説明

新規のジアミン誘導体およびこれを用いた有機電子素子

本発明は新規のジアミン誘導体およびこれを用いた有機電子素子に関する。本発明に係るジアミン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電子素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送または発光の役割を果たすことができ、特に単独で発光ドーパント、特に青色ドーパントとしての役割を果たすことができる。本発明に係る有機電子素子は、効率、駆動電圧、寿命および安定性の面に優れた特性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規のジアミン誘導体およびこれを用いた有機電子素子に関する。
【0002】
本出願は2007年4月26日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−0040965号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
有機電子素子とは正孔および電子を用いて電極と有機物との間における電荷交流を必要とする素子をいう。有機電子素子は動作原理によって下記のように大きく二つに分けることができる。第1に、外部の光源から素子に流入された光子によって有機物層からエキシトン(exiton)が形成され、該エキシトンが電子と正孔に分離し、該電子と正孔が各々他の電極に伝えられて電流源(電圧源)として用いられる形態の電子素子である。第2に、二つ以上の電極に電圧または電流を加えて電極と界面をなす有機物半導体に正孔および/または電子を注入し、注入された電子と正孔によって動作する形態の電子素子である。
【0004】
有機電子素子の例としては有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)、有機トランジスタなどが挙げられ、これらは全て素子を駆動するために正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質を必要とする。
【0005】
以下では主に有機発光素子について具体的に説明するが、前記有機電子素子においては正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質が類似する原理によって作用する。
【0006】
一般的に有機発光現象とは有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象をいう。有機発光現象を用いる有機発光素子は、通常、正極と負極およびこれらの間に有機物層を含む構造を有する。ここで、有機物層は有機発光素子の効率と安全性を高めるためにそれぞれ異なる物質からなる多層構造で形成される場合が多く、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなる。このような有機発光素子の構造において、二つの電極の間に電圧を印加すると、正極からは正孔が、負極からは電子が有機物層に注入され、注入された正孔と電子が結合した時にエキシトン(exciton)が形成され、該エキシトンが再び基底状態に落ちる時に光が出る。このような有機発光素子は自発光、高輝度、高効率、低駆動電圧、広視野角、高コントラスト、高速応答性などの特性を有すると知られている。
【0007】
有機発光素子において有機物層として用いられる材料は、機能に応じ、発光材料と電荷輸送材料、例えば、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料などに分類することができる。前記発光材料は、分子量に応じて高分子型と低分子型に分類することができ、発光メカニズムに応じて電子の一重項励起状態から由来する蛍光材料と電子の三重項励起状態から由来する燐光材料に分類することができる。また、発光材料は、発光色に応じ、青色、緑色、赤色の発光材料とより良い天然色を実現するために必要な黄色および橙色の発光材料に区分することができる。
【0008】
一方、発光材料として一つの物質だけを用いる場合、分子間相互作用によって最大発光波長が長波長に移動し、色純度が落ちるか、発光減衰効果により素子の効率が減少する問題が発生するため、色純度の増加とエネルギ転移を介した発光効率を増加させるために、発光材料としてホスト/ドーパント系を用いることができる。その原理は、発光層を形成するホストよりエネルギバンドギャップの小さいドーパントを発光層に少量混合すれば、発光層から発生したエキシトンがドーパントに輸送されて効率の高い光を出す。この時、ホストの波長がドーパントの波長帯に移動するため、用いるドーパントの種類によって所望する波長の光を得ることができる。
【0009】
有機発光素子が前述した優れた特徴を十分に発揮するためには、素子内の有機物層をなす物質、例えば、正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などが安定で効率的な材料からなることが先行しなければならないが、未だに安定で効率的な有機発光素子用有機物層材料の開発が十分に行われていない状態である。したがって、新しい材料の開発が求められ続けられており、このような材料開発の必要性は前述した他の有機電子素子も同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明者らは、新規のジアミン誘導体を合成し、このような化合物を有機電子素子において正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送または発光物質として用いることができ、特に発光層に発光ドーパントとして用いることにより、有機電子素子の効率上昇、駆動電圧の下降、寿命上昇および安定性の上昇効果に優れることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は新規のジアミン誘導体を提供しようとする。
【0012】
また、本発明は前記ジアミン誘導体の製造方法を提供しようとする。
【0013】
また、本発明は前記ジアミン誘導体を含む有機電子素子を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は下記化学式1で示されるジアミン誘導体を提供する。
【0015】
【化1】

