説明

既設杭の撤去装置および既設杭の撤去工法

【課題】 耐久性に優れているとともに、既設杭の撤去時に既設杭撤去用重機に連結されるケーシングの長さ制限を解消することで、既設杭の撤去作業性を向上させることができる既設杭の撤去装置を提供する。
【解決手段】 既設杭撤去用ケーシング3にチャック爪5を回動自在に取付るとともに、チャック爪5が出入りする透孔10を設け、チャック爪駆動装置によりチャック爪5を駆動して既設杭25の端部をチャッキングし、この状態で既設杭撤去用重機のトップシーブ装置でチャック爪駆動装置およびケーシング3を引上げる際に、チャック爪5で持ち上げられる既設杭25の荷重によって、チャック爪5の上下の2つの位置P1,P2が透孔10の上下2つの内面P3.P4に当接するように構成する。また、前記トップシーブ装置には、ケーシング3の貫通を許容する上下方向の貫通部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設杭の撤去装置および既設杭の撤去工法に係り、さらに詳しくは、ケーシングの先端近傍に透孔を設け、この透孔から当該ケーシングの内部に向けてチャック爪を突出させて既設杭をチャッキングし、この状態で既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置を吊上げ、この吊上げに同期してケーシングを上昇させることで既設杭を持ち上げて地中から撤去する既設杭の撤去装置および既設杭の撤去工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本発明出願人によって既設杭の引抜装置が既に提供されている(特許文献1)。
【0003】
この既設杭の引抜装置は、既設杭の最大外径よりも大きい内径をもつ円筒状のケーシングを既設杭撤去用重機に保持し、このケーシングの下部に、油圧シリンダーで駆動されてケーシング内に突出するチャック爪を取付けた既設杭の引抜装置において、油圧シリンダーをケーシングの上部に取付け、当該油圧シリンダーのロッド端部とチャック爪とを連結ロッドで連結し、チャック爪には円弧状のカム溝を設け、このカム溝をケーシングの下部に固定した軸に挿通してある。そして、油圧シリンダーの縮小動作で連結ロッドを上昇させることによりチャック爪をケーシング外に略垂直姿勢で退出させ、油圧シリンダーの伸長動作で連結ロッドを下降させることによりチャック爪をケーシング内に略水平姿勢に突出するように構成したことを特徴としたものである。
【0004】
前記構成の既設杭の引抜装置によれば、油圧シリンダーがケーシングの上部に取付けられているので、既設杭に対してケーシングを打込み後チャック爪をケーシング内に向けて突出させる時に油圧シリンダーの伸長状態を地上で確認することができ、この確認によりチャック爪が既設杭の下方に完全に突出したか否かを知ることができる優れた効果を奏する。また、チャック爪を既設杭の下方に完全に突出させてケーシングを上昇させることによって、既設杭を容易に撤去することができる優れた効果をも併有している。
【特許文献1】特許第3052135号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載の既設杭の引抜装置では、ケーシングに支持した軸をチャック爪のカム溝に挿通し、連結ロッドによりチャック爪の力点を操作することによってチャック爪をケーシング内に略水平姿勢で突出させている。したがって、チャック爪に負荷される既設杭とケーシング駆動装置の荷重は、前記軸およびチャック爪と連結ロッドとの連結点に集中することになり、これらの耐久性の点で若干の問題を有している。
【0006】
また、従来の既設杭の引抜装置では、トップシーブ装置がケーシング設置位置を跨いで配置されているので、既設杭撤去用重機に連結されるケーシングの長さが制限される。このため、撤去作業が煩雑になる問題点もある。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するものであって、その目的とするところは、耐久性に優れているとともに、既設杭の撤去時に既設杭撤去用重機に連結されるケーシングの長さ制限を解消することで、既設杭の撤去作業性を向上させることができる既設杭の撤去装置および既設杭の撤去工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る既設杭の撤去装置は、チャック爪が回動自在に取付けられ、かつ、このチャック爪が出入りする透孔を下端近傍に設けた既設杭撤去用ケーシングと、この既設杭撤去用ケーシングを着脱および回転駆動するケーシング駆動装置と、このケーシング駆動装置を取付けて昇降させるとともに、当該ケーシング駆動装置を介して前記既設杭撤去用ケーシングを垂直姿勢または略垂直姿勢で保持する既設杭撤去用重機と、前記チャック爪を回動させて当該チャック爪を前記透孔から前記ケーシングの内部に出退させるチャック爪駆動装置とを備え、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置および該ケーシング駆動装置を介して既設杭撤去用ケーシングを吊上げる際に、前記チャック爪駆動装置により駆動されたチャック爪で既設杭の端部をチャッキングして持ち上げて地中から撤去する既設杭の撤去装置において、前記チャック爪に前記既設杭の荷重が負荷された時に、当該チャック爪の上下の2つの位置が前記透孔の上下2つの内面に当接するように構成されてるとともに、チャツク爪をチャック爪駆動装置に対して着脱可能に組み付けていることを特徴とするものである。
【0009】
このように、チャック爪に既設杭とケーシング駆動装置の両者の荷重が負荷された時には、チャック爪の上下の2つの位置が透孔の上下2つの内面に当接するので、前記両者の荷重を当該チャック爪の上下の2つの位置を介して透孔の上下2つの内面に分散できる。このため、前記荷重がチャック爪駆動装置側のみに集中して負荷されるのを回避してチャック爪駆動装置の耐久性を向上させることができる。
【0010】
しかも、チャツク爪はチャック爪駆動装置に対して着脱可能に組みつけてあることから、チャック爪が磨耗した際などには、容易にチャック爪を交換することができ、作業性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明に係る既設杭の撤去装置においては、前記チャック爪は、回動方向に湾曲していることが好ましい。これによると、チャック爪駆動装置によりチャック爪を回動させる場合、当該チャック爪を前記透孔に対してスムーズに出し入れして、作動の円滑を確保することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る既設杭の撤去装置においては、前記チャック爪は、既設杭分断用
の刃部を備えていることが好ましい。これによると、既設杭が大径で単位長さ当たりの重
量が重い場合には、既設杭分断用の刃部によって既設杭を分断しながら撤去することがで
きるので、既設杭撤去用重機にかかる重量負担を軽減することができる。
【0013】
また、本発明に係る既設杭の撤去装置においては、前記ケーシング駆動装置を昇降させるために前記既設杭撤去用重機に設けたトップシーブ装置には、前記既設杭撤去用ケーシングの貫通を許容する上下方向の貫通部を形成してある。これによると、上下方向の貫通部によって既設杭撤去用ケーシングの貫通が許容されることにより、従来よりも長尺のケーシングをトップシーブ装置に邪魔されることなくケーシング駆動装置によって着脱および回転駆動することができるとともに、トップシーブ装置によって引上げることができるので、ケーシングの長さ制限が解消されて工期を短縮することができる。
【0014】
一方、前記目的を達成するために、本発明に係る既設杭の撤去工法は、既設杭の近傍に既設杭撤去用重機を据付け、当該既設杭撤去用重機に昇降自在に装着されているケーシング駆動装置に既設杭撤去用ケーシングを着脱および回転駆動可能に取付けて前記既設杭の上位に対応させ、前記ケーシング駆動装置によって既設杭撤去用ケーシングを回転させて当該既設杭撤去用ケーシングで既設杭を包囲しながら当該既設杭周囲の土壌を削孔して掘下げ、所定深さまで掘下げた時点でチャック爪駆動装置によりチャック爪を駆動して、当該チャック爪を既設杭撤去用ケーシングの下端近傍に設けた透孔から当該既設杭撤去用ケーシングの内部に突出させて既設杭の地中端部をチャッキングし、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げて既設杭を撤去する既設杭の撤去工法において、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げる際に、前記チャック爪の上下の2つの位置を前記透孔の上下2つの内面に当接させることで、当該チャック爪の保持部に負荷される既設杭の荷重を前記チャック爪の上下の2つの位置に分散させるようにするとともに、チャック爪をチャック爪駆動装置に対して交換可能に支持させてあることを特徴とするものである。
【0015】
このように、チャック爪のチャッキング部に既設杭とケーシング駆動装置の両者の荷重が負荷された時に、チャック爪の上下の2つの位置が透孔の上下2つの内面に当接することにより、前記両者の荷重を当該チャック爪の上下の2つの位置を介して透孔の上下2つの内面に分散できるので、前記荷重がチャック爪駆動装置側のみに集中して負荷されるのを回避してチャック爪駆動装置の耐久性を向上させることができる。
【0016】
