文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置
【課題】ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能な文字入力装置を提供する。
【解決手段】この文字入力装置では、液晶表示部11は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【解決手段】この文字入力装置では、液晶表示部11は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な文字種で文字入力が可能な文字入力装置が知られている。このような文字入力装置は、たとえば、画像形成装置などに備えられている(たとえば、特許文献1参照)。なお、画像形成装置に備えられる文字入力装置は、操作パネル(あるいは、操作部)などと称されている。
【0003】
特許文献1では、文字入力をユーザーから受け付ける際に、キーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を操作パネルに表示するようにしている。これにより、ユーザーは、ソフトウェアキーボードを使って、文字入力を行うことができる。また、特許文献1では、単にキーボード画面を操作パネルに表示するだけでなく、アルファベットの入力をユーザーから受け付ける場合には、アルファベットの入力が可能なキーボード画面を初期画面として表示し、数字の入力をユーザーから受け付ける場合には、数字の入力が可能なキーボード画面を初期画面として表示するようにしている。すなわち、特許文献1では、文字入力の受付時に初期画面として表示するキーボー画面の種類(入力可能な文字種)が予め設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−133816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置においては、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力をユーザーに要求する場合がある。ここで、ユーザー情報とは、アルファベットや数字などを含む文字列によって示される情報である。たとえば、ユーザー情報の一例としてはユーザー名などが挙げられ、アルファベットだけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーもいれば、数字だけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーもいる。この場合、ユーザー情報の入力受付時の初期画面として表示されるキーボード画面の種類(入力可能な文字種)が予め設定されていると、以下のような不都合が生じる。
【0006】
たとえば、ユーザー名の入力受付時の初期画面として表示されるのがアルファベット用のキーボード画面であるとする。この場合、アルファベットだけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーは、初期画面として表示されたアルファベット用のキーボード画面のままでユーザー名の再入力を行うことができる。その一方、数字だけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーは、アルファベット用のキーボード画面から数字用のキーボード画面に切り替えなければ、ユーザー名の再入力を行うことができない。すなわち、数字だけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーからすると、ユーザー名の再入力に際して行わなければならない操作(表示されるキーボード画面を切り替える操作)が多くなるので、利便性が悪い。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能な文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の文字入力装置は、入力可能な文字種が互いに異なる複数のキーボード画面を切り替え表示し、ユーザー情報を示す文字列の入力を受け付ける操作表示部と、複数のキーボード画面を表示するための画面情報が記憶されているとともに、操作表示部が入力を受け付けたユーザー情報を記憶する記憶部と、を備えている。そして、操作表示部は、記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0009】
本発明の構成によると、操作表示部は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示する。これにより、ユーザーからすると、ユーザー情報の再入力を行うときに、1文字目の文字種に対応するキーボード画面が初期画面として操作表示部に表示されるので、少なくとも1文字目の入力に際しては、操作表示部に表示されるキーボード画面の切り替え操作を行わなくても良くなる(1文字目の入力を素早く行うことができる)。すなわち、本発明の構成では、ユーザー情報の再入力を受け付けるときに、ユーザーが行う操作(操作表示部に表示されるキーボード画面の切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0010】
上記した構成において、好ましくは、ユーザー情報は、複数の項目を含み、操作表示部は、記憶部に既に記憶された登録済みの複数の項目と同一の複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面に切り替える。このように構成すれば、ユーザー情報に複数の項目が含まれており、それら複数の項目の再入力をそれぞれユーザーから受け付ける場合であったとしても、ユーザーが行う操作(操作表示部に表示されるキーボード画面の切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができる。
【0011】
上記した構成において、好ましくは、ユーザー情報は、ログインするユーザーに関する情報であり、操作表示部は、ユーザーがログインした後で、記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示する。このように構成すれば、ユーザーからすると、ログインのための操作を行う(自身のユーザー情報を予め登録する)だけで、ユーザー情報の再入力に係わる操作を減らすことができるので、利便性が良い。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、上記した文字入力装置を備えている。このように構成すれば、画像形成装置を操作するユーザーの利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能な文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による操作パネル(文字入力装置)を備えた画像形成装置の概略図
【図2】本発明の一実施形態による操作パネル(文字入力装置)の平面図
【図3】図1に示した画像形成装置の画像形成部を示した概略図
【図4】図1に示した画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図
【図5】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(ユーザー認証画面の図)
【図6】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(ユーザー登録画面の図)
【図7】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(小文字アルファベットを入力するためのキーボード画面の図)
【図8】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(大文字アルファベットを入力するためのキーボード画面の図)
【図9】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(数字・記号を入力するためのキーボード画面の図)
【図10】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(ダイアクリティカルマーク付きの文字を入力するためのキーボード画面の図)
【図11】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(日本語を入力するためのキーボード画面の図)
【図12】図2に示した操作パネルの動作(ログインユーザーからユーザー情報の再入力を受け付けるときの動作)を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。
【0016】
本実施形態の画像形成装置100は、たとえば、タンデム方式のカラー複合機であり、コピー、プリント、スキャナおよびファックスなどの複数種のジョブを実行することができる。また、画像形成装置100は、ログインしたユーザーにのみ装置の使用(または、特定の機能の使用)を許可する機能も有する。たとえば、ユーザーは、画像形成装置100の使用に際して、ログインのためのユーザー認証を受ける。そして、ログインしたユーザーは、与えられた権限の範囲内で画像形成装置100の使用が許可される。なお、ログインのためのユーザー認証については、後で詳細に述べる。
【0017】
この画像形成装置100の構成としては、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などを備える。
【0018】
操作パネル101は、文字入力装置に相当し、たとえば、図1中の破線で示された箇所に配置される。この操作パネル101には、図2に示すように、操作表示部としての液晶表示部11が設けられている。液晶表示部11には、各種設定などを行うためのメニューおよび設定キー(ソフトキー)が表示されるとともに、装置状態などを示すメッセージも表示される。そして、ユーザーは、液晶表示部11に表示された設定キーを押下することで、各種設定などを行うことができる。なお、液晶表示部11は、その表示面がタッチパネルで覆われた形態をとる。これにより、液晶表示部11に表示された設定キーがユーザーによって押下されたとき(タッチパネルが押下されたとき)、タッチパネルの出力に基づいて押下位置の座標を検出できるようになっている。
【0019】
また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーが設けられている。テンキー12は、数値入力が必要な設定指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。スタートキー13は、各種ジョブの実行開始の指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。
【0020】
さらに、操作パネル101には、コピーキー14、送信キー15およびボックスキー16などのハードキーも設けられている。そして、コピーキー14がユーザーによって押下されると、コピーを利用する上で必要な設定キーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。送信キー15がユーザーによって押下されると、スキャナおよびファックスを利用する上で必要な設定キーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。ボックスキー16がユーザーによって押下されると、ボックスを利用する上で必要な設定キーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。なお、ボックスというのは、ボックスと呼ばれる所定の保存領域(たとえば、後述する記憶部113に設けられたフォルダ)に画像データなどを保存しておくジョブである。
【0021】
