説明

新規ピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩

【課題】Chk1阻害活性を有し、優れた抗腫瘍効果を示す新規なピロロカルバゾールジオン化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)
【化1】



[式中、R1は水素原子、又はヒドロキシル基を示し、
R2は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基を示し、
R3は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。]
で表されるピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたChk1阻害活性を有し抗腫瘍剤として有用な新規ピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩に関するものである。
【背景技術】
【0002】
細胞周期は、一般的にギャップ期(G1期)、DNA合成を行うS期、RNAやタンパク合成を行う2番目のギャップ期(G2期)、及び有糸分裂期であるM期の4つの部分に分類される。細胞には、これらの細胞周期が正しく機能しているかを監視し、異常がある場合には細胞周期を停止させる制御機構(チェックポイント)が存在する。
【0003】
チェックポイントキナーゼ1(Chk1)は、DNA損傷に応答したATM(ataxia-telangiectasia mutated)やATR(ATM- and Rad3- related)によりリン酸化され活性化するセリン・スレオニンキナーゼであり、cdc25やCDK1のリン酸化を介して、細胞周期をG2/M期で停止させ、DNA修復を促す(G2/Mチェックポイント)。電離放射線やDNA障害性薬物による癌化学療法においてはChk1活性が上昇しており、細胞周期の停止による薬剤感受性の低下が知られている。Chk1を阻害すると、DNA修復が不完全のままG2/Mチェックポイントを超えることとなり、最終的には細胞分裂不全やアポトーシスに至る。すなわちChk1阻害剤には、抗癌剤の効果増強剤となり得るため、癌化学療法の併用剤として期待がもたれている。
【0004】
Chk1阻害作用を有する化合物として、ピロロカルバゾールジオン化合物が知られていたが、そのChk1阻害作用は十分ではなかった(特許文献1,非特許文献1)。
【特許文献1】特表2006-504632号公報
【非特許文献1】European Journal of Medicinal Chemistry Volume 43 (2008) Pages 282-292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、Chk1阻害活性を有し、優れた抗腫瘍効果を示す新規なピロロカルバゾールジオン化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩が、Chk1阻害活性を有し、かつ優れた抗腫瘍活性を示すことを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、 下記一般式(I)
【0008】
【化1】


[式中、Rは水素原子、又はヒドロキシル基を示し、
R2は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基を示し、
R3は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。]
で表されるピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
【0010】
本発明の医薬組成物において、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、一種単独又は複数種を組み合わせて用いられる。
【0011】
また、本発明は、一般式(I)で表される化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する抗腫瘍剤、もしくは抗腫瘍効果増強剤を提供するものである。
【0012】
本発明の抗腫瘍剤、もしくは抗腫瘍効果増強剤において、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、一種単独又は複数種を組み合わせて用いられる。
【0013】
本発明において、一般式(I)で表される化合物又はその塩は、チェックポイントキナーゼ1阻害剤として有用である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の新規ピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩は、Chk1阻害活性を有し、抗腫瘍剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
新規ピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩
本発明ピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩は、上記一般式(I)で表される新規化合物である。
【0016】
国際公開WO2003/091255号公報は、チェックポイントキナーゼWeelおよびChk1の一方または両方を特異的に阻害する、広範なピロロカルバゾール誘導体を開示している。しかしながら、実施例で開示されているのはピロロカルバゾールジオン化合物の4位にフェニル基を有する化合物のみであり、4位が水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基である本発明化合物の開示はない。
【0017】
本明細書において、ある構造について「置換基を有してもよい」という場合には、当該構造上の化学的に可能な位置に1個又は2個以上の「置換基」を有する場合があることを意味する。
【0018】
当該構造に存在する置換基の種類、置換基の個数、置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。「置換基」としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6アルキル基、炭素数3〜7シクロアルキル基、炭素数2〜6アルケニル基、炭素数1〜6アルコキシ基、ヒドロキシカルボニル基、アミノカルボニル基、スルホン酸基、アルキルスルホニル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、カルボニルアミノ基、アシル基、オキソ基、飽和又は不飽和複素環基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基等が例示され、上記置換基が存在する場合、その個数は典型的には1〜3個、例えば1〜2個である。
【0019】
一般式(I)中、R2で示される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基」の「炭素数1〜6アルキル基」は、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6アルキル基を示し、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が例示され、好ましくはメチル基、又はエチル基である。
【0020】
一般式(I)中、R2で示される「置換基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基」の「置換基」としては、上記の置換基が例示され、好ましくはヒドロキシル基、又は炭素数6〜14の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはヒドロキシル基、又はフェニル基である。
【0021】
一般式(I)中、R3で示される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」の「芳香族炭化水素基」は、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を示し、フェニル基、ナフチル基が例示され、好ましくはフェニル基である。
【0022】
一般式(I)中、R3で示される「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」の「置換基」としては、上記の置換基、好ましくは-(CH2)n-Raまたは-CONH(CH2)n-Ra(式中、nは2〜4の整数を示し、Raはアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、グアニジノ基、アルキルスルホニルアミノ基またはスルファモイルアミノ基を示す。)で表される基が例示され、より好ましくは、アミノ炭素数1〜6アルキル基、カルバモイル基、N-(アミノ炭素数1〜6アルキル)アミノカルボニル基、N-(グアニジノ炭素数1〜6アルキル)アミノカルボニル基、N-(炭素数1〜6アルキルスルホニル炭素数1〜6アルキル)アミノカルボニル基、N-(スルファモイルアミノ炭素数1〜6アルキル)アミノカルボニル基等が挙げられる。
【0023】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。
【0024】
炭素数3〜7シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられ、好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
【0025】
炭素数2〜6アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、1-ペンテニル基、1-ヘキセニル基などの直鎖又は分枝を有する炭素数2〜6アルケニル基が挙げられる。
【0026】
炭素数1〜6アルコキシ基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6アルコキシ基を示し、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、n-ヘキシル基等が例示され、好ましくはメトキシ基、又はエトキシ基である。
【0027】
アルキルスルホニル基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6アルキルスルホニル基を示し、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、iso-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、n-ヘキシルスルホニル基等が例示され、好ましくはメチルスルホニル基、又はエチルスルホニル基である。
【0028】
モノ又はジアルキルアミノ基としては、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜6モノ又はジ(炭素数1〜6アルキル)アミノ基、例えばモノ又はジメチルアミノ基、モノ又はジエチルアミノ基、モノ又はジn-プロピルアミノ基、モノ又はジイソプロピルアミノ基、モノ又はジn-ブチルアミノ基、モノ又はジiso-ブチルアミノ基、モノ又はジtert-ブチルアミノ基、モノ又はジn-ペンチルアミノ基、モノ又はジn-ヘキシルアミノ基等が例示され、好ましくはモノ又はジメチルアミノ基、又はモノ又はジエチルアミノ基である。
【0029】
アシル基としては、ホルミル基、アセトキシ基、プロピオニル基、ブチリル基、2-メチルプロピオニル基、ピバロイル基、ペンタノイル基、3-メチルブチリル基、ヘキサノイル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状のアシル基が挙げられる。
【0030】
飽和又は不飽和複素環基としては、ピリジル基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、フラニル基、テトラヒドロフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基などが挙げられる。
【0031】
炭素数6〜14の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基などが挙げられる。
【0032】
<好ましいピロロカルバゾールジオン化合物>
本発明における好ましい化合物は、以下の(1)〜(19)である。
(1)2H,6H-5-(3-Cyanobenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(2)2H,6H-5-(3-Carbamoylbenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(3)2H,6H-5-(4-Cyanobenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(4)2H,6H-5-(4-Carbamoylbenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(5)2H,6H-5-[(3-Aminomethyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(6)2H,6H-5-[(4-Aminomethyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(7)2H,6H-5-{3-[(2-Amino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(8)2H,6H-5-{3-[3-(Amino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(9)2H,6H-5-{3-[2-(Methylsulfonylamino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(10)2H,6H-5-{3-[3-(Methylsulfonylamino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(11)2H,6H-5-{3-[2-(Guanidino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(12)2H,6H-5-{3-[3-(Guanidino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(13)2H,6H-5-{3-[2-(Sulfamoylamino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(14)2H,6H-5-{3-[3-(Sulfamoylamino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
(15)2H,6H-5-[3-(2-Aminoethylcarbamoyl)benzylaminocarbonyl]-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(16)2H,6H-5-[3-(3-Aminopropylcarbamoyl)benzylaminocarbonyl]-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(17)2H,6H-5-{3-[2-(Guanidino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(18)2H,6H-5-{3-[3-(Guanidino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride;
(19)2H,6H-5-Benzylaminocarbonyl-4-hydroxylethyl-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione;
本発明の好ましい化合物は、化合物(15)〜(18)、特に化合物(17)である。
【0033】
本発明のピロロカルバゾールジオン化合物の塩としては、薬学的に許容される塩であればいずれでもよく、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩を形成することができる。また、本発明のピロロカルバゾールジオン化合物は、置換基の種類によって光学異性体又は幾何異性体を生じることがあるが、本発明はそのいずれも包含するものである。そして、それらの異性体は、分割しても、混合物のままでも利用することができる。さらに、本発明のピロロカルバゾールジオン化合物は、水和物に代表される溶媒和物、無晶形(アモルファス)又は結晶多形、プロドラッグも包含する。
【0034】
本発明のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩は、種々の方法により製造することができるが、例えば、下記反応工程式1〜2に従い製造することができる。
反応工程式1
【0035】
【化2】

