説明

文書管理システム、文書管理方法、及びプログラム

【課題】使い勝手のよいファイルシステム上において高度で効率的な検索機能を実現し、ファイルシステム上での電子文書の作業効率を高める文書管理システム等を提供する。
【解決手段】本発明に係るクライアント端末は、ローカルファイルをローカル・ファイルシステム空間で管理・記憶した記憶手段と、ローカルファイルを表示するとともに電子文書が格納されるリモート・ファイルシステム空間をウインドウ画面に表示する表示制御手段と、ウインドウ画面を介して入力された検索キーを含む検索要求を送信し、文書DBに記憶された電子文書を検索する検索要求手段とを有し、文書管理サーバは、検索要求を受信するとウインドウ画面に表示されるリモート・ファイルシステム空間内の電子文書を文書DBから検索し該電子文書を含む検索結果を応答する検索手段とを有し、表示制御手段は、文書管理サーバから検索結果を受信すると、ウインドウ画面に該検索結果を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理システム、文書管理方法、及びプログラムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子文書を管理する方法として、ファイルサーバを利用する方法と、文書管理システムを利用する方法とが知られている。
【0003】
ファイルサーバを利用する方法では、端末(クライアント)のOSのファイルシステムの一部に対し、ファイルサーバのファイルシステムを割り当てるなどし、電子文書にアクセスできる。また電子文書を検索する際は、ファイルシステムの検索機能を利用して、ファイルサーバ内に格納されている電子文書を検索できる。具体的には例えば、Windows(登録商標)のエクスプローラがこれに相当する。この場合、端末では、ファイルサーバ内に格納されている電子文書であってもローカルのファイルシステム上のファイルのように一元的に扱うことができるので、使い勝手がよい。
【0004】
一方、文書管理システムを利用する方法では、端末のビューア(例えば汎用Webブラウザや専用ビューア)を介して、文書管理システムが管理する文書DBにアクセスできる。また電子文書を検索する際は、文書DBに登録されている電子文書の属性情報(文書プロパティ)をキーとして、文書管理システムの検索エンジンで文書DB内に格納されている電子文書を検索できる。文書管理システムに対しては、ビューアを介してアクセスする必要があるものの、文書管理システムでは、多彩な属性情報(文書プロパティ)でもって文書検索を行なえるので、高度(詳細)で効率的な文書条件検索を行うことができる。なお、ファイルサーバを利用する方法では、電子文書はある程度の属性情報しか保持しないので、簡易な検索しか行えない。
【0005】
これに関する技術として、例えば引用文献1には、文書情報の集合を管理する文書管理装置であって、ネットワークを介して接続するクライアント装置から送信される検索条件に基づいて、前記文書情報の集合の中から前記検索条件に合致する文書情報を検索する第一の検索手段と、前記検索条件に基づいて、インターネットにおける検索サイトに検索を実行させる第二の検索手段とを有し、前記第一の検索手段及び前記第二の検索手段によって取得された検索結果を出力する文書管理装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、ファイルサーバを利用する方法では、上述の如く端末のOSのファイルシステムの一部に対し、ファイルサーバのファイルシステムを割り当てるなどして電子文書にアクセスできるので、ファイルサーバ内の電子文書とローカルのファイルシステム上のファイルとを一元的に扱うことができ使い勝手がよい。しかしながら、文書検索においては簡易な検索しか行えず、高度な文書条件検索を行える文書管理システムにはこの点で及ばない。
【0007】
一方、例えば引用文献1記載されるような文書管理システムを利用する方法において、通常の場合、業務用の端末で業務作業中にユーザが操作しているのは、主にローカルのファイルシステム上のファイルである。文書管理システムを利用する場合には、上述の如く、システムにログイン後、ビューアを介して文書管理システムが管理する文書DBに格納されている電子文書を検索し、アクセスする。また必要に応じて、文書管理システムから電子文書をローカルのファイルシステム上にダウンロードしてから作業を行う。文書管理システムを利用すると高度な文書条件検索を行うことができるものの、ユーザは業務用の端末において、文書DBに格納されている電子文書を利用する場合にはビューアを操作し、ときに業務作業を行う場合には、ローカルのファイルシステムのウインドウ(例えばエクスプローラ)を操作したりと、その操作性においてやや煩雑であった。
【0008】
そこで本発明では上記のような点に鑑みて、使い勝手のよいファイルシステム上において高度で効率的な検索機能を実現し、ファイルシステム上での電子文書の作業効率を高める文書管理システム、文書管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。より具体的には、例えば文書管理システムの管理する文書DBをOSのファイルシステムに接続し、文書DBをOSの仮想ドライブに割り当てて、ファイルシステムから文書管理システム上の文書へアクセスできる文書管理システム等を本発明により提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る文書管理システムは、電子文書と該電子文書毎に属性情報とを対応付けて記憶した文書DBを備えた文書管理サーバと、前記電子文書を検索するクライアント端末とがネットワークを介し接続された文書管理システムであって、クライアント端末は、ローカルファイルをローカル・ファイルシステム空間で管理・記憶した記憶手段と、前記ローカル・ファイルシステム空間にアクセスし前記ローカルファイルを表示するとともに、前記電子文書が格納されているリモート・ファイルシステム空間にアクセスし該リモート・ファイルシステム空間を前記ローカル・ファイルシステム空間の一部として割り当てて、同一のウインドウ画面に表示する表示制御手段と、前記リモート・ファイルシステム空間が表示されているウインドウ画面を介して入力された検索キーを含む検索要求を送信し、前記文書DBに記憶された電子文書の検索要求を行う検索要求手段と、を有し、文書管理サーバは、クライアント端末から前記検索要求を受信すると、前記ウインドウ画面に表示されているリモート・ファイルシステム空間内の電子文書であって、前記検索キーと一致する属性情報を有する電子文書を前記文書DBから検索し、該電子文書を含む検索結果を応答する検索手段と、を有し、前記表示制御手段は、文書管理サーバから検索結果を受信すると、前記ウインドウ画面に該検索結果を表示することを特徴とする。
