説明

新規なポリペプチドおよびその使用

本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる黄色ブドウ球菌の走化性阻害タンパク質(「CHIPS」)の生物活性を有するポリペプチド、またはCHIPSの生物活性を有するそのフラグメントもしくはバリアントであって、該フラグメントまたはバリアントが、配列番号1の野生型CHIPSタンパク質に対してK40E、D42V、N77H、K100R、K105R、N111Kおよび/またはG112Aのアミノ酸置換を保持するポリペプチドを提供する。ある実施形態において、ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列からなる。本発明の関連する態様は、本発明のポリペプチドを含む医薬組成物を、それを作製する方法および使用する方法とともに提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2のアミノ酸配列を含むかもしくはそれからなる黄色ブドウ球菌の走化性阻害タンパク質(「CHIPS」)の生物活性を有するポリペプチド、またはCHIPSの生物活性を有するそのフラグメントもしくはバリアントであって、バリアントが、配列番号1の野生型CHIPSタンパク質に対してK40E、D42V、N77H、K100R、K105R、N111Kおよび/またはG112Aのアミノ酸置換を保持するポリペプチド。
【請求項2】
C5aにより誘導される好中球の活性化を阻害できる、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
C5aにより誘導される好中球の活性化を少なくとも10%、例えば少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%および好ましくは100%阻害できる、請求項1または2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
ポリペプチドの生物活性が、配列番号1によるポリペプチドの生物活性より大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
ポリペプチドが、500アミノ酸長未満、例えば400、300、200、150、140、130、125、121、120、119、118、117、116、115、114、113、112、111、110、109、108、107、106、105、104、103、102、101、100、95、90、85、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、65、60、55、50、40、30以下のアミノ酸長未満である、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項6】
70〜110アミノ酸長、例えば75〜90アミノ酸長である、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項7】
83アミノ酸長である、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号2のアミノ酸配列のフラグメントもしくはそのバリアントを含むかまたはそれからなる、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81または82の隣接アミノ酸を含む、請求項8に記載のポリペプチド。
【請求項10】
配列番号2のアミノ酸配列のNおよび/もしくはC末端ならびに/または内部に挿入された1または複数のさらなるアミノ酸を含むかあるいはそれからなる、請求項1から9のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項11】
少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20のさらなるアミノ酸を含むかまたはそれからなる、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項12】
配列番号2のアミノ酸配列のバリアントもしくはそのフラグメントからなる、請求項1から11のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項13】
バリアントが、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性、より好ましくは前記配列と少なくとも70%もしくは80%もしくは85%もしくは90%の同一性、最も好ましくは前記アミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項12に記載のポリペプチド。
【請求項14】
バリアントが、1または複数のアミノ酸が保存的に置換された配列番号2のアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むかまたはそれからなる、請求項12または13に記載のポリペプチド。
【請求項15】
1または複数の表面エピトープが改変された配列番号2によるポリペプチドのバリアントである、請求項12から14のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項16】
配列番号1によるポリペプチドよりもヒトにおいて免疫原性が低い、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項17】
以下の特性の1または複数:
(a)1nM未満、好ましくは0.5nM以下の好中球遊走(走化性)の阻害についてのIC50(実施例を参照されたい);
(b)野生型CHIPSについてのものの2%以下の血清IgG力価(実施例を参照されたい);
(c)野生型CHIPSのものの4倍未満のC5aR遮断についてのIC50(実施例を参照されたい);
(d)50℃より高い、好ましくは60℃より高い融解温度Tm(実施例を参照されたい)
を示す、請求項1から16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項18】
配列番号2のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる、請求項1から17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項19】
N末端メチオニンを有する配列番号2によるポリペプチドからなる、請求項1から18のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸分子。
【請求項21】
核酸分子が、DNA分子である、請求項20に記載の核酸分子。
【請求項22】
請求項19または20に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項23】
発現ベクターである、請求項22に記載のベクター。
【請求項24】
pET系のベクターおよびpRSETからなる群より選択される、請求項22または23に記載のベクター。
【請求項25】
請求項20もしくは21に記載の核酸分子または請求項22から24のいずれか一項に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項26】
請求項20もしくは21に記載の核酸分子または請求項22から24のいずれか一項に記載のベクターを含む宿主細胞の集団を、ポリペプチドが発現される条件下で培養するステップと、そこからポリペプチドを単離するステップとを含む、請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチドを生成するための方法。
【請求項27】
請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む医薬組成物。
【請求項28】
医薬で用いるための請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