図1に戻って、画像読取部102は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。この画像読取部102は、コンタクトガラス21に載置される原稿にビームを照射し、その原稿の反射ビームを受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。これにより、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー)。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる(スキャナ)。なお、画像読取部102による原稿の読み取り時には、コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えることができる。
【0022】
給紙部103は、記録媒体としての用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。また、この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
【0023】
搬送路104は、装置内部において用紙Pを搬送するものである。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、中間転写部106および定着部107をこの順番で通過して排出トレイ109に導かれる。この搬送路104には、用紙Pを中間転写部106の手前で待機させ、タイミングを合わせて中間転写部106に送り出すレジストローラー対41などが設けられている。
【0024】
画像形成部105は、画像データに基づいてトナー像を形成するものであって、4色分の画像形成部50(ブラックのトナー像を形成する画像形成部50Bk、イエローのトナー像を形成する画像形成部50Y、シアンのトナー像を形成する画像形成部50C、および、マゼンダのトナー像を形成する画像形成部50M)と、露光装置5とを備えている。なお、画像形成部50Bk、50Y、50Cおよび50Mは、互いに異なる色のトナー像を形成するが、いずれも基本的に同様の構成である。したがって、以下の説明では、各色を表す符号(Bk、Y、CおよびM)を省略する。
【0025】
各画像形成部50のそれぞれは、図3に示すように、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3および清掃装置4を含んでいる。
【0026】
各感光体ドラム1は、外周面にトナー像を担持するものであって、外周面に感光層を有するとともに、周方向に回転可能に支持されている。各帯電装置2は、対応する感光体ドラム1を一定の電位で帯電させる。各現像装置3は、対応する色の現像剤を収容し、対応する感光体ドラム1にトナーを供給する。各清掃装置4は、対応する感光体ドラム1の清掃を行う。そして、各感光体ドラム1の外周面は、露光装置5によって露光される。これにより、各感光体ドラム1の外周面に静電潜像が形成される。
【0027】
露光装置5は、図示しないが、半導体レーザー素子、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、Fθレンズおよび反射ミラーなどを含む。なお、これら露光装置5の構成部材は、各色の画像形成部50に対して1セットずつ設けられていてもよい。あるいは、半導体レーザー素子、Fθレンズおよび反射ミラーのみを各色の画像形成部50に対して1セットずつ設け、ポリゴンミラーおよびポリゴンモーターについては2色分(または、4色分)の画像形成部50で共用してもよい。
【0028】
図1に戻って、中間転写部106は、画像形成部105からトナー像の1次転写を受けた後、用紙Pに2次転写を行う。中間転写部106は、中間転写ベルト61と、各画像形成部50にそれぞれ割り当てられた1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mとを少なくとも含んでいる。1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mは、対応する画像形成部50(具体的には、感光体ドラム1)との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
【0029】
また、中間転写部106は、駆動ローラー63および従動ローラー64も含んでいる。そして、駆動ローラー63および従動ローラー64は、1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mと共に、中間転写ベルト61を張架している。このため、駆動ローラー63が回転駆動すると、中間転写ベルト61が循環移動する。
【0030】
さらに、中間転写部106は、2次転写ローラー65も含んでいる。この2次転写ローラー65は、駆動ローラー63との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
【0031】
そして、各画像形成部50で形成されたトナー像は、転写用電圧が印加された1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mにより、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト61に1次転写される。すなわち、中間転写ベルト61にフルカラートナー像が転写される。その後、中間転写ベルト61に1次転写されたトナー像は、転写用電圧が印加された2次転写ローラー65により、用紙Pに2次転写される。
【0032】
また、中間転写部106は、ベルト清掃装置66も含んでいる。そして、このベルト清掃装置66によって、中間転写ベルト61から用紙Pへのトナー像の2次転写の後、中間転写ベルト61の清掃が行われる。
【0033】
定着部107は、用紙Pに2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させるものである。この定着部107は、発熱源を内蔵する定着ローラー71と、定着ローラー71に圧接される加圧ローラー72とを含んでいる。そして、トナー像が2次転写された用紙Pは、定着ローラー71と加圧ローラー72との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。
【0034】
そして、用紙Pは、定着部107を通過した後、排出トレイ109に排出される。これによって、画像形成処理が完了する。
【0035】
また、両面搬送路108は、両面印刷を可能とするものである。この両面搬送路108は、定着ローラー71および加圧ローラー72の下流側おいて搬送路104と分岐し、レジストローラー対41の上流側において搬送路104と合流している。そして、両面搬送路108には、搬送路104との分岐点に配置された切替爪81、排出トレイ109に繋がる排出口109aに配置されているとともに正逆回転の切り換えが可能な排出ローラー対82、および、用紙Pを搬送する搬送ローラー対83などが設けられている。
【0036】
両面印刷を行う場合、切替爪81は、両面搬送路108を閉じるポジションとなり、定着部107から送られた用紙Pを排出トレイ109に導く。また、排出ローラー対82は、ひとまず正回転して用紙Pの一部分を排出トレイ109に排出する。この後、排出ローラー対82は、用紙Pが排出ローラー対82を通過しきる前に逆回転する。このとき、切替爪81は、両面搬送路108を開く方向に回動する。これにより、片面印刷された用紙Pは、両面搬送路108に導かれる。
【0037】
両面搬送路108に導かれた用紙Pは、搬送ローラー対83により搬送され、レジストローラー対41の上流側に至る。そして、再び、中間転写部106から定着部107へと送られる。このときには、用紙Pの表裏が逆転しているので、用紙Pの裏面(未印刷面)に対して、2次転写処理および定着処理がなされる。そして、両面印刷が終わった用紙Pは、排出トレイ109に排出される。
【0038】
次に、図4を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
【0039】
画像形成装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含む。また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などと接続されている。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータに基づき、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのオン/オフを制御するエンジン制御部とに分割されていてもよい。
【0040】
記憶部113は、ROM113a、RAM113bおよびHDD113cなどの揮発性の記憶装置と不揮発性の記憶装置とを含む。そして、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータは、ROM113aに記憶され、RAM113bに展開される。
【0041】
記憶部113に記憶されるプログラムとしては、複数種のジョブをそれぞれ実行するための複数のアプリケーションプログラムがあり、たとえば、コピーを実行するためのコピーアプリ、プリントを実行するためのプリントアプリ、スキャナを実行するためのスキャナアプリ、ファックスを実行するためのファックスアプリ、および、ボックスを実行するためのボックスアプリなどが挙げられる。なお、これら基本的なジョブに対応したアプリ以外の種々のアプリが記憶されていてもよい。
【0042】
また、主制御部110は、通信部114と接続される。通信部114は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワーク(あるいは、ケーブル)を介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができる(プリント)。さらに、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる(スキャナ)。さらに、たとえば、通信部114にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる(ファックス)。
【0043】
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部17を有する。表示制御部17は、CPUやICなどからなり、液晶表示部11の表示動作を制御する。また、表示制御部17は、液晶表示部11(タッチパネル)に表示されたソフトキーがユーザーによって押下されると、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これによって、液晶表示部11に対してユーザーが押下した位置(選択したソフトキー)が特定される。たとえば、タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、記憶部18(あるいは、記憶部113)に記憶される。
【0044】
たとえば、ユーザーがコピーキー14を押下した場合、表示制御部17は、コピーに関する設定指示を受け付けるための設定画面(ソフトキーとしての設定キーやメッセージなどが配された画面)を液晶表示部11に表示させる。液晶表示部11に表示された設定キーをユーザーが押下すると、表示制御部17は、ユーザーによって押下された設定キーを検知し、その検知結果を主制御部110に出力する。これにより、コピーに関する設定内容が設定変更される。
【0045】
なお、設定画面を含む種々の操作画面を液晶表示部11に表示させるための操作画面データは、たとえば、記憶部18に記憶されている。そして、表示制御部17は、ユーザーが操作パネル101に対して行った操作に基づいて、液晶表示部11に表示すべき操作画面に応じたデータを記憶部18から読み出し、液晶表示部11に適切な操作画面を表示させる。
【0046】
そして、表示制御部17は、実行するジョブに関する設定指示をユーザーから受け付けた後、ソフトキーとしてのスタートキーを液晶表示部11に表示させる。これにより、ユーザーは、液晶表示部11に表示されたスタートキーを押下することによって、ジョブの実行を開始することができる。あるいは、ハードキーとしてのスタートキー13をユーザーが押下した場合にも、ジョブの実行が開始される。