〔式中、Raは水素原子、又は保護基を有していてもよいヒドロキシル基、Rcは上記のR3と同義、又はR3の合成前駆体を示す。〕
[工程1]
容易に調製可能な一般式(1)で表されるグリニャール化合物を、ジブロモマレイミドに反応させることにより、一般式(2)で表される化合物を製造することが出来る。
【0036】
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、テトラヒドロフラン (以下THF)、ジアルキルエーテル (以下、アルキルとはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等の低級アルキル)、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン等が例示され、好ましくはTHFである。一般式(1)で表される化合物の当量数は0.8〜10当量であり、好ましくは0.9〜5.0当量である。反応温度は20〜150℃であり 、好ましくは50〜100℃である。反応時間は0.1〜120時間であり、好ましくは0.5〜100時間である。
[工程2]
一般式(2)で表される化合物に、パラジウム触媒存在下、アクリル酸tert-ブチルエステルを反応させることにより、一般式(3)で表される化合物を製造することが出来る。
【0037】
用いるパラジウム触媒としては、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム・クロロホルム錯体等が例示され、好ましくは酢酸パラジウムである。その当量数は、0.01〜5当量であり、好ましくは0.05〜1当量である。本反応には塩基を用いてもよく、トリエチルアミン、トリブチルアミン、炭酸カリウム、カリウムtert-ブトキシド等が例示され、好ましくはトリブチルアミンである。その当量数は、1〜20当量であり、好ましくは1〜5当量である。反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないがN,N-ジメチルホルムアミド(以下DMF)、THF、ジアルキルエーテル、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン等が例示され、好ましくはDMFである。アクリル酸tert-ブチルエステルの当量数は1〜10当量であり、好ましくは1〜2当量である。反応温度は20〜150℃であり 、好ましくは50〜100℃である。反応時間は1〜72時間であり、好ましくは1〜5時間である。
[工程3]
一般式(3)で表される化合物を、酸素存在下、光照射して環化反応させた後に、通常公知の方法を用いてtert-ブチルエステルを脱保護することにより、一般式(4)で表される化合物を製造することが出来る。
【0038】
環化反応に用いる光源としては、高圧水銀灯(100W, 400W) が例示され、好ましくは高圧水銀灯(400W)である。その反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが水、アセトン、アルコール、DMF、THF、ジアルキルエーテル、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン等が例示され、好ましくはアセトンである。反応時間は1〜72時間であり、好ましくは1〜30時間である。
[工程4]
一般式(4)で表される化合物に、容易に入手可能な一般式(5)で表されるアミン化合物と縮合反応させることにより、一般式(6)で表される化合物を製造することが出来る。一般式(6)で表される化合物は、必要に応じて通常公知の方法により、一般式(I)で表される本発明化合物に導くことが出来る。
【0039】
用いる反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、DMF、トルエン、ジクロロメタン、アセトニトリル、THF等が例示され、好ましくはDMFである。用いる縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(以下EDC・HCl)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-ベンゾトリアゾリウム-3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HBTU)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP)等が、縮合補助剤としては、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール (以下HOBt)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が例示され、好ましくはEDC・HCl、HOBtの組み合わせである。その当量数はそれぞれ0.8〜5.0当量であり、好ましくは1.0〜3.0当量である。一般式(5)で表されるアミン化合物の当量数は0.8〜5.0当量であり、好ましくは1.0〜3.0当量である。用いる塩基としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類が例示され、好ましくはトリエチルアミンである。その当量数は0.8〜10当量であり、好ましくは1.0〜4.0当量である。反応温度は0〜100℃であり 、好ましくは10〜40℃である。反応時間は0.1〜96時間であり、好ましくは0.5〜4.0時間である。

反応工程式2
【0040】
【化3】



[工程5]
一般式(2)で表される化合物に、工程2と同様にして、容易に入手可能な一般式(7)で表される化合物を反応させることにより、一般式(8)で表される化合物を製造することが出来る。
【0041】
[工程6]
一般式(8)で表される化合物を、工程3と同様にして、酸素存在下、光照射して環化反応させることにより、一般式(9)で表される化合物を製造することが出来る。一般式(9)で表される化合物は、必要に応じて通常公知の方法により、一般式(I)で表される本発明化合物に導くことが出来る。
【0042】
上記のごとく得られた本発明化合物、及びその他の各化合物は通常公知の方法で塩、とりわけ薬学的に許容される塩を形成することができる。
【0043】
本発明化合物もしくはその塩、又はその他化合物もしくはその塩は、通常公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製可能である。
【0044】
医薬組成物
本発明は、一般式(I)で表される本発明化合物の少なくとも1種又はその薬学的に許容される塩の有効量を含有する医薬組成物を提供するものである。
【0045】
本発明の化合物を医薬として用いるにあたっては、薬学的担体と配合するのが好ましい。本発明の医薬組成物は予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤が採用される。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
【0046】
薬学的担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
【0047】
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が用いられ、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
【0048】
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味・矯臭剤としては、上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
【0049】
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が例示できる。
【0050】
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
【0051】
軟膏剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0052】
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが適当である。
【0053】
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物又はその塩の量は、これを適用すべき患者の症状により、あるいはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mgとするのが望ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人1日あたり約0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜4回程度に分けて投与するのが好ましい。
【0054】
本発明化合物を含有する薬剤を投与することにより治療できる疾病としては、例えば悪性腫瘍の場合、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍等が挙げられる。
【0055】
本発明の化合物と併用可能な抗ガン剤としては、メトトレキサート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、テガフール 、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、ゲムシタビン、フルダラビン、アクチノマイシンD、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、アクラルビシン、ピラルビシン、エピルビシン、ジノスタチンスチマラマー、イダルビシン、シロリムス、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、ソブゾキサン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビンなどが挙げられる。本発明の化合物は、これらの公知の抗ガン剤の作用を増強することができる。
【実施例】
【0056】
以下に比較例、実施例、及び薬理試験例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0057】
参考例1
【0058】
【化4】


