説明

方向切換弁

【課題】発熱を抑えかつ小型化可能な方向切換弁を提供すること。
【解決手段】ノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁の場合、プランジャー9に形状記憶合金ワイヤ16が付設される。形状記憶合金ワイヤ16は通電加熱により収縮力を発生し、この収縮力によりプランジャー9は弾性部材14の付勢力に抗して前進し、ダイアフラム8の弁体部8cが流入通路12を開放する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液検査装置、排気ガス及び水質の分析装置、生命工学研究機器などに使用可能な方向切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
図9及び図10に、従来からのノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁100を示す。
【0003】
図9及び図10に示す方向切換弁100は、軸方向へ往復動可能なプランジャー9と、プランジャー9の端部に取着されるダイアフラム8と、ボディ3に形成されダイアフラム8によって開閉する流入通路(流体通路)12と、プランジャー9を元位置の方向へ付勢するスプリング(弾性部材)14とを備える。
【0004】
コイル21への通電が無くプランジャー9に対し外力が加わっていないとき、プランジャー9は元位置に保持されダイアフラム8は流入通路12を遮断する。すなわち、コイル21への無通電時、流入通路12と流出通路13との間は遮断状態となる。
【0005】
コイル21への通電によりプランジャー9に対し磁気吸引力(外力)が加わると、プランジャー9は弾性部材14の付勢力に抗して前進しダイアフラム8は流入通路12を開放し、流入通路12と流出通路13との間が連通状態となる。なお、特許文献1には、図9及び図10に図示したタイプと同種の方向切換弁が記載されている。
【0006】
また、図11に、従来からの三方口の方向切換弁300を示す。
【0007】
図11に示す方向切換弁300は、軸方向へ往復動可能な第1プランジャー9Aと、第1プランジャー9Aの端部に配置される第1ダイアフラム8Aと、第1ダイアフラム8Aによって開閉する第1流入通路(第1流体通路)12Aと、第1プランジャー9Aと同一の軸方向へ往復動可能な第2プランジャー9Bと、第2プランジャー9Bの端部に配置される第2ダイアフラム8Bと、第2ダイアフラム8Bによって開閉する第2流入通路(第2流体通路)12Bと、第1ダイアフラム8Aと第2ダイアフラム8Bとの間に配置されるステム37と、第1プランジャー9Aを第2プランジャー9Bへ向かう方向に付勢する第1スプリング(第1弾性部材)14Aと、第2プランジャー9Bを第1プランジャー9Aへ向かう方向に付勢する第2スプリング(第2弾性部材)14Bとを備える。
【0008】
コイル21への通電が無く第1プランジャー9Aに対し外力が加えられていないとき、第1弾性部材14Aの付勢力が第2弾性部材14Bの付勢力を上回り、第1プランジャー9A、第1ダイアフラム8A、ステム37、第2ダイアフラム8B及び第2プランジャー9Bは全体として第1弾性部材14Aから離れる方向に位置し、第1ダイアフラム8Aは第1流体通路12Aを遮断しかつ第2ダイアフラム8Bは第2流体通路12Bを開放する。すなわち、コイル21への無通電時、第1流体通路12Aと第1流出通路13Aとの間は遮断状態となり、かつ、第2流体通路12Bと第2流出通路13Bとの間は連通状態となる。
【0009】
コイル21への通電により第1プランジャー9Aに磁気吸引力(外力)が加わると、該外力により第1弾性部材14Aの付勢力が無効化され(第1プランジャー9Aが図11の左方向へ移動し)、第2弾性部材14Bの付勢力により第1プランジャー9A、第1ダイアフラム8A、ステム37、第2ダイアフラム8B、及び第2プランジャー9Bは全体として第1弾性部材14Aに接近する方向(図11の左方向)へ移動し第1ダイアフラム8Aは第1流体通路12Aを開放しかつ第2ダイアフラム8Bは第2流体通路12Bを遮断する。すなわち、コイル21への通電時、第1流体通路12Aと第1流出通路13Aとの間は連通状態となり、かつ、第2流体通路12Bと第2流出通路13Bとの間は遮断状態となる。
【0010】
また、図12に、従来からのノーマルオープン型の二方口の方向切換弁400を示す。
【0011】
図12に示す方向切換弁400は、軸方向へ往復動可能なプランジャー9と、プランジャー9の端部に取着されるダイアフラム8と、ダイアフラム8によって開閉する流入通路(流体通路)12と、プランジャー9を元位置の方向へ付勢するスプリング(弾性部材)14とを備える。
【0012】
コイル21への通電が無くプランジャー9に対し磁気吸引力(外力)が加わっていないとき、プランジャー9は元位置に保持されダイアフラム8は流体通路12を開放する。すなわち、コイル21への無通電時、流入通路12と流出通路13との間は連通状態となる。
【0013】
コイル21への通電によりプランジャー9に対し磁気吸引力(外力)が加わると、プランジャー9は弾性部材14の付勢力に抗して前進しダイアフラム8は流体通路12を遮断する。すなわち、コイル21への通電時、流入通路12と流出通路13との間は遮断状態となる。
