説明

旋回方式散水銃装置

【課題】この発明は、消火水を駆動源として旋回用モータを省略し、コストの低減を図る旋回方式散水銃装置を得る。
【解決手段】旋回方式散水銃装置は、本管(図示せず)に接続され、管路方向を鉛直とする鉛直配管1と、鉛直配管1に鉛直軸周りに回動可能に接続された散水銃2と、散水銃2を鉛直軸周りに回動させる旋回機構部6と、を有する。旋回機構部6は、消火水の一部を駆動源とし、往復移動力を発生する動力発生機構部100と、動力発生機構部100により発生された往復移動力を縦配管3の管路方向と直交する軸周りの回動力に変換する動力変換機構部200と、動力変換機構部200により変換された回動力を縦配管3の管路方向周りの回動力に変換して縦配管3に伝達し、散水銃2を旋回させる動力伝達機構部300と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、散水ノズルを旋回させつつ消火水を散水する旋回方式散水銃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放水ユニットは、垂直配管と、垂直配管の開口先端に回動可能に接続されたL形配管と、L形配管の先端に接続された放水ノズルとを備えている。垂直配管は電動弁を介してスプリンクラー配管に連結されている。そして、ウォームがL形配管の垂直部の周りに同軸に固定され、ノズル旋回モータの軸に取り付けられたウォームホイールがウォームに歯合している。これにより、ノズル旋回モータが回転すると、L形配管およびその先端に接続された放水ノズルが水平回り(鉛直軸周り)に回動する。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−38645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の放水ユニットでは、放水ノズルの旋回駆動用としてノズル旋回モータを用いているので、ノズル旋回モータに加え、その電気配線が必要となると共に、その駆動制御手段が必要となり、コスト増をもたらしてしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、消火水を駆動源として旋回用モータを省略し、コストの低減を図る旋回方式散水銃装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による旋回方式散水銃装置は、管路方向を鉛直にして配設されて消火水が供給される鉛直配管と、上記鉛直配管の上部開口部に管路方向周りに回動可能に連結された縦配管および該縦配管の上部に連結された散水ノズルを有する散水銃と、上記消火水の一部を駆動源とし、往復移動力を発生する動力発生機構部と、上記動力発生機構部により発生された上記往復移動力を上記縦配管の管路方向と直交する軸周りの回動力に変換する動力変換機構部と、上記動力変換機構部により変換された回動力を上記縦配管の管路方向周りの回動力に変換して該縦配管に伝達し、上記散水銃を旋回させる動力伝達機構部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、動力発生機構部が、消火水の一部を駆動源として散水銃を旋回させるための動力を発生しているので、駆動モータなどの部品が不要となり、コストの低減が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の全体構成を説明する図、図2はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動力変換機構部の構成を説明する側面図、図3はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動力変換機構部における爪が第1位置に位置している状態を示す正面図、図4はこの発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動力変換機構部における爪が第2位置に位置している状態を示す正面図である。
【0009】
図1乃至図4において、旋回方式散水銃装置は、本管(図示せず)に接続され、管路方向を鉛直とする鉛直配管1と、鉛直配管1に鉛直軸周りに回動可能に接続された散水銃2と、散水銃2を鉛直軸周りに回動させる旋回機構部6と、を備えている。
【0010】
