説明

旅客案内システム

【課題】旅客が目的地付近の駅に到着した時に、旅客の手を煩わせることなく目的地付近の案内情報を案内板に表示する。
【解決手段】乗車駅の案内板1010、ないし旅客の有する携帯端末1900より検索サーバ400にアクセスし、目的地付近にある降車駅周辺の案内情報を検索させる。検索サーバ400は検索結果を識別番号とともに記憶する。列車情報管理サーバ200は、旅客に乗車する列車を案内する。列車が降車駅へ到着することを列車情報管理サーバ200から通知された時、ないし旅客が降車駅の改札を出た時に、検索サーバ400から得た目的地付近の案内情報を降車駅の案内板1020に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は旅客案内システムに係り、特に旅客の手を煩わせることなく案内情報を表示する旅客案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鉄道網の駅における旅客案内システムでは、路線図や時刻表などが改札付近や券売機付近、ホーム内に掲示されている他、駅出入り口付近に駅周辺の情報を記した地図などの案内板を利用して旅客に案内情報を提供している。
特許文献1では旅客案内情報を切符に磁気記憶させ、駅に配置された磁気記憶読取り装置付き案内装置にその切符を読取らせることにより、案内情報を表示させている。
特許文献2ではICカードを利用し、それに旅客個人情報を記憶させ、ICカード読取り機能を持った旅客案内システムでそれを読取らせて旅客に最適の案内情報を表示させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−242174号公報
【特許文献2】特開2000−268098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来の旅客案内システムでは、旅客が目的地を検索し、切符やICカードにその検索結果や個人情報を記憶させた後、その情報を使用して案内情報を表示させるには特定の表示装置にそれを読取らせるなどの何らかの行動が必要になり不便であった。
本発明は上記事情を考慮してなされたものであって、旅客の手を煩わせることなく案内情報を表示する旅客案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、前記交通機関の複数の停車場に設けられ、該停車場より前記車両に乗車する旅客により目的地を特定する情報が入力され、前記目的地付近の案内情報を記憶し、前記停車場にて前記車両から降車する旅客に対して前記目的地付近の案内情報を表示する案内表示部を備え、該案内表示部が設けられた第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記目的地を特定する情報を入力した場合には、前記案内表示部は前記検索サーバ部と前記車両情報管理サーバ部にアクセスし、該アクセスを受けた前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記第1の停車場の前記案内表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して前記乗車する第1の停車場の案内表示部に記憶させ、前記車両情報管理サーバ部が、前記旅客が乗車した車両が前記目的地付近の停車場に接近ないし到着したと判定した場合には、前記第1の停車場の案内表示部にアクセスして第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を前記第2の停車場の案内表示部へ転送させ、前記第2の停車場の案内表示部は前記案内情報を表示することを特徴としている。
【0006】
また本発明は、交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、旅客が所有する乗車券の機能を有するICカードと、前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記ICカードと情報を通信して前記旅客の前記停車場への入退場を管理する第1のICカードリーダ/ライタを含む自動改札部と、前記交通機関の複数の停車場に設けられ、該停車場より前記車両に乗車する旅客により目的地を特定する情報が入力され、前記停車場にて前記車両から降車する旅客に対して前記目的地付近の案内情報を表示し、前記ICカードと情報を通信する第2のICカードリーダ/ライタを含む案内表示部を備え、該案内表示部が設けられた第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記目的地を特定する情報を入力した場合には、前記案内表示部は前記検索サーバ部と前記車両情報管理サーバ部にアクセスし、該アクセスを受けた前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記第1の停車場の前記案内表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して該案内情報の識別符号を付して管理し、該識別符号を前記案内表示部が含む第2のICカードリーダ/ライタを介して前記旅客が所有するICカードに記憶させ、前記乗客が前記第2の停車場に到着し、該第2の停車場の自動改札部に設けられた前記第1のICカードリーダ/ライタが前記ICカードと通信し前記識別符号を読取った場合には、前記第1のICカードリーダ/ライタは前記検索サーバ部に前記識別符号を送信し、前記検索サーバ部はこれに応じて前記識別符号に基づき前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を前記第2の停車場の案内表示部に転送し、前記第2の停車場の案内表示部は前記案内情報を表示することを特徴としている。
【0007】
また本発明は、交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、旅客が所有する乗車券の機能を有するICカードチップを含む携帯端末と、前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記携帯端末が含むICカードチップと情報を通信して前記旅客の前記停車場への入退場を管理するICカードリーダ/ライタを含む自動改札部と、前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記停車場にて前記車両から降車する旅客に対して前記目的地付近の案内情報を表示する案内表示部を備え、前記第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記携帯端末を用いて前記検索サーバ部と前記車両情報管理部にアクセスし、前記目的地を特定する情報を送信した場合には、前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、