【特許文献1】特表2002−500336公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、上述したような従来の方向切換弁によると、十分な磁気吸引力を確保しつつ低発熱なコイルにするためには、ある程度の巻数とコイルの銅線の径が必要であり、このためコイルの巻線のスペースが大きくなる。一方、十分な磁気吸引力を確保しつつコイルの巻線のスペースの縮小を図るためには、コイルの銅線の径を小さくして巻数を維持する必要があるが、コイルの発熱量が飛躍的に増大し、このため小型化が困難である。
【0015】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、方向切換弁全体としての発熱を抑えかつ小型化可能な方向切換弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁は、軸方向へ往復動可能なプランジャーと、前記プランジャーの端部に取着されるダイアフラムと、前記ダイアフラムによって開閉する流体通路と、前記プランジャーを元位置の方向へ付勢する弾性部材とを備え、前記プランジャーに対し外力が加わっていないとき、前記プランジャーは元位置に保持され前記ダイアフラムは前記流体通路を遮断し、前記プランジャーに対し外力が加わると、前記プランジャーは前記弾性部材の付勢力に抗して前進し前記ダイアフラムは前記流体通路を開放するノーマルクローズ形の二方口弁の方向切換弁において、前記プランジャーに形状記憶合金ワイヤを付設し、該形状記憶合金ワイヤは、通電加熱もしくは外部からの加熱により収縮変形し、該収縮変形により前記プランジャーに対し前記外力を加えるよう構成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による三方口の方向切換弁は、軸方向へ往復動可能な第1プランジャーと、前記第1プランジャーの端部に配置される第1ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムによって開閉する第1流体通路と、前記第1プランジャーと同一の軸方向へ往復動可能な第2プランジャーと、前記第2プランジャーの端部に配置される第2ダイアフラムと、前記第2ダイアフラムによって開閉する第2流体通路と、前記第1ダイアフラムと前記第2ダイアフラムとの間に配置されるステムと、前記第1プランジャーを前記第2プランジャーへ向かう方向に付勢する第1弾性部材と、前記第2プランジャーを前記第1プランジャーへ向かう方向に付勢する第2弾性部材とを備え、前記第1プランジャーに対し外力が加えられていないとき、前記第1弾性部材の付勢力が前記第2弾性部材の付勢力を上回り、前記第1プランジャー、前記第1ダイアフラム、前記ステム、前記第2ダイアフラム及び前記第2プランジャーは全体として前記第1弾性部材から離れる方向に位置し前記第1ダイアフラムは前記第1流体通路を遮断しかつ前記第2ダイアフラムは前記第2流体通路を開放し、前記第1プランジャーに外力が加わると、該外力により前記第1弾性部材の付勢力が無効化され、前記第2弾性部材の付勢力により前記第1プランジャー、前記第1ダイアフラム、前記ステム、前記第2ダイアフラム及び前記第2プランジャーは全体として前記第1弾性部材に接近する方向へ移動し前記第1ダイアフラムは前記第1流体通路を開放しかつ前記第2ダイアフラムは前記第2流体通路を遮断する三方口の方向切換弁において、前記第1プランジャーに形状記憶合金ワイヤを付設し、該形状記憶合金ワイヤは、通電加熱もしくは外部からの加熱により収縮変形し、該収縮変形により前記第1プランジャーに対し前記外力を加えるよう構成されることを特徴とする。
【0018】
本発明によるノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁及び三方口の方向切換弁によると、形状記憶合金ワイヤの収縮変形によりプランジャー及び第1プランジャーに外力を加えるよう構成したため、方向切換弁全体としての発熱を抑えるとともに小型化が可能になる。
【0019】
ここで、前記プランジャー及び前記第1プランジャーは、それぞれ、折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤが挿入されるワイヤ挿入穴と、該ワイヤ挿入穴内を横切るように装着され、該ワイヤ挿入穴に挿入された形状記憶合金ワイヤの折り曲げ部位と係合し、該形状記憶合金ワイヤを前記ワイヤ挿入穴内に係留するピンとを有する。上記のようにして形状記憶合金ワイヤをプランジャー及び第1プランジャーに付設することにより、プランジャー及び第1プランジャーを駆動する機構の小型化を図ることができる。
【0020】
また、本発明によるノーマルオープン形の二方口の方向切換弁は、軸方向へ往復動可能なプランジャーと、前記プランジャーの端部に取着されるダイアフラムと、前記ダイアフラムによって開閉する流体通路と、前記プランジャーを元位置の方向へ付勢する弾性部材とを備え、前記プランジャーに対し外力が加わっていないとき、前記プランジャーは元位置に保持され前記ダイアフラムは前記流体通路を開放し、前記プランジャーに対し外力が加わると、前記プランジャーは前記弾性部材の付勢力に抗して前進し前記ダイアフラムは前記流体通路を遮断するノーマルオープン形の二方口の方向切換弁において、前記プランジャーに形状記憶合金ワイヤを付設し、該形状記憶合金ワイヤは、通電加熱もしくは外部からの加熱により収縮変形し、該収縮変形により前記プランジャーに対し前記外力を加えるよう構成されることを特徴とする。
【0021】
