説明

文字入力装置

【課題】補助キーと文字キーとを組み合わせて文字入力の操作を行う場合に、各キーを操作しやすい文字入力装置を提供する。
【解決手段】筐体の上面に配置され、それぞれ複数の文字が割り当てられる複数の文字キーと、各文字キーに割り当てられる複数の文字のうちの一つの文字を入力するために、当該文字キーとともに操作される補助キーと、を備え、補助キーの少なくとも一つは、筐体の側面に配置される文字入力装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがキーを操作して文字を入力するための文字入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の文字キーを用いて文字を入力するキーパッドなどの文字入力装置がある。このような装置においては、入力したい全ての文字種に一つずつ対応する文字キーを設けるのは非効率なので、一つの文字キーに複数の文字が割り当てられることが一般的である。この場合、ユーザは、補助キーと文字キーとを組み合わせて使用することにより、一つの文字キーに割り当てられる複数の文字それぞれを入力することが可能となる。具体的に、例えば文字C1、C2及びC3が割り当てられる一つの文字キーと、2種類の補助キーF1及びF2と、がある場合、ユーザは当該文字キーを単独で押下することにより、文字C1を入力する。また、補助キーF1を押しながら当該文字キーを押すことで文字C2を、補助キーF2を押しながら当該文字キーを押すことで文字C3を、それぞれ入力することができる。なお、補助キーと文字キーとは必ず一緒に押下されるとは限らない。すなわち、先に補助キーを押してから、その後続いて文字キーを押す操作によって、両者の組み合わせによって特定される文字の入力が実現されてもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えばユーザが文字入力装置を手で把持して使用する場合など、両手全ての指を文字キーや補助キーを押下して操作するために使用できない場合がある。また、ユーザそれぞれの利き手(右利きか左利きか)や手の大きさなどには個人差があり、人によって操作しやすいキーの位置も変わってくる。このような各種の事情から、各キーが配置される位置によっては、補助キーと文字キーとを組み合わせた文字入力の操作を実行し難い場合がある。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、補助キーと文字キーとを組み合わせて文字入力の操作を行う場合に、各キーを操作しやすい文字入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明に係る文字入力装置は、筐体の上面に配置され、それぞれ複数の文字が割り当てられる複数の文字キーと、前記各文字キーに割り当てられる複数の文字のうちの一つの文字を入力するために、当該文字キーとともに操作される補助キーと、を備える文字入力装置であって、前記補助キーは、前記筐体の側面に配置されることを特徴とする。
【0006】
また、上記文字入力装置において、前記補助キーは、前記筐体の隣接する2つの側面にまたがって配置されることとしてもよい。
【0007】
また、上記文字入力装置において、前記筐体の上面には、前記筐体の側面に配置される補助キーと同じ機能を実現する別の補助キーがさらに配置されることとしてもよい。
【0008】
さらに、前記筐体の側面に配置される補助キーと、前記筐体の上面に配置される別の補助キーと、は、前記複数の文字キーが配置される領域の中心に対してユーザから見て互いに左右逆側の位置に配置されてもよい。
【0009】
また、上記文字入力装置において、前記筐体の側面に配置される補助キーと、前記筐体の上面に配置される別の補助キーと、は、前記複数の文字キーが配置される領域の中心に対してユーザから見て互いに前後逆側の位置に配置されることとしてもよい。
【0010】
また、前記文字入力装置は、ユーザが手で把持するための把持部を備える基台に取り付けられ、前記複数の文字キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、当該把持した手のいずれかの指で操作可能な位置に配置され、前記補助キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、前記複数の文字キーを操作可能な指とは別の指で操作可能な位置に配置されることとしてもよい。
