説明

文書処理装置、縮小画像生成装置、縮小画像表示装置及びプログラム

【課題】共通又は類似する特性を有する文書群ごとの文書の版を考慮して決定された文書を、それ以外の文書とは区別して処理する。
【解決手段】画像処理装置の一覧表示制御装置20において、文書情報取得部21が文書ファイル名を取得して文書情報記憶部22に記憶し、グループ分類部26が文書ファイル名に基づいて文書ファイルをグループに分類し、優先順位決定部27が各グループにおいて優先的に処理すべき優先ファイルを決定する。そして、これらの分類結果及び決定結果はグループ情報記憶部28に記憶され、サムネイル画像生成部23が、全てのグループの優先ファイルのサムネイル画像を先に生成してサムネイル画像記憶部24に記憶し、その後、優先ファイル以外の文書ファイルのサムネイル画像を生成し、表示制御部25が、サムネイル画像を生成された順に表示するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書処理装置、縮小画像生成装置、縮小画像表示装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイに示されるデジタル・イメージの表示、管理、編成を改善する技術は知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の技術では、デジタル・イメージを、イメージの属性に基づいてグループ化し、このグループ化を表すために、デジタル・イメージの表現をスタックに配置する。より詳細には、複数のデジタル・イメージの表現を表示し、そのデジタル・イメージの属性に関する属性値を読み取り、その属性値に基づいて、デジタル・イメージを1つまたは複数のグループに自動的にグループ化し、そのグループ化に応答して、各イメージが属するグループを反映する形でイメージの表現の表示を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、共通又は類似する特性を有する文書群ごとの文書の版を考慮して決定された文書を、それ以外の文書とは区別して処理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する生成手段と、前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうちの特定文書を決定し、当該特定文書を当該複数の文書群について集めた複数の特定文書が先であり、当該複数の特定文書以外の他の文書が後である順序を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記順序に基づいて、前記複数の特定文書に対する処理と、前記他の文書に対する処理とを区別して行う処理手段とを備えたことを特徴とする文書処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記生成手段は、前記複数の文書のうちの共通の部分を含む文書名を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む前記複数の文書群を生成することを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記生成手段は、前記複数の文書のうちの共通の形式を有する少なくとも1つの文書、前記複数の文書のうちの共通の帰属先を有する少なくとも1つの文書、前記複数の文書のうちの類似する縮小画像に対応する少なくとも1つの文書の何れか1つをそれぞれ含む前記複数の文書群を生成することを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記決定手段は、前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち新しい版と判断される文書を前記特定文書として決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の文書処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記決定手段は、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち、文書名の共通しない部分に含まれる数字が最も大きな文書を前記特定文書として決定することを特徴とする請求項4に記載の文書処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記決定手段は、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち、最も新しい更新日時を有する文書、最も新しい作成日時を有する文書、最も大きな容量の文書の何れかを前記特定文書として決定することを特徴とする請求項4に記載の文書処理装置である。
請求項7に記載の発明は、複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する生成手段と、前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち新しい版と判断される文書である特定文書を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記特定文書を前記複数の文書群について集めた複数の特定文書にそれぞれ対応する複数の縮小画像を生成した後に、当該複数の特定文書以外の他の文書に対応する縮小画像を生成する処理を行う処理手段とを備えたことを特徴とする縮小画像生成装置である。
