブ1207の長手シャフト1205に関連付けられた長手方向軸線1203は、超音波プローブ1213の長手シャフト1211に関連付けられた長手方向軸線1209から径方向にオフセットされてよい。
【0044】
次に、図15を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1501が示されている。この器具1501は、構造及び機能の点で、図6を参照して上記で説明した器具601と同様であってよいが、特定の追加の特徴を有する。診断用器具1501のハンドル1503はハウジング1505を含む。ハンドル1503のハウジング1505内に形成されるチャンネル1507は、Kワイヤ1509を収容するように構成及び寸法決めされ、そのKワイヤ1509には、低侵襲外科的処置の実行中を含め、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ1511及び触覚フィーラプローブ1513を案内するために、器具1501を摺動可能に取り付けることができる。チャンネル1507は、ハンドル1503のハウジング1505内に、ハンドル1503を通って延びるように形成される。
【0045】
図15Aを参照すると、代替の医療診断用器具1501Aが示されており、この器具1051Aにおいて、ハンドル1503Aは、第1チャンネル1507A及び第2チャンネル1508Aを画定するハウジング1505Aを含む。チャンネル1507A及び1508Aは両方とも、Kワイヤ、例えば、Kワイヤ1509AとKワイヤ1512Aの少なくともいずれかを収容するように構成及び寸法決めされ、そのKワイヤには、低侵襲外科的処置の実行中を含め、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ1511Aと触覚フィーラプローブ1513Aとを案内するために、器具1501Aを摺動可能に取り付けることができる。したがって、チャンネル1507A及び1508Aは、ハンドル1503Aのハウジング1505A内に形成され、その中を通って延びる。使用において、オペレータ/外科医は、例えば、オペレータ/外科医が超音波プローブを通るKワイヤを見ることを必要とするかどうかなどに基づいて、Kワイヤの導入に用いるチャンネルを任意に選択する。
【0046】
次に、図16を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1601が示されている。この器具1601は、構造及び機能の点で、図6を参照して上記で説明した器具601と同様であってよいが、特定の追加の特徴を有する。診断用器具1601のハンドル1603はハウジング1605を含む。チャンネル1607は、Kワイヤ1609を収容するように構成及び寸法決めされ、そのKワイヤ1609には、低侵襲外科的処置の実行中を含め、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ1611と触覚フィーラプローブ1613とを案内するために、器具1601を摺動可能に取り付けることができる。チャンネル1607は、ハンドル1603のハウジング1605の延長部1615に形成されて、ハンドル1603を超えて延びる。
【0047】
前述した医療診断用器具は、本開示の実施形態に従って変形及び修正することができる。このようないくつかの変形例及び修正例(図示せず)において、超音波プローブのハンドル及び長手シャフトは、互いに一体化された構造である。前述した各診断用器具には、その器具で使用する超音波映像モードに従って超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うためのケーブルアセンブリを設けることができ、このケーブルアセンブリは、対応する超音波制御盤に器具を接続する電気接続部を含む基部端と、電気接続部から遠方に向かい、超音波プローブの長手シャフト内に形成されてその長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部チャンネルを少なくとも部分的に通って超音波振動子まで延びる通電ワイヤと、を含む。他の変形及び修正を行うこともできる。
【0048】
したがって、本開示は、特に、このような外科医及びその患者を支援するために、特に有利に統合された医療診断用器具、このような器具が組み込まれたシステム、ならびにこのような器具及びシステムの利用方法を提供する。開業医は、スクリューを挿入できる人体内の各種の骨に関する応用を含め、各種幅広い外科的応用例に、本開示技術を採用することができる。例示と具体化の少なくともいずれかとして示すと、外科医は、椎弓根内(intrapedicular)スクリューを埋め込む特定の用途に関するものを含め、脊椎患者のために、本開示技術を有利に適用できる。
【0049】
以下、椎弓根内スクリューを埋め込む特定の用途に関して、本開示技術のより詳細な使用状況を説明する。本開示技術に関連して実行される検査の結果に少なくとも部分的に基づいて、本開示で明らかにした器具、システム、及び方法は、外科医が長年に亘って感じてきた各種の切実な要望に答えるものであることが判る。例えば、このような開業医の側の要望は増大し続けており、本開示の技術は、頸椎手術、胸椎手術、腰椎手術、及び仙骨手術などの用途を始め、脊椎外傷、脊髄腫瘍、変性脊椎疾患、脊柱側弯症、ならびに他の疾病及び疾患に苦しむ患者のために実行される外科手術を含む用途に関連して用いられる有効な器具、システム、及び関連する外科的方法を求める開業医の要望に答える。
【0050】
次に、図17、図18、及び図19を参照すると、各種の既知の脊椎インプラントの適用例が図示されている。図17の側面図に示される脊椎インプラント1701は、少なくとも一つの脊椎保護ロッド1703を含み、L3、L2、L1、T12、T11、及びT10を含む複数の脊椎レベルに跨って延びると共にこれらに隣接して配置され、L1の椎弓根の劣化または損傷を補正する。他の脊椎インプラント1801は、図18の後部立面図に示されており、それぞれが対応する側の複数の脊椎レベルに亘って延びる、傾斜して交差接続された脊椎保護ロッド1803及び1805を含む。更に他の脊椎インプラント1901は、図19の側面図に、脊椎保護ロッド1903を含んで示されている。この脊椎保護ロッド1903は、脊髄レベルL4、L3、及びL2に跨って延びると共にこれらに隣接して配置されて、L3の椎弓根に生じる劣化または損傷を補正する。このような脊椎インプラント1901は、隣接するL2及びL4の椎弓根にそれぞれ固定される椎弓根スクリュー1905を含む。本開示技術は、このような脊椎インプラント用途の一部または全てに加え、同様の脊椎インプラント用途と組み合わせて利用されてよい。
【0051】
次に、図20、図21、図22、図23、図24、及び図25を参照すると、各種の既知のスクリュー配置技法が記載されており、これらの技法は、図20、図21、及び図22においてそれぞれ後部立面図、上面図、側面図に示される第1椎弓根2001、図23及び図24においてそれぞれ後部立面図及び上面図に示される第2椎弓根2301、ならびに図25の上面図に示される第3椎弓根2501に関するものを含め、異なる脊椎レベルに対して用いられている。本開示技術は、このような椎弓根スクリュー配置技法の一部または全てに加え、同様の椎弓根スクリュー配置技法と組み合わせて利用することができる。
【0052】
各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患に苦しむ脊椎患者を支援するために本開示技術を適用し得る、器具を用いた脊椎外科手術の各種の事例を図26から図39に示す。脊椎インプラント2601は、図26、図27、及び図28に記載されている。このインプラントは、L2/3すべり症で苦しむ患者を支援するために埋め込まれたものである。脊椎インプラント2901は、図29、図30、図31に記載されている。このインプラントは、L2破裂骨折に苦しむ患者を支援するために埋め込まれたものである。進行性の脊柱後弯症、痛み、不全対麻痺を含め、L1破裂に苦しむ患者は、図32、図33、及び図34に示すような脊椎インプラント3201の埋め込みにより恩恵を受けることができる。転移性骨疾患と診断された患者は、図35、図36、及び図37に示すように、脊椎外科処置装置3501を用いて治療することができる。脊椎外科処置装置3801,3803,3805、及び対応する脊椎インプラント3901の画像は、図38及び図39に記載されている(ここでは低侵襲外科的処置の例が示されている)。前述したように、本開示技術は、このような脊椎インプラント用途に加え、同様の脊椎インプラント用途と組み合わせて利用することができる。
【0053】
次に、図40及び図41を参照すると、脊椎の椎弓根の皮質骨組織内の破損を特定する既存の技術が図示されている。具体的には、装置4001のような診断装置を、一体の表示技術(画面表示装置4101など)と共に利用して、所定の閾値を基準とした電流の術中監視体制を実施することができる。この場合、所定の閾値を超える観測電流は、不適切な皮質破損の存在を強く示唆する指標であると見なされる。ただし、本開示のシステム、装置、及び方法は、このような従来の技術よりも優れた結果及び臨床的利点を提供する。
【0054】
次に、図42〜図50に図示及び記載した資料を参照して説明する。本開示の実施形態に係る直径2.7mmの超音波プローブを用いて、動物の椎体に対する検査を実行した。関連する検査材料を図42に、関連のある生体構造を図43に、関連する検査方法を図44に示した。椎弓根の大破損及び小破損を、図45に含まれる画像に例示した。無傷の椎弓根(すなわち、椎弓根進入孔を脊柱管に連通させるような、椎弓根進入孔の側面壁の破損が存在しない椎弓根)を表す検査材料の例は、図46に含まれる画像に示されている。空気中及び水中におけるプローブの応答に関するものを含め、実験制御条件の例は、図47に記載されている。図48の画像は、破損していない無傷の椎弓根の例において、適用可能な信号が検査プローブによって検出されなかったことを示している。図49に示すように、大きい椎弓根破損が存在した検査材料と組み合わせて検査プローブを使用した結果、検査プローブがその大きい破損を検出した。図50に示すように、小さい椎弓根破損が存在した検査材料と組み合わせて検査プローブを使用した結果、検査プローブがその小さい破損を検出した。
【0055】
次に、図51〜図55に図示及び記載した資料を参照しながら説明する。ヒト死体被検体に対して更なる検査を実施した。図51に、関連する検査設定を示す。図52に含まれる画像に示されるように、この検査は、本開示に係る着脱可能な椎弓根フィーラ/音響器を搭載した3.18mm側面照射超音波プローブを使用することを含んでいた。ヒト死体検査に対応する各種の方法及び技術は、図53に含まれる画像に示されている。金属製椎弓根フィーラ(上側)で収集したものと、本開示の技法及び装置に従って椎弓根超音波を使用して収集したものとを比較したデータに対応する結果の一部を、図54に含まれる画像に示した。本開示の技法及び装置の診断能力を例示する更に他の結果は、図55に含まれる画像に示されている。この画像は、1)破損が存在しない正常な椎弓根、2)2.5mmの椎弓根破損、及び3)4.0mmの椎弓根破損にそれぞれ対応する。
【0056】
2.5mm及び4.0mmの椎弓根破損に関する検査結果、及び関連する説明情報を下記の表に記載した。表の用語の定義は次のとおりである。
・感度=(♯真陽性)/[(♯真陽性)+(♯偽陰性)]
・特異度=(♯真陰性)/[(♯真陰性)+(♯偽陽性)]
・陽性適中率(PPV:Positive Predictive Value)=(♯真陽性)/[(♯真陽性)+(♯偽陽性)]
・陰性適中率(NPV:Negative Predictive Value)=(♯真陰性)/[(♯真陰性)+(♯偽陰性)]
【表1】
【表2】
【0057】
上記の検査結果、特に前述したヒト死体検査を含む検査結果に基づいて次の結論に至った。
・開示した装置、システム、及び方法(椎弓根超音波)は、「従来の」椎弓根フィーラよりも高い感度及び陰性適中率を持つ。
・上記の違いは、非常に小さい破損(2.5mm対4.0mm)の場合により大きい。
・大きい破損(4.0mm)の場合、破損の検出は、椎弓根超音波システムを用いると、100%の感度及び特異度に近付く。
・開示した装置、システム、及び方法は、脊椎に椎弓根スクリューを配置したときに皮質骨に破損が生じたかどうかを特定/検出するためのふるい分け試験と、関連の診断の少なくともいずれかを容易化する。
・開示した装置、システム、及び方法によって、外科医及び他の医療従事者は、脊椎手術で椎弓根スクリューが誤配置される可能性を低減できるため、より効果的な健康管理を行える。
【0058】
動作については、図56及び図57に図示したように、前述の診断用器具を利用して、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔を探索し、その孔の軸方向に延びる側面壁内の皮質破損を特定できる。図56及び図57に示すように、本開示に係る医療診断用器具6001が提供される。この器具は、ハンドルと、超音波プローブと、触覚フィーラプローブとを含む。超音波プローブは、ハンドルから遠方に延びて遠位端で終端する長手シャフトと、前記遠位端の近くで長手シャフトに取り付けられる超音波振動子とを含む。この超音波振動子は、長手シャフトに沿って延びる側面照射超音波エネルギ生成素子の配列を含む。
【0059】
触覚フィーラプローブは、超音波プローブに取り付けられることに加え、長手シャフトを含み、この長手シャフトは、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて、そこから先に前記超音波プローブの長手シャフトの遠位端を超えて延びる。触覚フィーラプローブは、その触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端に画定されるフィーラプローブ先端部を含む。
【0060】
ハンドルを利用して、医療診断用器具を手で握り、ヒト患者の脊椎を基準に前記器具を操作し、この操作において、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に、超音波プローブの超音波振動子及び長手シャフトの遠位端、ならびに触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを挿入する。
【0061】
触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択した部分を基準に配置することで、そのフィーラプローブ先端部が椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁上に配置される。
【0062】
触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を利用して、内部に存在する手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、側面壁の選択した部分の触覚検査を実施する。
【0063】