【0011】
あるいは、前記文字入力装置は、ユーザが手で把持するための把持部を備え、前記複数の文字キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、当該把持した手のいずれかの指で操作可能な位置に配置され、前記補助キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、前記複数の文字キーを操作可能な指とは別の指で操作可能な位置に配置されることとしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る別の文字入力装置は、筐体の表面に配置され、それぞれ複数の文字が割り当てられる複数の文字キーと、前記各文字キーに割り当てられる複数の文字のうちの一つの文字を入力するために、当該文字キーと組み合わせて操作される補助キーであって、互いに同じ機能を実現する2個の補助キーと、を備える文字入力装置であって、前記2個の補助キーは、前記複数の文字が配置される領域の中心に対して、ユーザから見て、互いに左右逆側でかつ前後も逆側となる位置に配置されることを特徴とする。
【0013】
さらに、上記文字入力装置は、前記各文字キーに割り当てられる複数の文字のうち、前記一つの文字とは別の文字を入力するために当該文字キーと組み合わせて操作される補助キーであって、互いに同じ機能を実現する、前記2個の補助キーとは別の種類の2個の補助キーをさらに含み、前記別の種類の2個の補助キーは、前記複数の文字が配置される領域の中心を通り、ユーザから見て左右方向及び前後方向にそれぞれ延伸する2本の直線によって分割される領域のうち、互いに異なる領域で、かつ前記一つの文字の入力に用いられる2個の補助キーが配置される領域とは異なる領域に配置されることとしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るキーパッド(文字入力装置)1の外観を示す斜視図である。また、図2は、キーパッド1を上方から見た様子を示す平面図である。
【0016】
これらの図に示されるように、このキーパッド1の筐体を構成する本体部10は、平面的に見て、横長の略長方形状の部分と、その手前側に位置する略逆三角形状の部分と、が一体的に連結した形状をしており、全体として略平板状になっている。
【0017】
本体部10の上側の表面(上面)には、複数のキーが配列されている。具体的には、本体部10上面の中央部分を占める文字キー配置領域A0(図2において破線に囲まれる領域)内に、複数の文字キー11が整列して配置されている。これらの文字キー11には、それぞれ複数の文字が割り当てられており、この割り当てられた文字の入力に使用される。なお、文字キー11によって入力される文字には、例えば空白、改行、タブ、エスケープ、バックスペースなど、それぞれ固有の文字コードが割り当てられる制御文字が含まれてもよい。後に説明するように、ユーザは、図2における紙面下側が手前側、紙面上側が奥側となるような位置関係で、キーパッド1を使用する。そのため、各文字キー11の表面あるいはその周囲の本体部10表面には、図2の紙面上側が文字の上になるような向きで、各文字キー11に割り当てられた文字が印字されてもよい。
【0018】
また、本体部10の上面には、文字キー11と組み合わせて文字入力に使用される2個の補助キー12、それぞれ特別の機能が割り当てられた複数の機能キー13、並びに文字キー11と組み合わせてアルファベットの大文字/小文字の切り替え等に用いられる2個のシフトキー14a及び14bも配置されている。なお、図2にも示されるように、一部の機能キー13は文字キー配置領域A0内に配置されてもよい。さらに本実施形態では、本体部10の側面にも2個の補助キー12が配置されている。具体的に、これら2個の補助キー12は、本体部10を背面(すなわちユーザから見て奥側の側面)側から見たときに左右両端に位置するように配置されている。また、いずれの補助キー12も、本体部10背面と隣接する側面である右側面又は左側面にまたがって、平面的に見て本体部10の角の部分に配置されており、本体部10の角隅部を構成している。また、これらの補助キー12は、側面から見て底面側(下側)に配置されている。これら補助キー12の配置及び使用方法については、後に詳しく説明する。
