説明

新規な蛍光化合物及び蛍光標識剤

【課題】タンパク質やペプチドなどの物質を蛍光標識するための蛍光標識剤などとして有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物。


1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示し、Rは炭素数1−10のアルキル基または−CH2CH(NHR2)COOHで表される基(R2は水素もしくはアミノ基の保護基を示す)を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質やペプチドなどの物質を蛍光標識するための蛍光標識剤などとして有用な新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
生体内におけるタンパク質やペプチドの構造と機能を解明する上で,蛍光分光法は極めて高感度な分析手法として広く用いられている。現在では共焦点レーザー顕微鏡などの測定機器の進歩によって高い時間分解能・空間分解能をもった動的解析,可視化が可能である。しかし,天然のタンパク質,ペプチドに含まれる蛍光性アミノ酸残基であるトリプトファン,チロシン,フェニルアラニンは,吸収波長が紫外領域(約300nm以下)にあり,しかも蛍光波長領域も紫外部にあるため,タンパク質,ペプチドを可視化することはできない。そこで,クマリン,ローダミンなどの蛍光色素をタンパク質やペプチドの側鎖に導入する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし,この方法では,導入できるサイトが限定される,発色団が大きいためタンパク質本来の性質がゆがめられてしまう可能性がある,などの問題点を含んでいる。
そこで、タンパク質やペプチドを効率よく標識できる新規な蛍光標識物質の開発が望まれていた。
【特許文献1】特許第3719979号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、タンパク質やペプチドなどの物質を蛍光標識するための蛍光標識剤などとして有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、下記一般式(I)で表される化合物が蛍光を発し、タンパク質やペプチドの標識に適していることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)下記一般式(I)で表される化合物。
【化1】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示し、Rは炭素数1−10のアルキル基または−CH2CH(NHR2)COOHで表される基(R2は水素も
しくはアミノ基の保護基を示す)を示す。
(2)下記のいずれかである、(1)の化合物。
【化2】

(3)下記一般式(II)で表される基をタンパク質またはペプチドに導入する工程を含む、蛍光標識タンパク質または蛍光標識ペプチドの製造法。
【化3】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示す。
(4)下記一般式(III)で表される基をタンパク質またはペプチドに導入する工程を含む、蛍光標識タンパク質または蛍光標識ペプチドの製造法。
【化4】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示す。
(5)下記一般式(II)で表される基を有する化合物を含む、蛍光標識剤。
【化5】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示す。
(6)下記一般式(III)で表される基を有する化合物を含む、蛍光標識剤。
【化6】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示す。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化合物をペプチドやタンパク質に導入することにより蛍光標識されたペプチドやタンパク質を得ることができる。本発明の化合物は後述するように環境に応じて蛍光を発するため、タンパク質の機能解析やバイオセンサーなどにも利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の化合物は下記の一般式(I)で示される。
【化7】

ここで、R1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示す。R1
炭素数1−3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0008】
また、Rは炭素数1−10のアルキル基(好ましくは炭素数1−5)、または−CH2CH(NHR2)COOHで表される基を示す。Rが炭素数1−10のアルキル基である一般式(I)の化合物として具体的には、下記の化合物が挙げられる。
【化8】

【0009】
一方、Rが−CH2CH(NHR2)COOHで表される基である一般式(I)の化合物として具体的には、下記の非天然アミノ酸が挙げられる。
ここで、R2はH又はアミノ基の保護基である。保護基としてはアミノ基を保護しうる基であればよいが、例えば、tert-butoxycarbonyl(Boc)基が挙げられる。
【化9】

【0010】
一般式(I)の化合物は、例えば、後述の実施例に示すような方法によって合成することができる。ただし、合成方法は上記の化合物が得られる限り特に限定されない。
【0011】
【化10】

本発明の化合物に含まれる(II)の置換基は蛍光を発する。したがってこの置換基をペプチドやタンパク質に導入することにより蛍光標識ペプチド又は蛍光標識タンパク質を得ることができる。上記置換基は直接ペプチドやタンパク質の側鎖に導入してもよいが、炭化水素鎖やポリエチレングリコールなどのリンカーを介して導入することが好ましい。また、一般式(III)の置換基を導入してもよい。
【化11】