請求項8に記載の発明は、複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する生成手段と、前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち新しい版と判断される文書である特定文書を決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記特定文書を前記複数の文書群について集めた複数の特定文書にそれぞれ対応する複数の縮小画像を表示画面の第1の領域に表示し、当該複数の特定文書以外の他の文書に対応する縮小画像を表示画面の当該第1の領域とは異なる第2の領域に表示する処理を行う処理手段とを備えたことを特徴とする縮小画像表示装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する機能と、前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうちの特定文書を決定し、当該特定文書を当該複数の文書群について集めた複数の特定文書が先であり、当該複数の特定文書以外の他の文書が後である順序を決定する機能と、決定された前記順序に基づいて、前記複数の特定文書に対する処理と、前記他の文書に対する処理とを区別して行う機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、共通又は類似する特性を有する文書群ごとの文書の版を考慮して決定された文書を、それ以外の文書とは区別して処理することができる。
請求項2の発明によれば、文書名以外の情報を用いて文書群を生成できない場合であっても、文書群を生成することができる。
請求項3の発明によれば、文書名を用いて文書群を生成できない場合であっても、文書群を生成することができる。
請求項4の発明によれば、共通又は類似する特性を有する文書群ごとの新しい版の文書を、それ以外の文書とは区別して処理することができる。
請求項5の発明によれば、文書名以外の情報を用いて新しい版の文書を決定できない場合であっても、新しい版の文書を決定することができる。
請求項6の発明によれば、文書名を用いて新しい版の文書を決定できない場合であっても、新しい版の文書を決定することができる。
請求項7の発明によれば、共通又は類似する特性を有する文書群ごとの新しい版の文書の縮小画像を先に生成すると共にその他の文書の縮小画像も生成することができる。
請求項8の発明によれば、共通又は類似する特性を有する文書群ごとの新しい版の文書の縮小画像とその他の文書の縮小画像とを別々の領域に表示することができる。
請求項9の発明によれば、共通又は類似する特性を有する文書群ごとの文書の版を考慮して決定された文書を、それ以外の文書とは区別して処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態が適用される画像処理装置の構成例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態の概略動作の説明で用いる文書ファイルの一例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態の概略動作について説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態における一覧表示制御装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における一覧表示制御装置の動作例を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の一覧表示制御装置におけるグループ情報記憶部に記憶されるグループ情報の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像処理装置]
図1は、画像処理装置10のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、通信インターフェースコントローラ(以下、「通信I/Fコントローラ」と表記する)18とを備える。
【0009】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
【0010】
画像読取部16は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0011】
画像形成部17は、記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
通信I/Fコントローラ18は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0012】
ところで、このような画像処理装置10に対して、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリを装着し、このUSBメモリに格納されている文書ファイルの1つを選択して印刷等を行う場合がある。
この場合、文書ファイルを選択するための情報を画像処理装置10の操作パネル15に一覧表示する方法としては、文書ファイル名を表示する方法、縮小画像の一例であるサムネイル画像を表示する方法、文書ファイルの種類を示すアイコンを表示する方法、文書情報(プロパティ)を表示する方法等がある。
【0013】
このうち、サムネイル画像を表示する方法には、表示される情報量も多いため、利用者が必要とする文書ファイルを直感的に選択し易いという利点はあるものの、次のような問題点もある。
第一に、複数のサムネイル画像を作成しつつ表示する際に、各サムネイル画像の作成に時間がかかれば、一覧表示する全てのサムネイル画像の作成に時間がかかることになり、結果として、目的の文書ファイルの選択が可能となるまでに長時間待たされることがあるという問題点である。特に、あるフォルダに同じ内容であるがバージョンが異なる複数の文書ファイルが格納されている場合、最新バージョンのサムネイル画像だけが必要であるにも関わらず、古いバージョンのものが先に作成されることもあり、目的の文書ファイルのサムネイル画像が表示されるまでに長時間待たされることがあった。