該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記携帯端末の表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して該案内情報の識別符号を付して管理し、該識別符号を前記携帯端末が含むICカードチップに記憶させ、前記乗客が前記第2の停車場に到着し、該第2の停車場の自動改札部に設けられた前記ICカードリーダ/ライタが前記ICカードと通信し前記識別符号を読取った場合には、前記ICカードリーダ/ライタは前記検索サーバ部に前記識別符号を送信し、前記検索サーバ部はこれに応じて前記識別符号に基づき前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を前記第2の停車場の案内表示部に転送し、前記第2の停車場の案内表示部は前記案内情報を表示することを特徴としている。
【0008】
また本発明は、交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、旅客が所有する乗車券の機能を有するICカードチップを含む携帯端末と、前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記携帯端末が含むICカードチップと情報を通信して前記旅客の前記停車場への入退場を管理するICカードリーダ/ライタを含む自動改札部を備え、前記第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記携帯端末を用いて前記検索サーバ部と前記車両情報管理部にアクセスし、前記目的地を特定する情報を送信した場合には、前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記携帯端末の表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して前記携帯端末に転送し、前記携帯端末の表示部は前記案内情報を表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、旅客の手を煩わせることなく案内情報を表示する旅客案内システムを提供でき、交通機関を利用する際の利便性を向上できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一の実施形態における案内板の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における列車情報管理サーバの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態において列車に搭載する列車情報管理クライアントの機能ブロック図である。
【図4A】本発明の実施形態における検索サーバの機能ブロック図である。
【図4B】図4Aの検索サーバによる検索結果とその識別番号の組を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施形態における鉄道網及び旅客案内システムの各要素の構成図である。
【図6】本発明の第一の実施形態における旅客の動作を示すフローチャートである。
【図7A】本発明の第一の実施形態における案内板の表示例である。
【図7B】本発明の第一の実施形態における案内板の表示例である。
【図8A】本発明の第一の実施形態における案内板の表示例である。
【図8B】本発明の第一の実施形態における案内板の表示例である。
【図9】本発明の第一の実施形態における案内板の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第一の実施形態における案内板の使用例を示す図である。
【図11】本発明の第二の実施形態における案内板の機能ブロック図である。
【図12】本発明の第二の実施形態における自動改札機の機能ブロック図である。
【図13】本発明の第二の実施形態におけるICカードの機能ブロック図である。
【図14】本発明の第二の実施形態における旅客の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第二の実施形態における案内板の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第二の実施形態における自動改札機の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第二の実施形態における鉄道網及び旅客案内システムの各要素の構成図である。
【図18】本発明の第二の実施形態における案内板の使用例を示す図である。
【図19】本発明の第三の実施形態における携帯端末の機能ブロック図である。
【図20】本発明の第三の実施形態における旅客の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第三の実施形態における携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第三の実施形態における鉄道網及び旅客案内システムの各要素の構成図である。
【図23】本発明の第三の実施形態における案内板の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の第一の実施形態における案内板100の機能ブロック図である。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)111、HDD(Hard Disk Drive)112とRAM(Random Access Memory)113を含んでいる。このうちCPU111は、様々な演算を行い、案内板の制御を行うOS(Operating System)を動作させ、様々なプログラムを実行する。HDD(Hard Disk Drive)112は、後述の図9に示す本発明の旅客案内プログラム114、本案内板100の設置駅及びその周辺情報115と、検索結果を記憶する検索結果記憶部116を含む不揮発性記憶装置である。RAM113は、例えば旅客案内プログラム114のワークエリアとして利用され、またユーザからの入力が一時格納される揮発性記憶領域である。
【0013】
タッチパッド入力制御プログラムは前記HDD112に格納され、常にユーザからのタッチパッド入力を受付けることができるように、前記CPU111にて実行されている。LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)120は、例えば前記旅客案内プログラム114の描画させる画面を描画し、またユーザの入力を表示する。タッチパッド130は透明でありLCD120に重ねて実装され、ユーザが文字や命令を前記旅客案内プログラム114に入力するために使用される。タッチパッド130は定期的に表面をスキャンし、ユーザが触れた位置の座標を取得し、それを前記タッチパッド入力制御プログラムに通知することにより制御部110にユーザの入力を通知する。LAN(Local Area Network)140はインターネットに接続する為の通信装置である。
