文書データ処理システム
【課題】文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷を行う文書データ処理システムを提供する。
【解決手段】表示部11で表示中の入力された文書データに対して、ユーザからの編集指示を入力する操作部13と、操作部13で入力されたユーザの編集指示に応じて、表示部11で表示中の文書データを編集するデータ処理部(処理部12で例示)と、データ処理部12によって編集された文書データを印刷する印刷部(画像形成装置3で例示)とを有する。操作部13は、編集指示の一つとして、表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっている。処理部12は、変倍指示に従って所定部分を変倍処理すると共に、文書データの所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、変倍指示が拡大指示である場合には縮小処理を施す。
【解決手段】表示部11で表示中の入力された文書データに対して、ユーザからの編集指示を入力する操作部13と、操作部13で入力されたユーザの編集指示に応じて、表示部11で表示中の文書データを編集するデータ処理部(処理部12で例示)と、データ処理部12によって編集された文書データを印刷する印刷部(画像形成装置3で例示)とを有する。操作部13は、編集指示の一つとして、表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっている。処理部12は、変倍指示に従って所定部分を変倍処理すると共に、文書データの所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、変倍指示が拡大指示である場合には縮小処理を施す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書データを編集して印刷することが可能な文書データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラウザなどから取り込んだ画像データの配置順を決定し、この順で、画像未配置領域内で最大サイズとなるように画像データを相似拡大又は相似縮小(相似変倍)し、その変倍した画像データを画像未配置領域に再配置することより、限られた領域内にも自動で画像データを収めるようにした画像データ処理装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像データ処理装置では、ユーザが文書データの任意の画像データ部分もしくはテキストデータ部分についての拡大又は縮小の選択を行い、それ以外の選択されていない部分のデータを同ページ領域内にリサイズし配置することができなかった。従って、仮にユーザがある部分を指定して拡大をしようとすると文書データが複数ページにわたってしまい、記録用紙の消費が多くなってしまうという問題があった。
【0005】
このように、従来の技術では、文書データの所定部分を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることができない。
【0006】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることが可能な文書データ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が拡大指示である場合には縮小処理を施すことを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記所定部分の拡大処理により前記所定部分が前記印刷部での印刷時に印刷用紙サイズの横幅を超える場合には、改行処理を実行することを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部を、所定のサイズに縮小するか所定の倍率で縮小する縮小処理を実行することを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、前記データ処理部は、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴としたものである。
【0012】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段において、前記データ入力部で入力された文書データの各部分が画像データであるのかテキストデータであるのかを識別する識別部をさらに有し、前記操作部は、前記表示部で表示中の文書データの所定部分として、前記識別部で識別された画像データ又はテキストデータの任意の部分が選択可能になっていることを特徴としたものである。
【0013】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれかの技術手段において、前記データ処理部は、前記変倍処理及び前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部についての縮小又は拡大処理を施した後の文書データが、前記印刷部での印刷時の印刷用紙数について、前記変倍処理前の文書データより増える場合には、集約印刷の設定及び/又は両面印刷の設定を行うことを特徴としたものである。
【0014】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれかの技術手段において、ユーザを特定するユーザ特定部と、前記データ入力部で入力された文書データのうち前記所定部分に対応する前記変倍処理を施す部分、及び前記変倍処理の倍率を、ユーザ毎に登録する登録部と、をさらに有し、前記データ処理部は、前記ユーザ特定部で特定されたユーザに応じて、前記登録部で登録された前記変倍処理を施す部分及び前記倍率を読み出して前記変倍処理を施すことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の文書データ処理システムによれば、文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る文書データ処理システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおけるPCの処理部で施される処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図3】図2の処理におけるユーザ固有設定処理時に参照する画像形成装置側に格納されたユーザデータ表の一例を示す図である。
【図4】図1のシステムにおいて編集・印刷の対象となるHTML文書データの一例を示す図である。
【図5】図2のステップS4の変倍処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した例を示す図である。
【図7】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した他の例を示す図である。
【図8】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した他の例を示す図である。
【図9】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した他の例を示す図である。
【図10】図4のHTML文書データに対して図2のステップS4の変倍処理を施した後に実行される、図2のステップS5の自動縮小/拡大処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図11】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した例を示す図である。
【図12】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図13】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図14】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図15】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図16】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図17】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る文書データ処理システムは、文書データを編集して印刷することが可能なシステムであり、そのため「文書データ印刷システム」とも言え、また文書データに画像データが含まれていても対応可能なことから「画像データ処理システム」とも言える。以下、図面を参照しながら、本発明に係る文書データ処理システムについて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る文書データ処理システムの一構成例を示すブロック図である。図1で例示する文書データ処理システム(以下、本システムという)は、PC1と画像形成装置3とがLAN(Local Area Network)等により有線/無線で接続されており、さらにPC1はインターネット等のネットワーク2に接続可能となっている。
【0019】
PC1は、表示部11、処理部12、操作部13、I/F14、及び記憶部15を備える。処理部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等のプログラム格納領域、RAM(Random Access Memory)等の作業領域を備える。なお、作業領域やプログラム格納領域として、記憶部15内の記憶領域を利用することもできる。プログラム格納領域には、HTML(Hypertext Markup Language)文書をブラウジングするブラウザプログラムが、CPUから読み出し可能に格納されている。CPUは、このブラウザプログラムをRAM等の作業領域に読み出して展開してそのプログラムを実行する。また、操作部13は、ユーザからの指示を入力する。この指示としては、HTML文書を編集するための編集指示も入力可能となっている。
【0020】
HTML文書を表示部11に表示させる場合、操作部13でのユーザ指示に基づきHTML文書を指定して表示させることになる。指定されたHTML文書のデータが記憶部15に格納されたデータであれば、CPUがHTML文書のデータを記憶部15から一時的に作業領域に読み出し表示部11に渡す。一方、指定されたHTML文書のデータが、ネットワーク2に接続された他の機器(サーバ装置等)に格納されたデータであれば、処理部12のCPUが、I/F14を介してネットワーク2からそのHTML文書のデータを一時的に作業領域に取り込み、表示部11に渡す。
【0021】
このように、I/F14及び処理部12や記憶部15及び処理部12は、HTML文書データを入力するデータ入力部の一例であり、表示部11は、データ入力部から入力されたHTML文書データを表示する表示部の一例である。
【0022】
