説明

文書管理システム

【課題】資料室等の領域にて文書が適正に所定位置から所定位置に移動されたかどうかを確認し、必要に応じて警告を行う文書管理システムを提供する。
【解決手段】文書に添付され、無線通信で検出することができるRFIDタグと、文書が収納される棚に設けられ、RFIDタグを検出する第1検出部と、棚とは異なる場所に設けられ、RFIDタグを検出する第2検出部と、第1検出部がRFIDタグと通信可能な状態から通信不能な状態に遷移してから所定期間以上、第2検出部がRFIDタグと通信不能である場合に警告信号を出力する制御部を有する文書管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書に添付したRFIDタグを複数の検出部で検出することで、文書が取扱者(ユーザ)により適正に扱われているかどうかを監視する文書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、図書館等において、書籍に非接触型RFIDタグを添付して書籍を管理する技術が知られている。すなわち、書籍に一冊毎に無線通信で検出が可能なRFIDタグを添付して検出器で検出・管理することで、コンピュータ等により一括管理が可能となる。
【0003】
特許文献1は、書籍に添付したRFIDタグを、書棚に設置されたループアンテナによって検出・管理し、ゲートにより不正な持ち出しを監視する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−319563号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の従来技術においては、ゲート等により書籍等の持ち出しを監視する技術は開示されているが、例えば、利用者により或る文書の閲覧が申請された後、書籍が書棚から閲覧テーブルに移動されていないという場合に対する監視や警告は何も行われないという問題がある。
【0005】
本発明は、資料室等の領域にて文書が適正に所定位置から所定位置に移動されたかどうかを確認し、必要に応じて警告を行う文書管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するための一実施形態は、
文書に添付され、無線通信で検出することができるタグと、
前記文書が収納される棚に設けられ、無線通信で前記タグを検出する第1検出部と、
無線通信で前記タグを検出する第2検出部と、
前記第1検出部が前記タグと通信可能な状態から通信不可能な状態に遷移してから所定期間以上、前記第2検出部が前記タグと通信不可能である場合に警告信号を出力する制御部と、を具備することを特徴とする文書管理システムである。
【発明の効果】
【0007】
文書IDタグを少なくとも複数の検出部で検出することで、例えば、閲覧される文書が棚から取り出された後に、閲覧テーブルで閲覧されるべく所定時間内に文書IDタグが検出されたかどうかを監視する。これにより、例えば、資料室等の文書管理システムの内部においても文書が正しく取り扱われているかどうかを監視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る文書管理システムの一例を示す概要図、図2は、文書管理システムの構成の一例を示す構成図、図3は、文書管理システムの各検出部の検出対象の一例を示す説明図である。
【0009】
すなわち、本発明の一実施形態に係る文書管理システム1は、図1に示すように、例えば企業内に設けられた機密文書等を管理する資料室等に設けられた管理システムであり、入退室管理、取扱履歴管理、閲覧管理、棚卸管理で構成されている。また、別室72において、履歴管理用PC装置70により、警告信号の履歴が管理されている。
【0010】
また、文書管理システム1において、図2のブロック図に示すように、管理すべき文書に添付されるRFID(例えばISO15693に規定されるもの)タグとして、文書IDタグTと、この文書を取り扱う文書取扱者が携帯する認識票であるRFIDカードとして、ユーザIDカードBが用いられる。この文書IDタグT及びユーザIDカードBは、例えば、13.56MHzの周波数帯を用いた非接触型リーダライタシステムで用いられるもので、ICチップやループアンテナを備えている。
【0011】