第二に、複数種類の文書ごとに複数の異なるバージョンの文書ファイルがある場合において、これらの文書ファイルのサムネイル画像を一覧表示する際に、それぞれの種類の文書の最新バージョンの文書ファイルのサムネイル画像のみを例えば上方の領域に表示させるようなことは、困難であったり、手間がかかったりするという問題点である。
【0014】
そこで、本実施の形態では比較的小さな操作パネル15上で文書ファイルを利用者に選択させる際に、利用者がより速く簡単に目的の文書に辿り着けるようにするための手法を提案する。
また、複数の文書ファイルのサムネイル画像を一覧表示する際に、目的のファイルを例えば上方の領域に表示して、利用者が容易に目的のファイルに辿り着けるようにする。
【0015】
尚、本明細書において「文書ファイル」とは、テキストを含む「文書」のデータをファイル化したもののみを意味するものではない。例えば、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、データベース管理ソフトウェアや表計算ソフトウェアで記録されるデータ、その他の印刷可能な電子データをファイル化したものも含めて「文書ファイル」としている。
また、文書ファイルの「バージョン」とは、文書ファイルの各改訂を識別する情報であり、文書ファイルの版のことである。
【0016】
まず、本実施の形態における概略動作について説明する。
図2は、この概略動作で用いる文書ファイル名を示したものである。
以下では、このような文書ファイル名の文書ファイルのサムネイル画像を一覧表示するものとする。
【0017】
まず、これらの文書ファイルのサムネイル画像を文書ファイル名の順に作成する場合を考える。
図3(a)は、この場合のサムネイル画像の作成順序を示したものである。
図示するように、「その他ファイル.pdf」、「仕様書ABC K0.1.pdf」、「仕様書ABC K0.2.pdf」、「仕様書ABC K1.0.pdf」、「補助資料 v0.3.pdf」、「補助資料 v0.5.pdf」の順にサムネイル画像は作成される。
【0018】
しかしながら、この順番では、利用者が選択する可能性が低いと思われる古いバージョンの文書ファイルの処理が、利用者が選択する可能性が高いと思われる新しいバージョンの文書ファイルよりも優先されることとなる。特に、利用者が選択したい文書ファイルが「補助資料 v0.5.pdf」であるような場合には、利用者が選択する意思のない「仕様書ABC」の全てのバージョンの文書ファイルのサムネイル画像が作成された後に、選択したい文書ファイルのサムネイル画像が作成されることになる。
【0019】
そこで、本実施の形態では、処理対象となる複数のファイルから、「仕様書ABC K」を共通文字列として含む文書ファイル名を持つ3つの文書ファイルと、「補助資料 v0.」を共通文字列として含む文書ファイル名を持つ2つの文書ファイルとを検知する。そして、前者の3つのファイルのうち、共通文字列以外の文字列部分の数字が最も大きい「仕様書ABC K1.0.pdf」の優先度を上げ、「仕様書ABC K0.1.pdf」と「仕様書ABC K0.2.pdf」の優先度を下げる。同様に、後者の2つのファイルについては、「補助資料 v0.5.pdf」の優先度を上げ、「補助資料 v0.3.pdf」の優先度を下げる。
【0020】
図3(b)は、このような処理によって決定されたサムネイル画像の作成順序を示したものである。
図示するように、「その他ファイル.pdf」、「仕様書ABC K1.0.pdf」、「補助資料 v0.5.pdf」、「仕様書ABC K0.2.pdf」、「仕様書ABC K0.1.pdf」、「補助資料 v0.3.pdf」の順にサムネイル画像は作成される。
【0021】
即ち、同じ文字列を含む文書ファイル名を持つ複数の文書ファイルをバージョン違いの異なる文書として判断して、1つのグループにまとめる。そして、そのグループ内の1つの文書ファイルを優先的に処理し、そのグループ内のその他の文書ファイルの処理を、他のグループ内の優先的に処理すべき文書ファイルの処理よりも後に行う。
この順番では、利用者が選択する可能性が低いと思われる古いバージョンの文書ファイルの処理よりも、利用者が選択する可能性が高いと思われる新しいバージョンの文書ファイルの処理が優先されることとなる。
この場合、サムネイル画像は作成が完了したものから逐次表示していき、全てのサムネイル画像の作成が完了する前であっても、利用者がサムネイル画像を選択して次の処理に移行できるようにするとよい。
【0022】
以下、このような概略動作を実現する画像処理装置10の一覧表示制御装置20について説明する。本実施の形態では、画像処理装置10において、ROM13に記憶されたプログラムをCPU11がRAM12に読み込んで実行することにより、文書処理装置、縮小画像生成装置、縮小画像表示装置の一例としての一覧表示制御装置20を実現する。
まず、本実施の形態における一覧表示制御装置20の機能構成について説明する。
図4は、本実施の形態の一覧表示制御装置20の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、一覧表示制御装置20は、文書情報取得部21と、文書情報記憶部22と、サムネイル画像生成部23と、サムネイル画像記憶部24と、表示制御部25と、グループ分類部26と、優先順位決定部27と、グループ情報記憶部28とを含んでいる。このうち、文書情報記憶部22、サムネイル画像記憶部24、グループ情報記憶部28は、例えばHDD14によって実現される。また、文書情報取得部21、サムネイル画像生成部23、表示制御部25、グループ分類部26、優先順位決定部27は、CPU11がプログラムをROM13からRAM12に読み込んで実行することにより、実現される。