上述したように、PC1では操作部13でユーザが編集指示を行うことが可能となっている。編集は、ユーザが表示部11に表示されたHTML文書を閲覧しながら行う。処理部12のCPUは、この編集指示に従い、表示中のHTML文書データの内容を(作業領域に読み出されていない場合には読み出してから)変更する処理を実行する。この変更は、作業領域上のHTML文書データに反映されることになる。また、CPUは、処理部12で編集により変更処理された後のHTML文書データについても、表示部11で表示させる。ユーザがその表示結果(つまり編集結果)に満足せずに、さらに編集を加えたい場合には同様に編集指示を操作部13から入力すれば、その編集結果が表示部11に表示される。
【0023】
このように、処理部12は、操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、表示部11で表示中のHTML文書データを編集するデータ処理部の一例である。
【0024】
なお、編集(変更)されたHTML文書データは、元のデータが作業領域上にしか存在しないデータである場合、操作部13でのユーザによるファイル名を指定した保存指示に基づき記憶部15に保存することができる。また、元のデータが記憶部15内のデータである場合、操作部13でのユーザによる保存(上書き保存又は別のファイル名を指定した保存)指示に基づき、編集後のHTML文書データを保存することができる。勿論、ユーザからの保存指示がない場合には、編集し一時記憶させた内容を破棄して元の状態で記憶部15に記憶したままにしておけばよい。
【0025】
ユーザは、HTML文書データの編集結果に満足し印刷を行いたい場合に、印刷指示を操作部13から入力する。この印刷指示を受けて、処理部12は、画像形成装置3とのI/F(図示せず)を介して、作業領域上のその編集後のHTML文書のデータを画像形成装置3に送り、印刷を実行させる。より具体的には、プログラム格納領域にCPUで実行可能に格納されたプリンタドライバで、その編集後のHTML文書のデータを画像形成装置3へ送り、画像形成装置3側で対応した印刷データを生成して印刷を実行する。また、プリンタドライバで、そのHTML文書のデータに対応した印刷データを生成してから、その印刷データを、画像形成装置3へ送って印刷させてもよい。
【0026】
画像形成装置3は、編集されたHTML文書データを印刷(印字)する印刷部の一例である。勿論、この印刷部は編集されていないHTML文書データであっても印刷を実行できる。画像形成装置3としては、プリント機能を含む複合機や、プリンタ機器などが適用できる。画像形成装置3は、印刷部の他に、主として、印刷対象データを入力する入力部及びそれらを制御する制御部を備える。
【0027】
このようなシステムにおいて、本発明における操作部13は、編集指示の一つとして、表示部11で表示中のHTML文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっている。倍率自体は、所定部分を選択後、例えばポップアップ画像などを表示部11に表示させて入力又は選択させるなどして入力させることができる。
【0028】
そして、本発明の主たる特徴として、処理部12で例示したデータ処理部は、この変倍指示に従って上記所定部分を変倍処理すると共に、変倍指示が拡大指示である場合には、同じHTML文書データの上記所定部分以外の部分(つまり選択されなかった部分)のうち一部又は全部について、自動的に縮小処理を施す。以下、ユーザによる変倍指示に基づく変倍処理と区別するため、この縮小処理を自動縮小処理と呼ぶ。
【0029】
この自動縮小処理のタイミングは、上記変倍処理(この場合には拡大処理)後であればよく、後述の印刷プレビューを実行する前であることが好ましい。また、この自動縮小処理は、上記所定部分の変倍処理(この場合には拡大処理)に応じた縮小方法で実行することが好ましい。例えば、拡大処理で増えた分を他の部分で縮小して補填するような倍率や縮小後のサイズ等を採用すればよい。
【0030】
また、処理部12は、HTML文書データの上記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、変倍指示が縮小指示である場合には自動的に拡大処理を施すことが好ましい。以下、ユーザによる変倍指示に基づく変倍処理と区別するため、この拡大処理を自動拡大処理と呼ぶ。この場合、ユーザが縮小指示する所定部分はユーザにとって小さくても問題のない部分であり、ユーザは縮小用に所定部分を選択したことを意味する。これにより、非選択の部分(必要な部分)を自動拡大処理することができる。この自動拡大処理のタイミングや拡大方法については、自動縮小処理について述べたのと同様に、変倍処理(この場合には縮小処理)後に実行し、この変倍処理に応じた拡大方法で実行することが好ましい。
【0031】
また、自動拡大処理の機能は、自動縮小処理の機能と同時に搭載する必要は必ずしもなく、単独で自動縮小処理の機能のみを搭載してもよい。その場合、操作部13で受け付ける変倍指示としては、自動縮小処理を伴うことになる拡大指示の代わりに、自動拡大処理を伴うことになる縮小指示となる。勿論、本発明に係る自動拡大処理/自動縮小処理を行うか否かに拘わらず、操作部13では拡大指示と縮小指示の双方を受け付け可能としておいてよい。
【0032】
以上、本発明によれば、入力されたHTML文書データのうち所定部分を変倍(拡大)することによって、ユーザが欲しい部分(注目部分)が見やすい形で印刷することができる。さらに、指定されなかった部分全て又はその一部についての自動縮小処理によって、所定部分のみが拡大されることによって印刷用紙が増える(例えば元々1ページであれば複数ページとなってしまう)ことによる印刷用紙の無駄を無くすことができる。同様に、所定部分を縮小することによって、ユーザが欲しくない部分を見難くして印刷用紙が増えることを防ぐと共に、指定されなかった部分(欲しい部分)全て又はその一部についての自動拡大処理によって、欲しい部分を見やすい形で印刷することができる。このように、本発明によれば、HTML文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることが可能になる。
【0033】
以下、具体的な編集例を挙げて、本発明についてより詳細に説明する。まず、図2〜図4を参照しながらここで説明する処理例の概要を説明する。図2は、図1のシステムにおけるPCの処理部で施される処理の一例を説明するためのフロー図、図3は、図2の処理におけるユーザ固有設定処理時に参照する画像形成装置側に格納されたユーザデータ表の一例を示す図、図4は、図1のシステムにおいて編集・印刷の対象となるHTML文書データの一例を示す図である。
【0034】
本処理例では、画像形成装置3はユーザデータとして図3に示すユーザデータ表30を保持しているものとする。また、図4で例示する1ページからなるHTML文書データ40を入力データ、すなわち編集・印刷の対象のデータとして説明するが、複数ページであってもよい。図4で例示するHTML文書データ40は、1ページ分のデータを表示部11に納めた様子を示しており、そのまま印刷プレビューを行った時の表示画面又は印刷を実行した際の印刷用紙を示しているとも言える。HTML文書データ40は、用紙1ページの中に第1画像データ41、第2画像データ42、第3画像データ43の3つの画像データと、テキストデータ44の1つのテキストデータとが存在している。テキストデータ44は文字列を1つの括りとしているが、ユーザは一文字ずつ選択することも可能である。第2画像データ42と第3画像データ43とは同じ行に表示されているものとする。
【0035】
まず、PC1の処理部12は、ブラウザを開いた段階又はHTML文書データ40を表示した段階などに、画像形成装置3に対してPC1のユーザ情報(例えばPC1でのログイン名等)を送り、そのユーザが画像形成装置3内のユーザデータ表30に含まれるユーザ(つまりユーザデータ表30で特定できるユーザ)であるかを判定する(ステップS1)。ログイン名だけではなくパスワードなども送って、画像形成装置3で認証を行ってもよい。その場合、ユーザデータ表30中又はユーザデータ表30に関連付けて、パスワードも保存しておくとよい。
【0036】
例示したユーザデータ表30には、各ユーザに対して、画像データの倍率(元の画像のサイズからの倍率)、テキストデータの文字サイズ(ポイント)、2in1の設定を行うか否か、両面印刷を行うか否か、指定以外の部分を読める文字の大きさにするか否か、が登録されている。
【0037】
このような登録のためには、画像形成装置3への登録を行う登録部の他に、登録した情報を読み出すためのユーザ特定部も本システムに具備しておく。この登録部は、登録例を表30で示したように、入力されたHTML文書データのうち上記所定部分に対応する変倍処理を施す部分(つまりHTML文書データのうちどの部分を変倍するか)と、この変倍処理の倍率とを、ユーザ毎に登録するものである。但し、図3の例では、基本的に全ての画像データやテキストデータについての倍率を定めており、この表30に基づく限り本発明の特徴である自動縮小/拡大処理(印刷設定等は除く)はスルーとなる。ユーザ特定部及び登録部は主としてPC1の操作部13、処理部12、及び画像形成装置3で実現できる。
【0038】
ユーザデータ表30において、文字サイズの代わりに、例えば+2ptなど、大きくするポイント幅を登録しておいてもよい。2in1、両面印刷、「読める文字の大きさにする」については、○があるときにはそれぞれの設定がされていることを示している。「読める文字の大きさにする」とは、テキストデータのサイズが目で見えるサイズ(例えば8ポイントなどと規定しておく)より小さく縮小されないようにすることを示している。テキストデータだけでなく、画像データについても「読める大きさにする」と登録しておくことで、詳細な絵ほど縮小されないようにすることもできる。例えば画像データからその画像特徴を抽出するなどすることで、どの程度平坦な絵であるのか(逆を言うとどの程度詳細な絵であるのか)が判別できる。ここでは、平坦な度合いの基準値を規定しておけばよい。
【0039】
ここで、画像・テキストデータの変倍処理についてはHTML文書データ40の編集結果として反映される。2in1や両面印刷の設定は、プリンタドライバにより解釈され、印刷指示時に画像形成装置3に送られることになる。このように、ユーザ固有の設定には、編集方法の設定だけでなく、プリンタドライバ上の印刷設定を含むことが好ましい。編集方法だけでは印刷枚数の増加を伴ってしまうことになる可能性があるためである。
【0040】
ユーザデータ表30に該当するユーザである場合(ステップS1でYESの場合)には、処理部12は、ユーザデータ表30に記述されたユーザ固有の設定にする(ステップS2)。例えば、PC1のユーザがユーザBであった場合、ユーザデータ表30に従い、HTML文書データ内の画像データを150%に拡大し、同HTML文書のデータ内のテキストデータを12ポイントにし、両面印刷を設定する。なお、これらの設定はプリンタドライバソフト上での設定を意味するが、この時点で設定の情報を画像形成装置3へ送り設定を実行してもよい。
【0041】