文書管理システム1は、この文書IDタグTとユーザIDカードBを検出し管理し履歴を記録する。文書管理システム1は、文書IDタグTとユーザIDカードBが同期しない場合や、履歴の関係が適正でないときは、該当する文書番号とユーザ名を画面表示し、システム管理者に警告を発することで、セキュリティレベルを向上させる。
【0012】
文書管理システム1は、この文書IDタグT及びユーザIDカードBの一方又は両方と通信を行なうリーダライタ装置として、文書管理制御用PC装置10に接続された室外扉用リーダライタ20と、室内扉用リーダライタ21と、ゲートアンテナ30に接続されるゲート用リーダライタ31と、閲覧アンテナ40に接続される閲覧用リーダライタ41と、据置アンテナ50に接続される据置用リーダライタ51と、棚アンテナ切換器61とアンテナ切換器62を介して棚アンテナ60に接続される棚用リーダライタ63を有している。また、文書管理システム1は、別室72において設置される文書管理制御用PC装置10に接続される履歴管理用PC装置70と、文書管理制御用PC装置10に接続される監視カメラC、警告通報部71を有している。
【0013】
なお、図1からも明白なように、閲覧アンテナ40と閲覧用リーダライタ41は、閲覧テーブル42に設置され、棚アンテナ60、アンテナ切換器61,62、棚用リーダライタ63は、棚64に設置されている。
これら、室外扉用リーダライタ20、室内扉用リーダライタ21、ゲート用リーダライタ31、閲覧用リーダライタ41、据置用リーダライタ51、棚用リーダライタ63等のリーダライタ装置は、リーダライタ装置に接続されたループアンテナからICタグ内のICチップを駆動するための電力と質問データを常時または間欠的に送信し、電力と質問データを受信することができる範囲内にあるICタグからの応答データを受信する。
【0014】
ここで、各リーダライタ装置が何を対象にしているかを図3を用いて説明すると、室外扉用リーダライタ20はユーザIDカードB、室内扉用リーダライタ21はユーザIDカードB、ゲート用リーダライタ31は文書IDタグT、閲覧用リーダライタ41はユーザIDカードBと文書IDタグT、据置用リーダライタ51はユーザIDカードBと文書IDタグT、棚用リーダライタ63は文書IDタグTとなる。
【0015】
(動作)
次に、このような文書管理システム1による文書管理方法をフローチャートを用いて詳細に説明する。図4は、文書管理システムにおける処理の概要を示すフローチャート、図5は、文書の不正持ち出しに対する警告処理の一例を示すフローチャート、図6は、警告画面及び警告画面表示ログの一例を示す説明図、図7は、閲覧中の文書IDタグの検出処理の一例を示すフローチャート、図8は、据置アンテナによる文書IDタグの登録処理の一例を示すフローチャート、図9は、文書IDタグの移動の識別処理の一例を示すフローチャート、図10は、返却時の動作を示すフローチャートである。
【0016】
なお、図4、図5、図7乃至図10のフローチャートの各ステップは、回路ブロックに置き換えることができ、従って、各フローチャートのステップは、全て回路ブロックに定義しなおすことが可能である。
初めに、文書管理システム1の特に文書の閲覧処理の概要を説明する。図1の概要図及び図4のフローチャートにおいて、文書取扱者であるユーザがユーザIDカードBを室外扉用リーダライタ20に読み込ませ、この情報を文書管理制御用PC装置10においてデータベースと比較認証することで、扉が開錠されユーザの入室が可能となる(ステップS1)。次に、ユーザは、ユーザIDカードBを据置アンテナ50に読み込ませ、キーボードやマウス等の操作により文書管理制御用PC装置10に対して文書の閲覧または持ち出しを申請する(ステップS2)。そして、ユーザは、棚64から希望の文書を取り出す(ステップS3)。ユーザは、取り出した文書を据置アンテナ50に読み込ませ、キーボードやマウス等の操作によりその文書の閲覧(または持出し)を申請する(ステップS4)。ユーザは、その文書を閲覧テーブル42において閲覧する(ステップS5)。その後、ユーザは、閲覧後の文書を据置アンテナ50に読み込ませ、キーボードやマウス等の操作により文書管理制御用PC装置10に対して文書の返却を申請した後に、文書を棚64に返却する(ステップS6)。このようにして、ユーザは、文書管理システム1に対して文書の閲覧(または持出し)処理を行うものである。
