説明

新規有機化合物およびそれを有する有機発光素子

【課題】 緑色発光に適した新規有機化合物とそれを有する有機発光素子を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)に示される有機化合物を提供する。
【化1】


式(1)において、R乃至R16は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
前記アリール基および前記複素環基はアルキル基を置換基として有してよい。
前記アミノ基はアルキル基またはアリール基を置換基として有してよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規有機化合物およびそれを有する有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、陽極と陰極と、それらの間に配置される有機化合物層とを有する素子である。前記各電極から電子および正孔を注入することにより、前記有機化合物層中の有機化合物の励起子を生成させ、該励起子が基底状態にもどる際に光を放出する。
【0003】
有機発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子あるいは有機EL素子とも呼ばれる。
【0004】
これまでに新規な発光性有機化合物の創出が盛んに行われている。高性能の有機発光素子を提供するにあたり、前記化合物の創出が重要であるからである。
【0005】
例えば、有機化合物の一例として以下に示す例示化合物が1−Aとして記載されている。
【0006】
【化1】

【0007】
また、特許文献2には有機化合物の一例として以下に示す有機化合物が例示化合物1として記載されている。
【0008】
【化2】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−235734号公報
【特許文献2】特開2008−300753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1および2に記載の有機化合物はそれ自体ではほとんど発光しない。有機化合物1−Aも例示化合物1も上式に示すようにそれぞれが置換基を有さない縮環で構成されている。それぞれの有機化合物の基本骨格は上式の構造式が基本骨格であるといってもよい。
【0011】
そこで、本発明は、基本骨格自体で発光し更に緑領域の発光ができる新規な有機化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
よって本発明は、
下記一般式(1)で示されることを特徴とする有機化合物を提供する。
【0013】
【化3】

【0014】
式(1)において、R乃至R16は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
【0015】
前記アリール基および前記複素環基はアルキル基を置換基として有してよい。
【0016】
前記アミノ基はアルキル基またはアリール基を置換基として有してよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基本骨格自体でバンドギャップが広い、そしてLUMOが深い新規な有機化合物を提供することができる。そして、それにより本発明に係る有機化合物は基本骨格自体で緑領域の光を発光する。また基本骨格に置換基を導入することによって緑のみならず赤の発光が可能な新規有機化合物を提供することができる。そして、これら新規有機化合物を有する有機発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるスイッチング素子とを示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る有機化合物は、以下の一般式(1)で示される有機化合物である。
【0020】
【化4】

【0021】
式(1)において、R乃至R16は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
【0022】
前記アリール基および前記複素環基はアルキル基を置換基として有してよい。
【0023】
前記アミノ基はアルキル基またはアリール基を置換基として有してよい。
【0024】
ここで式(1)において、アルキル基として、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、セカンダリブチル基、ターシャリブチル基、オクチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などが挙げられる。
【0025】
ここで式(1)において、アルコキシ基として、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−ターシャルブチルフェノキシ基、ベンジルオキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられる。
【0026】
ここで式(1)において、アミノ基として、例えばN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジナフチルアミノ基、N,N−ジフルオレニルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジアニソリルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメシチルアミノ基、N−フェニル−N−(4−ターシャリブチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基等が挙げられる。
【0027】
ここで式(1)において、アリール基として、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
【0028】
ここで式(1)において、複素環基として、例えばピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基などが挙げられる。
【0029】
本発明者は基本骨格のみの分子が持つ発光ピーク波長が所望の発光波長領域に収まるものに注目した。本発明に係る基本骨格とは以下の構造式で示される。
【0030】
【化5】

【0031】
所望の発光波長を得るために、基本骨格に置換基を設けることが知られているものの化合物の安定性を損なう場合がある。そのため、基本骨格のみの分子でできるだけ所望の発光ピーク波長を有することが化合物の安定性の面から重要である。
【0032】
本発明において所望の発光波長領域とは緑色領域のことであり、具体的には発光ピーク波長が480nm以上530nm以下である。
【0033】
(本発明に係る有機化合物の基本骨格と他の基本骨格との比較)
本発明に係る有機化合物の基本骨格と以下の基本骨格との比較を行う。
【0034】
【化6】

