断続的プロファイルを備えた光ファイバアレイ及びその製造方法
光ファイバアレイ中の光ファイバのサブユニット又はグループに特別な工具を用いないでアクセスできるようになっている複数の弱め箇所を備えた光ファイバアレイ及びその製造方法が、提供される。一実施形態では、光ファイバアレイは、各々がそれぞれのサブユニットマトリックスを備えた少なくとも2つのサブユニットを有し、光ファイバアレイは、複数の断続的な弱め部分を備えた共通マトリックスを更に有する。別の実施形態では、光ファイバアレイの複数の断続的な弱め部分は、サブユニットインターフェイスのそれぞれの部分に沿って隣接した2つの互いに異なる厚みプロファイルを有する共通マトリックスによって形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断続的プロファイルを備えた光ファイバアレイ及びその製造方法に関する。特に、本発明は、光ファイバアレイに対して悪影響を生じさせることがあるツール又は物品を用いることなく、特に中間分岐用に、例えば光ファイバサブユニットを容易且つ確実に分割する解決策を提供する光ファイバアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術として、光ファイバを光ファイバアレイが収納されているサブセット又はサブユニットの状態に分離する方法及び装置が存在する。単一のマトリックス材料を有するアレイから光ファイバを分離する従来の方法では、所定本数の光ファイバを光ファイバアレイから正確に分離するための専用ツールを用いることが必要である。専用ツールを用いると職人又は作業員が光ファイバを損傷させることは無くなるが、このようなツールは、比較的高価である。そのために作業員は、必要なツールを所持していない場合があり、単に普通のナイフ又は他の鋭利な器具を用い又は光ファイバアレイをひねって正確な本数の光ファイバをアレイから分離しようとする。しかしながら、これら分離方法は、その結果として、迷走光ファイバが生じ又は光ファイバに対する損傷、例えば擦り傷、切れ目又は光学的性能に悪影響を及ぼす他の損傷が生じる場合があるので一般的には信頼性が低い。加えて、光ファイバアレイが現に通信状態にある場合、情報の伝送を遮る光減衰度が増大する場合があり、それにより伝送エラーが生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その結果として、別々のマトリックス材料を有する複数のサブユニットを用いる光ファイバアレイが開発され、即ち、各サブユニットは、それぞれのサブユニットを互いに保持する共通マトリックスによって包囲されたそれぞれのサブユニット一次マトリックスを有する。この結果、この構造では、光ファイバアレイのそれぞれのサブユニットは、分離されたときに無傷のままである。しかしながら、複数のサブユニットを有する光ファイバアレイには依然として欠点がある。例えば、作業員がサブユニットの分離を開始するのが困難な場合がある。加えて、作業員がサブユニットの分離を開始できる場合でも、共通マトリックスの裂け具合が無秩序である場合があり、それによりサブユニットの分割中、共通マトリックスに望ましくないウイング(翼状部)が生じる。ウイングは、これらが融着連結、組織化、剥ぎ取り及びスプライス連結の邪魔になる場合があるので望ましくない。同様に、ウイングは、識別マークの除去を生じさせる場合もある。その結果として、作業員は、サブユニットを分離するのに専用ツールを用いてサブユニットの分離中におけるウイングの生成を回避することを依然として選択する場合がある。
【0004】
したがって、本発明は、先行技術における問題及び欠点のうち1つ又は2つ以上を実質的に解決する光ファイバアレイに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一特徴によれば、長さを有する光ファイバアレイであって、少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを含む第1のサブユニットと、少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを含む第2のサブユニットと、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結し、それにより、長手方向平面に沿って前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットの隣接した端部によってインターフェイス領域が形成されるよう前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに隣接して保持する共通マトリックスとを有し、前記共通マトリックスは、前記インターフェイス領域に隣接して複数の弱め部分を有し、前記複数の弱め部分は、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットの容易な分離を可能にするよう前記光ファイバアレイの長手方向長さに沿って断続的に延びている光ファイバアレイが提供される。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、長さを有する光ファイバアレイであって、少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第1の厚さを有する少なくとも1つの第1の部分を有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で第2の厚さを有する下流側部分で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って設けられた長手方向に延びる少なくとも1つの第2の部分を有し、前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きく、それにより、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットとを分離する弱め部分が形成されている光ファイバアレイが提供される。
【0007】
本発明の更に別の特徴によれば、長さを有する光ファイバアレイであって、複数本の光ファイバと、前記複数本の光ファイバを互いに連結する少なくとも1つのマトリックス材料とを有し、前記少なくとも1つのマトリックス材料は、前記複数本の光ファイバを2つの別々のグループの状態に分離できるよう前記光ファイバアレイに沿って断続的に間隔を置いて設けられた複数の弱め部分を有する光ファイバアレイが提供される。
【0008】
本発明の更に別の特徴によれば、サブユニット相互間に少なくとも1つの断続的分離部を有する光ファイバアレイを製造する方法であって、光ファイバアレイを用意するステップを有し、前記光ファイバアレイが、少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの第1の部分を有すると共に第1の厚さを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第2の厚さを有する少なくとも1つの第2の部分を有し、前記方法は、前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットが前記光ファイバアレイの少なくとも長手方向長さに沿って複数の断続的弱め部分を有するようにするステップとを更に有する方法が提供される。
【0009】
本発明の追加の特徴及び利点は、以下の説明に記載されており、一部はその説明から明らかであり、発明の実施によって理解できる。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び特許請求の範囲及び添付の図面に具体的に記載された装置及び方法により実現されると共に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面は、本発明の一層の理解をもたらすために添付されており、本願に組み込まれてその一部をなす。図面は、本発明の幾つかの実施形態を記載しており、明細書と一緒になって、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0011】
