説明

新陳代謝促進ベッド

【課題】コンパクトに折畳んで小スペースに保管でき、さらに、使用者への身体的・精神的負担の少ない新陳代謝促進ベッドを提供する。
【解決手段】
相互に折畳み自在な前方ベッド体1Aと後方ベッド体1Bとを有するベッド本体1と、水平展開状態のベッド本体1の上方及び左右側方を被覆状として側面視山型状に展開するカバー部材62と、水平展開状態のベッド本体1とカバー部材に囲まれた包囲空間Kにベッド本体1の後端近傍から前方に向かってミストMを吐出するミスト発生器3と、後方ベッド体1Bを水平軸心廻りに揺動自在に支持する支柱部材2と、支柱部材2を前方に引出し自在に収納すると共に非展開状態のカバー部材62を収容可能な収納空間を有する前方開口状のケーシング5と、を備え、ケーシング5に支柱部材2が収納された状態において、折畳み状態のベッド本体1の後方ベッド体1Bが収納空間に収容されると共に折畳み状態のベッド本体1の前方ベッド体1Aがケーシング5の前方開口部を施蓋するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新陳代謝促進ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者を、横臥状態にさせたままの状態でシャワーを浴びせて、体を温めて血行を良くしたり、発汗を促して、新陳代謝を促進させるシャワー付のベッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−253150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のベッドは、装置が複雑なため大型となり不使用時の保管場所に広いスペースが必要という問題があった。また、大量の温水が必要となると共に水しぶきが発生するため、設置場所が限定されてしまうという問題があった。
また、使用者が身体弱者や要介護者である場合は、シャワーからの噴水が寝ダコや床擦れ部に直接的当たることがあり、身体的負担となる場合やストレスを与えてしまうという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、コンパクトに折畳んで小スペースに保管でき、さらに、使用者への身体的・精神的負担の少ない新陳代謝促進ベッドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の新陳代謝促進ベッドは、相互に折畳み自在な前方ベッド体と後方ベッド体とを有するベッド本体と、水平展開状態の上記ベッド本体の上方及び左右側方を被覆状として側面視山型状に展開するカバー部材と、水平展開状態の上記ベッド本体と上記カバー部材に囲まれた包囲空間に上記ベッド本体の後端近傍から前方に向かってミストを吐出するミスト発生器と、上記後方ベッド体を水平軸心廻りに揺動自在に支持する支柱部材と、上記支柱部材を前方に引出し自在に収納すると共に非展開状態の上記カバー部材を収容可能な収納空間を有する前方開口状のケーシングと、を備え、上記ケーシングに上記支柱部材が収納された状態において、折畳み状態の上記ベッド本体の上記後方ベッド体が上記収納空間に収容されると共に折畳み状態の上記ベッド本体の上記前方ベッド体が上記ケーシング本体の前方開口部を施蓋するように構成したものである。
【0007】
また、相互に折畳み自在な前方ベッド体と後方ベッド体とを有するベッド本体と、水平展開状態の上記ベッド本体の上方及び左右側方を被覆状として側面視前方下傾状又は側面視山型状に展開するカバー部材と、水平展開状態の上記ベッド本体と上記カバー部材に囲まれた包囲空間に上記ベッド本体の後端近傍から前方に向かってミストを吐出するミスト発生器と、上記後方ベッド体を水平軸心廻りに揺動自在に支持する支柱部材と、上記支柱部材を前方に引出し自在に収納する前方開口状のケーシング本体及び上下方向に揺動して該ケーシング本体を施蓋可能なケーシング蓋体から成るケーシングと、を備え、上記ケーシング本体に上記支柱部材が収納されると共に上記ケーシング蓋体が上記ケーシング本体を施蓋した状態において、折畳み状態の上記前方ベッド体及び上記後方ベッド体と、非展開状態の上記カバー部材とが、上記ケーシングの内部に収容されるように構成したものである。