【0019】
本体部10の底面からは、第1保持部15及び第2保持部16が突出して設けられている。第1保持部15及び第2保持部16は、いずれも側面から見て略L字状に形成され、そのL字の先端部分が互いに向きあうように、対向して配置されている。具体的に、第2保持部16は本体部10と一体的に形成されており、第1保持部15は、本体部10とは別体の部材によって構成され、本体部10底面に対して、前後方向(すなわち第2保持部16の先端部に近づく方向及び遠ざかる方向)に回転可能に接続されている。
【0020】
ここで、各補助キー12の配置について、説明する。これらの補助キー12は、いずれも文字キー11と組み合わせて操作されることにより、各文字キー11に割り当てられる複数の文字のうちのいずれか一つの文字を入力するために使用される。本実施形態では、キーパッド1は、補助キー12として、第1オレンジキー12o1、第2オレンジキー12o2、第1ブルーキー12b1、及び第2ブルーキー12b2を備えており、これらの補助キー12は文字キー配置領域A0の外周に沿って配置されている。
【0021】
これら4個の補助キー12は、互いに同じ機能を実現する2個の補助キー12の組を、2組含んで構成される。すなわち、第1オレンジキー12o1と第2オレンジキー12o2、及び第1ブルーキー12b1と第2ブルーキー12b2は、それぞれ互いに同じ機能を実現する同種の補助キー12であって、ある一つの文字を入力するために補助キー12を操作する必要がある場合には、同じ組に属する2個の補助キー12のうち、いずれか一方を操作すればよい。そのため、同じ組に属する2個の補助キー12を、同時に使用する必要はないことになる。
【0022】
互いに同じ機能を実現する第1オレンジキー12o1と第2オレンジキー12o2とは、その一方が本体部10上面に、他方が本体部10側面に配置されている。さらに、これら2個の補助キー12は、文字キー配置領域A0の中心位置Pに対して、ユーザから見て互いに左右逆側の位置になるよう配置されている。すなわち、キーパッド1を平面的に見た際の左右方向の中心線L1に対して、第1オレンジキー12o1は向かって右側に、第2オレンジキー12o2は逆に向かって左側に、それぞれ配置されている。また、この2個の補助キー12は、文字キー配置領域A0の中心位置Pに対して、ユーザから見て互いに前後逆側の位置になるようにも配置されている。すなわち、中心位置Pを通り左右方向の中心線L1に略直交する直線L2に対して、第1オレンジキー12o1はユーザから見て手前側に、第2オレンジキー12o2はユーザから見て奥側に、それぞれ配置されている。そのため、この第1オレンジキー12o1と第2オレンジキー12o2の位置は、文字キー配置領域A0の周囲の外周領域において、文字キー配置領域A0の中心位置Pを挟んで互いに略反対側の位置にもなっている。
【0023】
同様に、第1ブルーキー12b1及び第2ブルーキー12b2も、その一方が本体部10上面に、他方が本体部10側面に配置されるとともに、文字キー配置領域A0の中心位置Pに対して、ユーザから見て互いに左右逆側でかつ前後も逆側となる位置に配置されている。さらに、これら2個のブルーキー12b1及び12b2の組は、これとは別の種類の補助キー12であるオレンジキー12o1及び12o2の組とは互い違いに配置されており、本体部10上面に配置されるキーと本体部10側面に配置されるキーとの関係が、左右逆になっている。すなわち、本体部10上面に配置される第1オレンジキー12o1は、同じく本体部10上面に配置される第1ブルーキー12b1と、互いに左右逆側の位置に配置される。また、本体部10側面に配置される第2オレンジキー12o2及び第2ブルーキー12b2も、互いに左右逆側の位置に配置されている。それゆえ、これら4個の補助キー12は、中心位置Pを通り、ユーザから見て左右方向及び前後方向にそれぞれ延伸する2本の直線L1及びL2によってキーパッド1を分割してなる本体部10表面の4個の領域のそれぞれに配置されることになる。すなわち、これら4個の領域のうち、中心位置Pに対して右上の領域A1に第2ブルーキー12b2が、右下の領域A2に第1オレンジキー12o1が、左下の領域A3に第1ブルーキー12b1が、左上の領域A4に第2オレンジキー12o2が、それぞれ配置されており、これら2組4個の補助キー12は互いに異なる領域に配置されることになる。また、これら2組の補助キー12の配置は、同じ組の補助キー12同士を結ぶ直線が、文字キー配置領域A0の中心位置P近傍で交差する配置にもなっている。