4-Bromo-3,4-dihydro-3-(1H-indol-3-yl)-1H-pyrrole-2,5-dione (a).
インドール(2.3 g, 19.6 mmol)をテトラヒドロフラン(以下THF)(150 mL)に溶かし、そこにエチルマグネシウムグリニャール(1.0 M, 43.6 mL, 39.2 mmol)を加え、室温下で1.5時間撹拌した。この溶液をジブロモマレイミド(5.0g, 19.6 mmol)のTHF溶液(150 mL)に0 ℃で滴下し、14時間撹拌した。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチしてから吸引濾過し、濾液を濃縮後、酢酸エチル(500 mL)と水(200 mL × 2)で分配した。有機層を飽和食塩水(200 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで結晶化し、化合物(a)を橙色固体(2.8 g, 9.4 mmol, 48%)として得た。
【0059】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.05 (br s, 1H, indole-NH), 11.31 (br s, 1H, imide-NH) , 7.91 (s, 1H, H-e), 7.56 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 7.50 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.21 (t, 1H, H-b, J = 6.9 Hz), 7.13 (t, 1H, H-c, J = 6.9 Hz).
EIMS-LR m/z = 291 (MH+).
参考例2
【0060】
【化5】




tert-Butyl 2E-3-[2,5-dihydro-4-(1H-indol-3-yl)-2,5-dioxo-1H-pyrrol-3-yl]acrylate (b).
化合物(a)(1.9 g, 6.4 mmol)をN, N−ジメチルホルムアミド(以下DMF)(65 mL)に溶解し、アクリル酸ターシャリーブチルエステル(1.9 mL, 12.7 mmol)、トリブチルアミン(1.7 mL, 7.1 mmol)、酢酸パラジウム(143 mg, 0.6 mmol)を順に加え、60℃で3時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(150 mL)と水(100 mL × 2)で分配した。有機層を飽和食塩水(200 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動層:ヘキサン/酢酸エチル = 3/1)で精製し、化合物(b)(1.9 g, 5.6 mmol, 88%)を赤色固体として得た。
【0061】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.20 (br s, 1H, indole-NH), 11.14 (br s, 1H, imide-NH) , 7.93 (s, 1H, H-e), 7.56 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 7.52 (d, 1H, H-f, J = 16.1 Hz), 7.50 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.21 (t, 1H, H-b, J = 6.9 Hz), 7.12 (t, 1H, H-c, J = 6.9 Hz), 6.78 (d, 1H, H-g , J = 16.1 Hz), 1.39 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 338 (MH+).
参考例3
【0062】
【化6】


2H,6H-5-tert-Butoxycarbonyl-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (c).
化合物(b)(1.5 g, 4.3 mmol)をアセトン(170 mL)に溶解し、酸素をバブリングしながら高圧水銀灯(400 W)を照射し、25時間攪拌した。反応液を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチルで結晶化させ、化合物(c)(630 mg, 1.8 mmol, 42%)を黄色綿状物質として得た。
【0063】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.13 (br s, 1H, indole-NH), 11.41 (br s, 1H, imide-NH), 8.82 (d, 1H, H-a, J = 6.9 Hz), 8.17 (s, 1H, H-e), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.56 (t, 1H, H-b, J = 6.9 Hz), 7.33 (t, 1H, H-c, J = 6.9 Hz), 1.65 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 336 (MH+).
参考例4
【0064】
【化7】


2H,6H-5-Carboxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (d).
化合物(c)(322 mg, 0.91 mmol)をトリフルオロ酢酸(25 mL)に溶解し、室温下で3時間攪拌した。析出物を吸引ろ取し、化合物(d)(218 mg, 0.72 mmol, 80%)を黄土色固体として得た。
【0065】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 13.85 (br s, 1H, CO2H), 12.01 (s, 1H, indole-NH), 11.39 (s, 1H, imide-NH), 8.83 (d, 1H, H-a, J = 7.9 Hz), 8.21 (s, 1H, H-e), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.57 (t, 1H, H-b, J = 6.9 Hz), 7.31 (t, 1H, H-c, J = 6.9 Hz).
EIMS-LR m/z = 280 (MH+).
実施例1
【0066】
【化8】


2H,6H-5-(3-Cyanobenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (1).
化合物(d)(15 mg, 0.054 mmol)のDMF(500 μL)溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(15 mg, 0.081 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(9.8 mg, 0.081 mmol)、メタシアノベンジルアミン(13 mg, 0.081 mmol)を順に加えて、室温下で6日間攪拌した。反応液を酢酸エチル(50 mL)と水(20 mL × 2)で分配した。有機層を1規定の塩酸水溶液(50 mL)、飽和重曹水(50 mL)、飽和食塩水(50 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで結晶化し、化合物(1)(17 mg, 0.43 mmol, 80%)を黄色固体として得た。
【0067】
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (t, 1H, amide-NH, J = 5.7 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.42 (s, 1H, H-e), 7.90-7.30 (m, 7H, aromatic), 4.63 (d, 2H, CH2, J = 5.7 Hz).
EIMS-LR m/z = 394 (MH+).
実施例2
【0068】
【化9】


2H,6H-5-(3-Carbamoylbenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (2).
化合物(1)(15 mg, 0.038 mmol)をエタノール(1 mL)、THF(2 mL)に溶解し、35% 過酸化水素(17 μL, 0.18 mmol)、6規定の水酸化ナトリウム水溶液(2.2 μL, 0.013 mmol)を加えて室温下で22時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(30 mL)と水(20 mL × 2)で分配した。有機層を飽和食塩水(30 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで結晶化し、化合物(2)(8 mg, 0.020 mmol, 53%)を黄色固体として得た。
【0069】
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ12.10 (br s, 1H, indole-NH), 11.35 (br s, 1H, imide-NH), 9.66 (br s, 1H, amide-NH), 8.80 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.42 (s, 1H, H-e), 7.89 (s, 1H, H-k), 7.80 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.73 (t, 1H, H-j, J = 7.4 Hz), 7.56-7.53 (m, 4H, aromatic, NH2), 7.41 (t, 1H, H-b, J = 7.6 Hz), 7.32 (t, 1H, H-c, J = 7.4 Hz), 4.61 (d, 2H, CH2, J = 8.0 Hz).
EIMS-LR m/z = 412 (MH+).
実施例3
【0070】
【化10】


2H,6H-5-(4-Cyanobenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (3).
実施例1に準じて、化合物(d)(15 mg, 0.054 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(15 mg, 0.081 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(9.8 mg, 0.081 mmol)及びパラシアノベンジルアミン(13 mg, 0.081 mmol)より、化合物(3)(13 mg, 0.037 mmol, 69%)を得た。
【0071】
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ12.15 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (t, 1H, amide-NH, J = 5.7 Hz), 8.83 (d, 1H, H-a, J = 7.9 Hz), 8.45 (s, 1H, H-e), 7.94-7.30 (m, 7H, aromatic), 4.63 (d, 2H, CH2, J = 5.7 Hz).
EIMS-LR m/z = 394 (MH+).
実施例4
【0072】
【化11】


2H,6H-5-(4-Carbamoylbenzylaminocarbonyl)-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (4).
実施例2に準じて、化合物(3)(15 mg, 0.038 mmol)、35% 過酸化水素(17 μL, 0.18 mmol)、6規定の水酸化ナトリウム水溶液(2.2 μL, 0.013 mmol)より、化合物(4)(7 mg, 0.018 mmol, 48%)を得た。
【0073】
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (br s, 1H, indole-NH), 11.35 (br s, 1H, imide-NH), 9.69 (br s, 1H, amide-NH), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 7.9 Hz), 8.45 (s, 1H, H-e), 7.92-7.77 (m, 4H, aromatic), 7.63-7.32 (m, 5H, aromatic, NH2), 4.63 (d, 2H, CH2, J = 5.6 Hz).
EIMS-LR m/z = 412 (MH+).
実施例5
2H,6H-5-[(3-N-tert-Butoxycarbonylaminomethyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (5a).
実施例1に準じて、化合物(d)(30 mg, 0.11 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36 mg, 0.19 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(23 mg, 0.19 mmol)、3-ターシャリーブトキシカルボニルアミノメチル-ベンジルアミン(44 mg, 0.19 mmol)より、化合物(5a)(29 mg, 0.064 mmol, 58%)を黄色固体として得た。
【0074】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, amide-NH), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 7.9 Hz), 8.44 (s, 1H, H-e), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 7.9 Hz), 7.56 (t, 1H, H-i, J = 7.4 Hz), 7.39-7.12 (m, 4H, aromatic), 4.56 (d, 2H, H-g, J = 5.9 Hz), 4.11 (d, 2H, H-l, J = 6.3 Hz), 1.34 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 499 (MH+).
【0075】
【化12】