【0008】
また、上記カバー部材を、複数の管状体を有する伸縮自在な釣竿状の左右一対のガイド用骨組部材に、スライド自在に取着したものである。
【0009】
また、上記ベッド本体は、上方開口部を有する平底船状の殻体と、上記上方開口部に設けられて上記ミストが透過自在な床部材と、を備え、該床部材の裏面側には、偏平空間が形成され、上記ベッド本体の水平展開状態において、上記ミストを上記包囲空間内へ斜上前方に向かって吐出する第1噴霧口と、上記ミストを上記偏平空間内へ前方略水平方向に向かって吐出する第2噴霧口と、を設けたものである。
【0010】
また、上記第2噴霧口からの上記ミストが上記床部材を透過して上記包囲空間へ流れるのを防止する遮断膜を設けて予備加熱を行うように構成すると共に、上記遮断膜を上記床部材の上記裏面側から分離下降させて上記殻体の底面側へ退避させ上記第2噴霧口からの上記ミストを上記床部材を透過して上記包囲空間へ流入させて本加熱を行うように構成したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の新陳代謝促進ベッドによれば、ベッド本体を折畳んで、コンパクトな形状として小スペースに保管することができる。大量の温水が必要なく、水しぶきが発生しないので、設置場所が限定されずに使用できる。ミストによって使用者の新陳代謝を促進できる。シャワーや浴槽に比べて身体に水圧がかからず、使用者の身体的負担やストレス(精神的負担)を軽減できる。特に、身体弱者、要介護者や要支援者の新陳代謝を促進させるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の新陳代謝促進ベッドの第1実施形態の収納状態を示す側面図である。
【図2】収納状態の斜視図である。
【図3】ベッド本体の展開途中状態の側面図である。
【図4】ベッド本体の水平展開状態の側面図である。
【図5】ベッド本体の水平展開状態の斜視図である。
【図6】カバー部材の展開途中状態の側面図である。
【図7】カバー部材の展開途中状態の斜視図である。
【図8】カバー部材の展開状態の斜視図である。
【図9】予備加熱状態の要部断面側面図である。
【図10】本加熱状態の要部断面側面図である。
【図11】図9のA−A断面図である。
【図12】図10のB−B断面図である。
【図13】作用説明図である。
【図14】骨組部材の説明図である。
【図15】第2実施形態の収納状態を示す側面図である。
【図16】第2実施形態の使用状態を示す要部断面側面図である。
【図17】第2実施形態の変形例の使用状態を示す要部断面側面図である。
【図18】第2実施形態の他の変形例の使用状態を示す要部断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
図1乃至図12に示す第1実施形態に於て、本発明の新陳代謝促進ベッドは、相互に折畳み自在な前方ベッド体1Aと後方ベッド体1Bとを有するベッド本体1と、後方ベッド体1Bを水平軸心L1廻りに揺動自在に支持する支柱部材2と、ミストMを吐出するミスト発生器3と、ミスト発生器3を内蔵する前方開口状のケーシング5と、を備えている。
【0014】
ベッド本体1は、V字状の折畳み状態から水平状の展開状態に展開するように、前方ベッド体1Aと後方ベッド体1Bとを水平状の枢着軸心L2廻りに揺動自在に枢着している。
前方ベッド体1Aは、裏面18側に、引出し用の取手16と、水平状となった前方ベッド体1Aを下方から支持するための折り畳み自在な複数の脚部材17,17と、を有している。また、折畳み状態で床面に接地する左右一対の前方車輪27を有している。
【0015】
支柱部材2は、下端に車輪29と、ケーシング5の下端側に設けられた案内部によって前後方向に水平移動可能にガイドされるスライド部28と、を有している。