【0016】
前記化学式1において、
L1およびL2は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に直接結合であるか、C〜C20のアルキル基、C〜C20のアルケニル基、C〜C20のアルキニル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のヘテロシクロアルキル基、C〜C20のアリール基およびC〜C20のヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の基で置換もしくは非置換されたC〜C20のアリーレン基;またはC〜C20のアルキル基、C〜C20のアルケニル基、C〜C20のアルキニル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のヘテロシクロアルキル基、C〜C20のアリール基およびC〜C20のヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の基で置換もしくは非置換されたC〜C20のヘテロアリーレン基であり;
Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、ハロゲン、CN,NO、C〜C20のアルキル基、C〜C20のアルコキシ基、C〜C20のアリール基、C〜C20のヘテロアリール基、C〜C20のアリールアミン基、C〜C20のアリールチオフェン基、C〜C20のシクロアルキル基、−OR、−SR、−SeR、−TeR、−BRR’、−AlRR’、−SiRR’R’’、−GeRR’R’’、または−SnRR’R’’で置換もしくは非置換されたC〜C30のアリール基;O、NまたはSを含むC〜C20の複素環基;またはC〜C20のアルキレン基がC〜C20のアリール基に接合(fused)して縮合環を形成した基であり、ここで、R、R’およびR’’は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るジアミン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電子素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送、または発光物質の役割を果たすことができ、特に単独で発光ドーパント、特に青色ドーパントとしての役割を果たすことができる。本発明に係る有機電子素子は、効率、駆動電圧、寿命および安定性の面に優れた特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施状態による有機発光素子の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0020】
本発明は前記化学式1で示されるジアミン誘導体を提供する。
【0021】
前記化学式1で示されるジアミン誘導体は、下記化学式2〜化学式6のうちのいずれか一つで示されることが好ましい。
【0022】
【化2】

【0023】
【化3】

【0024】
【化4】

【0025】
【化5】

【0026】
【化6】

【0027】
前記化学式2〜化学式6において、L1、L2、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4の定義は前記化学式1と同様である。
【0028】
前記化学式1〜化学式6において、L1およびL2は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に直接結合であるか、フェニレン基およびナフチレン基からなる群から選択されたものが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。
【0029】
前記化学式1〜化学式6において、Ar1およびAr3は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、および−SiRR’R’’または−GeRR’R’’で置換されたフェニル基からなる群から選択されたものが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。ここで、R、R’、およびR’’は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基である。
【0030】
前記化学式1〜化学式6において、Ar2およびAr4は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、−SiRR’R’’または−GeRR’R’’で置換されたフェニル基、Sを含むC〜C20の複素環基、C〜C20のアリールアミン基、およびC〜C20のアリール基からなる群から選択されたものが好ましいが、これらだけに限定されるものではない。ここで、R、R’、およびR’’は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基である。
【0031】
前記化学式1〜化学式6のL1、L2、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4として好ましい例示を下記表1に示すが、これらだけに限定されるものではない。
【0032】
前記化学式2〜化学式6と下記表1に例示された基との組み合わせにより、色々な種類の誘導体を形成することができる。例えば、化学式2と下記表1の基1が用いられる化合物を化合物2−1と称する。
【0033】
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【表1D】