しかも、チャック爪がチャック爪駆動装置に対して交換可能に支持されてるので、チャック爪が磨耗した際などには、容易にチャック爪を交換することができ、容易に最適の作業条件を得ることができることになり、作業性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明に係る既設杭の撤去工法においては、既設杭撤去用ケーシングにより既設
杭周囲の土壌を既設杭の最深部より下方まで削孔して掘下げ、ここでチャック爪駆動装置
によりチャック爪を駆動して、既設杭の地中最下端部をチャッキングして当該既設杭を一
度に撤去することによって、工期を短縮することができる。
【0018】
さらに、本発明に係る既設杭の撤去工法においては、単位長さ当たりの重量が重い高重
量の既設杭(口径の大きい既設杭)を撤去する際には、既設杭撤去用ケーシングにより既
設杭周囲の土壌を既設杭の途中まで削孔して掘下げ、ここでチャック爪駆動装置により既
設杭分断用の刃部を備えているチャック爪を駆動して既設杭を分断し、該分断箇所より上
位の既設杭の下端部をチャッキングして当該既設杭を撤去する作業を反復すればよい。こ
れによると、既設杭撤去用重機にかかる重量負担を軽減しながら高重量の既設杭を撤去す
ることができる。
【0019】
他方、前記目的を達成するために、本発明に係る既設杭の撤去工法は、既設杭の近傍に既設杭撤去用重機を据付け、当該既設杭撤去用重機に昇降自在に装着されているケーシング駆動装置に既設杭撤去用ケーシングを着脱および回転駆動可能に取付けて前記既設杭の上位に対応させ、前記ケーシング駆動装置によって既設杭撤去用ケーシングを回転させて当該既設杭撤去用ケーシングで既設杭を包囲しながら当該既設杭周囲の土壌を削孔して掘下げ、所定深さまで掘下げた時点でチャック爪駆動装置によりチャック爪を駆動して、当該チャック爪を既設杭撤去用ケーシングの下端近傍に設けた透孔から当該既設杭撤去用ケーシングの内部に突出させて既設杭の地中端部をチャッキングし、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げて既設杭を撤去する既設杭の撤去工法において、前記既設杭撤去用ケーシングを前記ケーシング駆動装置に着脱および回転駆動可能に取付ける工程と、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げる工程との少なくともいずれか一方の工程において、前記既設杭撤去用重機に設けた前記ケーシング駆動装置を昇降させるトップシーブ装置に形成されている上下方向の貫通部に前記既設杭撤去用ケーシングを貫通させることを特徴とするものである。
【0020】
このように、上下方向の貫通部に既設杭撤去用ケーシングを貫通させることにより、従来よりも長尺のケーシングをトップシーブ装置に邪魔されることなくケーシング駆動装置によって着脱および回転駆動することができるとともに、トップシーブ装置によって引上げることができるので、ケーシングの長さ制限が解消されて工期を短縮することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、チャック爪に負荷される既設杭とケーシング駆動装置の両者の荷重をチャック爪の上下の2つの位置を介して透孔の上下2つの内面に分散できるので、前記荷重がチャック爪駆動装置側のみに集中して負荷されるのを回避して、チャック爪駆動装置の耐久性を向上させることができるうえ、チャック爪を容易に最適の状態に保持することができ、作業性を向上させることができる。
また、既設杭の撤去時に既設杭撤去用重機に連結されるケーシングの長さ制限が解消されることによって、工期を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る既設杭の撤去装置の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。 図1は、本発明に係る既設杭の撤去装置の一実施形態を示す全体側面図である。この図において、既設杭の撤去装置1は、既設杭撤去用重機2と、既設杭撤去用ケーシング3と、ケーシング駆動装置4と、左右一対のチャック爪5,5と、これらチャック爪5,5に各別に対応する左右一対のチャック爪駆動装置6,6と、スイベルジョイント7と、トップシーブ装置8とを備えている。
【0023】
既設杭撤去用重機2はクローラクレーンによって構成され、ケーシング駆動装置4を昇降させるとともに、当該ケーシング駆動装置4を介して既設杭撤去用ケーシング3を垂直姿勢または略垂直姿勢で保持する機能を有している。そして、前側にはリーダマスト2aが縦軸線の角度調整を可能に取付けられている。
【0024】