また、スライド部28に、後方ベッド体1Bの裏面19に上端が枢着されたガススプリング20の下端が枢着されている。支柱部材2及びガススプリング20は、後方にスライドさせることでケーシング5内部に収納され、前方にスライドさせることでケーシング5から引き出される。
【0016】
図1及び図2に示すように、ケーシング5内部に支柱部材2が収容されている状態において、ベッド本体1は、折畳み状態のベッド本体1の後方ベッド体1Bが、ミスト発生器3の前方側に配設されると共に、折畳み状態のベッド本体1の前方ベッド体1Aがケーシング5の前方開口部51を施蓋するように配設される。
【0017】
また、図6乃至図11に於て、水平展開状態のベッド本体1の上方及び左右側方を被覆状とするカバー部材62と、カバー部材62が取着されると共に短縮状態でケーシング5に収納される左右一対の伸縮自在な釣竿状のガイド用骨組部材61と、骨組部材61を側面視山型状(円弧状)に引き出す伸縮自在な左右一対の支持部材63と、を備えている。左右一対の支持部材63は上端が左右方向の横杆64にて連結されると共に骨組部材61の先端60側に連結されている。また、支持部材63の下端は、水平状の揺動軸心L3廻り(前後方向)に揺動自在に前方ベッド体1Aに枢着されている。なお、本発明に於て、「前方」とは、ベッド本体1を水平展開するために引き出す矢印Fの方向を言う。
【0018】
骨組部材61は、図14に示すように、内径の異なる複数の管状体61a,61b,61c,61dを有し、内径の大きなものに内径の小さなものを順次内装した伸縮自在な釣り竿状構造を有している。骨組部材61は、可撓性を有し、ガラスファイバーやカーボンファイバー等の高強度高弾性繊維をもって構成される。図14(a)の短縮状態から、図14(b),図14(c)に順次示すように、内装されている管状体61b,61c,61dを順次引き出して伸長状態となる。また、可撓性を有するので側面視山型状(円弧状)に湾曲可能である。また、図11に示すように、骨組部材61は、カバー部材62に形成された垂れ幕部62aを挿通している。カバー部材62は、骨組部材61をカーテンレールのようなガイド部材として、蛇腹状からスライドさせ側面視山型状に展開自在に骨組部材61に取着されている。
【0019】
また、ベッド本体1は、図9乃至図12に示すように、上方開口部11aを有する平板船状の殻体(浅皿状の箱体)11と、上方開口部11aに設けられてミスト発生器3から吐出されるミストMが透過自在な床部材10と、を備えている。床部材10の裏面10b側には、床部材10と殻体11に囲まれた偏平空間12が形成されている。
【0020】
床部材10は、表て面10a側と裏面10b側を連通する多数の貫通部を有するのであり、例えば、繊維質(製)の網(メッシュ)状、格子状、簀子状、多数の貫孔(パンチング孔)を有する板状部材、等に形成されている。また、床部材10に載置される横臥状態の使用者の頭部側を起こすリクライニングシート式の背もたれ部10cを有している(図10参照)。また、ベッド本体1に、面状ファスナーの雌雄片91,92の一方を設け、カバー部材62に他方を設けて、展開状態のカバー部材62をベッド本体1に取着可能とするのが望ましい。なお、図5及び図7に示した床部材10に於て貫通部は図示省略している。
【0021】
ミスト発生器3は、水平展開状態のベッド本体1と展開状態のカバー部材62に囲まれた包囲空間Kに、水平展開状態のベッド本体1の後端近傍から前方に向かってミストを吐出するものである。ミスト発生器3は、ミストMを包囲空間K内へ斜上前方に向かって吐出する左右一対の第1噴霧口31と、ミストMを偏平空間12内へ前方略水平方向に向かって吐出する左右一対の第2噴霧口32,32と、ベット本体1の後端近傍から包囲空間K内のミストMや気体を吸い込む吸気口と、を備えている。なお、ミスト発生器3は、1μm未満の超微細水から成るミストM、つまり、ナノミストを噴霧するものが望ましい。また、ミストMにより包囲空間K及び偏平空間12を38℃〜45℃に加熱(保温)可能なものが好ましい。また、ミストMと共にイオンを吐出可能なものが好ましい。
