文書表示システム
【課題】 予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できるようにする。
【解決手段】 利用者が表示装置1に対して表示操作を行うと、表示装置1は、その表示操作を検出手段15により検出し、自己の媒体IDを含む操作指示情報を通信手段12により制御装置2に送信する。制御装置2は、制御手段22による制御の下、操作指示情報の受信に応じて、処理対象ページ番号に該当するページ(未送信且つ最先のページ)のページ画像を操作指示情報の送信元の表示装置1に通信手段21により送信し、処理対象ページ番号に1を加算する。EP1は、ページ画像の受信に応じて当該ページ画像を書込手段14により表示部11に表示する。
【解決手段】 利用者が表示装置1に対して表示操作を行うと、表示装置1は、その表示操作を検出手段15により検出し、自己の媒体IDを含む操作指示情報を通信手段12により制御装置2に送信する。制御装置2は、制御手段22による制御の下、操作指示情報の受信に応じて、処理対象ページ番号に該当するページ(未送信且つ最先のページ)のページ画像を操作指示情報の送信元の表示装置1に通信手段21により送信し、処理対象ページ番号に1を加算する。EP1は、ページ画像の受信に応じて当該ページ画像を書込手段14により表示部11に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書表示システム、表示装置、制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物は一般に外部からのインクやトナー等の着色材料や現像材料を紙を代表とする媒体上に供給することで固定的な画像表示を行わせるものであるが、このような固定的に画像を表示保持する媒体に代替可能な媒体として、書込外力に応じて画像が書換可能に形成され且つ当該書込外力を除去した後も形成された画像を表示保持する表示保持媒体が研究開発されている。
【0003】
このような表示保持媒体は、画像を表示保持する領域としての表示部の内部に画像を構成する表示材料を含有し、この表示材料に書込外力(電気、磁気、熱、所定PHの液体といった化学的作用等)を作用させることで、表示材料が物理的或いは化学的に状態が変化して書込外力に応じた画像が形成され、また、この書込外力を除去した後でも形成された画像が維持され、さらに、異なる書込外力を作用させると先の画像が新たな書込外力に応じた画像へと変化するものである。このように書込外力を無くした状態での表示状態の維持(記憶)が紙のようである点に加えて、着色材料や現像剤を外部から供給することなく表示画像を書き換えられる点が電子デバイス的であることから、電子ペーパと称せられることが多い。
【0004】
ここで、電子ペーパを利用した以下のような発明が提案されている。
書込装置20の制御部22が、電子ペーパー50の枚数を計数してコンピュータ30に出力し、コンピュータ30の制御部32が、表示用データを頁変換し、更に、電子ペーパー50の枚数と表示用データの頁数とを比較して、電子ペーパー50の枚数が表示用データの頁数より少ない場合には、書込禁止、書込範囲の指定、サムネイル表示等の書込態様で電子ペーパー50に対する書込みの仕方を制御することにより、表示するコンテンツのデータ量及び表示媒体の表示量または枚数に応じて、複数の表示媒体に対する書込みを適切に行う発明が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
複数の電子ペーパーを有する電子ブックにおいて、ユーザが電子ペーパーに表示されている情報を必要としないことを指示するための指示装置を有しており、制御部31が、この指示装置から表示情報の不要指示を受けると、第1の電子ペーパー21の表示を切り替えるため、データ格納部34あるいは外部通信部35を介して外部データ格納部36へとアクセスし、次に表示するコンテンツデータを取得し、ページ情報記憶部32に記憶させるととも、第1の電子ペーパー21に新たな次の情報を表示させるよう制御することにより、ユーザに頁めくり動作を意識させず、消費電力を低く抑えることを可能にする発明が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−286952号公報
【特許文献2】特開2004−233603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子文書の表示先として複数の表示装置(例えば電子ペーパやディスプレイ装置)が用意されている場合、電子文書の各ページの閲覧容易性や比較容易性の観点から、各ページを別々の表示装置に出力することが考えられる。
この場合、各ページとその出力先の表示装置との対応付け作業が利用者に必要となるが、各表示装置が予め順序付けされている場合を除くと、ページや表示装置の多さに比例して対応付け作業が面倒になることが想定されるため、この作業を簡易に行える方法が期待されている。
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする文書表示システムである。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の文書表示システムにおいて、前記制御手段は、表示操作の検出に係る表示手段を示す情報を表示操作の検出順に記憶しておき、ページ画像の表示指示に応じて、当該ページ画像のページ順に対応する検出順の表示手段に当該ページ画像を表示させることを特徴とする文書表示システムである。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の文書表示システムにおいて、前記文書表示システムは、前記表示手段と前記検出手段とを備えた複数の表示装置と、前記制御手段を備えた制御装置と、を有し、前記表示装置は、自己の検出手段が表示操作を検出したことに応じて、自己を識別する装置識別情報を前記制御装置に送信する第1の送信手段と、自己の表示手段に表示させるページ画像を前記制御装置から受信する第1の受信手段と、を更に備え、前記制御装置は、前記表示装置から装置識別情報を受信する第2の受信手段と、前記表示装置にページ画像を送信する第2の送信手段と、を更に備え、前記制御手段は、装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする文書表示システムである。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の文書表示システムにおいて、前記制御装置は、各ページの表示を許可する表示装置の装置識別情報を記憶する第1の記憶手段を更に備え、前記制御手段は、受信した装置識別情報に該当する表示装置に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする文書表示システムである。
【0013】
請求項5に記載の本発明は、請求項3又は請求項4に記載の文書表示システムにおいて、前記制御装置は、各ページの表示を許可する利用者を識別する利用者識別情報を記憶する第2の記憶手段を更に備え、前記第1の送信手段は、その表示装置を操作する利用者の利用者識別情報を装置識別情報と共に送信し、前記制御手段は、装置識別情報と共に受信した利用者識別情報に該当する利用者に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする文書表示システムである。
【0014】
請求項6に記載の本発明は、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0015】
請求項7に記載の本発明は、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段と、を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0016】
請求項8に記載の本発明は、利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする制御装置である。
【0017】
請求項9に記載の本発明は、コンピュータを、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0018】
