方向転換装置および搬送装置
【課題】搬送面を低くすることができ、組付ラインの変更を容易に行うことができる方向転換装置および搬送装置を提供する。
【解決手段】方向転換装置は、搬送対象物の下面に当接する複数のローラ3と、これらのローラ3を回転させる駆動モータ7と、前記個々のローラ3の回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構4とを備える。搬送装置は、前記方向転換装置と搬送対象物を直線的に搬送するコンベアとを組み合わせて平面視略コ字状の搬送方向に搬送する。
【解決手段】方向転換装置は、搬送対象物の下面に当接する複数のローラ3と、これらのローラ3を回転させる駆動モータ7と、前記個々のローラ3の回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構4とを備える。搬送装置は、前記方向転換装置と搬送対象物を直線的に搬送するコンベアとを組み合わせて平面視略コ字状の搬送方向に搬送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を一方向に搬送するコンベヤと同じフロア上に配置されて、コンベア間に介在し、搬送対象物の搬送方向を方向転換する方向転換装置および搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばエンジンなどのワークに各部品を流れ作業によって分担して組み付ける組付ラインでは、コンベヤをそれぞれの組付ステーションに沿わせて配置し、パレット式治具にワークを載せた状態で、コンベヤやパレットを搬送することにより、各工程で作業者がワークに対する加工作業および組付作業をしている。
【0003】
図17は従来の搬送装置90の全体構成を示す図である。この搬送装置90は、初工程の作業者Mfから最終工程の作業者Mlまでパレット91を搬送するコンベヤ92の間に方向転換装置93を介在させるものであり、これによって、平面視略U字状の組付ラインLを形成することができる。さらに、組付ラインLを環状に連結することにより、最終工程から初工程まで空パレット91を搬送するための別途コンベアを不要にすることができる。なお、方向転換ユニット93は例えばパレット91を所定の方向に搬送する搬送ユニット94と、この搬送ユニット94の下部に取り付けられて搬送ユニット94全体を90度旋回させる旋回ユニット95(拡大図参照)とを備える。
【0004】
上記構成の搬送装置90は、その搬送面がフロアレベルから500〜700mmも高い位置に形成されているので、作業者Mf〜Mlによる加工および組付作業の作業性が低下したり、部品を搬送するのに大きな制約がかかるという問題がある。そこで、作業者Mf〜Mlによる加工および組付作業と、部品の搬送を容易とするために、コンベヤ92の搬送面を低く形成することが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記構成の搬送装置90において、方向転換装置93は搬送ユニット94の全体を旋回ユニット95によって旋回させるものであるから、コンベヤ92よりもその搬送面が高くならざるを得なかった。
【0006】
したがって、図18に示すように、コンベヤ92の方向転換装置93の搬送高さを低くする場合には、方向転換装置93の搬送面をコンベヤ92の搬送面の高さに合わせるために、フロアFにピット96を形成し、方向転換装置93をフロアFに埋設させるような基礎工事を行なっていた。しかしながら、自動車のモデルチェンジなどに伴い、エンジンの形状に変更が加わったり生産台数に変化が生じた場合には、組付行程を増減することが必要となるが、ピット96に合わせて設置された組付ラインLの長さなどを変更するためには大掛かりな基礎工事が必要となり、調整が困難になるという問題があった。
【0007】
加えて、方向転換装置93によってパレット91を旋回する場合には、搬送ユニット94を90度旋回することにより、パレット91およびワークなどが旋回するときに、作業者などに当たることがないように、安全管理のための防護柵やエリアセンサなどを取り付ける必要がある。
【0008】
本発明は上述の事柄を考慮に入れて成されたものであり、その目的は、搬送面を低くすることができ、組付ラインの変更を容易に行うことができる方向転換装置および搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明は、搬送対象物の下面に当接する複数のローラと、これらのローラを回転させる駆動モータと、前記個々のローラの回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構とを備えることを特徴とする方向転換装置を提供する。(請求項1)
【0010】
前記構成によれば、搬送対象物の下面に当接する複数のローラが、駆動モータによって回転させられるので、このローラの回転に伴って搬送対象物をローラの回転する方向に搬送することができる。また、旋回機構が個々のローラの回転軸を縦軸回りに旋回させるものであるから、搬送方向を自在に変更することができる。旋回機構が従来のように搬送ユニットの全体を旋回させるものではないから、旋回機構の軽量化と小型化を達成することができる。つまり、方向転換装置の搬送面を可及的に低く形成することができる。方向転換装置の高さをフロアから必要最小限の高さに抑えることにより、特別な基礎工事を行わなくても、方向転換装置を安定してフロアに設置することができる。
【0011】
さらに、旋回装置は搬送対象物をほぼ水平方向に旋回させることなく搬送方向のみを方向転換できるから、搬送対象物の旋回に伴う安全管理を行う必要がないだけでなく、搬送方向の切換えを無駄なくスムースに行うことができる。また、搬送対象物を旋回させることなく搬送方向だけを略コ字状に方向転換できるので、作業者は搬送方向の変更に伴って異なる方向から加工または組付作業を行うことができる。
【0012】
前記搬送対象物はその下面に複数のローラが均等に当接する平坦な平面を有するものであることが好ましく、ワークそのものの下面に平坦な平面が形成されていてもよいが、任意の形状のワークであってもこれを搭載するパレットの下面に平坦な平面を形成するものであってもよい。あるいは、ワークに対して組み付けられる部品を収容するトレイや部品収容棚であってもよい。
【0013】
ローラの形状は例えば略円柱形状であり、その外周にゴムや合成樹脂などの弾性を備えた材料で形成された接触面を形成することが好ましい。旋回機構はローラと搬送対象物の接触部を中心とする縦軸回りにローラの回転軸を旋回させるものであることにより、搬送方向の方向転換時に搬送対象物を静止させることができる。
【0014】
前記駆動モータは方向転換装置上の搬送対象物を搬送することができる程度の動力を供給できればよいので、小型化を達成できる。なお、一つの駆動モータの回転力を各ローラに伝達する動力伝達機構を備えてもよい。
【0015】
前記各ローラにそれぞれ前記駆動モータを設けてローラユニットを構成し、前記旋回機構が、前記ローラユニットをそれぞれ縦軸回りに回動自在に支持する旋回支持部と、この旋回支持部近傍に配置されほぼ水平方向に移動可能であり複数のカムが形成された移動体と、この移動体を移動させるアクチュエータと、遊端部に前記カムに係合するカムフォロアを有し基端部が前記ローラユニットに取り付けられたカムレバーとを備える場合(請求項2)には、各ローラにそれぞれ駆動モータを備えることにより、各ローラを確実に駆動することができる。前記駆動モータはシンクロナスモータやサーボモータであることにより、各ローラの回転速度を容易に同期させることができる。
【0016】
また、各駆動モータはそれぞれ一つのローラを駆動するものであるから各駆動モータにかかる負荷を小さくすることができ、駆動モータの更なる小型化を図ることができる。したがって、ローラと駆動モータからなるローラユニットを小型化することができ、複数のローラユニットを並べた状態でこれらを衝突することなく旋回させることができる。