超音波振動子の側面照射超音波エネルギ生成素子の配列を、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択した部分を基準に配置することで、その側面照射超音波エネルギ生成素子の配列が椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択した部分に沿って軸方向に延びて、その選択した部分に配置される。
【0064】
超音波振動子の側面照射超音波エネルギ生成素子の配列を利用して、内部に存在する超音波検出可能な皮質破損を検出することを目的とした目視検査用の、側面壁の選択した部分の二次元画像を取得する。
【0065】
配置する2つのステップ及び配列を利用する2つのステップは、超音波振動子、触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端、または触覚フィーラプローブの長手シャフトのフィーラプローブ先端部のいずれも椎弓根スクリューパイロット孔から取り出すことなく実行される。
【0066】
この器具をKワイヤに取り付けて、そのKワイヤ(特に図示せず)に沿ってスライドさせることで、低侵襲外科的処置の実行中に、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ及び触覚フィーラプローブを案内できる。これに代えて、もしくは加えて、またはその両方として、本器具は、Kワイヤ以外の一つ以上のガイドワイヤに装着することができる。
【0067】
図58〜図59を参照すると、本開示に係る更なる実施例が示されている。したがって、臨床応用例において、例えば、椎弓根スクリューの配置に関連した皮質骨の破損を検出/特定するために、超音波プローブアセンブリと共に改良型のJamshidi針組立品7001を利用できる。このJamshidi型の針組立品7001は、通常、その遠位端に先細の刃先を有する長い中空針7006の形式である。ハンドル7004は、この針7006に取り付けられて、内針(図示せず)及び補助部品を収容する開口部を画定する。Jamshidi型の針の従来の利用法において、内針は、所望の解剖学的部位に到達した後で取り出すことができ、組織、例えば骨髄の採取用にハンドルに形成された開口部から注射器を導入することができる。ただし、本明細書で開示する例示的実施例においては、内針(図示せず)を取り出した後、Jamshidi型の針組立品7001のハンドル7004に形成された開口部は、超音波アセンブリ7002に関連付けられた細長い超音波プローブ7010を収容するように構成及び寸法決めされる。例示的実施例において、超音波アセンブリ7002は、従来のケーブル配線に接続するための取り付け部を画定するハンドル部材7008を含む。
【0068】
使用においては、Jamshidi型の針組立品7001が、所望の臨床治療部位、例えば、椎弓根スクリューの受け入れ用に前もって穴あけされている皮質骨の中に導入されて、内針(図示せず)が取り出される。次に、Jamshidi型の針組立品7001のハンドル7004に形成された開口部から超音波プローブ7010が導入され、関連情報、例えば、皮質骨の破損の有利な超音波検出を行う。例示的実施例において、針7006の長さは約7.5cmで、針7006の内径は約3mmである。この他の寸法も、本開示の精神または範囲から逸脱することなく採用できる。
【0069】
本明細書において、例示的実施形態に関連付けて本システム、装置、及び方法を説明したが、付属の請求項に定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に対する修正、変形、変更、及び拡張の少なくともいずれかを行えることは明らかである。例えば、本明細書で上記に説明した側面照射の超音波振動子を利用する代替として、もしくは追加して、またはその両方として、一つ以上の端面照射の超音波振動子と、360°超音波振動子の少なくともいずれかを、対応する超音波プローブの長手シャフトの遠位端に、当該遠位端に隣接して、または他の方式で取り付けて、外科医師から求められるとおりに利用することができる。本開示に係る超音波プローブ及びシステムは、各種の超音波モードの一つ以上を利用、または実施することができ、このモードとしては、必ずしも限定するものではないが、超音波Aモード、超音波Bモード、超音波Mモード、超音波DMモード、カラーモード、及び3Dモードが挙げられる。触覚フィーラプローブに追加して、もしくは代用して、またはその両方として、他の器具をモジュール式に追加してもよく、このような器具は、限定するものではないが、キュレット、神経フック、ウッドソン(Woodsons)、及びマーフィボール(Murphey Balls)のうちの少なくともいずれかである。したがって、本開示は、このような修正、変形、変更、及び拡張の全てを明示的に包含する。
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年5月7日に出願されて第61/176,373号の番号が付与された、「整形外科用途の超音波(Ultrasound for Orthopedic Application)」という名称の同時係属中の仮特許出願による利益を主張するものである。上記の仮出願は、その開示内容全体を本願明細書の一部として援用する。
【0002】
本開示は、概して、脊椎手術の分野の機器及び手順に関し、例示的実施例においては、整形外科用途に関連する椎弓根スクリュー(pedicle screw)の位置決めとその位置決めの評価の少なくともいずれかを行う器具、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎固定の外科的技法は、使用する手術用機器のタイプによって各種様々であるが、現在の外科診療は、一般的な椎弓根スクリューによって得られる強度及び安定性に極めて大きく依存し続けている。しかし、椎弓根スクリューを配置する際には、神経損傷を防ぐための配慮が必要である。例えば、椎弓根の骨組織内にパイロット孔を形成した後、椎弓根スクリューの埋め込みを進める前に、外科医は、通常、パイロット孔の軸方向に延びる側面壁を検査する機会を利用して欠陥を特定する。低侵襲外科的処置が登場し、その利用が増えているが、この処置では、解剖学的構造に対する限定的な視野しか得られず、椎弓根スクリューを誤って配置するリスクが大きくなる。脊柱に隣接した皮質骨に無視できない大きさの破損が特定されると、外科医は、ほとんどの場合に、痛み、麻痺、出血などの併発症のリスクを避けるために、スクリューの向きを変えることを選択する傾向にある。
【0004】
外科医による通常の使用において、このような皮質破損を特定する一つの方法は、一般的な触覚フィーラプローブ(tactile feeler probe)を用いた組織の触診である。この方法には、比較的小さい破損の場合の感度に関し及び偽陽性に関して限界があることは全ての外科医が認めている一方で、大多数とまではいかないが、外科医の多くは、触覚フィーラプローブに満足するようになっている。低侵襲外科的処置を背景とした触覚診断技術の継続した効果的な利用を促す技術及び器具を開発できれば、現在の開業医の中に、この技術及び器具の大きな市場が存在する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外科的用途での超音波技術の利用における最近の発展は大いに期待できるものである。電子機器の小型化が進むにつれて、超音波振動子を配置する能力は、徐々に小さくなり、また、少なくとも最近までは到達が困難であった解剖学的部位に有利な効果をもたらしている。このような状況ではありながら、また、今日までの努力にも関らず、椎弓根スクリューを埋め込み前に、パイロット孔の骨組織の損傷を特定する、使い易く、衛生的で、低コストかつ効果的な装置及び関連技術についての要望が依然として存在する。
【0006】
前述したもの、及び他の要望は、下記の詳細な説明から、特に、付属の図面と組み合わせて詳細な説明を読めば明らかになるように、本明細書に開示した機器、システム、及び方法によって満たされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、椎弓根スクリューを埋め込む前に、解剖学的情報の取得及び判定の少なくともいずれかのための、例えば、パイロット孔の骨組織損傷の特定を行うのに有利な器具、システム、及び方法を提供する。例示的実施形態において、医療診断用器具が提供され、この器具は、(i)オペレータが器具を手で握れるように構成され且つ寸法決めされる基部ハンドルと、(ii)ハンドルから遠方に向かって延びて遠位端において終端する長手シャフトと長手シャフトの遠位端の近くでその長手シャフトに取り付けられた超音波振動子を含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる超音波プローブと、(iii)前記超音波プローブに搭載される触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと前記触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部(例えば、球状先端)とを含む触覚フィーラプローブと、を含む。
【0008】
前述の超音波振動子及び遠位端は、概して、オペレータが所望の解剖学的部位に超音波振動子及び遠位端を挿入でき、その解剖学的部位においてオペレータが、超音波検出可能な解剖学的特性を検出することを目的とした当該オペレータによる目視検査のために、解剖学的部位に対応する二次元画像を取得できるように、協働的に構成され、方向付けられ且つ寸法決めされる。超音波エネルギ生成素子アレイは、側面照射型であってよく、リニアアレイ又はフェイズドアレイで方向設定することができる。また、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトは、概して、オペレータが所望の解剖学的部位に触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを挿入でき、その解剖学的部位において、オペレータが選択した解剖学的部位の触覚検査を実行できるように、協働的に構成され且つ寸法決めされる。
【0009】
開示した医療診断用器具は、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔に関連して有利に利用できる。また、超音波振動子の超音波エネルギ生成素子アレイは、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に沿って軸方向に延び、その選択部分に対して配置することができる。フィーラプローブ先端部は、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に配置することができる。本医療診断用器具は、Kワイヤを収容するように構成され且つ寸法決めされる、少なくとも一つのチャンネルを含んでもよく、Kワイヤに、器具を摺動可能に取り付けて、所望の解剖学的部位の軸方向に超音波プローブ及び触覚フィーラプローブを案内することができる。したがって、このチャンネルは、ハンドル内に位置してそのハンドルの中を通って延びる、もしくは、ハンドルの延長部に形成されてその先に延びる、またはその両方であってもよい。ハンドル及び超音波プローブの長手シャフトは単体の構造であっても、または、超音波プローブがハンドルに取り付けられて、その超音波プローブの長手シャフトが片持ち方式でハンドルのハウジングに支持されるようにしてもよい。また、触覚フィーラプローブは、その触覚フィーラプローブの長手シャフトが片持ち方式で超音波プローブの長手シャフトに支持されるように、超音波プローブに取り付けられてよい。
【0010】
開示した医療診断用器具は、典型的には、器具で使用する超音波映像モードに従って超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うケーブルアセンブリと協働するように構成される。ケーブルアセンブリは、通常、対応する超音波制御盤に器具を接続する電気接続部を含む基部端と、超音波プローブの長手シャフト内に形成されて、その長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部管路を少なくとも部分的に通って、前記電気接続部から遠方に超音波振動子まで延びる通電ワイヤと、を含む。また、通電ワイヤは、通常、ハンドルの基部端を通り、更に、ハンドルの長手シャフト内に形成されて、その長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部管路を通って、超音波振動子まで延びる。
【0011】
超音波エネルギ生成素子アレイにおいて、概して、超音波プローブの長手シャフトに沿った軸方向の長さが約8ミリメートルから約12ミリメートルの間に設定される。また、触覚フィーラプローブにおいて、通常、超音波プローブの長手シャフトの遠位端よりも遠方に延び、その触覚フィーラプローブの長手シャフトとフィーラプローブ先端部とで総体的に、側面照射の超音波エネルギ生成素子の配列の先の触覚フィーラプローブの軸方向の長さが、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間に設定される。
【0012】
また、本開示は、骨組織と一緒に使用される医療診断システムも有利に提供し、この医療診断システムは次のとおりである。
【0013】
医療診断用器具を含み、医療診断用器具は、(i)器具のオペレータの近くに設けられ、オペレータが器具を手で握って、ヒト患者の脊椎を基準に器具を操作できるように構成され且つ寸法決めされるハンドルと、(ii)ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端する長手シャフトとその長手シャフトの遠位端の近くで当該長手シャフトに取り付けられる超音波振動子とを含む超音波プローブであって、超音波振動子が長手シャフトに沿って延びる側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを含み、超音波振動子及び遠位端は、オペレータが、所望の解剖学的部位(例えば、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔)の中に超音波振動子と遠位端とを挿入でき、この挿入によって、超音波振動子の側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、解剖学的部位の選択部分に沿って軸方向に延びてその選択部分に対して配置されるように、協調的に構成され、方向決めされ且つ寸法設定される、超音波プローブと、(iii)超音波プローブに取り付けられる触覚フィーラプローブであって、超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて、その遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと、触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部と、を含み、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトは、前記オペレータが、所望の解剖学的部位(例えば、椎弓根スクリューパイロット孔)の中に触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部と長手シャフトとを挿入でき、この挿入によって、フィーラプローブ先端部が椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に配置され、更に、オペレータが、その配置場所において所望の解剖学的部位の触覚検査を実行できるように、協働的に構成され且つ寸法決めされる、触覚フィーラプローブと、(iv)器具で使用する超音波映像モードに従って、超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うための第1ケーブルアセンブリであって、対応する超音波制御盤に器具を接続する第1電気接続部を含む基部端と、電気接続部から遠方に向かい、超音波プローブの長手シャフトを通って超音波振動子まで延びる通電ワイヤを含む第1ケーブルアセンブリと、を含む。開示した本システムは、医療診断用器具を制御するプロセッサと、器具のオペレータによってプロセッサから取得された二次元超音波映像を表示するディスプレイと、対応するケーブル接続部を受け入れるポートと、を含む超音波制御盤と、超音波制御盤に対応付けられた前記ポートに連結される第2電気接続部、前記第1電気接続部に連結される第3電気接続部、及びこれらの接続部の間に延びる通電ワイヤを含む第2ケーブルアセンブリと、を更に含む、もしくは、超音波制御盤及び第2ケーブルアセンブリと共に動作するように構成される、またはその両方であってよい。
