映像・サウンドコンテンツ、これを製作する方法、これを記録した記録媒体及び映像・サウンド視聴システム並びに鎮静化方法
【課題】 映像視聴に伴う興奮状態を鎮静化することができる映像・サウンド視聴システムを提供すること。
【解決手段】 映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための映像・サウンドコンテンツ情報データベース2と、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報データベース4と、コンテンツ情報及び鎮静化情報を情報処理するためのコントローラ6と、鎮静化情報を出力するための鎮静化情報出力手段(例えば、画像・映像情報出力手段10、サウンド情報出力手段12)と、を備えた映像・サウンド視聴システム。コントローラ6は、映像・サウンドコンテンツ情報データベース2からの映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、鎮静化情報データベース4からの鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力する。
【解決手段】 映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための映像・サウンドコンテンツ情報データベース2と、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報データベース4と、コンテンツ情報及び鎮静化情報を情報処理するためのコントローラ6と、鎮静化情報を出力するための鎮静化情報出力手段(例えば、画像・映像情報出力手段10、サウンド情報出力手段12)と、を備えた映像・サウンド視聴システム。コントローラ6は、映像・サウンドコンテンツ情報データベース2からの映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、鎮静化情報データベース4からの鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(三次元)映像などの映像・サウンドコンテンツ、これを製作する方法、これを記録した記録媒体及び映像・サウンドコンテンツを視聴する映像視聴システム並びに鎮静化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像・サウンドコンテンツを立体的に視聴する3D(三次元)映像・サウンド視聴システム、例えば3Dテレビの本格的普及時代を迎え、3D映像・サウンド視聴による人体又は脳への悪影響が心配され、3D映像・サウンド視聴に関する指針が示されている(例えば、非特許文献1参照)。指針として3つのガイドライン、即ち視聴者に周知すべきガイドライン(視聴姿勢や視聴時間、低年齢層への配慮などに関するガイドライン)、コンテンツ制作者のためのガイドライン(ディスプレイの寸法と視差情報の関係や、撮影時に使用するカメラの同期などに関するガイドライン)及び製造者のためのガイドライン(左目が受けるべき映像と右目が受けるべき映像が一時的に混在することによって起こるストロークをなるべく小さくすることや、時分割表示方式をとったときの推奨周波数などに関するガイドライン)が示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3DC安全ガイドライン(産業技術総合研究所)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなガイドラインは、一応の目安として示されているが、視聴時間などにおいて守られ難く、このような場合、人体や脳などへの悪影響が心配される。
【0005】
そこで、このようなガイドラインの他に、3D映像・サウンドコンテンツ視聴に伴う興奮状態を鎮めるための鎮静化手段が求められる。このような問題は、3D映像・サウンドコンテンツ視聴において生じるのみならず、格闘シーンなどを多く含む2D映像・サウンドコンテンツ視聴においても生じ、ゲーム装置用いて長時間継続してゲームを行う場合などにおいても生じる。
【0006】
本発明の目的は、3D映像・サウンドコンテンツ視聴などに伴う興奮状態を鎮静化することができる映像・コンテンツ視聴システム及び鎮静化方法を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、3D映像・コンテンツ視聴などの視聴に伴う興奮状態を抑えることができる映像・サウンドコンテンツ、これを製作する方法及びこれを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の映像・サウンド試聴システムは、映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための映像・サウンドコンテンツ情報供給手段と、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報供給手段と、前記映像・サウンドコンテンツ情報及び前記鎮静化情報を所要の通りに情報処理するためのコントローラと、前記鎮静化情報を出力するための鎮静化情報出力手段と、を備え、