【0017】
なお、前記駆動モータはダイレクトドライブとすることが好ましく、ローラの軸心と外周面との間に内蔵してもよい。この場合には、ローラユニットをさらに小型化することができ、隣接するローラユニットに衝突することなく多数のローラユニットを並べた状態でこれらを旋回させることができる。
【0018】
移動体に形成したカムとカムフォロアの係合により、アクチュエータによる移動体の直線的な移動を用いて全てのローラを一斉に旋回させることができる。なお、アクチュエータはエアシリンダであることが好ましいが、油圧シリンダやモータを用いたものであってもよい。移動体に形成するカムは、移動体の移動方向に対してほぼ直角方向に形成された溝(以下、カム溝という)であり、カムフォロアはこのカム溝に係合するローラであることが好ましい。
【0019】
前記ローラは旋回機構による旋回の中心から離れた位置において搬送対象物に接するものである場合(請求項3)には、旋回機構によってローラの回転軸を旋回させるときには、旋回に伴ってローラが搬送対象物に接触して転がることにより、搬送対象物に傷を付けることなく旋回を行うことができる。
【0020】
前記ローラの形状は略円錐台形状など、その外径が徐々に拡大するテーパ面を備えるものであることが好ましい。つまり、テーパ面を備えるローラは搬送対象物が軽量の場合に、搬送対象物との当接部分の接触面積を極めて小さくすることができるので、それだけ、ローラを用いた搬送における摩擦による損失を小さくすることができ、駆動モータは小さい駆動トルクで搬送対象物を搬送することができる。
【0021】
前記各ローラの位置にローラの上端を突出させる貫通孔が形成されたほぼ水平な平面を形成する天面カバーを備える場合(請求項4)には、搬送対象物がローラの上端面に当接して搬送対象物を移動させることができると共に、ローラ間に異物が侵入することを防止できるので、安全性が向上する。
【0022】
搬入した搬送対象物を当接させることにより、この搬送対象物の水平方向の回転角を調整するガイド板を備える場合(請求項5)には、方向転換装置に搬送対象物が搬入される度に搬送対象物の水平方向の回転角を調整するので、方向転換装置によって方向転換を繰り返しても、搬送対象物の水平方向の回転角がずれることを防止できる。
【0023】
第2発明は、前記方向転換装置と、前記搬送対象物を直線的に搬送するコンベアとを組み合わせて、搬送対象物を平面視略コ字状の搬送方向に搬送することを特徴とする搬送装置を提供する(請求項6)。
【0024】
前記搬送装置は、方向転換装置の高さをフロアから必要最小限の高さに抑えることにより、方向転換装置と搬送装置の搬送面を一様に低くすることができる。つまり、特別な基礎工事を行わなくても、コンベアおよび方向転換装置を安定してフロアに設置することができる。加えて、コンベアおよび方向転換装置の搬送面が低いので、作業者がコンベアに乗って搬送対象物に対して加工または組付作業を行うことも可能であり、搬送対象物の搬送中であっても作業者が搬送対象物に対して相対的に停止した位置で作業を行うことができる。
【0025】
前記搬送対象物が、複数の異なる姿勢でワークを支持する支持アームと、この支持アームの下方に平坦な下面を形成する底板とを備えるパレットである場合(請求項7)には、搬送対象物の下面に形成された底板がローラに当接するので、安定した搬送を行うことができる。また、支持アームがワークを異なる姿勢で支持するものであるから、作業者はワークに対する加工または組付作業を行いやすいように、支持アームを調整することが可能であるから、ワークに対す各工程の作業効率が容易になる。なお、支持アームは底板に対して平面視で水平方向に回動自在にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
前述したように、本発明によれば、方向転換装置の高さ方向の幅を薄くすることができるので、同一高さのフロアに配置した方向転換装置とコンベヤの搬送面を共に低くすることができ、特別な基礎工事を行わなくても安定して設置することができる。つまり、ワークの生産数の変更および/またはワークに対する加工または組付行程の変更に伴って方向転換装置の配置を容易に調節することができる。
【0027】
また、前記方向転換装置は搬送対象物を旋回させることなくその搬送方向のみを方向転換することが可能であるから、搬送対象物を方向転換することに伴う危険を軽減することができ、それだけ安全管理を容易とすることができる。加えて、重量物である搬送対象物を旋回させるための時間的なロスがないので、速やかな搬送を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1〜図7は本発明の第1実施形態に係る方向転換装置1の構成を示す図である。図1に示すように、本発明の方向転換装置1は、搬送面Sにほぼ平行する二次元方向に配置されてエンジンなどのワークWを搭載するパレット2(搬送対象物)の下面に当接する複数のローラ3と、個々のローラ3の回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構4と、搬送面に平行すると共に前記各ローラ3の位置に貫通孔5aを形成してなる平面視略正方形状の天面カバー5と、この天面カバー5の2つの辺に沿うように方向転換装置1の側面に取り付けられたガイド板6を備える。
【0029】
本発明の方向転換装置1は搬送対象物としてワークWを搭載したパレット2のみならず、図示を省略するが、部品を搭載したパレットや部品棚を搬送することも可能である。なお、図1に示すワークWを搭載するパレット2は、搬送面Sに接する底板2aと、この底板2aの中央部に立設する昇降手段2bと、この昇降手段2bに対して縦軸線Pまわりに回動自在に取り付けられる回転台2cと、この回転台2c上に立設し全体的に略U字状に屈曲してなる支持部2dと、この支持部2dの上端部においてワークWを係止すると共に横軸線Qまわりに回転自在に支持する支持手段2eとを備え、これらの各部材2b〜2eを纏めて支持アームという。つまり、パレット2はワークWを作業者による組付作業を容易とする複数の異なる姿勢で支持する支持アーム2b〜2eを備える。
【0030】
図2〜4において、前記方向転換装置1の天面カバー5を透過して示すように、各ローラ3にはそれぞれ各ローラ3を回転させる駆動モータ7を備え、これらのローラ3とローラ3の回転軸3a(図5参照)を回動自在に支持する軸受け8とこの軸受け8に連結する駆動モータ7がローラユニット10を構成する。また、11は前記方向転換装置1のベース、12はフロアFに高さ調整可能に配置されて方向転換装置1を支持する脚部である。
【0031】
図5に示すように、13は前記ローラユニット10を、前記ローラ3と搬送対象物2の接触部を中心とする縦軸(搬送面Sに垂直である軸)回りに回動自在となるように、ベアリングを介してベース11上に支持する旋回支持部であり、14は基端部がローラユニット10に取り付けられたカムレバー、15はカムレバー14の遊端部に取り付けられたカムフォロアである。
【0032】
前記ローラ3の形状は例えば略転倒円柱形状であり、その回転軸3aは略水平(搬送面Sに平行する方向)になるように前記軸受け8によって回動自在に支持されている。また、ローラ3の外周には、ゴムや合成樹脂などの弾性を備えた材料で形成された接触面3bを形成し、ローラ3の回転に伴って搬送対象物2に傷が付いたり音が発生することを防止するものである。
【0033】
前記旋回機構4は複数のローラ3の回転軸3aを一斉に縦軸回りに旋回させるものであり、前記旋回支持部13と、カムレバー14と、カムフォロア15に加えて、直線方向に並ぶ各ローラ3のカムフォロア15がそれぞれ係合するカム溝16を形成した複数の摺動体17およびこれら複数の摺動体17を纏めて連結するブレード18からなる移動体19と、この移動体19をほぼ水平方向に進退移動させるシリンダ20(アクチュエータの一例)とを備える。なお、17aはベース11上に摺動体17を摺動自在に支持する支持体である。