2H,6H-5-[(3-Aminomethyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (5).
化合物(5a)(15 mg, 0.031 mmol)をTHF(2 mL)に溶解し、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(2 mL)を加えて氷冷下で3時間攪拌した。反応液を濃縮し、メタノールで懸濁させてからろ取し、化合物(5)(11 mg, 0.025 mmol, 84%)を黄色固体として得た。
【0076】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.14 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (br s, 1H, imide-NH), 9.68 (br s, 1H, amide-NH), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.15 (br s, 3H, NH3), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 8.4 Hz), 7.73 (s, 1H, H-k), 7.56 (t, 1H, H-h, J = 7.4 Hz), 7.46 (t, 1H, H-j, J = 6.8 Hz), 7.41 (t, 1H, H-b, J = 7.4 Hz), 7.39 (dd, 1H, H-i, J = 6.8, 7.4 Hz), 7.34 (t, 1H, H-c, J = 7.4 Hz), 4.60 (d, 2H, H-g, J = 5.9 Hz), 4.01 (d, 2H, H-l, J = 6.3 Hz).
EIMS-LR m/z = 435 (MH+).
実施例6
2H,6H-5-[(4-N-tert-Butoxycarbonylaminomethyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (6a).
実施例1に準じて、化合物(d)(30 mg, 0.11 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36 mg, 0.19 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(23 mg, 0.19 mmol)、4-ターシャリーブトキシカルボニルアミノメチル-ベンジルアミン(44 mg, 0.19 mmol)より、化合物(6a)(30mg, 0.065 mmol, 59%)を得た。
【0077】
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ12.18 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, amide-NH), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 7.9 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.84 (d, 1H, H-d, J = 8.4 Hz), 7.58-7.12 (m, 6H, aromatic), 4.56 (d, 2H, H-g, J = 5.8 Hz), 4.08 (d, 2H, H-l, J= 6.3 Hz), 1.33 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 499 (MH+).
【0078】
【化13】


2H,6H-5-[(4-Aminomethyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (6).
実施例5に準じて、化合物(6a)(15 mg, 0.031 mmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(2 mL)より、化合物(6)(12 mg, 0.027 mmol, 86%)を得た。
【0079】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.15 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (br s, 1H, imide-NH), 9.72 (br s, 1H, amide-NH), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.44 (s, 1H, H-e), 8.41 (br s, 3H, NH3), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 8.3 Hz), 7.56-7.43 (m, 6H, aromatic), 4.59 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.99 (d, 2H, H-l, J = 6.3 Hz).
EIMS-LR m/z = 435 (MH+).
実施例7
tert-Butyl 3-{2E-3-[2,5-dihydro-4-(1H-indol-3-yl)-2,5-dioxo-1H-pyrrol
-3-yl]acrylamidomethyl} benzoate (7a).
参考例2に準じて、化合物(a)(389 mg, 1.3 mmol)、ターシャリーブチル 3-アクリルアミドメチル安息香酸エステル(701 mg, 2.7 mmol)、トリブチルアミン(479 μL, 2.0 mmol)、酢酸パラジウム(31 mg, 0.13 mmol)より、化合物(7a)(523 mg, 1.1mmol, 83%)を得た。
【0080】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.11 (s, 1H, indole-NH), 11.08 (br s, 1H, imide-NH), 8.95 (br s, 1H, amide-NH), 7.87 (s, 1H, H-e), 7.77 (s, 1H, H-l), 7.55 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 7.50-7.39 (m, 4H, aromatic), 7.47 (d, 1H, H-f, J = 16.4 Hz), 7.20 (d, 1H, H-g, J = 16.3 Hz), 7.18 (t, 1H, H-b, J = 7.5 Hz), 7.10 (t, 1H, H-c, J = 7.5 Hz), 4.38 (d, 2H, H-h, J = 5.8 Hz), 1.53 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 494 (MNa+).
2H,6H-5-[(3-tert-Butoxycarbonyl)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (7b).
参考例3に準じて、化合物(7a)(554 mg, 1.1 mmol)より、化合物(7b)(403 mg, 0.8 mmol, 73%)を得た。
【0081】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.17 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.72 (t, 1H, Hf, J = 5.2 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.44 (s, 1H, H-e), 7.94 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.80 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.65 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.56 (t, 1H, H-b, J = 7.2 Hz), 7.48 (t, 1H, H-c, J = 7.4 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 1.50 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 469 (MH+).
2H,6H-5-[(3-Carboxy)benzylaminocarbonyl]-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (7c).
参考例4に準じて、化合物(7b)(322 mg, 0.89 mmol)、トリフルオロ酢酸(25 mL)より、化合物(7c)(218 mg, 0.89 mmol, quant.)を黄土色固体として得た。
【0082】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 13.56 (br s, 1H, CO2H), 12.17 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.73 (t, 1H, Hf, J = 5.2 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.45 (s, 1H, H-e), 7.99 (s, 1H, H-k), 7.84 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.82 (d, 1H, H-j, J= 7.9 Hz), 7.65 (d, 1H, H-h, J = 7.9 Hz), 7.56 (t, 1H, H-b, J = 7.2 Hz), 7.49 (t, 1H, H-c, J = 7.4 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 7.9 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz).
EIMS-LR m/z = 413 (MH+).
2H,6H-5-{3-[(2-tert-Butoxycarbonylamino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c] carbazole-1,3-dione (7d).
実施例1に準じて、化合物(7c)(40 mg, 0.096 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(28 mg, 0.15 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(18 mg, 0.15 mmol)、N-ターシャリーブトキシカルボニルエチレンジアミン(23 mg, 0.15 mmol)より、化合物(7d)(23 mg, 0.043 mmol, 45%)を黄色固体として得た。
【0083】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.35 (br s, 1H, imide-NH), 9.72 (br s, 1H, H-f), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.46 (t, 1H, H-l, J = 5.7 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J= 8.0 Hz), 7.72 (d, 1H, H-j, J = 8.1 Hz), 7.57 (d, 1H, H-h, J = 8.1 Hz), 7.57 (t, 1H, H-b, J = 7.2 Hz), 7.43 (t, 1H, H-c, J = 7.4 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.1 Hz), 6.89 (t, 1H, H-o, J = 5.7 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.27 (dd, 2H, H-n, J = 5.7, 6.3 Hz), 3.08 (dd, 2H, H-m, J = 5.7, 6.3 Hz), 1.34 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 555 (MH+).
【0084】
【化14】