このように、ブラウザなどから取り出されたHTML文書データ40は画像データ部位とテキストデータ部位に分けて処理できることが好ましい。そのため、処理部12は、入力されたHTML文書データ40の各部分が画像データであるのかテキストデータであるのかを識別する識別部を有することが好ましい。
【0042】
なお、ユーザデータ表30は、画像形成装置3内に格納されていることを前提に説明しているが、PC1の記憶部15に格納しておいてもよい。その場合、PC1のユーザのみに関するデータを少なくとも格納しておけば、ステップS2と同様にユーザ固有の設定が可能となる。
【0043】
ステップS2に続き、処理部12は、ポップアップ画面を表示させるなどして、設定を変更するか否かをユーザに問合せ、設定を変更する指示がユーザからあったか否かを判定する(ステップS3)。
【0044】
設定を変更しない場合には、ステップS2での設定のまま、設定は完了し、処理部12はユーザの印刷指示に基づき画像形成装置3に印刷処理を実行させる(ステップS6)。このように、処理部12は、ユーザ特定部で特定されたユーザに応じて、(ユーザが上記所定部分を選択した変倍指示を行う代わりに、)登録部で登録された変倍処理を施す部分及び倍率を読み出して変倍処理を施すようにすることが好ましい。自動的にHTML文書データの所定の部分を指定することが可能であるため、毎回、ユーザが設定する手間が省け、設定間違いによる誤印字が無くせる。
【0045】
処理部12は、この変倍処理に対応した自動縮小/拡大処理も施す。但し、ユーザデータ表30において、最初の画像データ、2番目の画像データ、最初のテキストデータなどと、変倍処理を施す部分がHTML文書データ40から特定できるような登録の仕方を採用しておく。なお、上述した通り図3の例では、より単純に特定できるように、全ての画像データ、全てのテキストデータを変倍処理を施す部分として登録した例を示しており、結果的にこの変倍処理に対応した自動縮小/拡大処理は不要となる。
【0046】
ステップS1でユーザ認証されていない場合とステップS3で設定を変更する場合には、処理部12がHTML文書データ40の変倍処理(拡大縮小処理)を実行する(ステップS4)。ステップS4では、例を挙げてその詳細を後述するが、HTML文書データ40のうち、全ての画像データの拡大縮小編集、全てのテキストデータの拡大縮小編集、ユーザ選択部位の拡大縮小編集などを行う。
【0047】
また、ステップS4の詳細として後述はしないが、ステップS4では、ユーザデータ表30の設定内容をデフォルトとして用い、ユーザによる選択操作を受け付けて、その選択された所定部分のみについて、そのユーザに対する設定内容を生かすようにしてもよい。これにより、ユーザは所定部分の選択のみで倍率等を指定する手間が省ける。なお、ステップS1でユーザが特定されなくても、ユーザデータ表30に1又は複数の設定例を格納しておき、ステップS4において、この設定例の中からユーザ操作により選択させるようにしてもよい。
【0048】
ステップS4の処理後、処理部12は、自動拡大縮小編集処理(自動縮小処理/自動拡大処理)、2in1や両面印刷の設定、印刷プレビューの有無の設定などを行う(ステップS5)。なお、これらの設定はプリンタドライバソフト上での設定を意味するが、この時点で設定の情報を画像形成装置3へ送り設定を実行してもよい。ステップS5の詳細についても例を挙げて後述する。ステップS5の後、操作部13からの印刷指示を受け、処理部12は画像形成装置3に対して印刷を指示し、印刷が画像形成装置3で実行される。
【0049】
次に、ステップS4の詳細について図5〜図9を参照しながら説明する。図5は、図2のステップS4の変倍処理(拡大/縮小編集処理)の一例を説明するためのフロー図で、図6〜図9は、図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した例を示す図である。
【0050】
まず、処理部12は、操作部13でのユーザ操作(ユーザ指示)を受け付ける(ステップS11)。このとき、図2のステップS2を経ている場合にはユーザデータ表30で登録された指示も受け付けることになる。続いて、処理部12は、ユーザ指示やユーザデータ表30で登録された指示が、HTML文書内の全ての画像データを拡大又は縮小する指示であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0051】
ステップS12でYESの場合には、図6のように全ての画像データについて拡大又は縮小を行う(ステップS13)。図6では、HTML文書データ40の各画像データ41,42,43に対して、拡大処理により拡大画像データ41L,42L,43Lを含むHTML文書データ51に変更され、縮小処理により縮小画像データ41S,42S,43Sを含むHTML文書データ52に変更されていることが分かる。
【0052】
ステップS12でNOの場合には、処理部12は、ユーザ指示やユーザデータ表30で登録された指示が、HTML文書内の全てのテキストデータを拡大又は縮小する指示であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
YESの場合には、図7のように全てのテキストデータを拡大又は縮小を行う(ステップS15)。図7では、HTML文書データ40の全てのテキストデータ44に対して、拡大処理により拡大テキストデータ44Lを含むHTML文書データ53に変更され、縮小処理により縮小テキストデータ44Sを含むHTML文書データ54に変更されていることが分かる。
【0054】
全ての画像データを拡大又は縮小した場合にテキストデータも同じ設定にすることは可能であるが、同じ設定にすると一部を見え易く用紙を節約できないため、ステップS12,14での判定に関して説明したように、ユーザは画像データ又はテキストデータのどちらかを選択し、編集することになる。もしくは後述のように画像/テキストデータの一部を選択し、編集することになる。
【0055】
ステップS14でNOの場合には、処理部12は、ユーザ指示やユーザデータ表30で登録された指示が、HTML文書内の全ての画像データ又はテキストデータではなく、一部の画像データ又はテキストデータの拡大又は縮小する指示であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0056】
ステップS16でNOの場合には処理を終了し、YESの場合には、図8、図9のようにHTML文書内の任意の画像データ又はテキストデータを選択し、拡大又は縮小を行う(ステップS17)。
【0057】
図8では、第1画像データ41に対して、拡大処理により拡大画像データ41Lを含むHTML文書データ55に変更され、縮小処理により縮小画像データ41Sを含むHTML文書データ56に変更されていることが分かる。また、図9では、テキストデータ44の一部(「3AB」)に対して、拡大処理により一部拡大テキストデータ44Lpを含むHTML文書データ57に変更され、縮小処理により縮小テキストデータ44Spを含むHTML文書データ58に変更されていることが分かる。
【0058】
ステップS16のように、操作部13は、表示中のHTML文書データ40の所定部分として、上記識別部で識別された画像データ又はテキストデータの任意の部分を選択することが可能となっていることが好ましい。この任意の部分が選択可能に表示部11で表示されていればよい。これにより、識別された画像データもしくはテキストデータ中の任意の部分をユーザが指定して処理部12が変倍処理できる。ユーザにとって、特定の画像部分、テキスト部分でも、欲しい部分は、その一部分であることがあり、そのような一部分のみを変倍することができるため、有益である。
【0059】
なお、ステップS12,S14,S16の判定の順序は問わない。また、ユーザ指示に基づき全ての画像データ又はテキストデータを拡大又は縮小してこのフローを終了した後に、更なるユーザ指示で一部のデータを拡大又は縮小指示を行うこともある。
【0060】
次に、図2のステップS5の詳細について図10〜図17を参照しながら説明する。図10は、図4のHTML文書データに対して図2のステップS4の変倍処理を施した後に実行される、図2のステップS5の自動縮小/拡大処理の一例を説明するためのフロー図である。また、図11〜図17は、図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した例を示す図である。
【0061】
まず、処理部12は、図5の変倍処理を経たHTML文書データが、印刷を実行したときに用紙サイズを超えるようなデータでないか否かを判定する(ステップS21)。なお、元のHTML文書データ40が1ページであることを前提として説明しているが、複数ページである場合には、各ページで判定してもよいし、全ページ数が増えていないか否かで判定してもよい。このことは、後述のステップS25,S29でも同様である。
【0062】
ステップS21の判定で、拡大された画像データもしくはテキストデータが用紙サイズの横幅よりも大きい場合(NOの場合)に、図11もしくは図12のように用紙サイズよりはみ出る画像データもしくはテキストデータを改行する(ステップS22)。改行により1ページに収まらなかった画像は2ページ目に移動する。図11では、図5の変倍処理後のHTML文書データ60の第2,第3画像データ42L,43Lに対して、両者の途中で改行処理を行うことで、はみ出ることのないHTML文書データ61に変更されていることが分かる。ここでは、改行箇所としては、はみ出ている画像データ43Lの手前としている。また、図12では、図5の変倍処理後のHTML文書データ62のテキストデータ44Lに対して、「B」と「C」との間で改行処理を行うことで、はみ出ることのないHTML文書データ63に変更されていることが分かる。
【0063】
このように、処理部12は、変倍指示(又は登録された変倍指示)が拡大指示である場合に、所定部分の拡大処理によりその所定部分が印刷部での印刷時に印刷用紙サイズの横幅を超える場合には、改行処理を実行することが好ましい。これにより、所定部分が変倍されたときに画像が欠落してしまうことを防止することができる。
【0064】
ステップS22の処理後、処理部12は、1つの画像データもしくはテキストデータのサイズが用紙サイズの横幅よりも小さいか否か、つまり用紙サイズを超えていないか否かを判定する(ステップS23)。NOである場合、処理部12は、図13もしくは図14のように用紙サイズの横幅と画像データもしくはテキストデータの横幅が同じサイズになるようにリサイズ(倍率を変更)する(ステップS24)。ステップS24では、拡大された横幅と同じ倍率で高さのサイズも変更する。
【0065】
図13では、図5の変倍処理後のHTML文書データ64の第2画像データ42Lに対して、縦横比を固定したまま横幅に合うように縮小した画像データ42LSを含むHTML文書データ65に変更されていることが分かる。また、図14では、図5の変倍処理後のHTML文書データ65のテキストデータ45Lに対して、縦横比を固定したまま横幅に合うようにポイント数を縮小したテキストデータ45LSを含むHTML文書データ67に変更されていることが分かる。
【0066】