【0047】
また、操作パネル101は、ログインのためのユーザー認証の入力操作(ログインユーザー名およびログインパスワードの入力操作)をユーザーから受け付ける。たとえば、ログインのためのユーザー認証の入力操作をユーザーから受け付けるとき、液晶表示部11は、図5に示すようなユーザー認証画面A(ログインユーザー名およびログインパスワードの入力操作をユーザーから受け付けるための画面)を表示する。
【0048】
ユーザー認証画面Aには、「キーボード」というソフトキーSK1およびSK2が設けられている。そして、液晶表示部11は、ソフトキーSK1がユーザーによって押下されると、ログインユーザー名の入力操作をユーザーから受け付けるためのキーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を表示し、ソフトキーSK2がユーザーによって押下されると、ログインパスワードの入力操作をユーザーから受け付けるためのキーボード画面を表示する。これにより、ユーザーは、ソフトウェアキーボードを操作し、ログインユーザー名およびログインパスワードの入力を行うことができる。なお、キーボード画面については、後に詳細に説明する。
【0049】
そして、ユーザーは、ログインユーザー名およびログインパスワードの入力を終えた後に、ユーザー認証画面Aの「ログイン」というソフトキーSK3を押下する。ソフトキーSK3がユーザーによって押下されると、表示制御部17(あるいは、主制御部110)は、ユーザー認証画面Aにて入力されたユーザー情報(ログインユーザー名およびログインパスワード)が認証可能なユーザー情報か否かを判断する。たとえば、表示制御部17は、ユーザー認証画面Aにて入力されたユーザー情報が予め登録されたユーザー情報と合致するか否かを判断し、合致した場合にログインを許可する。この表示制御部17による認証判断の基となるユーザー情報は、ユーザー自身によって予め登録され、記憶部113などに記憶される。
【0050】
なお、ユーザーは、ログアウトする場合、操作パネル101に設けられたログアウトキー19(図2参照)を押下する。
【0051】
また、たとえば、ユーザーは、自身のユーザー情報を登録する(ユーザー登録する)際に、操作パネル101に設けられたシステムメニューキー20(図2参照)を押下する。システムメニューキー20がユーザーによって押下されると、液晶表示部11は、ユーザー登録という項目を含む種々の設定項目を羅列表示する。そして、ユーザー登録をユーザーが選択(押下)すれば、液晶表示部11は、図6に示すようなユーザー登録画面Bを表示する。そして、ユーザーは、ユーザー登録画面Bに対して入力操作を行うことにより、ユーザー登録を行う。
【0052】
このときに登録可能な項目としては、ユーザー名、ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名、および、メールアドレスなどがある。これら各項目の登録に際して、ユーザーは、キーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を開く。たとえば、ユーザーがユーザー名欄を押下(選択)すると、液晶表示部11は、ユーザー名の登録(入力操作)を受け付けるためのキーボード画面を表示する。そして、ユーザーは、ソフトウェアキーボードを操作し、ユーザー名の入力を行う。なお、ユーザー名以外の他の項目についても、同様である。
【0053】
そして、ユーザーは、各項目の入力を終えた後、「登録」というソフトキーSK4を押下する。これにより、ユーザーによって入力されたユーザー情報が記憶部113に記憶され、ユーザー登録が完了する。
【0054】
ここで、液晶表示部11は、ユーザーの指示に応じて、入力可能な文字種が互いに異なる複数のキーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を切り替え表示する。これにより、ユーザーは、自身の所望する文字種を使って、ユーザー情報を示す文字列を入力することができる。なお、複数のキーボード画面を液晶表示部11に表示するための画面情報は、記憶部113などに記憶される。
【0055】
たとえば、ユーザー登録画面Bにおいて、ユーザー名欄をユーザーが押下(選択)したとする。このとき、液晶表示部11は、記憶部113に記憶された複数のキーボード画面のうちから、ユーザー名の入力受付時の初期画面として予め設定されたキーボード画面を表示する。なお、ユーザー名の入力受付時の初期画面として予め設定されたキーボード画面は、図7に示すようなキーボード画面KBである。
【0056】
図7のキーボード画面KBには、主に小文字アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK1が設けられている。このキーボード画面KBが液晶表示部11に表示されると、ユーザーは、小文字アルファベットを使った文字列を入力することができる。言い換えると、ユーザーは、小文字アルファベットを使った文字列をユーザー名として登録することができる。
【0057】
たとえば、図7のキーボード画面KBにてユーザーが文字列を入力すると、その文字列が入力欄Cに表示される。続いて、ユーザーが確定キーSK5(OKキー)を押下することによって、ユーザー名の入力が終了する。すなわち、図6のユーザー登録画面Bのユーザー名欄に、図7のキーボード画面KBで入力したユーザー名が表示される。
【0058】
しかし、ユーザーによっては、小文字アルファベットだけではなく、大文字アルファベットも使った文字列をユーザー名として登録したいと考える場合もある。このため、キーボード画面KBには、入力可能な文字種を小文字から大文字(大文字から小文字)に切り替えるための切り替えキーSK6が設けられている。そして、ユーザーが切り替えキーSK6を押下すると、図8に示すようなキーボード画面KBが液晶表示部11に表示される。図8のキーボード画面KBには、主に大文字アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK2が設けられている。これにより、ユーザーは、大文字アルファベットを入力することができる。
【0059】
また、キーボード画面KBには、切り替えキーSK6に加えて、切り替えキーSK7も設けられている。この切り替えキーSK7をユーザーが押下すると、図9〜図11に示すようなキーボード画面KBが液晶表示部11に表示される。たとえば、切り替えキーSK7がユーザーによって押下される度に、図7(図8)→図9→図10→図11の順番で、液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBが切り替わる。そして、図11のキーボード画面KBの切り替えキーSK7がユーザーによって押下されると、図7(図8)のキーボード画面KBに戻る。
【0060】
図9のキーボード画面KBは、主に数字や記号を入力するための複数の文字入力キーK3が設けられている。これにより、ユーザーは、数字や記号を入力することができる。
【0061】
図10のキーボード画面KBには、主にダイアクリティカルマーク(たとえば、ウムラウト記号)が付された文字を入力するための複数の文字入力キーK4が設けられている。これにより、ユーザーは、ダイアクリティカルマーク付きの文字を入力することができる。なお、ダイアクリティカルマーク付きの文字は、ドイツ語圏やフランス語圏などで多用される文字である。
【0062】
図11のキーボード画面KBには、図7(図8)のキーボード画面KBと同様、アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK5が設けられている。ただし、図11のキーボード画面KBは、図7(図8)のキーボード画面KBとは異なり、ローマ字かな変換方式に対応している。すなわち、たとえば、ユーザーが「Kyouto」と入力すると、入力欄Cには、「きょうと」という日本語(ひらがな)の文字列が表示され、さらに、変換キーSK8が表示される。そして、ユーザーが変換キーSK8を押下すると、「きょうと」という日本語の文字列が漢字やカタカナに変換される。このとき、複数の変換候補が羅列されたリストが表示され、ユーザーは、所望の変換候補をリストから選択することができる。
【0063】
このように、ユーザーは、図6のユーザー登録画面Bにてユーザー名を入力する際、自身の所望する文字種に応じたキーボード画面KBを液晶表示部11に表示させ、そのキーボード画面KBを用いて入力を行う。これにより、ユーザーは、色々な文字種を使った文字列をユーザー名として登録することができる。
【0064】
また、図6のユーザー登録画面Bにおいて、ユーザー名欄以外の他の項目欄がユーザーによって押下(選択)された場合にも、液晶表示部11は、入力受付時の初期画面として予め設定されたキーボード画面KBを表示する。なお、通常では、ユーザー名以外の他の項目についても、図7のキーボード画面KB(主に小文字アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK1が設けられた画面)が入力受付時の初期画面として設定されていることが多い。
【0065】
なお、図5のユーザー認証画面Aにおいて、ソフトキーSK1およびSK2がユーザーによって押下されたときにも、液晶表示部11は、初期画面として、図7のキーボード画面KBを表示する。
【0066】
ところで、ユーザーは、ログインしている状態であっても、キーボード画面KB(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を開き、ソフトウェアキーボードを操作してユーザー情報を再入力することがある。たとえば、自身のアドレス帳を登録する際や、複数のアドレス帳から自身のアドレス帳を検索する際などに、ユーザー情報(ユーザー名やパスワードなど)を再入力する場合がある。また、何らかのデータを外部装置(サーバーなど)に送信する際、送信先によっては、ユーザー情報(ユーザー名やパスワードなど)の再入力を要求される場合がある。
【0067】
このような場合、ユーザー情報の入力受付時の初期画面の設定がデフォルトのままであると、以下のような不都合が生じる。
【0068】
たとえば、ユーザー名を日本語で登録したユーザーがログインしており、そのログインしたユーザー(以下、単にログインユーザーと言う)が何らかの操作をしているときに、ユーザー名の再入力が必要になったとする。このとき、ログインユーザーは、キーボード画面KB(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を開いてからユーザー名の入力を行う。しかし、ユーザー名の入力受付時の初期画面として設定されているのは、主に小文字アルファベットを入力するためのキーボード画面KB(図7参照)である。したがって、ログインユーザーは、日本語のユーザー名を入力するために、切り替えキーSK7を何回か押下することによって、ローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)を開かなければならない。すなわち、煩雑な操作(切り替えキーSK7を何回か押下する操作)をログインユーザーに行ってもらう必要が生じるので、ユーザーの利便性が悪くなってしまう。
【0069】
そこで、本実施形態では、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力をログインユーザーから受け付けるとき、再入力を受け付けるユーザー情報と同一の登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に応じて、再入力受付時の初期画面を変更する。具体的に言うと、表示制御部17は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力をログインユーザーから受け付けるとき、再入力を受け付けるユーザー情報と同一の登録済みのユーザー情報を参照し、その登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種を判別する。そして、液晶表示部11は、表示制御部17によって判別された文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【0070】