2H,6H-5-{3-[(2-Amino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (7).
実施例5に準じて、化合物(7d)(10 mg, 0.017 mmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(1 mL)より、化合物(7)(8.1 mg, 0.016 mmol, 94%)を黄色固体として得た。
【0085】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.74 (t, 1H, H-f, J = 5.9 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.70 (br s, 1H, H-l), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.91 (s, 1H, H-k), 7.90 (br s, 3H, NH3), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.78 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 7.9 Hz), 7.56 (t, 1H, H-b, J = 7.2 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 7.7 Hz), 7.33 (dd, 1H, H-i, J = 7.4 Hz), 4.65 (d, 2H, H-g, J = 5.9 Hz), 3.48 (m, 2H, H-n), 2.95 (m, 2H, H-m).
EIMS-LR m/z = 491 (MH+).
実施例8
2H,6H-5-{3-[(3-tert-Butoxycarbonylamino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c] carbazole-1,3-dione (8a).
実施例1に準じて、化合物(7c)(40 mg, 0.096 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(28 mg, 0.15 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(18 mg, 0.15 mmol)、N-ターシャリーブトキシカルボニルプロピレンジアミン(23 mg, 0.15 mmol)より、化合物(8a)(31 mg, 0.055 mmol, 57%)を得た。
【0086】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (t, 1H, H-f, J = 5.7 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.44 (t, 1H, H-l, J = 5.7 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.72 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.57 (d, 1H, H-h, J = 7.9 Hz), 7.56 (t, 1H, H-b, J = 7.2 Hz), 7.43 (t, 1H, H-c, J = 7.4 Hz), 7.33 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.80 (t, 1H, H-p, J = 5.8 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.23 (dd, 2H, H-o, J = 5.8, 6.8 Hz), 2.94 (dd, 2H, H-m, J = 5.7, 6.8 Hz), 1.59 (m, 2H, H-n), 1.34 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 569 (MH+).
【0087】
【化15】


2H,6H-5-{3-[3-(Amino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (8).
実施例5に準じて、化合物(8a)(5.1 mg, 7.1 μmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(1 mL)より、化合物(8)(3.9 mg, 6.3 μmol, 88%)を得た。
【0088】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.72 (t, 1H, H-f, J = 5.7 Hz), 8.85 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 8.70 (br s, 1H, H-l), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.90 (s, 1H, H-k), 7.90 (br s, 3H, NH3), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 7.9 Hz), 7.76 (d, 1H, H-j, J =8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.56 (t, 1H, H-b, J = 7.4 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 7.5 Hz), 7.33 (dd, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.32 (m, 2H, H-o, J = 6.3, 7.4 Hz), 2.80 (dd, 2H, H-m, J = 5.7, 7.4 Hz), 1.79 (m, 2H, H-n).
EIMS-LR m/z = 505 (MH+).
実施例9
【0089】
【化16】


2H,6H-5-{3-[2-(Methylsulfonylamino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (9).
化合物(7)(8 mg, 0.016 mmol)のDMF(1 mL)溶液に、メシルクロライド(1.3 μL, 0.016 mmol)、トリエチルアミン(5.7 μL, 0.040mmol)を加え、室温下で30分間攪拌した。反応液を酢酸エチル(40 mL)と水(20 mL × 2)で分配した。有機層を飽和食塩水(40 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで懸濁後にろ取し、化合物(9)(8 mg, 0.014 mmol, 88%)を黄土色固体として得た。
【0090】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.15 (s, 1H, indole-NH), 11.34 (s, 1H, imide-NH), 9.68 (t, 1H, H-f, J = 6.0 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.52 (t, 1H, H-l, J = 6.5 Hz), 8.45 (s, 1H, H-e), 7.89 (s, 1H, H-k), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.73 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.44 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.33 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 7.11 (t, 1H, H-o, J = 6.0 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.35 (dt, 2H, H-n, J = 6.0, 6.8 Hz), 3.09 (dt, 2H, H-m, J = 6.5, 6.8 Hz), 2.87 (s, 3H, methyl).
EIMS-LR m/z = 533 (MH+).
実施例10
【0091】
【化17】


2H,6H-5-{3-[3-(Methylsulfonylamino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (10).
実施例9に準じて、化合物(8)(10 mg, 0.015 mmol)、メシルクロライド(1.3 μL, 0.016 mmol)、トリエチルアミン(5.7 μL, 0.040mmol)より、化合物(10)(8.9 mg, 0.013 mmol, 84%)を得た。
【0092】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.69 (t, 1H, H-f, J = 6.0 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.48 (t, 1H, H-l, J = 6.5 Hz), 8.45 (s, 1H, H-e), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.72 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 7.4 Hz), 7.43 (t, 1H, H-c, J = 7.1 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.97 (t, 1H, H-o, J = 6.0 Hz), 4.63 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.28 (dt, 2H, H-p, J = 6.0, 6.8 Hz), 2.96 (dt, 2H, H-m, J = 6.5, 6.8 Hz), 2.86 (s, 3H, methyl), 1.70 (m, 2H, H-n).
EIMS-LR m/z = 547 (MH+).
実施例11
2H,6H-5-{3-[2-(Di-tert-butoxycarbonylguanidino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]-carbazole-1,3-dione (11a).
化合物(7)(10 mg, 0.018 mmol)のDMF(1 mL)溶液に、N, N ’-ジターシャリーブトキシカルボニルチオウレア(6.7 mg, 0.023 mmol)、臭化水銀(8.6 mg, 0.023 mmol)、トリエチルアミン(14 μL, 0.092 mmol)を加え、室温下で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(30 mL)と水(20 mL × 2)で分配した。有機層を飽和食塩水(40 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで結晶化し、化合物(11a)(12 mg, 0.015 mmol, 84%)を橙色固体として得た。
【0093】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.47 (s, 1H, H-r), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (t, 1H, H-f, J = 6.0 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.56 (t, 1H, H-l, J = 6.0 Hz), 8.45 (s, 1H, H-e), 8.44 (t, 1H, H-o, J = 6.2 Hz), 7.87 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.70 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.42 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.63 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.47 (dt, 2H, H-n, J = 6.2, 6.8 Hz), 3.39 (dt, 2H, H-m, J = 6.1, 6.7 Hz), 1.41 (s, 9H, H-p), 1.39 (s, 9H, H-q).
EIMS-LR m/z = 697 (MH+).
【0094】
【化18】


2H,6H-5-{3-[2-(Guanidino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (11).
実施例5に準じて、化合物(11a)(4.5 mg, 6.5 μmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(2 mL)より、化合物(11)(2.4 mg, 4.8 μmol, 75%))を橙色固体として得た。
【0095】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.71 (t, 1H, H-f, J = 6.0 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.62 (t, 1H, H-l, J = 6.0 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.90 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.74 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.58 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.46 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.33 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.81 (br s, 3H, H-q), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.36 (m, 2H, H-n), 3.28 (m, 2H, H-m).
EIMS-LR m/z = 533 (MH+).
実施例12
2H,6H-5-{3-[3-(Di-tert-butoxycarbonylguanidino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (12a).
実施例11に準じて、化合物(8)(15 mg, 0.029 mmol)、N, N ’-ジターシャリーブトキシカルボニルチオウレア(9.8 mg, 0.035 mmol)、臭化水銀(13 mg, 0.035 mmol)、トリエチルアミン(20 μL, 0.15 mmol)より、化合物(12a)(17 mg, 0.023 mmol, 80%)を得た。
【0096】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.47 (s, 1H, H-r), 11.35 (s, 1H, imide-NH), 9.69 (t, 1H, H-f, J = 6.0 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.54 (t, 1H, H-l, J = 6.0 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.44 (t, 1H, H-o, J = 8.0 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.72 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.44 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.34 (m, 2H, H-s), 3.25 (m, 2H, H-m), 1.69 (m, 2H, H-n), 1.42 (s, 9H, H-p), 1.33 (s, 9H, H-q).
EIMS-LR m/z = 711 (MH+).
【0097】
【化19】


2H,6H-5-{3-[3-(Guanidino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (12).
実施例5に準じて、化合物(12a)(7.1 mg, 9.8 μmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(2 mL)より、化合物(12)(3.2 mg, 6.9 μmol, 70%)を得た。
【0098】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.72 (t, 1H, H-f, J = 6.0 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.55 (t, 1H, H-l, J = 6.0 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.89 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.74 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.58 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.54 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.44 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.33 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.88 (br s, 3H, H-q), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.28 (dt, 2H, H-r, J = 6.3, 6.8 Hz), 3.12 (s, 1H, H-p), 3.11 (dt, 2H, H-m, J = 6.0, 6.8 Hz), 1.69 (m, 2H, H-n).
EIMS-LR m/z = 547 (MH+).
実施例13
【0099】
【化20】