請求項10に記載の本発明は、コンピュータを、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段として機能させるためのプログラムである。
【0019】
請求項11に記載の本発明は、コンピュータを、利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、複数のページを含む電子文書の各ページ画像のうち装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の文書表示システムによると、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できる。
【0021】
請求項2に記載の文書表示システムによると、各ページの表示先とする表示装置の予約指定が可能となる。
請求項3に記載の文書表示システムによると、1台の装置が複数の表示装置を有する構成としてではなく、各表示装置を分散して設けた構成としてシステムを構築できる。
請求項4、請求項5に記載の文書表示システムによると、ページの表示制限を表示装置毎や利用者毎に行うことができる。
【0022】
請求項6、請求項7、請求項8に記載の各装置によると、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できる。
【0023】
請求項9、請求項10、請求項11に記載の各プログラムによると、その実行によりコンピュータ上に実現される各機能手段により、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る文書表示システムの構成を示しており、表示装置1と制御装置2とが互いに無線通信する構成としている。なお、本例の文書表示システムは複数の表示装置1を有しているが、図1ではそのうちの1つを代表して示している。
【0025】
本例の文書表示システムでは、書込外力に応じて画像が書換可能に形成され且つ当該書込外力を除去した後も形成された画像を表示保持する表示保持媒体(いわゆる電子ペーパ)を用いて表示装置1を構成している。
電子ペーパの表示原理としては、電気、磁気、熱といった外力を直接印加して素子を駆動するもの、あるいは光照射に伴う電圧変化により素子を駆動するものや、電圧印加に伴う液体のPH変化により呈色状態を変化させる等、連鎖的に素子を駆動する表示原理を用いるもの等がある。
【0026】
電子ペーパの一例として、光照射により画像を書き換える電子ペーパ(以下、光書き込み型電子ペーパ)について具体的に説明する。
光書き込み型電子ペーパは、媒体の大部分を占める表示部11の断面構造を表す図11に示すように、複写機の感光体に利用されている有機光導電性材料の層(有機光導電層)60と液晶表示材料の層(マイクロカプセル化したコレステリック液晶層)61とを組み合わせ、これら層を表裏一対の透明電極62で挟み、この積層体を表裏一対の透明な基材フィルム63で挟んだ構造となっている。なお、この構成では、コレステリック液晶層61が広い可視波長域の光を反射する白表示と、光が液晶層61を透過しコレステリック液晶層61と有機光導電層60との間に設けられた黒色層64で吸収される黒表示のモノクロ画像表示が可能である。さらにコレステリック液晶には螺旋ピッチに応じたカラー光を干渉反射するという特性があるので、コレステリック液晶層61を螺旋ピッチの異なる液晶を積層した構成にすることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0027】
そして、光書き込み型電子ペーパは、表示部11の動作原理を表す図12に示すように、例えば画像書込み用の調光素子パネル(発光パネル)に転写する画像を表示して表示部11に投影し、表示部11に設けた書き込み用電極に電圧を印加すると、表示部11は光の強弱を瞬時に反射濃度に変換して当該投影画像を保持する。そして、電極に消去電圧を印加することにより表示部11に保持された画像情報を消去することができ、光書き込み型電子ペーパは書き込みと消去を繰り返して幾度も再使用することができる。なお、光書換き込み電子ペーパはこのような消去処理を行わずに、上記のように電極に電圧を印加して新たな画像を投影することにより、表示部11に保持されている画像情報を上書きすることもでき、このような上書き処理によっても幾度も再使用することができる。
【0028】
電子ペーパの他の例として、電気の直接印加により画像を書き換える電子ペーパ(以下、電気書換型電子ペーパ)について具体的に説明する。
電気書換型電子ペーパは、媒体の大部分を占める表示部11の断面構造を表す図13に示すように、微細な着色帯電粒子(図示の例では、白色粒子71と黒色粒子72)を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極73間に封入し、これを少なくとも表面側が透明な表裏一対のフィルム基板74で挟んだ構造となっている。着色粒子71、72が自由に移動できるように電極層73間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層73には着色粒子71、72との接触を防止する絶縁層75が設けられている。なお、カラーフィルターを用いることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0029】
そして、電気書換型電子ペーパは、表示部11の動作原理を表す図14に示すように、電極73に電圧を印加していない状態(但し、電極73の前回の駆動時の極性はプラスであったとする)では、負(マイナス)に帯電した白色粒子71は裏面側に溜まる一方、正(プラス)に帯電した黒色粒子72は表面側に溜まり、表示部11を表面側から目視すると表示部11は黒色な状態となる。そして、電気書換型電子ペーパに接続されたドライバ(後述する書込手段14)を画像データに基づいて動作させ、当該ドライバの機能により表示する画像に応じた表示部11のマトリックスの所要部の電極極性を反転させると、白色粒子71と黒色粒子72との位置関係が入れ替わって、表示部11に白色粒子71と黒色粒子72とのコントラストによる画像が表示される。なお、異なる画像データに基づいてドライバを動作させることにより、白色粒子71と黒色粒子72とのコントラストにより表示部11に表示される画像を切り換えることができ、幾度も再使用することができる。
【0030】
本実施例では電気書換型電子ペーパを用いて表示装置1を構成しており、図1に示すように、画像を表示保持する表示部11、制御装置2と無線通信を行う通信手段12、自装置を識別する媒体IDを記憶する媒体ID記憶手段13、制御装置2から受信する画像を表示部11に書き込む書込手段14、自装置に対して利用者が行った表示操作を検出する検出手段15、を備えている。
また、図2に装置外観を示すように、表示部11による表示の更新を指示するためのボタン16を操作子として設けており、利用者による当該ボタン16の押下を表示操作として受け付ける。
【0031】
なお、本例のように表示保持媒体(電子ペーパ)を表示装置1に用いる構成に限られず、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示原理により表示を行う装置を用いてもよい。
また、表示部11を交換できるように構成してもよい。
また、ボタン16に代えて、利用者による接触を感知するセンサ(例えば、静電センサ、加速度センサ、圧力センサ)を操作子として用いてもよい。
また、例えば、表示装置1の起動や、表示装置1によるページ表示の前提となるユーザ認証を表示操作として検出するようにしてもよい。
【0032】
本例の制御装置2は、図1に示すように、表示装置1と無線通信を行う通信手段21、表示装置1へのページ画像の送信を制御する制御手段22、利用者から操作入力を受け付ける操作手段23、電子文書の情報を記憶する文書情報記憶手段24、表示装置1から受信する媒体IDを受信順に記憶する予約情報記憶手段25、を備えている。
【0033】
本例では、携帯電話を制御装置2として用いているが、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)等の他の携帯型の装置や、デスクトップパソコン等の据置型の装置を用いてもよい。