【0010】
また上記課題を解決するため、上記文書管理システムは、前記検索手段は、検索された電子文書が複数である場合、属性情報に基づき該複数の電子文書毎に対し表示する順序情報を付し、該順序情報を含む検索結果を応答し、前記表示制御手段は、文書管理サーバから検索結果を受信すると、前記ウインドウ画面に検索された複数の電子文書を前記順序情報に従った順序で表示することを特徴とする。
【0011】
また上記課題を解決するため、上記文書管理システムは、前記検索要求手段は、前記ウインドウ画面のアドレス欄に入力されたワードであって、所定の識別記号が付されたワードを検索キーと認識することを特徴とする。
【0012】
また上記課題を解決するため、上記文書管理システムは、前記検索要求手段は、前記ウインドウ画面のファイル表示エリアに入力された検索用ファイルであって、所定の拡張子が付された検索用ファイルに含まれるワード、文書又は画像を検索キーと認識することを特徴とする。
【0013】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、使い勝手のよいファイルシステム上において高度で効率的な検索機能を実現し、ファイルシステム上での電子文書の作業効率を高める文書管理システム、文書管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るシステム構成図である。
【図2】文書管理サーバ10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。
【図3】文書管理サーバ10及び端末20の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【図4】文書DB101の属性情報定義例を示す。
【図5】ユーザDB102の情報定義例を示す。
【図6】本実施形態に係る検索操作例(その1)を示す。
【図7】本実施形態に係る検索操作例(その2)を示す。
【図8】端末20の検索処理を説明するフローチャートである。
【図9】文書管理サーバ10の検索部112の順序付処理1を説明するフローチャートである。
【図10】文書管理サーバ10の検索部112の順序付処理2を説明するフローチャートである。
【図11】検索結果表示例を示す。
【図12】端末20のファイルシステム上における複数セクションの文書表示例(Zip形式)を示す。
【図13】端末20のファイルシステム上における複数セクションの文書の検索結果表示例(リンク形式)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
【0017】
[システム構成]
(全体構成)
はじめに、具体的な発明の内容を説明する前に、本発明を実施するにあたっての全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るシステム構成図である。図に示されるように、本実施形態に係る文書管理システム1は、文書管理サーバ10、文書DB101、ユーザDB102、端末20が、ネットワーク30を介し接続される。
【0018】
文書管理サーバ10は、文書DB101に格納されている文書(電子文書)や属性情報(文書プロパティ)を管理することにより、文書を管理するサーバである。ユーザの端末20からの要求に従って、文書検索機能や文書ファイル等を提供する。文書管理サーバ10は、社内LAN内や外部のデータセンター等に設置されうる。
【0019】
端末20は、ユーザが操作する作業用のクライアント端末である。OSを搭載したPC等により実現できる。ユーザは端末20を操作して文書管理サーバ10にアクセスし、文書ファイルの登録(アップロード)、更新(編集、削除、移動、コピー等)、検索、表示、取得(ダウンロード)、又はフォルダの作成等を行うことができる。
【0020】
ネットワーク30は、文書管理サーバ10と端末20を接続するネットワーク(有線、無線含む)である。文書管理サーバ10が例えば社内に位置する場合はLANであり、外部に位置する場合はWANで実現されうる。
【0021】
(ハードウェア)
ここで、本実施形態に係る文書管理サーバ10のハードウェア構成について説明しておく。図2は、文書管理サーバ10の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。文書管理サーバ10は、主要な構成として、CPU11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、記憶媒体読取装置15、入力装置16、表示装置17、及び通信装置18を含む構成である。
【0022】
CPU11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM12は、CPU11で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM13は、CPU11がROM12に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
【0023】
補助記憶装置14は、汎用のOS(Operating System)、プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。また補助記憶装置14内において、文書DB101、ユーザDB102を構築することも可能である。記憶媒体読取装置15には、USBメモリ等の携帯型メディアをセットすることで、外部からの情報を取得できる。
【0024】
なお、上記各種情報は、補助記憶装置14以外にも、CD−ROM(Compact Disk - ROM)やDVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等の携帯型メディアなどの各種記憶媒体やその他のメディアに記憶されてもよく、これらの記憶媒体に格納された各種情報は、記憶媒体読取装置15などのドライブ装置を介して読み取ることが可能である。