既設杭撤去用ケーシング3は、既設杭25を包囲しながら当該既設杭25周囲の土壌を削孔して掘下げる機能を有し、既設杭25の外径よりも大きい内径を持つ鋼管からなる円筒状のもので、所定長さの一連の構造あるいは連結部3aによって複数のケーシング単体を上下に継ぎ足しおよび分解可能に連結した分割構造に構成されており、既設杭の長さ(埋設深さ)に応じて一連の構造または分割構造の既設杭撤去用ケーシング3を適宜選択して使用する。そして、その上端部にはスイベルジョイント7が設けられ、下端部には図2および図3に示すように、既設杭周囲の土壌を削孔して掘下げるための複数の小掘削刃9aと、複数の大掘削刃9bとからなる掘削部9が設けられており、この掘削部9の上側近傍には、ケーシング3の周壁を円周方向等間隔で貫通させた一対の透孔10,10が設けられ、これら透孔10,10に左右一対のチャック爪5,5が出入りするように構成してある。なお、図3において28は流体圧送チューブを示し、空気、水、セメントとベントナイトとの混合物などの流体を注入するためのもので、ケーシング3の下端近傍の領域においては図示例のようにケーシング3の内部に配置され、それより上側ではケーシング3の外部に配設されてスイベルジョイント7に接続されている。
【0025】
前記透孔10,10は、具体的には図4に示すように設けられる。即ち、既設杭撤去用ケーシング3の下端部近傍の周壁を円周方向等間隔で貫通して一対の貫通孔11,11を設け(ただし、図4には一つの貫通孔11のみを示している)、これら貫通孔11,11を支持板12で塞ぎ、この支持板12に透孔10を設けた構造になっている。
【0026】
図1において、ケーシング駆動装置4は、既設杭撤去用ケーシング3を着脱および回転駆動するためのもので、原動機4aを立設した環状の非回転部4Aと、この非回転部4Aの下側に縦軸Cまわりの回転を自在に連結されて原動機4aによって回転する環状の回転部4Bとを備え、非回転部4Aがスライダー13を介してリーダマスト2aのレール2bに昇降自在に取付けられており、非回転部4Aと回転部4Bの上下で連通する中空部に既設杭撤去用ケーシング3を挿通保持することによって、ケーシング駆動装置4を介して既設杭撤去用重機2により既設杭撤去用ケーシング3が垂直姿勢または略垂直姿勢で保持される。
【0027】
また、回転部4Bには複数のチャック4bが円周方向等間隔で設けられ、これらチャック4bにより既設杭撤去用ケーシング3をチャッキングした場合には、ケーシング駆動装置4の原動機4aによって既設杭撤去用ケーシング3を縦軸Cまわりの正逆方向に回転駆動することができるとともに、ケーシング駆動装置4の昇降に応じて既設杭撤去用ケーシング3を昇降させることができ、前記複数のチャック4bによる既設杭撤去用ケーシング3のチャッキングを解除した場合には、ケーシング駆動装置4のみの昇降を許容できるように構成してある。
【0028】
左右一対のチャック爪5,5は鋼材によって構成され、図4および図5に示すように自由端部側に前向きの湾曲部5Aを設けてその先端に抜止め板5aを取付け、基端部に設けた貫通孔5bにボルトで構成した軸14が挿通され、この軸14が第1連結体15の自由端部側に形成された上向き円弧状の長孔15aに摺動自在に挿通されており、第1連結体15の基端部はボルトで構成した軸17を介して第2連結体18の下端部に回動自在に連結され、第2連結体18の上端部は連結板19を介してチャック爪駆動装置6(図1参照)の出力ロッド6aの先端部に連結されている。なお、図4(a)で明らかなように、円弧状の長孔15aの曲率中心は軸17の軸心に設定してある。
【0029】
一方、左右一対のチャック爪5,5は、抜止め板5aを除去した状態で自由端部側を既設杭撤去用ケーシング3の外側から支持板12の透孔10に挿通してケーシング3の内側に突出させ、この突出端部に抜止め板5aを取付けることによって、図4(a)のように透孔10からチャック爪5,5が抜け出るのを防止した状態でケーシング3にセットされる。当然、チャック爪5を透孔10からケーシング3の内部に出退させる動作の正確を期するために、チャック爪5と透孔10との幅方向のクリアランスを適正な値に設定してある。
【0030】
図1に示す左右一対のチャック爪駆動装置6,6は、チャック爪5,5を作動(図4の軸14回りに回動)させて、当該チャック爪5,5を透孔10からケーシング3の内部に出退させるもので、ケーシング3における上端部近傍の内面に取付けられた油圧シリンダー6Aと、この油圧シリンダー6Aのピストンロッド6Bの先端部と前記出力ロッド6aの上端部を互いに連結する連結部材6Cとを備えている。
【0031】
図1のスイベルジョイント7は、既設杭撤去用ケーシング3側に配設されるパイプ、ホース、チューブ類のなどねじれや絡みおよび流体の漏れを防止した状態で、油、空気、水、セメントとベントナイトとの混合物などの流体を一次側(固定側)から二次側(回転側)に供給するためのもので、ケーシング3に配設される二次側(回転側)の圧油循環高圧ホース(図示省略)は油圧シリンダー6Aに接続され、また、ケーシング3には二次側(回転側)の流体通路として前記流体圧送チューブ28が配設される。