【0014】
また、本開示は、所望の解剖学的部位(例えば、ヒト患者の脊椎に形成される椎弓根スクリューパイロット孔において、その軸方向に延びる側面壁内に存在する皮質破損)を調査する有利な方法を提供し、その方法は次を含む。
(i)ハンドルと、(ii)超音波プローブであって、ハンドルから遠方に向かって延びて遠位端において終端する長手シャフト、及び長手シャフトの遠位端の近くでその長手シャフトに取り付けられる超音波振動子を含み、超音波振動子が長手シャフトに沿って延びる(例えば、側面照射の)超音波エネルギ生成素子アレイを含む、超音波プローブと、(iii)超音波プローブに取り付けられる触覚フィーラプローブであって、超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて、その遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフト、及び触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部を含む触覚フィーラプローブと、を含む医療診断用器具を提供し、
ハンドルを利用して、医療診断用器具を手で握り、所望の解剖学的部位(例えば、ヒト患者の脊椎)を基準に医療診断用器具を操作し、その操作において、超音波プローブの超音波振動子及び長手シャフトの遠位端、ならびに、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを所望の解剖学的部位に挿入し、
所望の解剖学的部位に対して、超音波振動子の超音波エネルギ生成素子の配列を配置し、
超音波振動子の超音波エネルギ生成素子アレイを利用して、所望の解剖学的部位の二次元画像を取得し、
所望の解剖学的部位に対して、触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を配置し、
触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を利用して、所望の解剖学的部位の触覚検査を実行し、
前記2つの配置するステップと、前記2つの利用するステップとを、超音波振動子、触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端、または触覚フィーラプローブの長手シャフトのフィーラプローブ先端部のいずれも所望の解剖学的部位から取り出さずに実行する。
【0015】
本開示の更なる特徴、機能、及び利点は、下記の詳細な説明から、特に、付属の図面と組み合わせて詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0016】
本開示の対象が属する分野の当業者が、本開示の対象であるシステム、装置、及び方法の構成及び利用方式をより容易に理解するように、下記の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】医療診断用器具、超音波制御盤及びこれらの間に通信を確立するための関連ケーブルアセンブリを含む、本開示に係る医療診断システムの模式的側面図である。
【図2】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図3】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図4】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図5】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図6】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図7】本開示に係る例示的医療診断用器具を示す側面図である。
【図7A】本開示に係る代替の例示的医療診断用器具の部分側面図である。
【図8】本開示に係る医療診断用器具の更なる実施形態を示す側面図である。
【図9】本開示に係る医療診断用器具の更なる実施形態を拡大して示す側面詳細図である。
【図10】本開示に係る医療診断用器具の更なる例示的実施形態を示す側面図である。
【図11】本開示に係る医療診断用器具の更なる例示的実施形態を示す側面詳細図である。
【図12】本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す上面図である。
【図13】本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す側面図である。
【図14】本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す底面図である。
【図15】低侵襲脊椎手術中にKワイヤと組み合わせて用いられる、本開示に係る医療診断用器具の例示的実施形態を示す側面図である。
【図15A】低侵襲脊椎手術中にKワイヤと組み合わせて用いられる、本開示に係る図15の器具と同様の医療診断用器具の例示的実施形態を示す側面図である。
【図16】低侵襲脊椎手術中にKワイヤと組み合わせて用いられる、本開示に係る医療診断用器具の他の例示的実施形態を示す側面図である。
【図17】各種の既知の脊椎インプラント適用例を示す図である。
【図18】各種の既知の脊椎インプラント適用例を示す図である。
【図19】各種の既知の脊椎インプラント適用例を示す図である。
【図20】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図21】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図22】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図23】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図24】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図25】異なる脊椎レベルの対して用いられる各種の既知のスクリュー配置技法を示す図である。
【図26】(L2/3すべり症)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図27】(L2/3すべり症)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図28】(L2/3すべり症)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図29】(L2破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図30】(L2破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図31】(L2破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図32】(L1破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図33】(L1破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図34】(L1破裂骨折)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図35】(転移性骨疾患)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図36】(転移性骨疾患)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図37】(転移性骨疾患)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図38】(低侵襲手術)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図39】(低侵襲手術)各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患の少なくともいずれかを患う脊椎患者を援助するために、本開示のシステム、装置、及び方法を利用できる、機器を用いた脊椎外科処置の各種の例を示す図である。
【図40】脊椎の椎弓根の皮質骨組織内の破損の内部手術部位に対応した既存の技術を示す図である。
【図41】脊椎の椎弓根の皮質骨組織内の破損の内部手術部位に対応した既存の技術を示す図である。
【図42】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図43】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図44】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図45】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図46】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図47】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図48】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図49】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図50】本開示の実施形態に係る超音波プローブを用いて、動物の椎体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図51】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図52】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図53】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図54】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図55】本開示の実施形態に従って、ヒトの死体被検査体に実施した検査に関する情報を提示する図である。
【図56】椎弓根スクリューを埋め込む前に、存在する可能性のあるパイロット孔骨組織の損傷を特定するために体内で利用される、本開示に係る医療診断用器具の連続図である。
【図57】椎弓根スクリューを埋め込む前に、存在する可能性のあるパイロット孔骨組織の損傷を特定するために体内で利用される、本開示に係る医療診断用器具の連続図である。
【図58】超音波プローブと組み合わせて改良版のJamshidi型針が用いられる、本開示に係る実施例を示す図である。
【図59】超音波プローブと組み合わせて改良版のJamshidi型針が用いられる、本開示に係る実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施形態によれば、広範囲の各種脊椎手術において用いられる有利な医療診断用器具、システム、及び方法が提供される。本開示が提供する改良された装置及び有利な方法は、触覚検査技法の快適さ及び熟知感を、益々効果的になる超音波映像診断技法と組み合わせて、例えば、椎弓根スクリューを埋め込む前に、骨組織の損傷を探す迅速かつ快適なパイロット孔の検査において外科医を支援するものである。
【0019】
図1を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断システム101が示されている。このシステム101は、第1ケーブルアセンブリを含むことができる医療診断用器具103を含む。このシステム101は、超音波制御盤107及び第2ケーブルアセンブリ109も含む。
【0020】
器具103はハンドル111を含む。ハンドル111は、器具103のオペレータ(図示せず)の近くで利用でき、オペレータ(図示せず)が器具103を手で握って、ヒト患者(図示せず)の脊椎を基準に器具103を操作できるように構成され且つ寸法決めされている。
【0021】
器具103は、超音波プローブ113を更に含む。超音波プローブ113は、ハンドル111から遠方に延びて遠位端117において終端する長手シャフト11を更に含む。超音波プローブ113は、長手シャフト11の遠位端117の近くで長手シャフト11に取り付けられる超音波振動子119を更に含む。超音波振動子119は、長手シャフト11に沿って延びる側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイ(個別には図示せず)を含む。
【0022】
超音波振動子119及び遠位端117は、オペレータ(図示せず)が、ヒト患者(図示せず)の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に超音波振動子119と遠位端117とを挿入でき、この挿入によって、超音波振動子119の側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁(図示せず)の選択部分に沿って延びて、その選択部位に対して配置されるように、かつ、オペレータが、内部に存在する超音波検出可能な皮質破損(図示せず)を検出することを目的とした当該オペレータによる目視検査のために、前述の配置場所において、側面壁の選択部分に対応する二次元画像(図示せず)を取得できるように、協働的に構成され、方向付けられ且つ寸法決めされている。
【0023】