2H,6H-5-{3-[2-(Sulfamoylamino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione(13).
実施例1に準じて、化合物(7)(27 mg, 0.066 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(19 mg, 0.098 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(12 mg, 0.098 mmol)、N-スルファモイルエチレンジアミン塩酸塩(17 mg, 0.098 mmol)より、化合物(13)(20 mg, 0.036 mmol, 55%)を橙色固体として得た。
【0100】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.18 (s, 1H, indole-NH), 11.37 (s, 1H, imide-NH), 9.72 (br s, 1H, H-f, J = 5.9 Hz), 8.83 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.49 (t, 1H, H-l, J = 5.9 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.89 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.72 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.55 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.54 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.44 (t, 1H, H-c, J = 8.0 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.1 Hz), 6.66 (t, 1H, H-o, J = 6.5 Hz), 6.56 (s, 2H, H-p), 4.63 (d, 2H, H-g, J = 6.0 Hz), 3.31 (m, 2H, H-n), 3.03 (m, 2H, H-m).
EIMS-LR m/z = 534 (MH+).
実施例14
【0101】
【化21】


2H,6H-5-{3-[3-(Sulfamoylamino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione(14).
実施例1に準じて、化合物(8)(40 mg, 0.096 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(28 mg, 0.15 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(18 mg, 0.15 mmol)、N-スルファモイルプロピレンジアミン塩酸塩(28 mg, 0.15 mmol)より、化合物(14)(36 mg, 0.066 mmol, 69%)を得た。
【0102】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.16 (s, 1H, indole-NH), 11.36 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (br s, 1H, H-f, J = 5.9 Hz), 8.84 (d, 1H, H-a, J = 8.1 Hz), 8.49 (t, 1H, H-l, J = 5.9 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.82 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 7.71 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.55 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.54 (t, 1H, H-b, J = 8.1 Hz), 7.43 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.32 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.49 (m, 3H, H-o, p), 4.63 (d, 2H, H-g, J = 5.9 Hz), 3.28 (m, 2H, H-q), 2.89 (m, 2H, H-m), 1.69 (m, 2H, H-n).
EIMS-LR m/z = 548 (MH+).
実施例15
4-Bromo-3,4-dihydro-3-(5-methoxy-1H-indol-3-yl)-1H-pyrrole-2,5-dione (15a).
参考例1に準じて、ジブロモマレイミド(200 mg, 0.78 mmol)、5-メトキシインドール(462 mg, 3.1 mmol)、エチルマグネシウムグリニャール(1.0 M, 2.8 ml, 2.8 mmol)より、化合物(15a)(189 mg, 0.59 mmol, 76%)を得た。
【0103】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.97 (s, 1H, indole-NH), 11.31 (s, 1H, imide-NH) , 7.96 (s, 1H, H-a), 7.39 (s, 1H, H-e), 7.38 (d, 1H, H-d, J = 8.1 Hz), 6.86 (d, 1H, H-c, J = 8.1 Hz) 3.76 (s, 3H, Hb).
EIMS-LR m/z = 319 (MH+).
tert-Butyl 3-{2E-3-[2,5-dihydro-4-(5-methoxy-1H-indol-3-yl)-2,5-dioxo-1H-pyrrol
-3-yl]acrylamidomethyl} benzoate (15b).
参考例2に準じて、化合物(15a)(100 mg, 0.31 mmol)、ターシャリーブチル 3-アクリルアミドメチル安息香酸エステル(123 mL, 0.47 mmol)、トリブチルアミン(112 μL, 0.47 mmol)、酢酸パラジウム(7 mg, 0.31 mmol)より、化合物(15b)(128 mg, 0.26 mmol, 83%)を得た。
【0104】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.03 (s, 1H, indole-NH), 11.08 (br s, 1H, imide-NH), 8.98 (br s, 1H, amide-NH), 7.88-776 (m, 3H, aromatic), 7.58 (d, 1H, H-f, J = 15.4 Hz), 7.50-7.39 (m, 4H, aromatic), 7.15 (d, 1H, H-g, J = 15.5 Hz), 6.83 (t, 1H, H-j, J = 7.8 Hz), 4.39 (d, 2H, H-h, J = 6.3 Hz), 3.76 (s, 3H, Hb), 1.50 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 501 (MH+).
2H,6H-5-[(3-tert-Butoxycarbonyl)benzylaminocarbonyl]-9-methoxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (15c).
参考例3に準じて、化合物(15b)(100 mg, 0.2 mmol)より化合物(15c)(73 mg, 0.15 mmol, 73%)を得た。
【0105】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ12.03 (s, 1H, indole-NH), 11.32 (s, 1H, imide-NH), 9.71(t, 1H, Hf, J = 5.7 Hz), 8.42 (s, 1H, H-e), 8.40 (d, 1H, H-a, J = 2.0 Hz), 7.99 (s, 1H, H-k), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 7.7 Hz), 7.73 (d, 1H, H-j, J = 7.8 Hz), 7.66 (d, 1H, H-h, J = 7.8 Hz), 7.48 (t, 1H, H-i, J = 7.8 Hz), 7.21 (dd, 1H, H-c, J = 2.2, 7.7 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.76 (s, 3H, Hb), 1.51 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 499 (MH+).
2H,6H-5-[(3-Carboxy)benzylaminocarbonyl]-9-methoxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (15d).
参考例4に準じて、化合物(15c)(50 mg, 0.1 mmol)、トリフルオロ酢酸(l mL)より、化合物(15d)(40 mg, 0.9 mmol, 90%)を得た。
【0106】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ13.59 (br s, 1H, CO2H), 12.04 (s, 1H, indole-NH), 11.33 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (t, 1H, Hf, J = 5.7 Hz), 8.42 (s, 1H, H-e), 8.40 (d, 1H, H-a, J= 2.2 Hz), 7.98 (s, 1H, H-k), 7.83 (d, 1H, H-d, J = 7.8 Hz), 7.73 (d, 1H, H-j, J= 8.0 Hz), 7.66 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.48 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 7.21 (dd, 1H, H-c, J = 2.2, 7.8 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.75 (s, 3H, Hb).
EIMS-LR m/z = 443 (MH+).
2H,6H-5-[(3-Carboxy)benzylaminocarbonyl]-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (15e).
200 °Cで融解させたピリジン塩酸塩(1 g)に化合物(15d)(100 mg, 0.22 mmol)を溶解させ、30分間攪拌した。反応液を酢酸エチル(80 mL)と水(60 mL × 2)で抽出分配した。有機層を1規定の塩酸水溶液(60 mL)、飽和食塩水(60 mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルで結晶化し、化合物(15e)(78 mg, 0.18 mmol, 80%)を橙色固体として得た。
【0107】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ13.59 (br s, 1H, CO2H), 11.89 (s, 1H, indole-NH), 11.30 (s, 1H, imide-NH), 9.69 (t, 1H, Hf, J = 5.7 Hz), 9.30 (s, 1H, H-b), 8.42 (s, 1H, H-e), 8.27 (d, 1H, H-a, J = 2.3 Hz), 7.91 (s, 1H, H-k), 7.81 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.73 (d, 1H, H-j, J = 7.9 Hz), 7.66 (d, 1H, H-h, J = 7.9 Hz), 7.48 (t, 1H, H-i, J = 7.9 Hz), 7.21 (dd, 1H, H-c, J = 2.2, 8.0 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz).
EIMS-LR m/z = 429 (MH+).
2H,6H-5-{3-[(2-tert-Butoxycarbonylamino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c] carbazole-1,3-dione (15f).
実施例1に準じて、化合物(15e)(60 mg, 0.15 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(40 mg, 0.22 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(27 mg, 0.22 mmol)、N-ターシャリーブトキシカルボニルエチレンジアミン(23 mg, 0.15 mmol)より、化合物(15f)(56mg, 0.10 mmol, 67%)を得た。
【0108】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.96 (s, 1H, indole-NH), 11.29 (br s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, H-f), 9.30 (s, 1H, H-b), 8.89 (t, 1H, H-l, J = 5.3 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.24 (d, 1H, H-a, J= 2.0 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.78 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.62 (d, 1H, H-j, J=8.0 Hz), 7.57 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.45 (dd, 1H, H-c, J = 2.0, 8.0 Hz), 7.03 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.89 (t, 1H, H-o, J = 5.7 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.49 (dd, 2H, H-n, J = 5.7, 6.3 Hz), 2.98 (dd, 2H, H-m, J = 5.3, 6.3 Hz), 1.34 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 571 (MH+).
【0109】
【化22】