また、本例では、文書情報記憶手段24に保持された電子文書に基づいて各ページのページ画像を生成して表示装置1に送信するが、例えば、他の装置からネットワークを介して受信した電子文書に基づいてページ画像を生成して表示装置1に送信してもよく、自装置或いは他装置の撮影機能や画像読み取り機能等により生成された画像を予め保持しておき、表示装置1に送信するようにしてもよい。
【0034】
本例の文書表示システムによる処理の流れを図3を参照して説明する。
なお、図中の各表示装置1(EP1、EP2、EP3)は、制御装置2との無線通信が可能な範囲内(本例では制御装置2から30cm以内)の位置にあるものとする。
利用者が制御装置2を操作して複数ページ(本例では5ページ)を含む電子文書の出力指示を行うと、制御手段22は、各ページのページ画像を先頭ページから順に送信待ち状態とする。このとき、未送信且つ最先のページを示す処理対象ページ情報として“1”が設定されて制御装置2のメモリに格納される。
【0035】
まず、利用者がEP1のボタン16を押下して表示操作を行うと、EP1は、その表示操作を検出手段15により検出し、自己の媒体IDを含む操作指示情報M1を通信手段12により制御装置2に送信する。制御装置2は、制御手段22による制御の下、操作指示情報M1の受信に応じて、処理対象ページ情報“1”に従ってページ1のページ画像を生成して操作指示情報M1の送信元であるEP1に通信手段21により送信し、処理対象ページ情報に“1”を加算して“2”とする。EP1は、ページ1のページ画像の受信に応じて当該ページ画像を書込手段14により表示部11に表示する。
【0036】
次に、利用者がEP2のボタン16を押下して表示操作を行うと、EP2は、その表示操作を検出して自己の媒体IDを含む操作指示情報M2を制御装置2に送信する。制御装置2は、操作指示情報M2の受信に応じて、処理対象ページ情報“2”に従って生成したページ2のページ画像をEP2に送信し、処理対象ページ情報に“1”を加算して“3”とする。EP2は、ページ2のページ画像の受信に応じて当該ページ画像を表示部11に表示する。
また、利用者がEP3のボタン16を押下して表示操作を行うと、EP3及び制御装置2により同様の処理がなされ、EP3の表示部11にページ3が表示される。
【0037】
つまり、各表示装置1のボタン16を押下するという簡易な操作で、その押下順に対応するページ順のページ画像が各表示装置1に表示される。
なお、上記の状態で利用者が更にEP2のボタン16を押下した場合は、EP2の表示をページ2からページ4に切り替えており、用意した表示装置1の数が電子文書のページ数より少ない状況にも対応できるようにしている。
【0038】
本例では、液晶ディスプレイ等より安価な表示保持媒体(電子ペーパ)を表示装置1として用いているため利用者は複数枚の表示装置1を所有することが想定され、本システムの利用にあたり任意の数の表示装置1を用意することが考えられるが、このような任意の数の各表示装置1に順序関係が一切設定されていなくとも、任意のページ数の電子文書の各ページをページ順に沿って表示するにあたり、各ページを実際に表示しようとするタイミングでその表示に用いる表示装置1を簡易に指定できる。
【0039】
本例の文書表示システムは、上述したような、表示装置1に対して利用者が行った表示操作の検出に応じて対応するページ画像を当該表示装置1に速やかに表示する即時表示機能のほかに、表示操作の検出順を一旦記憶しておき、表示装置1又は制御装置2を利用者が操作して行った表示指示や一定の時間毎に自動的に発行される表示指示に応じてページ画像を該当する表示装置1に表示する表示予約機能を有している。なお、即時表示機能又は表示予約機能のいずれを用いるかは、制御装置2を操作して利用者が指定することができる。
【0040】
図4は、表示予約機能で用いる予約情報のデータ構成例を示している。
本例の予約情報は、各表示装置1から送信される操作指示情報に含まれる「媒体ID」、当該操作指示情報(媒体ID)を受信した「媒体ID受信日時」、当該操作指示情報に対してページ画像を送信した「ページ送信日時」、を組にした情報であり、予約情報記憶手段25に格納される。すなわち、各操作指示情報(媒体ID)の受信順を、媒体ID受信日時により特定できるようにしている。
【0041】
次に、表示予約機能が指定されている場合の処理を説明する。
表示装置1から操作指示情報を受信すると、当該操作指示情報に含まれる媒体IDとその受信日時とを用いて予約情報を生成し、予約情報記憶手段25に格納する。なお、この時点では、当該予約情報のページ送信日時は空欄である。
ページ画像の表示指示がなされると、媒体ID受信日時が最先且つページ送信日時が空欄の予約情報を特定し、当該予約情報の媒体IDに該当する表示装置1に対して処理対象ページ番号に応じたページ画像を送信する。また、当該予約情報のページ送信日時に現在日時を記録し、処理対象ページ番号を加算する。
【0042】
図5は、本発明の他の一例として、電子文書の各ページの表示を利用者や表示装置1毎に制限する機能を備えた文書表示システムにおける制御装置2の機能構成を示している。
本例の制御装置2は、図1に示した制御装置2に加えて、各電子文書の表示に要求される権限を設定した文書権限テーブル26、各利用者に許可された権限を設定した利用者権限テーブル27、各表示装置1に許可された権限を設定した媒体権限テーブル28、を更に備えている。
本例では、図5〜7に示すように、各テーブルに高、中、低の3段階の権限を設定しており、利用者や表示装置1の権限が、電子文書の権限と同じ又はそれ以上の場合に当該電子文書の表示を許可する一方、電子文書の権限より低い場合に当該電子文書の各ページの表示を禁止している。
【0043】
具体的には、表示装置1毎に表示を制限する場合には、制御装置2は、受信した操作指示情報に含まれる媒体IDに基づいて表示装置1の権限を特定し、当該権限と対象の電子文書の権限とを比較して当該表示装置1に対する表示が許可されているか否かを判定し、許可されている場合(表示装置1の権限が電子文書の権限と同じ又はそれ以上の場合)にページ画像を返送する。これにより、例えば、会議室等に用意されて持ち運びが禁じられた表示装置1にのみ電子文書を表示する一方で、各個人所有の表示装置1に対しては電子文書を表示しない等の制限を行える。
【0044】
また、利用者毎に表示を制限する場合には、各表示装置1が操作指示情報を送信する際に当該利用者を識別する利用者IDを併せて送信し、制御装置2は、受信した利用者IDに基づいて当該利用者の権限を取得し、当該権限と対象の電子文書の権限とを比較して当該利用者に対する表示が許可されているか否かを判定し、許可されている場合(利用者の権限が電子文書の権限と同じ又はそれ以上の場合)にページ画像を返送する。これにより、例えば、制御装置2の通信圏内に他人の表示装置1がある場合であっても、当該表示装置1に対しては電子文書を表示しない等の制限を行える。
【0045】
なお、本例では、表示装置1に予め記憶された利用者IDを制御装置2に送信して権限判定を行っているが、例えば、表示装置1に利用者ID及びパスワードの入力を利用者から受け付ける機能や、指紋・サインなどの利用者毎に異なる生物的な特徴を読み取る機能を設け、これらを制御装置2に送信してユーザ認証を行った後に権限判定を行ってもよい。また、制御装置2に利用者IDと媒体IDとの対応付けテーブルを持たせ、表示装置1から送信される媒体IDに基づいて利用者IDを特定して権限判定を行ってもよい。
なお、本例では、文書権限テーブル26に電子文書単位で権限を設定しているが、ページ単位で権限を設定してもよい。
【0046】
図9は、本発明の更に他の一例に係る表示装置5の機能構成を示しており、図10は、当該表示装置5の外観を示している。
本例の表示装置5は、画像を表示する第1表示手段31及び第2表示手段32、第1表示手段31に対して利用者が行った表示操作を検出する第1検出手段33、第2表示手段32に対して利用者が行った表示操作を検出する第2検出手段34、第1表示手段31及び第2表示手段32によるページ画像の表示を制御する制御手段35、利用者から操作入力を受け付ける操作手段36、電子文書の情報を記憶する文書情報記憶手段37、を備えている。