【0012】
上記一般式(II)または(III)の置換基をタンパク質、ペプチドに導入する方法としては、例えば、上記置換基を有する化合物の末端にN-hydroxysuccinimide (NHS)基を導入し、NHS基を介してタンパク質またはペプチドのアミノ基に導入する方法や、上記置換基を有する化合物の末端にマレイミド基を導入し、マレイミド基を介してタンパク質またはペプチドのSH基に導入する方法などが挙げられる。
【0013】
また、本発明の化合物の一態様である上記非天然アミノ酸を、ペプチドやタンパク質のアミノ酸配列において、天然アミノ酸の代わりに導入して修飾ペプチドや修飾タンパク質を合成してもよい。そのような修飾ペプチドや修飾タンパク質は、例えば、通常のアミノ酸合成プロセスにおいて、上記非天然アミノ酸をペプチド結合により結合させることによって得ることができる。
【0014】
なお、上記一般式(II)または(III)の置換基を導入する対象はペプチドやタンパク質に限られず、脂質や糖鎖などでもよいし、リンカーを介して固相に結合させてそれ自体を蛍光発光のセンサーとして用いることもできる。
【0015】
上記一般式(II)または(III)の置換基は後述の実施例で示すように疎水条件で蛍光を発するという性質を有している。したがって、上記置換基を導入されたペプチドやタンパク質は、解析対象ペプチド又は解析対象タンパク質の機能や局在の解析などに用いることができる。また、上記置換基を有する化合物自体、疎水環境を検知するセンサーとして使用することもできる。
【0016】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は以下のものに限定されない。
【実施例1】
【0017】
3-シアノ-4-メチル-N, N-ジメチルアニリン(CMDA)の合成
3-シアノ-4-メチルアニリン(1 g, 7.6 mmol),ヨウ化メチル(1 ml, 16 mmol)を室温,塩基性条件下,ジメチルスルホキシド中で6時間攪拌した。反応液をチオ硫酸ナトリウム,飽和食塩水で洗浄し,Na2SO4で乾燥させ,エバポレータで乾固させてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):2.40(s, 3 H), 2.92 (s, 6 H), 6.79 - 6.83 (m, 2
H), 7.12 (d, 1 H, J = 8.4 Hz)
【化12】

【0018】
Boc-(2-シアノ-4-( N, N-ジメチルアミノ)フェニル)アラニン(Boc-CDAPA)の合成
下記スキーム1に従ってBoc-CDAPAの合成を行った。
【化13】