【0022】
また、図9及び図11に於て、偏平空間12内には、第2噴霧口32から吐出するミストMが床部材10を透過して包囲空間Kへ流れるのを防止するように、床部材10の裏面10bを覆う遮断膜7を設けている。
【0023】
遮断膜7の前方端側は、床部材10の前端側に取着している。遮断膜7の後方端縁部7bは床部材10の裏面10bと第2噴霧口32の間に配設されると共に第2噴霧口32の口先端32cより後方に配設されている。遮断膜7の後方端縁部7bの左右端近傍には、図示省略のワイヤー、チューブ、紐等の可撓性部材又は棒状部材といった膜操作部材が取着されている。
【0024】
遮断膜7は、図13(a)に示すように、第2噴霧口32から吐出するミストMが、包囲空間Kへ流れるのを防止している状態から、膜操作部材が遮断膜7の後方端縁部7bを下方へ引っ張るように操作されると、図13(b)に示すように、遮断膜7の後方端縁部7bが第2噴霧口32を乗り越えて、図13(c)に示すように、第2噴霧口32の下面32b側に配設されるように設けている。なお、遮断膜7の後端縁部7bが膜操作部材によって上下移動が可能な範囲で遮断膜7の左右側縁部を床部材10の左右側縁部に取着しても良い。
【0025】
また、ケーシング5は、折畳み状態のベッド本体1の後方ベッド体1Bと、後方にスライドされた支柱部材2及びガススプリング20と、ミスト発生器3と、短縮状態の骨組部材61と、骨組部材61に取着された非展開状態のカバー部材62(図1乃至図5に於ては、図示省略している)と、を収容可能な収納空間50を有している。また、背面に突設された持手部58と、下端に設けられた車輪59と、を有している。また、図5に於て、ケーシシング5内に仕切壁部56を設け、仕切壁部56に包囲空間K内の使用者が目視可能な表示器(モニタ)9を設けている。表示器9は、ミスト発生器3の設定内容、使用者の血圧や脈拍、包囲空間K内の温度、加熱を行っている作動時間、映画やTV番組等を表示するものである。
【0026】
次に、第1実施形態の作用(使用方法)について説明する。
図1及び図2に示した収納状態において、操作者が、持ち手部58を把持して手押又は手引きすることでケーシング5の車輪59が回転し、ミスト発生器3とベッド本体1とカバー部材62(図1に於ては図示省略)と骨組部材61とがコンパクトに一体状(一つの塊状)となって所望の位置まで移動される。なお、使用者が、身体弱者、要介護者や要支援者の場合は、操作者とは、使用者と異なる者であり、使用者の家族、介護士、看護士、医師等である。
【0027】
図3に示すように、取手16を引くと折畳み状態のベッド本体1の前方ベッド体1Aが前方に引き出される。支柱部材2が引き出され、ガススプリング20が後方ベッド体1Bを押して水平軸心L1廻りに揺動させ水平状とする。また、前方ベッド体1Aが枢着軸心L2廻りに揺動する。
図4及び図5に示すように、ベッド本体1が水平展開状態となる。水平展開状態の前方ベッド体1Aは脚部材17によって支持される。後方ベッド体1Bは支柱部材2によって支持される。なお、脚部材17を折畳み状態のままとし、前方ベッド体1Aを、既設のベッドに載置するようにしてベッド本体1を水平展開しても良い。図5に於て支持部材63は図示省略している。
図6及び図7に示すように、支持部材63を揺動させると、骨組部材61と共にカバー部材62がケーシング5内から引き出される。
【0028】
図8と図9及び図11に示すように、カバー部材62は、床部材10の上方及び左右側方と、前方とを幌のように被覆状に包囲する。カバー部材62とベッド本体1(床部材10)に囲まれた包囲空間Kを形成する。遮断膜7は、床部材10の裏面10bを覆う。
図9及び図11に於て、ミスト発生器3を始動させ、先ず、第2噴霧口32からのミストMが偏平空間12に流れる。遮断膜7は、包囲空間Kと偏平空間12との間をミストMが床部材10を透過して流れるのを防止する。