【0014】
図2は本発明の第一の実施形態における列車情報管理サーバ200の機能ブロック図である。
制御部210は、CPU211、HDD212とRAM213を含んでいる。このうちCPU211は、様々な演算を行い、列車情報管理サーバの制御を行うOSを動作させ、様々なプログラムを実行する。HDD212は、列車情報管理サーバプログラム214、列車現在位置情報215、路線図情報216などのデータを記憶する不揮発性記憶装置である。RAM213は、例えば列車情報管理サーバプログラム214のワークエリアとして利用され、また列車情報管理サーバ200の管理者からの入力が一時格納される揮発性記憶領域である。
【0015】
LCD220は、例えば前記列車情報管理サーバプログラム214の描画させる画面を描画し、また列車情報管理サーバ200の管理者の入力を表示する。入力装置230はマウス231とキーボード232を含み、列車情報管理サーバ200の管理者が文字や命令を前記列車情報管理サーバプログラム214に入力する際に使用される。LAN240はインターネットに接続する為の通信装置である。公衆無線通信装置250は位置を管理する列車と通信を行う為の無線通信装置である。HDD212には鉄道網の路線図や、現在管理している列車の情報が格納される。列車の情報は公衆無線通信装置250からの入力によりリアルタイムに変更される。前記列車情報管理サーバプログラム214は乗車駅と降車駅、及び、乗車時刻ないし到着時刻を指定すると、HDD212に格納された鉄道網の路線図より乗るべき列車、その列車の発車時刻と到着時刻を検索することができる。
【0016】
図3は本発明の第一の実施形態における列車情報管理サーバ200によって位置を管理される列車に搭載する、列車情報管理クライアント300の機能ブロック図である。
制御部310は、CPU311、HDD312とRAM313を含んでいる。CPU311は、様々な演算を行い、列車情報管理クライアントの制御を行うOSを動作させ、様々なプログラムを実行する。HDD312は、列車情報管理クライアントプログラム314やデータを記憶する不揮発性記憶装置である。RAM313は、例えば列車情報管理クライアントプログラム314のワークエリアとして利用され、また列車情報管理クライアント300の管理者からの入力を一時格納する揮発性記憶領域である。
【0017】
LCD320は、例えば前記列車情報管理クライアントプログラム314の描画させる画面を描画し、また列車情報管理クライアント300の管理者の入力を表示する。入力装置330はキーボード331を含み、列車情報管理クライアント300の管理者が文字や命令を前記列車情報管理クライアントプログラム314に入力する際に使用される。GPS(Global Positioning System)340は列車の現在位置を取得する為の装置である。公衆無線通信装置350はGPS340により取得した列車の現在位置を列車情報管理サーバ200へ送信する為の無線通信装置である。前記列車情報管理クライアントプログラム314はGPS340により一定周期で列車の現在位置の情報を取得し、公衆無線通信装置350により列車情報管理サーバ200へ送信する。
【0018】
図4Aは本発明の第一の実施形態における検索サーバ400の機能ブロック図であり、図4Bは図4Aの検索サーバによる検索結果とその識別番号の組を示す図である。
制御部410は、CPU411、HDD412とRAM413を含んでいる。CPU411は、様々な演算を行い、検索サーバの制御を行うOSを動作させ、様々なプログラムを実行する。HDD412は、検索サーバプログラム414、鉄道網の各駅構内及び各駅周辺情報を格納したデータベース415、検索結果とその識別番号の記憶部416などデータを記憶する不揮発性記憶装置である。RAM413は、例えば検索サーバプログラム414のワークエリアとして利用され、また検索サーバ400の管理者からの入力を一時格納する揮発性記憶領域である。
【0019】
LCD420は、例えば前記検索サーバプログラム414の描画させる画面を描画し、また検索サーバ400の管理者の入力を表示する。入力装置430はマウス431とキーボード432を含み、検索サーバ400の管理者が文字や命令を前記検索サーバプログラム414に入力する際に使用される。LAN440はインターネットに接続する為の通信装置である。前記検索サーバプログラム414は案内板100から、ある目的地についての検索要求をLAN440により受信すると、その目的地の最寄駅、その最寄駅からその目的地までの案内情報をHDD412から検索する。また、検索要求を出した案内板100のある駅から上述の検索する目的地の最寄駅まで行くのに乗るべき列車を調べる為に、列車検索要求をLAN440により列車情報管理サーバ200に送信する。これらの検索結果をLAN440により案内板100に送信する。検索結果は、図4Bに示すように到着駅、目的地と案内地図を含んだ組に対して固有の識別番号を与えられて、検索結果とその識別番号の記憶部416に記憶される。
【0020】
図5は本発明の第一の実施形態における鉄道網500及び上述した旅客案内システムの各要素の構成図である。
列車510には図3に一例を示した列車情報管理クライアント300が搭載される。列車510はGPS340でリアルタイムに位置情報を取得し、公衆無線通信装置350と公衆無線網600を介して、図2に一例を示した列車情報管理サーバ200に通知する。列車情報管理サーバ200は、鉄道網500にある全列車510それぞれの位置情報を、列車現在位置情報記憶部215に記憶する。駅520には図1に一例を示した案内板100が設置される。案内板100はインターネット700を介して、図4Aに一例を示した検索サーバ400に接続し、旅客の検索要求を通知したり、その検索結果を取得したりする。検索サーバ400は、検索を要求された場所について案内情報や最寄駅を検索する。また、インターネット700を介して列車情報管理サーバ200に接続し、検索要求を出した案内板100のある駅520から検索要求のあった場所の最寄駅まで行くに際して、乗るべき列車を検索する。また、必要に応じて列車の位置情報を検索する。これらの検索結果を検索要求した案内板100に送信する。
【0021】
本実施の形態における旅客1000の動作を図6のフローチャート及び、案内板100の表示例である図7A、図7B、図8Aと図8B、案内板100の使用例である図10を用いて説明する。
旅客1000は乗車駅1030で目的地について検索する時、そこに設置された案内板1010で目的地の住所を入力して検索を要求する(図6のステップS601、図10の(1))。図7Aに目的地の住所を入力する案内板1010の例を示す。案内板の制御部110は、図7Aのように案内板の表示部であるLCD120に重ねて実装されたタッチパッドを使用して旅客1000に目的地の住所を入力させるために、ひらがなや数字を入力する文字入力キー、入力位置を指定するカーソルキー、漢字変換を行う変換キー、検索を実行する検索キー、入力した文字を消すクリアキーをソフトウェアキーとしてLCD120に表示する。また、旅客1000が入力した目的地住所を示す「住所検索」ウィンドウや、検索した結果、乗車すべき列車の情報を示す「列車案内」ウィンドウも表示させる。