【0035】
【化7】

【0036】
本発明に係る有機化合物の基本骨格にフェニル基が置換された有機化合物(表1中c)と(A)で示される基本骨格の無置換体である有機化合物(表1中a)と、(B)で示される基本骨格にフェニル基が置換された化合物(表1中b)との発光特性の比較を行った。表中の−は紫外及び可視領域で発光が観測されないことを示す。
【0037】
【表1】

【0038】
表1中aで示される有機化合物は紫外及び可視領域でほとんど発光しない。そのため量子収率も測定することができない。表1中bで示される有機化合物は、僅かに発光する。しかし、0−0の振動準位の発光強度は弱く、他の振動準位の発光強度が最大となるために、発光ピーク波長が550nmの黄色の発光をする。つまり、発光強度が弱いことに加えて緑色の発光が得られない。表1中cで示される本発明に係る有機化合物は、高い量子収率を示し、発光ピーク波長は516nmと緑色に発光する。
【0039】
これより、表1中aで示されるインデノ[1,2,3−cd]フルオランテン骨格自身は発光材料としては適さない構造である。この構造に対してフェニル基を一つ縮環した表1中bで示される有機化合物は黄色の発光でほとんど発光しない。これも、発光材料としては適さない構造であることが分かる。これらに対して、更にインデノ[1,2,3−cd]フルオランテン骨格に対して共役が伸びる方向にナフチル基を縮環した、表1中cで示される本発明に係る有機化合物は、緑色の発光となり、高い量子収率を示す。
【0040】
共役を伸ばすために縮環構造を増やすと、色は一般的に青から緑、黄、赤と変化していくはずであるが、それと表1中bで示される構造と表1中cで示される本発明の構造の関係は異なる。つまり、表1中bの化合物の発光色から表1中cの化合物の発光色を予測すると赤と予想される。しかし、表1中cの化合物の発光色は予想とは異なる緑を発することを発明者は見出した。
【0041】
また、量子収率も表1中cで示される本発明に係る有機化合物は表1中bで示される化合物の10倍以上高効率化する。
【0042】
【化8】

【0043】
また、本発明に係る有機化合物の基本骨格は平面性が高いため、膜にした際に分子同士が重なる可能性が高い。そうなると,分子本来の発光に対して長波長化する。これを膜にした際でも分子単独の発光波長を利用するためには、基本骨格に置換基を導入することが大切であると本発明者は考える。本発明に係る有機化合物の基本骨格が有する面と導入する置換基が有する面とによって形成される2面角が垂直に近い角度となることが好ましい。特に効果が高いのは、R、R、R、Rの少なくともいずれか一つにアリール基を導入することである。
【0044】
さらに本発明に係る有機化合物は、基本骨格内に2つの5員環構造を有するためHOMOエネルギーレベルが深い。つまり酸化電位が低い。すなわち本発明に係る有機化合物は酸化に対して安定である。
【0045】
また本発明に係る有機化合物は基本骨格に窒素原子等のヘテロ原子を有していない。このことも酸化電位が低いことに寄与し、すなわち有機化合物が酸化に対して安定であることに寄与する。
【0046】
本発明に係る有機化合物の基本骨格はHOMOエネルギーレベルが深い。それはHOMOエネルギーとLUMOエネルギーとエネルギーギャップの関係を考えるとLUMOエネルギーレベルも深いことを意味する。そのため、電子を受け取りやすい性質を有する。
【0047】
本発明に係る有機化合物は緑色の発光材料としてだけでなく、基本骨格に発光波長を長波長化する置換基を設けることで赤発光材料とすることもできる。これら長波長化した材料は、基本骨格が本発明に係る有機化合物と同一であるので、酸化に対して安定である。
【0048】
発光波長を長波長化するための置換基としてはトリアリールアミンやアントラセンなどが挙げられる。発光波長を調整するためにはこれら置換基を本発明に係る有機化合物の基本骨格のR、R、R12、R13の少なくともいずれか一つに設けることが好ましい。
【0049】
本発明に係る有機化合物は、有機発光素子の発光層のゲスト材料またはホスト材料として用いられる。好ましくは発光層のゲスト材料として用いられ、緑色発光素子の発光層のゲスト材料として用いられることが特に好ましい。
【0050】
本発明に係る有機化合物を発光層のゲスト材料として用いる場合ホスト材料は、この有機化合物よりもLUMOが浅い有機化合物、言い換えれば真空順位により近い有機化合物を用いることが好ましい。というのもホスト材料に供給された電子をゲスト材料が受け取りやすくなるからである。
【0051】
ここでホスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で、重量比が最も大きい材料である。ゲスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホスト材料よりも小さく、主たる発光をする材料である。また、アシスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で、重量比がホスト材料よりも小さく、ゲスト材料の発光を助ける材料である。
【0052】
本発明に係る有機化合物は赤色発光層のホスト材料としても用いることができる。
【0053】
さらに本発明に係る有機化合物は、発光層以外の各層、即ちホール注入層、ホール輸送層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、あるいは電子注入層等のいずれの層に用いられても良い。
【0054】
(本発明に係る有機化合物の例示)
本発明に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。
【0055】
【化9】