【0047】
本例では、ペン4の接触を感知する感圧シートを第1表示手段31及び第2表示手段32の略全面に亘って設けており、当該感圧シートにより第1検出手段33及び第2検出手段34を構成している。すなわち、第1表示手段31又は第2表示手段32に対するペンタッチを表示操作として検出し、その検出順に対応するページ順のページ画像を該当する第1表示手段31又は第2表示手段32に表示させる。
【0048】
ここで、上記の各実施例における各表示装置1、3、及び制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)等の演算部やRAM(Random Access Memory)等の記憶部といったハードウェア資源を有するコンピュータが、本発明に係るプログラムを実行することで実現している。
具体的には、コンピュータが有するROM(Read Only Memory)内に本発明に係るプログラムを予め記憶保持しており、当該プログラムを読み出して記憶部に展開し、演算部により実行させることで本発明に係る各機能手段を構成している。
【0049】
なお、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やメモリカートリッジ等の外部記憶媒体を装填するスロット等の媒体接続部をコンピュータに設け、本発明に係るプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶保持した外部記憶媒体から当該媒体接続部によりプログラムを読み出して実行してもよい。また、例えば、本発明に係るプログラムを送信する機能を有するサーバ装置との通信をネットワークを介して行う通信部をコンピュータに設け、当該通信部によりサーバ装置からプログラムを受信して実行してもよい。また、上記のように外部から取得した本発明に係るプログラムをコンピュータのHDD(Hard Disk Drive)に記憶保持するようにし、当該HDDからプログラムを読み出して実行してもよい。
なお、上記のようなソフトウェア構成でなく、専用のハードウェア回路により本発明に係る各機能手段を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例に係る文書表示システムの機能構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る表示装置の外観を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係るページ表示順を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例に係る予約情報のデータ構成を示す図である。
【図5】本発明の他の一例に係る制御装置の機能構成を示す図である。
【図6】本発明の他の一例に係る文書権限テーブルを示す図である。
【図7】本発明の他の一例に係る利用者権限テーブルを示す図である。
【図8】本発明の他の一例に係る媒体権限テーブルを示す図である。
【図9】本発明の更に他の一例に係る表示装置の機能構成を示す図である。
【図10】本発明の更に他の一例に係る表示装置の外観を示す図である。
【図11】光書換型電子ペーパの構造を説明する図である。
【図12】光書換型電子ペーパの動作原理を説明する図である。
【図13】電気書換型電子ペーパの構造を説明する図である。
【図14】電気書換型電子ペーパの動作原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
1:表示装置、
2:制御装置、
11:表示部、
12:通信手段、
13:媒体ID記憶手段、
14:書込手段、
15:検出手段、
21:通信手段、
22:制御手段、
23:操作手段、
24:文書情報記憶手段、
25:予約情報記憶手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書表示システム、表示装置、制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物は一般に外部からのインクやトナー等の着色材料や現像材料を紙を代表とする媒体上に供給することで固定的な画像表示を行わせるものであるが、このような固定的に画像を表示保持する媒体に代替可能な媒体として、書込外力に応じて画像が書換可能に形成され且つ当該書込外力を除去した後も形成された画像を表示保持する表示保持媒体が研究開発されている。
【0003】
このような表示保持媒体は、画像を表示保持する領域としての表示部の内部に画像を構成する表示材料を含有し、この表示材料に書込外力(電気、磁気、熱、所定PHの液体といった化学的作用等)を作用させることで、表示材料が物理的或いは化学的に状態が変化して書込外力に応じた画像が形成され、また、この書込外力を除去した後でも形成された画像が維持され、さらに、異なる書込外力を作用させると先の画像が新たな書込外力に応じた画像へと変化するものである。このように書込外力を無くした状態での表示状態の維持(記憶)が紙のようである点に加えて、着色材料や現像剤を外部から供給することなく表示画像を書き換えられる点が電子デバイス的であることから、電子ペーパと称せられることが多い。
【0004】
ここで、電子ペーパを利用した以下のような発明が提案されている。
書込装置20の制御部22が、電子ペーパー50の枚数を計数してコンピュータ30に出力し、コンピュータ30の制御部32が、表示用データを頁変換し、更に、電子ペーパー50の枚数と表示用データの頁数とを比較して、電子ペーパー50の枚数が表示用データの頁数より少ない場合には、書込禁止、書込範囲の指定、サムネイル表示等の書込態様で電子ペーパー50に対する書込みの仕方を制御することにより、表示するコンテンツのデータ量及び表示媒体の表示量または枚数に応じて、複数の表示媒体に対する書込みを適切に行う発明が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
複数の電子ペーパーを有する電子ブックにおいて、ユーザが電子ペーパーに表示されている情報を必要としないことを指示するための指示装置を有しており、制御部31が、この指示装置から表示情報の不要指示を受けると、第1の電子ペーパー21の表示を切り替えるため、データ格納部34あるいは外部通信部35を介して外部データ格納部36へとアクセスし、次に表示するコンテンツデータを取得し、ページ情報記憶部32に記憶させるととも、第1の電子ペーパー21に新たな次の情報を表示させるよう制御することにより、ユーザに頁めくり動作を意識させず、消費電力を低く抑えることを可能にする発明が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−286952号公報
【特許文献2】特開2004−233603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子文書の表示先として複数の表示装置(例えば電子ペーパやディスプレイ装置)が用意されている場合、電子文書の各ページの閲覧容易性や比較容易性の観点から、各ページを別々の表示装置に出力することが考えられる。
この場合、各ページとその出力先の表示装置との対応付け作業が利用者に必要となるが、各表示装置が予め順序付けされている場合を除くと、ページや表示装置の多さに比例して対応付け作業が面倒になることが想定されるため、この作業を簡易に行える方法が期待されている。
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする文書表示システムである。