【0034】
前記天面カバー5は搬送対象物2がローラ3の上端面に当接して搬送対象物2を移動させることができるように貫通孔5aを形成しており、ローラ3間に異物が侵入することを防止して、安全性を向上するものである。貫通孔5aの形状はローラ3が自由に旋回できる円形である。また、天面カバー5はベース11に立設させた支柱部5bによって支えられる。
【0035】
前記ガイド板6は方向転換装置1に搬入した搬送対象物2を当接させることができるように、その上端が前記天面カバー5の上面よりも高い位置に配置されており、このガイド板6に搬送対象物2が当接することにより、その水平方向の回転角を調整して方向転換を繰り返しても搬送対象物2の回転角がずれることを防止するものである。また、前記シリンダ20を設けた側のガイド板6には前記移動体19が移動可能であるように開口6cを形成している。
【0036】
前記駆動モータ7はその回転軸がローラ3に直結されたダイレクトドライブ式のシンクロナスモータであり、全ての駆動モータ7に供給する電力を同期させることにより各ローラ3を同期して回転させるものである。つまり、極めて簡素な構成でローラ3を駆動することができる。しかしながら、本発明は駆動モータ7がシンクロナスモータであることに限定されるものではなく、その他の種類のモータを用いてもよい。また、駆動モータ7とローラ3の間にギアなどの変速機を介在させてもよい。
【0037】
また、上述したように本実施形態の旋回機構4は、前記ローラユニット10をそれぞれ縦軸回りに回動自在に支持する旋回支持部13と、この旋回支持部13近傍に配置されほぼ水平方向に移動可能であると共に複数のカム溝16を形成してなる移動体19と、この移動体19を移動させるシリンダ20と、遊端部にカムフォロア15を有し基端部が前記ローラユニット10に取り付けられたカムレバー14とを備えるものであるが、種々の変形が容易に考えられる。例えば、カム溝16の代わりにリブを形成してこれをカムフォロア15に係合させてもよい。また、摺動体17とカムレバー14を連結棒によって揺動可能に連結してもよい。
【0038】
また、前記シリンダ20の代わりにモータなどを用いて進退動作させてもよい。つまり、前記旋回機構4は、シリンダ20の進退動作をローラ3の回転軸3aの旋回動作に変換することができるものであれば、種々の機構を用いることができる。加えて、本実施形態では旋回機構4によるローラ3の旋回角度を90°としているが、その他の角度に旋回させることも可能である。
【0039】
次に、図6,7を用いて、本実施形態の方向転換装置1の動作を説明する。まず図6に示すように、シリンダ20を縮退させた状態では、前記ブレード18によって連結された4本の摺動体17が全て図示右側に位置し、各摺動体17に形成された3つのカム溝16も右側に位置する。このとき、カム溝16に係合されたカムフォロア15も図示右側に位置することにより、全てのカムレバー14が図示右下方向の位置に配置され、ローラ3の回転軸3aが図示縦方向に配置される。すなわち、この状態で駆動モータ7を回動させることにより図示左側から搬送対象物2を搬入(または図示左側に搬送対象物2を搬出)することができる。
【0040】
一方、図7に示すように、シリンダ20を伸張させた状態では、前記ブレード18によって連結された4本の摺動体17が全て図示左側に位置し、各摺動体17に形成された3つのカム溝16も左側に位置する。このとき、カム溝16に係合されたカムフォロア15も図示左側に位置することにより、全てのカムレバーが図示左下方向の位置に配置され、ローラ3の回転軸3aが図示横方向に配置される。すなわち、この状態で駆動モータ7を回動させることにより図示下側に搬送対象物2を搬出(または図示下側から搬送対象物2を搬入)することができる。
【0041】
したがって、シリンダ20の進退動作に伴ってローラ3を90°旋回させることができるので、搬送対象物2を90°異なる方向に搬送することができる。前記搬送方向の切換時にはローラ3と搬送対象物2の接点を通る縦軸回りでローラ3の回転軸3aを旋回させるので、旋回動作に伴って搬送対象物2が移動することがない。つまり、本発明の方向転換装置1ではローラ3のみを旋回させるので、搬送対象物2の移動方向が変わるときに搬送対象物2そのものが旋回することはないので、旋回動作に伴う安全管理を行う必要がないだけでなく、比較的軽量のローラ3のみを旋回させる動作は無理なく高速に行うことができ、方向転換に必要な時間を短くすることができる。
【0042】
図8は前記駆動モータ7の変形例を示す図である。図8に示すように、駆動モータ7’をローラ3の軸心3cと外周面3bとの間に内蔵した場合には、ローラユニット10をさらに小型化にすることができるので、このローラユニット10を狭い間隔で並べて配置した場合にも、これらのローラユニット10を縦軸回りに旋回させることが可能となる。
【0043】
図9は前記旋回機構4の変形例を示す図である。図9に示すように、旋回機構4’として、各ローラユニット10にその縦軸回りの旋回を行うための別途のサーボモータ25を設け、電気制御によって各ローラユニット10の旋回を行うようにしてもよい。
【0044】
この場合、旋回機構4’が各ローラユニット10毎にその旋回方向をそれぞれ異ならせることが可能である。すなわち、図10に仮想線で示すようにローラ3を図示横方向に位置させて搬送対象物2を矢印Aに示すように直進させるように搬送する状態と、図10に実線で示すようにローラ3をそれぞれ異なる方向に向かせ、それぞれ異なる速度Vrで回転させることにより搬送対象物2を矢印Bに示す円弧を描くように搬送する状態に切り換えることができる。さらには、図11の矢印Cに示すように、搬送対象物2の水平方向の移動を伴うことなく搬送対象物2を旋回させることもできる。
【0045】
図12,図13は前記ローラの変形例を示す図である。図12,図13に示すように、ローラ3’の形状は略円錐台形状であり、その外径が徐々に拡大するテーパ面3dを備えるものである。したがって、ローラ3’は前記旋回支持部13による旋回の中心Oから離れた位置においてその外径が最大になるように構成している。つまり、ローラ3’は、前記旋回の中心Oと離れた位置におけるごく一部の当接部分3e(分かりやすいように図13において黒く塗りつぶして図示してある。)だけが搬送対象物2に当接する。
【0046】
また、本実施形態の駆動モータ7はシンクロナスモータであるから、旋回時に電力供給を停止するだけで、ローラ3’をその回転軸3a回りに回転フリーにすることができる。すなわち、本実施形態の場合は、旋回時に駆動モータ7への給電を停止させるモータ制御回路(図示していない)を回転フリー機構として備えている。なお、この回転フリー機構は駆動モータ7とローラ3’の間に介在され、旋回時に切断されるクラッチ機構であってもよい。
【0047】
図13(A)に示すように、前記旋回支持部13を用いてローラ3’の回転軸3aを矢印Rに示すように、図示時計回りに旋回させると、ローラ3’と搬送対象物2の当接部分3eに矢印Tに示す回転トルクが発生し、図13(B)に示すように、当接部分3eのみで搬送対象物2に当接しつつローラ3’が回転する。
【0048】
したがって、旋回時に搬送対象物2がローラ3’との摩擦によって磨り減ることがなくなる。加えて、搬送対象物2とローラ3’の摩擦がないことにより、旋回機構4(または4’)は少ない力で方向転換を行うことができる。
【0049】
さらに、搬送対象物2とローラ3’とが当接する当接部分3eの面積が狭ければ狭いほど、駆動モータ7を用いて搬送対象物2を搬送させるときにもより小さい回転トルクで搬送対象物2を搬送させることができる。ゆえに、より小さい駆動モータ7を用いて、方向転換装置1をさらに小型にすることができる。
【0050】