器具103は、超音波プローブ113に取り付けられる触覚フィーラプローブ121を更に含み、この触覚フィーラプローブ121は、超音波プローブ113の長手シャフト115に取り付けられ、長手シャフト115からその遠位端117を超えて遠方に延びる長手シャフト123と、触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123の遠位端127をなすフィーラプローブ先端部125とを含む。触覚フィーラプローブ121のフィーラプローブ先端部125及び長手シャフト123は、オペレータ(図示せず)が、椎弓根スクリューパイロット孔の中に触覚フィーラプローブ121のフィーラプローブ先端部125及び長手シャフト123を挿入でき、その挿入によって、フィーラプローブ先端部125が椎弓根スクリューパイロット孔(図示せず)の側面壁の選択部分に配置されるように、かつ、オペレータが、内部に存在する、手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分の触覚検査をその挿入場所で実行できるように、協働的に構成され且つ寸法決めされる。
【0024】
前述したように、器具103は、第1ケーブルアセンブリ105を更に含んでよい。第1ケーブルアセンブリ105は、器具103で使用している超音波映像モードに従って、超音波振動子119に対する電気信号の送受信を行うように構成及び配置されてよい。第1ケーブルアセンブリ105は、対応する超音波制御盤(ultrasound console)107に器具103を接続するための第1電気接続部131を含む基部端129と、電気接続部131から遠方に向かい、超音波プローブ113の長手シャフト123を通って超音波振動子119まで延びる通電ワイヤ(個別には図示せず)とを含むことができる。
【0025】
超音波制御盤107は、器具103を制御するプロセッサ133と、オペレータによって器具103から取得された二次元超音波映像を表示するディスプレイ135と、対応するケーブルコネクタを受け入れるポート137と、を含む。
【0026】
前述したように、システム101は、超音波制御盤107に対する電気信号の送受信を行うための第2ケーブルアセンブリ109を含む。第2ケーブルアセンブリ109は、超音波制御盤107に対応付けられたポート137に連結される第2電気接続部139と、第1電気接続部131に連結される第3電気接続部141と、これらの間に延びる通電ワイヤ(個別には図示せず)と、を含む。
【0027】
第2ケーブルアセンブリ109の第3電気接続部141と、第1ケーブルアセンブリの第1電気接続部131との間の接続は、医療診断用器具103を含む、医療診断システム101の消耗品部分143と、超音波制御盤107及び第2ケーブルアセンブリ109を含む、医療診断システム101の非消耗品部分145との間のアンビリカル接続(umbilical connection)であってよい。
【0028】
次に、図1及び図2を参照して説明すると、触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123は、超音波プローブ113の長手シャフト115から遠方に向かう触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123が沿って延びる長手方向軸線201と、遠方のフィーラプローブ先端部125まで触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123が沿って延びる長手方向軸線203と、長手方向軸線201と長手方向軸線203の両方で第1平面(図2においてその図2が表されている平面)を画定するように、これらの軸線の間に形成される屈曲部205と、を画定できる。超音波プローブ113の長手シャフト115は、ハンドル111から遠方に向かう超音波プローブ113の長手シャフト115が沿って延びる長手方向軸線207を画定できる。側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイ(個別には図示せず)を構成する複数の側面照射型超音波エネルギ生成素子は、その側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが沿って延びる長手方向軸線209を画定できる。
【0029】
図2において参照番号211に示すように、側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを構成する複数の側面照射型超音波エネルギ生成素子に関連付けられた長手方向軸線209は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207から径方向にオフセット(radially offset)されてよい。この場合、長手方向軸線207と長手方向軸線209の両方で、前述の第1平面と同一の平面である第2平面(図2においてその図2が表されている平面)を画定することができる。
【0030】
図2において参照番号213に示すように、フィーラプローブ先端部125は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207から径方向にオフセットされてよい。この場合、フィーラプローブ先端部125、及び側面照射超音波エネルギ生成素子の配列に関連付けられた長手方向軸線209はそれぞれ、共通の径方向にオフセットされてよく、これにより、フィーラプローブ先端部125及び側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、超音波プローブ113の長手シャフト115を基準に互いに回転方向に整列される。これに代えて(図2には記載せず)、フィーラプローブ先端部125は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207上に配置されてもよい。
【0031】
引き続き図2を参照して説明すると、ハンドル111は、超音波プローブ113から基部方向に延びて、基部端217において終端する長手シャフト215を含むことができる。長手シャフト215は、超音波プローブ113から基部方向に向かうハンドル111が沿って延びる長手方向軸線219を画定できる。図2に示すように、長手方向軸線219は第1平面(図2においてその図2が表されている平面)に配置されてよい。この場合、ハンドルに関連付けられた長手方向軸線219は、超音波プローブ113の長手シャフト115に関連付けられた長手方向軸線207と同軸に配置及び方向設定できるため、ハンドル111及び超音波プローブ113は、長手方向において互いに位置合わせされる。
【0032】
図2において参照番号221に示すように、側面照射超音波エネルギ生成素子の配列は、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間で、超音波プローブ113の長手シャフト115に沿った軸方向長さを画定することができる。例えば、側面照射超音波エネルギ生成素子の配列は、約10ミリメートルという、超音波プローブ113の長手シャフト115に沿った軸方向長さを画定できる。
【0033】
図2において参照番号223に示すように、超音波プローブ113の長手シャフト115の遠位端117を超えて遠方に延びる触覚フィーラプローブ121は、触覚フィーラプローブ121の長手シャフト123とフィーラプローブ先端部125とで集合的に、側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイの先の触覚フィーラプローブ121の軸方向長さを、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間で画定できることを含んでよい。例えば、触覚フィーラプローブ121のフィーラプローブ先端部125は、約10ミリメートルという、側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイの先の触覚フィーラプローブ121の軸方向長さを集合的に画定できる。
【0034】
図2において参照番号225に示すように、オペレータがヒト患者(図示せず)の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に超音波振動子119及び遠位端117を挿入できるように協働的に構成され、方向付けされ且つ寸法決めされた超音波振動子119及び遠位端117は、その超音波振動子119及び遠位端117が、約2ミリメートルから約4ミリメートルの間で、横方向の幅または直径を画定することを含む。例えば、超音波振動子119及び遠位端117は、約3ミリメートルの横方向の幅または直径を画定する。
【0035】
図1及び図2に示すように、フィーラプローブ先端部125は球状先端部であってよい。超音波振動子119に関連付けられた側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイはリニアアレイであってよい。これに代えて、超音波振動子119に関連付けられた側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイはフェイズドアレイであってよい。他のアレイタイプも同様に利用可能である。
【0036】
次に、図3を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具301が示されている。この器具301は、図1及び図2を参照しながら上記で説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具301は触覚フィーラプローブ303を含み、この触覚フィーラプローブ303は、触覚フィーラプローブ303の長手シャフト307が超音波プローブ305の長手シャフト309によって片持ち式に支持された状態で、超音波プローブ305に取り付けられる。また、図示するように、触覚フィーラプローブ303の長手シャフト307と超音波プローブの長手シャフト309との間に、長手方向の少なくとも一部の重複状態が存在する。図3に示す実施形態において、触覚フィーラプローブ303の長手シャフト307は、大きい屈曲部を含まず、超音波プローブ305の長手シャフト309の上に取り付けられる。
【0037】
次に、図4を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具401が示されている。この器具401は、図1及び図2を参照しながら上記で説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具401は触覚フィーラプローブ403を含み、この触覚フィーラプローブ403は、触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407が超音波プローブ405の長手シャフト409によって片持ち式に支持された状態で超音波プローブ405に取り付けられる。また、図示するように、触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407と超音波プローブの長手シャフト409との間に、長手方向の少なくとも一部の重複状態が存在する。図4に示す実施形態において、触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407は、大きい屈曲部を含まない。触覚フィーラプローブ403の長手シャフト407の基部端411は、超音波プローブ405の遠位端415に隣接してその超音波プローブ405の長手シャフト409内に形成される相補形空洞413内に埋め込まれる。
【0038】
次に、図5を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具501が示されている。この器具501は、図1及び図2を参照しながら上記で説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具501は触覚フィーラプローブを含まない。これ以外については、器具501は、器具103と実質的に同一の構成及び寸法に形成される。
【0039】
本開示の実施形態に係る医療診断用器具601が、図6に示されている。この器具601は、器具103と実質的に同一の構成及び寸法であるが、器具103のハンドル111と比べると、下記で説明するように器具601のハンドル603に違いがある。ハンドル603の長手シャフト605は、図6の平面内に配置される更なる長手方向軸線607を画定し、この軸線607に沿って、ハンドル603の長手シャフト605が、ハンドル603の基部端609まで延び、前記長手シャフト605は、長手方向軸線607と長手方向軸線613の間に形成される屈曲部611も画定し、この屈曲部611は、長手方向軸線607と長手方向軸線615の間に画定される角度が、長手方向軸線613と長手方向軸線615の間に画定される角度よりも大きくなり、ハンドル603が超音波プローブ617及びフィーラプローブ619に対するバイオネット型ハンドルとして機能するように形成される。
【0040】
次に、図7を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具701が示されている。この器具701は、図6を参照しながら上記で説明した器具601と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。器具701は、触覚フィーラプローブを含まない。これ以外については、器具701は、器具601と実質的に同一の構成及び寸法である。留意されたいが、超音波エネルギ生成素子は、当業者であれば明らかであるように、超音波プローブの反対側を向くように方向設定されてもよい。また、図7Aに、開示する代替バージョンの医療診断用器具701Aの遠位端を示す。この遠位端において、超音波エネルギ生成素子の配列は、超音波プローブからの超音波エネルギが、実質的に軸方向、すなわち、略前方の方向に送られるように、超音波プローブの軸方向に整列される。
【0041】
図8及び図9に、本開示の実施形態に係る医療診断用器具801の側面図及び拡大部分側面図をそれぞれ示す。この器具801は、図1及び図2を参照して既に説明した器具103と構造的及び機能的に同様であってよいが、若干の違いがある。診断用器具801のハンドル803はハウジング805を含む。超音波プローブ807は、その超音波プローブ807の長手シャフト809がハンドルハウジング805によって片持ち式に支持された状態で、ハンドル803に取り付けられる。触覚フィーラプローブ811は、その触覚フィーラプローブ811が超音波プローブ807の長手軸809によって片持ち式に支持された状態で、超音波プローブ807に取り付けられる。図8及び図9に示した実施形態を含む、本開示の一部の実施形態によれば、超音波プローブの長手シャフト809と触覚フィーラプローブ811の長手シャフト813との間の重複状態は存在しない。代わりに、触覚フィーラプローブ811は、触覚フィーラプローブ811の基部ショルダ部817によって超音波プローブ807の長手シャフト809の遠位端815に直接取り付けられる。
【0042】