本発明によるノーマルオープン形の二方口の方向切換弁によると、形状記憶合金ワイヤの収縮変形によりプランジャーに外力を加えるよう構成したため、方向切換弁全体としての発熱を抑えるとともに小型化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(1)ノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁(図1〜図5)
図1は、本発明の一実施形態に係るノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁の平面図、図2は、図1図示II-II断面図であって閉弁時の断面図、図3は、図1図示II-II断面図であって開弁時の断面図、図4は、図1図示IV-IV断面図、図5は、図1〜図4に示す方向切換弁の組立工程図をそれぞれ示す。
【0024】
図1〜図5において、方向切換弁100は、ブラケット1と、このブラケット1にビス2(図5(C))で固定されたボディ3と、ブラケット1から外部に延びたコード4と、ブラケット1に被せられた蓋体5とを備える。
【0025】
ボディ3において、当該方向切換弁100に連結される図示しない機器との連結部には、ガスケット6を収容するガスケット収容溝7が形成されている。また、ボディ3においてブラケット1側の端部には、ダイアフラム8、断面ほぼT字状のプランジャー9の大径部9a及び円筒状のダイアフラム押え10を収容するダイアフラム収容室11(図5(C))が形成されている。ダイアフラム収容室11とガスケット収容溝7との間には、流入通路(流体通路)12及び流出通路13が形成されており、流入通路12は、ガスケット6の2つの孔部6a,6bのうちの一方の孔部6aに連通し、流出通路13は、他方の孔部6bに連通している。流入通路12は、プランジャー9の軸心の延長上に形成されている。
【0026】
ブラケット1においてボディ3側の端部には、断面ほぼT字状のプランジャー9の小径部9bと弾性部材としてのスプリング14とを収容するプランジャー収容室15(図5(C))が形成されている。プランジャー大径部9aはプランジャー収容室15内に進入可能である。また、ブラケット1において蓋体5側の端部には、プランジャー収容室15に連通し、折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤ16が挿通されたワイヤ挿通貫通孔17(図5(C))が形成されている。
【0027】
プランジャー大径部9aの後面には、ダイアフラム8を保持するための断面ほぼT字状の係止リブ9cが形成されている。ダイアフラム8の前面には、プランジャー9の係止リブ9cを収容するリブ収容部8aが形成されている。ダイアフラム8の外周縁部8bは、円筒状のダイアフラム押え10の環状後面10aと、ダイアフラム収容室11の環状段差面11a(図5(C))とによって挟持されている。ダイアフラム8の後面中央には弁体部8cが突設されている。この弁体部8cは、プランジャー9が元位置(復帰位置)にあるとき(図2の状態のとき)、流入通路12のプランジャー9側の開口部12aに圧接して流入通路12を遮断し、流入通路12と流出通路13との間を遮断する。また、弁体部8cは、プランジャー9が前進位置にあるとき(図3の状態のとき)、流入通路12のプランジャー9側の開口部12aから離れて流入通路12を開放し、流入通路12から流出通路13へと向かう流体通路を開放する。
【0028】
プランジャー小径部9bの外周には、スプリング14が嵌められている。スプリング14は、プランジャー大径部9aの環状前面9dとプランジャー収容室15の環状段差面15aとの間に圧縮状態で配置され、プランジャー9に対し常に復帰方向(図2図示矢印a方向)の付勢力を加えている。
【0029】
プランジャー小径部9bには、流入通路12の反対側つまり図2図示矢印b方向へ開口するワイヤ挿入穴9eが形成されている。また、プランジャー小径部9bには、ワイヤ挿入穴9e内を横切るようにピン9fが装着されている。
【0030】
ワイヤ挿入穴9eには、形状記憶合金ワイヤ16が折り曲げ状態で挿入されている。形状記憶合金ワイヤ16は、その折り曲げ部位16aがピン9fと係合することによってワイヤ挿入穴9e内に係留されている。形状記憶合金ワイヤ16の両端部は、ブラケット1の前面にネジ18によって固定されている。ブラケット1の前面には、上記ネジ18によってリード線19の一端部が固定されており、形状記憶合金ワイヤ16とリード線19は電気的に接続されている。リード線19の他端部は、ブラケット1の前面においてコード4の端部と接続されている。
【0031】
上記のように構成される方向切換弁100の組立作業は、次のように行われる。
【0032】
まず、図5(A)に示すように、プランジャー9の小径部9bのワイヤ挿入穴9eに折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤ16を挿入し、ピン9fを装着してピン9fと形状記憶合金ワイヤ16の折り曲げ部位16aとが係合するようにピン9fをプランジャー小径部9bに装着する。次に、図5(B)に示すように、プランジャー小径部9bの外周にスプリング14を嵌めるとともに、プランジャー大径部9aの外周にダイアフラム押え10を嵌め、さらに、ダイアフラム8のリブ収容部8aにプランジャー大径部9aの係止リブ9cを収めてダイアフラム8をプランジャー9に組付ける。次に、図5(C)に示すように、図5(B)図示の組付体200の形状記憶合金ワイヤ16をブラケット1のプランジャー収容室15及びワイヤ挿通貫通孔17に順に通し、組付体200のプランジャー小径部9b及びスプリング14をプランジャー収容室15に収容するとともに、組付体200のダイアフラム押え10及びダイアフラム8をボディ3のダイアフラム収容室11に収容し、ネジ2によってブラケット1にボディ3を固定する。その後は図示しないが、形状記憶合金ワイヤ16、リード線19及びコード4をブラケット1に固定するとともに蓋体5をブラケット1に固定することなどによって図1図示の方向切換弁100を得ることができる。