散水銃2は、縦配管3と、縦配管3の上部開口部に取り付けられた散水ノズル4と、を備えている。この散水銃2は、縦配管3の管路方向を鉛直配管1の管路方向に一致させて、縦配管3を鉛直配管1の上部開口部に管路方向周りに回動可能に接続されている。そして、縦配管3と鉛直配管1との間にはOリング5a、5bが介装され、消火水が漏れ出ないようになっている。また、給水配管7の一端が鉛直配管1に連結され、他端が後述するシリンダ室10の給水口12に連結されている。そして、パイロット弁8が給水配管7の経路中に配設されている。
【0011】
旋回機構部6は、消火水の一部を駆動源とし、往復移動力を発生する動力発生機構部100と、動力発生機構部100により発生された往復移動力を縦配管3の管路方向と直交する軸周りの回動力に変換する動力変換機構部200と、動力変換機構部200により変換された回動力を縦配管3の管路方向周りの回動力に変換して縦配管3に伝達し、散水銃2を旋回させる動力伝達機構部300と、を備えている。
【0012】
動力発生機構部100は、シリンダ室10と、シリンダ室10内に軸方向に変位可能に配設され、シリンダ室10内を軸方向に第1シリンダ室10aと第2シリンダ室10bとに画成する仕切り部材としてのダイアフラム11と、第1シリンダ室10a内に消火水を供給する給水口12と、第1シリンダ室10a内の消火水を排水する排水口13と、中央部をダイアフラム11に固着され、一端を第1シリンダ室10a内に位置させ、他端側を第2シリンダ室10bを挿通させてシリンダ室10から延出させるように取り付けられたロッド14と、ダイアフラム11を第1シリンダ室10a側に付勢するように第2シリンダ室10b内に配設された付勢手段としてのスプリング15と、駆動腕16a、駆動腕16aの一端からU字状に分岐した作動腕16bおよび各作動腕16bの先端に取り付けられた弁体17a,17bを有し、駆動腕16aの他端がロッド14の軸方向と直交する軸18周りに回動自在にロッド14の一端側に取り付けられ、作動腕16bの根元部が軸18と平行な軸19周りに回動可能に第1シリンダ室10a内に取り付けられたスイッチ弁16と、を備えている。
【0013】
ここで、ロッド14は、ダイアフラム11の軸方向の変位に連動してシリンダ室10の軸方向に往復移動する。これにより、シリンダ室10からのロッド14の延出部が伸縮する。以降、ロッド14がシリンダ室10から延出する方向を往方向とする。
スイッチ弁16は、ロッド14の往復移動により軸19周りに回動する。そして、ロッド14が復移動したときに、図1に示されるように、弁体17bが排水口13を閉止する排水閉止位置となる。また、ロッド14が往移動したときには、スイッチ弁16は、図1中軸19周りに時計方向に回動し、弁体17bが排水口13から離れ、弁体17aが給水口12を閉止する排水閉止位置となる。
【0014】
動力変換機構部200は、シリンダ室10の第2シリンダ室10bの外側に延設された一対の支持腕20と、軸心をロッド14の軸心と直角に交差するように一対の支持腕20に回転自在に支持されたシャフト21と、シャフト21のロッド14と交差する位置に同軸に固着された爪車22と、ロッド14の往移動時に爪車22と係合して爪車22をシャフト21周りに第1所定角度回動させる爪24と、シャフト21に外嵌状態に遊嵌された第1爪切り換えレバー25と、シャフト21に外嵌状態に遊嵌された第2爪切り換えレバー26と、第1爪切り換えレバー25と第2爪切り換えレバー26との間に配設された切り換えガイドスプリング27と、第2爪切り換えレバー26から延設された作動レバー28と、一対の切り換えレバー変換ピン29と、を備えている。
【0015】
ここで、爪24は、ロッド14のシリンダ室10からの延出端に軸23周りに回動可能に取り付けられ、図3に示される第1位置と図4に示される第2位置ととるように構成されている。
第1爪切り換えレバー25は三日月状に形成され、爪24をガイドするガイドピン25aが三日月状の両端部に立設されている。この第1爪切り換えレバー25は切り換えガイドスプリング27を介して第2爪切り換えレバー26と連結されている。そこで、第1爪切り換えレバー25と第2切り換えレバー26がシャフト21に遊嵌状態に取り付けられているので、切り換えガイドスプリング27の付勢力が、第1爪切り換えレバー25と第2切り換えレバー26とを、シャフト21周りに互いに逆向きに回動させるように作用する。これにより、第1爪切り換えレバー25は、第2爪切り換えレバー26の位置により、図3に示される第1位置の爪24をガイドする位置と、図4に示される第2位置の爪24をガイドする位置とをとる。