なお、本実施形態ではローラ3’の形状が略円錐台形状であるから、その幅方向の一端において最大径を有するものであるが、幅方向中心部において最大径となるように構成されたローラを用いてもよい。
【0051】
図14は前記ローラのさらなる変形例を示す図である。図14に示すように、幅方向中心部において最大径となるように構成されたローラ3''を用いる場合、前記当接部分3eが旋回の中心Oから離れた位置において前記搬送対象物2に当接するように、ローラ3''を配置することができる。
【0052】
図15(A)〜図15(C)に示すように構成されたローラ3''は、図13(A)〜図13(C)に示すローラ3’と同様に、旋回時にローラ3''が回転して当接部分3eのみが搬送対象物2に当接するので、旋回時に搬送対象物2がローラ3''との摩擦によって磨り減ることがない。
【0053】
図16は図1〜図15に示す方向転換装置1を用いた搬送装置30の一例を示す図である。図16に示す搬送装置30は、搬送対象物2としてエンジンなどのワークWを搭載したワークパレット2Aと、このワークWに組み付けられる部品が収容されたトレイ31を備えた部品パレット2Bとをそれぞれ搬送するものである。また、搬送装置30は、これらの搬送対象物2を直線的に一方向に搬送するコンベア32と、搬送対象物2を旋回することなくその搬送方向だけを90度切り換える前記方向転換装置1を組み合わせて搬送対象物2を平面視略コ字状の搬送方向に搬送するものである。なお、同一高さのフロアFに配置したときのコンベヤ32と方向転換装置1の搬送面は同じ高さであるように調整されている。
【0054】
各コンベア32はそれぞれ駆動モータ33を備えた短いコンベアユニット32a,32b…からなり、間に前記方向転換装置1を介在させることにより、90度屈曲した組付ラインLを形成する。より詳細には、最初の工程の作業者M1から最後の工程の作業者M12に至るまでの組付ラインLにおいてコンベア32a,32b…の間に間欠的に3台の方向転換装置1a〜1cを介在させることにより、ほぼ環状の組付ラインLを形成する。また、最後の作業者M12から最初の作業者M1までの間に方向転換装置1dを介在させて組付ラインLの末尾を先頭に連結している。
【0055】
次に、前記構成の搬送装置30の動作を説明する。すなわち、最初のコンベア32aによってワークパレット2Aと部品パレット2Bが第1の方向転換装置1aまで搬送されると、方向転換装置1aは搬入した搬送対象物2A,2Bを順次搬送方向を図示上方向から右方向に90度方向転換して第2のコンベア32bに搬出する。
【0056】
同様に第2〜第5のコンベアユニット32b〜32eによって搬送対象物2を図示右方向に搬送し、第2の方向転換装置1bまで搬送すると、方向転換装置1bは搬送対象物2の搬送方向のみを90度方向転換して第6のコンベアユニット32fに搬出する。以下同様に、前記搬送対象物2を第3の方向転換装置1cによって更に90度方向転換し、第7〜第10のコンベアユニット32g〜32jによって図示左方向に搬送する。
【0057】
さらに、加工および組付が終了したワークWを、最後の作業者M12による作業が終了した後にワークパレット2Aから取り除き、空の搬送対象物2を第4の方向転換装置1dによって90度方向転換し、最初の工程の作業者M1がいる位置まで搬送する。
【0058】
前記搬送装置30では、何れの方向転換装置1a〜1dも重量物の搬送対象物2A,2Bそのものを旋回させるものではないので、ワークWの旋回に伴う安全管理を容易にすることができるだけでなく、搬送方向の切換を速やかに行うことができる。また、作業者M1,M2はワークWの図示左側から、作業者M3〜M6はワークWの図示上側から、作業者M7〜M8はワークWの図示右側から、作業者M9〜M12はワークWの図示下側からというように、ワークWに対して複数の異なる方向から加工または組付作業を行うことができる。なお、ワークパレット2AはワークWを異なる姿勢で支持することができる支持アーム2b〜2eを備えるので、作業者M1〜M12が作業を行いやすいようにワークWの向きや姿勢を変更してもよい。
【0059】
また、前記組付ラインLに変更が発生した場合には、コンベヤユニット32a,32b…の数を増やすなどして、組付ラインLを調整することができる。とりわけ、同一フロア上に配置した場合においても、低床のコンベヤユニット32a,32b…と方向転換装置1の搬送面Sの高さを合わせているので、組付ラインLの変更を極めて容易におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態に係る方向転換装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】前記方向転換装置の一部を透過して示す斜視図である。
【図3】前記方向転換装置の側面図である。
【図4】前記方向転換装置の図3と異なる方向の側面図である。
【図5】前記方向転換装置の要部を説明する図である。
【図6】前記方向転換装置の動作を説明する図である。
【図7】前記方向転換装置の動作を説明する別の図である。
【図8】図5の変形例を示す図である。
【図9】図5の別の変形例を示す図である。
【図10】図9に示す変形例における動作を説明する図である。
【図11】図9に示す変形例における別の動作を説明する図である。
【図12】ローラの変形例を示す図である。
【図13】図12に示す変形例における動作を説明する図である。
【図14】ローラの別の変形例を示す図である。
【図15】図14に示す変形例における動作を説明する図である。
【図16】前記方向転換装置を用いた搬送装置の例を示す図である。
【図17】従来の搬送装置の例を示す図である。
【図18】従来の搬送装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
1 方向転換装置
2 搬送対象物
2a 底板
2b〜2e 支持アーム
3,3’,3'' ローラ
4,4’ 旋回機構
5 天面カバー
6 ガイド板
7,7’ 駆動モータ
10 ローラユニット
13 旋回支持部
14 カムレバー
15 カムフォロア
16 カム
19 移動体
20 アクチュエータ
32 コンベヤ
O 旋回の中心
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を一方向に搬送するコンベヤと同じフロア上に配置されて、コンベア間に介在し、搬送対象物の搬送方向を方向転換する方向転換装置および搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばエンジンなどのワークに各部品を流れ作業によって分担して組み付ける組付ラインでは、コンベヤをそれぞれの組付ステーションに沿わせて配置し、パレット式治具にワークを載せた状態で、コンベヤやパレットを搬送することにより、各工程で作業者がワークに対する加工作業および組付作業をしている。
【0003】
図17は従来の搬送装置90の全体構成を示す図である。この搬送装置90は、初工程の作業者Mfから最終工程の作業者Mlまでパレット91を搬送するコンベヤ92の間に方向転換装置93を介在させるものであり、これによって、平面視略U字状の組付ラインLを形成することができる。さらに、組付ラインLを環状に連結することにより、最終工程から初工程まで空パレット91を搬送するための別途コンベアを不要にすることができる。なお、方向転換ユニット93は例えばパレット91を所定の方向に搬送する搬送ユニット94と、この搬送ユニット94の下部に取り付けられて搬送ユニット94全体を90度旋回させる旋回ユニット95(拡大図参照)とを備える。
【0004】
上記構成の搬送装置90は、その搬送面がフロアレベルから500〜700mmも高い位置に形成されているので、作業者Mf〜Mlによる加工および組付作業の作業性が低下したり、部品を搬送するのに大きな制約がかかるという問題がある。そこで、作業者Mf〜Mlによる加工および組付作業と、部品の搬送を容易とするために、コンベヤ92の搬送面を低く形成することが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記構成の搬送装置90において、方向転換装置93は搬送ユニット94の全体を旋回ユニット95によって旋回させるものであるから、コンベヤ92よりもその搬送面が高くならざるを得なかった。