図1及び図1aは、本発明の光ファイバアレイ10の例示の実施形態を示している。図1の光ファイバアレイ10の実施形態は、複数本の光ファイバ12を有している。この場合、複数本の光ファイバ12は、好ましくは、別々のサブユニット14,14′,14″の状態で配置されている。サブユニット14,14′,14″は各々好ましくは、この中に納められているそれぞれの光ファイバ12の各々を連結するが、好ましくは完全に包囲しているそれぞれのサブユニットマトリックス16,16′,16″を有している。図示のように、各サブユニットは、同一本数の光ファイバ、即ち、4本の光ファイバ12を有しているが、これよりも多い又は少ない光ファイバ12をそれぞれのサブユニット内に設けてもよい。加えて、3つのサブユニット14が光ファイバアレイ10内に図示されているが、光ファイバアレイ内に任意適当な数のサブユニットを設けることができる。光ファイバアレイ10は、サブユニット14,14′,14″の各々の少なくとも一部を連結するが好ましくはこれを包囲する共通マトリックス18を更に有している。図1aで最もよく理解できるように、共通マトリックス18は好ましくは、サブユニット14の各々を平面P内に一定の平面的関係をなして保持している。サブユニット14,14′,14″は、複数のインターフェイス領域I,I′で互いに隣接して位置決めされ、これらインターフェイス領域は、光ファイバアレイ10の長さに沿って延びている。インターフェイス領域I,I′は全体としてそれぞれの軸線A,A′上に位置し、これら軸線も又、光ファイバアレイ10の長手方向長さに沿って延びている。
【0012】
本発明の技術的思想によれば、光ファイバアレイ10は好ましくは、複数の弱め部分20,20′を更に有し、これら弱め部分は、概略的に示すように光ファイバアレイ10の長さに沿って断続的に設けられている。図1に示すように、弱め部分20は、長さL1を有し、光ファイバアレイ10は、サブユニット14,14′相互間に長さL2を有するものとして示された通常の部分22を有している。図1には、長さL3を備えた第2の弱め部分20が示されており、この長さL3は、L1と同一の長さであってもよく、そうでなくてもよい。同様に、弱め部分20′は、複数の長さL1,L3を有し、光ファイバアレイ10は、サブユニット14′,14″相互間に長さL2を備えるものとして図示された通常の部分22′を有している。断続的な弱め部分と通常の部分から成るパターンは、光ファイバアレイ10の長さに沿ってそれ自体繰り返されるのがよいが、弱め部分20,20′は、任意適当な間隔を有してもよい。弱め部分20,20′は、インターフェイス領域Iに隣接して位置し、それにより作業員がサブユニットを迅速且つ容易に分離でき、他方、頑丈な構造が依然として提供されることは注目されるべきである。3つ以上のサブユニットを有する実施形態では、サブユニット14のそれぞれのインターフェイス領域Iの全てのところ又は全てには至らないインターフェイス領域のところに弱め部分を光ファイバアレイ10に沿って設けることが可能である。同様に、他のインターフェイス領域Iとそれぞれ全体として一致するのがよい図示の数よりも多い又は少ない多数の軸線Aを設けてもよい。
【0013】
換言すると、サブユニット14,14′,14″のそれぞれの縁部は全体として、それぞれのインターフェイス部分Iで互いに隣接して位置する。弱め部分20,20′では、共通マトリックス18は好ましくは、破断されるか、或いは変形例として図2に示すように、この弱め部分に隣接した部分の厚さ(T2)が共通マトリックス18の残部の厚さ(T1)よりも減少しており、それにより、ユーザは、光ファイバアレイ10′の長さに沿って個々のサブユニットを容易に分離できるようになっている。図2は、共通マトリックス18の厚さT1を有する部分22から厚さT2を有する弱め部分20までの漸次勾配状態又は移行状態を示している。換言すると、光ファイバアレイ10′は、所定長さを有する通常の部分のそれぞれにより分離されたインターフェイスIのところに所定長さL1の減少した厚さを有する複数の弱め部分を有している。しかしながら、この移行部は、弱め部分を有する光ファイバアレイの製造の仕方に応じて、より段状(即ち、縁が尖っている)でもよく、よりなだらかであってもよい。加えて、弱め部分は、図2に示すようにこれが減少厚さ部分である場合、光ファイバアレイの幅の一部にわたって延びてもよく、光ファイバアレイの幅全体にわたって延びてもよい。
【0014】
弱め部分のところの共通マトリックス18の破断又は厚みの減少により、作業員は、光ファイバアレイ内に納められているサブユニットに迅速且つ容易にアクセスすることができる。弱め部分20は好ましくは、サブユニットのインターフェイス領域に隣接して位置し、例えば、光ファイバアレイを手加減しながらひねることにより、即ち、外側部分を図3に矢印Fで示すように軸線A回りに一方向に押すことにより、作業員は、サブユニット14,14′を容易に分離(S)できる。弱め部分20により上述したような制限された長さ(例えば、L1又はL3)についてサブユニットが既に分離され又は部分的に分離されている場合、作業員は、所望のサブユニット及び(又は)この中に納められている光ファイバに一層容易にアクセスすることができる。しかしながら、先行技術の光ファイバアレイとは異なり、当業者であれば理解されるように、本発明は、弱め部分が断続的なので、偶発的に分離、又は偶発的な分離を促進することはない頑丈な構造を提供する。加えて、本発明は、共通マトリックス中に連続した応力集中を生じる光ファイバアレイと混同されるべきではない。連続した応力集中を呈するこれら設計は、望ましくない分離又は分離の望ましくない促進を引き起こす場合があり、それにより問題が生じる。他方、本発明は、弱め部分から通常の部分へのシフトが光ファイバのサブユニット又はサブセット相互間の望ましくない分離を阻止する傾向があるので有利である。
【0015】
さらに、本発明は、光ファイバアレイ10の断続的な弱め部分20を用いて個々のサブユニット及びこの中に納められている光ファイバへの作業員の迅速で容易であり且つ信頼性の高いアクセスを可能にする。例えば、本発明は、成端加工、引き回し及びアクセス目的にとって融通性のあるアレイ中の光ファイバの密度が比較的高いという恩恵に作業員が依然として浴することができるので有利である。一実施形態では、弱め部分20により、作業員は、光ファイバアレイ10を軸線Aに沿って(且つインターフェイス領域Iで)容易に曲げて図3に示すようにサブユニット14,14′を弱め部分20で分離(S)できる。作業員は又、既存のツールを使用できるが、かかるツールは、光ファイバアレイ10の構造では不要である。他の実施形態では、弱め部分20は、光ファイバアレイ20の長さに沿う断続的な場所で互いに分離されたサブユニットを既に有している。この結果、本発明では、どのようなツールをも光ファイバアレイに対して用いることは不要であり、それにより、コネクタ接続、組織化及び(又は)引き回しのためにサブユニットへの迅速且つ容易なアクセスが可能になる。当該技術分野において知られているように、本発明の光ファイバアレイは、光ファイバケーブル及び(又は)チューブ組立体に有用であり、かかる光ファイバアレイを積み重ねることができ、それにより比較的高い光ファイバ密度が得られる。
【0016】
上述の部分の各々の長さは好ましくは、光ファイバアレイの意図した使用の仕方によって決定される。例えば、光ファイバアレイがFTTx状況で用いられる場合、通常の部分22の長さは、弱め部分20の長さにほぼ等しくてもよく、或いはこれよりも短くてもよい。しかしながら、通常の部分22の各長さL2は、弱め部分20の長さL1の約10倍であることが好ましい。一例を挙げると、光ファイバアレイの1.1メートル分ごとに、弱め部分と通常の部分の比が約1:10である場合、光ファイバアレイの約1メートル分が、通常の部分であり、約0.1メートル分が、長手方向長さに沿う弱め又は破断部分である。例示のFTTx用途では、この比は、長手方向長さに沿うより多くのアクセスが容易な点を設けることにより容易な布設、引き回し及びコネクタ接続を可能にするよう弱め部分20を備えた領域がより多くなるよう変更することができる。例えば、通常の部分の約0.2メートル分ごとに、弱め部分と通常の部分の比が約5:1である場合、約1メートル分の弱め部分が設けられる。
【0017】
光ファイバアレイ10の構造及び共通マトリックス18の使用により、サブユニット14,14′は、サブユニット14,14″と共に、弱め部分20,20′で一般に容易に且つ最初に分離することになる。当然のことながら、布設者は、幾分かの力を用いると共通マトリックス18がいったん破断されると、弱め部分20の長さL1ちょうどよりも長い長さの光ファイバアレイ10に沿ってサブユニット14を分離することができる。換言すると、サブユニットをいったん分離すると、作業員は、サブユニットの分離を光ファイバアレイの長手方向長さに沿って促進することが容易である。加えて、図1aに最もよく示されているように、弱め部分20は、共通マトリックス18の1つ又は2つ以上の表面上に形成できる。破断状態の共通マトリックス18を両面に設けることにより、作業員にとって極めて容易なアクセスが可能である。また、次の製造ステップにおいて光ファイバアレイ10のサブユニット14を光ファイバアレイ10の長さに沿う種々の場所で分離すると、上記比が比較的高い場合、例えば5:1が用いられる場合、優先的な曲がり特性が低減する傾向があり、光ファイバアレイ10の容易な引き回しが可能になる。