次に、図10及び図11を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1001が示されている。この器具1001は、構造及び機能の点で、図4を参照して上記で説明した器具401と同様であってよいが、若干の違いがある。図10及び図11に示した実施形態を含む、本開示の一部の実施形態によれば、超音波プローブ1005の長手シャフト1003と触覚フィーラプローブ1009の長手シャフト1007との間の重複状態は存在しない。代わりに、触覚フィーラプローブ1009は、その触覚フィーラプローブ1009の基部ショルダ部1013によって超音波プローブ1005の長手シャフト1003の遠位端1011に直接取り付けられる。
【0043】
次に、図12、図13、及び図14を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1201が示されている。この器具1201は、構造及び機能の点で、図5を参照して上記で説明した器具501と同様であってよいが、若干の違いがある。超音波プローブ1207の長手シャフト1205に関連付けられた長手方向軸線1203は、超音波プローブ1213の長手シャフト1211に関連付けられた長手方向軸線1209から径方向にオフセットされてよい。
【0044】
次に、図15を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1501が示されている。この器具1501は、構造及び機能の点で、図6を参照して上記で説明した器具601と同様であってよいが、特定の追加の特徴を有する。診断用器具1501のハンドル1503はハウジング1505を含む。ハンドル1503のハウジング1505内に形成されるチャンネル1507は、Kワイヤ1509を収容するように構成及び寸法決めされ、そのKワイヤ1509には、低侵襲外科的処置の実行中を含め、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ1511及び触覚フィーラプローブ1513を案内するために、器具1501を摺動可能に取り付けることができる。チャンネル1507は、ハンドル1503のハウジング1505内に、ハンドル1503を通って延びるように形成される。
【0045】
図15Aを参照すると、代替の医療診断用器具1501Aが示されており、この器具1051Aにおいて、ハンドル1503Aは、第1チャンネル1507A及び第2チャンネル1508Aを画定するハウジング1505Aを含む。チャンネル1507A及び1508Aは両方とも、Kワイヤ、例えば、Kワイヤ1509AとKワイヤ1512Aの少なくともいずれかを収容するように構成及び寸法決めされ、そのKワイヤには、低侵襲外科的処置の実行中を含め、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ1511Aと触覚フィーラプローブ1513Aとを案内するために、器具1501Aを摺動可能に取り付けることができる。したがって、チャンネル1507A及び1508Aは、ハンドル1503Aのハウジング1505A内に形成され、その中を通って延びる。使用において、オペレータ/外科医は、例えば、オペレータ/外科医が超音波プローブを通るKワイヤを見ることを必要とするかどうかなどに基づいて、Kワイヤの導入に用いるチャンネルを任意に選択する。
【0046】
次に、図16を参照すると、本開示の実施形態に係る医療診断用器具1601が示されている。この器具1601は、構造及び機能の点で、図6を参照して上記で説明した器具601と同様であってよいが、特定の追加の特徴を有する。診断用器具1601のハンドル1603はハウジング1605を含む。チャンネル1607は、Kワイヤ1609を収容するように構成及び寸法決めされ、そのKワイヤ1609には、低侵襲外科的処置の実行中を含め、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ1611と触覚フィーラプローブ1613とを案内するために、器具1601を摺動可能に取り付けることができる。チャンネル1607は、ハンドル1603のハウジング1605の延長部1615に形成されて、ハンドル1603を超えて延びる。
【0047】
前述した医療診断用器具は、本開示の実施形態に従って変形及び修正することができる。このようないくつかの変形例及び修正例(図示せず)において、超音波プローブのハンドル及び長手シャフトは、互いに一体化された構造である。前述した各診断用器具には、その器具で使用する超音波映像モードに従って超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うためのケーブルアセンブリを設けることができ、このケーブルアセンブリは、対応する超音波制御盤に器具を接続する電気接続部を含む基部端と、電気接続部から遠方に向かい、超音波プローブの長手シャフト内に形成されてその長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部チャンネルを少なくとも部分的に通って超音波振動子まで延びる通電ワイヤと、を含む。他の変形及び修正を行うこともできる。
【0048】
したがって、本開示は、特に、このような外科医及びその患者を支援するために、特に有利に統合された医療診断用器具、このような器具が組み込まれたシステム、ならびにこのような器具及びシステムの利用方法を提供する。開業医は、スクリューを挿入できる人体内の各種の骨に関する応用を含め、各種幅広い外科的応用例に、本開示技術を採用することができる。例示と具体化の少なくともいずれかとして示すと、外科医は、椎弓根内(intrapedicular)スクリューを埋め込む特定の用途に関するものを含め、脊椎患者のために、本開示技術を有利に適用できる。
【0049】
以下、椎弓根内スクリューを埋め込む特定の用途に関して、本開示技術のより詳細な使用状況を説明する。本開示技術に関連して実行される検査の結果に少なくとも部分的に基づいて、本開示で明らかにした器具、システム、及び方法は、外科医が長年に亘って感じてきた各種の切実な要望に答えるものであることが判る。例えば、このような開業医の側の要望は増大し続けており、本開示の技術は、頸椎手術、胸椎手術、腰椎手術、及び仙骨手術などの用途を始め、脊椎外傷、脊髄腫瘍、変性脊椎疾患、脊柱側弯症、ならびに他の疾病及び疾患に苦しむ患者のために実行される外科手術を含む用途に関連して用いられる有効な器具、システム、及び関連する外科的方法を求める開業医の要望に答える。
【0050】
次に、図17、図18、及び図19を参照すると、各種の既知の脊椎インプラントの適用例が図示されている。図17の側面図に示される脊椎インプラント1701は、少なくとも一つの脊椎保護ロッド1703を含み、L3、L2、L1、T12、T11、及びT10を含む複数の脊椎レベルに跨って延びると共にこれらに隣接して配置され、L1の椎弓根の劣化または損傷を補正する。他の脊椎インプラント1801は、図18の後部立面図に示されており、それぞれが対応する側の複数の脊椎レベルに亘って延びる、傾斜して交差接続された脊椎保護ロッド1803及び1805を含む。更に他の脊椎インプラント1901は、図19の側面図に、脊椎保護ロッド1903を含んで示されている。この脊椎保護ロッド1903は、脊髄レベルL4、L3、及びL2に跨って延びると共にこれらに隣接して配置されて、L3の椎弓根に生じる劣化または損傷を補正する。このような脊椎インプラント1901は、隣接するL2及びL4の椎弓根にそれぞれ固定される椎弓根スクリュー1905を含む。本開示技術は、このような脊椎インプラント用途の一部または全てに加え、同様の脊椎インプラント用途と組み合わせて利用されてよい。
【0051】
次に、図20、図21、図22、図23、図24、及び図25を参照すると、各種の既知のスクリュー配置技法が記載されており、これらの技法は、図20、図21、及び図22においてそれぞれ後部立面図、上面図、側面図に示される第1椎弓根2001、図23及び図24においてそれぞれ後部立面図及び上面図に示される第2椎弓根2301、ならびに図25の上面図に示される第3椎弓根2501に関するものを含め、異なる脊椎レベルに対して用いられている。本開示技術は、このような椎弓根スクリュー配置技法の一部または全てに加え、同様の椎弓根スクリュー配置技法と組み合わせて利用することができる。
【0052】
各種の脊椎疾患、変性状態、及び変性疾患に苦しむ脊椎患者を支援するために本開示技術を適用し得る、器具を用いた脊椎外科手術の各種の事例を図26から図39に示す。脊椎インプラント2601は、図26、図27、及び図28に記載されている。このインプラントは、L2/3すべり症で苦しむ患者を支援するために埋め込まれたものである。脊椎インプラント2901は、図29、図30、図31に記載されている。このインプラントは、L2破裂骨折に苦しむ患者を支援するために埋め込まれたものである。進行性の脊柱後弯症、痛み、不全対麻痺を含め、L1破裂に苦しむ患者は、図32、図33、及び図34に示すような脊椎インプラント3201の埋め込みにより恩恵を受けることができる。転移性骨疾患と診断された患者は、図35、図36、及び図37に示すように、脊椎外科処置装置3501を用いて治療することができる。脊椎外科処置装置3801,3803,3805、及び対応する脊椎インプラント3901の画像は、図38及び図39に記載されている(ここでは低侵襲外科的処置の例が示されている)。前述したように、本開示技術は、このような脊椎インプラント用途に加え、同様の脊椎インプラント用途と組み合わせて利用することができる。
【0053】
次に、図40及び図41を参照すると、脊椎の椎弓根の皮質骨組織内の破損を特定する既存の技術が図示されている。具体的には、装置4001のような診断装置を、一体の表示技術(画面表示装置4101など)と共に利用して、所定の閾値を基準とした電流の術中監視体制を実施することができる。この場合、所定の閾値を超える観測電流は、不適切な皮質破損の存在を強く示唆する指標であると見なされる。ただし、本開示のシステム、装置、及び方法は、このような従来の技術よりも優れた結果及び臨床的利点を提供する。
【0054】
次に、図42〜図50に図示及び記載した資料を参照して説明する。本開示の実施形態に係る直径2.7mmの超音波プローブを用いて、動物の椎体に対する検査を実行した。関連する検査材料を図42に、関連のある生体構造を図43に、関連する検査方法を図44に示した。椎弓根の大破損及び小破損を、図45に含まれる画像に例示した。無傷の椎弓根(すなわち、椎弓根進入孔を脊柱管に連通させるような、椎弓根進入孔の側面壁の破損が存在しない椎弓根)を表す検査材料の例は、図46に含まれる画像に示されている。空気中及び水中におけるプローブの応答に関するものを含め、実験制御条件の例は、図47に記載されている。図48の画像は、破損していない無傷の椎弓根の例において、適用可能な信号が検査プローブによって検出されなかったことを示している。図49に示すように、大きい椎弓根破損が存在した検査材料と組み合わせて検査プローブを使用した結果、検査プローブがその大きい破損を検出した。図50に示すように、小さい椎弓根破損が存在した検査材料と組み合わせて検査プローブを使用した結果、検査プローブがその小さい破損を検出した。
【0055】
次に、図51〜図55に図示及び記載した資料を参照しながら説明する。ヒト死体被検体に対して更なる検査を実施した。図51に、関連する検査設定を示す。図52に含まれる画像に示されるように、この検査は、本開示に係る着脱可能な椎弓根フィーラ/音響器を搭載した3.18mm側面照射超音波プローブを使用することを含んでいた。ヒト死体検査に対応する各種の方法及び技術は、図53に含まれる画像に示されている。金属製椎弓根フィーラ(上側)で収集したものと、本開示の技法及び装置に従って椎弓根超音波を使用して収集したものとを比較したデータに対応する結果の一部を、図54に含まれる画像に示した。本開示の技法及び装置の診断能力を例示する更に他の結果は、図55に含まれる画像に示されている。この画像は、1)破損が存在しない正常な椎弓根、2)2.5mmの椎弓根破損、及び3)4.0mmの椎弓根破損にそれぞれ対応する。
【0056】
2.5mm及び4.0mmの椎弓根破損に関する検査結果、及び関連する説明情報を下記の表に記載した。表の用語の定義は次のとおりである。
・感度=(♯真陽性)/[(♯真陽性)+(♯偽陰性)]
・特異度=(♯真陰性)/[(♯真陰性)+(♯偽陽性)]
・陽性適中率(PPV:Positive Predictive Value)=(♯真陽性)/[(♯真陽性)+(♯偽陽性)]
・陰性適中率(NPV:Negative Predictive Value)=(♯真陰性)/[(♯真陰性)+(♯偽陰性)]
【表1】
【表2】
【0057】
上記の検査結果、特に前述したヒト死体検査を含む検査結果に基づいて次の結論に至った。
・開示した装置、システム、及び方法(椎弓根超音波)は、「従来の」椎弓根フィーラよりも高い感度及び陰性適中率を持つ。
・上記の違いは、非常に小さい破損(2.5mm対4.0mm)の場合により大きい。
・大きい破損(4.0mm)の場合、破損の検出は、椎弓根超音波システムを用いると、100%の感度及び特異度に近付く。
・開示した装置、システム、及び方法は、脊椎に椎弓根スクリューを配置したときに皮質骨に破損が生じたかどうかを特定/検出するためのふるい分け試験と、関連の診断の少なくともいずれかを容易化する。
・開示した装置、システム、及び方法によって、外科医及び他の医療従事者は、脊椎手術で椎弓根スクリューが誤配置される可能性を低減できるため、より効果的な健康管理を行える。
【0058】
動作については、図56及び図57に図示したように、前述の診断用器具を利用して、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔を探索し、その孔の軸方向に延びる側面壁内の皮質破損を特定できる。図56及び図57に示すように、本開示に係る医療診断用器具6001が提供される。この器具は、ハンドルと、超音波プローブと、触覚フィーラプローブとを含む。超音波プローブは、ハンドルから遠方に延びて遠位端で終端する長手シャフトと、前記遠位端の近くで長手シャフトに取り付けられる超音波振動子とを含む。この超音波振動子は、長手シャフトに沿って延びる側面照射超音波エネルギ生成素子の配列を含む。
【0059】
触覚フィーラプローブは、超音波プローブに取り付けられることに加え、長手シャフトを含み、この長手シャフトは、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて、そこから先に前記超音波プローブの長手シャフトの遠位端を超えて延びる。触覚フィーラプローブは、その触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端に画定されるフィーラプローブ先端部を含む。
【0060】
ハンドルを利用して、医療診断用器具を手で握り、ヒト患者の脊椎を基準に前記器具を操作し、この操作において、ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に、超音波プローブの超音波振動子及び長手シャフトの遠位端、ならびに触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを挿入する。
【0061】