【0033】
次に、上記のような構成の方向切換弁100の動作を説明する。
【0034】
形状記憶合金ワイヤ16に電流を流していないときには、形状記憶合金ワイヤ16は伸長状態にあり、図2に示すように、プランジャー9はスプリング14の付勢力によりダイアフラム8の弁体部8cを流入通路12のプランジャー9側の開口部12aに押し付けている。このため、流入通路12は遮断状態にあり、流入通路12から流出通路13へ至る通路は遮断状態にある。
【0035】
その後、コード4及びリード線19を介して形状記憶合金ワイヤ16に通電をすると、形状記憶合金ワイヤ16は発熱して収縮するようになる。この収縮力はピン9fを介してプランジャー9を前進させる方向(図2図示矢印b方向)の力であり、スプリング14の付勢力に抗してプランジャー9を前進させる。プランジャー9が前進すると、図3に示すように、ダイアフラム8の弁体部8cは流入通路12のプランジャー9側の開口部12aから離れるようになり、このため、流入通路12は開放し、流入通路12から流出通路13へ至る通路は開放する。
【0036】
その後、通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ16は再び伸長状態に戻り、スプリング14の付勢力によりダイアフラム8の弁体部8cは再び流入通路12の開口部12aに押し付けられ、流入通路12から流出通路13へ至る通路は遮断状態に戻る。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によるノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁100は、軸方向へ往復動可能なプランジャー9と、プランジャー9の大径部(端部)9aに取着されるダイアフラム8と、ダイアフラム8によって開閉する流入通路(流体通路)12と、プランジャー9を元位置の方向へ付勢するスプリング(弾性部材)14とを備え、プランジャー9に対し外力が加わっていないとき、プランジャー9は元位置に保持されダイアフラム8は流体通路12を遮断し、プランジャー9に対し外力が加わると、プランジャー9は弾性部材14の付勢力に抗して前進しダイアフラム8は流体通路12を開放する。そして、プランジャー9に付設した形状記憶合金ワイヤ16は、通電加熱により収縮変形し、収縮変形によりプランジャー9に対し外力を加える。
【0038】
本実施形態の方向切換弁100によると、形状記憶合金ワイヤ16の収縮変形によりプランジャー9に外力を加えるよう構成したため、方向切換弁全体としての発熱を抑えるとともに小型化が可能になる。なお、形状記憶合金ワイヤ16の収縮変形は、通電加熱に代えて、外部からの加熱によるものとしてもよい。
【0039】
また、プランジャー9は、折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤ16が挿入されるワイヤ挿入穴9eと、ワイヤ挿入穴9e内を横切るように装着され、ワイヤ挿入穴9eに挿入された形状記憶合金ワイヤ16の折り曲げ部位16aと係合し、形状記憶合金ワイヤ16をワイヤ挿入穴9e内に係留するピン9fとを有する。上記のようにして形状記憶合金ワイヤ16をプランジャー9に付設することにより、プランジャー9を駆動する機構の小型化を図ることができる。
【0040】
(2)三方口の方向切換弁(図6)
図6は、本発明の他の実施形態に係る三方口の方向切換弁300の断面図を示す。
【0041】
図6において、方向切換弁300は、ボディ3と、ボディ3の両側にそれぞれ取着された第1ブラケット1A及び第2ブラケット1Bと、第1ブラケット1Aから外部に延びたコード4と、第1ブラケット1Aに被せられた蓋体5とを備える。
【0042】
ボディ3において、当該方向切換弁300に連結される図示しない機器との連結部には、ガスケット6を収容するガスケット収容溝7が形成されている。
【0043】
また、ボディ3において第1ブラケット1A側の端部には、第1ダイアフラム8A、断面ほぼT字状の第1プランジャー9Aの大径部9Aa及び円筒状の第1ダイアフラム押え10を収容する第1ダイアフラム収容室11Aが形成されている。
【0044】
第1ダイアフラム収容室11Aとガスケット収容溝7との間には、第1流入通路(第1流体通路)12A及び第1流出通路13Aが形成されている。第1流入通路12Aは、L字状に形成されており、第1プランジャー9Aの軸心の延長上に位置する第1分岐通路部12Aaと、この第1分岐通路部12Aaから直角に折れ曲がった共通通路部12bとから構成されている。
【0045】
また、ボディ3において第2ブラケット1B側の端部には、第2ダイアフラム8Bを収容する第2ダイアフラム収容室11Bが形成されている。
【0046】
第2ダイアフラム収容室11Bとガスケット収容溝7との間には、第2流入通路(第2流体通路)12B及び第2流出通路13Bが形成されている。第2流入通路12Bは、L字状に形成されており、第2プランジャー9Bの軸心の延長上に位置する第2分岐通路部12Baと、この第2分岐通路部12Baから直角に折れ曲がった共通通路部12bとから構成されている。
【0047】