【0032】
図1に示すトップシーブ装置8は、ケーシング駆動装置4を昇降させるためのもので、既設杭撤去用重機2におけるリーダマスト2aの頂部に水平に取付けられている。また、図6および図7でも明らかなように、本体部8Aと、この本体部8Aの先端において二股に分岐されて延在する分岐部8B,8Cとを備えた投影平面形状が略Y字状のもので、本体部8Aおよび分岐部8B,8Cの上面に設置される複数個のシーブ群20と、ケーシング駆動装置4における非回転部4Aに設置されている左右一対の下シーブ21間に掛け渡されるワイヤーロープ22とを備えている。なお、図1および図6においては、図示の便宜上一つの下シーブ21のみを示している。また、分岐部8B,8Cの間に振止リング23を装着して、その内周部で既設杭撤去用ケーシング3の貫通を許容する上下方向の貫通部24を形成している。
【0033】
前記シーブ群20は、本体部8Aの上面に設置される第1縦シーブ20A、第1横シーブ20B、第2横シーブ20Cと、一方の分岐部8B側に設置される第1縦シーブ20D、第2縦シーブ20E、第3縦シーブ20Fと、他方の分岐部8C側に設置される第1縦シーブ20G、第2縦シーブ20Hとからなり、既設杭撤去用重機2に搭載されているワイヤーロープ巻取り・繰出し装置(図示省略)からのびるワイヤーロープ21は、本体部8A上の第1縦シーブ20A→第1横シーブ20B→一方の分岐部8B側の第1縦シーブ20D→一方の下シーブ21→一方の分岐部8B側の第2縦シーブ20E→一方の分岐部8B側の第3縦シーブ20F→第2横シーブ20C→他方の分岐部8C側の第1縦シーブ20G→一方の下シーブ21(図示省略)→他方の分岐部8C側の第2縦シーブ20Hの順で掛け渡される。
【0034】
つぎに、前記構成の既設杭の撤去装置1による既設杭の撤去工法の一実施形態を説明する。なお、本実施形態では、所定長さを有する一連で長尺構造の既設杭撤去用ケーシング3を使用するものとする。
【0035】
まず、図1のように、既設杭25の近傍に既設杭撤去用重機2を据付け、当該既設杭撤
去用重機2に昇降自在に装着されているケーシング駆動装置4に既設杭撤去用ケーシング
3を着脱および回転駆動可能に取付けて、このケーシング3を既設杭25の上位に同心状
に対応させる。この工程に先立って、予め、二点鎖線で示すように既設杭25の頭出しが
なされる。
【0036】
つぎに、ケーシング駆動装置4によって既設杭撤去用ケーシング3を回転させる。この場合、トップシーブ装置8のワイヤーロープ22を少し緩めておくことで、既設杭撤去用ケーシング3にケーシング駆動装置4の重量が加わることになる。したがって、ケーシング3は図8(a)に示すように、既設杭25を包囲しながら掘削部9における掘削刃9aと大掘削刃9b(図3参照)とによって、既設杭25周囲の土壌を削孔して掘下げる。
【0037】
掘削が進むにつれてケーシング3と既設杭25間の摩擦抵抗が大きくなると、チャック爪駆動装置6,6を少し作動させて、図8(b)のようにチャック爪5,5の先端抜止め板5aが既設杭25に接近する位置まで内向きに回動させて、ケーシング3の回転を維持したままでトップシーブ装置8の作動によりケーシング駆動装置4を介してケーシング3を上下動させる。これにより、既設杭25周面の摩擦抵抗を消滅させて、既設杭25の撤去に好適なフリーな状態を得ることができる。
【0038】
さらに掘削を進めることでチャック爪5,5が既設杭25の底部(地中最下端部)25aより少し下側まで降下すると、チャック爪駆動装置6,6をさらに作動させて、図8(c)のようにチャック爪5,5を既設杭25の底部(地中最下端部)25aの下側に突出させる。この状態でトップシーブ装置8の作動によりケーシング駆動装置4を介してケーシング3を引上げると、図8(d)、図9のようにチャック爪5,5によって既設杭25の地中端部25aがチャッキングされて図10(a)の状態になり、図10(b)、図10(c)、図10(d)の順序でケーシング駆動装置4とともに既設杭撤去用ケーシング3を吊上げて既設杭25を地中から撤去することができる。なお、図10(b),図10(c)において、27は既設杭25が撤去された空洞部に注入されたセメントとベントナイトとの混合物(セメントミルク)であり、図3に示す流体圧送チューブ28から供給される。
【0039】
図8(d)および図9のように、チャック爪5,5によって既設杭25の地中端部25aがチャッキングされて、チャック爪5,5に既設杭25とケーシング駆動装置4の両者の荷重が負荷されると、図9に示すように、各チャック爪5の上下の2つの位置P1,P2が透孔10の上下2つの内面P3,P4に当接する。このため、前記両者25、4の荷重をチャック爪5,5の上下の2つの位置P1,P2を介して透孔10の上下2つの内面P3,P4に分散できる。したがって、両者25、4の荷重がチャック爪駆動装置6,6側、つまり、軸14、17や出力ロッド6aのみに集中して負荷されるのを回避してチャック爪駆動装置6,6の耐久性を向上させることができる。