触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択した部分を基準に配置することで、そのフィーラプローブ先端部が椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁上に配置される。
【0062】
触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を利用して、内部に存在する手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、側面壁の選択した部分の触覚検査を実施する。
【0063】
超音波振動子の側面照射超音波エネルギ生成素子の配列を、椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択した部分を基準に配置することで、その側面照射超音波エネルギ生成素子の配列が椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択した部分に沿って軸方向に延びて、その選択した部分に配置される。
【0064】
超音波振動子の側面照射超音波エネルギ生成素子の配列を利用して、内部に存在する超音波検出可能な皮質破損を検出することを目的とした目視検査用の、側面壁の選択した部分の二次元画像を取得する。
【0065】
配置する2つのステップ及び配列を利用する2つのステップは、超音波振動子、触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端、または触覚フィーラプローブの長手シャフトのフィーラプローブ先端部のいずれも椎弓根スクリューパイロット孔から取り出すことなく実行される。
【0066】
この器具をKワイヤに取り付けて、そのKワイヤ(特に図示せず)に沿ってスライドさせることで、低侵襲外科的処置の実行中に、椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に超音波プローブ及び触覚フィーラプローブを案内できる。これに代えて、もしくは加えて、またはその両方として、本器具は、Kワイヤ以外の一つ以上のガイドワイヤに装着することができる。
【0067】
図58〜図59を参照すると、本開示に係る更なる実施例が示されている。したがって、臨床応用例において、例えば、椎弓根スクリューの配置に関連した皮質骨の破損を検出/特定するために、超音波プローブアセンブリと共に改良型のJamshidi針組立品7001を利用できる。このJamshidi型の針組立品7001は、通常、その遠位端に先細の刃先を有する長い中空針7006の形式である。ハンドル7004は、この針7006に取り付けられて、内針(図示せず)及び補助部品を収容する開口部を画定する。Jamshidi型の針の従来の利用法において、内針は、所望の解剖学的部位に到達した後で取り出すことができ、組織、例えば骨髄の採取用にハンドルに形成された開口部から注射器を導入することができる。ただし、本明細書で開示する例示的実施例においては、内針(図示せず)を取り出した後、Jamshidi型の針組立品7001のハンドル7004に形成された開口部は、超音波アセンブリ7002に関連付けられた細長い超音波プローブ7010を収容するように構成及び寸法決めされる。例示的実施例において、超音波アセンブリ7002は、従来のケーブル配線に接続するための取り付け部を画定するハンドル部材7008を含む。
【0068】
使用においては、Jamshidi型の針組立品7001が、所望の臨床治療部位、例えば、椎弓根スクリューの受け入れ用に前もって穴あけされている皮質骨の中に導入されて、内針(図示せず)が取り出される。次に、Jamshidi型の針組立品7001のハンドル7004に形成された開口部から超音波プローブ7010が導入され、関連情報、例えば、皮質骨の破損の有利な超音波検出を行う。例示的実施例において、針7006の長さは約7.5cmで、針7006の内径は約3mmである。この他の寸法も、本開示の精神または範囲から逸脱することなく採用できる。
【0069】
本明細書において、例示的実施形態に関連付けて本システム、装置、及び方法を説明したが、付属の請求項に定義される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に対する修正、変形、変更、及び拡張の少なくともいずれかを行えることは明らかである。例えば、本明細書で上記に説明した側面照射の超音波振動子を利用する代替として、もしくは追加して、またはその両方として、一つ以上の端面照射の超音波振動子と、360°超音波振動子の少なくともいずれかを、対応する超音波プローブの長手シャフトの遠位端に、当該遠位端に隣接して、または他の方式で取り付けて、外科医師から求められるとおりに利用することができる。本開示に係る超音波プローブ及びシステムは、各種の超音波モードの一つ以上を利用、または実施することができ、このモードとしては、必ずしも限定するものではないが、超音波Aモード、超音波Bモード、超音波Mモード、超音波DMモード、カラーモード、及び3Dモードが挙げられる。触覚フィーラプローブに追加して、もしくは代用して、またはその両方として、他の器具をモジュール式に追加してもよく、このような器具は、限定するものではないが、キュレット、神経フック、ウッドソン(Woodsons)、及びマーフィボール(Murphey Balls)のうちの少なくともいずれかである。したがって、本開示は、このような修正、変形、変更、及び拡張の全てを明示的に包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療診断用器具であって、
オペレータにより前記器具を手で握れるように構成され且つ寸法決めされた基部ハンドルと、
前記基部ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端している長手シャフトと前記長手シャフトの遠位端の近くで前記長手シャフトに取り付けられた超音波振動子とを含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる、超音波プローブと、
前記超音波プローブに取り付けられた触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて前記超音波プローブの長手シャフトの前記遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと当該フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部とを含む触覚フィーラプローブと、
を含み、
前記超音波振動子及び前記遠位端は、前記オペレータが所望の解剖学的部位内に前記超音波振動子及び前記遠位端を挿入できるように協働的に構成され、方向付けされ且つ寸法決めされ、超音波検出可能な解剖学的特性を検出することを目的とした前記オペレータによる目視検査のために前記オペレータが前記解剖学的部位に対応する二次元画像を取得でき、
前記触覚フィーラプローブの前記フィーラプローブ先端部及び前記長手シャフトは、前記オペレータにより前記所望の解剖学的部位内に前記触覚フィーラプローブの前記フィーラプローブ先端部及び前記長手シャフトを挿入できるように協働的に構成され且つ寸法決めされ、前記オペレータにより前記所望の解剖学的部位の触角検査を実行できる、医療診断用器具。
【請求項2】
前記所望の解剖学的部位は、ヒト患者の脊椎に形成される椎弓根スクリューパイロット孔であり、前記超音波振動子の超音波エネルギ生成素子アレイは、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部位に沿って軸方向に延び且つ当該選択部位に対して配置される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項3】
前記フィーラプローブ先端部は、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部位に対して配置される、請求項2に記載の医療診断用器具。
【請求項4】
前記触覚フィーラプローブの長手シャフトは、前記超音波プローブの長手シャフトから遠方に向って前記触覚フィーラプローブの長手シャフトに沿って延びる少なくとも第1の長手方向軸線と、前記触覚フィーラプローブの長手シャフトに沿って前記フィーラプローブ先端部まで延びる少なくとも第2の長手方向軸線と、前記第1と第2の両方の長手方向軸線で第1平面を画定するようにこれらの軸線の間に形成される屈曲部と、を有する、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項5】
前記超音波プローブの長手シャフトは、前記ハンドルから遠方に向って前記超音波プローブの長手シャフトに沿って延びる少なくとも第3の長手方向軸線を有し、前記超音波エネルギ生成素子アレイ内の複数の超音波エネルギ生成素子は、前記超音波エネルギ生成素子アレイが延びる第4の長手方向軸線を有し、前記第4の長手方向軸線が前記第3の長手方向軸線から径方向にオフセットされて、前記第3の長手方向軸線と前記第4の長手方向軸線の両方で第2平面を画定し、前記第2平面は前記第1平面と同一の平面である、請求項4に記載の医療診断用器具。
【請求項6】
前記フィーラプローブ先端部及び前記第4の長手方向軸線が、前記第3の長手方向軸線から共通の径方向にそれぞれオフセットされことにより、前記フィーラプローブ先端部及び前記超音波エネルギ生成素子アレイは、前記超音波プローブの長手シャフトを基準に互いに回転した位置に整列される、請求項5に記載の医療診断用器具。
【請求項7】
前記超音波プローブの長手シャフトは、前記ハンドルから遠方に向かって当該超音波プローブの長手シャフトに沿って延びる第1の長手方向軸線を有し、前記超音波エネルギ生成素子アレイ内の複数の超音波エネルギ生成素子は、前記超音波エネルギ生成素子アレイが延びる第2の長手方向軸線を有し、前記第2の長手方向軸線が、少なくとも部分的に、前記第1の長手方向軸線に対して径方向に間隔を空けた関係で配置されて、前記第1の長手方向軸線及び前記第2の長手方向軸線の両方で第1平面を画定し、前記フィーラプローブ先端部が、前記第1平面内に配置される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項8】
前記フィーラプローブ先端部は、前記第1の長手方向軸線上に配置される、請求項7に記載の医療診断用器具。
【請求項9】
前記フィーラプローブ先端部は、前記第1の長手方向軸線から径方向にオフセットされる、請求項7に記載の医療診断用器具。
【請求項10】
前記超音波プローブの長手シャフトは、前記ハンドルから遠方に向かって前記超音波プローブの長手シャフトに沿って延びる第1の長手方向軸線を有し、前記超音波エネルギ生成素子アレイ内の複数の超音波エネルギ生成素子は、当該超音波エネルギ生成素子アレイが延びる第2の長手方向軸線を有し、前記第2の長手方向軸線は、前記第1の長手方向軸線から径方向にオフセットされて、前記第1の長手方向軸線及び前記第2の長手方向軸線で第1平面を画定し、前記ハンドルは、前記超音波プローブから基部方向に延びて基部端において終端する長手シャフトを含み、前記ハンドルの長手シャフトは、前記超音波プローブから基部方向に前記ハンドルに沿って延びる第3の長手方向軸線を有し、前記第3の長手方向軸線は、前記第1平面内に配置される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項11】
前記第3の長手方向軸線は、前記ハンドル及び前記超音波プローブが互いの長手方向において整列するように、前記第1の長手方向軸線と同軸に配置され且つ方向付けされる、請求項10に記載の医療診断用器具。
【請求項12】
前記第3の長手方向軸線は、前記ハンドル及び前記超音波プローブが互いの長手方向において位置が整合しないように、前記第1の長手方向軸線から径方向にオフセットされる、請求項10に記載の医療診断用器具。
【請求項13】
前記超音波プローブ及び前記触覚フィーラプローブを前記所望の解剖学的部位の軸方向に案内するために、前記器具を摺動可能に取り付け可能なKワイヤを収容するように構成され且つ寸法決めされる少なくとも一つのチャンネルを更に含み、前記チャンネルは、前記ハンドルに形成されてその内部を通って延びるチャンネル及び前記ハンドルの延長部に形成されてその先に延びるチャンネルのうちのいずれかである、請求項12に記載の医療診断用器具。
【請求項14】
前記ハンドルの長手シャフトは、前記第1の平面に設けられる第4の長手方向軸線であって、基部方向に向かう前記ハンドルの長手シャフトが当該ハンドルの前記基部端まで沿って延びる第4の長手方向軸線と、前記第4の長手方向軸線と前記第1の長手方向軸線との間の角度が、前記第3の長手方向軸線と前記第1の長手方向軸線との間の角度よりも大きく、かつ、前記ハンドルが、前記超音波プローブ及び前記フィーラプローブに対するバイオネット型ハンドルとして機能するように、前記第3の長手方向軸線と前記第4の長手方向軸線との間に形成される屈曲部と、を更に有する、請求項12に記載の医療診断用器具。
【請求項15】
前記ハンドル及び前記超音波プローブの長手シャフトは、互いに一体化された構造である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項16】
前記ハンドルはハウジングを含み、前記超音波プローブは、当該超音波プローブの長手シャフトが、前記ハンドルのハウジングによって片持ち方式で支持されるように、前記ハンドルに搭載される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項17】
前記触覚フィーラプローブは、当該触覚フィーラプローブの長手シャフトが、前記超音波プローブの長手シャフトによって片持ち方式で支持されるように、前記超音波プローブに取り付けられる、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項18】
前記触覚フィーラプローブの長手シャフトと前記超音波プローブの長手シャフトとの間に、少なくとも部分的な長手方向の重複が存在する、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項19】
前記複数の超音波エネルギ生成素子は側面照射型であり、リニアアレイ及びフェイズアレイのうちの一方である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項20】
前記器具で使用している超音波映像モードに従って、前記超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うためのケーブルアセンブリを更に含み、前記ケーブルアセンブリは、対応する超音波制御盤に前記器具を接続する電気接続部と、前記電気接続部から遠方に前記超音波振動子まで延び、少なくとも部分的に、前記超音波プローブの長手シャフトに形成されてその長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部管路を通る通電ワイヤと、を含む、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項21】