【0022】
タッチパッド130が制御部110に旅客1000の触った表示部上の座標を通知した時、制御部110はその座標に上記ソフトキーの内どれかが存在するかを調査し、存在した場合、そのソフトキーに割り当てられた動作(例えば文字入力キーならそのキーに対応する文字の入力、カーソルキーならその方向にカーソルの移動など)を実行する。旅客1000が検索キーに触れた時、それを通知された制御部110はその時までに「住所検索」ウィンドウに入力された目的地について、検索管理サーバ400に問合せて検索を行い、図7Bのように「列車案内」ウィンドウに表示する。これにより旅客1000は目的地まで行くのに乗るべき列車の情報を入手できる(図6のステップS602、図10の(2))。
【0023】
この列車情報に従って列車に乗車し、目的地付近の降車駅1040まで移動する(図6のステップS603、図10の(3))。この列車が目的地付近の降車駅1040に到着すると(図10の(4))、列車情報管理サーバ200は乗車駅1030の案内板1010に列車の到着を通知する(図10の(5))。乗車駅1030の案内板1010はその通知を受信した際に、目的地付近の降車駅1040の案内板1020に目的地付近の案内情報を転送し、その表示を依頼する(図10の(6))。目的地付近の降車駅1040の案内板1020は目的地付近の案内情報及びその表示依頼を受信した際に、それを表示する(図6のステップS604、図10の(7))。旅客1000は目的地まで行く際に、これを案内情報として使用する(図6のステップS605)。
【0024】
目的地付近の案内情報の表示例を図8Aと図8Bに示す。図8Aのように旅客1000が入力した住所までの地図を表示しても良いが、プライバシーに考慮し目的地そのものではなく、図8Bのように目的地近辺の目印になるランドマークまでの地図を表示しても良い。目的地あるいは目的地近辺のランドマークを明示する為に、特定のマークを使用しても良い(図8Aと図8Bにおける星マーク)。
【0025】
次に、本実施の形態における案内板100の動作を、図9のフローチャートを用いて説明する。上述のように、旅客1000による検索要求はタッチパッド130により制御部110に入力される。それを受信した時(図9のステップS901のYes)、その目的地近辺の駅やその駅に行くのに乗車すべき列車、目的地案内情報について検索サーバ400に問合せる(図9のステップS902、図10の(1))。その結果を受信した時、それを検索結果記憶部116に記憶し、目的地まで行くのに乗車すべき列車の情報を表示部のLCD120に表示する(図9のステップS903、図10の(2))。
【0026】
上述の列車が目的地近辺の降車駅1040に到着した際、それを乗車駅1030の案内板1010へ通知するよう、列車情報管理サーバ200に依頼しておく(図9のステップS904)。上述の列車が目的地近辺の降車駅1040に到着すると(図10の(4))、列車情報管理サーバ200はそれを乗車駅1030の案内板1010に通知する(図9のステップS905のYes、図10の(5))。乗車駅1030の案内板1010はそれを受信した時、検索結果記憶部116に記憶に記憶してある目的地案内情報を、目的地近辺の降車駅1040にある案内板1020に送信し、それを表示するようにインターネット700経由で依頼する(図9のステップS906、図10の(6))。
【0027】
目的地近辺の降車駅1040の案内板1020は目的地案内情報の表示依頼を受信すると(図9のS907のYes)、それを表示する(図9のS908、図10の(7))。目的地近辺の降車駅1040の案内板1020は同時に複数の目的地案内情報表示依頼があった場合、画面を分割して表示する。表示依頼が多数あり、画面を分割して表示することができなくなった場合には、それぞれの目的地案内情報を一定周期で切り替えて表示する。目的地案内情報は依頼を受取ってから一定の時間(ここでは10分とするが任意に変更してもよい)表示する。
【0028】
本実施の形態により、旅客1000は乗車駅1030の案内板1010で目的地について検索した場合、乗車すべき列車についての情報を見ることができるとともに、その案内情報に従って列車に乗車すれば目的地付近の駅で列車を降りた際に、すぐに降車駅1040の案内板1020で目的地周辺の案内情報を見ることができる。旅客は案内板1010へ前記したような入力を行う他は特に手を煩わせる必要がなく、利便性を向上できる。
また、目的地近辺の降車駅1040の案内板1020への表示は、列車情報管理サーバ200の到着通知を受信してなされるので、列車の遅延があった場合でも列車到着時刻に合せて適切な表示を行わせることができる。
【実施例2】
【0029】
第二の実施形態では第一の実施形態にICカードによる検索結果の識別機能を追加する。具体的には以下のようにする。
検索サーバ400は検索結果を検索要求元の案内板1010に送信する際、その検索結果にそれを識別するユニークな識別番号を付与して、検索結果とその識別番号の記憶部416に記憶しておく。
【0030】
図11に示す通り、案内板100にICカードリーダ/ライタ150を搭載する。
図17は本発明の第二の実施形態における鉄道網500及び旅客案内システムの各要素の構成図である。図17に示す通り、旅客の持つICカードによりホームへの入退場を管理する自動改札機1200を各駅に設置する。
【0031】
図12は本発明の第二の実施形態における自動改札機1200の機能ブロック図である。
制御部1210は、CPU1211、ROM(Read Only Memory)1212とRAM1213を含んでいる。CPU1211は、様々な演算を行い、自動改札機の制御を行うOSを動作させ、様々なプログラムを実行する。ROM1212は、自動改札機制御プログラム1214及びデータを記憶する。RAM1213は、例えば自動改札機制御プログラム1214のワークエリアとして利用され、またユーザからの入力を一時格納する揮発性記憶領域である。
【0032】
ICカードリーダ/ライタ入力制御プログラムは前記ROM1212に格納され、前記ICカードが近づくとすぐに前記ICカードにアクセスすることができるように、前記CPU1211にて実行されている。LCD1220は、例えば前記自動改札機制御プログラム1214の描画させる画面を描画する。LAN1240はインターネットに接続する為の通信装置である。ICカードリーダ/ライタ1250は、ユーザが近づけた前記ICカードにアクセスし、前記ICカードにデータを書込み、また前記ICカードからデータを読込む。
この自動改札機1200はインターネット接続機能を持ち、例えば検索サーバ400に接続し、また案内板100に案内情報の表示を要求することができる。
