説明

断熱防音パネル

【課題】建築物の柱、壁、床、天井として使用される、減圧または真空の中空部を具備した、断熱防音のパネル技術を提供する。
【解決手段】SPC鋼板パイプ4を、プレスで成型圧縮加工をおこない、SPC角型中空パネル1に形成する。同時にSPC角型中空パネル1の上下平面にも凹模様リブを設ける。さらにSPC角型中空パネル1を、SUS304角丸パイプ6に挿入する。次にそのままプレスで圧縮成型加工を施して、内部に収めたSPC角型中空パネル1の全表面形状に同一に密着合わせでプレス成型する。このようにして形成された、パネル本体7は、外側は鍔5を設けた角型パネルとして一体に形成されている。さらにプレス圧縮で密着した、パネル本体7のパイプ開口側を溶着する。最後にパネル本体7に孔をあけ、その部分より中空パネル内を減圧し、もしくは真空状態に保ち、その後、孔を完全密閉し、断熱防音パネルとなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の壁、柱、天井に、そのまま建築構造体として利用する、真空もしくは減圧された、中空パネルを応用した断熱、防音技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の断熱および防音施工には、木材、発泡コンクリート、樹脂等の壁に、保温材のシートやフェールト類を貼付けたり、挟み込んだりする方法がほとんどである。
また近年、特開2006−030446「真空パネル」などの技術が公開されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、断熱、防音などの施工工事は、壁や天井の隙間に100〜200m/m程の、フェールト類を填め込んでいる。またその隙間に発泡ウレタン等を注入する方法も取られている。この施工負担は大きく、コストアップになり、それでいて断熱防音効果は、そんなに期待出来るものではない。また、火災にもなれば壁や天井、その他は焼け落ちて、当然この断熱防音材も、取れ落ちてしまう。また公開の真空パネル等は内部構造が複雑であり、可燃物の樹脂類が混入されており、コスト面に於いても今一である。
これら課題を解決するために本発明はなされたのである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は出来る限りの簡単構成で、ローコストに形成したものである。
まず、板圧1.0t〜2.0tの、SPC鋼板パイプ(4)を、プレスで成型圧縮加工をおこない、周囲に鍔(5)を設けた、SPC角型中空パネル(1)に形成する。同時に該中空パネルの上下平面にも凹模様リブ(2)を設ける。このリブはパネル強度を上げる目的の補強リブとして働く。さらにこのSPC角型中空パネル(1)を、あらかじめSUS304パイプをプレス加工して形成した、板圧0.05t〜0.1tの、SUS304角丸パイプ(6)に挿入して収める。次にそのままプレスで圧縮成型加工を施し、内部に収めたSPC角型中空パネル(1)の全表面形状に同一に密着合わせで、覆い被せた状態にプレス成型する。このようにして形成された、パネル本体(7)は、外側は鍔(5)を設けた、SUS304角型パネル(3)として、内側にはSPC角型中空パネル(1)として構成し、一体に形成される。さらにプレス圧縮で密着した、パネル本体(7)の該パイプ開口側を溶着して密閉する。つまり、もともとパイプをプレスしたものであるから、左右開口部は密着して潰されているだけであり、この部分は溶接等で溶着密閉する。最後にパネル本体(7)に孔をあけ、その部分より中空パネル内を減圧し、もしくは真空状態に保ち、その後、孔を完全密閉する。
本発明は以上のような構成および特徴からなる、断熱防音パネルである。
【発明の効果】
【0005】
SPC鋼板にコーティングしたように、SUS304ステンレス鋼板で全体を被せた密着プレス処理をしたので、堅牢で腐食しないパネルとなった。また、単なるパネルではなく、内部は減圧もしくは、真空引きの中空になっており、完全に断熱、防音の処理がなされている。さらに、このパネルは成型で柱形状、壁形状、床形状、天井形状に合うように形成できるので、多用途パネルとして活用する。つまり、柱形状に形成すれば該パネルを鍔(5)で、順次接続して組んで行くだけで、建築構造柱になり、しかも、甚大なる断熱防音効果を持ち、火災にあったとしても焼け落ちる事もなく、建物を支持することができる。壁、天井、床構造にしても、同様の効果を持つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本構成は、建築部材として、また建築構造物としての観点で開発されているのである。
まず、板圧1.0t〜2.0tの、SPC鋼板パイプ(4)を、プレスで成型圧縮加工をおこない、周囲にフランジー形状の鍔(5)を設けた、SPC角型中空パネル(1)に形成する。同時に該中空パネルの上下平面にも凹模様リブ(2)を設ける。このリブはパネル強度を上げる目的の補強リブとして強力に働く。さらにこのSPC角型中空パネル(1)を心材として、あらかじめSUS304パイプをプレス加工して形成した、板圧0.05t〜0.1tの、SUS304角丸パイプ(6)の中に、挿入して収める。次にそのままプレスで圧縮成型加工を施し、内部に収めたSPC角型中空パネル(1)の全表面形状に同一に密着合わせで、覆い被せた状態に、つまり0.1m/m厚での、コーティングされたような形状で、プレス成型される。このようにして形成された、パネル本体(7)は、外側は、フランジー形状の鍔(5)を設けた、SUS304角型パネル(3)として設け、内側にはSPC角型中空パネル(1)として構成し、これらが一体に形成される。さらにプレス圧縮で密着した、パネル本体(7)の該パイプ開口側の鍔(5)の外側を溶着して密閉する。つまり、もともとパイプをプレスしたものであるから、左右開口部は密着して潰されているだけであり、この部分は溶接等で溶着密閉する。最後にパネル本体(7)に孔をあけ、その部分より真空ポンプ等にて、中空パネル内を減圧し、もしくは真空状態にしてから、孔を完全密閉する。
本発明は以上のような構成であり、これを使用実施するときには、
【0007】
建築作業現場等に運んで、建築物等の柱や壁、天井、床等として組み付ける。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の斜視図である。
【図2】 本発明のA−A断面図である。
【図3】 本発明のリブ入りのSPC角型中空パネルの平面図である。
【図4】 本発明の加工説明図である。
【図5】 本発明の建物構造物としての施工図である。
【符号の説明】
【0009】
1 SPC角型中空パネル
2 凹模様リブ
3 SUS304角型パネル
4 SPC鋼板パイプ
5 鍔
6 SUS304角丸パイプ
7 パネル本体
8 密閉溶着部
9 柱
10 壁
11 密閉孔
12 プレス金型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SPC鋼板パイプ(4)を、プレスで成型圧縮加工をおこない、周囲に鍔(5)を設けた、SPC角型中空パネル(1)に形成し、同時に該中空パネルの上下平面にも凹模様リブ(2)を設け、さらにこのSPC角型中空パネル(1)をSUS304角丸パイプ(6)に挿入して収め、次にそのままプレスで圧縮成型加工を施し、内部に収めたSPC角型中空パネル(1)の全表面形状に同一に密着合わせで、覆い被せた状態にプレス成型して、このようにして形成された、パネル本体(7)は、外側は鍔(5)を設けた、SUS304角型パネル(3)として、内側にはSPC角型中空パネル(1)として構成し一体に形成し、さらにプレス圧縮で密着した、パネル本体(7)の該パイプ開口側を溶着して、最後にパネル本体(7)に孔をあけ、その部分より中空パネル内を減圧し、もしくは真空状態に保ち、その後、孔を完全密閉してなる断熱防音パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−12526(P2011−12526A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171614(P2009−171614)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(591085248)
【Fターム(参考)】