前記ハンドルは、前記超音波プローブから基部方向に延びて基部端において終端する長手シャフトを含み、前記通電ワイヤは、前記ハンドルの基部端を通り、かつ、前記ハンドルの長手シャフトに形成されてその長手シャフトに沿って延びる対応する内部管路を通って、前記超音波振動子まで延びる、請求項20に記載の医療診断用器具。
【請求項22】
前記超音波エネルギ生成素子アレイにおける前記超音波プローブの長手シャフトに沿った軸方向長さが、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項23】
前記超音波プローブの長手シャフトの前記遠位端よりも遠方に延びる前記触覚フィーラプローブにおいて、前記触覚フィーラプローブの長手シャフト及び前記フィーラプローブ先端部の両方にわたって前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイより先の前記触覚フィーラプローブの軸方向長さが、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項24】
前記フィーラプローブ先端部は球状先端部である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項25】
医療診断用器具を含み、骨組織と関連して用いられる医療診断システムであって、
前記医療診断用器具は、
前記器具のオペレータの近くにおいて利用可能であり、前記オペレータが前記器具を手で握って、ヒト患者の脊椎を基準に前記器具を操作できるように構成され且つ寸法決めされたハンドルと、
前記ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端する長手シャフトと、前記長手シャフトの遠位端の近くでその長手シャフトに取り付けられた超音波振動子と、を含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が前記長手シャフトに沿って延びる側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを含み、前記オペレータにより前記ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に前記超音波振動子及び前記遠位端を挿入でき、この挿入によって前記超音波振動子の前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に沿って軸方向に延びつつその選択部分に対して配置され、かつ、その配置場所において内部に存在する超音波検出可能な皮質破損を検出することを目的とした当該オペレータによる目視検査のために前記オペレータが前記側面壁の選択部分に対応する二次元画像を取得できるように、前記超音波振動子及び前記遠位端が協働的に構成され、方向付けされ且つ寸法決めされている、超音波プローブと、
前記超音波プローブに取り付けられる触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその前記遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと前記触覚フィーラプローブの前記長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部とを含み、前記オペレータにより前記椎弓根スクリューパイロット孔の中に前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを挿入でき、この挿入によって前記フィーラプローブが前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部分に対して配置され、かつ、前記オペレータが、その配置場所において、内部に存在する手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部分の触覚検査を実行できるように、前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトが協働的に構成され且つ寸法決めされている、触覚フィーラプローブと、
前記器具で使用している超音波映像モードに従って、前記超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うための第1ケーブルアセンブリであって、対応する超音波制御盤に前記器具を接続する第1電気接続部を含む基部端と、前記第1電気接続部から遠方に向かい、前記超音波プローブの長手シャフトを通って前記超音波振動子まで遠方に向かって延びる通電ワイヤと、を含む第1ケーブルアセンブリと、
を含み、
前記医療診断システムは、更に、
前記医療診断用器具を制御するプロセッサと、前記プロセッサのオペレータによって前記プロセッサから取得された二次元超音波映像を表示するディスプレイと、対応するケーブル接続部を受け入れるポートと、を含む超音波制御盤と、
前記超音波制御盤に対する電気信号の送受信を行うための第2ケーブルアセンブリであって、前記超音波制御盤に対応付けられた前記ポートに接続される第2電気接続部と、前記第1電気接続部に接続される第3電気接続部と、これらの接続部の間に延びる通電ワイヤと、を含む第2ケーブルアセンブリと、
を含む、医療診断システム。
【請求項26】
前記第2ケーブルアセンブリの第3電気接続部と前記第1ケーブルアセンブリの第1電気接続部との間の接続は、前記医療診断システムのうちの前記医療診断用器具を含む消耗品部分と、前記医療診断システムのうちの前記超音波制御盤及び前記第2ケーブルアセンブリを含む非消耗品部分との間のアンビリカル接続である、請求項25に記載の医療診断システム。
【請求項27】
ヒト患者の脊椎に形成される椎弓根スクリューパイロット孔におけるその軸方向に延びる側面壁内に存在する皮質破損を探索する方法であって、
医療診断用器具を用意する工程を含み、
前記医療診断用器具は、
ハンドルと、
前記ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端した長手シャフトと前記遠位端の近くで前記長手シャフトに取り付けられた超音波振動子とを含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が前記長手シャフトに沿って延びた側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる超音波プローブと、
前記超音波プローブに取り付けられた触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと前記触覚フィーラプローブの前記長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部とを含む触覚フィーラプローブと、
を含み、
当該方法は、
前記ハンドルを利用して、前記医療診断用器具を手で握って、前記ヒト患者の脊椎を基準に前記医療診断用器具を操作する工程であって、この操作において、前記ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に、前記超音波プローブの前記超音波振動子及び前記長手シャフトの遠位端並びに前記触覚フィーラプローブの前記フィーラプローブ先端部及び前記長手シャフトを挿入する工程と、
前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に沿って軸方向に延びつつ前記選択部分に対して配置されるように、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に対して前記超音波振動子の前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを配置する工程と、
前記超音波振動子の前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを利用する工程であって、内部に存在する超音波検出可能な皮質破損を検出することを目的とした目視検査のために、前記側面壁の選択部分の二次元画像を取得する工程と、
前記フィーラプローブ先端部が前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁に対して配置されるように、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部分に対して前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を配置する工程と、
前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を利用する工程であって、内部に存在する手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、前記側面壁の選択部分の触覚検査を実行する工程と、を含み、
前記2つの配置する工程と前記2つの利用する工程を、前記超音波振動子、前記触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端、前記触覚フィーラプローブの長手シャフトのフィーラプローブ先端部のいずれも前記椎弓根スクリューパイロット孔から取り出さずに、実行する、方法。
【請求項28】
前記医療診断用器具をKワイヤに取り付け、前記Kワイヤに沿って前記医療診断用器具をスライドさせることで、低侵襲外科的処置の最中に、前記椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に前記超音波プローブ及び前記触覚フィーラプローブを案内する、請求項27に記載の方法。
【請求項1】
医療診断用器具であって、
オペレータにより前記器具を手で握れるように構成され且つ寸法決めされた基部ハンドルと、
前記基部ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端している長手シャフトと前記長手シャフトの遠位端の近くで前記長手シャフトに取り付けられた超音波振動子とを含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる、超音波プローブと、
前記超音波プローブに取り付けられた触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられて前記超音波プローブの長手シャフトの前記遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと当該フィーラプローブの長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部とを含む触覚フィーラプローブと、
を含み、
前記超音波振動子及び前記遠位端は、前記オペレータが所望の解剖学的部位内に前記超音波振動子及び前記遠位端を挿入できるように協働的に構成され、方向付けされ且つ寸法決めされ、超音波検出可能な解剖学的特性を検出することを目的とした前記オペレータによる目視検査のために前記オペレータが前記解剖学的部位に対応する二次元画像を取得でき、
前記触覚フィーラプローブの前記フィーラプローブ先端部及び前記長手シャフトは、前記オペレータにより前記所望の解剖学的部位内に前記触覚フィーラプローブの前記フィーラプローブ先端部及び前記長手シャフトを挿入できるように協働的に構成され且つ寸法決めされ、前記オペレータにより前記所望の解剖学的部位の触角検査を実行できる、医療診断用器具。
【請求項2】
前記所望の解剖学的部位は、ヒト患者の脊椎に形成される椎弓根スクリューパイロット孔であり、前記超音波振動子の超音波エネルギ生成素子アレイは、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部位に沿って軸方向に延び且つ当該選択部位に対して配置される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項3】
前記フィーラプローブ先端部は、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部位に対して配置される、請求項2に記載の医療診断用器具。
【請求項4】
前記触覚フィーラプローブの長手シャフトは、前記超音波プローブの長手シャフトから遠方に向って前記触覚フィーラプローブの長手シャフトに沿って延びる少なくとも第1の長手方向軸線と、前記触覚フィーラプローブの長手シャフトに沿って前記フィーラプローブ先端部まで延びる少なくとも第2の長手方向軸線と、前記第1と第2の両方の長手方向軸線で第1平面を画定するようにこれらの軸線の間に形成される屈曲部と、を有する、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項5】
前記超音波プローブの長手シャフトは、前記ハンドルから遠方に向って前記超音波プローブの長手シャフトに沿って延びる少なくとも第3の長手方向軸線を有し、前記超音波エネルギ生成素子アレイ内の複数の超音波エネルギ生成素子は、前記超音波エネルギ生成素子アレイが延びる第4の長手方向軸線を有し、前記第4の長手方向軸線が前記第3の長手方向軸線から径方向にオフセットされて、前記第3の長手方向軸線と前記第4の長手方向軸線の両方で第2平面を画定し、前記第2平面は前記第1平面と同一の平面である、請求項4に記載の医療診断用器具。
【請求項6】
前記フィーラプローブ先端部及び前記第4の長手方向軸線が、前記第3の長手方向軸線から共通の径方向にそれぞれオフセットされことにより、前記フィーラプローブ先端部及び前記超音波エネルギ生成素子アレイは、前記超音波プローブの長手シャフトを基準に互いに回転した位置に整列される、請求項5に記載の医療診断用器具。
【請求項7】
前記超音波プローブの長手シャフトは、前記ハンドルから遠方に向かって当該超音波プローブの長手シャフトに沿って延びる第1の長手方向軸線を有し、前記超音波エネルギ生成素子アレイ内の複数の超音波エネルギ生成素子は、前記超音波エネルギ生成素子アレイが延びる第2の長手方向軸線を有し、前記第2の長手方向軸線が、少なくとも部分的に、前記第1の長手方向軸線に対して径方向に間隔を空けた関係で配置されて、前記第1の長手方向軸線及び前記第2の長手方向軸線の両方で第1平面を画定し、前記フィーラプローブ先端部が、前記第1平面内に配置される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項8】
前記フィーラプローブ先端部は、前記第1の長手方向軸線上に配置される、請求項7に記載の医療診断用器具。
【請求項9】
前記フィーラプローブ先端部は、前記第1の長手方向軸線から径方向にオフセットされる、請求項7に記載の医療診断用器具。
【請求項10】