【0025】
入力装置16は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置16は、マウス、キーボード、表示装置17の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置17は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【0026】
通信装置18は、ネットワーク30を介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0027】
なお端末20は上述の如くPC等のクライアント端末であるため、図2と同様の構成で実現できるためその説明は省略する。
【0028】
(機能)
次に、文書管理サーバ10及び端末20の機能構成について説明する。図3は、文書管理サーバ10及び端末20の一実施形態の主要機能を示す機能ブロック図である。
【0029】
はじめに文書管理サーバ10は、主要な機能として、記憶部100、文書管理部110、Webサーバ部120、ファイルシステム用通信部130を含む構成である。
【0030】
記憶部100は、文書管理システム1上において、電子文書やその属性情報(文書プロパティ)を格納した文書DB101、ユーザ情報を格納したユーザDB102を記憶した記憶手段である。例えばHDD等の補助記憶装置14により実現される。なお本実施形態では、文書管理サーバ10内にDBを実装した例を示すが、言うまでもなく外部のサーバや記憶装置等にDBを構築することも可能である。
【0031】
文書管理部110は、文書管理システムとして文書管理を行うに必要な機能全般を担う機能部である。そのうち具体的には、例えばログイン処理部111、検索部112、表示制御部113等を含み構成される。
【0032】
ログイン処理部111は、端末20が文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用するに際し、ユーザDB102を参照しユーザ認証を行う。
【0033】
検索部112は、端末20からの検索要求に応じて文書DB101の電子文書を検索する。検索に際しては、端末20の検索キー(キーワード)に基づいて、検索キーに一致する電子文書の属性情報(文書プロパティ)を検索する。そして検索キーに一致する属性情報が検索されれば、その属性情報を有する電子文書を該当文書(検索結果)とする。なお、文書管理システム1においては、文書毎に多くの属性情報(文書プロパティ)が管理されているため、ユーザは多彩な検索キーにより、高度で詳細な文書検索を行なうことができるようになっている。
【0034】
表示制御部113は、端末20に対する表示制御全般を行う。例えば端末20が汎用のWebブラウザ200をビューアとして、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用している場合には、文書ビューや検索結果等の端末20に対する表示情報を生成し、これをWebサーバ部120に送信する。Webサーバ部120は端末20のWebブラウザ200が解釈可能な形式で表示情報を形成し、HTTPによりこれをWebサーバ部120に送信する。
【0035】
一方、本実施形態のように端末20がファイルシステムのウインドウ画面(例えばエクスプローラ)をビューアとして、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用する場合には、文書ビューや検索結果等の端末20に対する表示情報を生成し、これをファイルシステム用通信部130に送信する。ファイルシステム用通信部130は、端末20のファイルシステム表示制御部210が解釈可能な形式で表示情報を形成し、これをファイルシステム表示制御部210に送信する。
【0036】
Webサーバ部120は、上述の如く例えば端末20が汎用のWebブラウザ200をビューアとして、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用している場合において、端末20とのインターフェースを担う。表示制御部113が生成した表示情報を端末20のWebブラウザが解釈可能な形式で表示情報を形成し送信する。また逆に、端末20のWebブラウザ200からファイル参照要求や検索要求を受信し、これらを文書管理部110へ伝達する。
【0037】
ファイルシステム用通信部130は、上述の如く端末20がファイルシステムのウインドウ画面(例えばエクスプローラ)をビューアとして、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用する場合において、端末20とのインターフェースを担う。表示制御部113が生成した表示情報を端末20のファイルシステム表示制御部210が解釈可能な形式で表示情報を形成し送信する。また逆に、端末20のファイルシステム表示制御部210からファイル参照要求や検索要求を受信し、これらを文書管理部110へ伝達する。
【0038】
次に、端末20は、主要な機能として、Webクライアント部200、ファイルシステム表示制御部210、記憶部220を含む構成である。
【0039】
Webクライアント部200は、上述の如く例えば端末20が汎用のWebブラウザ200をビューアとして、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用している場合において、文書管理サーバ10とのインターフェースを担う。文書管理サーバ10からの表示情報(ファイル参照情報や検索結果情報等)を受信しWebブラウザ上に表示する。また逆に、文書管理サーバ10に対しファイル参照要求や検索要求を送信する。
【0040】