第1流入通路12A及び第2流入通路12Bにおいて、第1分岐通路部12Aaと第2分岐通路部12Baとは互いに直線状に連通しており、かつ、共通通路部12bは互いに共通した通路を構成し、共通通路部12bは、第1分岐通路部12Aaと第2分岐通路部12Baとの接続部位からガスケット収容溝7へ向かって延在している。
【0048】
第1分岐通路部12Aaと第2分岐通路部12Baには、ステム37が配置されている。ステム37の第1端部37aは第1ダイアフラム8Aの第1凹部8Adに挿入され、また、ステム37の第2端部37bは第2ダイアフラム8Bの第2凹部8Bdに挿入されている。
【0049】
第1ブラケット1Aにおいてボディ3側の端部には、断面ほぼT字状の第1プランジャー9Aの小径部9Abと第1弾性部材としての第1スプリング14Aとを収容する第1プランジャー収容室15Aが形成されている。第1プランジャー大径部9Aaは第1プランジャー収容室15A内に進入可能である。また、第1ブラケット1Aにおいて蓋体5側の端部には、第1プランジャー収容室15Aに連通し、折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤ16が挿通されたワイヤ挿通貫通孔17が形成されている。
【0050】
第1ダイアフラム8Aは、第1プランジャー大径部9Aaの第1分岐通路部12Aa側の面と当接状態にあるとともに、その外周縁部8Abは、円筒状の第1ダイアフラム押え10の環状面10aと、第1ダイアフラム収容室11Aの環状段差面11Aaとによって挟持されている。第1ダイアフラム8Aの第1分岐通路部12Aa側の面中央には弁体部8Acが突設されている。
【0051】
第1プランジャー小径部9Abの外周には、第1スプリング14Aが嵌められている。第1スプリング14Aは、第1プランジャー大径部9Aaの環状面と第1プランジャー収容室15Aの環状段差面との間に圧縮状態で配置され、第1プランジャー9Aに対し常に第1分岐通路部12Aaへ向かう方向(図6図示矢印c方向)の付勢力を加えている。
【0052】
第1プランジャー小径部9Abには、第1分岐通路部12Aaとは反対の方向(図6図示矢印d方向)へ開口するワイヤ挿入穴9Aeが形成されている。また、第1プランジャー小径部9Abには、ワイヤ挿入穴9Ae内を横切るようにピン9Afが装着されている。
【0053】
ワイヤ挿入穴9Aeには、形状記憶合金ワイヤ16が折り曲げ状態で挿入されている。形状記憶合金ワイヤ16は、その折り曲げ部位16aがピン9Afと係合することによってワイヤ挿入穴9Ae内に係留されている。形状記憶合金ワイヤ16の両端部は、第1ブラケット1Aに固定されている。形状記憶合金ワイヤ16は、図示しないが、上述したノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁と同様、リード線と電気的に接続されており、リード線はコード4と接続されている。
【0054】
第2ブラケット1Bにおいてボディ3側の端部には、断面ほぼT字状の第2プランジャー9Bと第2弾性部材としての第2スプリング14Bとを収容する第2プランジャー収容室15Bが形成されている。
【0055】
第2ダイアフラム8Bは、第2プランジャー9Bの大径部9Baの第2分岐通路部12Ba側の面と当接状態にあるとともに、その外周縁部8Bbは、第2ダイアフラム収容室11Bの環状段差面と、第2プランジャー収容室15Bの環状段差面とによって挟持されている。第2ダイアフラム8Bの第2分岐通路部12Ba側の面中央には弁体部8Bcが突設されている。
【0056】
第2プランジャー9Bの小径部9Bbの外周には、第2弾性部材としての第2スプリング14Bが嵌められている。第2スプリング14Bは、第2プランジャー大径部9Baの環状面と第2プランジャー収容室15Bの面との間に圧縮状態で配置され、第2プランジャー9Bに対し常に第2分岐通路部12Baへ向かう方向(図6図示矢印d方向)の付勢力を加えている。
【0057】
次に、上記のような構成の方向切換弁300の動作を説明する。
【0058】
形状記憶合金ワイヤ16に電流を流していないときには、形状記憶合金ワイヤ16は伸長状態にある。この状態のとき、第1スプリング14Aの付勢力(図6図示矢印c方向の付勢力)が第2スプリング14Bの付勢力(図6図示矢印d方向の付勢力)に勝るよう予め設定してあるため、図6に示すように、第1ダイアフラム8Aの弁体部8Acは第1流入通路12Aの開口部に押し付けられ第1流入通路12Aは遮断状態にあり、また、ステム37を介して第2ダイアフラム8Bの弁体部8Bcは第2流入通路12Bの開口部から離間し第2流入通路12Bは開放状態となっている。したがって、第1流入通路12Aから第1流出通路13Aへ至る通路は遮断状態にあり、かつ、第2流入通路12Bから第2流出通路13Bへ至る通路は連通状態にある。
【0059】
その後、コード4等を介して形状記憶合金ワイヤ16に通電をすると、形状記憶合金ワイヤ16は発熱して収縮するようになる。この収縮力は、ピン9fを介して第1プランジャー9Aを図6図示矢印d方向へ移動させる力として作用し、第1プランジャー9Aは第1スプリング14Aの付勢力に抗して図6図示矢印d方向へ移動する。この第1プランジャー9Aの移動により、第2スプリング14Bの付勢力が第2プランジャー9Bを図6図示矢印d方向へ移動させる力となり、第2ダイアフラム8Bの弁体部8Bcは第2流入通路12Bの開口部に押し付けられて第2流入通路12Bは遮断され、また、ステム37を介して第1ダイアフラム8Aの弁体部8Acは第1流入通路12Aの開口部から離間して第1流入通路12Aは開放される。これにより、第1流入通路12Aから第1流出通路13Aへ至る通路は連通状態となり、かつ、第2流入通路12Bから第2流出通路13Bへ至る通路は遮断状態となる。