【0023】
文書情報取得部21は、例えばUSBメモリに格納された複数の文書ファイルに関する情報(以下、「文書情報」という)をUSBメモリから取得する。ここで、文書情報は、文書ファイル名とする。
文書情報記憶部22は、文書情報取得部21が取得した文書情報を記憶する。
【0024】
サムネイル画像生成部23は、例えばUSBメモリから複数の文書ファイルを読み出し、これら複数の文書ファイルのそれぞれの指定されたページ(例えば1ページ目)に画像処理を施すことにより、複数のサムネイル画像を生成する。具体的には、後述するグループ情報記憶部28に記憶されたグループ情報に含まれる優先順位に基づいてサムネイル画像を生成する。本実施の形態では、処理を行う処理手段、縮小画像を生成する処理を行う処理手段の一例として、サムネイル画像生成部23を設けている。
サムネイル画像記憶部24は、サムネイル画像生成部23が生成した複数のサムネイル画像を記憶する。
表示制御部25は、サムネイル画像記憶部24に記憶された複数のサムネイル画像が操作パネル15に表示されるよう制御する。本実施の形態では、処理を行う処理手段、縮小画像を表示する処理を行う処理手段の一例として、表示制御部25を設けている。
【0025】
グループ分類部26は、例えばUSBメモリに格納された複数の文書ファイルを、文書情報記憶部22に記憶された文書情報に基づいて複数のグループに分類する。具体的には、複数の文書ファイルのうち共通の部分を含む文書ファイル名を有する文書ファイルを1つのグループにまとめることにより、複数の文書ファイルを複数のグループに分類する。本実施の形態では、文書群の一例として、グループを用いており、文書群を生成する生成手段の一例として、グループ分類部26を設けている。
優先順位決定部27は、グループ分類部26により分類された複数のグループのそれぞれについて、グループ内で最も優先的に処理されるべき文書ファイル(以下、「優先ファイル」という)を決定する。そして、優先ファイルが優先され、優先ファイル以外の文書ファイルが優先されないような優先順位を決定する。本実施の形態では、特定文書の一例として、優先ファイルを用いており、特定文書が先であり他の文書が後である順序を決定する決定手段、特定文書を決定する決定手段の一例として、優先順位決定部27を設けている。
グループ情報記憶部28は、グループ分類部26により分類されたグループに関する情報(以下、「グループ情報」という)を記憶する。このグループ情報には、優先順位決定部27により決定された優先順位の情報も含まれる。
【0026】
次に、本実施の形態における一覧表示制御装置20の動作について説明する。
図5は、本実施の形態の一覧表示制御装置20の動作例を示したフローチャートである。
一覧表示制御装置20では、まず、文書情報取得部21が、例えばUSBメモリに格納された複数の文書ファイルの文書ファイル名をUSBメモリから取得し、文書情報記憶部22に記憶する(ステップ201)。
すると、グループ分類部26が、文書情報記憶部22に記憶された文書ファイル名に基づいて、複数の文書ファイルを複数のグループに分類する(ステップ202)。具体的には、共通部分を含む文書ファイル名を持つ文書ファイルを1つのグループにまとめる。尚、この分類結果は、グループ情報としてグループ情報記憶部28に記憶される。
【0027】
次に、優先順位決定部27が、ステップ202で得られたグループのうちの1つのグループに着目し、そのグループ内の文書ファイルの優先順位を決定する(ステップ203)。具体的には、着目するグループ内の文書ファイルの文書ファイル名の共通部分以外の部分に含まれる数字列をグループ情報記憶部28から取り出し、その数字列が最も大きな文書ファイルを優先ファイルとする。そして、そのグループ内の文書ファイルについて、優先ファイルが優先され、優先ファイル以外の文書ファイルが優先されないような優先順位を決定する。この場合、着目するグループ内の文書ファイルが1つであれば、その文書ファイルを優先ファイルとすればよい。また、着目するグループ内の文書ファイルの文書ファイル名の共通部分以外の部分に数字列が含まれていなければ、予め定めた規則で優先順位を決定するとよい。尚、ここで決定された優先順位は、グループ情報に含められてグループ情報記憶部28に記憶される。
【0028】
次いで、サムネイル画像生成部23が、そのグループ内の複数の文書ファイルのうち、ステップ203で優先すべきと決定された優先ファイルをUSBメモリから読み出し、その例えば1ページ目のサムネイル画像を生成してサムネイル画像記憶部24に記憶する(ステップ204)。
すると、表示制御部25が、サムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像を操作パネル15に表示するよう制御する(ステップ205)。
その後、サムネイル画像生成部23が、全てのグループでの優先ファイルの処理を終了したかどうかを判定する(ステップ206)。
その結果、全てのグループでの優先ファイルの処理を終了していなければ、ステップ203へ戻り、次のグループに着目して同様の処理を行う。
【0029】
一方、全てのグループでの優先ファイルの処理を終了していれば、全ての文書ファイルのサムネイル画像を生成したかどうかを判定する(ステップ207)。ここで、全ての文書ファイルのサムネイル画像を生成していないと判定されれば、サムネイル画像生成部23は、グループ情報記憶部28を参照して優先ファイル以外の未処理ファイルを特定して順次USBメモリから読み出し、その例えば1ページ目のサムネイル画像を生成してサムネイル画像記憶部24に記憶する(ステップ208)。すると、表示制御部25が、サムネイル画像記憶部24に記憶されたサムネイル画像を操作パネル15に表示するよう制御する(ステップ209)。一方、ステップ207で全ての文書ファイルのサムネイル画像を生成していると判定されれば、処理を終了する。