【表1E】

【表1F】

【表1G】

【表1H】

【表1I】

【表1J】

【表1K】

【表1L】

【表1M】

【表1N】

【表1O】

【表1P】

【表1Q】

【表1R】

【表1S】

【表1T】

【表1U】

【表1V】

【表1W】

【表1X】

【表1Y】

【表1Z】

【表1AA】

【表1AB】

【表1AC】

【表1AD】

【表1AE】

【表1AF】

【表1AG】

【表1AH】

【表1AI】

【表1AJ】

【表1AK】

【表1AL】

【表1AM】

【0034】
また、本発明は前記化学式1で示されるジアミン誘導体の製造方法を提供する。
【0035】
本発明に係るジアミン誘導体は、ジブロモアリール化合物とアリールアミン化合物をパラジウム触媒下で反応させて製造することができる。具体的な製造方法は後述する製造例に記載されている。
【0036】
また、本発明は前記化学式1で示されるジアミン誘導体を含む有機電子素子を提供する。
【0037】
本発明に係るジアミン誘導体は、有機発光素子をはじめとする有機電子素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送、または発光物質の役割を果たすことができ、特に単独で発光ドーパント、特に青色ドーパントとしての役割を果たすことができる。本発明に係る有機電子素子は、効率、駆動電圧、寿命および安定性の面に優れた特性を示す。
【0038】
本発明の有機電子素子は、前述した化合物を用いて1層以上の有機物層を形成することを除いては、通常の有機電子素子の製造方法および材料によって製造することができる。
【0039】
以下、有機発光素子について例示する。
【0040】
前述した本発明の化合物は、有機発光素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送、または発光物質の役割を果たすことができ、特に単独で発光物質の役割を果たすことができるだけでなく、適切な発光ドーパントと共に発光ホスト、または適切な発光ホストと共に発光ドーパントの役割を果たすことができる。
【0041】
本発明の一実施状態において、有機発光素子は、第1電極と第2電極およびその間に配置された有機物層を含む構造からなり、前述した本発明に係る化合物を有機発光素子の有機物層のうちの1層以上に用いることを除いては、通常の有機発光素子の製造方法および材料を用いて製造することができる。本発明に係る有機発光素子の構造は図1に例示されている。
【0042】
例えば、本発明に係る有機発光素子は、スパッタリング(sputtering)や電子ビーム蒸発(e−beam evaporation)のようなPVD(physical vapor deposition)方法を利用し、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着して正極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に負極として用いることのできる物質を蒸着することによって製造することができる。通常、このような構造の有機発光素子を正方向構造の有機発光素子といい、本発明は、これに限定されず、逆方向構造の有機発光素子も含む。すなわち、本発明の有機発光素子は、基板上に負極物質から有機物層、正極物質を順に蒸着して有機発光素子を製造することもできる。
【0043】
前記有機物層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層などを含む多層構造であってもよいが、これに限定されるず、単層構造であってもよい。また、前記有機物層は様々な高分子素材を用いて、蒸着法ではない溶媒工程(solvent process)、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、スクリーン印刷、インクジェット印刷または熱転写法などの方法により、より少ない数の層に製造することができる。
【0044】
通常、前記正極物質としては有機物層への正孔注入が円滑になるように仕事関数の大きい物質が好ましい。本発明に用いられる正極物質の具体的な例としてはバナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール、およびポリアニリンのような導電性高分子などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0045】
通常、前記負極物質としては有機物層への電子注入が容易になるように仕事関数の小さい物質が好ましい。負極物質の具体的な例としてはマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造物質などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0046】
前記正孔注入物質としては、低い電圧において正極から正孔の注入を円滑に受ける物質であって、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が正極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては金属ポルフィリン(porphyrine)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0047】
前記正孔輸送物質としては、正極や正孔注入層から正孔の輸送を受けて発光層に移せる物質であって、正孔に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としてはアリールアミン系の有機物、導電性高分子、共役部分と非共役部分が共に存在するブロック共重合体などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0048】
前記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子の輸送を各々受けて結合させることによって可視光線領域の光を出せる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体的な例としては8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系化合物;二量化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾールおよびベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0049】
前記電子輸送物質としては、負極から電子の注入を円滑に受けて発光層に移せる物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0050】
本発明に係る有機発光素子は、用いられる材料により、前面発光型、背面発光型または両面発光型であり得る。
【0051】
本発明に係る化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどをはじめとする有機電子素子においても、有機発光素子に適用されるのと類似する原理によって作用することができる。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。但し、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるだけのものに過ぎず、それによって本発明の範囲が限定されるものではない。
本発明に係る化学式1の化合物は多段階の化学反応により製造することができる。前記化合物の製造は下記実施例によって記述される。実施例に示すように、先ず、一部の中間体化合物が製造され、その中間体化合物から化学式1の化合物が製造される。中間体化合物の例としては以下の化合物A〜Yである。これらの化合物において、BrまたはClは任意の他の反応性原子または官能基で置換されてもよい。
【0053】
【化7A】