【0017】
次に、図5のフローチャートを用いて文書の不正持ち出しに対する警告処理の一例を説明する。文書管理制御用PC装置10は、起動状態において、ゲートアンテナ30からの検出信号を常に監視している(ステップS11)。そして、文書管理制御用PC装置10は、文書IDタグTからの信号を検出すると、文書管理制御用PC装置10内のデータベースと照合してその文書IDタグTのID(識別情報)が持出し登録されているかどうかを判断する(ステップS12)。文書管理制御用PC装置10は、その文書IDタグTのID(識別情報)が持出し登録されていないと判断すると警告を行うべきであると判断し、例えば図6に示すような警告画面を表示して、ゲートアンテナ30から検出した文書IDタグTのIDである文書番号及び室内扉用リーダライタ21から検出したユーザIDカードBに基づくユーザ名“日本太郎”を画面に表示する(ステップS13)。このとき、警告を行ったという情報は、図6の(b)のような警告画面表示ログとして、履歴管理用PC装置70により記憶領域に記録される。
また、文書管理制御用PC装置10は、その文書IDタグTのID(識別情報)が持出し登録されていると判断すると警告を行うべきではないとして処理を終了する。
【0018】
次に、図7のフローチャートを用いて、閲覧中である文書の監視処理について説明する。文書管理制御用PC装置10は、起動状態において、室内扉用リーダライタ21からの検出信号を常に監視している(ステップS21)。そして、文書管理制御用PC装置10は、室内扉用リーダライタ21からユーザIDカードBの信号を検出すると、文書管理制御用PC装置10内のデータベースに基づいて認証処理の後に、ゲートアンテナ30からの文書IDタグTの検出信号を(ゲート用リーダライタ31を経由して)検出する。文書管理制御用PC装置10は、検出した文書IDタグTのIDがデータベースを参照して閲覧中であった場合、または文書IDタグTから送られた信号が閲覧中であることを示していた場合、閲覧中の文書IDであると判断し(ステップS22)、例えば図6に示すような警告画面を表示して、ゲートアンテナ30から検出した文書IDタグTのIDである文書番号及びゲートアンテナ30から検出したユーザIDカードBに基づくユーザ名“日本太郎”を画面に表示する(ステップS24)。このとき、警告を行ったという情報は、図6の(b)のような警告画面表示ログとして、履歴管理用PC装置70により記憶領域に記録される。
また、文書管理制御用PC装置10は、その文書IDタグTのID(識別情報)が閲覧中ではないと判断すると警告を行うべきではないとして、扉のロックを開錠して処理を終了する(ステップS23)。
【0019】
次に、図8のフローチャートを用いて、ユーザによる文書の閲覧または持出しの申請処理について説明する。文書管理制御用PC装置10は、起動状態において、ユーザの操作による文書の閲覧または持出しを申請する操作を待機している(ステップS31)。文書管理制御用PC装置10が、ユーザの操作による文書の閲覧または持出しを申請する操作を検出すると、次に、棚アンテナ60で検出される複数の文書IDタグTからの複数の検出信号のうち、検出が不能となった検出信号がないかどうかを監視する(ステップS32)。ここで、文書管理制御用PC装置10が、棚アンテナ60で検出される複数の文書IDタグTからの複数の検出信号の内の検出が不能となった検出信号を見つければ、当該文書IDタグTの文書がユーザが閲覧または持出しをされた可能性のある文書であると判断する。次に、文書管理制御用PC装置10は、棚アンテナ60で検出不能となった文書IDタグTのIDが据置アンテナ50で所定時間内に検出されれば、この文書IDタグTのIDが閲覧または持出しされるものと判断する(ステップS33)(ここで、さらにユーザのキーボードまたはマウスの文書管理制御用PC装置10に対する操作を必須のものとしてもよい)。
【0020】
文書管理制御用PC装置10は、棚アンテナ60で検出不能となった文書IDタグTのIDが据置アンテナ50で所定時間内に検出され、この文書IDタグTのIDが閲覧または持出しされるものと判断すると、据置用リーダライタ51によりこの文書IDタグT及びユーザIDカードBに対して、この文書が閲覧されること(または持出しされること)を意味するフラグ等の書き換えを行うと共に、文書管理制御用PC装置10の記憶領域に閲覧(または持出し)すべき当該文書の文書IDとユーザIDを登録する(ステップS34)。