【0010】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の文書表示システムにおいて、前記制御手段は、表示操作の検出に係る表示手段を示す情報を表示操作の検出順に記憶しておき、ページ画像の表示指示に応じて、当該ページ画像のページ順に対応する検出順の表示手段に当該ページ画像を表示させることを特徴とする文書表示システムである。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の文書表示システムにおいて、前記文書表示システムは、前記表示手段と前記検出手段とを備えた複数の表示装置と、前記制御手段を備えた制御装置と、を有し、前記表示装置は、自己の検出手段が表示操作を検出したことに応じて、自己を識別する装置識別情報を前記制御装置に送信する第1の送信手段と、自己の表示手段に表示させるページ画像を前記制御装置から受信する第1の受信手段と、を更に備え、前記制御装置は、前記表示装置から装置識別情報を受信する第2の受信手段と、前記表示装置にページ画像を送信する第2の送信手段と、を更に備え、前記制御手段は、装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする文書表示システムである。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の文書表示システムにおいて、前記制御装置は、各ページの表示を許可する表示装置の装置識別情報を記憶する第1の記憶手段を更に備え、前記制御手段は、受信した装置識別情報に該当する表示装置に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする文書表示システムである。
【0013】
請求項5に記載の本発明は、請求項3又は請求項4に記載の文書表示システムにおいて、前記制御装置は、各ページの表示を許可する利用者を識別する利用者識別情報を記憶する第2の記憶手段を更に備え、前記第1の送信手段は、その表示装置を操作する利用者の利用者識別情報を装置識別情報と共に送信し、前記制御手段は、装置識別情報と共に受信した利用者識別情報に該当する利用者に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする文書表示システムである。
【0014】
請求項6に記載の本発明は、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0015】
請求項7に記載の本発明は、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段と、を備えたことを特徴とする表示装置である。
【0016】
請求項8に記載の本発明は、利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする制御装置である。
【0017】
請求項9に記載の本発明は、コンピュータを、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【0018】
請求項10に記載の本発明は、コンピュータを、複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段として機能させるためのプログラムである。
【0019】
請求項11に記載の本発明は、コンピュータを、利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、複数のページを含む電子文書の各ページ画像のうち装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の文書表示システムによると、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できる。
【0021】
請求項2に記載の文書表示システムによると、各ページの表示先とする表示装置の予約指定が可能となる。
請求項3に記載の文書表示システムによると、1台の装置が複数の表示装置を有する構成としてではなく、各表示装置を分散して設けた構成としてシステムを構築できる。
請求項4、請求項5に記載の文書表示システムによると、ページの表示制限を表示装置毎や利用者毎に行うことができる。
【0022】
請求項6、請求項7、請求項8に記載の各装置によると、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できる。
【0023】
請求項9、請求項10、請求項11に記載の各プログラムによると、その実行によりコンピュータ上に実現される各機能手段により、予め順序付けされていない複数の表示装置に対し、複数のページを含む電子文書をページ単位で表示させるにあたり、どの表示装置にどのページを表示するかを利用者が簡易に指定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る文書表示システムの構成を示しており、表示装置1と制御装置2とが互いに無線通信する構成としている。なお、本例の文書表示システムは複数の表示装置1を有しているが、図1ではそのうちの1つを代表して示している。
【0025】
本例の文書表示システムでは、書込外力に応じて画像が書換可能に形成され且つ当該書込外力を除去した後も形成された画像を表示保持する表示保持媒体(いわゆる電子ペーパ)を用いて表示装置1を構成している。
電子ペーパの表示原理としては、電気、磁気、熱といった外力を直接印加して素子を駆動するもの、あるいは光照射に伴う電圧変化により素子を駆動するものや、電圧印加に伴う液体のPH変化により呈色状態を変化させる等、連鎖的に素子を駆動する表示原理を用いるもの等がある。
【0026】
電子ペーパの一例として、光照射により画像を書き換える電子ペーパ(以下、光書き込み型電子ペーパ)について具体的に説明する。
光書き込み型電子ペーパは、媒体の大部分を占める表示部11の断面構造を表す図11に示すように、複写機の感光体に利用されている有機光導電性材料の層(有機光導電層)60と液晶表示材料の層(マイクロカプセル化したコレステリック液晶層)61とを組み合わせ、これら層を表裏一対の透明電極62で挟み、この積層体を表裏一対の透明な基材フィルム63で挟んだ構造となっている。なお、この構成では、コレステリック液晶層61が広い可視波長域の光を反射する白表示と、光が液晶層61を透過しコレステリック液晶層61と有機光導電層60との間に設けられた黒色層64で吸収される黒表示のモノクロ画像表示が可能である。さらにコレステリック液晶には螺旋ピッチに応じたカラー光を干渉反射するという特性があるので、コレステリック液晶層61を螺旋ピッチの異なる液晶を積層した構成にすることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0027】
そして、光書き込み型電子ペーパは、表示部11の動作原理を表す図12に示すように、例えば画像書込み用の調光素子パネル(発光パネル)に転写する画像を表示して表示部11に投影し、表示部11に設けた書き込み用電極に電圧を印加すると、表示部11は光の強弱を瞬時に反射濃度に変換して当該投影画像を保持する。そして、電極に消去電圧を印加することにより表示部11に保持された画像情報を消去することができ、光書き込み型電子ペーパは書き込みと消去を繰り返して幾度も再使用することができる。なお、光書換き込み電子ペーパはこのような消去処理を行わずに、上記のように電極に電圧を印加して新たな画像を投影することにより、表示部11に保持されている画像情報を上書きすることもでき、このような上書き処理によっても幾度も再使用することができる。
【0028】
電子ペーパの他の例として、電気の直接印加により画像を書き換える電子ペーパ(以下、電気書換型電子ペーパ)について具体的に説明する。
電気書換型電子ペーパは、媒体の大部分を占める表示部11の断面構造を表す図13に示すように、微細な着色帯電粒子(図示の例では、白色粒子71と黒色粒子72)を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極73間に封入し、これを少なくとも表面側が透明な表裏一対のフィルム基板74で挟んだ構造となっている。着色粒子71、72が自由に移動できるように電極層73間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層73には着色粒子71、72との接触を防止する絶縁層75が設けられている。なお、カラーフィルターを用いることにより、簡単な構造でカラー表示を実現することも可能である。
【0029】