【0056】
【化10】

【0057】
【化11】

【0058】
(例示した化合物群のそれぞれの性質)
例示した化合物のうちA群に示すものは基本骨格のみならず分子全体が炭化水素のみで構成されているのでHOMOエネルギーレベルが低い。従って酸化電位が低くなり、すなわち有機化合物が酸化に対して安定であることを意味する。
【0059】
また、B群のように置換基がヘテロ原子を含む場合、分子の酸化電位は大きく変化する。あるいは分子間相互作用が変化する。置換基がヘテロ原子を含む場合、最大発光波長を長波長化させることができる。あるいは置換基がヘテロ原子を含む場合電子輸送性やホール輸送性、ホールトラップ型発光材料として使用した際に100%の高濃度で使用するといった用途に用いることができる。
【0060】
以上のように例示化合物をA乃至B群として挙げた。これら化合物は基本骨格自体で緑色発光するものである。また本発明に係る有機化合物の基本骨格は置換基を設けることにより緑から更に長波長化、具体的には赤色に発光しうる。
【0061】
本発明に係る有機化合物は下記一般式(2)で示されるものが特に好ましい。
【0062】
【化12】

【0063】
一般式(2)において、R17乃至R24はそれぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキル基、アリール基から選ばれる。
【0064】
前記アリール基はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基のいずれかである。
【0065】
前記アリール基は炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してよい。
【0066】
17、R18、R21、R22のいずれかの位置にアリール基が設けられる場合、本発明に係る有機化合物の基本骨格とアリール基とが成す2面角は大きい。
【0067】
そのため、分子同士の重なりを抑制し、濃度消光を抑制する効果が高い。
【0068】
19、R20、R23、R24の位置に置換基が設けられる場合、発光波長を長波長化できる。置換基はアリール基を設けるとより大きく波長を長波長化できる。
【0069】
(合成ルートの説明)
本発明に係る有機化合物の合成ルートの一例を説明する。以下に反応式を示す。
【0070】
所望の位置に置換基を導入する場合には、導入する位置の水素原子を他の置換基に置き換えて合成することができる。置き換える置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、フェニル基などが挙げられる。
【0071】
【化13】