【0016】
各切り換えレバー変換ピン29は、散水銃2の縦配管3に外嵌状態に、かつ縦配管3周りに回動自在に取り付けられたリング体30の外壁面から径方向外側に延設されている。そして、各リング体30は、一対の切り換えレバー変換ピン29がシャフト21の軸心を含む鉛直面を挟んで等しい角度(第2所定角度)を有するように回転位置を調整されて、ネジなどにより縦配管3に固定されている。
なお、第1爪切り換えレバー25、第2爪切り換えレバー26、切り換えガイドスプリング27、作動レバー28、切り換えレバー変換ピン29およびリング体30が、爪位置切り換え手段に相当する。
【0017】
さらに、動力伝達機構部300は、散水銃2の縦配管3に外嵌状態に固着された第1かさ歯車31と、シャフト21の一端に同軸に固着され、第1かさ歯車31に歯合する第2かさ歯車32と、を備えている。
【0018】
つぎに、このように構成された旋回方式散水銃装置の動作について説明する。
まず、旋回機構部6が、ロッド14の軸心を縦配管3の管路方向に一致させ、シャフト21の軸心を縦配管3の管路方向に直交させ、さらにシャフト21の一端を縦配管3に向けて、配設される。そして、各リング体30は、一対の切り換えレバー変換ピン29がシャフト21の軸心を含む鉛直面を挟んで等しい角度(第2所定角度)を有するように回転位置を調整されて、ネジなどにより縦配管3に固定される。また、第1かさ歯車31と第2かさ歯車32とが歯合している。
【0019】
そして、消火水が第1シリンダ室10a内に供給されていない状態では、ダイアフラム11はスプリング15の付勢力により第1シリンダ室10a側に押圧される。そこで、ロッド14は図1中上方に押し上げられる。これにより、スイッチ弁16は、図1中軸19周りに反時計方向に回動し、弁体17bが排水口13を塞口する排水閉止位置をとる。
【0020】
ついで、パイロット弁8があけられていると、消火水が給水配管7を介して給水口12から第1シリンダ室10a内に供給される。第1シリンダ室10a内が消火水で満たされると、第1シリンダ室10a内の圧力がスプリング15の付勢力に打ち勝ち、ダイアフラム11が第2シリンダ室10b側に変位される。そこで、ロッド14は図1中下方に押し下げられる。これにより、スイッチ弁16は、図1中軸19周りに時計方向に回動し、弁体17aが給水口12を塞口する給水閉止位置をとる。ついで、排水口13が開放され、第1シリンダ室10a内の消火水がダイアフラム11を押圧するスプリング15の付勢力により排水口13から排水され、ダイアフラム11が第1シリンダ室10a側に変位される。これにより、スイッチ弁16は、図1中軸19周りに反時計方向に回動し、弁体17bが排水口13を塞口する排水閉止位置をとる。
【0021】
このように、動力発生機構部100は、上述の動作を繰り返し、スイッチ弁16が給水閉止位置と排水閉止位置とを交互にとるように軸19周りに回動し、ロッド14が往復移動される。つまり、動力発生機構部100は、消火水の一部を動力源として、往復移動力を発生する。そして、パイロット弁8の開度を調整することで、ロッド14の往復移動速度が調整される。
【0022】
そして、爪24が図3に示される第1位置に位置しているとする。そこで、爪24は、ロッド14の下方への移動時に、第1爪切り換えレバー25に立設されたガイドピン25aにガイドされつつ下方に移動する。これにより、爪24の先端が爪車22の歯に接触し、爪車22が図3中シャフト21周りに反時計方向(一側)に第1所定角度だけ回動する。ついで、ロッド14が上方に移動すると、爪24も連動して上方に移動する。この時、爪24の先端はガイドピン25aに拘束されていないので、爪車22は逆回転しない。このようにして、爪車22は、ロッド14の往移動時にのみ、シャフト21周りに反時計方向に第1所定角度ずつ回動する。
【0023】
そして、シャフト21がロッド14の往復移動毎に、第1所定角度ずつ回動する。このシャフト21の回動力が第2かさ歯車32および第1かさ歯車31を介して縦配管3の管路方向周りの回動力に変換されて縦配管3に伝達され、縦配管3が鉛直配管1の管路方向周りの一側に回動する。そして、縦配管3が初期位置(旋回中心)から一側に第2所定角度だけ回動すると、切り換えレバー変換ピン29が作動レバー28を押圧する。これにより、作動レバー28が、シャフト21周りに図3中時計方向に回動する。そして、作動レバー28が図4に示される位置まで回動すると、切り換えガイドスプリング27の付勢力が第1爪切り換えレバー25をシャフト21周りに反時計方向に回動させるように作用する。そこで、第1爪切り換えレバー25がシャフト21周りに反時計方向に、図4に示される位置まで回動する。