【0060】
その後、通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ16は伸長状態に戻り、第1スプリング14Aの付勢力により第1ダイアフラム8A及び第2ダイアフラム8Bは元の状態に戻り、第1流入通路12Aから第1流出通路13Aへ至る通路は遮断状態となり、かつ、第2流入通路12Bから第2流出通路13Bへ至る通路は連通状態となる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態による三方口の方向切換弁300は、軸方向へ往復動可能な第1プランジャー9Aと、第1プランジャー9Aの端部に配置される第1ダイアフラム8Aと、第1ダイアフラム8Aによって開閉する第1流体通路(第1流入通路12A)と、第1プランジャー9Aと同一の軸方向へ往復動可能な第2プランジャー9Bと、第2プランジャー9Bの端部に配置される第2ダイアフラム8Bと、第2ダイアフラム8Bによって開閉する第2流体通路(第2流入通路12B)と、第1ダイアフラム8Aと第2ダイアフラム8Bとの間に配置されるステム37と、第1プランジャー9Aを第2プランジャー9Bへ向かう方向に付勢する第1弾性部材(第1スプリング14A)と、第2プランジャー9Bを第1プランジャー9Aへ向かう方向に付勢する第2弾性部材(第2スプリング14B)とを備え、第1プランジャー9Aに対し外力が加えられていないとき、第1弾性部材14Aの付勢力が第2弾性部材14Bの付勢力を上回り、第1プランジャー9A、第1ダイアフラム8A、ステム37、第2ダイアフラム8B及び第2プランジャー9Bは全体として第1弾性部材14Aから離れる方向に位置し第1ダイアフラム8Aは第1流体通路12Aを遮断しかつ第2ダイアフラム8Bは第2流体通路12Bを開放し、第1プランジャー9Aに外力が加わると、該外力により第1弾性部材14Aの付勢力が無効化され、第2弾性部材14Bの付勢力により第1プランジャー9A、第1ダイアフラム8A、ステム37、第2ダイアフラム8B及び第2プランジャー9Bは全体として第1弾性部材14Aに接近する方向へ移動し第1ダイアフラム8Aは第1流体通路12Aを開放しかつ第2ダイアフラム8Bは第2流体通路12Bを遮断する。そして、第1プランジャー9Aに付設した形状記憶合金ワイヤ16は、通電加熱により収縮変形し、収縮変形により第1プランジャー9Aに対し外力を加える。
【0062】
本実施形態による三方口の方向切換弁300によると、形状記憶合金ワイヤ16の収縮変形により第1プランジャー9Aに外力を加えるよう構成したため、方向切換弁全体としての発熱を抑えるとともに小型化が可能になる。なお、形状記憶合金ワイヤ16の収縮変形は、通電加熱の代わりに、外部からの加熱によるものとしてもよい。
【0063】
ここで、第1プランジャー9Aは、折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤ16が挿入されるワイヤ挿入穴9Aeと、ワイヤ挿入穴9Ae内を横切るように装着され、ワイヤ挿入穴9Aeに挿入された形状記憶合金ワイヤ16の折り曲げ部位16aと係合し、形状記憶合金ワイヤ16をワイヤ挿入穴9Ae内に係留するピン9Afとを有する。上記のようにして形状記憶合金ワイヤ16を第1プランジャー9Aに付設することにより、第1プランジャー9Aを駆動する機構の小型化を図ることができる。
【0064】
(3)ノーマルオープン形の二方口の方向切換弁(図7及び図8)
図7は、本発明の他の実施形態に係るノーマルオープン形の二方口の方向切換弁400の断面図であって開弁時の断面図、図8は、同方向切換弁400の閉弁時の断面図を示す。
【0065】
図7及び図8において、方向切換弁400は、ブラケット1、このブラケット1に取着されたボディ3、ブラケット1から外部に延びたコード4、ブラケット1に取着されたケース60などを備える。
【0066】
ボディ3において、当該方向切換弁400に連結される図示しない機器との連結部には、ほぼ8字形状のガスケット6を収容するガスケット収容溝7が形成されている。
【0067】
また、ボディ3においてブラケット1側の端部には、ダイアフラム収容室11が形成されている。ダイアフラム収容室11には、ダイアフラム8、スプリング受け9gの小径部9h、円筒状のダイアフラム押え10及び弾性部材としてのスプリング14が収容されている。スプリング受け9gは、プランジャー9の構成要素となる。ダイアフラム押え10はスプリング受け部を有している。ダイアフラム8の外周縁部8bは、ダイアフラム収容室11の環状段差面とダイアフラム押え10のスプリング受け部とによって挟持されている。スプリング14は、スプリング受け小径部9hの外周に嵌められ、スプリング受け9gの環状面とダイアフラム押え10の環状面との間に圧縮状態で配置されている。
【0068】
ダイアフラム収容室11とガスケット収容溝7との間には、流入通路(流体通路)12及び流出通路13が形成されており、流入通路12は、8字形状のガスケット6の2つの孔部6a,6bのうちの一方の孔部6aに連通し、流出通路13は、他方の孔部6bに連通している。流入通路12は、プランジャー9の軸心の延長上に形成されている。流入通路12の開口部にはダイアフラム8の弁体部8cが対向配置されている。
【0069】