ステップS21でYESの場合、ステップS23でYESの場合、ステップS24の処理を終えた場合には、処理部12は編集されたHTML文書が1ページに収まっているか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25でNOの場合には、処理部12は、ユーザが編集した画像データ以外もしくはテキストデータ以外を自動で縮小する際に、ユーザが目で認識できる大きさまで縮小するか否かを判定する(ステップS26)。
【0067】
ステップS26でYESの場合には、処理部12は、非選択の画像データ又はテキストデータを読めるサイズまで縮小する(ステップS27)。ステップS27では、ユーザが編集した画像データ以外もしくはテキストデータ以外の画像データ又はテキストデータを残された領域内で最大のサイズになるように縮小し、かつ、ユーザが目で認識できるサイズで1ページに収める。1ページに収まらない場合には2ページに分ける。この際、ユーザが目で認識できるかどうかは、ユーザが設定変更できるものとする。
【0068】
図15に例示する、図5で変倍処理後のHTML文書データ70,71は、ユーザが拡大させた画像データ41Lにより、用紙が2ページに増えてしまっている。このような場合、自動的に、ユーザが選択していない、画像データ42,43、テキストデータ44の縮小を行うことで、縮小後の画像データ42S,43S及びテキストデータ44Sを含むHTML文書データ72に変更し、1ページに収まるようにしている。この際、縮小したデータは目で見えるサイズである。
【0069】
ステップS26でNOの場合には、非選択の画像データ又はテキストデータを最小のサイズ(ユーザが目で認識できない大きさ)まで縮小する(ステップS28)。ステップS28では、ユーザが編集した画像データ以外もしくはテキストデータ以外の画像データ又はテキストデータを残された領域内で最大のサイズになるように縮小し、ユーザが目で認識できないサイズになったとしても縮小する。1ページに収まらない場合には2ページに分ける。目で認識できないサイズはユーザが選択していない部分を縮小して目で認識できないサイズにリサイズすることである。
【0070】
図16に例示する、図5で変倍処理後のHTML文書データ73,74は、ユーザが拡大させた画像データ41L,42L,43Lにより、用紙が2ページに増えてしまっている。このような場合、自動的に、ユーザが選択していない、テキストデータ44を目で認識できないサイズまで縮小を行うことで、縮小後のテキストデータ44Sを含むHTML文書データ72に変更し、用紙が1ページに収めるようにしている。
【0071】
このように、処理部12は、変倍指示が拡大指示である場合、所定部分以外の部分のうち一部又は全部を、所定のサイズに縮小するか所定の倍率で縮小する自動縮小処理を実行することが好ましい。指定されなかった部分についてユーザが目視で認識できる程度のサイズまで縮小することによって、所定部分を最大限の大きさまで拡大設定することができる。また、指定されなかった部分についてユーザが目視で認識できず存在のみが確認できる程度のサイズまで縮小することによって、所定部分をより最大限の大きさまで拡大設定することができる。
【0072】
ステップS27,S28の処理後、処理部12は、画像データもしくはテキストデータの縮小を行っても、ページ数が2ページを超えないか否かを判定する(ステップS29)。NOの場合、処理部12は、登録された指示又は別途要求したユーザ指示により、2in1、両面印字の設定をするか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30でYESの場合、処理部12は2in1、両面印刷の設定を行う(ステップS31)。ステップS30でNOの場合にはそのまま2ページ以上で設定される(ステップS32)。
【0073】
このように、処理部12は、変倍処理及び自動縮小処理(又は自動拡大処理)を施した後のHTML文書データが、印刷時の印刷用紙数について、変倍処理前(つまり変倍処理前で且つ自動縮小/拡大処理前)のHTML文書データより増える場合(例えば、元々1ページ分の文書データが印刷用紙2ページ以上になる場合)には、集約印刷(Nin 1)の設定及び/又は両面印刷の設定を行う。指定された部分と指定されなかった部分とをそれぞれ変倍処理したとき、どうしても複数ページにわたってしまう場合には、Nin1や両面印刷とすることで、印刷用紙を節減することができる。
【0074】
ステップS25でYESの場合(1ページに収まっている場合)、処理部12は1ページの中に余白部分があるか否かを判定する(ステップS33)。余白がある場合には、ユーザが選択していない画像データもしくはテキストデータを余白の分だけ同じ倍率で拡大する(ステップS34)。最大サイズは用紙サイズの横幅までの倍率である。
【0075】
図17に例示する、図5で変倍処理後のHTML文書データ81は、ユーザが縮小させた画像データ41Sにより、余白部分が生じている。このような場合、自動的に、ユーザが選択していない、画像データ42,43とテキストデータ44が用紙内で最大のサイズになるように拡大することで、拡大後の画像データ42L,43L及びテキストデータ44Lを含むHTML文書データ82に変更し、用紙が1ページに収めるようにしている。
【0076】
ステップS29でYESの場合、ステップS33でNOの場合、ステップS31,S32,S34の処理を終えた場合には、処理部12は、今までの設定を確認する印刷レビューを表示するか否かを判定する(ステップS35)。印刷プレビューを表示する場合には、今までのユーザが設定したHTML文書をブラウザに表示し(ステップS36)、処理を終了する。印刷プレビューを表示しない場合にはそのまま処理を終了する。
【0077】
このように、図10の処理が完了するとユーザの設定は終了する。終了後は、図2のステップS6へ進むが、ユーザが再度設定を行う場合にはステップS6へ進む前に、図5及び図10の処理を繰り返すことになる。ユーザが編集し、設定を行ったHTML文書は画像形成装置3へ転送され、印刷が可能となる。
【0078】
このように、ユーザがHTML文書データ中の任意の画像データやテキストデータを拡大/縮小することができる。また、ユーザが選択していない画像データやテキストデータを自動的に縮小/拡大させ、2in1、両面印字の設定行うことで用紙枚数を減らし、用紙内の領域を有効活用することができる。
【0079】
以上の説明は、PC1で主に処理を行うことを前提としていたが、これらの処理は全て画像形成装置3内で実行するよう構成することもできる。その場合、PC1で説明した各要素11〜15に対応する要素が画像形成装置3内に具備され、上述したPC1から画像形成装置3への指示等は全て画像形成装置3内で行うように読み替えれば理解できる。表示部11及び操作部13に対応する部位としては、例えばタッチパネルを設けるとよい。
【0080】
このように本発明に係る文書データ処理システムは、PC1と画像形成装置3で構成されるシステムに限らず、画像形成装置3のみで構築することもできる。その場合、画像形成装置3は内部に保存された或いは外部接続されたPCや可搬メモリなどに保存されたHTML文書データを編集・印刷の対象とする。
【0081】
以上、文書データとしてHTML文書のデータを挙げて説明したが、XML(eXtensible Markup Language)文書のデータであっても、また他の形式の文書データであってもその文書データ内で一部のオブジェクト(画像データやテキストデータ)が選択・変倍処理可能であれば、本発明に適用できる。また、文書データがHTML文書であることを前提にブラウザを挙げたが、システム構成に応じてPC又は画像形成装置のプログラム格納領域に、文書データの種類に対応したアプリケーションプログラムを実行可能に格納しておけば、その文書データを閲覧、編集などすることが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…PC、2…ネットワーク、3…画像形成装置、11…表示部、12…処理部、13…操作部、14…I/F、15…記憶部、30…ユーザデータ表。
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書データを編集して印刷することが可能な文書データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブラウザなどから取り込んだ画像データの配置順を決定し、この順で、画像未配置領域内で最大サイズとなるように画像データを相似拡大又は相似縮小(相似変倍)し、その変倍した画像データを画像未配置領域に再配置することより、限られた領域内にも自動で画像データを収めるようにした画像データ処理装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−96832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像データ処理装置では、ユーザが文書データの任意の画像データ部分もしくはテキストデータ部分についての拡大又は縮小の選択を行い、それ以外の選択されていない部分のデータを同ページ領域内にリサイズし配置することができなかった。従って、仮にユーザがある部分を指定して拡大をしようとすると文書データが複数ページにわたってしまい、記録用紙の消費が多くなってしまうという問題があった。
【0005】
このように、従来の技術では、文書データの所定部分を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることができない。
【0006】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることが可能な文書データ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が拡大指示である場合には縮小処理を施すことを特徴としたものである。
【0008】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記所定部分の拡大処理により前記所定部分が前記印刷部での印刷時に印刷用紙サイズの横幅を超える場合には、改行処理を実行することを特徴としたものである。
【0009】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部を、所定のサイズに縮小するか所定の倍率で縮小する縮小処理を実行することを特徴としたものである。
【0010】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、前記データ処理部は、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴としたものである。
【0011】
第5の技術手段は、文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴としたものである。
【0012】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段において、前記データ入力部で入力された文書データの各部分が画像データであるのかテキストデータであるのかを識別する識別部をさらに有し、前記操作部は、前記表示部で表示中の文書データの所定部分として、前記識別部で識別された画像データ又はテキストデータの任意の部分が選択可能になっていることを特徴としたものである。
【0013】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれかの技術手段において、前記データ処理部は、前記変倍処理及び前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部についての縮小又は拡大処理を施した後の文書データが、前記印刷部での印刷時の印刷用紙数について、前記変倍処理前の文書データより増える場合には、集約印刷の設定及び/又は両面印刷の設定を行うことを特徴としたものである。
【0014】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれかの技術手段において、ユーザを特定するユーザ特定部と、前記データ入力部で入力された文書データのうち前記所定部分に対応する前記変倍処理を施す部分、及び前記変倍処理の倍率を、ユーザ毎に登録する登録部と、をさらに有し、前記データ処理部は、前記ユーザ特定部で特定されたユーザに応じて、前記登録部で登録された前記変倍処理を施す部分及び前記倍率を読み出して前記変倍処理を施すことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の文書データ処理システムによれば、文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る文書データ処理システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおけるPCの処理部で施される処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図3】図2の処理におけるユーザ固有設定処理時に参照する画像形成装置側に格納されたユーザデータ表の一例を示す図である。
【図4】図1のシステムにおいて編集・印刷の対象となるHTML文書データの一例を示す図である。
【図5】図2のステップS4の変倍処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した例を示す図である。
【図7】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した他の例を示す図である。
【図8】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した他の例を示す図である。
【図9】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した他の例を示す図である。
【図10】図4のHTML文書データに対して図2のステップS4の変倍処理を施した後に実行される、図2のステップS5の自動縮小/拡大処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図11】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した例を示す図である。
【図12】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図13】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図14】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図15】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図16】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【図17】図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る文書データ処理システムは、文書データを編集して印刷することが可能なシステムであり、そのため「文書データ印刷システム」とも言え、また文書データに画像データが含まれていても対応可能なことから「画像データ処理システム」とも言える。以下、図面を参照しながら、本発明に係る文書データ処理システムについて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る文書データ処理システムの一構成例を示すブロック図である。図1で例示する文書データ処理システム(以下、本システムという)は、PC1と画像形成装置3とがLAN(Local Area Network)等により有線/無線で接続されており、さらにPC1はインターネット等のネットワーク2に接続可能となっている。
【0019】
PC1は、表示部11、処理部12、操作部13、I/F14、及び記憶部15を備える。処理部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)等のプログラム格納領域、RAM(Random Access Memory)等の作業領域を備える。なお、作業領域やプログラム格納領域として、記憶部15内の記憶領域を利用することもできる。プログラム格納領域には、HTML(Hypertext Markup Language)文書をブラウジングするブラウザプログラムが、CPUから読み出し可能に格納されている。CPUは、このブラウザプログラムをRAM等の作業領域に読み出して展開してそのプログラムを実行する。また、操作部13は、ユーザからの指示を入力する。この指示としては、HTML文書を編集するための編集指示も入力可能となっている。
【0020】
HTML文書を表示部11に表示させる場合、操作部13でのユーザ指示に基づきHTML文書を指定して表示させることになる。指定されたHTML文書のデータが記憶部15に格納されたデータであれば、CPUがHTML文書のデータを記憶部15から一時的に作業領域に読み出し表示部11に渡す。一方、指定されたHTML文書のデータが、ネットワーク2に接続された他の機器(サーバ装置等)に格納されたデータであれば、処理部12のCPUが、I/F14を介してネットワーク2からそのHTML文書のデータを一時的に作業領域に取り込み、表示部11に渡す。
【0021】
このように、I/F14及び処理部12や記憶部15及び処理部12は、HTML文書データを入力するデータ入力部の一例であり、表示部11は、データ入力部から入力されたHTML文書データを表示する表示部の一例である。
【0022】
上述したように、PC1では操作部13でユーザが編集指示を行うことが可能となっている。編集は、ユーザが表示部11に表示されたHTML文書を閲覧しながら行う。処理部12のCPUは、この編集指示に従い、表示中のHTML文書データの内容を(作業領域に読み出されていない場合には読み出してから)変更する処理を実行する。この変更は、作業領域上のHTML文書データに反映されることになる。また、CPUは、処理部12で編集により変更処理された後のHTML文書データについても、表示部11で表示させる。ユーザがその表示結果(つまり編集結果)に満足せずに、さらに編集を加えたい場合には同様に編集指示を操作部13から入力すれば、その編集結果が表示部11に表示される。
【0023】
このように、処理部12は、操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、表示部11で表示中のHTML文書データを編集するデータ処理部の一例である。
【0024】
なお、編集(変更)されたHTML文書データは、元のデータが作業領域上にしか存在しないデータである場合、操作部13でのユーザによるファイル名を指定した保存指示に基づき記憶部15に保存することができる。また、元のデータが記憶部15内のデータである場合、操作部13でのユーザによる保存(上書き保存又は別のファイル名を指定した保存)指示に基づき、編集後のHTML文書データを保存することができる。勿論、ユーザからの保存指示がない場合には、編集し一時記憶させた内容を破棄して元の状態で記憶部15に記憶したままにしておけばよい。
【0025】
ユーザは、HTML文書データの編集結果に満足し印刷を行いたい場合に、印刷指示を操作部13から入力する。この印刷指示を受けて、処理部12は、画像形成装置3とのI/F(図示せず)を介して、作業領域上のその編集後のHTML文書のデータを画像形成装置3に送り、印刷を実行させる。より具体的には、プログラム格納領域にCPUで実行可能に格納されたプリンタドライバで、その編集後のHTML文書のデータを画像形成装置3へ送り、画像形成装置3側で対応した印刷データを生成して印刷を実行する。また、プリンタドライバで、そのHTML文書のデータに対応した印刷データを生成してから、その印刷データを、画像形成装置3へ送って印刷させてもよい。
【0026】
画像形成装置3は、編集されたHTML文書データを印刷(印字)する印刷部の一例である。勿論、この印刷部は編集されていないHTML文書データであっても印刷を実行できる。画像形成装置3としては、プリント機能を含む複合機や、プリンタ機器などが適用できる。画像形成装置3は、印刷部の他に、主として、印刷対象データを入力する入力部及びそれらを制御する制御部を備える。
【0027】
このようなシステムにおいて、本発明における操作部13は、編集指示の一つとして、表示部11で表示中のHTML文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっている。倍率自体は、所定部分を選択後、例えばポップアップ画像などを表示部11に表示させて入力又は選択させるなどして入力させることができる。
【0028】
そして、本発明の主たる特徴として、処理部12で例示したデータ処理部は、この変倍指示に従って上記所定部分を変倍処理すると共に、変倍指示が拡大指示である場合には、同じHTML文書データの上記所定部分以外の部分(つまり選択されなかった部分)のうち一部又は全部について、自動的に縮小処理を施す。以下、ユーザによる変倍指示に基づく変倍処理と区別するため、この縮小処理を自動縮小処理と呼ぶ。
【0029】
この自動縮小処理のタイミングは、上記変倍処理(この場合には拡大処理)後であればよく、後述の印刷プレビューを実行する前であることが好ましい。また、この自動縮小処理は、上記所定部分の変倍処理(この場合には拡大処理)に応じた縮小方法で実行することが好ましい。例えば、拡大処理で増えた分を他の部分で縮小して補填するような倍率や縮小後のサイズ等を採用すればよい。
【0030】
また、処理部12は、HTML文書データの上記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、変倍指示が縮小指示である場合には自動的に拡大処理を施すことが好ましい。以下、ユーザによる変倍指示に基づく変倍処理と区別するため、この拡大処理を自動拡大処理と呼ぶ。この場合、ユーザが縮小指示する所定部分はユーザにとって小さくても問題のない部分であり、ユーザは縮小用に所定部分を選択したことを意味する。これにより、非選択の部分(必要な部分)を自動拡大処理することができる。この自動拡大処理のタイミングや拡大方法については、自動縮小処理について述べたのと同様に、変倍処理(この場合には縮小処理)後に実行し、この変倍処理に応じた拡大方法で実行することが好ましい。