ファイルシステム表示制御部210は、ローカル・ファイルシステム空間にアクセスしローカルファイルを表示するとともに、電子文書が格納されているリモート・ファイルシステム空間にアクセスし該リモート・ファイルシステム空間を前記ローカル・ファイルシステム空間の一部として割り当てて、同一のウインドウ画面に表示する。具体的に、上述の如く端末20がファイルシステムのウインドウ画面(例えばエクスプローラ)をビューアとして、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用する場合において、文書管理サーバ10とのインターフェースを担う。文書管理サーバ10からの表示情報(ファイル参照情報や検索結果情報等)を受信し、ローカルのシステムファイル上に存在するものと見立て、例えばドライブの割当てを行うなどしてファイルシステムのウインドウ画面に表示する。また逆に、文書管理サーバ10に対しウインドウ画面内からファイル参照要求や検索要求を送信する。なおこの点詳細は後述する。
【0041】
またファイルシステム表示制御部210は、検索要求部211を含む。検索要求部211は、文書管理サーバ10側のリモート・ファイルシステム空間が表示されているファイルシステムのウインドウ画面(例えばエクスプローラ)を介して入力された検索キーを含む検索要求を送信し、文書DBに記憶された電子文書を検索する(検索要求を行う)。文書管理サーバ10から検索結果を受信すると、ウインドウ画面内に該検索結果が表示される。この点詳細は後述する。
【0042】
記憶部220は、ローカルファイルをローカル・ファイルシステム空間で管理・記憶した記憶手段である。端末20のOSのファイル管理方式に従って、記憶手段に格納されているローカルファイルが管理・記憶される。いうまでもなくこれらローカルファイルは、ローカル・ファイルシステム空間に存在するので、当然にファイルシステムのウインドウ画面(例えばエクスプローラ)上に表示される。
【0043】
なお、以上説明したこれらの機能は、実際にはCPU11が実行するプログラムにより実現される。
【0044】
(文書DB101例)
図4は、文書DB101の属性情報定義例を示す。上述のしたように文書DB101においては、電子文書やその属性情報(文書プロパティ)が格納される。電子文書には、文書の管理情報というべき属性情報が文書毎に対応付けられている。
【0045】
図に示されるように、属性情報は、大きく「管理情報」、「システム情報」、「ワークフロー情報」、「ユーザ設定」といった属性分類に分類され、また各分類属性において各「分類項目」に分類されている。「分類項目」の各値は、文書作成時や更新時等においてシステムやユーザによって入力され保存される。例えば、「分類項目」のうち「文書名」の値はテキストや英数字からなり、文書作成時においてユーザによって入力され保存される。
【0046】
「検索キー」は、「分類項目」の値が検索キーとして使用できるか否かを示す。「○」のものは検索キーとして使用できることを示す。「検索時の条件」は、「分類項目」の値を検索キーとして使用する際、具体的にどのような検索キー(検索ワード)が使用できるかを示す。例えば「テキスト、英数字」のものは、検索キーとして任意のテキスト、英数字を使用できることを示す。
【0047】
なお「ユーザ設定」に大分類されている属性分類は、ユーザが任意に文書に対して付すことのできる属性情報である。既存の属性分類に定義されていない属性情報を新たに作成(定義)でき、また「検索キー」は「○」となっていることからも分かるように、検索キーとしても使用できるようになっている。なお、これ以外の属性情報を含むことが可能である。
【0048】
(ユーザDB102例)
図5は、ユーザDB102の情報定義例を示す。上述のしたようにユーザDB102においては、ユーザ情報が格納される。図に示されるようにユーザ情報例としては、ログイン認証のための「アカウント名」、「パスワード」、「ドメイン」、「グループ名」、「(グループ)ドメイン」などがある。なお言うまでもなく、これ以外のユーザ情報を含むことが可能である(ユーザ名、電話番号、メールアドレス等々)。
【0049】
[検索操作例]
図6は、本実施形態に係る検索操作例(その1)を示す。本ウインドウ画面は、端末20のファイルシステム上のファイルを示す画面である。端末20のローカルファイルを表示する場合、ウインドウ画面左サイドのエリアAにおいて例えばCドライブを選択すると、ウインドウ画面右中央サイドのエリアBにおいてCドライブ内のファイルやフォルダが表示される。
【0050】
また本ウインドウ画面では、ウインドウ画面左サイドのエリアAには、Zドライブとして文書DB101内のファイルシステム空間がローカルドライブの如く割り当てられている。従ってエリアAのドライブ選択で例えばZドライブを選択すると、ウインドウ画面右中央サイドのエリアBにおいてZドライブ内、つまり文書DB101内のファイルシステム空間内のファイルやフォルダが参照され表示される。図例では、文書DB101内の所定のファイルシステム空間内がZドライブ(Z:DB server)として割り当てられており、エリアBにおいては、その文書DB101内の所定のファイルシステム空間内以下のファイルやフォルダが表示されている。
【0051】
さて、文書DB101内の所定のファイルシステム空間内からファイルやフォルダを検索する場合、ユーザは「アドレス」欄に、フォルダパスに続けて検索キーワードを入力する。図例では、文書DB101内の「AAA」フォルダ内から、検索キーワード「XXX」に該当するファイルやフォルダを検索するため、「アドレス」欄に「Z:\AAA\"XXX"」と入力し、Enterキー又は「移動」ボタンを押下する。押下により検索要求が発生するが、この場合にはファイルパスが「Z:\AAA」であるので文書管理サーバ10に対し検索要求が発生する。
【0052】
検索要求は、文書管理サーバ10の検索部112に伝達され、検索部112は、文書DB101を参照しフォルダ「AAA」下から検索キーワード「XXX」を有する文書を検索する。検索結果は、エリアBにおいて該当したファイルでもって表示される。
【0053】
なお、フォルダパスの一部に検索キーワードを入力し、検索キーワードとして認識させる記号は、本例の「""」以外の文字列や他の方法でもよい。また検索キーワードも1語に限るものではなく、例えば「Z:\AAA\"(AAA and BBB) or CCC"」のように、検索条件文を入力することもできるし、「Z:\AAA\"文書名=XXX"」のように、検索キー照合の対象となる属性情報を指定することもできる。
【0054】