つまり、偏平空間12内の予備加熱が行われ、床部材10が温められる。予め加熱(保温)された床部材10に使用者が触れることで、即座に全身が温められ、使用者に寒い思いや、部材が肌に触れて冷たさを感じることが軽減される。
【0029】
そして、床部材10に使用者が横臥状態となった後に、膜操作部材が操作されると、図13(a)、図13(b)、図13(c)と順次示すように、遮断膜7の後方端縁部7bは、第2噴霧口32の上面32a側から口先端32cを乗り越えて、下面32b側に配設される。
また、第1噴霧口31からミストMを吐出させる。
遮断膜7を、図10及び図12に示すように、床部材10の裏面10b側から分離降下して、殻体11の底面11bに退避させた本加熱状態となる。
第2噴霧口32からのミストMが偏平空間12から床部材10を介して包囲空間Kへ流れる。第1噴霧口31からのミストMを上方(仰向けの使用者の正面側)から浴びさせると共に、第2噴霧口32からのミストMを下方(背面側)から受けさせる本加熱が行われる。
【0030】
使用者をミストMで包囲し、全身を温めて血行を良くし、発汗作用を促して新陳代謝を促進させる。また、全身がムラなく体の芯から温められ、湯冷めのように急激に身体が冷えることが軽減されると共に、シャワーや浴槽のように水圧がかからないため、身体(心臓や肌)への負担が少なく疲れない。つまり、身体弱者や要介護者や要支援者等の身体の洗浄にも好適である。シャワー等に比べて水しぶき等の発生がなく、また、浴槽や貯水タンクも必要ないため軽量である。
特に、ナノミストを噴霧した場合、包囲空間K内の使用者は、髪等が濡れることがなく、使用後も汗を拭き取るだけで良くなる。また、使用後も保温、保湿効果が持続し美容効果も得られる。また、全身が温まりやすく冷めにくいといった効果も得られる。
【0031】
また、背もたれ部10cが使用者の所望の傾斜角度に調節されることで、リラックスしてミストMを浴びることができる。また、ベッド本体1の上方で、左右の骨組部材61,61を左右方向に連結するような横骨部材を省略することで、包囲空間Kの上方で結露の発生が防止され使用者に水滴が落ちるのを防止すると共に、使用者に狭小感や圧迫感を与えるのを防止する。また、前方ベッド体1Aを後方ベッド体1Bより長く設けることで、ケーシング5を小型にし、前方ベッド体1Aをケーシング5の施蓋部材に共用して、図1に示す如く、コンパクトな収納(折畳み)状態にできる。
【0032】
次に第2の実施形態について説明する。
図15及び図16に示すように、ベッド本体1は、逆V字状に折畳み自在なベッド本体1を備えている。また、支柱部材2を前方に引出し自在に収納すると共にミスト発生器3が内蔵される上方開口状のケーシング本体5Aと、上下方向に揺動してケーシング本体5Aの前方開口部51を施蓋するケーシング蓋体5Bと、から成るケーシング5を備えている。
【0033】
また、ケーシング蓋体5Bには、短縮状態の骨組部材61と、骨組部材61にスライド自在に取着されたカバー部材62と、が設けられている。ケーシング蓋体5Bが上方に揺動した展開状態で、骨組部材61とカバー部材62がケーシング蓋体5Bから引き出され、カバー部材62はベッド本体1の上方及び左右側方を被覆状として側面視前方下傾状に展開する。また、カバー部材62は、骨組部材61の先端から垂設され前方側を覆う垂れ幕部62aを着脱自在に有している。また、前方ベッド体1Aは、水平展開状態で前方側となる端部に、引出し用の車輪15を有している。
【0034】
図15に示すように、ケーシング本体5A内部に支柱部材2が収容されると共に、ケーシング蓋体5Bがケーシング本体5Aを施蓋した状態において、逆V字状に折畳み状態のベッド本体1と、ミスト発生器3と、図15においては図示省略の短縮状態の骨組部材61及び骨組部材61に取着されている非展開状態のカバー部材62と、がケーシング5内部の収納空間50に収納され、コンパクトな一つの塊状となって移動が容易な形状となる。また、ベッド本体1が逆V字状に折畳まれると共に、前方ベッド体1Aを(第1実施形態のように)施蓋状に配設しないので、前方ベッド体1Aと後方ベッド体1Bの折畳み高さ寸法を同等にでき、第1実施形態に比べて、収納状態の全高寸法Hを低くできる。