【0031】
また、自動拡大処理の機能は、自動縮小処理の機能と同時に搭載する必要は必ずしもなく、単独で自動縮小処理の機能のみを搭載してもよい。その場合、操作部13で受け付ける変倍指示としては、自動縮小処理を伴うことになる拡大指示の代わりに、自動拡大処理を伴うことになる縮小指示となる。勿論、本発明に係る自動拡大処理/自動縮小処理を行うか否かに拘わらず、操作部13では拡大指示と縮小指示の双方を受け付け可能としておいてよい。
【0032】
以上、本発明によれば、入力されたHTML文書データのうち所定部分を変倍(拡大)することによって、ユーザが欲しい部分(注目部分)が見やすい形で印刷することができる。さらに、指定されなかった部分全て又はその一部についての自動縮小処理によって、所定部分のみが拡大されることによって印刷用紙が増える(例えば元々1ページであれば複数ページとなってしまう)ことによる印刷用紙の無駄を無くすことができる。同様に、所定部分を縮小することによって、ユーザが欲しくない部分を見難くして印刷用紙が増えることを防ぐと共に、指定されなかった部分(欲しい部分)全て又はその一部についての自動拡大処理によって、欲しい部分を見やすい形で印刷することができる。このように、本発明によれば、HTML文書データの一部を拡大することによるページ数の増大を極力防ぎつつ、ユーザの所望する印刷をすることが可能になる。
【0033】
以下、具体的な編集例を挙げて、本発明についてより詳細に説明する。まず、図2〜図4を参照しながらここで説明する処理例の概要を説明する。図2は、図1のシステムにおけるPCの処理部で施される処理の一例を説明するためのフロー図、図3は、図2の処理におけるユーザ固有設定処理時に参照する画像形成装置側に格納されたユーザデータ表の一例を示す図、図4は、図1のシステムにおいて編集・印刷の対象となるHTML文書データの一例を示す図である。
【0034】
本処理例では、画像形成装置3はユーザデータとして図3に示すユーザデータ表30を保持しているものとする。また、図4で例示する1ページからなるHTML文書データ40を入力データ、すなわち編集・印刷の対象のデータとして説明するが、複数ページであってもよい。図4で例示するHTML文書データ40は、1ページ分のデータを表示部11に納めた様子を示しており、そのまま印刷プレビューを行った時の表示画面又は印刷を実行した際の印刷用紙を示しているとも言える。HTML文書データ40は、用紙1ページの中に第1画像データ41、第2画像データ42、第3画像データ43の3つの画像データと、テキストデータ44の1つのテキストデータとが存在している。テキストデータ44は文字列を1つの括りとしているが、ユーザは一文字ずつ選択することも可能である。第2画像データ42と第3画像データ43とは同じ行に表示されているものとする。
【0035】
まず、PC1の処理部12は、ブラウザを開いた段階又はHTML文書データ40を表示した段階などに、画像形成装置3に対してPC1のユーザ情報(例えばPC1でのログイン名等)を送り、そのユーザが画像形成装置3内のユーザデータ表30に含まれるユーザ(つまりユーザデータ表30で特定できるユーザ)であるかを判定する(ステップS1)。ログイン名だけではなくパスワードなども送って、画像形成装置3で認証を行ってもよい。その場合、ユーザデータ表30中又はユーザデータ表30に関連付けて、パスワードも保存しておくとよい。
【0036】
例示したユーザデータ表30には、各ユーザに対して、画像データの倍率(元の画像のサイズからの倍率)、テキストデータの文字サイズ(ポイント)、2in1の設定を行うか否か、両面印刷を行うか否か、指定以外の部分を読める文字の大きさにするか否か、が登録されている。
【0037】
このような登録のためには、画像形成装置3への登録を行う登録部の他に、登録した情報を読み出すためのユーザ特定部も本システムに具備しておく。この登録部は、登録例を表30で示したように、入力されたHTML文書データのうち上記所定部分に対応する変倍処理を施す部分(つまりHTML文書データのうちどの部分を変倍するか)と、この変倍処理の倍率とを、ユーザ毎に登録するものである。但し、図3の例では、基本的に全ての画像データやテキストデータについての倍率を定めており、この表30に基づく限り本発明の特徴である自動縮小/拡大処理(印刷設定等は除く)はスルーとなる。ユーザ特定部及び登録部は主としてPC1の操作部13、処理部12、及び画像形成装置3で実現できる。
【0038】
ユーザデータ表30において、文字サイズの代わりに、例えば+2ptなど、大きくするポイント幅を登録しておいてもよい。2in1、両面印刷、「読める文字の大きさにする」については、○があるときにはそれぞれの設定がされていることを示している。「読める文字の大きさにする」とは、テキストデータのサイズが目で見えるサイズ(例えば8ポイントなどと規定しておく)より小さく縮小されないようにすることを示している。テキストデータだけでなく、画像データについても「読める大きさにする」と登録しておくことで、詳細な絵ほど縮小されないようにすることもできる。例えば画像データからその画像特徴を抽出するなどすることで、どの程度平坦な絵であるのか(逆を言うとどの程度詳細な絵であるのか)が判別できる。ここでは、平坦な度合いの基準値を規定しておけばよい。
【0039】
ここで、画像・テキストデータの変倍処理についてはHTML文書データ40の編集結果として反映される。2in1や両面印刷の設定は、プリンタドライバにより解釈され、印刷指示時に画像形成装置3に送られることになる。このように、ユーザ固有の設定には、編集方法の設定だけでなく、プリンタドライバ上の印刷設定を含むことが好ましい。編集方法だけでは印刷枚数の増加を伴ってしまうことになる可能性があるためである。
【0040】
ユーザデータ表30に該当するユーザである場合(ステップS1でYESの場合)には、処理部12は、ユーザデータ表30に記述されたユーザ固有の設定にする(ステップS2)。例えば、PC1のユーザがユーザBであった場合、ユーザデータ表30に従い、HTML文書データ内の画像データを150%に拡大し、同HTML文書のデータ内のテキストデータを12ポイントにし、両面印刷を設定する。なお、これらの設定はプリンタドライバソフト上での設定を意味するが、この時点で設定の情報を画像形成装置3へ送り設定を実行してもよい。
【0041】
このように、ブラウザなどから取り出されたHTML文書データ40は画像データ部位とテキストデータ部位に分けて処理できることが好ましい。そのため、処理部12は、入力されたHTML文書データ40の各部分が画像データであるのかテキストデータであるのかを識別する識別部を有することが好ましい。
【0042】
なお、ユーザデータ表30は、画像形成装置3内に格納されていることを前提に説明しているが、PC1の記憶部15に格納しておいてもよい。その場合、PC1のユーザのみに関するデータを少なくとも格納しておけば、ステップS2と同様にユーザ固有の設定が可能となる。
【0043】
ステップS2に続き、処理部12は、ポップアップ画面を表示させるなどして、設定を変更するか否かをユーザに問合せ、設定を変更する指示がユーザからあったか否かを判定する(ステップS3)。
【0044】
設定を変更しない場合には、ステップS2での設定のまま、設定は完了し、処理部12はユーザの印刷指示に基づき画像形成装置3に印刷処理を実行させる(ステップS6)。このように、処理部12は、ユーザ特定部で特定されたユーザに応じて、(ユーザが上記所定部分を選択した変倍指示を行う代わりに、)登録部で登録された変倍処理を施す部分及び倍率を読み出して変倍処理を施すようにすることが好ましい。自動的にHTML文書データの所定の部分を指定することが可能であるため、毎回、ユーザが設定する手間が省け、設定間違いによる誤印字が無くせる。
【0045】
処理部12は、この変倍処理に対応した自動縮小/拡大処理も施す。但し、ユーザデータ表30において、最初の画像データ、2番目の画像データ、最初のテキストデータなどと、変倍処理を施す部分がHTML文書データ40から特定できるような登録の仕方を採用しておく。なお、上述した通り図3の例では、より単純に特定できるように、全ての画像データ、全てのテキストデータを変倍処理を施す部分として登録した例を示しており、結果的にこの変倍処理に対応した自動縮小/拡大処理は不要となる。
【0046】
ステップS1でユーザ認証されていない場合とステップS3で設定を変更する場合には、処理部12がHTML文書データ40の変倍処理(拡大縮小処理)を実行する(ステップS4)。ステップS4では、例を挙げてその詳細を後述するが、HTML文書データ40のうち、全ての画像データの拡大縮小編集、全てのテキストデータの拡大縮小編集、ユーザ選択部位の拡大縮小編集などを行う。
【0047】
また、ステップS4の詳細として後述はしないが、ステップS4では、ユーザデータ表30の設定内容をデフォルトとして用い、ユーザによる選択操作を受け付けて、その選択された所定部分のみについて、そのユーザに対する設定内容を生かすようにしてもよい。これにより、ユーザは所定部分の選択のみで倍率等を指定する手間が省ける。なお、ステップS1でユーザが特定されなくても、ユーザデータ表30に1又は複数の設定例を格納しておき、ステップS4において、この設定例の中からユーザ操作により選択させるようにしてもよい。
【0048】
ステップS4の処理後、処理部12は、自動拡大縮小編集処理(自動縮小処理/自動拡大処理)、2in1や両面印刷の設定、印刷プレビューの有無の設定などを行う(ステップS5)。なお、これらの設定はプリンタドライバソフト上での設定を意味するが、この時点で設定の情報を画像形成装置3へ送り設定を実行してもよい。ステップS5の詳細についても例を挙げて後述する。ステップS5の後、操作部13からの印刷指示を受け、処理部12は画像形成装置3に対して印刷を指示し、印刷が画像形成装置3で実行される。
【0049】
次に、ステップS4の詳細について図5〜図9を参照しながら説明する。図5は、図2のステップS4の変倍処理(拡大/縮小編集処理)の一例を説明するためのフロー図で、図6〜図9は、図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施した例を示す図である。
【0050】
まず、処理部12は、操作部13でのユーザ操作(ユーザ指示)を受け付ける(ステップS11)。このとき、図2のステップS2を経ている場合にはユーザデータ表30で登録された指示も受け付けることになる。続いて、処理部12は、ユーザ指示やユーザデータ表30で登録された指示が、HTML文書内の全ての画像データを拡大又は縮小する指示であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0051】