図7は、本実施形態に係る検索操作例(その2)を示す。文書DB101内の所定のファイルシステム空間内からファイルやフォルダを検索する場合、今度は検索用ファイルを入力する。図例では、「XXX.rsn」という検索用ファイルをエリアBにドラッグ&ドロップ操作を行う。検索用ファイルは、拡張子を特殊な所定の拡張子(例えば.rsn)としたファイルで、検索条件(検索キー)、文書、画像が含まれるファイルである。
【0055】
検索用ファイルに検索条件(検索キー)が記述され、特殊な所定の拡張子を持つファイルがドラッグ&ドロップ操作された場合、同検索条件が入力されたものとして、エリアBにおいて表示されているフォルダ下(例えば「Z:\AAA」)から検索条件(例えば、(AAA and BBB) or CCC)を満たす文書を検索する。この場合にはエリアBに表示されているのは「Z:\AAA」であるので文書管理サーバ10に対し検索要求が発生し、検索部112は、文書DB101のフォルダ「AAA」下から検索キーワード「(AAA and BBB) or CCC」を満たす文書を検索する。検索結果は、エリアBにおいて該当したファイルでもって表示される。
【0056】
なおまた、検索用ファイルに画像や文書が記述され同ファイルがドラッグ&ドロップ操作された場合、検索条件が入力されたものとして、エリアBにおいて表示されているフォルダ下(例えば「Z:\AAA」)から検索条件を満たす文書を検索する。画像が検索条件の場合、同画像に一致する、又は類似する画像を検索するものと解釈される。また文書が検索条件の場合、同文書に一致する、又は類似する文書を検索するものと解釈される。エリアBに表示されているのは「Z:\AAA」であるので文書管理サーバ10に対し検索要求が発生し、検索部112は、文書DB101のフォルダ「AAA」下から画像や文書の検索条件を満たす文書を検索する。検索結果は、エリアBにおいて該当したファイルでもって表示される。
【0057】
以上のように、検索条件は、検索キーワード(文字列や英数字等)、さらには画像や文書を入力することができる。従来のファイルシステム上の検索であると、ファイル名や作成日時程度の検索キーでしかファイルを検索(簡易検索)できなかったが、本実施形態では、検索は文書管理システム1の検索部112(検索エンジン)で高速に実行されるとともに、同文書管理システムで管理される多様な属性情報、さらには画像や文書を検索キーとして検索できるので、より高度で詳細な文書検索を行うことができる。
【0058】
なお、文書管理システム1に端末20がアクセスするには、通常ユーザ認証(ログイン)が必要である。端末20が上述のWebブラウザ200を介して文書管理システム1にアクセスする場合には、まず最初にユーザのアカウント名、パスワード等を入力し、ユーザDB12のユーザ情報との一致によりログイン処理が行われる。一方、本ウインドウ画面では、ウインドウ画面左サイドのエリアAにZドライブとして文書DB101内のファイルシステム空間を割り当てるタイミングでユーザ認証がなされ、ユーザのアカウント名、パスワード等を入力し、ユーザDB12のユーザ情報との一致によりログイン処理が行われるようになっている。
【0059】
[検索処理1]
図8は、端末20の検索処理を説明するフローチャートである。以下特に断りのない限り動作主体は、端末20の検索要求部211であるものとする。
【0060】
S1:ウインドウ画面内に対し、検索キーが入力されたか否かを判定する。具体的には上述の如く、「アドレス」欄に「ファイルパス+検索キーワード」が入力されたり、ウインドウ画面内のエリアBに特殊な所定の拡張子を持つ検索用ファイルがドラッグ&ドロップ操作された否かにより判定できる。
【0061】
S2:ウインドウ画面内のエリアBに表示されているのは、ローカルシステムファイル空間であるか否かを判定する。検索対象範囲が端末20内であるか、又は文書管理サーバ10の文書DB101内であるか判断するためである。
【0062】
S3:ウインドウ画面内のエリアBに表示されているのは、ローカルシステムファイル空間でないと判定すると、端末20の検索要求部211は文書管理サーバ10の検索部112に対し検索要求(詳細検索要求)を行う。このとき、検索要求にはエリアBのファイルパス(文書DB101内の検索対象範囲)と検索キーとが含まれる。
【0063】
S4:文書管理サーバ10の検索部112は、検索要求のファイルパスから文書DB101内の検索対象範囲を特定し、その検索対象範囲内において検索キーと一致する属性情報を有する文書を検索する。そして検索要求部211は、検索された文書を含む検索結果を受信する。
【0064】
S5:検索要求部211が検索された文書を含む検索結果を受信すると、端末20のファイルシステム表示制御部210はエリアBにその検索結果を表示する。具体的には、検索された文書ファイルが表示される。
【0065】
S6:一方、ウインドウ画面内のエリアBに表示されているのは、ローカルシステムファイル空間であると判定すると(S2)、端末20の検索要求部211は、ローカル・ファイルシステムに対し検索要求(簡易検索要求)を行う。このとき、検索要求にはエリアBのファイルパスと検索キーとが含まれる。そして端末20の記憶部220の検索対象範囲内において検索キーと一致する属性情報を有する文書が検索されれば、端末20のファイルシステム表示制御部210はエリアBにその検索結果を表示する(S5)。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る端末20は、検索要求が従来のファイルシステム上への検索要求であると、ローカル・ファイルシステムに対し検索要求(簡易検索要求)を行い、一方、文書管理サーバ10の管理する文書DB101のファイルシステム上への検索要求であると、検索部112に対し検索要求(詳細検索要求)を行う。このとき、検索は文書管理サーバ10の検索部112(検索エンジン)で高速に実行されるとともに、同文書管理システムで管理される多様な属性情報、さらには画像や文書を検索キーとして検索できるので、より高度で詳細な文書検索を行うことができる。
【0067】
[検索処理2]
上述したように、端末20の検索要求部211は文書管理サーバ10の検索部112から検索された文書を含む検索結果を受信すると、その検索結果は、ファイルシステム表示制御部210により、ウインドウ画面のエリアBにその検索結果が表示される。ここで、検索結果において検索された文書が複数になる場合、エリアBにおいて何らかの順序をもって表示されると望ましい。特に検索文書が何十ときに何百もの数になる場合、無秩序に文書が表示されたとしてもユーザにとって使い勝手が悪い。