【0021】
文書管理制御用PC装置10は、棚アンテナ60で検出不能となった文書IDタグTのIDが据置アンテナ50で所定時間内に検出されなかった場合、例えば図6に示すような警告画面を表示し、棚アンテナ60で検出不能となった文書IDタグTのIDである文書番号等を画面に表示する(ステップS35)。このとき、警告を行ったという情報は、図6の(b)のような警告画面表示ログとして、履歴管理用PC装置70により記憶領域に記録される。
【0022】
次に、図9のフローチャートを用いて、ユーザによる文書IDタグの移動の識別処理について説明する。文書管理制御用PC装置10は、起動状態において、図8のステップ34において登録した閲覧すべき文書IDが記録されているかどうかを判断する(ステップS36)。文書管理制御用PC装置10は、閲覧すべき文書IDが記録されていると判断すれば、閲覧テーブル42の閲覧アンテナ40が、閲覧を登録された文書IDタグTからの信号を検出したかどうかを判断する(ステップS37)。文書管理制御用PC装置10は、閲覧テーブル42の閲覧アンテナ40が、閲覧を登録された文書IDタグTからの信号を検出したと判断すれば処理をここで終了する。
【0023】
文書管理制御用PC装置10は、閲覧テーブル42の閲覧アンテナ40が、閲覧を登録された文書IDタグTからの信号を検出ていないと判断すれば、文書管理制御用PC装置10が当該文書の閲覧を登録してから所定時間経過しているかどうかを判断する(ステップS38)。文書管理制御用PC装置10は、文書管理制御用PC装置10が当該文書の閲覧を登録してから所定時間経過していないと判断すれば、ステップS37に戻り監視を継続する。
【0024】
文書管理制御用PC装置10は、文書管理制御用PC装置10が当該文書の閲覧を登録してから所定時間が経過したと判断すれば、文書管理制御用PC装置10は、閲覧を登録したにもかかわらず、該当の文書は、所定時間経過した後も閲覧テーブル42で閲覧されることなく部屋のどこかにあり、不適切な扱いを受けているものと認識して、例えば図6に示すような警告画面を表示し、棚アンテナ60で検出不能となった文書IDタグTのIDである文書番号及び該当のユーザ名等を画面に表示する(ステップS39)。このとき、警告を行ったという情報は、図6の(b)のような警告画面表示ログとして、履歴管理用PC装置70により記憶領域に記録される。
【0025】
このように、本発明の一実施形態に係る文書管理システム1においては、例えば閲覧が登録された文書IDタグTが所定時間経過しても閲覧テーブル42の閲覧アンテナ40で検出されなければ、文書が異常な取り扱いを受けているとして警告表示等を行うものである。
【0026】
次に、図10のフローチャートを用いて、ユーザによる文書の返却処理について説明する。文書管理制御用PC装置10は、起動状態において、現在、閲覧中の文書があるかどうか、さらに返却予定の文書があるかどうかを管理している(ステップS41)。一冊でも閲覧中または返却予定の文書がある場合、文書管理制御用PC装置10は、ユーザの操作による文書の返却が申請される操作が行われたかどうかを監視している(ステップS42)。
【0027】
文書管理制御用PC装置10は、現在、閲覧中の文書または返却予定の文書があるにもかかわらず、文書の返却の申請がなされずに所定時間(閲覧時間または持出し時間)を経過していた場合、図6の(a)のような警告画面を表示して、返却予定であるはずの文書IDタグTのIDである文書番号及び返却を行うべきユーザのユーザ名“日本太郎”を画面に表示する(ステップS44)。このとき、警告を行ったという情報は、図6の(b)のような警告画面表示ログとして、履歴管理用PC装置70により記憶領域に記録される。
【0028】
文書管理制御用PC装置10は、文書の返却の申請を意味する操作があるかどうかを待機している(ステップS42)。この申請は、据置アンテナ50によるユーザIDカードBの検出を伴って行われる。さらに、据置アンテナ50による、持出し中であり返却予定の文書IDタグTの検出信号を伴って行なってもよい。さらに、据置アンテナ50による、閲覧中であり返却予定の文書IDタグTの検出信号を伴って行なってもよい。