【0033】
図13は本発明の第二の実施形態におけるICカード1300の機能ブロック図である。
制御部1310は、CPU1311、ROM1312、RAM1313とFlash ROM1315を含んでいる。CPU1311は、様々な演算を行い、ICカードの制御を行うICカード制御プログラム1314を動作させる。ROM1312は、ICカード制御プログラム1314と本ICカード1300に割り当てられた固有の識別符号1316を記憶する。RAM1313は、ICカード制御プログラム1314のワークエリアとして利用される揮発性記憶領域である。Flash ROM1315は、様々なデータを格納する不揮発性のメモリである。
短距離無線部1320は、本ICカード1300が近づいた外部のICカードリーダ/ライタ150,1250から、本ICカード1300の駆動に必要な電力を無線で取り込むとともに、データや命令のやり取りを無線通信にて行う。
【0034】
本実施の形態における旅客の動作を図14のフローチャートを用いて説明する。なお、旅客がICカードを使用する動作以外は図6で示した動作と同様で良い。
旅客は乗車駅で目的地について検索する時、そこに設置された案内板100で目的地の住所を入力して検索を要求する(ステップS601)。その結果、目的地まで行くのに乗るべき列車の情報がLCD120に図7Bのように表示されるので、旅客は必要な情報を入手できる(ステップS602)。この時、案内板100のICカードリーダ/ライタ150は、旅客の所持するICカード1300に検索結果の識別番号を書込む(ステップS1401)。旅客1000はホームに入場する為、自動改札機1200にICカード1300を読込ませ、改札を通過する(ステップS1402)。列車に乗り目的地付近の駅まで移動する(ステップS603)。この列車が目的地付近の駅に到着したあと、旅客はICカード1300を自動改札機1200に読込ませてホームから退場する(ステップS1403)。本実施の形態では、旅客1000が自動改札機1200を通ってホームから退場する際に目的地案内情報がその駅の案内板100に図8Aまたは図8Bのように表示されるので(ステップS604)、目的地まで行く際にそれを案内情報として使用する(ステップS605)。
【0035】
次に、本実施の形態における案内板100の動作を図15のフローチャートを用いて説明する。なお、ICカードリーダ/ライタ150が旅客のICカード1300にアクセスする以外は、図9で示した動作と同様で良い。上述のように、旅客による検索要求はタッチパッド130により制御部110に入力される。それを受信した時(ステップS901のYes)、その目的地近辺の駅やその駅に行くために乗車すべき列車、目的地案内情報について検索サーバ400に問合せる(ステップS902)。その結果及びそれを識別する識別番号を受信した時、目的地まで行くために乗車すべき列車の情報を表示部のLCD120に表示する(ステップS903)。その後、旅客の持つICカード1300に上述の識別番号を書込む(ステップS1501)。正しく書込めた場合は処理を終了する(ステップS1502のYes)。正しく書込めなかった場合(ステップS1502のNo)、上述の列車が目的地近辺の駅に到着した際に、列車情報管理サーバ200にそれを通知するように依頼する(ステップS904)。以降の動作は図9で示した動作と同様である。
【0036】
次に、本実施の形態における自動改札機1200の動作を図16のフローチャートを用いて説明する。
自動改札機1200は通過しようとする旅客の所持するICカード1300を認識する(ステップS1601のYes)。入場駅情報が書込まれていない場合は(ステップS1602のNo)これから駅に入場することになるため、設置されている駅の情報をICカード1300に書込む(ステップS1603)。入場駅情報が書込まれている場合は(ステップS1602のYes)これから駅より退場することになるため、それを読込み、ICカード1300から削除する(ステップS1604)。読込んだ入場駅情報と自動改札機1200が設置されている駅の区間の運賃を計算し(ステップS1605)、ICカード1300に格納されている電子マネーにより運賃を精算する(ステップS1606)。
【0037】
それと同時に、図4Bに示した識別番号をICカード1300から読込む(ステップS1607)。識別番号が存在し正しく読込めた場合(ステップS1608のYes)、それで識別される検索結果を検索サーバ400へ要求する(ステップS1609)。検索結果を受信し(ステップS1610)、その駅に設置されている案内板100に目的地案内情報を転送して表示を依頼する(ステップS1611)。
【0038】
旅客1000が乗車駅1030の案内板1010で目的地を検索し、目的地付近の降車駅1040の案内板1020で目的地案内情報を受取るまでの流れを図18に示す。
旅客1000は乗車駅1030の案内板1010で目的地について検索する(図18の(1))。案内板1010は検索サーバ400にその目的地について検索を依頼する(図18の(2))。検索サーバ400はその依頼に応じて目的地について検索する。乗車すべき列車及び目的地案内情報を生成し、その検索結果に識別番号を割り振って記憶し(図18の(3))、その検索結果と識別番号を案内板1010に送信する(図18の(4))。案内板1010はそれを受信し、乗車すべき列車の案内情報を表示するとともに(図18の(5))、旅客1000の所持するICカード1300に識別番号を書込む(図18の(6))。旅客1000はホームに入場する際、所持するICカード1300を自動改札機1400に近づけ、入場した乗車駅1030をICカード1300に書込ませる(図18の(7))。
【0039】
旅客1000が列車で移動して(図18の(8))降車駅1040に到着し、ホームから退場する際、所持するICカード1300を自動改札機1410に近づけ、ICカード1300から読込ませた入場した乗車駅1030を通知し、退場する降車駅1040までに乗車した列車の乗車賃を計算させる。その乗車賃を予めICカードに蓄えておいた電子マネーにより支払う(図18の(9))。それと同時に、前記検索結果を示す識別番号がICカード1300に記憶されていた場合、自動改札機1410はその識別番号で識別される検索結果を転送するように検索サーバ400に依頼し(図18の(10))、それを転送させる(図18の(11))。案内板1020へ上述の検索結果に含まれる目的地案内情報を送信し、それを表示するように依頼する(図18の(12))。案内板1020はその目的地案内情報を受信した際に、それを表示する(図18の(13))。
【0040】