【0068】
以下では、検索結果において検索された文書が複数になる場合、ユーザの使い勝手の観点からエリアBにおいて特定の順序をもって表示される例を示す。なお検索文書が複数になる場合、順序情報は文書管理サーバ10側で決定される。つまり順序情報は検索結果に含まれるので、端末20のファイルシステム表示制御部210としては、検索結果に含まれる順序情報に従ってファイルをウインドウ画面のエリアBに順序表示すればよい。
【0069】
なお後述するように、表示順序は属性情報に基づいて決定されるが、文書管理システム1(文書管理サーバ10)は、管理する文書毎に多様な属性情報を管理し、文書管理システム1によって文書が検索されるからこそ、ユーザの使い勝手を考慮した多様な切り口からの表示順序が可能となるものである。
【0070】
(順序付処理1)
図9は、文書管理サーバ10の検索部112の順序付処理1を説明するフローチャートである。
【0071】
S21:文書管理サーバ10の検索部112は、端末20の検索要求部211からファイルパス及び検索キー含む検索要求を受信する。受信すると次のステップへ進む。
【0072】
S22:検索部112は、文書DB101のファイルパス下(検索対象範囲)において、検索キーに該当する文書が存在するか検索する。より詳細には、ファイルパス下(検索対象範囲)において、検索キーに一致する属性情報を有する文書が存在するか検索する。存在しない場合、検索された文書は存在しないので、検索結果はない旨を応答すればよい(S30)。
【0073】
S23:検索キーに該当する文書(検索文書という)が存在すると、検索文書は複数か否かを判定する。検索文書が単数の場合、順序情報は不要であるのでそのまま検索結果を応答すればよい(S31)。
【0074】
S24:検索文書が複数の場合、検索文書のうち、属性情報の「作成者」が、ログインユーザに一致する文書があるか否か判定する。より詳細には、文書DB101を参照し、検索文書に対応する属性情報の「作成者」の値と、ログインユーザ(名)とが一致する文書があるか否か判定する。検索文書の中に検索者(ログインユーザ)が作成した文書の有無を判断するためである。なおログインユーザ(名)は、文書管理サーバ10に対し既にログイン認証済みであることを前提として既知情報であるものとする。
【0075】
S25:検索文書のうち、属性情報の「作成者」が、ログインユーザに一致する文書がある場合、同検索文書を上位にソートする。つまり、属性情報の「作成者」がログインユーザに一致しない文書に優先して同検索文書をソートする。検索者(ログインユーザ)が作成した文書は、検索者が探している文書である可能性が高く、上位に表示されるべきであるからである。
【0076】
S26:今度は、検索文書のうち、ログインユーザの属するグループのメンバーと属性情報の「作成者」が一致する文書があるか否かを判定する。より詳細には、ユーザDB102を参照し、ログインユーザの属するグループのメンバー(ユーザ)を取得し、そのメンバー名と、検索文書のうち同検索文書に対応する属性情報の「作成者」の値とが一致する文書があるか否か判定する。検索文書の中に検索者(ログインユーザ)と同一グループの属するメンバーが作成した文書の有無を判断するためである。
【0077】
S27:検索文書のうち、ログインユーザの属するグループのメンバーと属性情報の「作成者」が一致する文書がある場合、同検索文書を上位にソートする。つまり、属性情報の「作成者」がグループメンバーに一致しない文書に優先して同検索文書をソートする。検索者(ログインユーザ)と同じグループメンバーが作成した文書は、検索者が探している文書である可能性が高く、上位に表示されるべきであるからである。
【0078】
S28:検索文書のうち、残る文書を属性情報の「文書名」昇順(例えばアルファベット順等)でもってソートする。複数の検索文書を一定の秩序をもって並べて表示するためである。
【0079】
S29:複数の検索文書に対し、表示の順序を決定する。そして検索部112は、検索結果に順序情報を含めて端末20の検索要求部211に対し応答する。
【0080】
以上、順序情報は検索結果に含まれるので、端末20のファイルシステム表示制御部210としては、検索結果に含まれる順序情報に従ってファイルをウインドウ画面のエリアBに順序表示すればよい。これにより、検索文書が複数である場合、検索者(ログインユーザ)が作成した文書、検索文書の中に検索者(ログインユーザ)と同一グループの属するメンバーが作成した文書が、他の検索文書に比べ上位に表示されるので、ユーザにとって目的の文書を検索し易くすることができる。
【0081】
(順序付処理2)
図10は、文書管理サーバ10の検索部112の順序付処理2を説明するフローチャートである。
【0082】
S41:文書管理サーバ10の検索部112は、端末20の検索要求部211からファイルパス及び検索キー含む検索要求を受信する。受信すると次のステップへ進む。
【0083】
S42:検索部112は、文書DB101のファイルパス下(検索対象範囲)において、検索キーに該当する文書が存在するか検索する。存在しない場合、検索された文書は存在しないので、検索結果はない旨を応答すればよい(S49)。
【0084】
S43:検索キーに該当する文書(検索文書という)が存在すると、検索文書は複数か否かを判定する。検索文書が単数の場合、順序情報は不要であるのでそのまま検索結果を応答すればよい(S50)。
【0085】
S44:検索文書が複数の場合、検索文書のうち、属性情報の「更新日」又は「最終アクセス日」が、所定時間内の文書があるか否か判定する。より詳細には、文書DB101を参照し、検索文書に対応する属性情報の「更新日」又は「最終アクセス日」の値と、現在の日時刻(内部時計より取得)とを比較し、所定時間内の文書があるか否か判定する。所定時間は任意に決定できるが、比較的近い日時刻である(例えば数時間内、1日以内等)。最近、作成、更新、又はアクセスされた文書は、検索者が探している文書である可能性が高く、上位に表示されるべきであるからである。
【0086】