たとえば、ログインユーザーが自身のユーザー名を日本語で登録していたとする。すなわち、ログインユーザーの登録済みのユーザー名を成す全ての文字が日本語であったとする。この場合、表示制御部17は、ログインユーザーの登録済みのユーザー名の1文字目の文字種が日本語であると判別する。したがって、液晶表示部11は、ローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。これにより、ログインユーザーは、ユーザー名の再入力を行う際、キーボード画面KBを切り替える必要がなくなる。
【0071】
また、別の例として、ログインユーザーの登録済みのユーザー名に複数の文字種が含まれていることもある。たとえば、ユーザー名の1文字目が大文字アルファベットで2文字目以降が小文字アルファベットとなっている場合が多々ある。この場合には、ログインユーザーの登録済みのユーザー名の1文字目の文字種が大文字アルファベットであるので、ユーザー名の再入力受付時の初期画面としては、主に大文字アルファベットを入力するためのキーボード画面KB(図8参照)となる。したがって、ログインユーザーは、ユーザー名の再入力を行う際、少なくとも1文字目を入力するときについては、キーボード画面KBを切り替える必要がなくなる。ただし、2文字目以降の入力に際しては、キーボード画面KBを切り替えなければならない。
【0072】
なお、ここでは、ユーザー情報に含まれる複数の項目のうちのユーザー名について述べたが、ユーザー名以外の他の項目(ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名およびメールアドレスなど)についても、液晶表示部11は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるとき、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【0073】
以下に、図12のフローを参照して、ログインユーザーからユーザー情報の再入力を受け付けるときの動作について説明する。
【0074】
まず、図12のフローのスタート時点では、所定のユーザーによってユーザー登録が既に行われているとする。すなわち、所定のユーザーのユーザー情報(ユーザー名、ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名およびメールアドレスなど)が記憶部113に記憶されているとする。そして、所定のユーザーがログインした後で、ログインユーザー(ログインした所定のユーザー)からユーザー情報の再入力を受け付けるときに、図12のフローがスタートする。
【0075】
ステップS1において、表示制御部17は、再入力を受け付けるユーザー情報と同一の登録済みのユーザー情報(記憶部113に記憶されたユーザー情報)を参照し、その登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種を判別する。
【0076】
たとえば、ユーザー名の再入力を受け付けるのであれば、表示制御部17は、再入力を受け付けるユーザー名と同一の登録済みのユーザー名(ログインユーザーのユーザー名)の1文字目の文字種を判別する。
【0077】
ステップS2において、液晶表示部11は、表示制御部17によって判別された文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【0078】
たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「kyoto」であるとする。この場合、液晶表示部11は、小文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図7参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。すなわち、ユーザー名の再入力受付時の初期画面の設定をデフォルトのままにしておく。
【0079】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「Kyoto」であるとする。この場合、液晶表示部11は、大文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図8参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
(図8参照)
【0080】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「0123」であるとする。この場合、液晶表示部11は、数字や記号に対応するキーボード画面KB(図9参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0081】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の1文字目がダイアクリティカルマーク付きの文字であるとする。この場合、液晶表示部11は、ダイアクリティカルマーク付きの文字に対応するキーボード画面KB(図10参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0082】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「きょうと」であるとする。この場合、液晶表示部11は、ローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0083】
そして、ステップS3において、液晶表示部11は、ユーザー情報の再入力を受け付ける。すなわち、ユーザーは、キーボード画面KBの入力欄Cにユーザー情報を再入力した後、確定キーSK5を押下する。
【0084】
なお、たとえば、「kyoto」、「0123」および「きょうと」などの文字列をユーザー名として登録していれば、ユーザーは、キーボード画面KBを切り替えることなくユーザー名の入力を終えることができる。ただし、ユーザー名として「Kyoto」という文字列を登録していれば、ユーザーは、1文字目の「K」を入力した後、キーボード画面KBの切り替えキーSK6を押下し、大文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図8参照)から、小文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図7参照)に切り替える。
【0085】
ステップ3からステップS4に移行すると、表示制御部17は、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が有るか否かを判断する。そして、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が無い場合には、ユーザー情報の再入力の受け付けを終了する。
【0086】
その一方、ステップS4において、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が有る場合には、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が無くなるまで、ステップS1〜S4の処理を繰り返す。
【0087】
たとえば、ユーザー情報に複数の項目(ユーザー名、ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名およびメールアドレスなど)が含まれ、複数の項目の再入力を続けて受け付けるとする。この場合、液晶表示部11は、複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBに切り替える。すなわち、ユーザー名の再入力受付時の初期画面がローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)であったとしても、ログインユーザー名の再入力受付時の初期画面が小文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図7参照)になる場合もある。
【0088】
本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。これにより、ユーザーからすると、ユーザー情報の再入力を行うときに、1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBが初期画面として液晶表示部11に表示されるので、少なくとも1文字目の入力に際しては、液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBの切り替え操作を行わなくても良くなる。すなわち、この実施形態では、ユーザー情報の再入力を受け付けるときに、ユーザーが行う操作(液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBの切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、登録済みの複数の項目と同一の複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBに切り替える。このように構成すれば、ユーザー情報に複数の項目が含まれており、それら複数の項目の再入力をそれぞれユーザーから受け付ける場合であったとしても、ユーザーが行う操作(液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBの切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、ユーザーがログインした後で、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。このように構成すれば、ユーザーからすると、ログインのための操作を行う(自身のユーザー情報を予め登録する)だけで、ユーザー情報の再入力に係わる操作を減らすことができるので、利便性が良い。
【0091】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0092】
11 液晶表示部(操作表示部)
18 記憶部
100 画像形成装置
101 操作パネル(文字入力装置)
KB キーボード画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な文字種で文字入力が可能な文字入力装置が知られている。このような文字入力装置は、たとえば、画像形成装置などに備えられている(たとえば、特許文献1参照)。なお、画像形成装置に備えられる文字入力装置は、操作パネル(あるいは、操作部)などと称されている。
【0003】
特許文献1では、文字入力をユーザーから受け付ける際に、キーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を操作パネルに表示するようにしている。これにより、ユーザーは、ソフトウェアキーボードを使って、文字入力を行うことができる。また、特許文献1では、単にキーボード画面を操作パネルに表示するだけでなく、アルファベットの入力をユーザーから受け付ける場合には、アルファベットの入力が可能なキーボード画面を初期画面として表示し、数字の入力をユーザーから受け付ける場合には、数字の入力が可能なキーボード画面を初期画面として表示するようにしている。すなわち、特許文献1では、文字入力の受付時に初期画面として表示するキーボー画面の種類(入力可能な文字種)が予め設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−133816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置においては、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力をユーザーに要求する場合がある。ここで、ユーザー情報とは、アルファベットや数字などを含む文字列によって示される情報である。たとえば、ユーザー情報の一例としてはユーザー名などが挙げられ、アルファベットだけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーもいれば、数字だけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーもいる。この場合、ユーザー情報の入力受付時の初期画面として表示されるキーボード画面の種類(入力可能な文字種)が予め設定されていると、以下のような不都合が生じる。