【0040】
前記実施形態のように、既設杭撤去用ケーシング3により既設杭25周囲の土壌を既設
杭25の地中最下端部25aより下方まで削孔して掘下げ、ここでチャック爪駆動装置6,6によりチャック爪5,5を駆動して、既設杭25の地中最下端部25aをチャッキングして当該既設杭25を一度に撤去する工法は、単位長さ当たりの重量が基準値以下の軽量の既設杭25の撤去に適しており、このような既設杭25であれば、これを一度に撤去することで工期を短縮できる。しかし、単位長さ当たりの重量が重い高重量の既設杭(口径の大きい既設杭)25を一度に撤去撤去しようとすると、既設杭撤去用重機2およびトップシーブ装置8などに大きい重量負担がかかるので好ましくない。したがって、つぎに、単位長さ当たりの重量が重い高重量の既設杭25を撤去する工法の実施形態について説明する。
【0041】
この実施形態は、図11に示すように、既設杭分断用の刃部26を備えたチャック爪5が使用される。つまり、図12(a)のように、既設杭分断用の刃部26を備えたチャック爪5,5を取付けたケーシング3で既設杭25を包囲しながら、掘削部9における掘削刃9aと大掘削刃9b(図3参照)とによって、既設杭25周囲の土壌を削孔して掘下げる。既設杭25の途中(たとえば、既設杭25埋設深さの1/3または1/2)まで掘削されると、チャック爪駆動装置6,6を作動して、図12(b)のようにチャック爪5,5をケーシング3の内部に突出させる。これにより既設杭分断用の刃部26は既設杭25の外周域に位置している鉄筋29を切断する。鉄筋29の切断後はチャック爪5,5の楔作用によって、図12(c)のように既設杭25が完全に分断(切断)される。ここで分断箇所より上位の既設杭25の下端部25bをチャック爪5,5でチャッキングして、トップシーブ装置8の作動によりケーシング駆動装置4を介してケーシング3を引上げると、前記分断箇所より上位の既設杭25を地中から撤去することができる。このような工程を反復することで既設杭撤去用重機2にかかる重量負担を軽減しながら高重量の既設杭25を撤去することができる。
【0042】
また、チャック爪5,5は、図2、図4(a)、図5(c)、図9、図11(c)などで明らかなように、軸14を回動中心とした回動方向に湾曲していることが好ましい。このように構成することで、チャック爪駆動装置6,6によりチャック爪5,5を回動させる場合、当該チャック爪5,5をケーシング3側の透孔10に対してスムーズに出し入れできるので、作動の円滑を確保することができる。
【0043】
さらに、本発明に係る既設杭の撤去装置1においては、図6および図7に示すように、ケーシング駆動装置4を昇降させるために既設杭撤去用重機2に設けたトップシーブ装置8には、既設杭撤去用ケーシング3の貫通を許容する上下方向の貫通部24を形成してあるので、当該貫通部24によって既設杭撤去用ケーシング3の貫通が許容されることにより、従来よりも長尺のケーシング3をトップシーブ装置8に邪魔されることなくケーシング駆動装置4によって着脱および回転駆動することができるとともに、トップシーブ装置4によって引上げることができるので、ケーシング3の長さ制限が解消されて工期を短縮することができる。
【0044】
図13はチャック爪駆動装置6の第1変形例を示し、前記実施形態の出力ロッド6aに代えてワイヤー6dを使用しており、このワイヤー6dは、その先端部を軸17に連結したのちケーシング3の下端近傍に取付けたシーブ6eに掛けわたし、押さえシーブ6fを潜らせて上方に延出して、図示されていない上端部をたとえば図1に示す油圧シリンダー6Aのピストンロッド6Bに連結する。このように構成しても、チャック爪5,5を前記実施形態で説明したチャック爪5,5と同様に作動させて前記実施形態と同じ作用・効果を奏することができるとともに、チャック爪5,5側の部品点数を削減し、かつ、チャック爪5,5の駆動力を軽減することができる。また、軸17を図示していないワイヤーで反転させることによって、図13(b)のチャック爪5を図13(a)の状態に強制復帰させることができる。なお、図13において図4(a)および図9と同一の部分には、同じ符号を付して重複する構造および作用の説明は省略する。
【0045】
また、図14はチャック爪駆動装置6の第2変形例を示し、前記実施形態の出力ロッド6aに代えてワイヤー6dを使用するとともに、チャック爪5の姿勢を上下に反転させている。そして、ワイヤー6dは、その先端部を軸17に連結したのちケーシング3に取付けた押さえシーブ6fを潜らせて上方に延出して、図示されていない上端部をたとえば図1に示す油圧シリンダー6Aのピストンロッド6Bに連結する。このように構成しても、チャック爪5,5を前記実施形態で説明したチャック爪5,5と同様に作動させて前記実施形態と同じ作用・効果を奏することができるとともに、チャック爪5,5側の部品点数を削減し、かつ、チャック爪5,5の駆動力を軽減することができる。なお、図14において図4(a)および図9と同一の部分には、同じ符号を付して重複する構造および作用の説明は省略する。