【0024】
本実施形態では、キーパッド1は、基台として機能する家庭用ゲーム機のコントローラ2に取り付けられた状態で使用される。図3は、コントローラ2の外観を示す斜視図である。同図に示されるように、コントローラ2は、横長の本体部分に対して、その左右から手前側に突出する把持部20R,20Lを有している。ユーザは、これら把持部20をそれぞれ左右の手で把持してコントローラ2を使用する。
【0025】
コントローラ2上面右側の、ユーザが把持部20Rを右手で把持した状態でその親指により操作可能な位置には、複数のボタンが設けられた第1操作部21、及びアナログ操作部23Rが設けられている。また、コントローラ2上面左側の、ユーザが把持部20Lを左手で把持して親指により操作可能な位置には、複数のボタンが設けられた第2操作部22、及びアナログ操作部23Lが設けられている。ユーザは第1操作部21及び第2操作部22に設けられた各ボタンを押下したり、アナログ操作部23R及び23Lを傾けたりすることで、コントローラ2を用いて各種の操作入力を実行できる。
【0026】
さらに、このコントローラ2上面の中央近傍には、複数のボタン25が配置されている。また、コントローラ2の背面(奥側の側面)において、ユーザが各把持部20R、20Lを左右の手で把持した状態において例えば各手の人差し指等で操作可能な位置にも、複数のボタン26が配置されている。これらのボタンも、ユーザの操作入力に用いられてよい。
【0027】
前述したように、キーパッド1は、コントローラ2に取り付けられた状態で使用される。具体的には、キーパッド1の本体部10底面の一部領域がコントローラ2上面の一部領域に重ね合わされて、キーパッド1の底面から突出する第1保持部15及び第2保持部16が、コントローラ2の側面を、それぞれ奥側及びその反対側(すなわち手前側)から挟み込むことによって、キーパッド1はコントローラ2に固定される。このようなキーパッド1のコントローラ2への取り付けは、第1保持部15が前後方向に回転することによって実現される。図4は、コントローラ2に対してキーパッド1が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0028】
このようにキーパッド1が取り付けられることにより、本体部10上面に配置された文字キー11、2個の補助キー12、機能キー13、シフトキー14a、及びシフトキー14bは、コントローラ2の把持部20R及び20Lをユーザが両手で把持した状態で、両手の親指で操作可能な領域に位置することになる。すなわち、ユーザはコントローラ2の把持部20R及び20Lを両手で把持しながら、両手の親指で本体部10上面に配列された各キーを押下することができる。一方、本体部10の側面に設けられた第2オレンジキー12o2及び第2ブルーキー12b2に対しては、把持部20R及び20Lを両手で把持した状態ではユーザの親指は届かないが、それとは異なる指(例えば人差し指や中指など)で、ユーザはこの2個の補助キー12を押下する操作入力を実行できる。特に、これらの補助キー12は前述したように互いに隣接する2つの側面にまたがって屈曲しており、ユーザが把持部20R及び20Lを把持して人差し指や中指を伸ばしたときにおける、これらの指の曲がりに沿った形状となっている。そのため、これらの補助キー12に両手の人差し指などを添えて操作しやすくなっている。また、ユーザは、一方の手で把持部20R及び20Lのいずれかを把持しながら、他方の手の指で本体部10の上面や側面に配置された各キー、並びにコントローラ2に設けられた各ボタンやアナログ操作部23R及び23Lなどを操作してもよい。
【0029】
なお、これらの図に示されるように、キーパッド1は、その底面のうちの略逆三角形状に形成された部分がコントローラ2の中央近傍の領域に重ね合わされることによって、コントローラ2に取り付けられている。そのため、コントローラ2の中央近傍に設けられた複数のボタン25は、キーパッド1に覆われて隠れてしまう。そこで、キーパッド1上面には、文字キー11や補助キー12、機能キー13、シフトキー14a及び14bとは別に、コントローラ2に取り付けた場合に各ボタン25の上方に対応する位置に、複数のボタン17が配置されている。これらのボタン17それぞれの裏側には、キーパッド1の本体部10を貫通して底面まで延びる連絡部材が接続されており、ユーザが各ボタン17を押下することによって、押下したボタン17に接続された連絡部材が下方に押し込まれる。これに応じて、この連絡部材の先端部が対応するボタン25を押下する。これにより、ユーザは、キーパッド1が取り付けられると隠れてしまうコントローラ2のボタン25のそれぞれを、キーパッド1に設けられたボタン17を介して操作することができる。