【0018】
光ファイバアレイの弱め部分は、本発明に従って、多種多様な形態を取ることができると共に(或いは)多種多様な仕方で形成できる。一例を挙げると、図2は、2003年4月10日に出願された米国特許出願第10/411,406号明細書に開示されているような断面形状において非一様な厚さを有するサブユニット14,14′を示しており、この米国特許出願を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。この場合、サブユニットは、共通マトリックスが裂ける場所を制御するために厚さが端部で大きい全体としてドッグボーン(犬に与える骨)の形をしている。換言すると、サブユニットマトリックスは、一般にサブユニットの端の光ファイバのうちの約1本又は2本以上分増大した断面厚さを有する。
【0019】
製造プロセス中、共通マトリックスに弱め部分又は分離部分を形成する一方法が、図4及び図5に示されている。図4に示すように、共通マトリックス18が硬化した後、光ファイバアレイ10をローラ24,26に掛けて進ませ、これらローラは両方共、共通マトリックス18に割れ目30を生じさせるよう構成された部分28を有しており、それにより、共通マトリックスに弱め又は破断部分20が作られる。この場合、ローラ24,26の部分28は、割れ目30の発生がインターフェイス領域Iに沿って生じさせるための図5に示すような丸くなった部分である。ローラの曲率半径Rは、割れ目30が共通マトリックス18内にどれほど深く入り込むかを定める。ローラの半径が小さければ小さいほど、割れ目30が光ファイバアレイ10により深く入り込む確率がそれだけ一層高くなる。代表的には、光ファイバアレイ10は、両側に割れ目30が生じるよう2つのローラ24,26に掛けられて通されるが、ローラ24,26の半径又はプロファイルに応じて、必要なローラは1つだけの場合がある。
【0020】
変形例として、ローラは、サブユニットをインターフェイス領域Iに沿って分離するために隆起部分を備えたオフセットプロファイルを有してもよいが、他の適当なローラプロファイルが可能である。
【0021】
光ファイバアレイ10の弱め部分20を形成する別の方法の幾つかが、図6〜図8に示されている。注目されるべきこととして、共通マトリックスは、図2に示す形態で光ファイバアレイ10に直接被着できるが、マトリックス材料を被着させるには、マトリックス材料の通常の被着に用いられる処理速度よりも遅い処理速度が必要であるのが通例である。かかる方法を本発明に従って計画できるが、これら方法は、現時点では商業的に実施できない。したがって、他の方法を開示する。図6に示すように、光ファイバアレイ10″の端面図が、光ファイバアレイ10″に弱め部分を形成する装置を備えた状態で示されている。例えば、この装置32は、弱め部分を形成するために共通マトリックス18″の一部を切除するレーザであるのがよい。この装置32は、共通マトリックス18″の一部を切除するため又は切れ目をインターフェイス領域I″上で共通マトリックス18″に単に入れるために矢印に示すように上げ下げされる薄刃又は刃であってもよい。かかる実施形態の例が、図9及び図10に示されている。図9では、光ファイバアレイ40は、別の形態を有するように見えるが、この形態は、図2の実施形態に似ている。しかしながら、光ファイバアレイ40は、共通マトリックス44を切断することにより形成された複数の弱め部分42を有している。加えて、サブユニット46,46′は、上述した全体としてドッグボーン形状ではなく、従来の一様断面形状を有する。図10に示すような光ファイバアレイ50は、共通マトリックス54に断続して切断形成された2つ以上の溝52を有している。溝52は、任意の深さのものであってよく、かかる深さは、光ファイバアレイ50を完全に貫通する深さを含む。同様に、装置32は、エアナイフであってもよく、このエアナイフは同様に、図9の場合のように共通マトリックスの一部を断続的に切除し又は図10の溝52のように断続的な切れ目を共通マトリックスの硬化前に共通マトリックスに入れる。
【0022】
光ファイバアレイ10′の製造方法に用いられる別の装置が、図7に示されており、図8には結果的に得られた形態が示されている。装置40は好ましくは、2つのノズル40a,40bを有し、これらノズルは、共通マトリックス18を光ファイバアレイ10′に被着させた後であるが共通マトリックス18の硬化前に、ジェット、例えばガスジェットを共通マトリックス18に当てる。ガスジェットは、共通マトリックスを光ファイバアレイ10′の長さに沿って断続的にインターフェイス領域Iから外方へ押し出すよう制御される。しかる後、共通マトリックス18を硬化させ、それにより共通マトリックス18が図8に示すように押し出されたところに弱め部分20が形成される。代表的には、ガスジェットは、通常の空気であるが、任意適当なガス又は流体を用いることができる。2つのノズルが図7に示されているが、一度に一方だけを使用してもよい。また、好ましくは、光ファイバアレイの幅全体にわたり各インターフェイス領域について少なくとも1つのノズルが設けられる。例えば、3つのサブユニット及び2つのインターフェイス領域が設けられている場合、光ファイバアレイに弱め領域を形成するのにもし用いられる場合には、2つのノズル又は2組のノズルを光ファイバアレイの頂部又は底部に設けるのがよい。上述したように、隣り合うインターフェイス部分のところの弱め領域は光ファイバアレイ上の同一の長手方向場所に位置する必要はないので、ノズルを製造ラインの互いに異なる場所に配置することができる。加えて、ガスの流れのタイミングを取ることにより、弱め部分の場所を光ファイバアレイに任意の形態で配置することができる。
【0023】
さらに、本発明の技術的思想は、単一の設計を有するサブユニット14を使用することができる。例えば、光ファイバアレイ10中のサブユニットは、断面が全体として一様な厚さのものであり、これに対し、図2のサブユニットは、断面がドッグボーン又は非一様な厚さのものである。換言すると、サブユニットの形態は、本発明の技術的思想にとっては重要ではない。加えて、共通マトリックス18へのサブユニットマトリックス16の付着性を化学的、電気的又は機械的表面技術により変更できることは注目されるべきである。これら技術により、付着性も又、光ファイバアレイの弱め部分を形成するよう光ファイバアレイの長さに沿って様々であってよい。同様に、共通マトリックス又はサブユニットマトリックスのモジュラスは、当該技術分野において知られているように同一の値を有してもよく、異なる値を有してもよい。
【0024】
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する本発明の多くの改造例及び他の実施形態は、当業者には明らかになろう。例えば、本発明の光ファイバアレイをケーブル内における光ファイバ密度を増大させるためにスタックの状態に配置することができる。加えて、光ファイバアレイは、当該技術分野において知られている他の適当な構造及びコンポーネントを有してもよい。例えば、本発明の技術的思想を個々のマトリックスを有するサブユニットではなく、単一のマトリックス材料を有する光ファイバアレイに利用できる。したがって、本発明は、本明細書において開示した特定の実施形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する改造例及び他の実施形態を想到できることは理解されるべきである。本明細書において特定の用語を用いたが、かかる用語は、一般的且つ記述的な意味で用いられているに過ぎず、本発明を限定する目的で用いられてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の光ファイバアレイの一実施形態の斜視図である。
【図1a】図1の光ファイバアレイの実施形態の断面図である。
【図2】本発明の光ファイバアレイの別の実施形態の断面図である。
【図3】図1の光ファイバアレイにおけるサブユニットの分離の仕方を示す図である。
【図4】光ファイバアレイに弱め部分を形成する一方法を示す図である。
【図5】光ファイバアレイの断面図であって、図4から取ったローラの部分断面図である。
【図6】光ファイバアレイの共通マトリックスへの弱め部分の形成法を示す図である。
【図7】本発明の光ファイバアレイの共通マトリックスに厚さ減少部分を形成する一方法を示す図である。
【図8】図7に示す方法に従って製造された光ファイバアレイの一部の断面図である。
【図9】本発明の光ファイバアレイの別の実施形態の断面図である。