【0046】
なお、前記1実施形態では、チャック爪5と第1連結体15とを連結する軸14及び第1連結体15と第2連結体18とを連結する軸17の両方をボルトで構成したが、少なくともいずれか一方の軸がボルトで構成してあるものであってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、所定長さを有する一連で長尺構造の既設杭撤去用ケーシング3を使用して説明しているが、使用される既設杭撤去用ケーシング3は、図1に示すように、連結部3aによって複数のケーシング単体を上下に継ぎ足しおよび分解可能に連結した分割構造のものであってもよい。また、左右一対のチャック爪5,5を使用した構成で説明しているが、ケーシング3の口径が大きくなればチャック爪5の使用数量を3個以上に増量してもよい。さらに、チャック爪駆動装置6の駆動源として油圧シリンダー6Aを使用しているが、駆動源は油圧シリンダー6Aのみに限定されるものではなく、他の流体シリンダー(たとえば水圧シリンダー)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る既設杭の撤去装置の一実施形態を示す全体側面図である。
【図2】掘削部の一実施形態を示す拡大縦断面図である。
【図3】図2の底面図である。
【図4】チャック爪の取付状態の一実施形態を示し、(a)は拡大縦断面図、(b)は背面図である。
【図5】チャック爪の一実施形態を示し、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図6】トップシーブ装置の一実施形態を示す拡大側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】既設杭撤去用ケーシングと既設杭との関係を示す作動説明図であり、(a)は掘削状態、(b)は摩擦解消状態、(c)は既設杭下端との縁切り状態、(d)は既設杭下端のチャッキング状態である。
【図9】チャッキング爪の作動説明図であり、(a)は待機状態、(b)は既設杭下端のチャッキング状態である。
【図10】既設杭撤去工法における一実施形態の作動説明図であり、(a)は既設杭撤去用ケーシングによる掘削完了状態、(b)はケーシングの引上げ初期状態、(c)はケーシングの引上げ途中の状態、(d)はケーシングの引上げおよび既設杭の撤去完了状態である。
【図11】チャック爪の他の実施形態を示し、(a)は背面図、(b)は側面図である。
【図12】図11のチャック爪を使用した時の既設杭撤去用ケーシングと既設杭との関係を示す作動説明図であり、(a)は掘削状態、(b)は既設杭分断途中の状態、(c)は既設杭分断後におけるチャッキング状態である。
【図13】チャック爪駆動装置の第1変形例を示し、(a)はチャック爪の待機状態、(b)は既設杭のチャッキング状態である。
【図14】チャック爪駆動装置の第2変形例を示し、(a)はチャック爪の待機状態、(b)は既設杭のチャッキング状態である。
【符号の説明】
【0049】
1 既設杭の撤去装置
2 既設杭撤去用重機
3 既設杭撤去用ケーシング
4 ケーシング駆動装置
5 チャック爪駆動装置
6 チャック爪
8 トップシーブ装置
10 透孔
24 上下方向の貫通部
25 既設杭
26 既設杭分断(切断)用の刃部
P1,P2 チャック爪の上下2つの位置
P3,P4 透孔の上下2つの内面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャック爪が回動自在に取付けられ、かつ、このチャック爪が出入りする透孔を下端近傍に設けた既設杭撤去用ケーシングと、この既設杭撤去用ケーシングを着脱および回転駆動するケーシング駆動装置と、このケーシング駆動装置を取付けて昇降させるとともに、当該ケーシング駆動装置を介して前記既設杭撤去用ケーシングを垂直姿勢または略垂直姿勢で保持する既設杭撤去用重機と、前記チャック爪を回動させて当該チャック爪を前記透孔から前記ケーシングの内部に出退させるチャック爪駆動装置とを備え、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置および該ケーシング駆動装置を介して既設杭撤去用ケーシングを吊上げる際に、前記チャック爪駆動装置により駆動されたチャック爪で既設杭の端部をチャッキングして持ち上げて地中から撤去する既設杭の撤去装置において、