【0006】
たとえば、ユーザー名の入力受付時の初期画面として表示されるのがアルファベット用のキーボード画面であるとする。この場合、アルファベットだけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーは、初期画面として表示されたアルファベット用のキーボード画面のままでユーザー名の再入力を行うことができる。その一方、数字だけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーは、アルファベット用のキーボード画面から数字用のキーボード画面に切り替えなければ、ユーザー名の再入力を行うことができない。すなわち、数字だけの文字列をユーザー名として登録しているユーザーからすると、ユーザー名の再入力に際して行わなければならない操作(表示されるキーボード画面を切り替える操作)が多くなるので、利便性が悪い。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能な文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の文字入力装置は、入力可能な文字種が互いに異なる複数のキーボード画面を切り替え表示し、ユーザー情報を示す文字列の入力を受け付ける操作表示部と、複数のキーボード画面を表示するための画面情報が記憶されているとともに、操作表示部が入力を受け付けたユーザー情報を記憶する記憶部と、を備えている。そして、操作表示部は、記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0009】
本発明の構成によると、操作表示部は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示する。これにより、ユーザーからすると、ユーザー情報の再入力を行うときに、1文字目の文字種に対応するキーボード画面が初期画面として操作表示部に表示されるので、少なくとも1文字目の入力に際しては、操作表示部に表示されるキーボード画面の切り替え操作を行わなくても良くなる(1文字目の入力を素早く行うことができる)。すなわち、本発明の構成では、ユーザー情報の再入力を受け付けるときに、ユーザーが行う操作(操作表示部に表示されるキーボード画面の切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0010】
上記した構成において、好ましくは、ユーザー情報は、複数の項目を含み、操作表示部は、記憶部に既に記憶された登録済みの複数の項目と同一の複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面に切り替える。このように構成すれば、ユーザー情報に複数の項目が含まれており、それら複数の項目の再入力をそれぞれユーザーから受け付ける場合であったとしても、ユーザーが行う操作(操作表示部に表示されるキーボード画面の切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができる。
【0011】
上記した構成において、好ましくは、ユーザー情報は、ログインするユーザーに関する情報であり、操作表示部は、ユーザーがログインした後で、記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示する。このように構成すれば、ユーザーからすると、ログインのための操作を行う(自身のユーザー情報を予め登録する)だけで、ユーザー情報の再入力に係わる操作を減らすことができるので、利便性が良い。
【0012】
また、本発明の画像形成装置は、上記した文字入力装置を備えている。このように構成すれば、画像形成装置を操作するユーザーの利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、ユーザーの利便性を向上させる(ユーザーが行う操作を減らす)ことが可能な文字入力装置およびそれを備えた画像形成装置を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による操作パネル(文字入力装置)を備えた画像形成装置の概略図
【図2】本発明の一実施形態による操作パネル(文字入力装置)の平面図
【図3】図1に示した画像形成装置の画像形成部を示した概略図
【図4】図1に示した画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図
【図5】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(ユーザー認証画面の図)
【図6】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(ユーザー登録画面の図)
【図7】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(小文字アルファベットを入力するためのキーボード画面の図)
【図8】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(大文字アルファベットを入力するためのキーボード画面の図)
【図9】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(数字・記号を入力するためのキーボード画面の図)
【図10】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(ダイアクリティカルマーク付きの文字を入力するためのキーボード画面の図)
【図11】図2に示した操作パネルに表示される画面の一例を示した図(日本語を入力するためのキーボード画面の図)
【図12】図2に示した操作パネルの動作(ログインユーザーからユーザー情報の再入力を受け付けるときの動作)を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。
【0016】
本実施形態の画像形成装置100は、たとえば、タンデム方式のカラー複合機であり、コピー、プリント、スキャナおよびファックスなどの複数種のジョブを実行することができる。また、画像形成装置100は、ログインしたユーザーにのみ装置の使用(または、特定の機能の使用)を許可する機能も有する。たとえば、ユーザーは、画像形成装置100の使用に際して、ログインのためのユーザー認証を受ける。そして、ログインしたユーザーは、与えられた権限の範囲内で画像形成装置100の使用が許可される。なお、ログインのためのユーザー認証については、後で詳細に述べる。
【0017】
この画像形成装置100の構成としては、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などを備える。
【0018】
操作パネル101は、文字入力装置に相当し、たとえば、図1中の破線で示された箇所に配置される。この操作パネル101には、図2に示すように、操作表示部としての液晶表示部11が設けられている。液晶表示部11には、各種設定などを行うためのメニューおよび設定キー(ソフトキー)が表示されるとともに、装置状態などを示すメッセージも表示される。そして、ユーザーは、液晶表示部11に表示された設定キーを押下することで、各種設定などを行うことができる。なお、液晶表示部11は、その表示面がタッチパネルで覆われた形態をとる。これにより、液晶表示部11に表示された設定キーがユーザーによって押下されたとき(タッチパネルが押下されたとき)、タッチパネルの出力に基づいて押下位置の座標を検出できるようになっている。
【0019】
また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーが設けられている。テンキー12は、数値入力が必要な設定指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。スタートキー13は、各種ジョブの実行開始の指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。
【0020】
さらに、操作パネル101には、コピーキー14、送信キー15およびボックスキー16などのハードキーも設けられている。そして、コピーキー14がユーザーによって押下されると、コピーを利用する上で必要な設定キーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。送信キー15がユーザーによって押下されると、スキャナおよびファックスを利用する上で必要な設定キーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。ボックスキー16がユーザーによって押下されると、ボックスを利用する上で必要な設定キーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。なお、ボックスというのは、ボックスと呼ばれる所定の保存領域(たとえば、後述する記憶部113に設けられたフォルダ)に画像データなどを保存しておくジョブである。
【0021】
図1に戻って、画像読取部102は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。この画像読取部102は、コンタクトガラス21に載置される原稿にビームを照射し、その原稿の反射ビームを受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。これにより、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー)。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる(スキャナ)。なお、画像読取部102による原稿の読み取り時には、コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えることができる。
【0022】
給紙部103は、記録媒体としての用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。また、この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
【0023】
搬送路104は、装置内部において用紙Pを搬送するものである。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、中間転写部106および定着部107をこの順番で通過して排出トレイ109に導かれる。この搬送路104には、用紙Pを中間転写部106の手前で待機させ、タイミングを合わせて中間転写部106に送り出すレジストローラー対41などが設けられている。
【0024】
画像形成部105は、画像データに基づいてトナー像を形成するものであって、4色分の画像形成部50(ブラックのトナー像を形成する画像形成部50Bk、イエローのトナー像を形成する画像形成部50Y、シアンのトナー像を形成する画像形成部50C、および、マゼンダのトナー像を形成する画像形成部50M)と、露光装置5とを備えている。なお、画像形成部50Bk、50Y、50Cおよび50Mは、互いに異なる色のトナー像を形成するが、いずれも基本的に同様の構成である。したがって、以下の説明では、各色を表す符号(Bk、Y、CおよびM)を省略する。