【0035】
また、図16に示すように、使用者が、顔にミストMが当たるのを望まない場合は、二点鎖線で示すようにケーシング蓋体5Bを使用者に接近させるように下傾させ、骨組部材61の長さを調節して、カバー部材62に設けたファスナー部を開口して、使用者の顔が、包囲空間Kから露出可能としている。なお、ベッド本体1の上方でケーシング蓋体5Bが配設される場所において、カバー部材62を省略しても良い。つまり、ベッド本体1の上方をカバー部材62とケーシング蓋体5Bで覆うようにしても良い。なお、カバー部材62は、膜状が好ましいが、透明又は半透明の板状とするも良い。
【0036】
また、第1噴霧口31からのミストMの内、上方へ向かって吐出されてしまうミストMを包囲空間K内に誘導し、又は、上方へ向かうミストMを下方へ反射させ、身体に効率良く浴びせるための、勾配部55をケーシング本体5A内の上部に設けている。
【0037】
また、図17に示す第2実施形態の変形例のように、ケーシシング本体5A内に仕切壁部56を設け、仕切壁部56に包囲空間K内の使用者が目視可能な表示器(モニタ)9を設けても良い。
また、図18に示す第2実施形態の他の変形例は、ケーシング本体5Aに、骨組部材61を設け、骨組部材61に取着したカバー部材62を、水平展開状態のベッド本体1の上方及び左右側方を被覆状として側面視山型状に展開するものである。第1実施形態のような幌を形成する。そして、使用者が、顔にミストMが当たるのを望まない場合は、骨組部材61の長さとカバー部材62の展開とを調整して、骨組部材61の先端から垂設されると共にカバー部材62に着脱自在に設けられた二点鎖線で示す垂れ幕部62aの顔出し用のファスナー部を開口し、使用者の顔が包囲空間Kの外部に露出可能としている。
【0038】
なお、本発明は設計変更可能であって、第1実施形態のカバー部材62に顔出し用のファスナー部を設けても良い。また、殻体11は、FRP又は積層合板、もしくは、アルミ等のフレーム枠体にパネルを取着した構造体で形成するのが望ましい。また、アルミ製の2〜5mmの薄板等で板金や溶接して形成しても良い。また、ケーシング5に、操作者が目視可能な外部モニタを設けるのが望ましい。
また、図1及び図2の二点鎖線や図18に示すような持手部58を左右一対に設けても良い。また、図18に二点鎖線で示すように、ケーシング5の背面にミスト発生器3をケーシング5内に出入れするためのハネ上げ式等の収納扉を第1実施形態に設けても良い。
【0039】
以上のように、本発明の新陳代謝促進ベッドは、相互に折畳み自在な前方ベッド体1Aと後方ベッド体1Bとを有するベッド本体1と、水平展開状態のベッド本体1の上方及び左右側方を被覆状として側面視山型状に展開するカバー部材62と、水平展開状態のベッド本体1とカバー部材62に囲まれた包囲空間Kにベッド本体1の後端近傍から前方に向かってミストMを吐出するミスト発生器3と、後方ベッド体1Bを水平軸心L1廻りに揺動自在に支持する支柱部材2と、支柱部材2を前方に引出し自在に収納すると共に非展開状態のカバー部材62を収容可能な収納空間50を有する前方開口状のケーシング5と、を備え、ケーシング5に支柱部材2が収納された状態において、折畳み状態のベッド本体1の後方ベッド体1Bが収納空間50に収容されると共に折畳み状態のベッド本体1の前方ベッド体1Aがケーシング5の前方開口部51を施蓋するように構成したので、ベッド本体1が折畳め、コンパクトな形状にすることができる。小スペースに保管することができる。大量の温水が必要なく、また、水しぶきが発生しないので、設置場所が限定されずに使用できる。ミストMによって使用者の新陳代謝を促進できる。シャワーや浴槽に比べて身体に水圧がかからず、使用者の身体的負担やストレスが軽減できる。特に、身体弱者、要介護者や要支援者の新陳代謝を促進及び洗浄するのに好適である。
【0040】