そして、電気書換型電子ペーパは、表示部11の動作原理を表す図14に示すように、電極73に電圧を印加していない状態(但し、電極73の前回の駆動時の極性はプラスであったとする)では、負(マイナス)に帯電した白色粒子71は裏面側に溜まる一方、正(プラス)に帯電した黒色粒子72は表面側に溜まり、表示部11を表面側から目視すると表示部11は黒色な状態となる。そして、電気書換型電子ペーパに接続されたドライバ(後述する書込手段14)を画像データに基づいて動作させ、当該ドライバの機能により表示する画像に応じた表示部11のマトリックスの所要部の電極極性を反転させると、白色粒子71と黒色粒子72との位置関係が入れ替わって、表示部11に白色粒子71と黒色粒子72とのコントラストによる画像が表示される。なお、異なる画像データに基づいてドライバを動作させることにより、白色粒子71と黒色粒子72とのコントラストにより表示部11に表示される画像を切り換えることができ、幾度も再使用することができる。
【0030】
本実施例では電気書換型電子ペーパを用いて表示装置1を構成しており、図1に示すように、画像を表示保持する表示部11、制御装置2と無線通信を行う通信手段12、自装置を識別する媒体IDを記憶する媒体ID記憶手段13、制御装置2から受信する画像を表示部11に書き込む書込手段14、自装置に対して利用者が行った表示操作を検出する検出手段15、を備えている。
また、図2に装置外観を示すように、表示部11による表示の更新を指示するためのボタン16を操作子として設けており、利用者による当該ボタン16の押下を表示操作として受け付ける。
【0031】
なお、本例のように表示保持媒体(電子ペーパ)を表示装置1に用いる構成に限られず、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示原理により表示を行う装置を用いてもよい。
また、表示部11を交換できるように構成してもよい。
また、ボタン16に代えて、利用者による接触を感知するセンサ(例えば、静電センサ、加速度センサ、圧力センサ)を操作子として用いてもよい。
また、例えば、表示装置1の起動や、表示装置1によるページ表示の前提となるユーザ認証を表示操作として検出するようにしてもよい。
【0032】
本例の制御装置2は、図1に示すように、表示装置1と無線通信を行う通信手段21、表示装置1へのページ画像の送信を制御する制御手段22、利用者から操作入力を受け付ける操作手段23、電子文書の情報を記憶する文書情報記憶手段24、表示装置1から受信する媒体IDを受信順に記憶する予約情報記憶手段25、を備えている。
【0033】
本例では、携帯電話を制御装置2として用いているが、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)等の他の携帯型の装置や、デスクトップパソコン等の据置型の装置を用いてもよい。
また、本例では、文書情報記憶手段24に保持された電子文書に基づいて各ページのページ画像を生成して表示装置1に送信するが、例えば、他の装置からネットワークを介して受信した電子文書に基づいてページ画像を生成して表示装置1に送信してもよく、自装置或いは他装置の撮影機能や画像読み取り機能等により生成された画像を予め保持しておき、表示装置1に送信するようにしてもよい。
【0034】
本例の文書表示システムによる処理の流れを図3を参照して説明する。
なお、図中の各表示装置1(EP1、EP2、EP3)は、制御装置2との無線通信が可能な範囲内(本例では制御装置2から30cm以内)の位置にあるものとする。
利用者が制御装置2を操作して複数ページ(本例では5ページ)を含む電子文書の出力指示を行うと、制御手段22は、各ページのページ画像を先頭ページから順に送信待ち状態とする。このとき、未送信且つ最先のページを示す処理対象ページ情報として“1”が設定されて制御装置2のメモリに格納される。
【0035】
まず、利用者がEP1のボタン16を押下して表示操作を行うと、EP1は、その表示操作を検出手段15により検出し、自己の媒体IDを含む操作指示情報M1を通信手段12により制御装置2に送信する。制御装置2は、制御手段22による制御の下、操作指示情報M1の受信に応じて、処理対象ページ情報“1”に従ってページ1のページ画像を生成して操作指示情報M1の送信元であるEP1に通信手段21により送信し、処理対象ページ情報に“1”を加算して“2”とする。EP1は、ページ1のページ画像の受信に応じて当該ページ画像を書込手段14により表示部11に表示する。
【0036】
次に、利用者がEP2のボタン16を押下して表示操作を行うと、EP2は、その表示操作を検出して自己の媒体IDを含む操作指示情報M2を制御装置2に送信する。制御装置2は、操作指示情報M2の受信に応じて、処理対象ページ情報“2”に従って生成したページ2のページ画像をEP2に送信し、処理対象ページ情報に“1”を加算して“3”とする。EP2は、ページ2のページ画像の受信に応じて当該ページ画像を表示部11に表示する。
また、利用者がEP3のボタン16を押下して表示操作を行うと、EP3及び制御装置2により同様の処理がなされ、EP3の表示部11にページ3が表示される。
【0037】
つまり、各表示装置1のボタン16を押下するという簡易な操作で、その押下順に対応するページ順のページ画像が各表示装置1に表示される。
なお、上記の状態で利用者が更にEP2のボタン16を押下した場合は、EP2の表示をページ2からページ4に切り替えており、用意した表示装置1の数が電子文書のページ数より少ない状況にも対応できるようにしている。
【0038】
本例では、液晶ディスプレイ等より安価な表示保持媒体(電子ペーパ)を表示装置1として用いているため利用者は複数枚の表示装置1を所有することが想定され、本システムの利用にあたり任意の数の表示装置1を用意することが考えられるが、このような任意の数の各表示装置1に順序関係が一切設定されていなくとも、任意のページ数の電子文書の各ページをページ順に沿って表示するにあたり、各ページを実際に表示しようとするタイミングでその表示に用いる表示装置1を簡易に指定できる。
【0039】
本例の文書表示システムは、上述したような、表示装置1に対して利用者が行った表示操作の検出に応じて対応するページ画像を当該表示装置1に速やかに表示する即時表示機能のほかに、表示操作の検出順を一旦記憶しておき、表示装置1又は制御装置2を利用者が操作して行った表示指示や一定の時間毎に自動的に発行される表示指示に応じてページ画像を該当する表示装置1に表示する表示予約機能を有している。なお、即時表示機能又は表示予約機能のいずれを用いるかは、制御装置2を操作して利用者が指定することができる。
【0040】
図4は、表示予約機能で用いる予約情報のデータ構成例を示している。
本例の予約情報は、各表示装置1から送信される操作指示情報に含まれる「媒体ID」、当該操作指示情報(媒体ID)を受信した「媒体ID受信日時」、当該操作指示情報に対してページ画像を送信した「ページ送信日時」、を組にした情報であり、予約情報記憶手段25に格納される。すなわち、各操作指示情報(媒体ID)の受信順を、媒体ID受信日時により特定できるようにしている。
【0041】
次に、表示予約機能が指定されている場合の処理を説明する。
表示装置1から操作指示情報を受信すると、当該操作指示情報に含まれる媒体IDとその受信日時とを用いて予約情報を生成し、予約情報記憶手段25に格納する。なお、この時点では、当該予約情報のページ送信日時は空欄である。
ページ画像の表示指示がなされると、媒体ID受信日時が最先且つページ送信日時が空欄の予約情報を特定し、当該予約情報の媒体IDに該当する表示装置1に対して処理対象ページ番号に応じたページ画像を送信する。また、当該予約情報のページ送信日時に現在日時を記録し、処理対象ページ番号を加算する。
【0042】
図5は、本発明の他の一例として、電子文書の各ページの表示を利用者や表示装置1毎に制限する機能を備えた文書表示システムにおける制御装置2の機能構成を示している。
本例の制御装置2は、図1に示した制御装置2に加えて、各電子文書の表示に要求される権限を設定した文書権限テーブル26、各利用者に許可された権限を設定した利用者権限テーブル27、各表示装置1に許可された権限を設定した媒体権限テーブル28、を更に備えている。
本例では、図5〜7に示すように、各テーブルに高、中、低の3段階の権限を設定しており、利用者や表示装置1の権限が、電子文書の権限と同じ又はそれ以上の場合に当該電子文書の表示を許可する一方、電子文書の権限より低い場合に当該電子文書の各ページの表示を禁止している。