【0025】
各画像形成部50のそれぞれは、図3に示すように、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3および清掃装置4を含んでいる。
【0026】
各感光体ドラム1は、外周面にトナー像を担持するものであって、外周面に感光層を有するとともに、周方向に回転可能に支持されている。各帯電装置2は、対応する感光体ドラム1を一定の電位で帯電させる。各現像装置3は、対応する色の現像剤を収容し、対応する感光体ドラム1にトナーを供給する。各清掃装置4は、対応する感光体ドラム1の清掃を行う。そして、各感光体ドラム1の外周面は、露光装置5によって露光される。これにより、各感光体ドラム1の外周面に静電潜像が形成される。
【0027】
露光装置5は、図示しないが、半導体レーザー素子、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、Fθレンズおよび反射ミラーなどを含む。なお、これら露光装置5の構成部材は、各色の画像形成部50に対して1セットずつ設けられていてもよい。あるいは、半導体レーザー素子、Fθレンズおよび反射ミラーのみを各色の画像形成部50に対して1セットずつ設け、ポリゴンミラーおよびポリゴンモーターについては2色分(または、4色分)の画像形成部50で共用してもよい。
【0028】
図1に戻って、中間転写部106は、画像形成部105からトナー像の1次転写を受けた後、用紙Pに2次転写を行う。中間転写部106は、中間転写ベルト61と、各画像形成部50にそれぞれ割り当てられた1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mとを少なくとも含んでいる。1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mは、対応する画像形成部50(具体的には、感光体ドラム1)との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
【0029】
また、中間転写部106は、駆動ローラー63および従動ローラー64も含んでいる。そして、駆動ローラー63および従動ローラー64は、1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mと共に、中間転写ベルト61を張架している。このため、駆動ローラー63が回転駆動すると、中間転写ベルト61が循環移動する。
【0030】
さらに、中間転写部106は、2次転写ローラー65も含んでいる。この2次転写ローラー65は、駆動ローラー63との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
【0031】
そして、各画像形成部50で形成されたトナー像は、転写用電圧が印加された1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mにより、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト61に1次転写される。すなわち、中間転写ベルト61にフルカラートナー像が転写される。その後、中間転写ベルト61に1次転写されたトナー像は、転写用電圧が印加された2次転写ローラー65により、用紙Pに2次転写される。
【0032】
また、中間転写部106は、ベルト清掃装置66も含んでいる。そして、このベルト清掃装置66によって、中間転写ベルト61から用紙Pへのトナー像の2次転写の後、中間転写ベルト61の清掃が行われる。
【0033】
定着部107は、用紙Pに2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させるものである。この定着部107は、発熱源を内蔵する定着ローラー71と、定着ローラー71に圧接される加圧ローラー72とを含んでいる。そして、トナー像が2次転写された用紙Pは、定着ローラー71と加圧ローラー72との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。
【0034】
そして、用紙Pは、定着部107を通過した後、排出トレイ109に排出される。これによって、画像形成処理が完了する。
【0035】
また、両面搬送路108は、両面印刷を可能とするものである。この両面搬送路108は、定着ローラー71および加圧ローラー72の下流側おいて搬送路104と分岐し、レジストローラー対41の上流側において搬送路104と合流している。そして、両面搬送路108には、搬送路104との分岐点に配置された切替爪81、排出トレイ109に繋がる排出口109aに配置されているとともに正逆回転の切り換えが可能な排出ローラー対82、および、用紙Pを搬送する搬送ローラー対83などが設けられている。
【0036】
両面印刷を行う場合、切替爪81は、両面搬送路108を閉じるポジションとなり、定着部107から送られた用紙Pを排出トレイ109に導く。また、排出ローラー対82は、ひとまず正回転して用紙Pの一部分を排出トレイ109に排出する。この後、排出ローラー対82は、用紙Pが排出ローラー対82を通過しきる前に逆回転する。このとき、切替爪81は、両面搬送路108を開く方向に回動する。これにより、片面印刷された用紙Pは、両面搬送路108に導かれる。
【0037】
両面搬送路108に導かれた用紙Pは、搬送ローラー対83により搬送され、レジストローラー対41の上流側に至る。そして、再び、中間転写部106から定着部107へと送られる。このときには、用紙Pの表裏が逆転しているので、用紙Pの裏面(未印刷面)に対して、2次転写処理および定着処理がなされる。そして、両面印刷が終わった用紙Pは、排出トレイ109に排出される。
【0038】
次に、図4を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
【0039】
画像形成装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含む。また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などと接続されている。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータに基づき、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのオン/オフを制御するエンジン制御部とに分割されていてもよい。
【0040】
記憶部113は、ROM113a、RAM113bおよびHDD113cなどの揮発性の記憶装置と不揮発性の記憶装置とを含む。そして、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータは、ROM113aに記憶され、RAM113bに展開される。
【0041】
記憶部113に記憶されるプログラムとしては、複数種のジョブをそれぞれ実行するための複数のアプリケーションプログラムがあり、たとえば、コピーを実行するためのコピーアプリ、プリントを実行するためのプリントアプリ、スキャナを実行するためのスキャナアプリ、ファックスを実行するためのファックスアプリ、および、ボックスを実行するためのボックスアプリなどが挙げられる。なお、これら基本的なジョブに対応したアプリ以外の種々のアプリが記憶されていてもよい。
【0042】
また、主制御部110は、通信部114と接続される。通信部114は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワーク(あるいは、ケーブル)を介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができる(プリント)。さらに、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる(スキャナ)。さらに、たとえば、通信部114にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる(ファックス)。
【0043】
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部17を有する。表示制御部17は、CPUやICなどからなり、液晶表示部11の表示動作を制御する。また、表示制御部17は、液晶表示部11(タッチパネル)に表示されたソフトキーがユーザーによって押下されると、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これによって、液晶表示部11に対してユーザーが押下した位置(選択したソフトキー)が特定される。たとえば、タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、記憶部18(あるいは、記憶部113)に記憶される。
【0044】
たとえば、ユーザーがコピーキー14を押下した場合、表示制御部17は、コピーに関する設定指示を受け付けるための設定画面(ソフトキーとしての設定キーやメッセージなどが配された画面)を液晶表示部11に表示させる。液晶表示部11に表示された設定キーをユーザーが押下すると、表示制御部17は、ユーザーによって押下された設定キーを検知し、その検知結果を主制御部110に出力する。これにより、コピーに関する設定内容が設定変更される。
【0045】
なお、設定画面を含む種々の操作画面を液晶表示部11に表示させるための操作画面データは、たとえば、記憶部18に記憶されている。そして、表示制御部17は、ユーザーが操作パネル101に対して行った操作に基づいて、液晶表示部11に表示すべき操作画面に応じたデータを記憶部18から読み出し、液晶表示部11に適切な操作画面を表示させる。
【0046】
そして、表示制御部17は、実行するジョブに関する設定指示をユーザーから受け付けた後、ソフトキーとしてのスタートキーを液晶表示部11に表示させる。これにより、ユーザーは、液晶表示部11に表示されたスタートキーを押下することによって、ジョブの実行を開始することができる。あるいは、ハードキーとしてのスタートキー13をユーザーが押下した場合にも、ジョブの実行が開始される。
【0047】
また、操作パネル101は、ログインのためのユーザー認証の入力操作(ログインユーザー名およびログインパスワードの入力操作)をユーザーから受け付ける。たとえば、ログインのためのユーザー認証の入力操作をユーザーから受け付けるとき、液晶表示部11は、図5に示すようなユーザー認証画面A(ログインユーザー名およびログインパスワードの入力操作をユーザーから受け付けるための画面)を表示する。
【0048】
ユーザー認証画面Aには、「キーボード」というソフトキーSK1およびSK2が設けられている。そして、液晶表示部11は、ソフトキーSK1がユーザーによって押下されると、ログインユーザー名の入力操作をユーザーから受け付けるためのキーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を表示し、ソフトキーSK2がユーザーによって押下されると、ログインパスワードの入力操作をユーザーから受け付けるためのキーボード画面を表示する。これにより、ユーザーは、ソフトウェアキーボードを操作し、ログインユーザー名およびログインパスワードの入力を行うことができる。なお、キーボード画面については、後に詳細に説明する。
【0049】
そして、ユーザーは、ログインユーザー名およびログインパスワードの入力を終えた後に、ユーザー認証画面Aの「ログイン」というソフトキーSK3を押下する。ソフトキーSK3がユーザーによって押下されると、表示制御部17(あるいは、主制御部110)は、ユーザー認証画面Aにて入力されたユーザー情報(ログインユーザー名およびログインパスワード)が認証可能なユーザー情報か否かを判断する。たとえば、表示制御部17は、ユーザー認証画面Aにて入力されたユーザー情報が予め登録されたユーザー情報と合致するか否かを判断し、合致した場合にログインを許可する。この表示制御部17による認証判断の基となるユーザー情報は、ユーザー自身によって予め登録され、記憶部113などに記憶される。