2H,6H-5-[3-(2-Aminoethylcarbamoyl)benzylaminocarbonyl]-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (15).
実施例5に準じて、化合物(15f)(66 mg, 0.11 mmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(10 mL)より、化合物(15)(50 mg, 0.095 mmol, 86%)を得た。
【0110】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.89 (s, 1H, indole-NH), 11.30 (br s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, H-f), 9.30 (s, 1H, H-b), 8.69 (t, 1H, H-l, J= 5.3 Hz), 8.40 (s, 1H, H-e), 8.26 (d, 1H, H-a, J = 2.2 Hz), 7.92 (s, 1H, H-k), 7.90 (br s, 3H, NH3), 7.79 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.62 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.58 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 8.0 Hz), 7.03 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.3 Hz), 3.49 (m, 2H, H-n), 2.98 (dd, 2H, H-m, J = 5.3, 6.3 Hz).
EIMS-LR m/z = 507 (MH+).
実施例16
2H,6H-5-{3-[(3-tert-Butoxycarbonylamino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (16a).
実施例1に準じて、化合物(15e)(60 mg, 0.14 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(38 mg, 0.21 mmo)、4-ジメチルアミノピリジン(26mg, 0.21 mmol)、N-ターシャリーブトキシカルボニルエチレンジアミン(36 mg, 0.21 mmol)より、化合物(16a)(53 mg, 0.094 mmol, 68%)を得た。
【0111】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.98 (s, 1H, indole-NH), 11.29 (br s, 1H, imide-NH), 9.70 (br s, 1H, H-f), 9.29 (s, 1H, H-b), 8.90 (t, 1H, H-l, J= 5.3 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.24 (d, 1H, H-a, J = 2.2 Hz), 7.87 (s, 1H, H-k), 7.78 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.62 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.57 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 8.0 Hz), 7.03 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 6.89 (t, 1H, H-o, J = 5.7 Hz), 4.64 (d, 2H, H-g, J = 5.3 Hz), 3.39 (dd, 2H, H-p, J = 5.7, 6.3 Hz), 3.03 (dd, 2H, H-m, J = 5.3, 6.3 Hz), 1.78 (m, 2H, H-n), 1.34 (s, 9H, tBu).
EIMS-LR m/z = 585 (MH+).
【0112】
【化23】


2H,6H-5-[3-(3-Aminopropylcarbamoyl)benzylaminocarbonyl]-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (16).
実施例5に準じて、化合物(16a)(72 mg, 0.12 mmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(10 mL)より、化合物(16)(48 mg, 0.09mmol, 75%)を得た。
【0113】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.88 (s, 1H, indole-NH), 11.30 (br s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, H-f), 9.29 (s, 1H, H-b), 8.70 (t, 1H, H-l, J= 5.3 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.26 (d, 1H, H-a, J = 2.0 Hz), 7.92 (s, 1H, H-k), 7.90 (br s, 3H, NH3), 7.76 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.63 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.56 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.44 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.03 (t, 1H, H-i, J = 8.1 Hz), 4.62 (d, 2H, H-g, J = 5.3 Hz), 3.30 (dd, 2H, H-o, J = 5.3, 6.3 Hz), 2.80 (dd, 2H, H-m, J = 5.3, 6.3 Hz), 1.79 (m, 2H, H-n).
EIMS-LR m/z = 521 (MH+).
実施例17
2H,6H-5-{3-[2-(Di-tert-butoxycarbonylguanidino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]-carbazole-1,3-dione (17a).
実施例11に準じて、化合物(15)(25 mg, 0.051 mmol)、N, N ’-ジターシャリーブトキシカルボニルチオウレア(17 mg, 0.061 mmol)、臭化水銀(22 mg, 0.061 mmol)、トリエチルアミン(42 μL, 0.30 mmol)より、化合物(17a)(19 mg, 0.027 mmol, 54%)を得た。
【0114】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.88 (s, 1H, indole-NH), 11.29 (s, 1H, H-r), 11.31 (s, 1H, imide-NH), 9.70 (t, 1H, H-f, J =5.3 Hz), 9.29 (s, 1H, H-b), 8.52 (t, 1H, H-l, J = 5.3 Hz), 8.48 (s, 1H, H-e), 8.44 (t, 1H, H-o, J = 5.0 Hz), 8.24 (d, 1H, H-a, J = 2.0 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.75 (d, 1H, H-d, J= 8.1 Hz), 7.61 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.60 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.03 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.63 (d, 2H, H-g, J = 5.3 Hz), 3.43 (m, 2H, H-n), 3.39 (m, 2H, H-m), 1.45 (s, 9H, H-p), 1.31 (s, 9H, H-q).
EIMS-LR m/z = 713 (MH+).
【0115】
【化24】


2H,6H-5-{3-[2-(Guanidino)ethylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (17).
実施例5に準じて、化合物(17a)(15 mg, 0.021 mmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(8 mL)より、化合物(17)(8.1 mg, 0.015 mmol, 70%)を得た。
【0116】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11. 90 (s, 1H, indole-NH), 11.30 (br s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, H-f), 9.30 (s, 1H, H-b), 8.64 (t, 1H, H-l, J = 5.3 Hz), 8.40 (s, 1H, H-e), 8.26 (d, 1H, H-a, J = 2.0 Hz), 7.90 (s, 1H, H-k), 7.75 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.63 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.58 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 8.0 Hz), 7.41-6.77 (br s, 4H, H-p,q), 4.62 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.39 (dd, 2H, H-n, J = 5.7, 6.3 Hz), 2.28 (dd, 2H, H-m, J = 5.7, 6.3 Hz).
EIMS-LR m/z = 549 (MH+).
実施例18
2H,6H-5-{3-[3-(Di-tert-butoxycarbonylguanidino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (18a).
実施例11に準じて、化合物(16)(25 mg, 0.049 mmol)、N, N ’-ジターシャリーブトキシカルボニルチオウレア(16 mg, 0.059 mmol)、臭化水銀(21 mg, 0.059 mmol)、トリエチルアミン(40 μL, 0.29 mmol)より、化合物(18a)(20 mg, 0.029 mmol, 59%)を得た。
【0117】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (s, 1H, indole-NH), 11.27 (s, 1H, H-r), 11.35 (s, 1H, imide-NH), 9.69 (t, 1H, H-f, J = 5.5 Hz), 9.30 (s, 1H, H-b), 8.54 (t, 1H, H-l, J = 5.3 Hz), 8.46 (s, 1H, H-e), 8.44 (t, 1H, H-o, J = 5.0 Hz), 8.24 (d, 1H, H-a, J = 2.1 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.75 (d, 1H, H-d, J= 8.1 Hz), 7.63 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.59 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.45 (t, 1H, H-c, J = 8.1 Hz), 7.03 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 4.63 (d, 2H, H-g, J = 5.5 Hz), 3.39 (m, 2H, H-s), 3.39 (m, 2H, H-m), 1.69 (m, 2H, H-n), 1.42 (s, 9H, H-p), 1.33 (s, 9H, H-q).
EIMS-LR m/z = 727 (MH+).
【0118】
【化25】