本実施の形態では、検索サーバ400は検索結果を識別する識別番号を生成しているが、検索を要求した旅客の所持するICカードの識別符号1316を、検索結果を識別する符号として利用しても良い。すなわち、旅客1000が乗車駅1030の案内板1010で目的地について検索する時(図18の(1))、旅客1000の所持するICカード1300からICカードの識別符号1316を読込み、案内板1010が検索サーバ400にその目的地について検索を依頼する時に(図18の(2))、そのICカードの識別符号1316も送信し、検索結果を識別する符号として検索結果に割り当てる。旅客1000の所持するICカード1300には検索を行ったことを示す符号のみを書込む(図18の(6))。降車駅1040に到着し、ホームから退場する際、前述の通り所持するICカード1300により退場処理を行うが(図18の(9))、それと同時に、前記検索を行ったことを示す符号がICカード1300に記憶されていた場合、ICカードの識別符号1316を検索サーバ400に送信して、これに割り当てられた検索結果を送信するように依頼する(図18の(10))。あとは前述の動作と同様で良い。
前記した第一の実施形態とは異なり第二の実施の形態においては、旅客1000は乗車駅1030の案内板で案内された列車に乗ることができず、他の発車時刻の列車に乗った場合でも、目的地付近の降車駅1040で降りた時に、目的地案内情報を案内板で見ることができることを特徴の一つとしている。
【実施例3】
【0041】
第三の実施形態では第二の実施形態に、携帯端末からの目的地検索を可能にする機能を追加する。具体的には以下のようにする。
図19は本発明の第三の実施形態における携帯端末1900の機能ブロック図である。
制御部1910は、CPU1911、ROM1912、RAM1913とFlash ROM1914を含んでいる。CPU1911は、様々な演算を行い、携帯端末の制御を行うOSを動作させ、様々なプログラムを実行する。ROM1912は、携帯端末制御プログラム1915及びデータを記憶する。RAM1913は、例えば携帯端末制御プログラムのワークエリアとして利用され、またユーザからの入力を一時格納する揮発性記憶領域である。Flash ROM1914は、携帯端末制御プログラムのデータを格納する不揮発性のメモリである。
【0042】
タッチパッド入力制御プログラムは前記携帯端末制御プログラム1915の一部であり、常にユーザからのタッチパッド入力を受け付けることができるように、前記CPU1911にて実行されている。LCD1920は、例えば前記携帯端末制御プログラム1915の描画させる画面を描画し、またユーザの入力を表示する。タッチパッド1930は透明でありLCD1920に重ねて実装され、ユーザが文字や命令を前記携帯端末制御プログラム1915に入力する際に使用される。タッチパッド1930は定期的に表面をスキャンし、ユーザが触れた位置の座標を取得し、その座標を前記タッチパッド入力制御プログラム1915に通知することにより制御部1910にユーザの入力を通知する。公衆無線通信装置1940は公衆無線網と通信する為の通信装置である。ICカードチップ1950は前記ICカード1300の機能を備えたデバイスである。
【0043】
図22は携帯端末1900を加えた本発明の第三の実施形態における鉄道網500及び旅客案内システムの各要素の構成図である。図5における構成に加え、携帯端末1900が追加されるとともに、公衆無線網600とインターネット700が相互に通信できるようにプロトコル変換を行う装置であるゲートウェイ800が追加されている。この構成により、携帯端末1900は公衆無線網600を介してインターネット700にアクセスすることができる。
【0044】
本実施の形態における旅客の動作を図20のフローチャートを用いて説明する。
旅客は目的地について検索する時、携帯端末1900で目的地の住所を入力して検索を要求する(ステップS601)。携帯端末1900のLCD1920への表示は、図7Bの案内板100の表示例と同様である。これにより旅客は目的地まで行く際に乗るべき列車の情報を入手できる(ステップS602)。ホームに入場する為、自動改札機1200に携帯端末1900のICカードチップ1950の情報を読込ませ、改札を通過する(ステップS2001)。列車に乗り目的地付近の駅まで移動する(ステップS603)。この列車が目的地付近の駅に到着したあと、旅客は携帯端末1900のICカードチップ1950の情報を、自動改札機1200に読込ませてホームから退場する(ステップS2002)。この時、その駅の案内板100に目的地案内情報が図8Aまたは図8Bのように表示されるので(ステップS604)、目的地まで行く際にそれを案内情報として使用する(ステップS605)。
【0045】
本実施の形態における携帯端末1900の動作を、図21のフローチャートを用いて説明する。
携帯端末1900は、検索要求が入力された場合(ステップS2101のYes)、それに従い公衆無線網600、ゲートウェイ800、インターネット700を介して、検索サーバ400に検索を依頼する(ステップS2102)。検索結果を受信した後、それに含まれる乗車すべき列車案内情報をLCD1920に表示する(ステップS2103)。それと同時に前記第二の実施形態で述べたように、ICカードチップ1950に検索結果を識別する識別番号を書込む(ステップS2104)。自動改札機1200が有するICカードリーダ/ライタ1250からのアクセスがあった場合(ステップS2105のYes)、その指示に従いICカードチップ1950に、例えば乗車駅を特定するデータを読み書きする(ステップS2106)。
【0046】
自動改札機1200の動作は、ICカードリーダ/ライタ1250のアクセスする相手に携帯端末1900のICカードチップ1950が加わることを除いて、第二の実施の形態と同じで良い。
案内板100の動作は第二の実施の形態と同様で良い。
【0047】
旅客1000が携帯端末1900で目的地を検索し、目的地付近の降車駅1040で目的地案内情報を受取るまでの流れを図23に示す。
旅客1000は携帯端末1900を使用し、公衆無線網600を介してインターネット700にアクセスすることにより、検索サーバ400に接続する。その上で、目的地についての検索要求を検索サーバ400に送信する(図中の(1)と(2))。検索サーバ400はその要求を受信した場合、第二の実施形態と同様に検索を行い、検索結果にそれを識別するユニークな識別番号を付与して検索結果と共に記憶する(図中の(3))。さらに、検索結果とその識別番号を携帯端末1900に送信する(図中の(4))。携帯端末1900はそれらを受信し、第一の実施形態における乗車駅1030での案内板1010での検索結果の表示と同様に、乗車すべき列車案内をLCD1920に表示する(図中の(5))。また、検索結果の識別番号をICカードチップ1950に記憶する(図中の(6))。検索結果受信後、旅客1000はそれに従って列車に乗車し、目的地付近の降車駅1040で降車する。
【0048】
ICカード1300を使用する第二の実施形態と同様に、ホームへの入退場管理に携帯端末1900のICカードチップ1950を使用する。