ステップS12でYESの場合には、図6のように全ての画像データについて拡大又は縮小を行う(ステップS13)。図6では、HTML文書データ40の各画像データ41,42,43に対して、拡大処理により拡大画像データ41L,42L,43Lを含むHTML文書データ51に変更され、縮小処理により縮小画像データ41S,42S,43Sを含むHTML文書データ52に変更されていることが分かる。
【0052】
ステップS12でNOの場合には、処理部12は、ユーザ指示やユーザデータ表30で登録された指示が、HTML文書内の全てのテキストデータを拡大又は縮小する指示であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
YESの場合には、図7のように全てのテキストデータを拡大又は縮小を行う(ステップS15)。図7では、HTML文書データ40の全てのテキストデータ44に対して、拡大処理により拡大テキストデータ44Lを含むHTML文書データ53に変更され、縮小処理により縮小テキストデータ44Sを含むHTML文書データ54に変更されていることが分かる。
【0054】
全ての画像データを拡大又は縮小した場合にテキストデータも同じ設定にすることは可能であるが、同じ設定にすると一部を見え易く用紙を節約できないため、ステップS12,14での判定に関して説明したように、ユーザは画像データ又はテキストデータのどちらかを選択し、編集することになる。もしくは後述のように画像/テキストデータの一部を選択し、編集することになる。
【0055】
ステップS14でNOの場合には、処理部12は、ユーザ指示やユーザデータ表30で登録された指示が、HTML文書内の全ての画像データ又はテキストデータではなく、一部の画像データ又はテキストデータの拡大又は縮小する指示であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0056】
ステップS16でNOの場合には処理を終了し、YESの場合には、図8、図9のようにHTML文書内の任意の画像データ又はテキストデータを選択し、拡大又は縮小を行う(ステップS17)。
【0057】
図8では、第1画像データ41に対して、拡大処理により拡大画像データ41Lを含むHTML文書データ55に変更され、縮小処理により縮小画像データ41Sを含むHTML文書データ56に変更されていることが分かる。また、図9では、テキストデータ44の一部(「3AB」)に対して、拡大処理により一部拡大テキストデータ44Lpを含むHTML文書データ57に変更され、縮小処理により縮小テキストデータ44Spを含むHTML文書データ58に変更されていることが分かる。
【0058】
ステップS16のように、操作部13は、表示中のHTML文書データ40の所定部分として、上記識別部で識別された画像データ又はテキストデータの任意の部分を選択することが可能となっていることが好ましい。この任意の部分が選択可能に表示部11で表示されていればよい。これにより、識別された画像データもしくはテキストデータ中の任意の部分をユーザが指定して処理部12が変倍処理できる。ユーザにとって、特定の画像部分、テキスト部分でも、欲しい部分は、その一部分であることがあり、そのような一部分のみを変倍することができるため、有益である。
【0059】
なお、ステップS12,S14,S16の判定の順序は問わない。また、ユーザ指示に基づき全ての画像データ又はテキストデータを拡大又は縮小してこのフローを終了した後に、更なるユーザ指示で一部のデータを拡大又は縮小指示を行うこともある。
【0060】
次に、図2のステップS5の詳細について図10〜図17を参照しながら説明する。図10は、図4のHTML文書データに対して図2のステップS4の変倍処理を施した後に実行される、図2のステップS5の自動縮小/拡大処理の一例を説明するためのフロー図である。また、図11〜図17は、図4のHTML文書データに対して図5の変倍処理を施し、図10の自動縮小/拡大処理を施した例を示す図である。
【0061】
まず、処理部12は、図5の変倍処理を経たHTML文書データが、印刷を実行したときに用紙サイズを超えるようなデータでないか否かを判定する(ステップS21)。なお、元のHTML文書データ40が1ページであることを前提として説明しているが、複数ページである場合には、各ページで判定してもよいし、全ページ数が増えていないか否かで判定してもよい。このことは、後述のステップS25,S29でも同様である。
【0062】
ステップS21の判定で、拡大された画像データもしくはテキストデータが用紙サイズの横幅よりも大きい場合(NOの場合)に、図11もしくは図12のように用紙サイズよりはみ出る画像データもしくはテキストデータを改行する(ステップS22)。改行により1ページに収まらなかった画像は2ページ目に移動する。図11では、図5の変倍処理後のHTML文書データ60の第2,第3画像データ42L,43Lに対して、両者の途中で改行処理を行うことで、はみ出ることのないHTML文書データ61に変更されていることが分かる。ここでは、改行箇所としては、はみ出ている画像データ43Lの手前としている。また、図12では、図5の変倍処理後のHTML文書データ62のテキストデータ44Lに対して、「B」と「C」との間で改行処理を行うことで、はみ出ることのないHTML文書データ63に変更されていることが分かる。
【0063】
このように、処理部12は、変倍指示(又は登録された変倍指示)が拡大指示である場合に、所定部分の拡大処理によりその所定部分が印刷部での印刷時に印刷用紙サイズの横幅を超える場合には、改行処理を実行することが好ましい。これにより、所定部分が変倍されたときに画像が欠落してしまうことを防止することができる。
【0064】
ステップS22の処理後、処理部12は、1つの画像データもしくはテキストデータのサイズが用紙サイズの横幅よりも小さいか否か、つまり用紙サイズを超えていないか否かを判定する(ステップS23)。NOである場合、処理部12は、図13もしくは図14のように用紙サイズの横幅と画像データもしくはテキストデータの横幅が同じサイズになるようにリサイズ(倍率を変更)する(ステップS24)。ステップS24では、拡大された横幅と同じ倍率で高さのサイズも変更する。
【0065】
図13では、図5の変倍処理後のHTML文書データ64の第2画像データ42Lに対して、縦横比を固定したまま横幅に合うように縮小した画像データ42LSを含むHTML文書データ65に変更されていることが分かる。また、図14では、図5の変倍処理後のHTML文書データ65のテキストデータ45Lに対して、縦横比を固定したまま横幅に合うようにポイント数を縮小したテキストデータ45LSを含むHTML文書データ67に変更されていることが分かる。
【0066】
ステップS21でYESの場合、ステップS23でYESの場合、ステップS24の処理を終えた場合には、処理部12は編集されたHTML文書が1ページに収まっているか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25でNOの場合には、処理部12は、ユーザが編集した画像データ以外もしくはテキストデータ以外を自動で縮小する際に、ユーザが目で認識できる大きさまで縮小するか否かを判定する(ステップS26)。
【0067】
ステップS26でYESの場合には、処理部12は、非選択の画像データ又はテキストデータを読めるサイズまで縮小する(ステップS27)。ステップS27では、ユーザが編集した画像データ以外もしくはテキストデータ以外の画像データ又はテキストデータを残された領域内で最大のサイズになるように縮小し、かつ、ユーザが目で認識できるサイズで1ページに収める。1ページに収まらない場合には2ページに分ける。この際、ユーザが目で認識できるかどうかは、ユーザが設定変更できるものとする。
【0068】
図15に例示する、図5で変倍処理後のHTML文書データ70,71は、ユーザが拡大させた画像データ41Lにより、用紙が2ページに増えてしまっている。このような場合、自動的に、ユーザが選択していない、画像データ42,43、テキストデータ44の縮小を行うことで、縮小後の画像データ42S,43S及びテキストデータ44Sを含むHTML文書データ72に変更し、1ページに収まるようにしている。この際、縮小したデータは目で見えるサイズである。
【0069】
ステップS26でNOの場合には、非選択の画像データ又はテキストデータを最小のサイズ(ユーザが目で認識できない大きさ)まで縮小する(ステップS28)。ステップS28では、ユーザが編集した画像データ以外もしくはテキストデータ以外の画像データ又はテキストデータを残された領域内で最大のサイズになるように縮小し、ユーザが目で認識できないサイズになったとしても縮小する。1ページに収まらない場合には2ページに分ける。目で認識できないサイズはユーザが選択していない部分を縮小して目で認識できないサイズにリサイズすることである。
【0070】
図16に例示する、図5で変倍処理後のHTML文書データ73,74は、ユーザが拡大させた画像データ41L,42L,43Lにより、用紙が2ページに増えてしまっている。このような場合、自動的に、ユーザが選択していない、テキストデータ44を目で認識できないサイズまで縮小を行うことで、縮小後のテキストデータ44Sを含むHTML文書データ72に変更し、用紙が1ページに収めるようにしている。
【0071】
このように、処理部12は、変倍指示が拡大指示である場合、所定部分以外の部分のうち一部又は全部を、所定のサイズに縮小するか所定の倍率で縮小する自動縮小処理を実行することが好ましい。指定されなかった部分についてユーザが目視で認識できる程度のサイズまで縮小することによって、所定部分を最大限の大きさまで拡大設定することができる。また、指定されなかった部分についてユーザが目視で認識できず存在のみが確認できる程度のサイズまで縮小することによって、所定部分をより最大限の大きさまで拡大設定することができる。
【0072】
ステップS27,S28の処理後、処理部12は、画像データもしくはテキストデータの縮小を行っても、ページ数が2ページを超えないか否かを判定する(ステップS29)。NOの場合、処理部12は、登録された指示又は別途要求したユーザ指示により、2in1、両面印字の設定をするか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30でYESの場合、処理部12は2in1、両面印刷の設定を行う(ステップS31)。ステップS30でNOの場合にはそのまま2ページ以上で設定される(ステップS32)。
【0073】
このように、処理部12は、変倍処理及び自動縮小処理(又は自動拡大処理)を施した後のHTML文書データが、印刷時の印刷用紙数について、変倍処理前(つまり変倍処理前で且つ自動縮小/拡大処理前)のHTML文書データより増える場合(例えば、元々1ページ分の文書データが印刷用紙2ページ以上になる場合)には、集約印刷(Nin 1)の設定及び/又は両面印刷の設定を行う。指定された部分と指定されなかった部分とをそれぞれ変倍処理したとき、どうしても複数ページにわたってしまう場合には、Nin1や両面印刷とすることで、印刷用紙を節減することができる。
【0074】