【0072】
【化14】

【0073】
(その他有機化合物と原料)
上記反応式のうちD1乃至D6をそれぞれかえることで種々の有機化合物を合成することができる。その具体例を表2に合成化合物として示す。
【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
(有機発光素子の説明)
次に本発明に係る有機発光素子を説明する。
【0077】
本発明に係る有機発光素子は一対の電極である陽極と陰極とそれらの間に配置される有機化合物層とを少なくとも有する。この有機化合物層が本発明に係る有機化合物を有する。
【0078】
この有機化合物層が発光層である場合、発光層は本発明に係る有機化合物のみから構成されていても良いし、発光層には他の成分が存在しても良い。
【0079】
発光層に他の成分が存在する場合とは、発光層に主に発光する材料の他にホスト材料やアシスト材料が存在する場合である。本発明に係る有機化合物は干すと材料であってもゲスト材料であってもアシスト材料であってもよい。
【0080】
なお、本発明に係る有機化合物をゲスト材料として用いる場合、ホスト材料に対するゲスト材料の濃度は0.01wt%以上20wt%以下であることが好ましく、0.5wt%以上10wt%以下であることがより好ましい。
【0081】
本発明者らは種々の検討を行い、本発明に係る有機化合物を発光層のホスト材料またはゲスト材料、特にゲスト材料として用いた素子が高効率で高輝度な光出力を有し、極めて耐久性が高いことを見出した。
【0082】
以下に、本実施形態に係る有機化合物を用いた有機発光素子の例を示す。
【0083】
本実施形態に係る有機発光素子としては、基板上に、順次陽極、発光層、陰極を設けた構成のものが挙げられる。他にも順次陽極、ホール輸送層、電子輸送層、陰極)を設けた構成のものが挙げられる。また順次陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、陰極を設けたものや順次陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、陰極を設けたものや順次、陽極、ホール輸送層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、陰極を設けたものが挙げられる。ただしこれら例はあくまでごく基本的な素子構成であり、本実施形態に係る有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機化合物層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、電子輸送層もしくはホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
【0084】
本発明の有機化合物以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系のホール注入性化合物あるいは輸送性化合物あるいはホスト材料であるホスト化合物あるいは発光性化合物あるいは電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を使用することができる。
【0085】
以下にこれらの化合物例を挙げる。
【0086】
ホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物としては、ホール移動度が高い材料であることが好ましい。正孔注入性能あるいは正孔輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0087】
ホスト化合物としては、具体的な構造式を表4に示す。ホスト化合物は表4に示す構造式を有する誘導体である化合物であってもよい。またそれ以外に、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体等)、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機亜鉛錯体、及びトリフェニルアミン誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0088】
【表4】

【0089】
電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物としては、ホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物のホール移動度とのバランス等を考慮し選択される。電子注入性能あるいは電子輸送性能を有する化合物としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0090】
陽極材料としては、仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物である。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーでもよい。これらの電極物質は単独で使用してもよいし複数併用して使用してもよい。また、陽極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
【0091】
一方、陰極材料としては、仕事関数の小さなものがよい。例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は単独で使用してもよいし、複数併用して使用してもよい。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
【0092】
本実施形態に係る有機発光素子において、本発明に係る有機化合物を含有する層及びその他の有機化合物からなる層は、以下に示す方法により形成される。一般には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
【0093】
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
【0094】
(有機発光素子を有する表示装置)
以下本実施形態に係る有機発光素子を有する装置について説明する。
【0095】
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置に用いることができる。他にも電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライトなどがある。
【0096】
表示装置は本実施形態に係る有機発光素子を表示部に有する。この表示部とは複数の画素を有しており、この画素は本実施形態に係る有機発光素子とスイッチング素子の一例であるTFT素子とを有し、この有機発光素子の陽極または陰極とTFT素子のドレイン電極またはソース電極とが接続されている。表示装置はPC等の画像表示装置として用いることができる。表示装置は画像入力部をさらに有する画像入力装置でもよい。
【0097】
画像入力装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの情報を入力する画像入力部と、入力された情報を表示する表示部とを有する。これに撮像光学系をさらに有すればデジタルカメラ等の撮像装置となる。また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部として、外部から入力された画像情報に基づいて画像を表示する画像出力機能と操作パネルとして画像への加工情報を入力する入力機能との両方を有していてもよい。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
【0098】
次に、本実施形態に係る有機発光素子を使用した表示装置について説明する。
【0099】
図1は、本実施形態に係る有機発光素子と有機発光素子の発光非発光あるいは発光輝度を制御するスイッチング素子の1例であるTFT素子とを有する表示装置の断面模式図である。本図では有機発光素子とTFT素子との組が2組図示されている。不図示ではあるが発光輝度を制御するトランジスタをさらに有してもよい。表示装置は、情報に応じてスイッチング素子を駆動することで、有機発光素子を点灯あるいは消灯することによって表示を行い、情報を伝える。構造の詳細を以下に説明する。
【0100】
図1の表示装置は、ガラス等の基板1とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜2が設けられている。また符号3は金属のゲート電極3である。符号4はゲート絶縁膜であり、符号5は半導体層である。
【0101】
TFT素子8は半導体層5とドレイン電極6とソース電極7とを有している。TFT素子8の上部には絶縁膜9が設けられている。コンタクトホール10を介して有機発光素子の陽極11とソース電極7とが接続されている。表示装置はこの構成に限られず、陽極または陰極のうちいずれか一方とTFT素子のソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが接続されていればよい。
【0102】
有機化合物層12は本図では多層の有機化合物層を1つの層の如き図示をしている。陰極13の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層14や第二の保護層15が設けられている。
【0103】
本実施形態に係る表示装置においてスイッチング素子に特に制限はなく、単結晶シリコン基板やMIM素子、a−Si型の素子等を用いてもよい。
【実施例】
【0104】
(実施例1)
[例示化合物A2の合成]
【0105】
【化15】