【0030】
本実施形態では、キーパッド1及びコントローラ2は、いずれもユーザからの操作入力を受け付けて、情報処理装置(例えば家庭用ゲーム機など)に当該操作入力の内容を出力する操作デバイスとして機能する。具体的に、キーパッド1及びコントローラ2は、例えばBluetooth(登録商標)規格などによる通信インタフェースによって、それぞれ独立に家庭用ゲーム機などの情報処理装置と接続される。そして、キーパッド1は、ユーザが各文字キー11を補助キー12と組み合わせて操作することによって入力される文字を特定する文字コード情報を、当該情報処理装置に対して送信する。さらに、機能キー13が操作されたことを示す情報も、同様に情報処理装置に対して送信される。また、コントローラ2は、各ボタンを押下したりアナログ操作部23R及び23Lを傾けたりするなどのユーザの操作内容に関する情報を、情報処理装置に対して送信する。
【0031】
図5は、キーパッド1が備える各キーの位置関係と、各キーの表面(又はその周囲の本体部10表面)に印字される各キーの機能や割り当てられる文字などを模式的に示すキー配置図である。この図においては、各文字キー11内の下段中央に書かれた文字は、当該文字キー11を他の補助キー12と組み合わせずに単独で操作した場合に入力される文字を、また上段左側に書かれた文字は、当該文字キー11を第1ブルーキー12b1又は第2部ルーキー12b2と組み合わせて操作した場合に入力される文字を、上段右側に描かれた文字は、当該文字キー11を第1オレンジキー12o1又は第2オレンジキー12o2と組み合わせて操作した場合に入力される文字を、それぞれ示している。
【0032】
この図に示されるように、各文字キー11を単独で操作した場合、アルファベット、数字、「,」「.」「/」の記号、または制御文字が入力される。なお、一般的なキーボードと同様に、アルファベットが割り当てられた文字キー11を操作する場合、「CapsLock」の設定の有無と、シフトキー14a又は14bのいずれかがこれらの文字キー11と組み合わせて操作されたか否かと、の組み合わせに応じて、入力されるアルファベットが大文字か小文字か、を切り替えられることとしてよい。
【0033】
また、オレンジキー12o1又は12o2、及びブルーキー12b1又は12b2のいずれかと組み合わせていくつかの文字キー11を操作することにより、ユーザは「!」や「@」などの各種の記号文字を入力することができる。なお、各文字キー11のうち、図5において上段左側あるいは上段右側になんの文字も書かれていない文字キー11については、当該文字キー11を対応する補助キー12と組み合わせて操作しても、異なる文字の入力はできないことを示している。
【0034】
補助キー12を文字キー11と組み合わせて操作する具体的な方法としては、例えば補助キー12を文字キー11とともに押下する操作がある。すなわち、補助キー12を押した状態を保ったままで、文字キー11を押下するという操作である。あるいは、補助キー12と文字キー11とを、順に連続して(すなわち途中で他のキーの操作を行わずに)操作する方法もある。この場合、ユーザは、まず補助キー12をいったん押して、離してから、次に目的とする文字キー11を押下する操作を行う。
【0035】
このような操作による各種の文字入力を実現するため、例えばキーパッド1は、内蔵される不揮発性メモリなどの記憶部(不図示)に、複数のキーマップデータを格納する。このキーマップデータは、各文字キー11に対して、割り当てられる複数の文字のいずれか一つを示す文字コードを関連付けるデータである。このキーマップデータを、補助キー12と組み合わせずに操作した場合、オレンジキー12o1又は12o2と組み合わせて操作した場合、ブルーキー12b1又は12b2と組み合わせて操作した場合、などのそれぞれについて用意しておく。そして、キーパッド1は、ユーザによるキー操作を検知すると、どの補助キー12が文字キー11と組み合わせて操作されたか、あるいはいずれの補助キー12も操作されていないか、を判定し、判定結果に応じて使用するキーマップデータを選択する。そして、当該選択したキーマップデータ内において、操作された文字キー11に関連付けられた文字コードを、ユーザが入力した文字を示す文字コードとして、接続された情報処理装置に対して出力する。