【0006】
したがって、図18に示すように、コンベヤ92の方向転換装置93の搬送高さを低くする場合には、方向転換装置93の搬送面をコンベヤ92の搬送面の高さに合わせるために、フロアFにピット96を形成し、方向転換装置93をフロアFに埋設させるような基礎工事を行なっていた。しかしながら、自動車のモデルチェンジなどに伴い、エンジンの形状に変更が加わったり生産台数に変化が生じた場合には、組付行程を増減することが必要となるが、ピット96に合わせて設置された組付ラインLの長さなどを変更するためには大掛かりな基礎工事が必要となり、調整が困難になるという問題があった。
【0007】
加えて、方向転換装置93によってパレット91を旋回する場合には、搬送ユニット94を90度旋回することにより、パレット91およびワークなどが旋回するときに、作業者などに当たることがないように、安全管理のための防護柵やエリアセンサなどを取り付ける必要がある。
【0008】
本発明は上述の事柄を考慮に入れて成されたものであり、その目的は、搬送面を低くすることができ、組付ラインの変更を容易に行うことができる方向転換装置および搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明は、搬送対象物の下面に当接する複数のローラと、これらのローラを回転させる駆動モータと、前記個々のローラの回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構とを備えることを特徴とする方向転換装置を提供する。(請求項1)
【0010】
前記構成によれば、搬送対象物の下面に当接する複数のローラが、駆動モータによって回転させられるので、このローラの回転に伴って搬送対象物をローラの回転する方向に搬送することができる。また、旋回機構が個々のローラの回転軸を縦軸回りに旋回させるものであるから、搬送方向を自在に変更することができる。旋回機構が従来のように搬送ユニットの全体を旋回させるものではないから、旋回機構の軽量化と小型化を達成することができる。つまり、方向転換装置の搬送面を可及的に低く形成することができる。方向転換装置の高さをフロアから必要最小限の高さに抑えることにより、特別な基礎工事を行わなくても、方向転換装置を安定してフロアに設置することができる。
【0011】
さらに、旋回装置は搬送対象物をほぼ水平方向に旋回させることなく搬送方向のみを方向転換できるから、搬送対象物の旋回に伴う安全管理を行う必要がないだけでなく、搬送方向の切換えを無駄なくスムースに行うことができる。また、搬送対象物を旋回させることなく搬送方向だけを略コ字状に方向転換できるので、作業者は搬送方向の変更に伴って異なる方向から加工または組付作業を行うことができる。
【0012】
前記搬送対象物はその下面に複数のローラが均等に当接する平坦な平面を有するものであることが好ましく、ワークそのものの下面に平坦な平面が形成されていてもよいが、任意の形状のワークであってもこれを搭載するパレットの下面に平坦な平面を形成するものであってもよい。あるいは、ワークに対して組み付けられる部品を収容するトレイや部品収容棚であってもよい。
【0013】
ローラの形状は例えば略円柱形状であり、その外周にゴムや合成樹脂などの弾性を備えた材料で形成された接触面を形成することが好ましい。旋回機構はローラと搬送対象物の接触部を中心とする縦軸回りにローラの回転軸を旋回させるものであることにより、搬送方向の方向転換時に搬送対象物を静止させることができる。
【0014】
前記駆動モータは方向転換装置上の搬送対象物を搬送することができる程度の動力を供給できればよいので、小型化を達成できる。なお、一つの駆動モータの回転力を各ローラに伝達する動力伝達機構を備えてもよい。
【0015】
前記各ローラにそれぞれ前記駆動モータを設けてローラユニットを構成し、前記旋回機構が、前記ローラユニットをそれぞれ縦軸回りに回動自在に支持する旋回支持部と、この旋回支持部近傍に配置されほぼ水平方向に移動可能であり複数のカムが形成された移動体と、この移動体を移動させるアクチュエータと、遊端部に前記カムに係合するカムフォロアを有し基端部が前記ローラユニットに取り付けられたカムレバーとを備える場合(請求項2)には、各ローラにそれぞれ駆動モータを備えることにより、各ローラを確実に駆動することができる。前記駆動モータはシンクロナスモータやサーボモータであることにより、各ローラの回転速度を容易に同期させることができる。
【0016】
また、各駆動モータはそれぞれ一つのローラを駆動するものであるから各駆動モータにかかる負荷を小さくすることができ、駆動モータの更なる小型化を図ることができる。したがって、ローラと駆動モータからなるローラユニットを小型化することができ、複数のローラユニットを並べた状態でこれらを衝突することなく旋回させることができる。
【0017】
なお、前記駆動モータはダイレクトドライブとすることが好ましく、ローラの軸心と外周面との間に内蔵してもよい。この場合には、ローラユニットをさらに小型化することができ、隣接するローラユニットに衝突することなく多数のローラユニットを並べた状態でこれらを旋回させることができる。
【0018】
移動体に形成したカムとカムフォロアの係合により、アクチュエータによる移動体の直線的な移動を用いて全てのローラを一斉に旋回させることができる。なお、アクチュエータはエアシリンダであることが好ましいが、油圧シリンダやモータを用いたものであってもよい。移動体に形成するカムは、移動体の移動方向に対してほぼ直角方向に形成された溝(以下、カム溝という)であり、カムフォロアはこのカム溝に係合するローラであることが好ましい。
【0019】
前記ローラは旋回機構による旋回の中心から離れた位置において搬送対象物に接するものである場合(請求項3)には、旋回機構によってローラの回転軸を旋回させるときには、旋回に伴ってローラが搬送対象物に接触して転がることにより、搬送対象物に傷を付けることなく旋回を行うことができる。
【0020】
前記ローラの形状は略円錐台形状など、その外径が徐々に拡大するテーパ面を備えるものであることが好ましい。つまり、テーパ面を備えるローラは搬送対象物が軽量の場合に、搬送対象物との当接部分の接触面積を極めて小さくすることができるので、それだけ、ローラを用いた搬送における摩擦による損失を小さくすることができ、駆動モータは小さい駆動トルクで搬送対象物を搬送することができる。
【0021】
前記各ローラの位置にローラの上端を突出させる貫通孔が形成されたほぼ水平な平面を形成する天面カバーを備える場合(請求項4)には、搬送対象物がローラの上端面に当接して搬送対象物を移動させることができると共に、ローラ間に異物が侵入することを防止できるので、安全性が向上する。
【0022】
搬入した搬送対象物を当接させることにより、この搬送対象物の水平方向の回転角を調整するガイド板を備える場合(請求項5)には、方向転換装置に搬送対象物が搬入される度に搬送対象物の水平方向の回転角を調整するので、方向転換装置によって方向転換を繰り返しても、搬送対象物の水平方向の回転角がずれることを防止できる。
【0023】
第2発明は、前記方向転換装置と、前記搬送対象物を直線的に搬送するコンベアとを組み合わせて、搬送対象物を平面視略コ字状の搬送方向に搬送することを特徴とする搬送装置を提供する(請求項6)。
【0024】
