説明

新日本銀行券判別方法

【課題】日本銀行券の表裏に在る紋様から、夜間の野外や暗い室内において、安全に目視による真贋の判別をする新判別方法を提供すること。
【解決手段】紙幣の表裏には、直径2〜3mmの薄く丸い紋様が数個から数十個不規則にあり、この紋様は日中の明りでは目視で判別できないような不鮮明で薄い黄色の直径1mm程の輪が印刷されている。この直径1mm程の輪は紫外線には全く反応しないインクで印刷されている。しかし、このインクの輪は青色の波長の領域である、430nmから490nm程度の光を照射すると、夜間の暗がりや照明設備の無い場所において目視による判別が出来るようになり、特定範囲の波長(467nmから483nm)の照射光は、紋様とその中に在る輪と紋様の背景の色とのコントラストを最もハッキリさせることができるため、非常に目視確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
日本銀行券新紙幣の夜間の暗い場所や室内などにおける目視による判別に関する。
【背景技術】
【0002】
既に、日本銀行が弐千円紙幣以降の新札の偽造防止技術として数種類の判別方法を公表しているが、夜間の暗い場所や室内などにおける目視による判別方法としては、紫外線波長を照射し、特殊発光インク印刷部の日銀総裁印などを反応させ、発光させて判別するものがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
弐千円札以降の新札紙幣の表裏に印刷されている共通した図柄の特殊インク印刷部を目視により安全に識別する新真贋判別方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
弐千円札以降の全新札紙幣の表裏には共通した複数の紋様(直径2〜3mm程)がある。前記した紋様の中心部には極めて不鮮明な直径1mm程の輪が印刷されている。この紋様の周辺に紫外線領域の波長(400nm以下)を照射しても識別反応は無く、特に夜間の暗がりなどではほとんど目視で確認できない。しかし、前記した紋様は夜間の暗がり等において波長430nmから490nmの範囲の光を照射することにより、直径2〜3mmの紋様の中に直径1mm程の輪が表出し、目視で確認することが出来る。この直径2〜3mmの紋様の中に在る直径1mm程の輪の目視確認の最適ピーク波長は青の領域の中心475nmである。従って、目視による判別においては、475nm前後の特定範囲の波長(467nmから483nm)の光を照射することにより、前記した紋様と前記した輪と紋様の背景色とのコントラストからこの紋様の中に在る直径1mm程の輪を最も明確にハッキリと確認することが出来る。
【発明の効果】
【0005】
本発見により、暗がり、夜間などにおいて目視で新紙幣の真贋が判別でき、判別に紫外線領域の波長の光を使用しないため、人体への影響が無く、安全である。
【0006】
特定範囲の波長(467nmから483nm)の照射光は、前記した1mmの輪をその周囲から際立たせる識別効果があり、暗がり、夜間の目視での判別に最適である。また、長時間の目視判別作業においても人体になんら影響をあたえるものではなく安全である。
【0007】
さらに、目視判別による場合、特定範囲の波長の光(必要に応じてフィルター等用いた照明具、発光体等)を身の回りの携帯品(ペン、財布、電話機、キーホルダー、防犯ブザーなど)に取り付けることにより子供から老人まで簡単に判別することが出来、偽札犯罪に対する予防意識が高まり、偽札の流通をいち早く発見することが出来る。本発明による方法を紙幣の目視検査装置に組み込み、従来の検査方法と併用することにより、真贋の判別の精度が向上するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
特定範囲の波長の光(必要に応じてフィルター等用いた照明具、発光体等)を各種携帯品(ペン、財布、電話機、キーホルダー、防犯ベルなど)に取り付ける。又は紙幣検査装置に組み込み、従来の検査方法と併用する。
【実施例】
【0009】
次に、本発明の具体的な実施方法を説明する。
現在、日本銀行が公表している弐千円札以降の新札紙幣の各種偽造防止技術において、その判別方法の一つに紫外線照射によるものがある。この紫外線に反応する特殊発光インクは表面の日銀総裁の朱印部と他の一部分で使用されており、これらの部分だけが紫外線に反応し、発光する。前記した、全ての新札紙幣の表裏には、直径2〜3mmの薄く丸い紋様が数個から数十個、不規則に各新紙幣それぞれにある。この紋様の中には日中の明りでも目視で判別できない不鮮明な薄くて黄色の直径1mm程の輪が印刷されている。この直径1mm程の輪は紫外線には全く反応しないインクで印刷されている。しかし、このインクの輪は、青色の波長の領域である430nmから490nm前後の光を照射すると、夜間の暗がりや照明設備の無い場所において目視による判別が出来るようになる。この直径2〜3mmの紋様の中に在る直径1mm程の輪の目視確認の最適ピーク波長は青の領域の中心波長475nmである。従って、波長475nmを中心とする前後の特定範囲の波長(467nmから483nm)の光を照射することにより、直径2〜3mmの紋様の中に在る直径1mm程の輪を最も明確でハッキリと目視することが出来る。
【0010】
特定範囲の波長(467nmから483nm)の照射光は、前記した直径2〜3mmの紋様とその中に在る直径1mm輪と紋様の背景色とのコントラストを最もハッキリさせることができるため、非常に目視確認がしやすい光である。
【産業上の利用可能性】
【0011】
前述の光の照射により表出した図形(輪)を光学センサーで判別することにより全ての目視判別装置に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【00112】
【図1】「新千円札の表側であり、太線で大きく囲んだ部分(図中1)は前記した紋様(図中2)に特定範囲の波長(光)を照射したときに現れる紋様内の輪(図中3)を表現した拡大図である。」
【図2】「新千円札の裏側であり、特殊印刷された紋様の場所を太線(図中4)で囲み示した図である。」

【符号の説明】
【0013】
1は前記した紋様を数個、拡大したものである。
2は前記した直径2〜3mm程の紋様である。
3は紋様の中に在る直径1mm程の輪である。
4は千円札裏側に在る前記、紋様の位置である。
5は千円札裏側に在る前記、紋様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)日本銀行が2000年7月19日に発行した日本銀行券の弐千円券、さらに、平成16年11月1日に発行された、壱万円券、五千円券、千円券の表裏には直径2〜3mm程の共通した紋様が数個から数十個ある。前記した紋様の中心部には直径1mm程の輪が特殊インクで印刷されているが、不鮮明であり、日中の明りでも見えにくく、夜間の暗がり等では目視できない。しかし、この紋様部分周辺に特定範囲の波長467nmから483nmの光を照射すると、上記の直径1mm程の輪が暗い場所でも際立って非常によく見える。本発明は、この特定範囲の波長の光(必要に応じてフィルター等用いた照明具、発光体等)を上記した日本銀行券新紙幣の紋様に照射し、目視で紙幣の真贋を判別するものである。
(2)上記(1)の特定範囲の波長の光(必要に応じてフィルターを用いた照明具や発光体等)を携帯品(ペン、財布、電話機、キーホルダー、防犯ベルなど)や紙幣目視検査装置に取り付けたものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−260507(P2006−260507A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117494(P2005−117494)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(505139067)エビスコ・ジャパン有限会社 (3)
【Fターム(参考)】