【0029】
文書管理制御用PC装置10は、このような文書の返却の申請を認識すると、棚アンテナ60が返却予定の文書IDタグTの検出信号を検出したかどうかを監視し(ステップS45)、所定時間経過しても返却予定の文書IDタグTの検出信号を検出できなかった場合は(ステップS46)、図6の(a)のような警告画面を表示して、返却予定であるはずの文書IDタグTのIDである文書番号及び返却を行うべきユーザのユーザ名“日本太郎”を画面に表示する(ステップS47)。このとき、警告を行ったという情報は、図6の(b)のような警告画面表示ログとして、履歴管理用PC装置70により記憶領域に記録される。
【0030】
文書管理制御用PC装置10は、棚アンテナ60が返却予定の文書IDタグTの検出信号を検出したことを認識すると処理を終了する。
文書管理制御用PC装置10は、このような手順により閲覧中の文書または持出し中の文書の返却を管理し、返却時間を過ぎても返却することの申請がなかったり、返却するとの申請があっても実際に返却されなかった場合、警告表示を行う。
【0031】
(処理の概要)
次に、本発明の一実施形態である文書管理システム1の時間的経過に従った処理の概要の一例を図11及び図12の説明図を用いて説明する。
すなわち、文書管理システム1において、ユーザは、ユーザIDカードBを室外扉用リーダライタ20により読み取らせることで、文書管理制御用PC装置10の判断により扉を開錠する(ステップS61)。ユーザは、ユーザIDカードBをゲートアンテナ30に読み取らせ、文書管理制御用PC装置10の判断によってゲートを通過する(ステップS62)。ユーザは、文書取り扱いアンテナすなわち据置アンテナ50でユーザIDカードBを読み取らせて文書管理制御用PC装置10に操作を行うことで、文書閲覧の申請を行う(ステップS63)。ユーザは、棚64から文書を取り出し、これを棚アンテナ60が検出する(ステップS64)。ここで、所定時間を経過しても閲覧文書が取り出されなければ(ステップS65)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS66)。
【0032】
ユーザは、ユーザIDカードBと文書IDタグTを据置アンテナ50に対して登録する(ステップS67)。ここで、ユーザIDカードBと文書IDタグTを据置アンテナ50に対して登録されなければ(ステップS68)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS69)。
【0033】
次に、ユーザは閲覧すべき文書を閲覧テーブル42に移動することで、閲覧アンテナ40はユーザIDカードBと文書IDタグTからの信号を検出する(ステップS70)。ここで、閲覧アンテナ40は、ユーザIDカードBと文書IDタグTからの信号を検出しなければ(ステップS71)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS72)。
【0034】
ユーザは、文書管理制御用PC装置10に対してユーザIDカードBで返却を申請し(ステップS73)、文書IDタグTで文書を返却することを登録する(ステップS74)。その後、ユーザは、返却を申請した文書を棚64に格納する(ステップS75)。ここで、棚アンテナ60が文書の返却を検出しなければ(ステップS76)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS77)。
【0035】
さらに、ユーザは、文書管理制御用PC装置10に対し、据置アンテナ50に対してユーザIDカードBで文書を返却することを登録する(ステップS78)。ここで、棚アンテナ60が据置アンテナ50に対してユーザIDカードBを検出しなければ(ステップS79)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS80)。
【0036】
また、ユーザは、ユーザIDカードBを用いて据置アンテナ50に対して文書の貸し出しを申請して(ステップS81)、棚64の棚アンテナ60が文書IDタグTの取り出しを検出する(ステップS82)。しかし、文書管理制御用PC装置10が棚アンテナ60が貸し出しされた文書の取り出しを識別しなければ(ステップS83)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS84)。