【0050】
なお、ユーザーは、ログアウトする場合、操作パネル101に設けられたログアウトキー19(図2参照)を押下する。
【0051】
また、たとえば、ユーザーは、自身のユーザー情報を登録する(ユーザー登録する)際に、操作パネル101に設けられたシステムメニューキー20(図2参照)を押下する。システムメニューキー20がユーザーによって押下されると、液晶表示部11は、ユーザー登録という項目を含む種々の設定項目を羅列表示する。そして、ユーザー登録をユーザーが選択(押下)すれば、液晶表示部11は、図6に示すようなユーザー登録画面Bを表示する。そして、ユーザーは、ユーザー登録画面Bに対して入力操作を行うことにより、ユーザー登録を行う。
【0052】
このときに登録可能な項目としては、ユーザー名、ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名、および、メールアドレスなどがある。これら各項目の登録に際して、ユーザーは、キーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を開く。たとえば、ユーザーがユーザー名欄を押下(選択)すると、液晶表示部11は、ユーザー名の登録(入力操作)を受け付けるためのキーボード画面を表示する。そして、ユーザーは、ソフトウェアキーボードを操作し、ユーザー名の入力を行う。なお、ユーザー名以外の他の項目についても、同様である。
【0053】
そして、ユーザーは、各項目の入力を終えた後、「登録」というソフトキーSK4を押下する。これにより、ユーザーによって入力されたユーザー情報が記憶部113に記憶され、ユーザー登録が完了する。
【0054】
ここで、液晶表示部11は、ユーザーの指示に応じて、入力可能な文字種が互いに異なる複数のキーボード画面(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を切り替え表示する。これにより、ユーザーは、自身の所望する文字種を使って、ユーザー情報を示す文字列を入力することができる。なお、複数のキーボード画面を液晶表示部11に表示するための画面情報は、記憶部113などに記憶される。
【0055】
たとえば、ユーザー登録画面Bにおいて、ユーザー名欄をユーザーが押下(選択)したとする。このとき、液晶表示部11は、記憶部113に記憶された複数のキーボード画面のうちから、ユーザー名の入力受付時の初期画面として予め設定されたキーボード画面を表示する。なお、ユーザー名の入力受付時の初期画面として予め設定されたキーボード画面は、図7に示すようなキーボード画面KBである。
【0056】
図7のキーボード画面KBには、主に小文字アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK1が設けられている。このキーボード画面KBが液晶表示部11に表示されると、ユーザーは、小文字アルファベットを使った文字列を入力することができる。言い換えると、ユーザーは、小文字アルファベットを使った文字列をユーザー名として登録することができる。
【0057】
たとえば、図7のキーボード画面KBにてユーザーが文字列を入力すると、その文字列が入力欄Cに表示される。続いて、ユーザーが確定キーSK5(OKキー)を押下することによって、ユーザー名の入力が終了する。すなわち、図6のユーザー登録画面Bのユーザー名欄に、図7のキーボード画面KBで入力したユーザー名が表示される。
【0058】
しかし、ユーザーによっては、小文字アルファベットだけではなく、大文字アルファベットも使った文字列をユーザー名として登録したいと考える場合もある。このため、キーボード画面KBには、入力可能な文字種を小文字から大文字(大文字から小文字)に切り替えるための切り替えキーSK6が設けられている。そして、ユーザーが切り替えキーSK6を押下すると、図8に示すようなキーボード画面KBが液晶表示部11に表示される。図8のキーボード画面KBには、主に大文字アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK2が設けられている。これにより、ユーザーは、大文字アルファベットを入力することができる。
【0059】
また、キーボード画面KBには、切り替えキーSK6に加えて、切り替えキーSK7も設けられている。この切り替えキーSK7をユーザーが押下すると、図9〜図11に示すようなキーボード画面KBが液晶表示部11に表示される。たとえば、切り替えキーSK7がユーザーによって押下される度に、図7(図8)→図9→図10→図11の順番で、液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBが切り替わる。そして、図11のキーボード画面KBの切り替えキーSK7がユーザーによって押下されると、図7(図8)のキーボード画面KBに戻る。
【0060】
図9のキーボード画面KBは、主に数字や記号を入力するための複数の文字入力キーK3が設けられている。これにより、ユーザーは、数字や記号を入力することができる。
【0061】
図10のキーボード画面KBには、主にダイアクリティカルマーク(たとえば、ウムラウト記号)が付された文字を入力するための複数の文字入力キーK4が設けられている。これにより、ユーザーは、ダイアクリティカルマーク付きの文字を入力することができる。なお、ダイアクリティカルマーク付きの文字は、ドイツ語圏やフランス語圏などで多用される文字である。
【0062】
図11のキーボード画面KBには、図7(図8)のキーボード画面KBと同様、アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK5が設けられている。ただし、図11のキーボード画面KBは、図7(図8)のキーボード画面KBとは異なり、ローマ字かな変換方式に対応している。すなわち、たとえば、ユーザーが「Kyouto」と入力すると、入力欄Cには、「きょうと」という日本語(ひらがな)の文字列が表示され、さらに、変換キーSK8が表示される。そして、ユーザーが変換キーSK8を押下すると、「きょうと」という日本語の文字列が漢字やカタカナに変換される。このとき、複数の変換候補が羅列されたリストが表示され、ユーザーは、所望の変換候補をリストから選択することができる。
【0063】
このように、ユーザーは、図6のユーザー登録画面Bにてユーザー名を入力する際、自身の所望する文字種に応じたキーボード画面KBを液晶表示部11に表示させ、そのキーボード画面KBを用いて入力を行う。これにより、ユーザーは、色々な文字種を使った文字列をユーザー名として登録することができる。
【0064】
また、図6のユーザー登録画面Bにおいて、ユーザー名欄以外の他の項目欄がユーザーによって押下(選択)された場合にも、液晶表示部11は、入力受付時の初期画面として予め設定されたキーボード画面KBを表示する。なお、通常では、ユーザー名以外の他の項目についても、図7のキーボード画面KB(主に小文字アルファベットを入力するための複数の文字入力キーK1が設けられた画面)が入力受付時の初期画面として設定されていることが多い。
【0065】
なお、図5のユーザー認証画面Aにおいて、ソフトキーSK1およびSK2がユーザーによって押下されたときにも、液晶表示部11は、初期画面として、図7のキーボード画面KBを表示する。
【0066】
ところで、ユーザーは、ログインしている状態であっても、キーボード画面KB(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を開き、ソフトウェアキーボードを操作してユーザー情報を再入力することがある。たとえば、自身のアドレス帳を登録する際や、複数のアドレス帳から自身のアドレス帳を検索する際などに、ユーザー情報(ユーザー名やパスワードなど)を再入力する場合がある。また、何らかのデータを外部装置(サーバーなど)に送信する際、送信先によっては、ユーザー情報(ユーザー名やパスワードなど)の再入力を要求される場合がある。
【0067】
このような場合、ユーザー情報の入力受付時の初期画面の設定がデフォルトのままであると、以下のような不都合が生じる。
【0068】
たとえば、ユーザー名を日本語で登録したユーザーがログインしており、そのログインしたユーザー(以下、単にログインユーザーと言う)が何らかの操作をしているときに、ユーザー名の再入力が必要になったとする。このとき、ログインユーザーは、キーボード画面KB(ソフトウェアキーボードが設けられた画面)を開いてからユーザー名の入力を行う。しかし、ユーザー名の入力受付時の初期画面として設定されているのは、主に小文字アルファベットを入力するためのキーボード画面KB(図7参照)である。したがって、ログインユーザーは、日本語のユーザー名を入力するために、切り替えキーSK7を何回か押下することによって、ローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)を開かなければならない。すなわち、煩雑な操作(切り替えキーSK7を何回か押下する操作)をログインユーザーに行ってもらう必要が生じるので、ユーザーの利便性が悪くなってしまう。
【0069】
そこで、本実施形態では、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力をログインユーザーから受け付けるとき、再入力を受け付けるユーザー情報と同一の登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に応じて、再入力受付時の初期画面を変更する。具体的に言うと、表示制御部17は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力をログインユーザーから受け付けるとき、再入力を受け付けるユーザー情報と同一の登録済みのユーザー情報を参照し、その登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種を判別する。そして、液晶表示部11は、表示制御部17によって判別された文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【0070】
たとえば、ログインユーザーが自身のユーザー名を日本語で登録していたとする。すなわち、ログインユーザーの登録済みのユーザー名を成す全ての文字が日本語であったとする。この場合、表示制御部17は、ログインユーザーの登録済みのユーザー名の1文字目の文字種が日本語であると判別する。したがって、液晶表示部11は、ローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。これにより、ログインユーザーは、ユーザー名の再入力を行う際、キーボード画面KBを切り替える必要がなくなる。
【0071】
また、別の例として、ログインユーザーの登録済みのユーザー名に複数の文字種が含まれていることもある。たとえば、ユーザー名の1文字目が大文字アルファベットで2文字目以降が小文字アルファベットとなっている場合が多々ある。この場合には、ログインユーザーの登録済みのユーザー名の1文字目の文字種が大文字アルファベットであるので、ユーザー名の再入力受付時の初期画面としては、主に大文字アルファベットを入力するためのキーボード画面KB(図8参照)となる。したがって、ログインユーザーは、ユーザー名の再入力を行う際、少なくとも1文字目を入力するときについては、キーボード画面KBを切り替える必要がなくなる。ただし、2文字目以降の入力に際しては、キーボード画面KBを切り替えなければならない。
【0072】
なお、ここでは、ユーザー情報に含まれる複数の項目のうちのユーザー名について述べたが、ユーザー名以外の他の項目(ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名およびメールアドレスなど)についても、液晶表示部11は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるとき、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【0073】