ブラケット1においてボディ3側の端部には、プランジャー収容室15が形成されている。プランジャー収容室15には、スプリング受け9gの大径部9iが収容されている。また、ブラケット1には、ステム収容貫通孔62が形成されている。ステム収容貫通孔62には、ステム61がプランジャー9の軸心方向に移動可能に収容されている。ステム61は、プランジャー9の構成要素であり、ステム61の一端部61aはスプリング受け大径部9iと当接可能である。
【0070】
ブラケット1のダイアフラム8側とは反対側の端部には、突起部63が形成されており、この突起部63に円筒状のガイド64が取着されている。ガイド64の内周面にはプランジャー9の構成要素であるプランジャー本体65が軸心方向に移動可能に収容されている。プランジャー本体65はステム61の他端部61bと当接可能である。ブラケット1の突起部63とプランジャー本体65との間には、クッションゴム66が配置されている。
【0071】
プランジャー本体65には、ピン67が取着されており、このピン67に、形状記憶合金ワイヤ16の折り曲げ部位16aが係合している。形状記憶合金ワイヤ16の両端部は、ブラケット1に固定されている。形状記憶合金ワイヤ16は、リード線19と電気的に接続されており、リード線19はコード4と接続されている。
【0072】
次に、上記のような構成の方向切換弁400の動作を説明する。
【0073】
形状記憶合金ワイヤ16に電流を流していないときには、形状記憶合金ワイヤ16は伸長状態にあり、図7に示すように、プランジャー9(スプリング受け9g、ステム61、プランジャー本体65)及びダイアフラム8は、スプリング14の付勢力(図7図示矢印f方向の力)により全体として流入通路12の開口部から離れて位置し、ダイアフラム8の弁体部8cは流入通路12を開放し、流入通路12から流出通路13に至る通路は連通状態にある。
【0074】
その後、コード4及びリード線19を介して形状記憶合金ワイヤ16に通電をすると、形状記憶合金ワイヤ16は発熱して収縮するようになる。この収縮力はピン67を介してプランジャー9を前進させる方向(図7図示矢印e方向)の力であり、スプリング14の付勢力に抗してプランジャー9を前進させる。プランジャー9が前進すると、図8に示すように、ダイアフラム8の弁体部8cは流入通路12の開口部に押し付けられ、このため、流入通路12は遮断され、流入通路12から流出通路13に至る通路は遮断される。
【0075】
その後、通電を停止すると、形状記憶合金16は再び伸長状態に戻り、スプリング14の付勢力により、プランジャー9は元位置に復帰し、流入通路12から流出通路13に至る通路は開放される。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によるノーマルオープン形の二方口の方向切換弁400は、軸方向へ往復動可能なプランジャー9と、プランジャー9の端部に取着されるダイアフラム8と、ダイアフラム8によって開閉する流体通路(流入通路12)と、プランジャー9を元位置の方向へ付勢する弾性部材(スプリング14)とを備え、プランジャー9に対し外力が加わっていないとき、プランジャー9は元位置に保持されダイアフラム8は流体通路12を開放し、プランジャー9に対し外力が加わると、プランジャー9は弾性部材14の付勢力に抗して前進しダイアフラム8は流体通路12を遮断する。そして、プランジャー9に付設した形状記憶合金ワイヤ16は、通電加熱により収縮変形し、該収縮変形によりプランジャー9に対し外力を加える。
【0077】
本実施形態によるノーマルオープン形の二方口の方向切換弁400によると、形状記憶合金ワイヤ16の収縮変形によりプランジャー9に外力を加えるよう構成したため、方向切換弁全体としての発熱を抑えるとともに小型化が可能になる。なお、形状記憶合金ワイヤ16の収縮変形は、通電加熱の代わりに、外部からの加熱によるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態に係るノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁の平面図である。
【図2】図1図示II-II断面図であって閉弁時の断面図である。
【図3】図1図示II-II断面図であって開弁時の断面図である。
【図4】図1図示IV-IV断面図である。
【図5】図1〜図4に示す方向切換弁の組立工程図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る三方口の方向切換弁の断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るノーマルオープン形の二方口の方向切換弁の断面図であって開弁時の断面図である。
【図8】同方向切換弁の閉弁時の断面図である。
【図9】従来のノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁の平面図である。
【図10】図9図示X-X断面図であって閉弁時の断面図である。
【図11】従来の三方口の方向切換弁の断面図である。
【図12】従来のノーマルオープン形の二方口の方向切換弁の断面図である。
【符号の説明】
【0079】
100 ノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁
300 三方口の方向切換弁
400 ノーマルオープン形の二方口の方向切換弁
8 ダイアフラム
8A 第1ダイアフラム
8B 第2ダイアフラム
9 プランジャー
9A 第1プランジャー
9B 第2プランジャー
9e ワイヤ挿通穴
9f ピン
12 流入通路(流体通路)
12A 第1流入通路(第1流体通路)