【0036】
なお、各文字キー11に割り当てられた文字のうち、各種類の補助キー12と組み合わせて入力すべき文字をユーザが容易に把握できるように、各文字キー11に割り当てられる文字が印字される位置は、前述したように、使用すべき補助キー12の種類と対応している。それゆえ、ユーザは、例えば文字キー11の右上に印字された文字を入力したい場合は、オレンジキー12o1又は12o2と組み合わせて当該文字キー11を操作すればよいことがわかる。さらに、このような文字と補助キー12の種類との対応を直感的に理解できるように、印字される各文字の色を対応する補助キー12の種類に応じて変化させてもよい。本実施形態では、オレンジキー12o1又は12o2と組み合わせて入力することのできる文字は、各文字キー11の右上の位置にオレンジ色で印字されている。また、ブルーキー12b1又は12b2と組み合わせて入力することのできる文字は、各文字キー11の左上の位置に青色で印字されている。
【0037】
さらに、これらの補助キー12も、対応する文字の色と同じ色で塗られていてもよい。すなわち、オレンジキー12o1及び12o2はオレンジ色で、ブルーキー12b1及び12b2は青色で、それぞれ塗装されることとしてもよい。こうすれば、ユーザは、直感的に各文字を入力する際に操作すべき補助キー12がどれか把握することができる。また、各補助キー12のうち、文字キー11に対して当該補助キー12と組み合わせて用いるべき文字が印字されている位置に応じた位置だけ、このような色で塗装されてもよい。図5の例では、第1オレンジキー12o1と第1ブルーキー12b1に対して、このようにキー表面の一部領域だけに色が塗られた例を示している。図5では、オレンジ色に塗られた領域が斜線のハッチングで、また青色に塗られた領域が波線のハッチングで、それぞれ示されている。この図に示されるように、第1オレンジキー12o1に対しては、その右上の位置がオレンジ色に塗られている。また、第1ブルーキー12b1に対しては、その左上の位置が青色に塗られている。このため、ユーザは、文字キー11の右上に印字された文字を入力するときには第1オレンジキー12o1を、左上に印字された文字を入力するときには第1ブルーキー12b1を、それぞれ使用すべきであることを容易に把握できる。
【0038】
一方、第2オレンジキー12o2及び第2ブルーキー12b2は、いずれも本体部10側面に配置されている。それゆえ、例えばキー表面に文字やマークが印字されていても、ユーザはキーパッド1使用中にそれらの文字やマークを容易に見ることはできない。しかしながら、図2に示されるように、これらのキーの側面部が、本体部10上面側からも見えるように各キーが配置されている。したがって、その表面全体をオレンジ色、又は青色で塗装することによって、ユーザは、各文字キー11に印字された文字の色と対応付けることによって、これら第2オレンジキー12o2及び第2ブルーキー12b2を使用する場合にも、どの補助キー12を使用すべきかを容易に把握できる。
【0039】
以上説明した構成によって、ユーザは、多様な操作方法のうち、自分にとって操作しやすい方法で、文字入力を実行することができる。
【0040】
例えば文字キー11とオレンジキー12o1又は12o2とを組み合わせて操作する場合、これらの補助キー12はユーザから見て左右両側に配置されているので、ユーザは、右側の文字キー11を操作する場合には左側に配置された第2オレンジキー12o2とともに操作し、左側の文字キー11を操作する場合には右側に配置された第1オレンジキー12o1とともに操作することができる。
【0041】
また、例えば子供など手が小さいユーザにとっては、本体部10背面に配置された第2オレンジキー12o2や第2ブルーキー12b2を操作しにくい場合もある。このような場合も、文字キー配置領域A0の中心位置Pより手前側に第1オレンジキー12o1及び第1ブルーキー12b1という2種類両方の補助キー12が配置されているので、これらの補助キー12を用いることによって、第2オレンジキー12o2や第2ブルーキー12b2を使用せずとも、全ての文字種を入力することができる。