以下に、図12のフローを参照して、ログインユーザーからユーザー情報の再入力を受け付けるときの動作について説明する。
【0074】
まず、図12のフローのスタート時点では、所定のユーザーによってユーザー登録が既に行われているとする。すなわち、所定のユーザーのユーザー情報(ユーザー名、ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名およびメールアドレスなど)が記憶部113に記憶されているとする。そして、所定のユーザーがログインした後で、ログインユーザー(ログインした所定のユーザー)からユーザー情報の再入力を受け付けるときに、図12のフローがスタートする。
【0075】
ステップS1において、表示制御部17は、再入力を受け付けるユーザー情報と同一の登録済みのユーザー情報(記憶部113に記憶されたユーザー情報)を参照し、その登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種を判別する。
【0076】
たとえば、ユーザー名の再入力を受け付けるのであれば、表示制御部17は、再入力を受け付けるユーザー名と同一の登録済みのユーザー名(ログインユーザーのユーザー名)の1文字目の文字種を判別する。
【0077】
ステップS2において、液晶表示部11は、表示制御部17によって判別された文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。
【0078】
たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「kyoto」であるとする。この場合、液晶表示部11は、小文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図7参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。すなわち、ユーザー名の再入力受付時の初期画面の設定をデフォルトのままにしておく。
【0079】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「Kyoto」であるとする。この場合、液晶表示部11は、大文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図8参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
(図8参照)
【0080】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「0123」であるとする。この場合、液晶表示部11は、数字や記号に対応するキーボード画面KB(図9参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0081】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の1文字目がダイアクリティカルマーク付きの文字であるとする。この場合、液晶表示部11は、ダイアクリティカルマーク付きの文字に対応するキーボード画面KB(図10参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0082】
また、たとえば、登録済みのユーザー名の文字列が「きょうと」であるとする。この場合、液晶表示部11は、ローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)を再入力受付時の初期画面として表示する。
【0083】
そして、ステップS3において、液晶表示部11は、ユーザー情報の再入力を受け付ける。すなわち、ユーザーは、キーボード画面KBの入力欄Cにユーザー情報を再入力した後、確定キーSK5を押下する。
【0084】
なお、たとえば、「kyoto」、「0123」および「きょうと」などの文字列をユーザー名として登録していれば、ユーザーは、キーボード画面KBを切り替えることなくユーザー名の入力を終えることができる。ただし、ユーザー名として「Kyoto」という文字列を登録していれば、ユーザーは、1文字目の「K」を入力した後、キーボード画面KBの切り替えキーSK6を押下し、大文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図8参照)から、小文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図7参照)に切り替える。
【0085】
ステップ3からステップS4に移行すると、表示制御部17は、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が有るか否かを判断する。そして、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が無い場合には、ユーザー情報の再入力の受け付けを終了する。
【0086】
その一方、ステップS4において、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が有る場合には、続けて再入力を受け付けるユーザー情報が無くなるまで、ステップS1〜S4の処理を繰り返す。
【0087】
たとえば、ユーザー情報に複数の項目(ユーザー名、ログインユーザー名、ログインパスワード、部門名およびメールアドレスなど)が含まれ、複数の項目の再入力を続けて受け付けるとする。この場合、液晶表示部11は、複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBに切り替える。すなわち、ユーザー名の再入力受付時の初期画面がローマ字かな変換方式に対応したキーボー画面KB(図11参照)であったとしても、ログインユーザー名の再入力受付時の初期画面が小文字アルファベットに対応するキーボード画面KB(図7参照)になる場合もある。
【0088】
本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。これにより、ユーザーからすると、ユーザー情報の再入力を行うときに、1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBが初期画面として液晶表示部11に表示されるので、少なくとも1文字目の入力に際しては、液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBの切り替え操作を行わなくても良くなる。すなわち、この実施形態では、ユーザー情報の再入力を受け付けるときに、ユーザーが行う操作(液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBの切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができるので、ユーザーの利便性が向上する。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、登録済みの複数の項目と同一の複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBに切り替える。このように構成すれば、ユーザー情報に複数の項目が含まれており、それら複数の項目の再入力をそれぞれユーザーから受け付ける場合であったとしても、ユーザーが行う操作(液晶表示部11に表示されるキーボード画面KBの切り替え操作)を減らす、あるいは、無くすことができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、ユーザーがログインした後で、登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面KBを再入力受付時の初期画面として表示する。このように構成すれば、ユーザーからすると、ログインのための操作を行う(自身のユーザー情報を予め登録する)だけで、ユーザー情報の再入力に係わる操作を減らすことができるので、利便性が良い。
【0091】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0092】
11 液晶表示部(操作表示部)
18 記憶部
100 画像形成装置
101 操作パネル(文字入力装置)
KB キーボード画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力可能な文字種が互いに異なる複数のキーボード画面を切り替え表示し、ユーザー情報を示す文字列の入力を受け付ける操作表示部と、
前記複数のキーボード画面を表示するための画面情報が記憶されているとともに、前記操作表示部が入力を受け付けたユーザー情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記操作表示部は、前記記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示することを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
前記ユーザー情報は、複数の項目を含み、
前記操作表示部は、前記記憶部に既に記憶された登録済みの複数の項目と同一の複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記ユーザー情報は、ログインするユーザーに関する情報であり、
前記操作表示部は、ユーザーがログインした後で、前記記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示することを特徴とする請求項1または2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の文字入力装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
入力可能な文字種が互いに異なる複数のキーボード画面を切り替え表示し、ユーザー情報を示す文字列の入力を受け付ける操作表示部と、
前記複数のキーボード画面を表示するための画面情報が記憶されているとともに、前記操作表示部が入力を受け付けたユーザー情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記操作表示部は、前記記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示することを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
前記ユーザー情報は、複数の項目を含み、
前記操作表示部は、前記記憶部に既に記憶された登録済みの複数の項目と同一の複数の項目の再入力をそれぞれ受け付ける度に、再入力受付時の初期画面を、現時点で再入力を受け付ける項目と同一の登録済みの項目の1文字目の文字種に対応するキーボード画面に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記ユーザー情報は、ログインするユーザーに関する情報であり、
前記操作表示部は、ユーザーがログインした後で、前記記憶部に既に記憶された登録済みのユーザー情報と同一のユーザー情報の再入力を受け付けるときに、登録済みのユーザー情報の1文字目の文字種に対応するキーボード画面を再入力受付時の初期画面として表示することを特徴とする請求項1または2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の文字入力装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−27005(P2013−27005A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162992(P2011−162992)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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