【化7B】

【0054】
<製造例1>化合物Aの製造
冷却下において、1,5−ジアミノナフタレン(12g、75.9mmol)をHO(300mL)と濃い硫酸(20mL)に溶かした。HO(300mL)に溶かしたNaNOを徐々に滴加した後、0℃で45分間攪拌した。反応混合液を濾過した後、濾過液にCuBr(30g、52.3mmol)、HBr(48%、450mL)、HO(450mL)を添加した。この反応溶液を0℃で1時間、室温で2時間攪拌した後、70℃で30分間再び攪拌した。この反応溶液をベンゼンで層分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸留後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物A(5.9g、27%)を得た。
MS:[M]=286。
【0055】
<製造例2>化合物Bの製造
気流下において、1,5−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)、4−ブロモフェニルボロン酸(3.5g、17.5mmol)、Pd(PPh(1.0g、0.88mmol)を2M KCO水溶液(10mL)とTHF(tetrahydrofuran、200mL)に入れ、約24時間還流攪拌した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液から有機層を層分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物B(3.16g、50%)を得た。
MS:[M]=362。
【0056】
<製造例3>化合物Cの製造
気流下において、1,5−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(6.6g、42.0mmol)、Pd(PPh(1.0g、0.87mmol)を2M KCO水溶液(20mL)とTHF(200mL)に入れ、約24時間還流攪拌した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液から有機層を層分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、THF/EtOHで精製して化合物C(5.9g、97%)を得た。
MS:[M+H]=348。
【0057】
<製造例4>化合物Dの製造
製造例2において、1,5−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)の代わりに1,4−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)を用いたことを除いては、製造例2と同じ方法により化合物D(3.16g、50%)を得た。
MS:[M]=362。
【0058】
<製造例5>化合物Eの製造
製造例3において、1,5−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)の代わりに1,4−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)を用いたことを除いては、製造例3と同じ方法により化合物E(5.9g、97%)を得た。
MS:[M]=348。
【0059】
<製造例6>化合物Fの製造
製造例2において、1,5−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)の代わりに2,6−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)を用いたことを除いては、製造例2と同じ方法により化合物F(3.16g、50%)を得た。
MS:[M]=362。
【0060】
<製造例7>化合物Gの製造
製造例3において、1,5−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)の代わりに2,6−ジブロモナフタレン(5g、17.5mmol)を用いたことを除いては、製造例3と同じ方法により化合物G(5.9g、97%)を得た。
MS:[M]=348。
【0061】
<製造例8>化合物Hの製造
化合物2−チオフェンボロン酸(10g、78.1mmol)とブロモベンゼン(7.48mL、70.3mmol)を無水THF(300mL)に溶かした後、Pd(PPh(4.51g、3.91mmol)とKCO水溶液(156mL、312.4mmol)を入れ、3時間還流した。有機層をエチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウムで水分を除去した。有機層を減圧濾過した後に濃縮して溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製した後、THFとエタノールで再結晶して白色固体化合物(10g、80%)を得た。
MS:[M+H]=161。
【0062】
上記で製造した白色固体化合物(5g、31.3mmol)を無水THF(200mL)に溶かした後、−10℃までに温度を下げ、n−ブチルリチウム(15mL、37.5mmol)を徐々に滴加した。1時間攪拌し、再び−78℃までに温度を下げた後、ボロン酸トリメチルエステル(10.5mL、93.75mmol)を徐々にいれ、12時間攪拌した。0℃までに温度を下げた後、2N塩酸水溶液(16mL)を入れて攪拌し、白色沈殿を得た。有機層をTHFで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した後に減圧濾過した。この濾過液を濃縮して溶媒を除去し、THFに溶かした後、過量の水溶液を入れ、ジメチルクロロメタンで有機層を分離した。分離した水溶液層に塩酸水溶液を加えて沈殿物を生成した後に濾過し、化合物(2.7g、42%)を得た。
【0063】
3−ブロモヨードベンゼン(3.5g、12.3mmol)と上記で製造した化合物(2.5g、12.3mmol)を無水THF(100mL)に溶かし、Pd(PPh(0.71g、0.61mmol)を入れ、KCO(3.4g、24.6mmol)をHO(50mL)に溶かし入れた後、攪拌しながら還流した。3時間後、塩水で洗浄し、有機層をエチルアセテートで抽出した。硫酸マグネシウムで水分を除去し、減圧濾過した後に濃縮して溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで分離して化合物H(2.9g、75%)を得た。
MS:[M+H]=315。
【0064】
<製造例9>化合物Iの製造
アニリン(aniline、10ml、109.74mmol)と前記製造例8の化合物H(34.5g、109.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium−t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物I(15g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=327。
【0065】
<製造例10>化合物Jの製造
窒素雰囲気下において、アニリン(aniline、10ml、109.74mmol)と4−ブロモビフェニル(4−bromo biphenyl、25.6g、109.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物J(15g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=245。
【0066】
<製造例11>化合物Kの製造
1−アミノナフタレン(1−aminonaphthalene、7.4g、51.48mmol)と4−ブロモビフェニル(4−bromobiphenyl、12g、51.48mmol)をトルエン200mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、0.89g、1.54mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、0.60ml、1.54mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、9.90g、103.0mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=15/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテルに攪拌した後に真空乾燥し、化合物K(6.3g、収率42%)を得た。
MS:[M+H]=295。
【0067】
<製造例12>化合物Lの製造
窒素雰囲気下において、N,N−ジフェニルアミン4.18g(24.7mmol)と1−ブロモ−4−クロロフェニル4.72g(24.7mmol)をトルエン200mlに溶解し、ナトリウム−t−ブトキシド5.94g(61.8mmol)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)0.43g(0.74mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィントルエン溶液0.61ml(1.24mmol)を添加した後、窒素気流下で5時間還流した。反応溶液に蒸留水を入れて反応を終了させ、有機層を抽出した。ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム分離した後、石油エーテルに攪拌した後に真空乾燥し、化合物L(2.9g、収率42%)を得た。
MS:[M+H]=279。
【0068】
<製造例13>化合物Mの製造
4−アミノビフェニル(30.5g、180.17mmol)と4−ブロモビフェニル(40g、171.59mmol)をトルエン500mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、2.07g、3.60mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(2.2ml、5.41mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(51.94g、540.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=15/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテルに攪拌した後に真空乾燥し、化合物M(32g、収率58%)を得た。
MS:[M+H]=321。
【0069】
<製造例14>化合物Nの製造
アニリン(aniline、10ml、109.74mmol)と前記製造例12で製造した化合物L(30.7g、109.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物N(15g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=336。
【0070】
<製造例15>化合物Oの製造
ジブロモベンゼン(20g、84.78mmol)を室温で窒素雰囲気下において乾燥テトラヒドロフラン(THF、200mL)に溶解した。前記溶液を−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(34mL、2.5Mペンタン溶液)を−78℃で前記溶液に徐々に加え、混合物を約1時間にかけて0℃に徐々に上げた。これに、トリメチルゲルマニウムブロミド(trimethylgerumanium bromide;18ml、101.74mmol)を入れ、1時間にかけて常温に上げた。反応が完結したのを確認し、混合物をエチルアセテートで抽出した後、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で分別蒸留して化合物Oを得た(20g、90%)。
MS:(M+)=273。
【0071】
<製造例16>化合物Pの製造
窒素雰囲気下において、化合物O(18g、65.45mmol)、アニリン(6.6ml、72mmol)、Pd(dba)(0.125g、0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g、0.2mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(1.80g、18.7mmol)をトルエン(200mL)に入れ、3時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物P(16g、85%)を得た。
MS:[M]=286。
【0072】
<製造例17>化合物Qの製造
ジブロモベンゼン(20g、84.78mmol)を室温で窒素雰囲気下において乾燥テトラヒドロフラン(THF、200mL)に溶解した。前記溶液を−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(34mL、2.5Mペンタン溶液)を−78℃で前記溶液に徐々に加え、混合物を約1時間にかけて0℃に徐々に上げた。ここに、クロロトリメチルシラン(chloro trimethylsilane;13ml、101.74mmol)を入れ、1時間にかけて常温に上げた。反応が完結したのを確認し、混合物をエチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下で分別蒸留して化合物Qを得た(18g、93%)。
MS:(M+)=229。
【0073】
<製造例18>化合物Rの製造
窒素雰囲気下において、化合物Q(15g、65.45mmol)、アニリン(6.6ml、72mmol)、Pd(dba)(0.125g、0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g、0.2mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(1.80g、18.7mmol)をトルエン(200mL)に入れ、3時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物R(15g、86%)を得た。
MS:[M]=143。
【0074】
<製造例19>化合物Sの製造
気流下において、1,5−ジボロネートナフタレン(6.65g、17.5mmol)、2,6−ジブロモフェニル(10g、35.0mmol)、Pd(PPh(1.0g、0.87mmol)を2M KCO水溶液(20mL)とTHF(200mL)に入れ、約24時間還流攪拌した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液から有機層を層分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物S(2.8g、30%)を得た。
MS:[M+H]=538。
【0075】
<製造例20>化合物Tの製造
アニリン(aniline、10ml、109.74mmol)と1−ブロモピレン(30.84g、109.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物T(18.3g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=298。
【0076】
<製造例21>化合物Uの製造
アニリン(aniline、10ml、109.74mmol)と1−ブロモペリレン(36.33g、109.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物U(20g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=331。
【0077】
<製造例22>化合物Vの製造