S45:次にS44で所定時間内の文書と判定された文書のうち、属性情報の「文書名」が類似する文書があるか否かを判定する。「文書名」は更新・アップデートされるにつれ、類似した文書名が付される可能性が高いからである。最近、作成、更新、又はアクセスされた文書、さらには、その類似文書は検索者が探している文書である可能性が高く、上位に表示されるべきであるからである。
【0087】
S46:S44及び/又はS45を満たす同検索文書を上位にソートする。これにより、最近、作成、更新、又はアクセスされた文書、さらには、その類似文書が上位にソートされる。
【0088】
S47:検索文書のうち、残る文書を属性情報の「文書名」昇順(例えばアルファベット順等)でもってソートする。
【0089】
S48:複数の検索文書に対し、表示の順序を決定する。そして検索部112は、検索結果に順序情報を含めて端末20の検索要求部211に対し応答する。
【0090】
以上により、検索文書が複数である場合、最近、作成、更新、又はアクセスされた文書、さらには、その類似文書が、他の検索文書に比べ上位に表示されるので、ユーザにとって目的の文書を検索し易くすることができる。
【0091】
図11は、検索結果表示例を示す。図に示されるように、複数の検索文書が検索されエリアBに表示されている。また「更新日」が1日以内の文書であって「文書名」が類似する文書が優先的に上位表示されている(5ファイル)。なおまたそれ以外の文書については「文書名」昇順で表示されていることが分かる。
【0092】
以上のように、本実施形態に係る文書管理サーバ10は、管理する文書毎に多様な属性情報を管理しているため、属性情報に基づいてユーザの使い勝手を考慮した多様な切り口からの表示順序を決定することができる。即ちユーザが予め優先表示する属性情報を設定しておけば、その属性情報を有する検索文書を優先表示できる。他に例えば、画像関係の文書を優先表示したい場合には、文書の属性情報のうち「図面番号」(図4)に値が入力されている文書を優先表示することも可能である。
【0093】
[検索処理3]
さて通常、文書というと1ファイルを意味するが、文書管理システム1においては、システム固有の文書として複数セクションの文書を扱う場合がある。複数セクションの文書とは、複数ファイルの束から1文書が構成されるものをいう。例えば複数のメモ帳ファイルを印刷し、印刷物を1つにまとめた会議資料文書をイメージすると、会議資料文書は1文書であるが、その文書を構成するのは複数のメモ帳ファイルである。文書の属性情報は1文書につき1の属性情報が付されるので、複数セクションの文書(複数ファイルの束)に対しても1のみの属性情報が付される。そして複数セクションの文書の属性情報には、その属性情報うち「セクション数」(図4)にそのファイル数が保持される。
【0094】
文書管理サーバ10の文書DB101の文書が複数セクションの文書(複数ファイルの束)である場合、端末20のファイルシステム上ではうまく認識できない。よってファイルシステム上では、他の形式(例えばZipファイル等)で1ファイルの如く表示する。しかし、従来のファイルシステム検索(簡易検索)の場合、Zipファイルのファイル自体の属性情報でしか検索できず、また検索後には検索されたZipファイルを解凍しないと個々の中身は参照できないので、参照や編集のために手間がかかって不便であるという問題がある。
【0095】
図12は、端末20のファイルシステム上における複数セクションの文書表示例(Zip形式)を示す。図に示されるように、文書管理サーバ10では複数ファイルの束からなる複数セクションの文書を1文書として扱えたものの、端末20のファイルシステム上では「System.zip」をいう1ファイルとして表示している。
【0096】
ここで、「アドレス」欄に「Z:\AAA\BBB\"XXX"」を検索キーとして入力すると「Z:\AAA\BBB」下から属性情報に「XXX」を有する文書が検索されることになる。検索は文書管理サーバ10の検索部112により検索されるので、Zipファイルのファイル自体の属性情報でなく、複数セクションの文書を構成する複数ファイル毎に検索することができる。しかし、複数ファイルのうちいずれかが検索文書として検索されたとしても、その1ファイルを端末20のファイルシステム上のエリアBにはうまく認識、表示できない。そこで、複数セクションの文書のうちの1ファイルが検索された場合には、端末20のファイルシステム上のエリアBに表示しない。代えてエリアBにはリンク(ショートカット)を表示する。
【0097】
図13は、端末20のファイルシステム上における複数セクションの文書の検索結果表示例(リンク形式)を示す。リンクが例えばクリック操作されると、端末20の汎用のWebブラウザ200が開き、ブラウザ内に、検索された検索文書である複数セクションの文書のうちの1ファイルが表示される。つまり、端末20の汎用のWebブラウザ200は、文書管理システム1(文書管理サーバ10)を利用するための本来のビューアであるが、複数セクションの文書といったシステム固有の特殊文書のような端末20のファイルシステム上のエリアBに表示できないものは、文書管理システム1(文書管理サーバ10)本来のビューアでもって表示するようにする。そのため、端末20のファイルシステム上のエリアBには、その本来のビューアへのリンク(ショートカット)を表示することにより、特殊文書に対応するものである。
【0098】
[総括]
以上、本実施形態に係る文書管理システム1において、端末20は、OSのファイルシステムの一部に対し、文書DB11のファイルシステムを割り当ててシステム管理下の電子文書にアクセスできるので、システム管理下の電子文書とローカルのファイルシステム上のファイルとを一元的に扱うことができるので使い勝手がよい。またファイルシステムを割り当てたウインドウ画面上から検索キーを入力すると、検索は文書管理システム1の検索部112(検索エンジン)で高速に実行されるとともに、同文書管理システムで管理される多様な属性情報、さらには画像や文書を検索キーとして検索できるので、より高度で詳細な文書検索を行うことができる。
【0099】
ユーザの端末20はファイルシステム上で文書管理システム1の検索機能を利用して検索できるため例えば以下を実現できる。
・ファイルシステム上の検索においても、検索項目や検索範囲を限定できるため高度で詳細な検索を行なえ、また検索速度の向上が期待できる。即ち検索の正確さと速さの両立が可能となる。