また、相互に折畳み自在な前方ベッド体1Aと後方ベッド体1Bとを有するベッド本体1と、水平展開状態のベッド本体1の上方及び左右側方を被覆状として側面視前方下傾状又は側面視山型状に展開するカバー部材62と、水平展開状態のベッド本体1とカバー部材62に囲まれた包囲空間Kにベッド本体1の後端近傍から前方に向かってミストMを吐出するミスト発生器3と、後方ベッド体1Bを水平軸心L1廻りに揺動自在に支持する支柱部材2と、支柱部材2を前方に引出し自在に収納する前方開口状のケーシング本体5A及び上下方向に揺動してケーシング本体5Aを施蓋可能なケーシング蓋体5Bから成るケーシング5と、を備え、ケーシング本体5Aに支柱部材2が収納されると共にケーシング蓋体5Bがケーシング本体5Aを施蓋した状態において、折畳み状態の前方ベッド体1A及び後方ベッド体1Bと、非展開状態のカバー部材62とが、ケーシング5の内部に収容されるように構成したので、ベッド本体1が折畳め、コンパクトな形状にすることができる。小スペースに保管することができる。ミストMによって使用者の新陳代謝を促進できる。大量の温水が必要なく、また、水しぶきが発生しないので、設置場所が限定されずに使用できる。シャワーや浴槽に比べて身体に水圧がかからず、使用者の身体的負担やストレスが軽減できる。特に、身体弱者、要介護者や要支援者の新陳代謝を促進及び洗浄するのに好適である。
【0041】
また、カバー部材62を、複数の管状体61a,61b,61cを有する伸縮自在な釣竿状の左右一対のガイド用骨組部材61,61に、スライド自在に取着したので、カバー部材62を容易に展開できる。また、カバー部材62を側面視山型又は側面視前方下傾状といた展開状態に容易にできる。骨組部材61をケーシング5内にコンパクトに収納できる。
【0042】
また、ベッド本体1は、上方開口部11aを有する平底船状の殻体11と、上方開口部11aに設けられてミストMが透過自在な床部材10と、を備え、床部材10の裏面10b側には、偏平空間12が形成され、ベッド本体1の水平展開状態において、ミストMを包囲空間K内へ斜上前方に向かって吐出する第1噴霧口31と、ミストMを偏平空間12内へ前方略水平方向に向かって吐出する第2噴霧口32と、を設けたので、使用者の正面側と背面側の両側から身体全体にムラなく隅々までミストMで包囲でき、保温・保湿・洗浄・発汗効果を高めて、新陳代謝をより促進できる。各噴霧口31,32から噴出されたミストMを直接的に身体に吹き付ける場合に比べて、肌に優しく局部的な暑さを感じさせずに身体全体を略均一に温めることができる。
【0043】
また、第2噴霧口32からのミストMが床部材10を透過して包囲空間Kへ流れるのを防止する遮断膜7を設けて予備加熱を行うように構成すると共に、遮断膜7を床部材10の裏面10b側から分離下降させて殻体11の底面11b側へ退避させ第2噴霧口32からのミストMを床部材10を透過して包囲空間Kへ流入させて本加熱を行うように構成したので、予め加熱(保温)された床部材10(ベッド本体1)に使用者が触れる(横になる)ことで、即座に全身が温められ、使用者に寒い思いや、部材に肌が触れて冷たさを感じることを軽減できる。迅速かつ容易に本加熱を行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ベッド本体
1A 前方ベッド体
1B 後方ベッド体
2 支柱部材
3 ミスト発生器
5 ケーシング
7 遮断膜
10 床部材
10b 裏面
11 殻体
11a 上方開口部
11b 底面
12 偏平空間
31 第1噴霧口
32 第2噴霧口
50 収納空間
51 前方開口部
61 骨組部材
61a 管状体
61b 管状体
61c 管状体
62 カバー部材
K 包囲空間
L1 水平軸心
M ミスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に折畳み自在な前方ベッド体(1A)と後方ベッド体(1B)とを有するベッド本体(1)と、水平展開状態の上記ベッド本体(1)の上方及び左右側方を被覆状として側面視山型状に展開するカバー部材(62)と、水平展開状態の上記ベッド本体(1)と上記カバー部材(62)に囲まれた包囲空間(K)に上記ベッド本体(1)の後端近傍から前方に向かってミスト(M)を吐出するミスト発生器(3)と、上記後方ベッド体(1B)を水平軸心(L1)廻りに揺動自在に支持する支柱部材(2)と、上記支柱部材(2)を前方に引出し自在に収納すると共に非展開状態の上記カバー部材(62)を収容可能な収納空間(50)を有する前方開口状のケーシング(5)と、を備え、
上記ケーシング(5)に上記支柱部材(2)が収納された状態において、折畳み状態の上記ベッド本体(1)の上記後方ベッド体(1B)が上記収納空間(50)に収容されると共に折畳み状態の上記ベッド本体(1)の上記前方ベッド体(1A)が上記ケーシング(5)の前方開口部(51)を施蓋するように構成したことを特徴とする新陳代謝促進ベッド。
【請求項2】
相互に折畳み自在な前方ベッド体(1A)と後方ベッド体(1B)とを有するベッド本体(1)と、水平展開状態の上記ベッド本体(1)の上方及び左右側方を被覆状として側面視前方下傾状又は側面視山型状に展開するカバー部材(62)と、水平展開状態の上記ベッド本体(1)と上記カバー部材(62)に囲まれた包囲空間(K)に上記ベッド本体(1)の後端近傍から前方に向かってミスト(M)を吐出するミスト発生器(3)と、上記後方ベッド体(1B)を水平軸心(L1)廻りに揺動自在に支持する支柱部材(2)と、上記支柱部材(2)を前方に引出し自在に収納する前方開口状のケーシング本体(5A)及び上下方向に揺動して該ケーシング本体(5A)を施蓋可能なケーシング蓋体(5B)から成るケーシング(5)と、を備え、
上記ケーシング本体(5A)に上記支柱部材(2)が収納されると共に上記ケーシング蓋体(5B)が上記ケーシング本体(5A)を施蓋した状態において、
折畳み状態の上記前方ベッド体(1A)及び上記後方ベッド体(1B)と、非展開状態の上記カバー部材(62)とが、上記ケーシング(5)の内部に収容されるように構成したことを特徴とする新陳代謝促進ベッド。
【請求項3】
上記カバー部材(62)を、複数の管状体(61a)(61b)(61c)を有する伸縮自在な釣竿状の左右一対のガイド用骨組部材(61)(61)に、スライド自在に取着した請求項1又は2記載の新陳代謝促進ベッド。
【請求項4】
上記ベッド本体(1)は、上方開口部(11a)を有する平底船状の殻体(11)と、上記上方開口部(11a)に設けられて上記ミスト(M)が透過自在な床部材(10)と、を備え、該床部材(10)の裏面(10b)側には、偏平空間(12)が形成され、
上記ベッド本体(1)の水平展開状態において、上記ミスト(M)を上記包囲空間(K)内へ斜上前方に向かって吐出する第1噴霧口(31)と、上記ミスト(M)を上記偏平空間(12)内へ前方略水平方向に向かって吐出する第2噴霧口(32)と、を設けた請求項1,2又は3記載の新陳代謝促進ベッド。
【請求項5】
上記第2噴霧口(32)からの上記ミスト(M)が上記床部材(10)を透過して上記包囲空間(K)へ流れるのを防止する遮断膜(7)を設けて予備加熱を行うように構成すると共に、上記遮断膜(7)を上記床部材(10)の上記裏面(10b)側から分離下降させて上記殻体(11)の底面(11b)側へ退避させ上記第2噴霧口(32)からの上記ミスト(M)を上記床部材(10)を透過して上記包囲空間(K)へ流入させて本加熱を行うように構成した請求項4記載の新陳代謝促進ベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−218009(P2011−218009A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91611(P2010−91611)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(510102052)株式会社EINS (1)
【Fターム(参考)】