窒素雰囲気下において、4−クロロビフェニル−N,N−ジフェニルアミン4.00g(11.2mmol)とアニリン1.13ml(12.4mmol)をトルエン100mlに溶解し、ナトリウム−t−ブトキシド2.70g(28.1mmol)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)0.13g(0.23mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィントルエン溶液0.17ml(0.34mmol)を添加した後、窒素気流下で5時間還流した。反応溶液に蒸留水を入れて反応を終了させ、有機層を抽出した。ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム分離した後、石油エーテルに攪拌した後に真空乾燥し、化合物V(3.8g、収率81%)を得た。
MS:[M+H]=412。
【0078】
<製造例23>化合物Wの製造
窒素雰囲気下において、4−クロロビフェニル−N,N−ジフェニルアミン8.80g(24.7mmol)と4−アミノビフェニル6.28g(37.1mmol)をトルエン200mlに溶解し、ナトリウム−t−ブトキシド5.94g(61.8mmol)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)0.43g(0.74mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィントルエン溶液0.61ml(1.24mmol)を添加した後、窒素気流下で5時間還流した。反応溶液に蒸留水を入れて反応を終了させ、有機層を抽出した。ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム分離した後、石油エーテルに攪拌した後に真空乾燥し、化合物W(7.0g、収率58%)を得た。
MS:[M+H]=489。
【0079】
<製造例24>化合物Xの製造
窒素雰囲気下において、4−アミノビフェニル6.28g(37.1mmol)と4−クロロフェニル−N,N−(1−ナフチル)フェニルアミン8.12g(24.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物X(6.39g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=462。
【0080】
<製造例25>化合物Yの製造
1−アミノナフタレン(16.37g、109.74mmol)と前記製造例8の化合物H(34.5g、109.7mmol)をトルエン300mlに溶解した後、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)(Pd(dba)、1.26g、2.20mmol)、50wt%トリ−t−ブチルホスフィン(tri−t−butylphosphine、1.30ml、3.29mmol)とナトリウム−t−ブトキシド(sodium t−butoxide、21.09g、219.5mmol)を添加した。窒素気流下で2時間還流した後に反応溶液に蒸留水を入れ、反応を終結した。有機層を抽出し、ノルマルヘキサン/テトラヒドロフラン(n−hexane/THF=10/1)展開溶媒でカラム分離し、石油エーテル(pet.Ether)に攪拌した後に真空乾燥し、化合物Y(23g、収率56%)を得た。
MS:[M+H]=377。
【0081】
<実施例1>化合物2−1の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例1で製造した化合物A(2.4g、8.5mmol)、前記製造例18で製造した化合物R(2.9g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(100mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−1(3.19g、62%)を得た。
MS:[M]=606。
【0082】
<実施例2>化合物2−6の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例1で製造した化合物A(2.4g、8.5mmol)、前記製造例16で製造した化合物P(5.83g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(100mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−6(3.64g、60%)を得た。
MS:[M]=696。
【0083】
<実施例3>化合物2−12の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例1で製造した化合物A(2.4g、8.5mmol)、前記製造例8で製造した化合物H(6.43g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(100mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−12(4.29g、65%)を得た。
MS:[M]=778。
【0084】
<実施例4>化合物2−52の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(100mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−52(3.64g、60%)を得た。
MS:[M]=690。
【0085】
<実施例5>化合物3−52の製造
実施例4において、前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)の代わりに前記製造例6で製造した化合物F(3.07g、8.5mmol)を用いたことを除いては、実施例4と同じ方法により化合物3−52(3.64g、60%)を得た。
MS:[M]=690。
【0086】
<実施例6>化合物4−52の製造
実施例4において、前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)の代わりに前記製造例4で製造した化合物D(3.07g、8.5mmol)を用いたことを除いては、実施例4と同じ方法により化合物4−52(3.64g、60%)を得た。
MS:[M]=690。
【0087】
<実施例7>化合物2−64の製造
実施例3において、前記製造例1で製造した化合物A(2.43g、8.5mmol)の代わりに前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)を用いたことを除いては、実施例3と同じ方法により化合物2−64(4.5g、62%)を得た。
MS:[M]=854。
【0088】
<実施例8>化合物2−68の製造
実施例4において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例20で製造した化合物T(6.08g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例4と同じ方法により化合物2−68(4.01g、60%)を得た。
MS:[M]=786。
【0089】
<実施例9>化合物2−70の製造
実施例4において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例21で製造した化合物U(7.00g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例4と同じ方法により化合物2−70(3.77g、50%)を得た。
MS:[M]=886。
【0090】
<実施例10>化合物2−78の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)、前記製造例13で製造した化合物M(6.56g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(150mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−78(4.65g、65%)を得た。
MS:[M]=842。
【0091】
<実施例11>化合物3−78の製造
実施例10において、前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)の代わりに前記製造例6で製造した化合物F(3.07g、8.5mmol)を用いたことを除いては、実施例10と同じ方法により化合物3−78(3.64g、60%)を得た。
MS:[M]=842。
【0092】
<実施例12>化合物4−78の製造
実施例10において、前記製造例2で製造した化合物B(3.07g、8.5mmol)の代わりに前記製造例4で製造した化合物D(3.07g、8.5mmol)を用いたことを除いては、実施例10と同じ方法により化合物4−78(3.64g、60%)を得た。
MS:[M]=842。
【0093】
<実施例13>化合物2−104の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例3で製造した化合物C(2.96g、8.5mmol)、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(150mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−104(4.23g、65%)を得た。
MS:[M]=766。
【0094】
<実施例14>化合物2−113の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例3で製造した化合物C(2.96g、8.5mmol)、前記製造例13で製造した化合物M(6.56g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(150mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−113(5.07g、65%)を得た。
MS:[M]=918。
【0095】
<実施例15>化合物2−119の製造
実施例13において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例20で製造した化合物T(6.08g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例13と同じ方法により化合物2−119(4.39g、60%)を得た。
MS:[M]=862。
【0096】
<実施例16>化合物2−121の製造
実施例13において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例21で製造した化合物U(7.00g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例13と同じ方法により化合物2−121(4.08g、50%)を得た。
MS:[M]=962。
【0097】
<実施例17>化合物2−125の製造
実施例13において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例22で製造した化合物V(8.41g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例13と同じ方法により化合物2−125(6.08g、65%)を得た。
MS:[M]=1100。
【0098】
<実施例18>化合物2−127の製造
実施例13において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例24で製造した化合物X(9.44g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例13と同じ方法により化合物2−127(6.12g、60%)を得た。
MS:[M]=1200。
【0099】
<実施例19>化合物2−131の製造
実施例13において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例25で製造した化合物Y(7.70g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例13と同じ方法により化合物2−131(5.25g、60%)を得た。
MS:[M]=1030。
【0100】
<実施例20>化合物2−155の製造
窒素雰囲気下において、前記製造例19で製造した化合物S(4.58g、8.5mmol)、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)、Pd(dba)(0.097g、0.17mmol)、P(t−Bu)(0.05g、0.255mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド(2.45g、25.5mmol)をトルエン(150mL)に入れ、2時間ほど還流した。反応が終わった後に常温に冷却し、反応混合液をTHFとHOの混合液に入れた。有機層を層分離し、MgSOで乾燥した後に濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後に化合物2−155(4.78g、65%)を得た。
MS:[M]=866。
【0101】
<実施例21>化合物2−179の製造
実施例13において、前記製造例10で製造した化合物J(5.00g、20.4mmol)の代わりに前記製造例13で製造した化合物M(6.56g、20.4mmol)を用いたことを除いては、実施例13と同じ方法により化合物2−179(5.19g、60%)を得た。
MS:[M]=1018。
【0102】
<実験例1>
ITO(インジウムスズ酸化物)が1,000Å厚さで薄膜コーティングされたガラス基板(corning 7059 glass)を、分散剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。分散剤としてはFischer社製を用い、蒸留水としてはMillipore社製のフィルタ(Filter)で2次濾過した蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノール溶剤の順に超音波洗浄して乾燥した後、プラズマ洗浄機に輸送し、酸素プラズマを利用して前記基板を5分間洗浄した後に真空蒸着機に基板を輸送した。
【0103】
前記ITO電極上に3,6−ビス−2−ナフチルフェニルアミノ−N−[4−(2−ナフチルフェニル)アミノフェニル]カルバゾール(800Å)および4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)(300Å)を蒸着して正孔注入層および正孔輸送層を形成し、前記実施例1で製造した化合物2−1(2wt%)を下記化合物Zと共に(300Å)蒸着して発光層を形成した後、9,10−ビス−2−ナフチル−2−[4−(N−フェニルベンゾイミダゾイル)フェニル]アントラセン(300Å)を熱真空蒸着して電子輸送層を順に形成した。
【0104】
前記電子輸送層上に12Å厚さのフッ化リチウム(LiF)と2,000Å厚さのアルミニウムを順次蒸着して負極を形成して有機発光素子を製造した。
【0105】
前記過程において、有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、負極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時における真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持した。
【0106】
前記で製造された有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において、1931 CIE color coordinateを基準にx=0.170、y=0.150に該当する4.9cd/Aの青色発光が観察された。
【0107】
【化8】