前記搬送装置は、方向転換装置の高さをフロアから必要最小限の高さに抑えることにより、方向転換装置と搬送装置の搬送面を一様に低くすることができる。つまり、特別な基礎工事を行わなくても、コンベアおよび方向転換装置を安定してフロアに設置することができる。加えて、コンベアおよび方向転換装置の搬送面が低いので、作業者がコンベアに乗って搬送対象物に対して加工または組付作業を行うことも可能であり、搬送対象物の搬送中であっても作業者が搬送対象物に対して相対的に停止した位置で作業を行うことができる。
【0025】
前記搬送対象物が、複数の異なる姿勢でワークを支持する支持アームと、この支持アームの下方に平坦な下面を形成する底板とを備えるパレットである場合(請求項7)には、搬送対象物の下面に形成された底板がローラに当接するので、安定した搬送を行うことができる。また、支持アームがワークを異なる姿勢で支持するものであるから、作業者はワークに対する加工または組付作業を行いやすいように、支持アームを調整することが可能であるから、ワークに対す各工程の作業効率が容易になる。なお、支持アームは底板に対して平面視で水平方向に回動自在にすることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
前述したように、本発明によれば、方向転換装置の高さ方向の幅を薄くすることができるので、同一高さのフロアに配置した方向転換装置とコンベヤの搬送面を共に低くすることができ、特別な基礎工事を行わなくても安定して設置することができる。つまり、ワークの生産数の変更および/またはワークに対する加工または組付行程の変更に伴って方向転換装置の配置を容易に調節することができる。
【0027】
また、前記方向転換装置は搬送対象物を旋回させることなくその搬送方向のみを方向転換することが可能であるから、搬送対象物を方向転換することに伴う危険を軽減することができ、それだけ安全管理を容易とすることができる。加えて、重量物である搬送対象物を旋回させるための時間的なロスがないので、速やかな搬送を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1〜図7は本発明の第1実施形態に係る方向転換装置1の構成を示す図である。図1に示すように、本発明の方向転換装置1は、搬送面Sにほぼ平行する二次元方向に配置されてエンジンなどのワークWを搭載するパレット2(搬送対象物)の下面に当接する複数のローラ3と、個々のローラ3の回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構4と、搬送面に平行すると共に前記各ローラ3の位置に貫通孔5aを形成してなる平面視略正方形状の天面カバー5と、この天面カバー5の2つの辺に沿うように方向転換装置1の側面に取り付けられたガイド板6を備える。
【0029】
本発明の方向転換装置1は搬送対象物としてワークWを搭載したパレット2のみならず、図示を省略するが、部品を搭載したパレットや部品棚を搬送することも可能である。なお、図1に示すワークWを搭載するパレット2は、搬送面Sに接する底板2aと、この底板2aの中央部に立設する昇降手段2bと、この昇降手段2bに対して縦軸線Pまわりに回動自在に取り付けられる回転台2cと、この回転台2c上に立設し全体的に略U字状に屈曲してなる支持部2dと、この支持部2dの上端部においてワークWを係止すると共に横軸線Qまわりに回転自在に支持する支持手段2eとを備え、これらの各部材2b〜2eを纏めて支持アームという。つまり、パレット2はワークWを作業者による組付作業を容易とする複数の異なる姿勢で支持する支持アーム2b〜2eを備える。
【0030】
図2〜4において、前記方向転換装置1の天面カバー5を透過して示すように、各ローラ3にはそれぞれ各ローラ3を回転させる駆動モータ7を備え、これらのローラ3とローラ3の回転軸3a(図5参照)を回動自在に支持する軸受け8とこの軸受け8に連結する駆動モータ7がローラユニット10を構成する。また、11は前記方向転換装置1のベース、12はフロアFに高さ調整可能に配置されて方向転換装置1を支持する脚部である。
【0031】
図5に示すように、13は前記ローラユニット10を、前記ローラ3と搬送対象物2の接触部を中心とする縦軸(搬送面Sに垂直である軸)回りに回動自在となるように、ベアリングを介してベース11上に支持する旋回支持部であり、14は基端部がローラユニット10に取り付けられたカムレバー、15はカムレバー14の遊端部に取り付けられたカムフォロアである。
【0032】
前記ローラ3の形状は例えば略転倒円柱形状であり、その回転軸3aは略水平(搬送面Sに平行する方向)になるように前記軸受け8によって回動自在に支持されている。また、ローラ3の外周には、ゴムや合成樹脂などの弾性を備えた材料で形成された接触面3bを形成し、ローラ3の回転に伴って搬送対象物2に傷が付いたり音が発生することを防止するものである。
【0033】
前記旋回機構4は複数のローラ3の回転軸3aを一斉に縦軸回りに旋回させるものであり、前記旋回支持部13と、カムレバー14と、カムフォロア15に加えて、直線方向に並ぶ各ローラ3のカムフォロア15がそれぞれ係合するカム溝16を形成した複数の摺動体17およびこれら複数の摺動体17を纏めて連結するブレード18からなる移動体19と、この移動体19をほぼ水平方向に進退移動させるシリンダ20(アクチュエータの一例)とを備える。なお、17aはベース11上に摺動体17を摺動自在に支持する支持体である。
【0034】
前記天面カバー5は搬送対象物2がローラ3の上端面に当接して搬送対象物2を移動させることができるように貫通孔5aを形成しており、ローラ3間に異物が侵入することを防止して、安全性を向上するものである。貫通孔5aの形状はローラ3が自由に旋回できる円形である。また、天面カバー5はベース11に立設させた支柱部5bによって支えられる。
【0035】
前記ガイド板6は方向転換装置1に搬入した搬送対象物2を当接させることができるように、その上端が前記天面カバー5の上面よりも高い位置に配置されており、このガイド板6に搬送対象物2が当接することにより、その水平方向の回転角を調整して方向転換を繰り返しても搬送対象物2の回転角がずれることを防止するものである。また、前記シリンダ20を設けた側のガイド板6には前記移動体19が移動可能であるように開口6cを形成している。
【0036】
前記駆動モータ7はその回転軸がローラ3に直結されたダイレクトドライブ式のシンクロナスモータであり、全ての駆動モータ7に供給する電力を同期させることにより各ローラ3を同期して回転させるものである。つまり、極めて簡素な構成でローラ3を駆動することができる。しかしながら、本発明は駆動モータ7がシンクロナスモータであることに限定されるものではなく、その他の種類のモータを用いてもよい。また、駆動モータ7とローラ3の間にギアなどの変速機を介在させてもよい。
【0037】
また、上述したように本実施形態の旋回機構4は、前記ローラユニット10をそれぞれ縦軸回りに回動自在に支持する旋回支持部13と、この旋回支持部13近傍に配置されほぼ水平方向に移動可能であると共に複数のカム溝16を形成してなる移動体19と、この移動体19を移動させるシリンダ20と、遊端部にカムフォロア15を有し基端部が前記ローラユニット10に取り付けられたカムレバー14とを備えるものであるが、種々の変形が容易に考えられる。例えば、カム溝16の代わりにリブを形成してこれをカムフォロア15に係合させてもよい。また、摺動体17とカムレバー14を連結棒によって揺動可能に連結してもよい。
【0038】
また、前記シリンダ20の代わりにモータなどを用いて進退動作させてもよい。つまり、前記旋回機構4は、シリンダ20の進退動作をローラ3の回転軸3aの旋回動作に変換することができるものであれば、種々の機構を用いることができる。加えて、本実施形態では旋回機構4によるローラ3の旋回角度を90°としているが、その他の角度に旋回させることも可能である。
【0039】