前記チャック爪に前記既設杭の荷重が負荷された時に、当該チャック爪の上下の2つの位置が前記透孔の上下2つの内面に当接するように構成されるとともに、チャック爪をチャック爪駆動装置に対して着脱可能に組み付けたことを特徴とする既設杭の撤去装置。
【請求項2】
請求項1に記載の既設杭の撤去装置において、
前記チャック爪が回動方向に湾曲していることを特徴とする既設杭の撤去装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の既設杭の撤去装置において、
前記チャック爪が既設杭分断用の刃部を備えていることを特徴とする既設杭の撤去装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の既設杭の撤去装置において、
前記既設杭撤去用重機に前記ケーシング駆動装置を昇降させるトップシーブ装置が設けられており、このトップシーブ装置に前記既設杭撤去用ケーシングの貫通を許容する上下方向の貫通部が形成されていることを特徴とする既設杭の撤去装置。
【請求項5】
既設杭の近傍に既設杭撤去用重機を据付け、当該既設杭撤去用重機に昇降自在に装着されているケーシング駆動装置に既設杭撤去用ケーシングを着脱および回転駆動可能に取付けて前記既設杭の上位に対応させ、前記ケーシング駆動装置によって既設杭撤去用ケーシングを回転させて当該既設杭撤去用ケーシングで既設杭を包囲しながら当該既設杭周囲の土壌を削孔して掘下げ、所定深さまで掘下げた時点でチャック爪駆動装置によりチャック爪を駆動して、当該チャック爪を既設杭撤去用ケーシングの下端近傍に設けた透孔から当該既設杭撤去用ケーシングの内部に突出させて既設杭の地中端部をチャッキングし、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げて既設杭を撤去する既設杭の撤去工法において、
前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げる際に、前記チャック爪の上下の2つの位置を前記透孔の上下2つの内面に当接させることで、当該チャック爪に負荷される既設杭の荷重を前記チャック爪の上下の2つの位置に分散させるようにするとともに、チャック爪をチャック爪駆動装置に対して交換可能に支持させてあることを特徴とする既設杭の撤去工法。
【請求項6】
請求項5に記載の既設杭の撤去工法において、
既設杭撤去用ケーシングにより既設杭周囲の土壌を既設杭の最深部より下方まで削孔して掘下げ、ここでチャック爪駆動装置によりチャック爪を駆動して、既設杭の地中最下端部を保持して当該既設杭を一度に撤去することを特徴とする既設杭の撤去工法。
【請求項7】
請求項5に記載の既設杭の撤去工法において、
既設杭撤去用ケーシングにより既設杭周囲の土壌を既設杭の途中まで削孔して掘下げ、ここでチャック爪駆動装置により既設杭分断用の刃部を備えているチャック爪を駆動して既設杭を分断し、該分断箇所より上位の既設杭の下端部を保持して当該既設杭を撤去する作業の反復によって既設杭を撤去することを特徴とする既設杭の撤去工法。
【請求項8】
既設杭の近傍に既設杭撤去用重機を据付け、当該既設杭撤去用重機に昇降自在に装着されているケーシング駆動装置に既設杭撤去用ケーシングを着脱および回転駆動可能に取付けて前記既設杭の上位に対応させ、前記ケーシング駆動装置によって既設杭撤去用ケーシングを回転させて当該既設杭撤去用ケーシングで既設杭を包囲しながら当該既設杭周囲の土壌を削孔して掘下げ、所定深さまで掘下げた時点でチャック爪駆動装置によりチャック爪を駆動して、当該チャック爪を既設杭撤去用ケーシングの下端近傍に設けた透孔から当該既設杭撤去用ケーシングの内部に突出させて既設杭の地中端部をチャッキングし、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げて既設杭を撤去する既設杭の撤去工法において、
前記既設杭撤去用ケーシングを前記ケーシング駆動装置に着脱および回転駆動可能に取付ける工程と、前記既設杭撤去用重機によってケーシング駆動装置とともに既設杭撤去用ケーシングを吊上げる工程との少なくともいずれか一方の工程において、前記既設杭撤去用重機に設けた前記ケーシング駆動装置を昇降させるトップシーブ装置に形成されている上下方向の貫通部に前記既設杭撤去用ケーシングを貫通させることを特徴とする既設杭の撤去工法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−9671(P2007−9671A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371411(P2005−371411)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(591140639)株式会社岡田組 (3)
【Fターム(参考)】