【0108】
<実験例2>
前記実験例1において、化合物2−1の代わりに実施例8で製造した化合物2−68を用いたことを除いては、前記実験例1と同じ方法により有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に7.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において、1931 CIE color coordinateを基準にx=0.170、y=0.151に該当する4.7cd/Aの青色発光が観察された。
【0109】
<実験例3>
前記実験例1において、化合物2−1の代わりに実施例9で製造した化合物2−70を用いたことを除いては、前記実験例1と同じ方法により有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に7.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において、1931 CIE color coordinateを基準にx=0.171、y=0.153に該当する4.8cd/Aの青色発光が観察された。
【0110】
<実験例4>
前記実験例1において、化合物2−1の代わりに実施例15で製造した化合物2−119を用いたことを除いては、前記実験例1と同じ方法により有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に7.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において、1931 CIE color coordinateを基準にx=0.171、y=0.153に該当する4.9cd/Aの青色発光が観察された。
【0111】
<実験例5>
前記実験例1において、化合物2−1の代わりに実施例16で製造した化合物2−121を用いたことを除いては、前記実験例1と同じ方法により有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において、1931 CIE color coordinateを基準にx=0.172、y=0.153に該当する4.8cd/Aの青色発光が観察された。
【0112】
<実験例6>
前記実験例1において、化合物2−1の代わりに実施例21で製造した化合物2−179を用いたことを除いては、前記実験例1と同じ方法により有機発光素子を製造した。
前記で製造された有機発光素子に7.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において、1931 CIE color coordinateを基準にx=0.173、y=0.152に該当する4.9cd/Aの青色発光が観察された。
【0113】
<実験例7>
上記のように準備したITO透明電極上に下記化学式の化合物であるヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene:以下、HATという)を500Å厚さで熱真空蒸着して、ITO導電層およびN型有機物を有する正極を形成した。
【0114】
【化9】