【図10】本発明の光ファイバアレイの更に別の実施形態の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、断続的プロファイルを備えた光ファイバアレイ及びその製造方法に関する。特に、本発明は、光ファイバアレイに対して悪影響を生じさせることがあるツール又は物品を用いることなく、特に中間分岐用に、例えば光ファイバサブユニットを容易且つ確実に分割する解決策を提供する光ファイバアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術として、光ファイバを光ファイバアレイが収納されているサブセット又はサブユニットの状態に分離する方法及び装置が存在する。単一のマトリックス材料を有するアレイから光ファイバを分離する従来の方法では、所定本数の光ファイバを光ファイバアレイから正確に分離するための専用ツールを用いることが必要である。専用ツールを用いると職人又は作業員が光ファイバを損傷させることは無くなるが、このようなツールは、比較的高価である。そのために作業員は、必要なツールを所持していない場合があり、単に普通のナイフ又は他の鋭利な器具を用い又は光ファイバアレイをひねって正確な本数の光ファイバをアレイから分離しようとする。しかしながら、これら分離方法は、その結果として、迷走光ファイバが生じ又は光ファイバに対する損傷、例えば擦り傷、切れ目又は光学的性能に悪影響を及ぼす他の損傷が生じる場合があるので一般的には信頼性が低い。加えて、光ファイバアレイが現に通信状態にある場合、情報の伝送を遮る光減衰度が増大する場合があり、それにより伝送エラーが生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その結果として、別々のマトリックス材料を有する複数のサブユニットを用いる光ファイバアレイが開発され、即ち、各サブユニットは、それぞれのサブユニットを互いに保持する共通マトリックスによって包囲されたそれぞれのサブユニット一次マトリックスを有する。この結果、この構造では、光ファイバアレイのそれぞれのサブユニットは、分離されたときに無傷のままである。しかしながら、複数のサブユニットを有する光ファイバアレイには依然として欠点がある。例えば、作業員がサブユニットの分離を開始するのが困難な場合がある。加えて、作業員がサブユニットの分離を開始できる場合でも、共通マトリックスの裂け具合が無秩序である場合があり、それによりサブユニットの分割中、共通マトリックスに望ましくないウイング(翼状部)が生じる。ウイングは、これらが融着連結、組織化、剥ぎ取り及びスプライス連結の邪魔になる場合があるので望ましくない。同様に、ウイングは、識別マークの除去を生じさせる場合もある。その結果として、作業員は、サブユニットを分離するのに専用ツールを用いてサブユニットの分離中におけるウイングの生成を回避することを依然として選択する場合がある。
【0004】
したがって、本発明は、先行技術における問題及び欠点のうち1つ又は2つ以上を実質的に解決する光ファイバアレイに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一特徴によれば、長さを有する光ファイバアレイであって、少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを含む第1のサブユニットと、少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを含む第2のサブユニットと、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結し、それにより、長手方向平面に沿って前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットの隣接した端部によってインターフェイス領域が形成されるよう前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに隣接して保持する共通マトリックスとを有し、前記共通マトリックスは、前記インターフェイス領域に隣接して複数の弱め部分を有し、前記複数の弱め部分は、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットの容易な分離を可能にするよう前記光ファイバアレイの長手方向長さに沿って断続的に延びている光ファイバアレイが提供される。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、長さを有する光ファイバアレイであって、少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第1の厚さを有する少なくとも1つの第1の部分を有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で第2の厚さを有する下流側部分で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って設けられた長手方向に延びる少なくとも1つの第2の部分を有し、前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きく、それにより、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットとを分離する弱め部分が形成されている光ファイバアレイが提供される。
【0007】
本発明の更に別の特徴によれば、長さを有する光ファイバアレイであって、複数本の光ファイバと、前記複数本の光ファイバを互いに連結する少なくとも1つのマトリックス材料とを有し、前記少なくとも1つのマトリックス材料は、前記複数本の光ファイバを2つの別々のグループの状態に分離できるよう前記光ファイバアレイに沿って断続的に間隔を置いて設けられた複数の弱め部分を有する光ファイバアレイが提供される。
【0008】
本発明の更に別の特徴によれば、サブユニット相互間に少なくとも1つの断続的分離部を有する光ファイバアレイを製造する方法であって、光ファイバアレイを用意するステップを有し、前記光ファイバアレイが、少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの第1の部分を有すると共に第1の厚さを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第2の厚さを有する少なくとも1つの第2の部分を有し、前記方法は、前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットが前記光ファイバアレイの少なくとも長手方向長さに沿って複数の断続的弱め部分を有するようにするステップとを更に有する方法が提供される。
【0009】
本発明の追加の特徴及び利点は、以下の説明に記載されており、一部はその説明から明らかであり、発明の実施によって理解できる。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び特許請求の範囲及び添付の図面に具体的に記載された装置及び方法により実現されると共に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面は、本発明の一層の理解をもたらすために添付されており、本願に組み込まれてその一部をなす。図面は、本発明の幾つかの実施形態を記載しており、明細書と一緒になって、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0011】
図1及び図1aは、本発明の光ファイバアレイ10の例示の実施形態を示している。図1の光ファイバアレイ10の実施形態は、複数本の光ファイバ12を有している。この場合、複数本の光ファイバ12は、好ましくは、別々のサブユニット14,14′,14″の状態で配置されている。サブユニット14,14′,14″は各々好ましくは、この中に納められているそれぞれの光ファイバ12の各々を連結するが、好ましくは完全に包囲しているそれぞれのサブユニットマトリックス16,16′,16″を有している。図示のように、各サブユニットは、同一本数の光ファイバ、即ち、4本の光ファイバ12を有しているが、これよりも多い又は少ない光ファイバ12をそれぞれのサブユニット内に設けてもよい。加えて、3つのサブユニット14が光ファイバアレイ10内に図示されているが、光ファイバアレイ内に任意適当な数のサブユニットを設けることができる。光ファイバアレイ10は、サブユニット14,14′,14″の各々の少なくとも一部を連結するが好ましくはこれを包囲する共通マトリックス18を更に有している。図1aで最もよく理解できるように、共通マトリックス18は好ましくは、サブユニット14の各々を平面P内に一定の平面的関係をなして保持している。サブユニット14,14′,14″は、複数のインターフェイス領域I,I′で互いに隣接して位置決めされ、これらインターフェイス領域は、光ファイバアレイ10の長さに沿って延びている。インターフェイス領域I,I′は全体としてそれぞれの軸線A,A′上に位置し、これら軸線も又、光ファイバアレイ10の長手方向長さに沿って延びている。