【0019】
4-ブロモメチル-3-シアノニトロベンゼン の合成
o-ブロモメチルベンゾニトリル(3 g, 15.3 mmol)と混酸(98 % H2SO4 : 70 % HNO3 = 1:1 (v/v))を混ぜ18時間室温で撹拌した。この溶液を冷水に注ぎ,酢酸エチルで抽出した
。合成した抽出物を飽和食塩水で洗浄し,Na2SO4で乾燥させ,エバポレータで乾固させてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。(収量1.69 g, 収率46 %)
mp 123-125 ℃
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):4.68 (s, 2 H), 7.79 (d, 1 H, J = 8.4 Hz), 8.44
(dd, 1 H, J = 2.4, 8.4 Hz), 8.53 (d, 1 H, J = 2.4 Hz)
【0020】
(2-シアノ-4-ニトロベンジル)アセトアミドマロン酸ジエチル の合成
アセトアミドマロン酸ジエチル(1.13 g, 5.2 mmol),ナトリウムエトキシド(0.36 g, 5.3 mmol)をエタノール(無水物,4 ml)中で10分間撹拌した。その溶液に4-ブロモメチル-3-シアノニトロベンゼン(1.0 g, 4.1 mmol)を加え,混合溶液を1時間還流させた。その後,エバポレータで乾固させシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。(収量1.21 g, 収率86 %)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):1.30 (t, 6 H, J = 7.1Hz), 2.05 (s,3 H), 3.98 (s,2 H), 4.25-4.38 (m, 4 H), 6.55 (s, 1 H), 7.49 (d, 1 H, J = 8.7 Hz), 8.33 (dd
, 1 H, J = 2.4, 8.7 Hz), 8.47 (s, 1 H, J = 2.4 Hz)
【0021】
(4-アミノ-2-シアノベンジル)アセトアミドマロン酸ジエチル の合成
メタノール(33.6 ml)と濃塩酸(7.35 ml)の中にニトロ化合物(3.57 g, 9.5 mmol)を加え,懸濁液を還流した。45分かけて鉄粉末(1.76 g, 31.5 mmol)を少しずつ加えた。この懸濁液を1時間撹拌し,室温まで冷やし,冷水に注ぎNaOHでpH>7になるまで中和した。沈殿物をろ過して酢酸エチルで抽出した。合成した抽出物を飽和食塩水で洗い,Na2SO4で乾燥させエバポレータで乾固させてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。(収量1.62 g, 収率49 %)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):1.29 (t, 6 H, J = 7.2 Hz), 2.04 (s, 3 H), 3.73
(s, 2 H), 3.85 (s, 2 H), 4.20-4.34 (m, 4 H), 6.54 (s, 1 H), 6.77 (dd, 1 H, J = 2.5, 8.4 Hz), 6.85 (d, 1 H, J = 2.5 Hz), 6.95 (d, 1 H, J = 8.4 Hz)
【0022】
(2-シアノ-4-(N, N-ジメチルアミノ) ベンジル) アセトアミドマロン酸ジエチル の合成
アミノ化合物(1.57 g, 4.5 mmol)と37 %ホルムアルデヒド水溶液(4.0 ml, 50 mmol)のアセトニトリル(18.5 ml)溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(886 mg, 14 mmol)を加えた。反応混合物を15分間撹拌し,その後氷酢酸(470 μl, 8.2 mmol)を30分かけて少しずつ加えた。さらに2時間撹拌し続け,再度氷酢酸(470 μl, 8.2 mmol)を30分かけて少しずつ加えた。反応混合物をろ過し,そして沈殿物を酢酸エチルで分液し,NaHCO3溶液と飽和食塩水で洗浄し,Na2SO4で乾燥させた。エバポレータで乾固させてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。(収量1.6 g, 収率94 %)
mp 126.5-128.5 ℃
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):1.30 (t, 6 H, J = 7.2 Hz), 2.06 (s, 3 H), 2.96
(s, 6 H), 3.73 (s, 2 H), 4.27-4.31 (m, 4 H), 6.57 (s, 1 H), 6.77-6.80 (m, 1 H),
6.82 (d, 1 H, J = 2.7 Hz), 6.98 (d, 1 H, J = 8.4)
【0023】
(2-シアノ-4- (N, N-ジメチルアミノ) フェニル)アラニン(CDAPA) の合成
マロン酸エステル置換体(1.97 g, 5.2 mmol)を48 %の臭化水素酸(50 ml)の中で4時間還流し,水素化と脱カルボキシル化を行い,室温まで冷やした。この溶液をNaHCO3でpH7まで中和し,沈殿物をろ過した。(収量0.38 g, 収率31 %)
mp 300-305 ℃(分解)
ESI-MS:m/z 234.0 [M+H]+, 256.0 [M+Na]+, 232.1 [M-H]-
【0024】
Boc-(2-シアノ-4-( N, N-ジメチルアミノ)フェニル)アラニン(Boc-CDAPA) の合成
アミノ酸CDAPA (150 mg, 0.64 mmol)と水-1, 4-ジオキサン(1:1 v/v)混合溶媒(7.5 ml)
との懸濁液に1M水酸化ナトリウム水溶液をアミノ酸が溶けるまで1滴ずつ加えた。この溶液に0℃でt-buthyldicarbonate((Boc) 2O)(165mg, 0.76 mmol)の水-1, 4-ジオキサン混合溶液(1:1 v/v)(3 ml)を加えた。反応混合物を0 ℃で2時間撹拌し,さらに12時間室温で撹拌した。この溶液がpH 2-3になるまで2 M硫酸を加えた。反応物を飽和食塩水で洗浄し,Na2SO4で乾燥させ、エバポレータで乾固させて酸性シリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。(収量100 mg, 収率47 %)
mp 153-154 ℃
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, rt):1.26 (s, 9 H), 2.89 (s, 6 H), 3.09-3.15 (m, 2 H),
4.10 (s, 1 H), 6.92-6.98 (m, 2 H), 7.10 (d, 1 H, J = 8.5 Hz), 7.24 (d, 1 H, J =
8.5 Hz)
ESI-MS:m/z 356.2 [M+Na]+ , 332.1 [M-H]-
【実施例2】
【0025】
3-シアノ-4-メトキシ-N, N-ジメチルアニリン(CMODA)の合成
3-シアノ-4-メトキシニトロベンゼンの合成
o-シアノアニソール(5 g, 37.6 mmol)と混酸(98 % H2SO4 : 60 % HNO3 = 1:1 (v/v))を混ぜ15分間室温で撹拌した。この溶液を冷水に注ぎ,酢酸エチルで抽出した。反応物を飽和食塩水で洗浄し,Na2SO4で乾燥させ,エバポレータで乾固させてヘキサン-酢酸エチルから再結晶した。(収量3.5 g, 収率50 %)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):4.08 (s, 3 H), 7.10 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 8.43-8.50 (m, 2 H)
【0026】
3-シアノ-4-メトキシアニリンの合成
メタノール (140 ml)と濃塩酸(30.5 ml)の中に4-メトキシ-3-シアノニトロベンゼン(7.0 g, 47.3 mmol)を加え,懸濁液を還流した。45分かけて鉄粉末(7.0 g, 125.4 mmol)を少しずつ加えた。この懸濁液を1時間撹拌し,室温まで冷やし,冷水に注ぎNaOHでpH>7になるまで中和した。沈殿物をろ過して酢酸エチルで抽出した。合成した抽出物を飽和食塩水で洗い,Na2SO4で乾燥させ。エバポレータで乾固させてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。(収量5.0 g, 収率86 %)
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):3.56 (s, 2 H), 3.85 (s, 3 H), 6.78-6.89 (m, 3 H)
【0027】
3-シアノ-4-メトキシ-N, N-ジメチルアニリン(CMODA) の合成
3-シアノ-4-メトキシアニリン(1.5 g, 10.1 mmol),ヨウ化メチル(1.5 ml, 24.1 mmol)を室温,塩基性条件下,ジメチルスルホキシド中で6時間攪拌した。反応液をチオ硫酸ナトリウム,飽和食塩水で洗浄し,NaSO4で乾燥させ,エバポレータで乾固させてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, TMS, rt):2.89 (s, 6 H), 3.86 (s, 3 H), 6.86-6.92 (m, 3 H)
【化14】