【0115】
前記層上に前記実施例4で製造した化合物2−52(400Å)を真空蒸着して正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層上にAlqを300Å厚さで真空蒸着して発光層を形成した。前記発光層上に下記化学式の電子輸送層物質を200Å厚さで蒸着して電子輸送層を形成した。
【0116】
【化10】

【0117】
前記電子輸送層上に12Å厚さのフッ化リチウム(LiF)と2,000Å厚さのアルミニウムを順次蒸着して負極を形成した。
前記過程において、有機物の蒸着速度は0.3〜0.8Å/secを維持した。また、負極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは1.5〜2.5Å/secの蒸着速度を維持した。蒸着時における真空度は1×10−7〜3×10−7を維持した。
【0118】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.54Vの電界を示し、1.89lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、正孔注入層と発光層との間に層を形成した前記実施例4の化合物2−52が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0119】
<実験例8>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例11で製造した化合物3−78を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0120】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.52Vの電界を示し、1.91lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物3−78が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0121】
<実験例9>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例12で製造した化合物4−78を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0122】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.53Vの電界を示し、1.90lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物4−78が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0123】
<実験例10>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例13で製造した化合物2−104を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0124】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.50Vの電界を示し、1.89lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物2−104が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0125】
<実験例11>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例14で製造した化合物2−113を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0126】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.31Vの電界を示し、1.98lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物2−113が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0127】
<実験例12>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例17で製造した化合物2−125を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0128】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.52Vの電界を示し、1.91lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物2−125が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0129】
<実験例13>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例18で製造した化合物2−127を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0130】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.53Vの電界を示し、1.90lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物2−127が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0131】
<実験例14>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例19で製造した化合物2−131を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0132】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.31Vの電界を示し、1.96lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物2−131が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0133】
<実験例15>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに実施例20で製造した化合物2−155を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0134】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.52Vの電界を示し、1.91lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。このように素子が前記駆動電圧において作動して発光をするということは、前記基板上に形成した薄膜と正孔輸送層との間に層を形成した前記化合物2−155が正孔輸送の役割をするということを示す。
【0135】
<比較実験例1>
前記実験例7において、正孔輸送層として用いた化合物2−52の代わりに、既に商用化された下記構造式のNPB物質を用いたことを除いては同一の素子を製作した。
【0136】
【化11】