【0043】
具体的には、表示装置1毎に表示を制限する場合には、制御装置2は、受信した操作指示情報に含まれる媒体IDに基づいて表示装置1の権限を特定し、当該権限と対象の電子文書の権限とを比較して当該表示装置1に対する表示が許可されているか否かを判定し、許可されている場合(表示装置1の権限が電子文書の権限と同じ又はそれ以上の場合)にページ画像を返送する。これにより、例えば、会議室等に用意されて持ち運びが禁じられた表示装置1にのみ電子文書を表示する一方で、各個人所有の表示装置1に対しては電子文書を表示しない等の制限を行える。
【0044】
また、利用者毎に表示を制限する場合には、各表示装置1が操作指示情報を送信する際に当該利用者を識別する利用者IDを併せて送信し、制御装置2は、受信した利用者IDに基づいて当該利用者の権限を取得し、当該権限と対象の電子文書の権限とを比較して当該利用者に対する表示が許可されているか否かを判定し、許可されている場合(利用者の権限が電子文書の権限と同じ又はそれ以上の場合)にページ画像を返送する。これにより、例えば、制御装置2の通信圏内に他人の表示装置1がある場合であっても、当該表示装置1に対しては電子文書を表示しない等の制限を行える。
【0045】
なお、本例では、表示装置1に予め記憶された利用者IDを制御装置2に送信して権限判定を行っているが、例えば、表示装置1に利用者ID及びパスワードの入力を利用者から受け付ける機能や、指紋・サインなどの利用者毎に異なる生物的な特徴を読み取る機能を設け、これらを制御装置2に送信してユーザ認証を行った後に権限判定を行ってもよい。また、制御装置2に利用者IDと媒体IDとの対応付けテーブルを持たせ、表示装置1から送信される媒体IDに基づいて利用者IDを特定して権限判定を行ってもよい。
なお、本例では、文書権限テーブル26に電子文書単位で権限を設定しているが、ページ単位で権限を設定してもよい。
【0046】
図9は、本発明の更に他の一例に係る表示装置5の機能構成を示しており、図10は、当該表示装置5の外観を示している。
本例の表示装置5は、画像を表示する第1表示手段31及び第2表示手段32、第1表示手段31に対して利用者が行った表示操作を検出する第1検出手段33、第2表示手段32に対して利用者が行った表示操作を検出する第2検出手段34、第1表示手段31及び第2表示手段32によるページ画像の表示を制御する制御手段35、利用者から操作入力を受け付ける操作手段36、電子文書の情報を記憶する文書情報記憶手段37、を備えている。
【0047】
本例では、ペン4の接触を感知する感圧シートを第1表示手段31及び第2表示手段32の略全面に亘って設けており、当該感圧シートにより第1検出手段33及び第2検出手段34を構成している。すなわち、第1表示手段31又は第2表示手段32に対するペンタッチを表示操作として検出し、その検出順に対応するページ順のページ画像を該当する第1表示手段31又は第2表示手段32に表示させる。
【0048】
ここで、上記の各実施例における各表示装置1、3、及び制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)等の演算部やRAM(Random Access Memory)等の記憶部といったハードウェア資源を有するコンピュータが、本発明に係るプログラムを実行することで実現している。
具体的には、コンピュータが有するROM(Read Only Memory)内に本発明に係るプログラムを予め記憶保持しており、当該プログラムを読み出して記憶部に展開し、演算部により実行させることで本発明に係る各機能手段を構成している。
【0049】
なお、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やメモリカートリッジ等の外部記憶媒体を装填するスロット等の媒体接続部をコンピュータに設け、本発明に係るプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶保持した外部記憶媒体から当該媒体接続部によりプログラムを読み出して実行してもよい。また、例えば、本発明に係るプログラムを送信する機能を有するサーバ装置との通信をネットワークを介して行う通信部をコンピュータに設け、当該通信部によりサーバ装置からプログラムを受信して実行してもよい。また、上記のように外部から取得した本発明に係るプログラムをコンピュータのHDD(Hard Disk Drive)に記憶保持するようにし、当該HDDからプログラムを読み出して実行してもよい。
なお、上記のようなソフトウェア構成でなく、専用のハードウェア回路により本発明に係る各機能手段を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施例に係る文書表示システムの機能構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る表示装置の外観を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係るページ表示順を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例に係る予約情報のデータ構成を示す図である。
【図5】本発明の他の一例に係る制御装置の機能構成を示す図である。
【図6】本発明の他の一例に係る文書権限テーブルを示す図である。
【図7】本発明の他の一例に係る利用者権限テーブルを示す図である。
【図8】本発明の他の一例に係る媒体権限テーブルを示す図である。
【図9】本発明の更に他の一例に係る表示装置の機能構成を示す図である。
【図10】本発明の更に他の一例に係る表示装置の外観を示す図である。
【図11】光書換型電子ペーパの構造を説明する図である。
【図12】光書換型電子ペーパの動作原理を説明する図である。
【図13】電気書換型電子ペーパの構造を説明する図である。
【図14】電気書換型電子ペーパの動作原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
1:表示装置、
2:制御装置、
11:表示部、
12:通信手段、
13:媒体ID記憶手段、
14:書込手段、
15:検出手段、
21:通信手段、
22:制御手段、
23:操作手段、
24:文書情報記憶手段、
25:予約情報記憶手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、
各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、
前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする文書表示システム。
【請求項2】
前記制御手段は、表示操作の検出に係る表示手段を示す情報を表示操作の検出順に記憶しておき、ページ画像の表示指示に応じて、当該ページ画像のページ順に対応する検出順の表示手段に当該ページ画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の文書表示システム。
【請求項3】
前記文書表示システムは、前記表示手段と前記検出手段とを備えた複数の表示装置と、前記制御手段を備えた制御装置と、を有し、
前記表示装置は、自己の検出手段が表示操作を検出したことに応じて、自己を識別する装置識別情報を前記制御装置に送信する第1の送信手段と、自己の表示手段に表示させるページ画像を前記制御装置から受信する第1の受信手段と、を更に備え、
前記制御装置は、前記表示装置から装置識別情報を受信する第2の受信手段と、前記表示装置にページ画像を送信する第2の送信手段と、を更に備え、
前記制御手段は、装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の文書表示システム。
【請求項4】
前記制御装置は、各ページの表示を許可する表示装置の装置識別情報を記憶する第1の記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、受信した装置識別情報に該当する表示装置に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする請求項3に記載の文書表示システム。