【0028】
Boc-(2-シアノ-4- (N, N-ジメチルアミノ) フェノキシ)アラニン(Boc-CDAPOA)の合成
【化15】

【0029】
下記スキーム2に従ってBoc-CDAPOAの合成を行った。
【化16】

【実施例3】
【0030】
蛍光スペクトルの測定
上記で合成したCMDAとBoc-CDAPAのシクロヘキサン(CH),アセトニトリル(MeCN),エタノール(EtOH),水(H2O)中における吸収極大波長(λabs max),蛍光極大波長(λfluo max),蛍光量子収率(Φf),蛍光寿命(τf)を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
非天然アミノ酸Boc-CDAPAは,蛍光性天然アミノ酸であるトリプトファン,チロシン,フェニルアラニンとほぼ同程度の分子サイズであるにもかかわらず,吸収極大波長,蛍光極大波長が大きく長波長にシフトしている。その結果,CMDAと同様,紫外線照射によりMeCN,EtOH中では,図1に示すように400nmより長波長側に青い蛍光を示す。しかし,水中ではCMDA,Boc-CDAPAともに著しい蛍光消光が起こり,蛍光強度はMeCN,EtOH中に比べて約1/100に減少する。
このような環境応答光特性は,非天然アミノ酸Boc-CDAPAがペプチドやタンパク質の構造と機能を調べるための蛍光プローブとして有用であることを示している。また,CMODAも同様の光特性を有し,しかもさらに長波長部に吸収,蛍光極大がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】CMDA(破線),Boc-CDAPA(実線)の各溶液中における吸収,蛍光スペクトルを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物。
【化1】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示し、Rは炭素数1−10のアルキル基または−CH2CH(NHR2)COOHで表される基(R2は水素もしくはアミノ基の保護基を示す)を示す。
【請求項2】
下記のいずれかである、請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項3】
下記一般式(II)で表される基をタンパク質またはペプチドに導入する工程を含む、蛍光標識タンパク質または蛍光標識ペプチドの製造法。
【化3】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示す。
【請求項4】
下記一般式(III)で表される基をタンパク質またはペプチドに導入する工程を含む、蛍光標識タンパク質または蛍光標識ペプチドの製造法。
【化4】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示す。
【請求項5】
下記一般式(II)で表される基を有する化合物を含む、蛍光標識剤。
【化5】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示す。
【請求項6】
下記一般式(III)で表される基を有する化合物を含む、蛍光標識剤。
【化6】

1は独立して炭素数1−5のアルキル基を示し、nは0または1を示す。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−197406(P2007−197406A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21008(P2006−21008)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】