前記超音波プローブの長手シャフトは、前記ハンドルから遠方に向かって前記超音波プローブの長手シャフトに沿って延びる第1の長手方向軸線を有し、前記超音波エネルギ生成素子アレイ内の複数の超音波エネルギ生成素子は、当該超音波エネルギ生成素子アレイが延びる第2の長手方向軸線を有し、前記第2の長手方向軸線は、前記第1の長手方向軸線から径方向にオフセットされて、前記第1の長手方向軸線及び前記第2の長手方向軸線で第1平面を画定し、前記ハンドルは、前記超音波プローブから基部方向に延びて基部端において終端する長手シャフトを含み、前記ハンドルの長手シャフトは、前記超音波プローブから基部方向に前記ハンドルに沿って延びる第3の長手方向軸線を有し、前記第3の長手方向軸線は、前記第1平面内に配置される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項11】
前記第3の長手方向軸線は、前記ハンドル及び前記超音波プローブが互いの長手方向において整列するように、前記第1の長手方向軸線と同軸に配置され且つ方向付けされる、請求項10に記載の医療診断用器具。
【請求項12】
前記第3の長手方向軸線は、前記ハンドル及び前記超音波プローブが互いの長手方向において位置が整合しないように、前記第1の長手方向軸線から径方向にオフセットされる、請求項10に記載の医療診断用器具。
【請求項13】
前記超音波プローブ及び前記触覚フィーラプローブを前記所望の解剖学的部位の軸方向に案内するために、前記器具を摺動可能に取り付け可能なKワイヤを収容するように構成され且つ寸法決めされる少なくとも一つのチャンネルを更に含み、前記チャンネルは、前記ハンドルに形成されてその内部を通って延びるチャンネル及び前記ハンドルの延長部に形成されてその先に延びるチャンネルのうちのいずれかである、請求項12に記載の医療診断用器具。
【請求項14】
前記ハンドルの長手シャフトは、前記第1の平面に設けられる第4の長手方向軸線であって、基部方向に向かう前記ハンドルの長手シャフトが当該ハンドルの前記基部端まで沿って延びる第4の長手方向軸線と、前記第4の長手方向軸線と前記第1の長手方向軸線との間の角度が、前記第3の長手方向軸線と前記第1の長手方向軸線との間の角度よりも大きく、かつ、前記ハンドルが、前記超音波プローブ及び前記フィーラプローブに対するバイオネット型ハンドルとして機能するように、前記第3の長手方向軸線と前記第4の長手方向軸線との間に形成される屈曲部と、を更に有する、請求項12に記載の医療診断用器具。
【請求項15】
前記ハンドル及び前記超音波プローブの長手シャフトは、互いに一体化された構造である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項16】
前記ハンドルはハウジングを含み、前記超音波プローブは、当該超音波プローブの長手シャフトが、前記ハンドルのハウジングによって片持ち方式で支持されるように、前記ハンドルに搭載される、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項17】
前記触覚フィーラプローブは、当該触覚フィーラプローブの長手シャフトが、前記超音波プローブの長手シャフトによって片持ち方式で支持されるように、前記超音波プローブに取り付けられる、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項18】
前記触覚フィーラプローブの長手シャフトと前記超音波プローブの長手シャフトとの間に、少なくとも部分的な長手方向の重複が存在する、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項19】
前記複数の超音波エネルギ生成素子は側面照射型であり、リニアアレイ及びフェイズアレイのうちの一方である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項20】
前記器具で使用している超音波映像モードに従って、前記超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うためのケーブルアセンブリを更に含み、前記ケーブルアセンブリは、対応する超音波制御盤に前記器具を接続する電気接続部と、前記電気接続部から遠方に前記超音波振動子まで延び、少なくとも部分的に、前記超音波プローブの長手シャフトに形成されてその長手シャフトに沿って長手方向に延びる対応する内部管路を通る通電ワイヤと、を含む、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項21】
前記ハンドルは、前記超音波プローブから基部方向に延びて基部端において終端する長手シャフトを含み、前記通電ワイヤは、前記ハンドルの基部端を通り、かつ、前記ハンドルの長手シャフトに形成されてその長手シャフトに沿って延びる対応する内部管路を通って、前記超音波振動子まで延びる、請求項20に記載の医療診断用器具。
【請求項22】
前記超音波エネルギ生成素子アレイにおける前記超音波プローブの長手シャフトに沿った軸方向長さが、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項23】
前記超音波プローブの長手シャフトの前記遠位端よりも遠方に延びる前記触覚フィーラプローブにおいて、前記触覚フィーラプローブの長手シャフト及び前記フィーラプローブ先端部の両方にわたって前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイより先の前記触覚フィーラプローブの軸方向長さが、約8ミリメートルから約12ミリメートルの間である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項24】
前記フィーラプローブ先端部は球状先端部である、請求項1に記載の医療診断用器具。
【請求項25】
医療診断用器具を含み、骨組織と関連して用いられる医療診断システムであって、
前記医療診断用器具は、
前記器具のオペレータの近くにおいて利用可能であり、前記オペレータが前記器具を手で握って、ヒト患者の脊椎を基準に前記器具を操作できるように構成され且つ寸法決めされたハンドルと、
前記ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端する長手シャフトと、前記長手シャフトの遠位端の近くでその長手シャフトに取り付けられた超音波振動子と、を含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が前記長手シャフトに沿って延びる側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを含み、前記オペレータにより前記ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に前記超音波振動子及び前記遠位端を挿入でき、この挿入によって前記超音波振動子の前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に沿って軸方向に延びつつその選択部分に対して配置され、かつ、その配置場所において内部に存在する超音波検出可能な皮質破損を検出することを目的とした当該オペレータによる目視検査のために前記オペレータが前記側面壁の選択部分に対応する二次元画像を取得できるように、前記超音波振動子及び前記遠位端が協働的に構成され、方向付けされ且つ寸法決めされている、超音波プローブと、
前記超音波プローブに取り付けられる触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその前記遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと前記触覚フィーラプローブの前記長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部とを含み、前記オペレータにより前記椎弓根スクリューパイロット孔の中に前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトを挿入でき、この挿入によって前記フィーラプローブが前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部分に対して配置され、かつ、前記オペレータが、その配置場所において、内部に存在する手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部分の触覚検査を実行できるように、前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部及び長手シャフトが協働的に構成され且つ寸法決めされている、触覚フィーラプローブと、
前記器具で使用している超音波映像モードに従って、前記超音波振動子に対する電気信号の送受信を行うための第1ケーブルアセンブリであって、対応する超音波制御盤に前記器具を接続する第1電気接続部を含む基部端と、前記第1電気接続部から遠方に向かい、前記超音波プローブの長手シャフトを通って前記超音波振動子まで遠方に向かって延びる通電ワイヤと、を含む第1ケーブルアセンブリと、
を含み、
前記医療診断システムは、更に、
前記医療診断用器具を制御するプロセッサと、前記プロセッサのオペレータによって前記プロセッサから取得された二次元超音波映像を表示するディスプレイと、対応するケーブル接続部を受け入れるポートと、を含む超音波制御盤と、
前記超音波制御盤に対する電気信号の送受信を行うための第2ケーブルアセンブリであって、前記超音波制御盤に対応付けられた前記ポートに接続される第2電気接続部と、前記第1電気接続部に接続される第3電気接続部と、これらの接続部の間に延びる通電ワイヤと、を含む第2ケーブルアセンブリと、
を含む、医療診断システム。
【請求項26】
前記第2ケーブルアセンブリの第3電気接続部と前記第1ケーブルアセンブリの第1電気接続部との間の接続は、前記医療診断システムのうちの前記医療診断用器具を含む消耗品部分と、前記医療診断システムのうちの前記超音波制御盤及び前記第2ケーブルアセンブリを含む非消耗品部分との間のアンビリカル接続である、請求項25に記載の医療診断システム。
【請求項27】
ヒト患者の脊椎に形成される椎弓根スクリューパイロット孔におけるその軸方向に延びる側面壁内に存在する皮質破損を探索する方法であって、
医療診断用器具を用意する工程を含み、
前記医療診断用器具は、
ハンドルと、
前記ハンドルから遠方に延びて遠位端において終端した長手シャフトと前記遠位端の近くで前記長手シャフトに取り付けられた超音波振動子とを含む超音波プローブであって、前記超音波振動子が前記長手シャフトに沿って延びた側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを含んでいる超音波プローブと、
前記超音波プローブに取り付けられた触覚フィーラプローブであって、前記超音波プローブの長手シャフトに取り付けられてその遠位端を超えて遠方に延びる長手シャフトと前記触覚フィーラプローブの前記長手シャフトの遠位端をなすフィーラプローブ先端部とを含む触覚フィーラプローブと、
を含み、
当該方法は、
前記ハンドルを利用して、前記医療診断用器具を手で握って、前記ヒト患者の脊椎を基準に前記医療診断用器具を操作する工程であって、この操作において、前記ヒト患者の脊椎に形成された椎弓根スクリューパイロット孔の中に、前記超音波プローブの前記超音波振動子及び前記長手シャフトの遠位端並びに前記触覚フィーラプローブの前記フィーラプローブ先端部及び前記長手シャフトを挿入する工程と、
前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイが、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に沿って軸方向に延びつつ前記選択部分に対して配置されるように、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の選択部分に対して前記超音波振動子の前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを配置する工程と、
前記超音波振動子の前記側面照射型超音波エネルギ生成素子アレイを利用する工程であって、内部に存在する超音波検出可能な皮質破損を検出することを目的とした目視検査のために、前記側面壁の選択部分の二次元画像を取得する工程と、
前記フィーラプローブ先端部が前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁に対して配置されるように、前記椎弓根スクリューパイロット孔の側面壁の前記選択部分に対して前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を配置する工程と、
前記触覚フィーラプローブのフィーラプローブ先端部を利用する工程であって、内部に存在する手で検出可能な皮質破損を検出することを目的とした、前記側面壁の選択部分の触覚検査を実行する工程と、を含み、
前記2つの配置する工程と前記2つの利用する工程を、前記超音波振動子、前記触覚フィーラプローブの長手シャフトの遠位端、前記触覚フィーラプローブの長手シャフトのフィーラプローブ先端部のいずれも前記椎弓根スクリューパイロット孔から取り出さずに、実行する、方法。
【請求項28】
前記医療診断用器具をKワイヤに取り付け、前記Kワイヤに沿って前記医療診断用器具をスライドさせることで、低侵襲外科的処置の最中に、前記椎弓根スクリューパイロット孔の軸方向に前記超音波プローブ及び前記触覚フィーラプローブを案内する、請求項27に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図43】
【図46】
【図51】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図26】
【図32】
【図42】
【図44】
【図45】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図43】
【図46】
【図51】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図26】
【図32】
【図42】
【図44】
【図45】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公表番号】特表2012−525936(P2012−525936A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509973(P2012−509973)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/033873
【国際公開番号】WO2010/129773
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(390029791)日立アロカメディカル株式会社 (899)
【出願人】(511266427)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/033873
【国際公開番号】WO2010/129773
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(390029791)日立アロカメディカル株式会社 (899)
【出願人】(511266427)
【Fターム(参考)】
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