ステップS25でYESの場合(1ページに収まっている場合)、処理部12は1ページの中に余白部分があるか否かを判定する(ステップS33)。余白がある場合には、ユーザが選択していない画像データもしくはテキストデータを余白の分だけ同じ倍率で拡大する(ステップS34)。最大サイズは用紙サイズの横幅までの倍率である。
【0075】
図17に例示する、図5で変倍処理後のHTML文書データ81は、ユーザが縮小させた画像データ41Sにより、余白部分が生じている。このような場合、自動的に、ユーザが選択していない、画像データ42,43とテキストデータ44が用紙内で最大のサイズになるように拡大することで、拡大後の画像データ42L,43L及びテキストデータ44Lを含むHTML文書データ82に変更し、用紙が1ページに収めるようにしている。
【0076】
ステップS29でYESの場合、ステップS33でNOの場合、ステップS31,S32,S34の処理を終えた場合には、処理部12は、今までの設定を確認する印刷レビューを表示するか否かを判定する(ステップS35)。印刷プレビューを表示する場合には、今までのユーザが設定したHTML文書をブラウザに表示し(ステップS36)、処理を終了する。印刷プレビューを表示しない場合にはそのまま処理を終了する。
【0077】
このように、図10の処理が完了するとユーザの設定は終了する。終了後は、図2のステップS6へ進むが、ユーザが再度設定を行う場合にはステップS6へ進む前に、図5及び図10の処理を繰り返すことになる。ユーザが編集し、設定を行ったHTML文書は画像形成装置3へ転送され、印刷が可能となる。
【0078】
このように、ユーザがHTML文書データ中の任意の画像データやテキストデータを拡大/縮小することができる。また、ユーザが選択していない画像データやテキストデータを自動的に縮小/拡大させ、2in1、両面印字の設定行うことで用紙枚数を減らし、用紙内の領域を有効活用することができる。
【0079】
以上の説明は、PC1で主に処理を行うことを前提としていたが、これらの処理は全て画像形成装置3内で実行するよう構成することもできる。その場合、PC1で説明した各要素11〜15に対応する要素が画像形成装置3内に具備され、上述したPC1から画像形成装置3への指示等は全て画像形成装置3内で行うように読み替えれば理解できる。表示部11及び操作部13に対応する部位としては、例えばタッチパネルを設けるとよい。
【0080】
このように本発明に係る文書データ処理システムは、PC1と画像形成装置3で構成されるシステムに限らず、画像形成装置3のみで構築することもできる。その場合、画像形成装置3は内部に保存された或いは外部接続されたPCや可搬メモリなどに保存されたHTML文書データを編集・印刷の対象とする。
【0081】
以上、文書データとしてHTML文書のデータを挙げて説明したが、XML(eXtensible Markup Language)文書のデータであっても、また他の形式の文書データであってもその文書データ内で一部のオブジェクト(画像データやテキストデータ)が選択・変倍処理可能であれば、本発明に適用できる。また、文書データがHTML文書であることを前提にブラウザを挙げたが、システム構成に応じてPC又は画像形成装置のプログラム格納領域に、文書データの種類に対応したアプリケーションプログラムを実行可能に格納しておけば、その文書データを閲覧、編集などすることが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…PC、2…ネットワーク、3…画像形成装置、11…表示部、12…処理部、13…操作部、14…I/F、15…記憶部、30…ユーザデータ表。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、
前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、
前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が拡大指示である場合には縮小処理を施すことを特徴とする文書データ処理システム。
【請求項2】
前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記所定部分の拡大処理により前記所定部分が前記印刷部での印刷時に印刷用紙サイズの横幅を超える場合には、改行処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の文書データ処理システム。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部を、所定のサイズに縮小するか所定の倍率で縮小する縮小処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の文書データ処理システム。
【請求項4】
前記データ処理部は、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項5】
文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、
前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、
前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴とする文書データ処理システム。
【請求項6】
前記データ入力部で入力された文書データの各部分が画像データであるのかテキストデータであるのかを識別する識別部をさらに有し、
前記操作部は、前記表示部で表示中の文書データの所定部分として、前記識別部で識別された画像データ又はテキストデータの任意の部分が選択可能になっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項7】
前記データ処理部は、前記変倍処理及び前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部についての縮小又は拡大処理を施した後の文書データが、前記印刷部での印刷時の印刷用紙数について、前記変倍処理前の文書データより増える場合には、集約印刷の設定及び/又は両面印刷の設定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項8】
ユーザを特定するユーザ特定部と、前記データ入力部で入力された文書データのうち前記所定部分に対応する前記変倍処理を施す部分、及び前記変倍処理の倍率を、ユーザ毎に登録する登録部と、をさらに有し、
前記データ処理部は、前記ユーザ特定部で特定されたユーザに応じて、前記登録部で登録された前記変倍処理を施す部分及び前記倍率を読み出して前記変倍処理を施すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項1】
文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、
前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、
前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が拡大指示である場合には縮小処理を施すことを特徴とする文書データ処理システム。
【請求項2】
前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記所定部分の拡大処理により前記所定部分が前記印刷部での印刷時に印刷用紙サイズの横幅を超える場合には、改行処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の文書データ処理システム。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記変倍指示が拡大指示である場合、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部を、所定のサイズに縮小するか所定の倍率で縮小する縮小処理を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の文書データ処理システム。
【請求項4】
前記データ処理部は、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項5】
文書データを入力するデータ入力部と、該データ入力部から入力された文書データを表示する表示部と、前記表示部で表示中の文書データに対してユーザからの編集指示を入力する操作部と、該操作部で入力されたユーザの編集指示に応じて、前記表示部で表示中の文書データを編集するデータ処理部と、該データ処理部によって編集された文書データを印刷する印刷部とを有する文書データ処理システムであって、
前記操作部は、前記編集指示の一つとして、前記表示部で表示中の文書データの所定部分を選択して変倍する変倍指示が入力可能となっており、
前記データ処理部は、前記変倍指示に従って前記所定部分を変倍処理すると共に、前記文書データの前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部について、前記変倍指示が縮小指示である場合には拡大処理を施すことを特徴とする文書データ処理システム。
【請求項6】
前記データ入力部で入力された文書データの各部分が画像データであるのかテキストデータであるのかを識別する識別部をさらに有し、
前記操作部は、前記表示部で表示中の文書データの所定部分として、前記識別部で識別された画像データ又はテキストデータの任意の部分が選択可能になっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項7】
前記データ処理部は、前記変倍処理及び前記所定部分以外の部分のうち一部又は全部についての縮小又は拡大処理を施した後の文書データが、前記印刷部での印刷時の印刷用紙数について、前記変倍処理前の文書データより増える場合には、集約印刷の設定及び/又は両面印刷の設定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【請求項8】
ユーザを特定するユーザ特定部と、前記データ入力部で入力された文書データのうち前記所定部分に対応する前記変倍処理を施す部分、及び前記変倍処理の倍率を、ユーザ毎に登録する登録部と、をさらに有し、
前記データ処理部は、前記ユーザ特定部で特定されたユーザに応じて、前記登録部で登録された前記変倍処理を施す部分及び前記倍率を読み出して前記変倍処理を施すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の文書データ処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−176286(P2010−176286A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16712(P2009−16712)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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