【0030】
ここで、グループ情報記憶部28に記憶されるグループ情報について説明する。
図6は、グループ情報の一例を示した図である。
図示するように、グループ情報は、文書ファイル名と、グループIDと、優先順位とを対応付けたものとなっている。
【0031】
文書ファイル名は、文書ファイルの名称である。ここでは、全ての文書ファイルは同じフォルダに存在し、文書ファイルを文書ファイル名のみで特定できるものとしている。
グループIDは、文書ファイルを含むグループを識別する識別情報である。
優先順位は、文書ファイルの処理すべき順序を示す数値である。ここでは、各グループの優先ファイルの優先順位を「1」とし、各グループの優先ファイル以外の文書ファイルの優先順位を「2」とする。
【0032】
そして、(a),(b)は、図2に示した文書ファイルについて、グループへの分類及び優先順位の決定を行ったときのグループ情報の内容の遷移を示した図である。
(a)は、ステップ202で文書ファイルをグループに分類したときのグループ情報を示している。6つの文書ファイルが、1つの文書ファイルを含むグループG1と、文書ファイル名に「仕様書ABC K」が共通する3つの文書ファイルを含むグループG2と、文書ファイル名に「補助資料 v」が共通する2つの文書ファイルを含むグループG3とに分類されている。尚、優先順位は、この時点ではまだ書き込まれていないので、空欄になっている。
【0033】
また、(b)は、ステップ203で優先順位を決定したときのグループ情報を示している。グループG1については、唯一の文書ファイルである「その他ファイル.pdf」の優先順位が「1」となっている。グループG2については、文書ファイル名の共通しない部分に最大の数字列「1.0」を含む「仕様書ABC K1.0.pdf」の優先順位が「1」となっている。グループG3については、文書ファイル名の共通しない部分に最大の数字列「0.5」を含む「補助資料 v0.5.pdf」の優先順位が「1」となっている。そして、それ以外の文書ファイルの優先順位は「2」となっている。
これにより、サムネイル画像生成部23は、ステップ204で、着目するグループの優先順位「1」の優先ファイルのサムネイル画像を生成し、優先順位「2」の文書ファイルのサムネイル画像の生成は、全てのグループの優先ファイルのサムネイル画像の生成後に行うべきと判断する。
【0034】
以上により、本実施の形態の説明を終了する。
尚、本実施の形態では、複数の文書ファイルをグループに分類する方法として、文書ファイル名に重複部分がある文書ファイルを1つのグループにまとめる方法を採用したが、この限りではない。共通又は類似の特性を有する文書ファイルを1つのグループにまとめる方法であれば、如何なる方法を採用してもよい。そのような方法としては、例えば、次の第1から第3の方法が考えられる。
第1の方法は、共通の形式を有する文書ファイルを1つのグループにまとめる方法である。ここで、「共通の形式を有する」とは、共通のファイルタイプであること、例えば、同じアプリケーションプログラムで作成されたことや、同じ拡張子を有することを意味する。
第2の方法は、共通の帰属先を有する文書ファイルを1つのグループにまとめる方法である。ここで、「共通の帰属先を有する」とは、例えば、同じ利用者が作成したことや、同じ部門が所有することを意味しており、これらの情報は、文書ファイルのプロパティ情報から取得される。
第3の方法は、文書ファイルのサムネイル画像を生成した際にサムネイル画像が類似することとなる文書ファイルを1つのグループにまとめる方法である。
【0035】
また、本実施の形態では、グループ内で1つの優先ファイルを選択する方法として、文書ファイル名の非重複部分を用いる方法を採用したがこの限りではない。文書の版を示すものとして予め定められた属性を用いる方法であれば、如何なる方法を採用してもよい。そのような方法としては、例えば、次の第1から第3の方法が考えられる。
第1の方法は、予め定められた属性として文書ファイルの作成日時を用いる方法である。この方法では、作成日時が最も新しい文書ファイルを優先ファイルとすればよい。
第2の方法は、予め定められた属性として文書ファイルの更新日時を用いる方法である。この方法では、更新日時が最も新しい文書ファイルを優先ファイルとすればよい。
第3の方法は、予め定められた属性として文書ファイルのデータ容量を用いる方法である。この方法では、データ容量が最も大きい文書ファイルを優先ファイルとすればよい。
【0036】
更に、本実施の形態では、全ての優先ファイルの処理を終えた後、未処理ファイルについては、グループに名前順に着目し、グループ内ではバージョン順に処理することとした。しかしながら、未処理ファイルについてもグループごとの優先順位を決定し、まず、各グループの1番目に優先する未処理ファイルを処理し、次に、各グループの2番目に優先する未処理ファイルを処理し、以下同様に優先順に未処理ファイルを処理していくような構成を採用してもよい。
【0037】
また、本実施の形態では、各グループの優先ファイルを、サムネイル画像の作成及び表示の順番に関して優先させるものとしたが、この限りではない。例えば、各グループの優先ファイルを、サムネイル画像を表示する領域に関して優先させることも考えられる。即ち、ステップ205で、表示画面の第1の領域の一例である上方の領域にサムネイル画像を表示し、ステップ209で、表示画面の第2の領域の一例である下方の領域にサムネイル画像を表示するようにしてもよい。尚、この場合、サムネイル画像の生成の順番に関しては、優先ファイルを優先させてもよいし、文書ファイルに優先順位を付けないようにしてもよい。