次に、図6,7を用いて、本実施形態の方向転換装置1の動作を説明する。まず図6に示すように、シリンダ20を縮退させた状態では、前記ブレード18によって連結された4本の摺動体17が全て図示右側に位置し、各摺動体17に形成された3つのカム溝16も右側に位置する。このとき、カム溝16に係合されたカムフォロア15も図示右側に位置することにより、全てのカムレバー14が図示右下方向の位置に配置され、ローラ3の回転軸3aが図示縦方向に配置される。すなわち、この状態で駆動モータ7を回動させることにより図示左側から搬送対象物2を搬入(または図示左側に搬送対象物2を搬出)することができる。
【0040】
一方、図7に示すように、シリンダ20を伸張させた状態では、前記ブレード18によって連結された4本の摺動体17が全て図示左側に位置し、各摺動体17に形成された3つのカム溝16も左側に位置する。このとき、カム溝16に係合されたカムフォロア15も図示左側に位置することにより、全てのカムレバーが図示左下方向の位置に配置され、ローラ3の回転軸3aが図示横方向に配置される。すなわち、この状態で駆動モータ7を回動させることにより図示下側に搬送対象物2を搬出(または図示下側から搬送対象物2を搬入)することができる。
【0041】
したがって、シリンダ20の進退動作に伴ってローラ3を90°旋回させることができるので、搬送対象物2を90°異なる方向に搬送することができる。前記搬送方向の切換時にはローラ3と搬送対象物2の接点を通る縦軸回りでローラ3の回転軸3aを旋回させるので、旋回動作に伴って搬送対象物2が移動することがない。つまり、本発明の方向転換装置1ではローラ3のみを旋回させるので、搬送対象物2の移動方向が変わるときに搬送対象物2そのものが旋回することはないので、旋回動作に伴う安全管理を行う必要がないだけでなく、比較的軽量のローラ3のみを旋回させる動作は無理なく高速に行うことができ、方向転換に必要な時間を短くすることができる。
【0042】
図8は前記駆動モータ7の変形例を示す図である。図8に示すように、駆動モータ7’をローラ3の軸心3cと外周面3bとの間に内蔵した場合には、ローラユニット10をさらに小型化にすることができるので、このローラユニット10を狭い間隔で並べて配置した場合にも、これらのローラユニット10を縦軸回りに旋回させることが可能となる。
【0043】
図9は前記旋回機構4の変形例を示す図である。図9に示すように、旋回機構4’として、各ローラユニット10にその縦軸回りの旋回を行うための別途のサーボモータ25を設け、電気制御によって各ローラユニット10の旋回を行うようにしてもよい。
【0044】
この場合、旋回機構4’が各ローラユニット10毎にその旋回方向をそれぞれ異ならせることが可能である。すなわち、図10に仮想線で示すようにローラ3を図示横方向に位置させて搬送対象物2を矢印Aに示すように直進させるように搬送する状態と、図10に実線で示すようにローラ3をそれぞれ異なる方向に向かせ、それぞれ異なる速度Vrで回転させることにより搬送対象物2を矢印Bに示す円弧を描くように搬送する状態に切り換えることができる。さらには、図11の矢印Cに示すように、搬送対象物2の水平方向の移動を伴うことなく搬送対象物2を旋回させることもできる。
【0045】
図12,図13は前記ローラの変形例を示す図である。図12,図13に示すように、ローラ3’の形状は略円錐台形状であり、その外径が徐々に拡大するテーパ面3dを備えるものである。したがって、ローラ3’は前記旋回支持部13による旋回の中心Oから離れた位置においてその外径が最大になるように構成している。つまり、ローラ3’は、前記旋回の中心Oと離れた位置におけるごく一部の当接部分3e(分かりやすいように図13において黒く塗りつぶして図示してある。)だけが搬送対象物2に当接する。
【0046】
また、本実施形態の駆動モータ7はシンクロナスモータであるから、旋回時に電力供給を停止するだけで、ローラ3’をその回転軸3a回りに回転フリーにすることができる。すなわち、本実施形態の場合は、旋回時に駆動モータ7への給電を停止させるモータ制御回路(図示していない)を回転フリー機構として備えている。なお、この回転フリー機構は駆動モータ7とローラ3’の間に介在され、旋回時に切断されるクラッチ機構であってもよい。
【0047】
図13(A)に示すように、前記旋回支持部13を用いてローラ3’の回転軸3aを矢印Rに示すように、図示時計回りに旋回させると、ローラ3’と搬送対象物2の当接部分3eに矢印Tに示す回転トルクが発生し、図13(B)に示すように、当接部分3eのみで搬送対象物2に当接しつつローラ3’が回転する。
【0048】
したがって、旋回時に搬送対象物2がローラ3’との摩擦によって磨り減ることがなくなる。加えて、搬送対象物2とローラ3’の摩擦がないことにより、旋回機構4(または4’)は少ない力で方向転換を行うことができる。
【0049】
さらに、搬送対象物2とローラ3’とが当接する当接部分3eの面積が狭ければ狭いほど、駆動モータ7を用いて搬送対象物2を搬送させるときにもより小さい回転トルクで搬送対象物2を搬送させることができる。ゆえに、より小さい駆動モータ7を用いて、方向転換装置1をさらに小型にすることができる。
【0050】
なお、本実施形態ではローラ3’の形状が略円錐台形状であるから、その幅方向の一端において最大径を有するものであるが、幅方向中心部において最大径となるように構成されたローラを用いてもよい。
【0051】
図14は前記ローラのさらなる変形例を示す図である。図14に示すように、幅方向中心部において最大径となるように構成されたローラ3''を用いる場合、前記当接部分3eが旋回の中心Oから離れた位置において前記搬送対象物2に当接するように、ローラ3''を配置することができる。
【0052】
図15(A)〜図15(C)に示すように構成されたローラ3''は、図13(A)〜図13(C)に示すローラ3’と同様に、旋回時にローラ3''が回転して当接部分3eのみが搬送対象物2に当接するので、旋回時に搬送対象物2がローラ3''との摩擦によって磨り減ることがない。
【0053】
図16は図1〜図15に示す方向転換装置1を用いた搬送装置30の一例を示す図である。図16に示す搬送装置30は、搬送対象物2としてエンジンなどのワークWを搭載したワークパレット2Aと、このワークWに組み付けられる部品が収容されたトレイ31を備えた部品パレット2Bとをそれぞれ搬送するものである。また、搬送装置30は、これらの搬送対象物2を直線的に一方向に搬送するコンベア32と、搬送対象物2を旋回することなくその搬送方向だけを90度切り換える前記方向転換装置1を組み合わせて搬送対象物2を平面視略コ字状の搬送方向に搬送するものである。なお、同一高さのフロアFに配置したときのコンベヤ32と方向転換装置1の搬送面は同じ高さであるように調整されている。
【0054】
各コンベア32はそれぞれ駆動モータ33を備えた短いコンベアユニット32a,32b…からなり、間に前記方向転換装置1を介在させることにより、90度屈曲した組付ラインLを形成する。より詳細には、最初の工程の作業者M1から最後の工程の作業者M12に至るまでの組付ラインLにおいてコンベア32a,32b…の間に間欠的に3台の方向転換装置1a〜1cを介在させることにより、ほぼ環状の組付ラインLを形成する。また、最後の作業者M12から最初の作業者M1までの間に方向転換装置1dを介在させて組付ラインLの末尾を先頭に連結している。
【0055】
次に、前記構成の搬送装置30の動作を説明する。すなわち、最初のコンベア32aによってワークパレット2Aと部品パレット2Bが第1の方向転換装置1aまで搬送されると、方向転換装置1aは搬入した搬送対象物2A,2Bを順次搬送方向を図示上方向から右方向に90度方向転換して第2のコンベア32bに搬出する。
【0056】
同様に第2〜第5のコンベアユニット32b〜32eによって搬送対象物2を図示右方向に搬送し、第2の方向転換装置1bまで搬送すると、方向転換装置1bは搬送対象物2の搬送方向のみを90度方向転換して第6のコンベアユニット32fに搬出する。以下同様に、前記搬送対象物2を第3の方向転換装置1cによって更に90度方向転換し、第7〜第10のコンベアユニット32g〜32jによって図示左方向に搬送する。