【0137】
製造された素子は順方向電流密度100mA/cmにおいて4.82Vの電界を示し、1.87lm/Wの光効率を示すスペクトルが観察された。
【0138】
上記のように、本発明に係るジアミン誘導体は、有機電子素子において低電圧、高効率などの効果を示すことを確認することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で示されるジアミン誘導体:
【化1】

前記化学式1において、
L1およびL2は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に直接結合であるか、C〜C20のアルキル基、C〜C20のアルケニル基、C〜C20のアルキニル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のヘテロシクロアルキル基、C〜C20のアリール基およびC〜C20のヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の基で置換もしくは非置換されたC〜C20のアリーレン基;またはC〜C20のアルキル基、C〜C20のアルケニル基、C〜C20のアルキニル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のヘテロシクロアルキル基、C〜C20のアリール基およびC〜C20のヘテロアリール基からなる群から選択された一つ以上の基で置換もしくは非置換されたC〜C20のヘテロアリーレン基であり;
Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、ハロゲン、CN,NO、C〜C20のアルキル基、C〜C20のアルコキシ基、C〜C20のアリール基、C〜C20のヘテロアリール基、C〜C20のアリールアミン基、C〜C20のアリールチオフェン基、C〜C20のシクロアルキル基、−OR、−SR、−SeR、−TeR、−BRR’、−AlRR’、−SiRR’R’’、−GeRR’R’’、または−SnRR’R’’で置換もしくは非置換されたC〜C30のアリール基;O、NまたはSを含むC〜C20の複素環基;またはC〜C20のアルキレン基がC〜C20のアリール基に接合(fused)して縮合環を形成した基であり、ここで、R、R’およびR’’は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基である。
【請求項2】
前記化学式1が下記化学式2〜化学式6のうちのいずれか一つで示されることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

前記化学式2〜化学式6において、L1、L2、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4の定義は前記化学式1と同様である。
【請求項3】
前記化学式1のL1およびL2は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に直接結合であるか、フェニレン基およびナフチレン基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体。
【請求項4】
前記化学式1のAr1およびAr3は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、および−SiRR’R’’または−GeRR’R’’で置換されたフェニル基からなる群から選択され、ここで、R、R’、およびR’’は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基であることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体。
【請求項5】
前記化学式1のAr2およびAr4は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、−SiRR’R’’または−GeRR’R’’で置換されたフェニル基、Sを含むC〜C20の複素環基、C〜C20のアリールアミン基、およびC〜C20のアリール基からなる群から選択され、ここで、R、R’、およびR’’は互いに同じであるか異なってもよく、各々独立に、水素、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、C〜C20のアリール基またはC〜C20の複素環基であることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体。
【請求項6】
前記化学式1のL1、L2、Ar1、Ar2、Ar3、およびAr4は、下記表1の基のうちから選択されることを特徴とする、請求項1に記載のジアミン誘導体:
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【表1D】

【表1E】

【表1F】

【表1G】

【表1H】

【表1I】

【表1J】

【表1K】

【表1L】

【表1M】

【表1N】

【表1O】

【表1P】

【表1Q】

【表1R】

【表1S】

【表1T】

【表1U】

【表1V】

【表1W】

【表1X】

【表1Y】

【表1Z】

【表1AA】

【表1AB】

【表1AC】

【表1AD】

【表1AE】

【表1AF】

【表1AG】

【表1AH】

【表1AI】

【表1AJ】

【表1AK】

【表1AL】

【表1AM】

【請求項7】
第1電極、第2電極、および前記第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層を含む有機電子素子であって、前記有機物層のうちの1層以上は請求項1〜6のうちのいずれか一項のジアミン誘導体を含むことを特徴とする有機電子素子。
【請求項8】
前記有機電子素子は、基板上に正極、1層以上の有機物層および負極が順次積層された正方向構造であることを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項9】
前記有機電子素子は、基板上に負極、1層以上の有機物層および正極が順次積層された逆方向構造であることを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項10】
前記有機物層は正孔注入層、正孔輸送層および正孔注入および正孔輸送を同時に行う層のうちの1層以上の層を含み、前記層のうちの1層が化学式1のジアミン誘導体を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項11】
前記有機物層は発光層を含み、前記発光層が化学式1のジアミン誘導体を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項12】
前記有機物層は電子輸送層を含み、前記電子輸送層が化学式1のジアミン誘導体を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。
【請求項13】
前記有機電子素子は、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)および有機トランジスタからなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の有機電子素子。

【図1】
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【公表番号】特表2010−525054(P2010−525054A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506071(P2010−506071)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002380
【国際公開番号】WO2008/133459
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】