【0037】
その後、ユーザは、ユーザIDカードBと文書IDタグTを用いて据置アンテナ50に対して文書の貸し出し登録を行う(ステップS85)。しかし、文書管理制御用PC装置10が、ユーザIDカードBと文書IDタグTを用いた据置アンテナ50に対する文書の貸し出し登録を検出しなければ(ステップS86)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS87)。
【0038】
その後、ユーザは、ゲートを通過することで、ゲートアンテナ30は、ユーザIDカードBと文書IDタグTを検出する(ステップS88)。しかし、文書管理制御用PC装置10は、ゲートアンテナ30からのユーザIDカードBと文書IDタグTを検出しなければ(ステップS89)、警告通報または警告画面を表示する(ステップS90)。
【0039】
そして、ユーザは、ユーザIDカードBを室内扉用リーダライタ21で読ませることで、扉を施錠して部屋を出る(ステップS91)。
以上記載した様々な実施形態は複数同時に実施することが可能であり、これらの記載により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る文書管理システムの一例を示す概要図。
【図2】同じく文書管理システムの構成の一例を示す構成図。
【図3】同じく文書管理システムの各検出部の検出対象の一例を示す説明図。
【図4】同じく文書管理システムにおける処理の概要を示すフローチャート。
【図5】同じく文書管理システムにおける文書の不正持ち出しに対する警告処理の一例を示すフローチャート。
【図6】同じく文書管理システムにおける警告画面及び警告画面表示ログの一例を示す説明図。
【図7】同じく文書管理システムにおける閲覧中の文書IDタグの検出処理の一例を示すフローチャート。
【図8】同じく文書管理システムにおける閲覧中の文書IDタグの登録処理の一例を示すフローチャート。
【図9】同じく文書管理システムにおける閲覧中の文書IDタグの移動の識別処理の一例を示すフローチャート。
【図10】同じく文書管理システムにおける返却時の動作を示すフローチャート。
【図11】同じく文書管理システムの動作の概要の一例を示すフローチャート。
【図12】同じく文書管理システムの動作の概要の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0041】
1…文書管理システム、T…文書IDタグ、B…ユーザIDカード、C…監視カメラ、10…文書管理制御用PC装置、20…室外扉用リーダライタ、21…室内扉用リーダライタ、30…ゲートアンテナ、31…ゲート用リーダライタ、40…閲覧アンテナ、41…閲覧用リーダライタ、50…据置アンテナ、51…据置用リーダライタ、60…棚アンテナ、61…棚アンテナ切換器、62…アンテナ切換器、63…棚用リーダライタ、70…履歴管理用PC装置、71…警告通報部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書に添付され、無線通信で検出することができるRFIDタグと、
前記文書が収納される棚に設けられ、前記RFIDタグを検出する第1検出部と、
前記棚とは異なる場所に設けられ、前記RFIDタグを検出する第2検出部と、
前記第1検出部が前記RFIDタグと通信可能な状態から通信不能な状態に遷移してから所定期間以上、前記第2検出部が前記RFIDタグと通信不能である場合に警告信号を出力する制御部と、を具備することを特徴とする文書管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−117857(P2010−117857A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290141(P2008−290141)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000166650)株式会社日立国際電気エンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】