旅客1000はホームに入場する際、自動改札機1400に携帯端末1900を近づけ、入場した乗車駅1030の情報を所持するICカードチップ1950に書込ませる(図中の(7))。旅客1000が列車で降車駅1040に到着し(図中の(8))、ホームから退場する際、自動改札機1410に携帯端末1900を近づけ、所持するICカードチップ1950を読込ませ、入場した乗車駅1030を通知し、退場する降車駅1040までに乗車した列車の乗車賃を計算させる。その乗車賃を予めICカードチップ1950に蓄えておいた電子マネーにより支払う(図中の(9))。
【0049】
それと同時に、前記検索結果を示す識別番号がICカードチップ1950に記憶されていた場合、自動改札機1410はその識別番号で識別される検索結果を転送するよう、検索サーバ400に依頼する(図中の(10))。自動改札機1410はそれを受信し(図中の(11))、そこに設置されている案内板1020に、上述の検索結果に含まれる目的地案内情報転送し、表示するように依頼する(図中の(12))。案内板1020は受信した目的地案内情報を表示する(図中の(13))。
第二の実施形態と同様に、検索結果を示す識別番号を生成することなく、携帯端末1900ないしICカードチップ1950に固有の識別符号をこれに代えて使用しても良い。
【0050】
本実施の形態により、旅客1000は携帯端末1900によって目的地検索をした場合、目的地付近の降車駅1040で降りた時に、携帯端末1900で目的地情報を見るための操作をしなくても、目的地案内情報を案内板1020で見ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば携帯端末1900を使用する第三の実施形態において、目的地案内情報を案内板1020のみならず、携帯端末1900の有するLCD1920にも表示しても良い。図7Aでは目的地を検索する際に入力する情報を目的地の住所としたが、目的地の名称や電話番号など他の情報でも良いことは言うまでもない。バスをはじめとする鉄道以外の交通機関にも適用できる。列車情報管理サーバ200と検索サーバ400は必ずしも別のサーバである必要はなく、特に規模の小さい交通機関では同じサーバであっても問題はない。その他、様々な変更を行った実施形態を考えることができるが、いずれも本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0051】
100:案内板、110:制御部、111:CPU、112:HDD、113:RAM、114:旅客案内プログラム、115:設置駅及びその周辺情報、116:検索結果記憶部、120:LCD、130:タッチパッド、140:LAN、150:ICカードリーダ/ライタ、200:列車情報管理サーバ、210:制御部、211:CPU、212:HDD、213:RAM、214:列車情報管理サーバプログラム、215:列車現在位置情報、216:路線図情報、220:LCD、230:入力装置、231:マウス、232:キーボード、240:LAN、250:公衆無線通信装置、300:列車情報管理クライアント、310:制御部、311:CPU、312:HDD、313:RAM、314:列車情報管理クライアントプログラム、320:LCD、330:入力装置、331:キーボード、340:GPS、350:公衆無線通信装置、400:検索サーバ、410:制御部、411:CPU、412:HDD、413:RAM、414:検索サーバプログラム、415:鉄道網の各駅構内及び各駅周辺情報のデータベース、416:検索結果とその識別番号の記憶部、420:LCD、430:入力装置、431:マウス、432:キーボード、440:LAN、500:鉄道網、510:列車、520:駅、600:公衆無線網、700:インターネット、800:ゲートウェイ、1000:旅客、1010:案内板、1020:案内板、1030:乗車駅、1040:降車駅、1200:自動改札機、1210:制御部、1211:CPU、1212:ROM、1213:RAM、1214:自動改札機制御プログラム、1220:LCD、1240:LAN、1250:ICカードリーダ/ライタ、1300:ICカード、1310:制御部、1311:CPU、1312:ROM、1313:RAM、1314:ICカード制御プログラム、1315:Flash ROM、1316:識別符号、1320:短距離無線部、1400:自動改札機、1410:自動改札機、1900:携帯端末、1910:制御部、1911:CPU、1912:ROM、1913:RAM、1914:Flash ROM、1915:携帯端末制御プログラム、1920:LCD、1930:キーパッド、1940:公衆無線通信装置、1950:ICカードチップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、
前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、
前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、
前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、
前記交通機関の複数の停車場に設けられ、該停車場より前記車両に乗車する旅客により目的地を特定する情報が入力され、前記目的地付近の案内情報を記憶し、前記停車場にて前記車両から降車する旅客に対して前記目的地付近の案内情報を表示する案内表示部を備え、
該案内表示部が設けられた第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記目的地を特定する情報を入力した場合には、
前記案内表示部は前記検索サーバ部と前記車両情報管理サーバ部にアクセスし、
該アクセスを受けた前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、
該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記第1の停車場の前記案内表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して前記乗車する第1の停車場の案内表示部に記憶させ、
前記車両情報管理サーバ部が、前記旅客が乗車した車両が前記目的地付近の停車場に接近ないし到着したと判定した場合には、前記第1の停車場の案内表示部にアクセスして第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を前記第2の停車場の案内表示部へ転送させ、
前記第2の停車場の案内表示部は前記案内情報を表示する
ことを特徴とする旅客案内システム。
【請求項2】
交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、
前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、
前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、