12B 第2流入通路(第2流体通路)
14 スプリング(弾性部材)
14A 第1スプリング(第1弾性部材)
14B 第2スプリング(第2弾性部材)
16 形状記憶合金ワイヤ
16a 折り曲げ部位
37 ステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向へ往復動可能なプランジャーと、前記プランジャーの端部に取着されるダイアフラムと、前記ダイアフラムによって開閉する流体通路と、前記プランジャーを元位置の方向へ付勢する弾性部材とを備え、前記プランジャーに対し外力が加わっていないとき、前記プランジャーは元位置に保持され前記ダイアフラムは前記流体通路を遮断し、前記プランジャーに対し外力が加わると、前記プランジャーは前記弾性部材の付勢力に抗して前進し前記ダイアフラムは前記流体通路を開放するノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁において、
前記プランジャーに形状記憶合金ワイヤを付設し、該形状記憶合金ワイヤは、通電加熱もしくは外部からの加熱により収縮変形し、該収縮変形により前記プランジャーに対し前記外力を加えるよう構成されることを特徴とするノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁。
【請求項2】
前記プランジャーは、
折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤが挿入されるワイヤ挿入穴と、
前記ワイヤ挿入穴内を横切るように装着され、該ワイヤ挿入穴に挿入された形状記憶合金ワイヤの折り曲げ部位と係合し、該形状記憶合金ワイヤを前記ワイヤ挿入穴内に係留するピンと
を有することを特徴とする請求項1に記載のノーマルクローズ形の二方口の方向切換弁。
【請求項3】
軸方向へ往復動可能な第1プランジャーと、前記第1プランジャーの端部に配置される第1ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムによって開閉する第1流体通路と、前記第1プランジャーと同一の軸方向へ往復動可能な第2プランジャーと、前記第2プランジャーの端部に配置される第2ダイアフラムと、前記第2ダイアフラムによって開閉する第2流体通路と、前記第1ダイアフラムと前記第2ダイアフラムとの間に配置されるステムと、前記第1プランジャーを前記第2プランジャーへ向かう方向に付勢する第1弾性部材と、前記第2プランジャーを前記第1プランジャーへ向かう方向に付勢する第2弾性部材とを備え、前記第1プランジャーに対し外力が加えられていないとき、前記第1弾性部材の付勢力が前記第2弾性部材の付勢力を上回り、前記第1プランジャー、前記第1ダイアフラム、前記ステム、前記第2ダイアフラム及び前記第2プランジャーは全体として前記第1弾性部材から離れる方向に位置し前記第1ダイアフラムは前記第1流体通路を遮断しかつ前記第2ダイアフラムは前記第2流体通路を開放し、前記第1プランジャーに外力が加わると、該外力により前記第1弾性部材の付勢力が無効化され、前記第2弾性部材の付勢力により前記第1プランジャー、前記第1ダイアフラム、前記ステム、前記第2ダイアフラム及び前記第2プランジャーは全体として前記第1弾性部材に接近する方向へ移動し前記第1ダイアフラムは前記第1流体通路を開放しかつ前記第2ダイアフラムは前記第2流体通路を遮断する三方口の方向切換弁において、
前記第1プランジャーに形状記憶合金ワイヤを付設し、該形状記憶合金ワイヤは、通電加熱もしくは外部からの加熱により収縮変形し、該収縮変形により前記第1プランジャーに対し前記外力を加えるよう構成されることを特徴とする三方口の方向切換弁。
【請求項4】
前記第1プランジャーは、
折り曲げ状態の形状記憶合金ワイヤが挿入されるワイヤ挿入穴と、
前記ワイヤ挿入穴内を横切るように装着され、該ワイヤ挿入穴に挿入された形状記憶合金ワイヤの折り曲げ部位と係合し、該形状記憶合金ワイヤを前記ワイヤ挿入穴内に係留するピンと
を有することを特徴とする請求項3に記載の三方口の方向切換弁。
【請求項5】
軸方向へ往復動可能なプランジャーと、前記プランジャーの端部に取着されるダイアフラムと、前記ダイアフラムによって開閉する流体通路と、前記プランジャーを元位置の方向へ付勢する弾性部材とを備え、前記プランジャーに対し外力が加わっていないとき、前記プランジャーは元位置に保持され前記ダイアフラムは前記流体通路を開放し、前記プランジャーに対し外力が加わると、前記プランジャーは前記弾性部材の付勢力に抗して前進し前記ダイアフラムは前記流体通路を遮断するノーマルオープン形の二方口の方向切換弁において、
前記プランジャーに形状記憶合金ワイヤを付設し、該形状記憶合金ワイヤは、通電加熱もしくは外部からの加熱により収縮変形し、該収縮変形により前記プランジャーに対し前記外力を加えるよう構成されることを特徴とするノーマルオープン形の二方口の方向切換弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−125445(P2006−125445A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311425(P2004−311425)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(390006415)高砂電気工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】