【0042】
また、本体部10側面に配置された第2オレンジキー12o2や第2ブルーキー12b2を利用することによって、補助キー12と文字キー11とを同時期に押下する操作を行う必要がある場合でも、このような操作を片手でも実行しやすくなっている。例えば「*」記号を入力したい場合、右手の手のひらと中指、薬指、小指で把持部20Rを把持した状態で、右手の人差し指で第2ブルーキー12b2を押下しながら、右手の親指で「K」が割り当てられた文字キー11を押下する。このように、補助キー12が本体部10側面に配置されることにより、キーパッド11を床面などに置かずにユーザが手で把持した状態にも関わらず、親指と人差し指を使って補助キー12を押しながら文字キー11を押す操作を容易に実行できる。
【0043】
さらに、キーパッド1が取り付けられたコントローラ2を片手で把持して、他方の手の人差し指などで文字キー11を押下する場合にも、補助キー12と文字キー11とを組み合わせた操作を容易に実行可能になっている。例えばコントローラ2の把持部20Lを左手で把持して、右手の人差し指で文字キー11を操作して文字入力を行う場合、第1ブルーキー12b1及び第2オレンジキー12o2という2種の補助キー12がいずれもユーザから見て左側に配置されているので、これらの補助キー12を左手の指で操作しながら、文字キー11を右手の指で操作することにより、右手を文字キー11の操作に専念させることができる。このとき、2種の補助キー12の一方は本体部10側面に配置されているので、これら2種の補助キー12を左手の親指と人差し指という互いに異なる指で操作することができる。そのため、これら2種の補助キー12それぞれを用いて入力すべき文字を連続して入力する場合にも、各補助キー12を押したり放したりする操作をすばやく行うことができ、文字入力を容易に行うことができる。
【0044】
なお、本発明の実施の形態は、以上説明したものに限られない。例えば以上の説明においては、キーパッド1が把持部20R及び20Lを備えたコントローラ2に取り付けられて使用されることとしたが、キーパッド1自身にユーザが手で把持するための把持部が備えられることとしてもよい。また、以上の説明においてはユーザの入力した文字は他の情報処理装置に対して出力されることとしたが、キーパッド1自身が入力された文字に応じて各種の情報処理を実行し、その結果を内蔵されたディスプレイ等に出力することとしてもよい。さらに、本発明の実施の形態に係る文字入力装置は、ユーザの一方の手だけで把持し、かつ操作されるものであってもよい。この場合にも、筐体側面に補助キー12を設けることによって、ユーザは補助キー12を操作しながら文字キー11を操作しやすくなる。
【0045】
また、以上の説明における補助キー12の配置は例示に過ぎない。例えば同じ機能を実現する同種の補助キー12が、3個以上配置されてもよい。また、補助キー12は、上面や背面に限らず、右側面や左側面など、他の位置に配置されてもよい。さらに、以上の説明においては、複数種類の補助キー12のそれぞれは、互いに独立して操作されることとしたが、入力する文字種によっては、複数種類の補助キー12(例えばオレンジキーとブルーキー)の両方を文字キー11と組み合わせて操作することとしてもよい。また、文字キー11と組み合わせて文字入力に用いられるシフトキー14a及び14bも、本実施形態におけるオレンジキー12o1及び12o2やブルーキー12b1及び12b2と同様の特徴を有する位置に配置することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係るキーパッド(文字入力装置)の斜視図である。
【図2】キーパッドの平面図である。
【図3】基台として機能するコントローラの斜視図である。
【図4】コントローラにキーパッドが取り付けられた状態の斜視図である。
【図5】各キーの配置及び印字内容を示すキー配置図である。
【符号の説明】
【0047】
1 キーパッド、2 コントローラ、10 本体部、11 文字キー、12 補助キー、13 機能キー、14a及び14b シフトキー、15 第1保持部、16 第2保持部、17,25,26 ボタン、20R,20L 把持部、21 第1操作部、22 第2操作部、23R,23L アナログ操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の上面に配置され、それぞれ複数の文字が割り当てられる複数の文字キーと、