2H,6H-5-{3-[3-(Guanidino)propylcarbamoyl]benzylaminocarbonyl}-9-hydroxy-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione hydrochloride (18)
実施例5に準じて、化合物(18a)(15 mg, 0.020 mmol)、4規定塩酸の酢酸エチル溶液(10 mL)より、化合物(18)(10 mg, 0.018 mmol, 88%)を得た。
【0119】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.88 (s, 1H, indole-NH), 11.30 (br s, 1H, imide-NH), 9.67 (br s, 1H, H-f), 9.29 (s, 1H, H-b), 8.55 (t, 1H, H-l, J= 5.3 Hz), 8.40 (s, 1H, H-e), 8.26 (d, 1H, H-a, J = 2.0 Hz), 7.88 (s, 1H, H-k), 7.76 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.63 (d, 1H, H-j, J = 8.0 Hz), 7.54 (d, 1H, H-h, J = 8.0 Hz), 7.44 (t, 1H, H-c, J = 8.0 Hz), 7.05 (t, 1H, H-i, J = 8.0 Hz), 7.41-6.77 (br s, 4H, H-p,q), 4.62 (d, 2H, H-g, J = 5.7 Hz), 3.34 (dd, 2H, H-r, J = 5.7, 6.3 Hz), 3.14 (dd, 2H, H-m, J = 5.3, 6.3 Hz), 1.70 (m, 2H, H-n).
EIMS-LR m/z = 563(MH+).
実施例19
Benzyl 3-tert-butyldimethylsilyloxyethyl-3-{2E-3-[2,5-dihydro-4-(1H-
indol-3-yl)-2,5-dioxo-1H-pyrrol-3-yl]acrylamide (19a).
参考例2に準じて、化合物(a)(100 mg, 0.34 mmol)、ベンジル4-ターシャリーブチルジメチルシリロキシエチルアクリルアミド(127 mg, 0.51 mmol)、トリブチルアミン(124 μL, 0.51mmol)、酢酸パラジウム(12 mg, 0.051 mmol)より、化合物(19a)(88 mg, 0.017 mmol, 51%)を得た。
【0120】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.89 (s, 1H, indole-NH), 11.08 (br s, 1H, imide-NH), 8.95 (br s, 1H, amide-NH), 7.87 (s, 1H, H-e), 7.55 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 7.50-7.39 (m, 6H, aromatic), 7.47 (s, 1H, H-f), 7.18 (t, 1H, H-b, J = 7.5 Hz), 7.12 (t, 1H, H-c, J = 7.5 Hz), 4.64 (d, 2H, H-h, J = 5.8 Hz), 3.81 (m, 2H, H-l), 3.32 (m, 2H, H-m), 0.86 (s, 9H, tBu), 0.02 (s, 6H, Me × 2).
EIMS-LR m/z = 529 (MNa+).
2H,6H-5-Benzylaminocarbonyl-4-tert-butyldimethylsilyloxyethyl-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione (19b).
参考例3に準じて、化合物(19a)(50 mg, 0.094 mmol)より、化合物(19b)(33 mg, 0.66 mmol, 69%)を得た。
【0121】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.87 (s, 1H, indole-NH), 11.20 (s, 1H, imide-NH), 9.23 (t, 1H, Hf, J = 5.7 Hz), 8.83 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 7.65 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 7.5 Hz), 7.43 (d, 2H, H-h, j, J = 7.5 Hz), 7.34 (t, 1H, H-c, J = 7.5 Hz), 7.33-7.25 (m, 3H, H-g, k, i), 4.64 (d, 2H, H-f, J = 5.7 Hz), 3.81 (m, 2H, H-l), 3.32 (m, 2H, H-m), 0.86 (s, 9H, tBu), 0.02 (s, 6H, Me × 2).
EIMS-LR m/z = 527 (MH+).
【0122】
【化26】


2H,6H-5-Benzylaminocarbonyl-4-hydroxylethyl-1,3-dihydropyrrolo-[3,4-c]carbazole-1,3-dione(19).
化合物(19b)(25mg, 0.047 mmol)をTHF(2 mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0 M, 56 μL, 0.056 mmol)を加え、室温下で1時間攪拌した。反応液に酢酸(1 mL)を加えた後に濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(移動層:ヘキサン/酢酸エチル = 5/1)で精製し、化合物(19)(17 mg, 0.040 mmol, 85%)を黄色固体として得た。
【0123】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ11.81 (s, 1H, indole-NH), 11.20 (s, 1H, imide-NH), 9.47 (t, 1H, Hf, J = 5.7 Hz), 8.83 (d, 1H, H-a, J = 8.0 Hz), 7.67 (d, 1H, H-d, J = 8.0 Hz), 7.55 (t, 1H, H-b, J = 7.5 Hz), 7.44 (d, 2H, H-h, j, J = 7.5 Hz), 7.37 (t, 1H, H-c, J = 7.5 Hz), 7.34-7.25 (m, 3H, H-g, k, i), 5.06 (t, 1H, OH, J = 4.6 Hz), 4.66 (d, 2H, H-f, J = 5.7 Hz), 3.71 (m, 2H, H-l), 3.36 (m, 2H, H-m).
EIMS-LR m/z = 413 (MH+).

薬理試験例1 Chk1 kinase assayを用いた化合物のChk1阻害活性
K-LISA Checkpoint Activity Kit(CALBIOCHEM社製)、及びHisタグが付いたhuman Chk1(CALBIOCHEM社製)を用いて、Chk1活性測定系を構築した。Chk1濃度68 pg〜1100 pgで反応がlinerに進んでおり(R2=0.998)、assayに用いるリコンビナントChk1量を1100 pgとした。Chk1阻害活性を持つポジティブコントロールとしてUCN-01(CALBIOCHEM社製)を用いた。本発明の化合物をジメチルスルホキシドにて20mMの濃度に溶解した後、超純水にて50 μMに希釈し、これを10倍希釈系列にて4〜6 dose設定した。K-LISA Checkpoint Activity Kitの操作手順書に従って、96 well plate上でassayを行った後、波長450 nm及びリファレンスとして540 nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーで測定し、この吸光度をChk1活性の指標とした。
【0124】
以下の式より本発明化合物添加群のT/Cから阻害率を算出し、Chk1 kinase活性を50%抑制する化合物の濃度(IC50; μM)を求めた。
阻害率(%)=(1−T/C)×100
T:本発明化合物を添加した場合のChk1活性
C:本発明化合物を添加しなかった場合のChk1活性
【0125】
【表1】

表1から明らかなように、本発明化合物は、優れたChk1 kinase阻害活性を有することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】


[式中、R1は水素原子、又はヒドロキシル基を示し、
R2は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基を示し、
R3は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。]
で表されるピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩。
【請求項2】
R1は水素原子、又はヒドロキシル基を示し、
R2は水素原子、又は置換基としてヒドロキシル基、もしくは芳香族炭化水素基を有していてもよい炭素数1〜6アルキル基を示し、
R3は置換基を有していてもよいフェニル基を示す、請求項1に記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩。
【請求項3】
R3で表される置換基を有していてもよいフェニル基の置換基が、-(CH2)n-Raまたは-CONH(CH2)n-Ra(式中、nは2〜4の整数を示し、Raはアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、グアニジノ基、アルキルスルホニルアミノ基またはスルファモイルアミノ基を示す。)で表される基である、請求項1又は2に記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩。
【請求項4】
R2は、-(CH2)-CH(OH)Ph(式中、mは1〜6の整数を示し、Phはフェニル基を表す。)で表される基である、請求項1〜3のいずれかに記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する医薬組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する抗腫瘍剤。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩の有効量と薬学的担体を含有する抗腫瘍効果増強剤。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載のピロロカルバゾールジオン化合物又はその塩を含有するチェックポイントキナーゼ1阻害剤。

【公開番号】特開2010−105920(P2010−105920A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276771(P2008−276771)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(593053472)
【出願人】(000207827)大鵬薬品工業株式会社 (52)
【Fターム(参考)】