【0057】
さらに、加工および組付が終了したワークWを、最後の作業者M12による作業が終了した後にワークパレット2Aから取り除き、空の搬送対象物2を第4の方向転換装置1dによって90度方向転換し、最初の工程の作業者M1がいる位置まで搬送する。
【0058】
前記搬送装置30では、何れの方向転換装置1a〜1dも重量物の搬送対象物2A,2Bそのものを旋回させるものではないので、ワークWの旋回に伴う安全管理を容易にすることができるだけでなく、搬送方向の切換を速やかに行うことができる。また、作業者M1,M2はワークWの図示左側から、作業者M3〜M6はワークWの図示上側から、作業者M7〜M8はワークWの図示右側から、作業者M9〜M12はワークWの図示下側からというように、ワークWに対して複数の異なる方向から加工または組付作業を行うことができる。なお、ワークパレット2AはワークWを異なる姿勢で支持することができる支持アーム2b〜2eを備えるので、作業者M1〜M12が作業を行いやすいようにワークWの向きや姿勢を変更してもよい。
【0059】
また、前記組付ラインLに変更が発生した場合には、コンベヤユニット32a,32b…の数を増やすなどして、組付ラインLを調整することができる。とりわけ、同一フロア上に配置した場合においても、低床のコンベヤユニット32a,32b…と方向転換装置1の搬送面Sの高さを合わせているので、組付ラインLの変更を極めて容易におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1実施形態に係る方向転換装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】前記方向転換装置の一部を透過して示す斜視図である。
【図3】前記方向転換装置の側面図である。
【図4】前記方向転換装置の図3と異なる方向の側面図である。
【図5】前記方向転換装置の要部を説明する図である。
【図6】前記方向転換装置の動作を説明する図である。
【図7】前記方向転換装置の動作を説明する別の図である。
【図8】図5の変形例を示す図である。
【図9】図5の別の変形例を示す図である。
【図10】図9に示す変形例における動作を説明する図である。
【図11】図9に示す変形例における別の動作を説明する図である。
【図12】ローラの変形例を示す図である。
【図13】図12に示す変形例における動作を説明する図である。
【図14】ローラの別の変形例を示す図である。
【図15】図14に示す変形例における動作を説明する図である。
【図16】前記方向転換装置を用いた搬送装置の例を示す図である。
【図17】従来の搬送装置の例を示す図である。
【図18】従来の搬送装置の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
1 方向転換装置
2 搬送対象物
2a 底板
2b〜2e 支持アーム
3,3’,3'' ローラ
4,4’ 旋回機構
5 天面カバー
6 ガイド板
7,7’ 駆動モータ
10 ローラユニット
13 旋回支持部
14 カムレバー
15 カムフォロア
16 カム
19 移動体
20 アクチュエータ
32 コンベヤ
O 旋回の中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物の下面に当接する複数のローラと、
これらのローラを回転させる駆動モータと、
前記個々のローラの回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構とを備えることを特徴とする方向転換装置。
【請求項2】
前記各ローラにそれぞれ前記駆動モータを設けてローラユニットを構成し、
前記旋回機構が、前記ローラユニットをそれぞれ縦軸回りに回動自在に支持する旋回支持部と、この旋回支持部近傍に配置されほぼ水平方向に移動可能であり複数のカムが形成された移動体と、この移動体を移動させるアクチュエータと、遊端部に前記カムに係合するカムフォロアを有し基端部が前記ローラユニットに取り付けられたカムレバーとを備える請求項1に記載の方向転換装置。
【請求項3】
前記ローラは旋回機構による旋回の中心から離れた位置において搬送対象物に接するものである請求項1または2に記載の方向転換装置。
【請求項4】
前記各ローラの位置にローラの上端を突出させる貫通孔が形成されたほぼ水平な平面を形成する天面カバーを備える請求項1〜3の何れかに記載の方向転換装置。
【請求項5】
搬入した搬送対象物を当接させることにより、この搬送対象物の水平方向の回転角を調整するガイド板を備える請求項1〜4の何れかに記載の方向転換装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の方向転換装置と、前記搬送対象物を直線的に搬送するコンベアとを組み合わせて、搬送対象物を平面視略コ字状の搬送方向に搬送することを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記搬送対象物が、複数の異なる姿勢でワークを支持する支持アームと、この支持アームの下方に平坦な下面を形成する底板とを備えるパレットである請求項6に記載の搬送装置。
【請求項1】
搬送対象物の下面に当接する複数のローラと、
これらのローラを回転させる駆動モータと、
前記個々のローラの回転軸を一斉に縦軸回りに旋回させる旋回機構とを備えることを特徴とする方向転換装置。
【請求項2】
前記各ローラにそれぞれ前記駆動モータを設けてローラユニットを構成し、
前記旋回機構が、前記ローラユニットをそれぞれ縦軸回りに回動自在に支持する旋回支持部と、この旋回支持部近傍に配置されほぼ水平方向に移動可能であり複数のカムが形成された移動体と、この移動体を移動させるアクチュエータと、遊端部に前記カムに係合するカムフォロアを有し基端部が前記ローラユニットに取り付けられたカムレバーとを備える請求項1に記載の方向転換装置。
【請求項3】
前記ローラは旋回機構による旋回の中心から離れた位置において搬送対象物に接するものである請求項1または2に記載の方向転換装置。
【請求項4】
前記各ローラの位置にローラの上端を突出させる貫通孔が形成されたほぼ水平な平面を形成する天面カバーを備える請求項1〜3の何れかに記載の方向転換装置。
【請求項5】
搬入した搬送対象物を当接させることにより、この搬送対象物の水平方向の回転角を調整するガイド板を備える請求項1〜4の何れかに記載の方向転換装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の方向転換装置と、前記搬送対象物を直線的に搬送するコンベアとを組み合わせて、搬送対象物を平面視略コ字状の搬送方向に搬送することを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記搬送対象物が、複数の異なる姿勢でワークを支持する支持アームと、この支持アームの下方に平坦な下面を形成する底板とを備えるパレットである請求項6に記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−35423(P2009−35423A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7034(P2008−7034)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000191353)新明工業株式会社 (75)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000191353)新明工業株式会社 (75)
【Fターム(参考)】
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