前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、
旅客が所有する乗車券の機能を有するICカードと、
前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記ICカードと情報を通信して前記旅客の前記停車場への入退場を管理する第1のICカードリーダ/ライタを含む自動改札部と、
前記交通機関の複数の停車場に設けられ、該停車場より前記車両に乗車する旅客により目的地を特定する情報が入力され、前記停車場にて前記車両から降車する旅客に対して前記目的地付近の案内情報を表示し、前記ICカードと情報を通信する第2のICカードリーダ/ライタを含む案内表示部を備え、
該案内表示部が設けられた第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記目的地を特定する情報を入力した場合には、
前記案内表示部は前記検索サーバ部と前記車両情報管理サーバ部にアクセスし、
該アクセスを受けた前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、
該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記第1の停車場の前記案内表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して該案内情報の識別符号を付して管理し、該識別符号を前記案内表示部が含む第2のICカードリーダ/ライタを介して前記旅客が所有するICカードに記憶させ、
前記乗客が前記第2の停車場に到着し、該第2の停車場の自動改札部に設けられた前記第1のICカードリーダ/ライタが前記ICカードと通信し前記識別符号を読取った場合には、前記第1のICカードリーダ/ライタは前記検索サーバ部に前記識別符号を送信し、前記検索サーバ部はこれに応じて前記識別符号に基づき前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を前記第2の停車場の案内表示部に転送し、
前記第2の停車場の案内表示部は前記案内情報を表示する
ことを特徴とする旅客案内システム。
【請求項3】
請求項2に記載の旅客案内システムにおいて、前記識別符号は前記旅客が所有するICカードの識別符号であることを特徴とする旅客案内システム。
【請求項4】
交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、
前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、
前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、
前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、
旅客が所有する乗車券の機能を有するICカードチップを含む携帯端末と、
前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記携帯端末が含むICカードチップと情報を通信して前記旅客の前記停車場への入退場を管理するICカードリーダ/ライタを含む自動改札部と、
前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記停車場にて前記車両から降車する旅客に対して前記目的地付近の案内情報を表示する案内表示部を備え、
前記第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記携帯端末を用いて前記検索サーバ部と前記車両情報管理部にアクセスし、前記目的地を特定する情報を送信した場合には、
前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、
該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記携帯端末の表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して該案内情報の識別符号を付して管理し、該識別符号を前記携帯端末が含むICカードチップに記憶させ、
前記乗客が前記第2の停車場に到着し、該第2の停車場の自動改札部に設けられた前記ICカードリーダ/ライタが前記ICカードと通信し前記識別符号を読取った場合には、前記ICカードリーダ/ライタは前記検索サーバ部に前記識別符号を送信し、前記検索サーバ部はこれに応じて前記識別符号に基づき前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を前記第2の停車場の案内表示部に転送し、
前記第2の停車場の案内表示部は前記案内情報を表示する
ことを特徴とする旅客案内システム。
【請求項5】
請求項4に記載の旅客案内システムにおいて、前記識別符号は前記旅客が所有する携帯端末、ないしこれが含む前記ICカードチップの識別符号であることを特徴とする旅客案内システム。
【請求項6】
交通機関を利用する旅客に目的地付近の案内情報を提供する旅客案内システムであって、
前記交通機関の車両が停車する停車場を含む目的地周辺の前記案内情報を有する検索サーバ部と、
前記交通機関の運行ダイヤグラムを管理し前記交通機関の車両の現在位置をリアルタイムに把握する車両情報管理サーバ部と、
前記交通機関の車両に搭載され該車両の現在位置を検出し、検出した前記車両の現在位置を前記車両情報管理サーバ部へ通知する車両情報管理クライアント部と、
旅客が所有する乗車券の機能を有するICカードチップを含む携帯端末と、
前記交通機関の複数の停車場に設けられ、前記携帯端末が含むICカードチップと情報を通信して前記旅客の前記停車場への入退場を管理するICカードリーダ/ライタを含む自動改札部を備え、
前記第1の停車場から前記車両に乗車する旅客が前記携帯端末を用いて前記検索サーバ部と前記車両情報管理部にアクセスし、前記目的地を特定する情報を送信した場合には、
前記検索サーバ部は前記旅客の目的地付近にある第2の停車場を特定し、
該特定された第2の停車場に応じて、前記車両情報管理サーバ部は、前記運行ダイヤグラムに基づき前記旅客に対し乗車する車両を指示する情報を作成して前記携帯端末の表示部に表示させ、前記検索サーバ部は、前記第2の停車場を含む目的地周辺の案内情報を検索して前記携帯端末に転送し、
前記携帯端末の表示部は前記案内情報を表示する
ことを特徴とする旅客案内システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2011−31802(P2011−31802A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181509(P2009−181509)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】