【0106】
E1 10.6g(50mmol)、E2 10.5g(50mmol)をエタノール200ml中に入れ、60度まで加熱した後、6M水酸化ナトリウム水溶液20mlを滴下した。滴下終了後80度に加熱して2時間攪拌した後冷却後、析出物の濾過を行い、水、エタノールで洗浄した後、80℃で減圧加熱乾燥を行い濃緑色の固体E3を18.7g(収率:86%)得た。次に、E3 8.71g(20mmol)、E4 4.49g(24mmol)をトルエン100ml中に入れ、80℃まで加熱した後、亜硝酸イソアミル2.81g(24mmol)をゆっくり滴下した後、110℃で3時間攪拌を行った。冷却後、水100ml×2回で洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン=2:3)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、黄結晶のE5を7.47g(収率:70%)得た。
【0107】
【化16】

【0108】
E5 2.67g(5mmol)、E6 1.60g(8mmol)をDMF40ml中に入れ、ビス(トルフェニルフォスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.25g(0.5mmol)と1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン 2.28g(15mmol)を入れた後に150度に加熱して4時間攪拌を行った。これを冷却した後、メタノール30mlを加えて沈殿を析出させた後に濾過を行い、黄色固体を得た。この固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:3)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を2回行い、黄結晶の例示化合物A2を1.77g(収率:67%)得た。
【0109】
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。
【0110】
例示化合物A2の1×10−5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、516nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
【0111】
(実施例2)
[例示化合物A22の合成]
実施例1で用いられる有機化合物E2をE7に変更する以外は実施例1と同様の反応、精製で例示化合物A22を得た。
【0112】
【化17】

【0113】
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99.5%以上であることを確認した
また、NMR測定によりこの化合物の構造を確認した。
【0114】
H NMR(CDCl,400MHz) σ(ppm):8.17(s,2H),7.84−7.82(m,2H),7.70−7.67(m,2H),7.65−7.63(m,2H),7.49(s,2H),7.48(s,2H),7.46(d,2H,J=7.60Hz),7.39−7.37(m,2H),7.21−7.17(m,2H),6.40(d,2H,J=7.20Hz),1.44(s,36H).
例示化合物A22の1×10−5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、517nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
【0115】
(実施例3)
[例示化合物A3の合成]
【0116】
【化18】