前記各文字キーに割り当てられる複数の文字のうちの一つの文字を入力するために、当該文字キーとともに操作される補助キーと、
を備える文字入力装置であって、
前記補助キーは、前記筐体の側面に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
請求項1記載の文字入力装置において、
前記補助キーは、前記筐体の隣接する2つの側面にまたがって配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の文字入力装置において、
前記筐体の上面には、前記筐体の側面に配置される補助キーと同じ機能を実現する別の補助キーがさらに配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項4】
請求項3記載の文字入力装置において、
前記筐体の側面に配置される補助キーと、前記筐体の上面に配置される別の補助キーと、は、前記複数の文字キーが配置される領域の中心に対してユーザから見て互いに左右逆側の位置に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の文字入力装置において、
前記筐体の側面に配置される補助キーと、前記筐体の上面に配置される別の補助キーと、は、前記複数の文字キーが配置される領域の中心に対してユーザから見て互いに前後逆側の位置に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の文字入力装置において、
前記文字入力装置は、ユーザが手で把持するための把持部を備える基台に取り付けられ、
前記複数の文字キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、当該把持した手のいずれかの指で操作可能な位置に配置され、
前記補助キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、前記複数の文字キーを操作可能な指とは別の指で操作可能な位置に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項記載の文字入力装置において、
前記文字入力装置は、ユーザが手で把持するための把持部を備え、
前記複数の文字キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、当該把持した手のいずれかの指で操作可能な位置に配置され、
前記補助キーは、前記把持部をユーザが手で把持した状態で、前記複数の文字キーを操作可能な指とは別の指で操作可能な位置に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項8】
筐体の表面に配置され、それぞれ複数の文字が割り当てられる複数の文字キーと、
前記各文字キーに割り当てられる複数の文字のうちの一つの文字を入力するために、当該文字キーと組み合わせて操作される補助キーであって、互いに同じ機能を実現する2個の補助キーと、
を備える文字入力装置であって、
前記2個の補助キーは、前記複数の文字が配置される領域の中心に対して、ユーザから見て、互いに左右逆側でかつ前後も逆側となる位置に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。
【請求項9】
請求項8記載の文字入力装置において、
前記各文字キーに割り当てられる複数の文字のうち、前記一つの文字とは別の文字を入力するために当該文字キーと組み合わせて操作される補助キーであって、互いに同じ機能を実現する、前記2個の補助キーとは別の種類の2個の補助キーをさらに含み、
前記別の種類の2個の補助キーは、前記複数の文字が配置される領域の中心を通り、ユーザから見て左右方向及び前後方向にそれぞれ延伸する2本の直線によって分割される領域のうち、互いに異なる領域で、かつ前記一つの文字の入力に用いられる2個の補助キーが配置される領域とは異なる領域に配置される
ことを特徴とする文字入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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