補体5a(C5a)の生物活性の阻害において用いるための請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項30】
C5a受容体の機能の阻害において用いるための請求項29に記載のポリペプチド。
【請求項31】
C5a受容体が、好中球、単球および/または内皮細胞上にある、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
補体5a(C5a)により誘導される好中球の活性化の阻害において用いるための請求項29から31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
炎症の治療において用いるための請求項29から32のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項34】
急性反応性関節炎、急性移植拒絶、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、アルコール性肝炎、同種移植、アルツハイマー病、動脈硬化症、アルサス反応、喘息、アテローム動脈硬化症、アトピー性皮膚炎、細菌性髄膜炎、気管支原性肺癌、水泡性類天疱瘡、熱傷、心肺バイパス、循環器疾患、慢性気管支炎、慢性リンパ性白血病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、接触性皮膚炎、クローン病、皮膚T細胞リンパ腫、嚢胞性線維症、皮膚疾患、中枢神経系の疾患、子宮内膜症、実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)、実験的アレルギー性神経炎(EAN)、凍傷、胃癌、胃腸疾患、泌尿生殖器疾患、痛風、ヘリコバクター・ピロリ胃炎、血液透析、遺伝性血管浮腫、過敏性肺炎、特発性肺線維症、免疫複合体(IC)誘導血管炎、虚血性ショック、虚血性再灌流エピソード、虚血性再灌流傷害、関節症、(大)血管手術、金属熱、多発性硬化症、多系統臓器不全、重症筋無力症、心筋梗塞、膵炎、腹膜炎、胸膜肺気腫、心肺バイパス後(CPB)炎症、乾癬、反復性緊張外傷(RSI)、呼吸器疾患、関節リウマチ、敗血症、敗血症性ショック、副鼻腔炎、皮膚病、脳卒中、全身性エリテマトーデス(SLE)、移植、(外傷性)脳損傷、潰瘍性大腸炎、尿路感染症、血管漏出症候群、血管炎および異種移植からなる群より選択される疾患または状態の治療において用いるための請求項29から33のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
再灌流傷害の治療において用いるための請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
再灌流傷害が、急性心筋梗塞(AMI)、冠動脈バイパス移植(CABG)、脳卒中および/または臓器移植に付随する、請求項35に記載のポリペプチド。
【請求項37】
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療において用いるための請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項38】
以下の
(a)配列番号2によるポリペプチドをコードする1または複数の親のポリヌクレオチド分子を準備するステップと、
(b)1または複数の親のポリヌクレオチド分子をヌクレアーゼで消化して、ポリヌクレオチドフラグメントを作製するステップと、
(c)ステップ(b)で作製された前記ポリヌクレオチドフラグメントを互いに接触させるステップと、
(d)互いにアニールするフラグメントを増幅させて、1または複数の親のポリヌクレオチド分子によりコードされるものと比較して変更されたアミノ酸配列を有するバリアントCHIPSポリペプチドをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を作製するステップと
を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載のポリペプチドを生成するための方法。
【請求項39】
ステップ(d)において生成された少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を発現させ、野生型CHIPSタンパク質の生物活性について、得られたポリペプチドをスクリーニングするステップ(e)をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
野生型CHIPSタンパク質の生物活性が、C5aにより誘導される好中球の活性化を阻害する能力である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
配列番号1によるポリペプチドと比べて低減した免疫原性について、得られたポリペプチドをスクリーニングするステップ(f)をさらに含む、請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
ステップ(a)における1または複数の親のポリヌクレオチド分子が、1本鎖である、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
ステップ(b)におけるヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼである、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
ステップ(d)が、予め規定された変動性のオリゴヌクレオチドを加えるステップを含む、請求項38から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
ステップ(e)が、C5aRと結合する能力について、得られたポリペプチドを試験するステップを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載されるポリペプチド。
【請求項47】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載される核酸分子。
【請求項48】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載されるベクター。
【請求項49】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載される宿主細胞。
【請求項50】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載されるポリペプチドを生成するための方法。
【請求項51】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載される医薬組成物。
【請求項52】
明細書を参照して本出願中に実質的に記載されるポリペプチドの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24(A)】
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【図24(B)】
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【図25】
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【公表番号】特表2012−514465(P2012−514465A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544917(P2011−544917)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002782
【国際公開番号】WO2010/079314
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(503211529)アリゲーター・バイオサイエンス・アーベー (4)
【Fターム(参考)】