【0024】
ついで、ロッド14が下方に移動すると、爪24は第1爪切り換えレバー25に立設されたガイドピン25aにガイドされつつ下方に移動する。これにより、爪24は軸23周りに図3中時計周りに回動し、第1位置から図4に示される第2位置に切り換えられる。そこで、爪24の先端が爪車22の歯に接触し、爪車22が図4中シャフト21周りに時計方向(他側)に第1所定角度だけ回動する。ついで、ロッド14が上方に移動すると、爪24も連動して上方に移動する。この時、爪24の先端はガイドピン25aに拘束されていないので、爪車22は逆回転しない。このようにして、爪車22は、ロッド14の往移動時にのみ、シャフト21周りに時計方向に第1所定角度ずつ回動する。
【0025】
そして、シャフト21がロッド14の往復移動毎に、第1所定角度ずつ回動する。このシャフト21の回動力が第2かさ歯車32および第1かさ歯車31を介して縦配管3の管路方向周りの回動力に変換されて縦配管3に伝達され、縦配管3が鉛直配管1の管路方向周りの他側に回動する。そして、縦配管3が初期位置(旋回中心)から他側に第2所定角度だけ回動すると、切り換えレバー変換ピン29が作動レバー28を押圧する。これにより、作動レバー28が、シャフト21周りに図4中反時計方向に回動する。これにより、爪24が同様にして図3に示される第1位置に復帰する。
【0026】
このように、動力変換機構部200および動力伝達機構部300は、上述の動作を繰り返し、縦配管3は所定の角度範囲で鉛直配管1の管路方向周りに回動、即ち旋回する。これにより、消火水が散水ノズル4から所定の角度範囲内に散水される。なお、リング体30の回転位置を調整することで、散水銃2の旋回角度が調整される。
【0027】
このように、この旋回方式散水銃装置では、旋回機構部6の駆動源として消火水の一部を用いているので、旋回モータ等の機器が不要となり、コストを低減することができる。
また、動力発生機構部100が、スイッチ弁16をロッド14の往復移動に連動して軸19周りに回動させて、給水閉止位置と排水閉止位置とを交互にとるように構成しているので、ロッド14の往復移動距離を小さくすることができ、装置の小型化が図られる。
また、動力変換機構部200が、爪車22と爪24とを用いているので、ロッド14の微小な往復移動距離でも、ロッド14の往復移動力をシャフト21周りの回動力に確実に変換できる。
【0028】
また、第1かさ歯車31を縦配管3に外嵌状態に取り付け、第1かさ歯車31と歯合する第2かさ歯車32をシャフト21の端部に取り付けているので、シャフト21周りの回動力を縦配管3の管路方向周りの回動力に変換する機構を簡易な構成で実現できる。
また、リング体30が縦配管3に対して回転角度を調整可能に取り付けられているので、散水銃2の旋回角度を簡易に調整できる。
また、パイロット弁8が給水配管7の経路途中に配設されているので、パイロット弁8の開度を調整することで、散水銃2の旋回速度を簡易に調整できる。
【0029】
なお、上記実施の形態では、仕切り部材としてダイアフラム11を用いるものとして説明しているが、仕切り部材はこれに限定されるものではなく、第1シリンダ室10aと第2シリンダ室10bとの差圧により変位するものであればよく、例えばピストンでもよい。
また、上記実施の形態では、ロッド14を第2シリンダ室10bから延出するように配設し、消火水を第1シリンダ室10aに給水したときに、ロッド14が往移動するものとして説明しているが、ロッド14を第1シリンダ室10aから延出するように配設し、消火水を第1シリンダ室10aに給水したときに、ロッド14が復移動するように構成してもよい。この場合、図1中、シリンダ室10を逆向きに配置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の全体構成を説明する図である。
【図2】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動力変換機構部の構成を説明する側面図である。
【図3】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動力変換機構部における爪が第1位置に位置している状態を示す正面図である。