【0038】
更に、本実施の形態では、各グループの優先ファイルを、サムネイル画像の作成及び表示の順番に関して優先させるものとしたが、文書ファイルの同期や送信といった2つの装置間で複数の文書ファイルの送受信する処理等、一般的な処理の順番に関して優先させるようにしてもよい。
【0039】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
10…画像処理装置、20…一覧表示制御装置、21…文書情報取得部、22…文書情報記憶部、23…サムネイル画像生成部、24…サムネイル画像記憶部、25…表示制御部、26…グループ分類部、27…優先順位決定部、28…グループ情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する生成手段と、
前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうちの特定文書を決定し、当該特定文書を当該複数の文書群について集めた複数の特定文書が先であり、当該複数の特定文書以外の他の文書が後である順序を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記順序に基づいて、前記複数の特定文書に対する処理と、前記他の文書に対する処理とを区別して行う処理手段と
を備えたことを特徴とする文書処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記複数の文書のうちの共通の部分を含む文書名を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む前記複数の文書群を生成することを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記複数の文書のうちの共通の形式を有する少なくとも1つの文書、前記複数の文書のうちの共通の帰属先を有する少なくとも1つの文書、前記複数の文書のうちの類似する縮小画像に対応する少なくとも1つの文書の何れか1つをそれぞれ含む前記複数の文書群を生成することを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち新しい版と判断される文書を前記特定文書として決定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の文書処理装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち、文書名の共通しない部分に含まれる数字が最も大きな文書を前記特定文書として決定することを特徴とする請求項4に記載の文書処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち、最も新しい更新日時を有する文書、最も新しい作成日時を有する文書、最も大きな容量の文書の何れかを前記特定文書として決定することを特徴とする請求項4に記載の文書処理装置。
【請求項7】
複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する生成手段と、
前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち新しい版と判断される文書である特定文書を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記特定文書を前記複数の文書群について集めた複数の特定文書にそれぞれ対応する複数の縮小画像を生成した後に、当該複数の特定文書以外の他の文書に対応する縮小画像を生成する処理を行う処理手段と
を備えたことを特徴とする縮小画像生成装置。
【請求項8】
複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する生成手段と、
前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうち新しい版と判断される文書である特定文書を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記特定文書を前記複数の文書群について集めた複数の特定文書にそれぞれ対応する複数の縮小画像を表示画面の第1の領域に表示し、当該複数の特定文書以外の他の文書に対応する縮小画像を表示画面の当該第1の領域とは異なる第2の領域に表示する処理を行う処理手段と
を備えたことを特徴とする縮小画像表示装置。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の文書のうちの共通又は類似の特性を有する少なくとも1つの文書をそれぞれ含む複数の文書群を生成する機能と、
前記複数の文書の版を示すものとして予め定められた属性に基づいて、前記複数の文書群のそれぞれに含まれる少なくとも1つの文書のうちの特定文書を決定し、当該特定文書を当該複数の文書群について集めた複数の特定文書が先であり、当該複数の特定文書以外の他の文書が後である順序を決定する機能と、
決定された前記順序に基づいて、前記複数の特定文書に対する処理と、前記他の文書に対する処理とを区別して行う機能と
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−8643(P2012−8643A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141685(P2010−141685)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】