【0012】
本発明の技術的思想によれば、光ファイバアレイ10は好ましくは、複数の弱め部分20,20′を更に有し、これら弱め部分は、概略的に示すように光ファイバアレイ10の長さに沿って断続的に設けられている。図1に示すように、弱め部分20は、長さL1を有し、光ファイバアレイ10は、サブユニット14,14′相互間に長さL2を有するものとして示された通常の部分22を有している。図1には、長さL3を備えた第2の弱め部分20が示されており、この長さL3は、L1と同一の長さであってもよく、そうでなくてもよい。同様に、弱め部分20′は、複数の長さL1,L3を有し、光ファイバアレイ10は、サブユニット14′,14″相互間に長さL2を備えるものとして図示された通常の部分22′を有している。断続的な弱め部分と通常の部分から成るパターンは、光ファイバアレイ10の長さに沿ってそれ自体繰り返されるのがよいが、弱め部分20,20′は、任意適当な間隔を有してもよい。弱め部分20,20′は、インターフェイス領域Iに隣接して位置し、それにより作業員がサブユニットを迅速且つ容易に分離でき、他方、頑丈な構造が依然として提供されることは注目されるべきである。3つ以上のサブユニットを有する実施形態では、サブユニット14のそれぞれのインターフェイス領域Iの全てのところ又は全てには至らないインターフェイス領域のところに弱め部分を光ファイバアレイ10に沿って設けることが可能である。同様に、他のインターフェイス領域Iとそれぞれ全体として一致するのがよい図示の数よりも多い又は少ない多数の軸線Aを設けてもよい。
【0013】
換言すると、サブユニット14,14′,14″のそれぞれの縁部は全体として、それぞれのインターフェイス部分Iで互いに隣接して位置する。弱め部分20,20′では、共通マトリックス18は好ましくは、破断されるか、或いは変形例として図2に示すように、この弱め部分に隣接した部分の厚さ(T2)が共通マトリックス18の残部の厚さ(T1)よりも減少しており、それにより、ユーザは、光ファイバアレイ10′の長さに沿って個々のサブユニットを容易に分離できるようになっている。図2は、共通マトリックス18の厚さT1を有する部分22から厚さT2を有する弱め部分20までの漸次勾配状態又は移行状態を示している。換言すると、光ファイバアレイ10′は、所定長さを有する通常の部分のそれぞれにより分離されたインターフェイスIのところに所定長さL1の減少した厚さを有する複数の弱め部分を有している。しかしながら、この移行部は、弱め部分を有する光ファイバアレイの製造の仕方に応じて、より段状(即ち、縁が尖っている)でもよく、よりなだらかであってもよい。加えて、弱め部分は、図2に示すようにこれが減少厚さ部分である場合、光ファイバアレイの幅の一部にわたって延びてもよく、光ファイバアレイの幅全体にわたって延びてもよい。
【0014】
弱め部分のところの共通マトリックス18の破断又は厚みの減少により、作業員は、光ファイバアレイ内に納められているサブユニットに迅速且つ容易にアクセスすることができる。弱め部分20は好ましくは、サブユニットのインターフェイス領域に隣接して位置し、例えば、光ファイバアレイを手加減しながらひねることにより、即ち、外側部分を図3に矢印Fで示すように軸線A回りに一方向に押すことにより、作業員は、サブユニット14,14′を容易に分離(S)できる。弱め部分20により上述したような制限された長さ(例えば、L1又はL3)についてサブユニットが既に分離され又は部分的に分離されている場合、作業員は、所望のサブユニット及び(又は)この中に納められている光ファイバに一層容易にアクセスすることができる。しかしながら、先行技術の光ファイバアレイとは異なり、当業者であれば理解されるように、本発明は、弱め部分が断続的なので、偶発的に分離、又は偶発的な分離を促進することはない頑丈な構造を提供する。加えて、本発明は、共通マトリックス中に連続した応力集中を生じる光ファイバアレイと混同されるべきではない。連続した応力集中を呈するこれら設計は、望ましくない分離又は分離の望ましくない促進を引き起こす場合があり、それにより問題が生じる。他方、本発明は、弱め部分から通常の部分へのシフトが光ファイバのサブユニット又はサブセット相互間の望ましくない分離を阻止する傾向があるので有利である。
【0015】
さらに、本発明は、光ファイバアレイ10の断続的な弱め部分20を用いて個々のサブユニット及びこの中に納められている光ファイバへの作業員の迅速で容易であり且つ信頼性の高いアクセスを可能にする。例えば、本発明は、成端加工、引き回し及びアクセス目的にとって融通性のあるアレイ中の光ファイバの密度が比較的高いという恩恵に作業員が依然として浴することができるので有利である。一実施形態では、弱め部分20により、作業員は、光ファイバアレイ10を軸線Aに沿って(且つインターフェイス領域Iで)容易に曲げて図3に示すようにサブユニット14,14′を弱め部分20で分離(S)できる。作業員は又、既存のツールを使用できるが、かかるツールは、光ファイバアレイ10の構造では不要である。他の実施形態では、弱め部分20は、光ファイバアレイ20の長さに沿う断続的な場所で互いに分離されたサブユニットを既に有している。この結果、本発明では、どのようなツールをも光ファイバアレイに対して用いることは不要であり、それにより、コネクタ接続、組織化及び(又は)引き回しのためにサブユニットへの迅速且つ容易なアクセスが可能になる。当該技術分野において知られているように、本発明の光ファイバアレイは、光ファイバケーブル及び(又は)チューブ組立体に有用であり、かかる光ファイバアレイを積み重ねることができ、それにより比較的高い光ファイバ密度が得られる。
【0016】
上述の部分の各々の長さは好ましくは、光ファイバアレイの意図した使用の仕方によって決定される。例えば、光ファイバアレイがFTTx状況で用いられる場合、通常の部分22の長さは、弱め部分20の長さにほぼ等しくてもよく、或いはこれよりも短くてもよい。しかしながら、通常の部分22の各長さL2は、弱め部分20の長さL1の約10倍であることが好ましい。一例を挙げると、光ファイバアレイの1.1メートル分ごとに、弱め部分と通常の部分の比が約1:10である場合、光ファイバアレイの約1メートル分が、通常の部分であり、約0.1メートル分が、長手方向長さに沿う弱め又は破断部分である。例示のFTTx用途では、この比は、長手方向長さに沿うより多くのアクセスが容易な点を設けることにより容易な布設、引き回し及びコネクタ接続を可能にするよう弱め部分20を備えた領域がより多くなるよう変更することができる。例えば、通常の部分の約0.2メートル分ごとに、弱め部分と通常の部分の比が約5:1である場合、約1メートル分の弱め部分が設けられる。
【0017】
光ファイバアレイ10の構造及び共通マトリックス18の使用により、サブユニット14,14′は、サブユニット14,14″と共に、弱め部分20,20′で一般に容易に且つ最初に分離することになる。当然のことながら、布設者は、幾分かの力を用いると共通マトリックス18がいったん破断されると、弱め部分20の長さL1ちょうどよりも長い長さの光ファイバアレイ10に沿ってサブユニット14を分離することができる。換言すると、サブユニットをいったん分離すると、作業員は、サブユニットの分離を光ファイバアレイの長手方向長さに沿って促進することが容易である。加えて、図1aに最もよく示されているように、弱め部分20は、共通マトリックス18の1つ又は2つ以上の表面上に形成できる。破断状態の共通マトリックス18を両面に設けることにより、作業員にとって極めて容易なアクセスが可能である。また、次の製造ステップにおいて光ファイバアレイ10のサブユニット14を光ファイバアレイ10の長さに沿う種々の場所で分離すると、上記比が比較的高い場合、例えば5:1が用いられる場合、優先的な曲がり特性が低減する傾向があり、光ファイバアレイ10の容易な引き回しが可能になる。
【0018】
光ファイバアレイの弱め部分は、本発明に従って、多種多様な形態を取ることができると共に(或いは)多種多様な仕方で形成できる。一例を挙げると、図2は、2003年4月10日に出願された米国特許出願第10/411,406号明細書に開示されているような断面形状において非一様な厚さを有するサブユニット14,14′を示しており、この米国特許出願を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。この場合、サブユニットは、共通マトリックスが裂ける場所を制御するために厚さが端部で大きい全体としてドッグボーン(犬に与える骨)の形をしている。換言すると、サブユニットマトリックスは、一般にサブユニットの端の光ファイバのうちの約1本又は2本以上分増大した断面厚さを有する。