・検索結果の出力表示においても、属性情報に応じて検索結果の順序表示を行うため、検索効率の向上が期待できる。
・複数ファイルをひとまとめにしたファイルの検索を行う場合に、各ファイルの内容に対しての検索が行えるため、検索精度の向上が期待できる。
【0100】
以上本実施形態によれば、使い勝手のよいファイルシステム上において高度で効率的な検索機能を実現し、ファイルシステム上での電子文書の作業効率を高める文書管理システム等を提供することが可能となる。なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 文書管理システム
10 文書管理サーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 補助記憶装置
15 記憶媒体読取装置
16 入力装置
17 表示装置
18 通信装置
20 端末
30 ネットワーク
100 記憶部
101 文書DB
102 ユーザDB
110 文書管理部
111 ログイン処理部
112 検索部
113 表示制御部
120 Webサーバ部
130 ファイルシステム用通信部
200 Webクライアント部
210 ファイルシステム表示制御部
211 検索要求部
220 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2007−249700号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書と該電子文書毎に属性情報とを対応付けて記憶した文書DBを備えた文書管理サーバと、前記電子文書を検索するクライアント端末とがネットワークを介し接続された文書管理システムであって、
クライアント端末は、
ローカルファイルをローカル・ファイルシステム空間で管理・記憶した記憶手段と、
前記ローカル・ファイルシステム空間にアクセスし前記ローカルファイルを表示するとともに、前記電子文書が格納されているリモート・ファイルシステム空間にアクセスし該リモート・ファイルシステム空間を前記ローカル・ファイルシステム空間の一部として割り当てて、同一のウインドウ画面に表示する表示制御手段と、
前記リモート・ファイルシステム空間が表示されているウインドウ画面を介して入力された検索キーを含む検索要求を送信し、前記文書DBに記憶された電子文書の検索要求を行う検索要求手段と、
を有し、
文書管理サーバは、
クライアント端末から前記検索要求を受信すると、前記ウインドウ画面に表示されているリモート・ファイルシステム空間内の電子文書であって、前記検索キーと一致する属性情報を有する電子文書を前記文書DBから検索し、該電子文書を含む検索結果を応答する検索手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、文書管理サーバから検索結果を受信すると、前記ウインドウ画面に該検索結果を表示すること、
を特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記検索手段は、検索された電子文書が複数である場合、属性情報に基づき該複数の電子文書毎に対し表示する順序情報を付し、該順序情報を含む検索結果を応答し、
前記表示制御手段は、文書管理サーバから検索結果を受信すると、前記ウインドウ画面に検索された複数の電子文書を前記順序情報に従った順序で表示すること、
を特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記検索要求手段は、前記ウインドウ画面のアドレス欄に入力されたワードであって、所定の識別記号が付されたワードを検索キーと認識すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記検索要求手段は、前記ウインドウ画面のファイル表示エリアに入力された検索用ファイルであって、所定の拡張子が付された検索用ファイルに含まれるワード、文書又は画像を検索キーと認識すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の文書管理システム。
【請求項5】
電子文書と該電子文書毎に属性情報とを対応付けて記憶した文書DBを備えた文書管理サーバと、前記電子文書を検索するクライアント端末とがネットワークを介し接続された文書管理システムにおける文書管理方法であって、
クライアント端末は、
ローカルファイルをローカル・ファイルシステム空間で管理・記憶した記憶手順と、
前記ローカル・ファイルシステム空間にアクセスし前記ローカルファイルを表示するとともに、前記電子文書が格納されているリモート・ファイルシステム空間にアクセスし該リモート・ファイルシステム空間を前記ローカル・ファイルシステム空間の一部として割り当てて、同一のウインドウ画面に表示する表示制御手順と、
前記リモート・ファイルシステム空間が表示されているウインドウ画面を介して入力された検索キーを含む検索要求を送信し、前記文書DBに記憶された電子文書の検索要求を行う検索要求手順と、
を有し、
文書管理サーバは、
クライアント端末から前記検索要求を受信すると、前記ウインドウ画面に表示されているリモート・ファイルシステム空間内の電子文書であって、前記検索キーと一致する属性情報を有する電子文書を前記文書DBから検索し、該電子文書を含む検索結果を応答する検索手順と、
を有し、
前記表示制御手順は、文書管理サーバから検索結果を受信すると、前記ウインドウ画面に該検索結果を表示すること、
を特徴とする文書管理方法。
【請求項6】
請求項5記載の文書管理方法のクライアント端末に、前記記憶手段と、前記表示制御手順と、前記検索要求手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項5記載の文書管理方法の文書管理サーバに、前記検索手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−159917(P2012−159917A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17675(P2011−17675)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】