【請求項5】
前記制御装置は、各ページの表示を許可する利用者を識別する利用者識別情報を記憶する第2の記憶手段を更に備え、
前記第1の送信手段は、その表示装置を操作する利用者の利用者識別情報を装置識別情報と共に送信し、
前記制御手段は、装置識別情報と共に受信した利用者識別情報に該当する利用者に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の文書表示システム。
【請求項6】
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、
各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、
前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、
利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、
表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、
前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、
装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、
前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項9】
コンピュータを、
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、
各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、
前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、
利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、
表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、
前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、
複数のページを含む電子文書の各ページ画像のうち装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、
前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、
各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、
前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする文書表示システム。
【請求項2】
前記制御手段は、表示操作の検出に係る表示手段を示す情報を表示操作の検出順に記憶しておき、ページ画像の表示指示に応じて、当該ページ画像のページ順に対応する検出順の表示手段に当該ページ画像を表示させることを特徴とする請求項1に記載の文書表示システム。
【請求項3】
前記文書表示システムは、前記表示手段と前記検出手段とを備えた複数の表示装置と、前記制御手段を備えた制御装置と、を有し、
前記表示装置は、自己の検出手段が表示操作を検出したことに応じて、自己を識別する装置識別情報を前記制御装置に送信する第1の送信手段と、自己の表示手段に表示させるページ画像を前記制御装置から受信する第1の受信手段と、を更に備え、
前記制御装置は、前記表示装置から装置識別情報を受信する第2の受信手段と、前記表示装置にページ画像を送信する第2の送信手段と、を更に備え、
前記制御手段は、装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の文書表示システム。
【請求項4】
前記制御装置は、各ページの表示を許可する表示装置の装置識別情報を記憶する第1の記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、受信した装置識別情報に該当する表示装置に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする請求項3に記載の文書表示システム。
【請求項5】
前記制御装置は、各ページの表示を許可する利用者を識別する利用者識別情報を記憶する第2の記憶手段を更に備え、
前記第1の送信手段は、その表示装置を操作する利用者の利用者識別情報を装置識別情報と共に送信し、
前記制御手段は、装置識別情報と共に受信した利用者識別情報に該当する利用者に対して対象ページの表示が許可されている場合に、当該対象ページのページ画像を当該装置識別情報に該当する表示装置に対して前記第2の送信手段により送信させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の文書表示システム。
【請求項6】
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、
各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、
前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、
利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、
表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、
前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、
装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、
前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御装置。
【請求項9】
コンピュータを、
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する複数の表示手段と、
各表示手段に対して利用者が行った表示操作を検出する各表示手段毎の検出手段と、
前記表示操作の検出順に対応するページ順のページ画像を、その検出を行った検出手段に係る表示手段に表示させるよう制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
複数のページを含む電子文書の画像をページ単位で表示する表示手段と、
利用者が行った表示操作を検出する検出手段と、
表示操作を検出したことに応じて自己を識別する装置識別情報を制御装置に送信する送信手段と、
前記制御装置が受信した装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を前記表示手段に表示させるために当該制御装置から送信されるページ画像を受信する受信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
利用者が表示装置に対して表示操作を行ったことに応じて当該表示装置から送信される当該表示装置を識別する装置識別情報を受信する受信手段と、
複数のページを含む電子文書の各ページ画像のうち装置識別情報の受信順に対応するページ順のページ画像を、その装置識別情報に該当する表示装置に表示させるようページ画像の送信を制御する制御手段と、
前記制御に従ってページ画像を該当する表示装置に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−268780(P2008−268780A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114976(P2007−114976)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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