【0019】
製造プロセス中、共通マトリックスに弱め部分又は分離部分を形成する一方法が、図4及び図5に示されている。図4に示すように、共通マトリックス18が硬化した後、光ファイバアレイ10をローラ24,26に掛けて進ませ、これらローラは両方共、共通マトリックス18に割れ目30を生じさせるよう構成された部分28を有しており、それにより、共通マトリックスに弱め又は破断部分20が作られる。この場合、ローラ24,26の部分28は、割れ目30の発生がインターフェイス領域Iに沿って生じさせるための図5に示すような丸くなった部分である。ローラの曲率半径Rは、割れ目30が共通マトリックス18内にどれほど深く入り込むかを定める。ローラの半径が小さければ小さいほど、割れ目30が光ファイバアレイ10により深く入り込む確率がそれだけ一層高くなる。代表的には、光ファイバアレイ10は、両側に割れ目30が生じるよう2つのローラ24,26に掛けられて通されるが、ローラ24,26の半径又はプロファイルに応じて、必要なローラは1つだけの場合がある。
【0020】
変形例として、ローラは、サブユニットをインターフェイス領域Iに沿って分離するために隆起部分を備えたオフセットプロファイルを有してもよいが、他の適当なローラプロファイルが可能である。
【0021】
光ファイバアレイ10の弱め部分20を形成する別の方法の幾つかが、図6〜図8に示されている。注目されるべきこととして、共通マトリックスは、図2に示す形態で光ファイバアレイ10に直接被着できるが、マトリックス材料を被着させるには、マトリックス材料の通常の被着に用いられる処理速度よりも遅い処理速度が必要であるのが通例である。かかる方法を本発明に従って計画できるが、これら方法は、現時点では商業的に実施できない。したがって、他の方法を開示する。図6に示すように、光ファイバアレイ10″の端面図が、光ファイバアレイ10″に弱め部分を形成する装置を備えた状態で示されている。例えば、この装置32は、弱め部分を形成するために共通マトリックス18″の一部を切除するレーザであるのがよい。この装置32は、共通マトリックス18″の一部を切除するため又は切れ目をインターフェイス領域I″上で共通マトリックス18″に単に入れるために矢印に示すように上げ下げされる薄刃又は刃であってもよい。かかる実施形態の例が、図9及び図10に示されている。図9では、光ファイバアレイ40は、別の形態を有するように見えるが、この形態は、図2の実施形態に似ている。しかしながら、光ファイバアレイ40は、共通マトリックス44を切断することにより形成された複数の弱め部分42を有している。加えて、サブユニット46,46′は、上述した全体としてドッグボーン形状ではなく、従来の一様断面形状を有する。図10に示すような光ファイバアレイ50は、共通マトリックス54に断続して切断形成された2つ以上の溝52を有している。溝52は、任意の深さのものであってよく、かかる深さは、光ファイバアレイ50を完全に貫通する深さを含む。同様に、装置32は、エアナイフであってもよく、このエアナイフは同様に、図9の場合のように共通マトリックスの一部を断続的に切除し又は図10の溝52のように断続的な切れ目を共通マトリックスの硬化前に共通マトリックスに入れる。
【0022】
光ファイバアレイ10′の製造方法に用いられる別の装置が、図7に示されており、図8には結果的に得られた形態が示されている。装置40は好ましくは、2つのノズル40a,40bを有し、これらノズルは、共通マトリックス18を光ファイバアレイ10′に被着させた後であるが共通マトリックス18の硬化前に、ジェット、例えばガスジェットを共通マトリックス18に当てる。ガスジェットは、共通マトリックスを光ファイバアレイ10′の長さに沿って断続的にインターフェイス領域Iから外方へ押し出すよう制御される。しかる後、共通マトリックス18を硬化させ、それにより共通マトリックス18が図8に示すように押し出されたところに弱め部分20が形成される。代表的には、ガスジェットは、通常の空気であるが、任意適当なガス又は流体を用いることができる。2つのノズルが図7に示されているが、一度に一方だけを使用してもよい。また、好ましくは、光ファイバアレイの幅全体にわたり各インターフェイス領域について少なくとも1つのノズルが設けられる。例えば、3つのサブユニット及び2つのインターフェイス領域が設けられている場合、光ファイバアレイに弱め領域を形成するのにもし用いられる場合には、2つのノズル又は2組のノズルを光ファイバアレイの頂部又は底部に設けるのがよい。上述したように、隣り合うインターフェイス部分のところの弱め領域は光ファイバアレイ上の同一の長手方向場所に位置する必要はないので、ノズルを製造ラインの互いに異なる場所に配置することができる。加えて、ガスの流れのタイミングを取ることにより、弱め部分の場所を光ファイバアレイに任意の形態で配置することができる。
【0023】
さらに、本発明の技術的思想は、単一の設計を有するサブユニット14を使用することができる。例えば、光ファイバアレイ10中のサブユニットは、断面が全体として一様な厚さのものであり、これに対し、図2のサブユニットは、断面がドッグボーン又は非一様な厚さのものである。換言すると、サブユニットの形態は、本発明の技術的思想にとっては重要ではない。加えて、共通マトリックス18へのサブユニットマトリックス16の付着性を化学的、電気的又は機械的表面技術により変更できることは注目されるべきである。これら技術により、付着性も又、光ファイバアレイの弱め部分を形成するよう光ファイバアレイの長さに沿って様々であってよい。同様に、共通マトリックス又はサブユニットマトリックスのモジュラスは、当該技術分野において知られているように同一の値を有してもよく、異なる値を有してもよい。
【0024】
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する本発明の多くの改造例及び他の実施形態は、当業者には明らかになろう。例えば、本発明の光ファイバアレイをケーブル内における光ファイバ密度を増大させるためにスタックの状態に配置することができる。加えて、光ファイバアレイは、当該技術分野において知られている他の適当な構造及びコンポーネントを有してもよい。例えば、本発明の技術的思想を個々のマトリックスを有するサブユニットではなく、単一のマトリックス材料を有する光ファイバアレイに利用できる。したがって、本発明は、本明細書において開示した特定の実施形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する改造例及び他の実施形態を想到できることは理解されるべきである。本明細書において特定の用語を用いたが、かかる用語は、一般的且つ記述的な意味で用いられているに過ぎず、本発明を限定する目的で用いられてはいない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の光ファイバアレイの一実施形態の斜視図である。
【図1a】図1の光ファイバアレイの実施形態の断面図である。
【図2】本発明の光ファイバアレイの別の実施形態の断面図である。
【図3】図1の光ファイバアレイにおけるサブユニットの分離の仕方を示す図である。
【図4】光ファイバアレイに弱め部分を形成する一方法を示す図である。
【図5】光ファイバアレイの断面図であって、図4から取ったローラの部分断面図である。
【図6】光ファイバアレイの共通マトリックスへの弱め部分の形成法を示す図である。
【図7】本発明の光ファイバアレイの共通マトリックスに厚さ減少部分を形成する一方法を示す図である。
【図8】図7に示す方法に従って製造された光ファイバアレイの一部の断面図である。
【図9】本発明の光ファイバアレイの別の実施形態の断面図である。
【図10】本発明の光ファイバアレイの更に別の実施形態の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さを有する光ファイバアレイであって、
少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを含む第1のサブユニットと、
少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを含む第2のサブユニットと、
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結し、それにより、長手方向平面に沿って前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットの隣接した端部によってインターフェイス領域が形成されるよう前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに隣接して保持する共通マトリックスとを有し、