【0117】
E8 5.41g(20mmol)、E9 5.18g(24mmol)をトルエン100ml中に入れ、80℃まで加熱した後、亜硝酸イソアミル2.81g(24mmol)をゆっくり滴下した後、80℃から徐々に昇温して100℃で3時間攪拌を行った。冷却後、水100ml×2回で洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン=2:3)にて精製後、トルエン/エタノールで再結晶を行い、E5を3.77g(収率:46%)得た。
【0118】
次に、E10 4.1g(10mmol)、Ni(dppp)Cl 1.08g(2mmol)をトルエン100ml中に入れ、トリエチルアミン 3.03g(30mmol)、E11 3.83g(30mmol)を入れて100℃で5時間攪拌を行った。冷却後、濾過を行い,水100ml×2回で洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、これをカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン=5:1)にて精製後、トルエン/ヘプタンで再結晶を行い、E12を3.19g(収率:70%)得た。
【0119】
【化19】

【0120】
E12 2.28g(5mmol)、E13 2.86g(10mmol)をDMF50ml中に入れ、ビス(トルフェニルフォスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.25g(0.5mmol)と1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン 2.28g(15mmol)を入れた後に150度に加熱して4時間攪拌を行った。これを冷却した後、メタノール30mlを加えて沈殿を析出させた後に濾過を行い、黄色固体を得た。この固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:5)にて精製後、トルエン/メタノールで再結晶を2回行い、黄結晶のE14を3.27g(収率:72%)得た。次にE14 3.18g(7mmol)、E15 1.25g(7mmol)をクロロホルム50mlに入れ後に60度に加熱して8時間攪拌を行った。冷却後、水50ml×2回で洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮した。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:2)にて精製後、トルエン/エタノールで再結晶を行い、E16を3.17g(収率:85%)得た。
【0121】
【化20】

【0122】
E16 2.42g(5mmol)、E6 1.60g(8mmol)をDMF40ml中に入れ、ビス(トルフェニルフォスフィン)パラジウム(II)ジクロライド0.25g(0.5mmol)と1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン 2.28g(15mmol)を入れた後に150度に加熱して4時間攪拌を行った。これを冷却した後、メタノール30mlを加えて沈殿を析出させた後に濾過を行い、黄色固体を得た。この固体をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:3)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を2回行い、黄結晶の例示化合物A3を1.90g(収率:72%)得た。
【0123】
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。
【0124】
例示化合物A3の1×10−5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、524nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
【0125】
(実施例4)
[例示化合物A23の合成]
実施例3で用いられる有機化合物E8をE18に変更した以外は実施例3と同様の反応、精製を行った。
【0126】
【化21】

【0127】
例示化合物A23の、1×10−5mol/lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、525nmに最大強度を有するスペクトルであった。
【0128】
(実施例5)
[例示化合物A13の合成]
実施例1で用いられる有機化合物E2をE19に変更する以外は実施例1と同様の反応、精製で例示化合物A13を得た
【0129】
【化22】

【0130】
例示化合物A13の1×10−5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、517nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
【0131】
(実施例6)
[例示化合物A21の合成]
実施例1で用いられる有機化合物E6をE20に変更した以外は実施例1と同様の反応、精製を行った。
【0132】
【化23】

【0133】
例示化合物A21の、1×10−5mol/lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、523nmに最大強度を有するスペクトルであった。
【0134】
(実施例7)
[例示化合物A25の合成]
実施例1で用いられる有機化合物E6をE20に、E2をE7に変更した以外は実施例1と同様の反応、精製を行った。
【0135】
例示化合物A25の、1×10−5mol/lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、520nmに最大強度を有するスペクトルであった。
【0136】
(実施例8)
本実施例では、順次陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/ホール・エキシトンブロッキング層/電子輸送層/陰極の構成の有機発光素子を作製した。ガラス基板上に100nmのITOをパターニングした。そのITO基板上に、以下の有機層と電極層を10−5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着して連続製膜し、対向する電極面積が3mmになるようにした。ゲスト材料が2種類存在する際は、置換位置の異なる構造異性体の約1:1の混合である。
ホール輸送層(40nm) G−1
発光層(30nm) ホスト:化合物H7(重量比98%)、ゲスト:例示化合物 A2(重量比 5%)
ホール・エキシトンブロッキング層(10nm) G−3
電子輸送層(30nm) G−4
金属電極層1(1nm) LiF
金属電極層2(100nm) Al
【0137】
【化24】