【図4】この発明の一実施の形態に係る旋回方式散水銃装置の動力変換機構部における爪が第2位置に位置している状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 鉛直配管、2 散水銃、3 縦配管、4 散水ノズル、10 シリンダ室、10a 第1シリンダ室、10b 第2シリンダ室、11 ダイアフラム(仕切り部材)、12 給水口、13 排水口、14 ロッド、15 スプリング(付勢手段)、16 スイッチ弁、21 シャフト、22 爪車、24 爪、25 第1爪切り換えレバー(爪位置切り換え手段)、26 第2爪切り換えレバー(爪位置切り換え手段)、27 切り換えガイドスプリング(爪位置切り換え手段)、28 作動レバー(爪位置切り換え手段)、29 切り換えレバー変換ピン(爪位置切り換え手段)、30 リング体(爪位置切り換え手段)、31 第1かさ歯車、32 第2かさ歯車、100 動力発生機構部、200 動力変換機構部、300 動力伝達機構部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路方向を鉛直にして配設されて消火水が供給される鉛直配管と、
上記鉛直配管の上部開口部に管路方向周りに回動可能に連結された縦配管および該縦配管の上部に連結された散水ノズルを有する散水銃と、
上記消火水の一部を駆動源とし、往復移動力を発生する動力発生機構部と、
上記動力発生機構部により発生された上記往復移動力を上記縦配管の管路方向と直交する軸周りの回動力に変換する動力変換機構部と、
上記動力変換機構部により変換された回動力を上記縦配管の管路方向周りの回動力に変換して該縦配管に伝達し、上記散水銃を旋回させる動力伝達機構部と、
を備えることを特徴とする旋回方式散水銃装置。
【請求項2】
上記動力発生機構部は、
シリンダ室と、
上記シリンダ内に軸方向に変位可能に配設されて、該シリンダ室内を軸方向に第1シリンダ室と第2シリンダ室とに画成する仕切り部材と、
上記シリンダ室に設けられて上記第1シリンダ室に上記消火水を供給する給水口と、
上記シリンダ室に設けられて上記消火水を上記第1シリンダ室から排水する排水口と、
上記仕切り部材に固着され、かつ、その一端側が上記シリンダ室から延出され、該仕切り部材の変位に連動して該シリンダ室の軸方向に往復移動可能に配設されたロッドと、
上記第2シリンダ室内に配設されて上記仕切り部材を第1シリンダ室側に付勢する付勢手段と、
上記第1シリンダ室内に上記給水口を閉止する給水閉止位置と上記排水口を閉止する排水閉止位置とをとるように配設され、上記ロッドの往復移動に連動して該給水閉止位置と該排水閉止位置とを切り換えるスイッチ弁と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の旋回方式散水銃装置。
【請求項3】
上記動力変換機構部は、
上記縦配管の管路方向と直交するシャフトに固着された爪車と、
上記ロッドの上記シリンダ室からの延出部に第1位置と第2位置とをとるように取り付けられ、該ロッドの往移動時に上記爪車と係合して、該第1位置に位置しているときには、上記爪車を上記シャフト周りの一側に第1所定角度回動させ、該第2位置に位置しているときには、上記爪車を上記シャフト周りの他側に上記第1所定角度回動させるように構成された爪と、
上記縦配管が管路方向周りの一側に第2所定角度回動したときに、上記爪を上記第1位置から上記第2位置に切り換え、上記縦配管が管路方向周りの他側に上記第2所定角度回動したときに、上記爪を上記第2位置から上記第1位置に切り換える爪位置切り換え手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の旋回方式散水銃装置。
【請求項4】
上記動力伝達機構部は、
上記縦配管に外嵌状態に取り付けられた第1かさ歯車と、
上記シャフトの端部に固着されて、上記第1かさ歯車に歯合する第2かさ歯車と、
から構成されていることを特徴とする請求項3記載の旋回方式散水銃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−260249(P2007−260249A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91608(P2006−91608)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】