前記共通マトリックスは、前記インターフェイス領域に隣接して複数の弱め部分を有し、
前記複数の弱め部分は、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットの容易な分離を可能にするよう前記光ファイバアレイの長手方向長さに沿って断続的に延びている、
ことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項2】
前記複数の弱め部分は、前記光ファイバアレイの前記共通マトリックスの両側に設けられている、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項3】
前記複数の弱め部分は、前記光ファイバアレイの前記共通マトリックスの1または2以上の側部に少なくとも部分的に裂け目が作られることにより構成されている、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項4】
前記共通マトリックスの前記複数の弱め部分には、前記共通マトリックスを完全に貫通して裂け目が作られている、
請求項4に記載の光ファイバアレイ。
【請求項5】
前記光ファイバアレイは、弱め部分と通常の部分の比が、約1:10〜5:1である、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項6】
前記複数の弱め部分は、ローラ、レーザ、薄刃、刃及びエアナイフを含む群から選択された器具により作られる、
請求項8に記載の光ファイバアレイ。
【請求項7】
前記光ファイバアレイは、前記複数の弱め部分相互間に設けられている複数の第2の長手方向部分を有し、前記複数の弱め部分は、前記複数の第2の長手方向部分の厚さに対して共通マトリックスの厚さが減少している、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項8】
前記光ファイバアレイは、第3のサブユニットを有し、前記第1のサブユニット、前記第2のサブユニット及び前記第3のサブユニットは全て、同じ本数の光ファイバを有する、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項9】
前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットは、一般に前記第1のサブユニット又は前記第2のサブユニットの2本の端に位置する前記光ファイバのうちの約1本分増大した断面厚さを有する、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項10】
前記光ファイバアレイは、光ファイバケーブルの一部である、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項11】
長さを有する光ファイバアレイであって、
少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、
少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、
前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第1の厚さを有する少なくとも1つの第1の部分を有し、
前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で第2の厚さを有する下流側部分で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って設けられた長手方向に延びる少なくとも1つの第2の部分を有し、前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きく、それにより、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットとを分離する弱め部分が形成されている、
ことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項12】
前記光ファイバアレイは、第3のサブユニットを有し、前記第1のサブユニット、前記第2のサブユニット及び前記第3のサブユニットは全て、同じ本数の光ファイバを有する、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の部分は、前記光ファイバアレイの長さに沿って断続的に延びている、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2の部分は、前記光ファイバアレイの一部のみを横切って延び、前記一部は、少なくとも前記インターフェイス部分を含む、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項15】
前記光ファイバアレイは、第1の複数の第1の部分及び第2の複数の第2の部分を有し、前記第2の複数の第2の部分は各々、前記光ファイバアレイの前記長手方向に沿って前記第1の複数の前記第1の部分のうちの2つの間に設けられている、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項16】
前記第1の部分は、第1の所定の長さにわたり前記長手方向に延び、前記第2の部分は、第2の所定の長さにわたり前記長手方向に延び、前記第1の所定の長さは、前記第2の所定の長さよりも長い、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項17】
前記光ファイバアレイは、弱め部分と通常の部分の比が、約1:10〜5:1である、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項18】
前記光ファイバアレイは、光ファイバケーブルの一部である、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項19】
長さを有する光ファイバアレイであって、
複数本の光ファイバと、
前記複数本の光ファイバを互いに連結する少なくとも1つのマトリックス材料とを有し、前記少なくとも1つのマトリックス材料は、前記複数本の光ファイバを2つの別々のグループの状態に分離できるよう前記光ファイバアレイに沿って断続的に間隔を置いて設けられた複数の弱め部分を有する、
ことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項20】
サブユニット相互間に少なくとも1つの断続的分離部を有する光ファイバアレイを製造する方法であって、
光ファイバアレイを用意するステップを有し、前記光ファイバアレイは、
少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、
少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの第1の部分を有すると共に第1の厚さを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第2の厚さを有する少なくとも1つの第2の部分を有し、
前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットが前記光ファイバアレイの少なくとも長手方向長さに沿って複数の断続的弱め部分を有するようにするステップとを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項1】
長さを有する光ファイバアレイであって、
少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを含む第1のサブユニットと、
少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを含む第2のサブユニットと、
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結し、それにより、長手方向平面に沿って前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットの隣接した端部によってインターフェイス領域が形成されるよう前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに隣接して保持する共通マトリックスとを有し、
前記共通マトリックスは、前記インターフェイス領域に隣接して複数の弱め部分を有し、
前記複数の弱め部分は、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットの容易な分離を可能にするよう前記光ファイバアレイの長手方向長さに沿って断続的に延びている、
ことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項2】
前記複数の弱め部分は、前記光ファイバアレイの前記共通マトリックスの両側に設けられている、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項3】
前記複数の弱め部分は、前記光ファイバアレイの前記共通マトリックスの1または2以上の側部に少なくとも部分的に裂け目が作られることにより構成されている、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項4】
前記共通マトリックスの前記複数の弱め部分には、前記共通マトリックスを完全に貫通して裂け目が作られている、
請求項4に記載の光ファイバアレイ。
【請求項5】
前記光ファイバアレイは、弱め部分と通常の部分の比が、約1:10〜5:1である、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項6】
前記複数の弱め部分は、ローラ、レーザ、薄刃、刃及びエアナイフを含む群から選択された器具により作られる、
請求項8に記載の光ファイバアレイ。
【請求項7】
前記光ファイバアレイは、前記複数の弱め部分相互間に設けられている複数の第2の長手方向部分を有し、前記複数の弱め部分は、前記複数の第2の長手方向部分の厚さに対して共通マトリックスの厚さが減少している、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項8】
前記光ファイバアレイは、第3のサブユニットを有し、前記第1のサブユニット、前記第2のサブユニット及び前記第3のサブユニットは全て、同じ本数の光ファイバを有する、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項9】
前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットは、一般に前記第1のサブユニット又は前記第2のサブユニットの2本の端に位置する前記光ファイバのうちの約1本分増大した断面厚さを有する、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項10】
前記光ファイバアレイは、光ファイバケーブルの一部である、
請求項1に記載の光ファイバアレイ。
【請求項11】
長さを有する光ファイバアレイであって、
少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、
少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、
前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第1の厚さを有する少なくとも1つの第1の部分を有し、
前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で第2の厚さを有する下流側部分で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って設けられた長手方向に延びる少なくとも1つの第2の部分を有し、前記第1の厚さは、前記第2の厚さよりも大きく、それにより、前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットとを分離する弱め部分が形成されている、
ことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項12】
前記光ファイバアレイは、第3のサブユニットを有し、前記第1のサブユニット、前記第2のサブユニット及び前記第3のサブユニットは全て、同じ本数の光ファイバを有する、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の部分は、前記光ファイバアレイの長さに沿って断続的に延びている、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2の部分は、前記光ファイバアレイの一部のみを横切って延び、前記一部は、少なくとも前記インターフェイス部分を含む、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項15】
前記光ファイバアレイは、第1の複数の第1の部分及び第2の複数の第2の部分を有し、前記第2の複数の第2の部分は各々、前記光ファイバアレイの前記長手方向に沿って前記第1の複数の前記第1の部分のうちの2つの間に設けられている、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項16】
前記第1の部分は、第1の所定の長さにわたり前記長手方向に延び、前記第2の部分は、第2の所定の長さにわたり前記長手方向に延び、前記第1の所定の長さは、前記第2の所定の長さよりも長い、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項17】
前記光ファイバアレイは、弱め部分と通常の部分の比が、約1:10〜5:1である、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項18】
前記光ファイバアレイは、光ファイバケーブルの一部である、
請求項11に記載の光ファイバアレイ。
【請求項19】
長さを有する光ファイバアレイであって、
複数本の光ファイバと、
前記複数本の光ファイバを互いに連結する少なくとも1つのマトリックス材料とを有し、前記少なくとも1つのマトリックス材料は、前記複数本の光ファイバを2つの別々のグループの状態に分離できるよう前記光ファイバアレイに沿って断続的に間隔を置いて設けられた複数の弱め部分を有する、
ことを特徴とする光ファイバアレイ。
【請求項20】
サブユニット相互間に少なくとも1つの断続的分離部を有する光ファイバアレイを製造する方法であって、
光ファイバアレイを用意するステップを有し、前記光ファイバアレイは、
少なくとも1本の光ファイバ及び第1のサブユニットマトリックスを有する第1のサブユニットと、
少なくとも1本の光ファイバ及び第2のサブユニットマトリックスを有する第2のサブユニットと、
前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットがインターフェイス部分で互いに隣接すると共に長手方向平面に沿って一定の平面的関係をなして配置されるように前記第1のサブユニットと前記第2のサブユニットを互いに連結する共通マトリックスとを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの第1の部分を有すると共に第1の厚さを有し、前記光ファイバアレイは、前記インターフェイス部分に隣接した状態で前記光ファイバアレイの少なくとも一部に沿って長手方向に延びると共に第2の厚さを有する少なくとも1つの第2の部分を有し、
前記第1のサブユニット及び前記第2のサブユニットが前記光ファイバアレイの少なくとも長手方向長さに沿って複数の断続的弱め部分を有するようにするステップとを有する、
ことを特徴とする方法。
【図1】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1a】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−505360(P2008−505360A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519373(P2007−519373)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023022
【国際公開番号】WO2006/004799
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(501209863)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (65)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023022
【国際公開番号】WO2006/004799
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(501209863)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (65)
【Fターム(参考)】
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