【0138】
有機発光素子の特性は、電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。
【0139】
実施例9乃至20では、実施例8のゲスト材料およびホスト材料を変更した以外は同様に有機発光素子を作製し、同様の評価を行った。ホスト材料は表5中のG−2の欄に示される化合物を用いた。
【0140】
実施例8乃至実施例20の発光効率と電圧を表5に示す。
【0141】
【表5】

【0142】
(実施例21)
本実施例では、順次陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極の構成の有機発光素子を作製した。
【0143】
共振構造を有する有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
【0144】
支持体としてのガラス基板上に反射性陽極としてのアルミニウム合金(AlNd)を100nmの膜厚でスパッタリング法にて成膜する。さらに、透明陽極としてITOをスパッタリング法にて80nmの膜厚で形成する。次に、この陽極周辺部にアクリル製の素子分離膜を厚さ1.5μmで形成し、半径3mmの開口部を設けた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄した後、IPAで煮沸洗浄して乾燥する。さらに、この基板表面に対してUV/オゾン洗浄を施す。
【0145】
更に、以下の有機層を10−5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着して連続製膜した後に、陰極としてIZOをスパッタリング法にて成膜して膜厚30nmの透明電極を形成する。形成した後に、窒素雰囲気中において、封止する。
【0146】
以上により、有機発光素子を形成する。
ホール注入層(135nm) G−11
ホール輸送層(10nm) G−12
発光層(35nm) ホスト:化合物H7(重量比 98%)、ゲスト:例示化合物 A13(重量比 2%)
電子輸送層(10nm) G−14
電子注入層(70nm) G−15(重量比 80%)、Li(重量比 20%)
【0147】
【化25】

【0148】
有機発光素子の特性は、電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。
【0149】
実施例22乃至26では、実施例21のゲスト材料およびホスト材料を変更した以外は同様に有機発光素子を作製し、同様の評価を行った。ホスト材料はG−13の欄に示す化合物を用いた。
【0150】
実施例21乃至実施例26の発光効率と電圧を表6に示す
【0151】
【表6】

【0152】
(結果と考察)
本発明に係る有機化合物は高い量子収率と緑に適した発光を有する新規化合物であり、有機発光素子に用いた場合、良好な発光特性を有する発光素子を作ることができる。
【符号の説明】
【0153】
8 TFT素子
11 陽極
12 有機化合物層
13 陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されることを特徴とする有機化合物。
【化1】


式(1)において、R乃至R16は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
前記アリール基および前記複素環基はアルキル基を置換基として有してよい。
前記アミノ基はアルキル基またはアリール基を置換基として有してよい。
【請求項2】
乃至R16はそれぞれ独立に前記水素原子、前記アリール基から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
【請求項3】
下記一般式(2)で示されることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
【化2】


一般式(2)において、R17乃至R24はそれぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキル基、アリール基から選ばれる。
前記アリール基はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基のいずれかである。
前記アリール基は炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してよい。
【請求項4】
陽極と陰極と、前記陽極と陰極との間に配置される有機化合物層とを有する有機発光素子において、
前記有機化合物層は請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
【請求項5】
前記有機化合物層は発光層であることを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
【請求項6】
緑色発光することを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
【請求項7】
複数の画素を有し、前記画素は請求項4乃至6のいずれか一項に記載の有機発光素子と前記有機発光素子に接続するスイッチング素子とを有することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
画像を表示するための表示部と画像を入力するための画像入力部とを有し、前記表示部は複数の画素を有し、前記画素は請求項4乃至6のいずれか一項に記載の有機発光素子と前記有機発光素子に接続するスイッチング素子とを有することを特徴とする画像入力装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−256113(P2011−256113A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129267(P2010−129267)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】