前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の映像・サウンド視聴システムでは、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報は、映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報及び香り鎮静化情報のいずれか一つ又はこれらの二つ以上の組合せであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の映像・サウンド視聴システムでは、前記コントローラは、前記鎮静化情報を強制的に挿入するための鎮静化情報強制挿入手段を含み、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報を所定設定時間継続して視聴したとき、又は前記映像・サウンドコンテンツ情報を視聴中に興奮度レベルが所定レベル以上に興奮したときに、前記鎮静化情報強制挿入手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の映像・サウンド視聴システムでは、前記コントローラは、視聴者を鎮静させるに要する時間を演算するための鎮静化時間演算手段を含み、前記鎮静化時間演算手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の刺激度及び前記映像・サウンドコンテンツを継続して視聴した継続視聴時間に基づいて前記鎮静化時間を演算し、前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後に前記鎮静化時間の間継続して前記鎮静化情報を情報処理して前記鎮静化出力手段から出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の映像・サウンドコンテンツは、視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報と、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の映像・サウンドコンテンツでは、前記鎮静化情報は、前記映像・サウンドコンテンツ情報の後に挿入されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の映像・サウンドコンテンツでは、前記映像・サウンドコンテンツ情報は、多数の映像コンテンツフレームから構成され、前記鎮静化情報は、一つ又は複数の鎮静化フレームから構成され、前記多数の映像コンテンツフレームの所定枚数毎に前記鎮静化フレームが挿入されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項8に記載の映像・サウンドコンテンツでは、前記多数の映像コンテンツフレームの各映像コンテンツフレームは、その映像内容に基づいて興奮度の強さを示す興奮度ベクトルとして示され、前記興奮度ベクトルの積算値が所定興奮度レベルを超えると、前記多数の映像コンテンツフレームの間に前記鎮静化フレームが挿入されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項9に記載の映像・サウンドコンテンツの製作方法は、視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報に、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報を組み込むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項10に記載の記録媒体は、請求項5〜8のいずれかに記載の映像・サウンドコンテンツが記録されたことを特徴とする。
【0018】
更に、本発明の鎮静化方法は、映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、鎮静化情報を出力して視聴者の興奮状態を鎮静化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載の映像・サウンド視聴システム及び請求項11に記載の鎮静化方法によれば、映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後に、鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力するので、映像・サウンドコンテンツ視聴後の視聴者の興奮状態が、この鎮静化情報の出力によってアクティブに鎮静化され、短時間のうちに興奮状態を抑えて人体、脳などへの悪影響を少なくすることができる。この鎮静化情報供給手段からの鎮静化情報の供給は、映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に行うようにしてもよく、このときには、映像・サウンド視聴中の視聴者の興奮状態が、この鎮静化情報の出力によって、短時間のうちに抑えられる。例えば、3D映像・サウンドコンテンツ情報及び格闘シーンなどが多い2D映像・サウンドコンテンツ情報を視聴すると興奮状態になり易く、このような興奮状態を抑えるために鎮静化が図られ、これらの映像コンテンツ情報の視聴の際に鎮静化を図るのが望ましい。また、ゲーム装置を用いてゲーム用映像・サウンドコンテンツ情報を見ながらゲームを行うときには、そのゲームに夢中になって興奮状態になり易く、このようなときにも視聴者(遊戯者)の興奮状態を効果的に抑えることができる。
【0020】
鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報とは、例えば、2D(二次元)映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報、香り鎮静化情報などである。映像・サウンド情報とは、画像〔映像(motion picture)と画像(still picture)とを含む)とサウンドとが組み合わされた情報であって、映像・サウンド情報のうち鎮静効果のあるものが映像・サウンド鎮静化情報である。映像情報とは、動きのある画像情報であって、映像情報のうち鎮静効果のあるものが映像鎮静化情報であり、また画像情報とは、一枚ものの画像情報であって、画像情報のうち鎮静効果のあるものが画像鎮静化情報である。尚、映像情報と画像情報とを含めて画像情報と表現することもある。また、サウンド情報とは、音響情報(音楽を含む)と音声情報とを含み、このサウンド情報のうち鎮静効果のあるものがサウンド鎮静化情報である。映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報及びサウンド鎮静化情報を用いるときには、鎮静化情報出力手段として画像・映像情報出力手段及び/又はサウンド情報出力手段が用いられる。
【0021】
また、香り情報とは、視聴者の嗅覚で捉える情報であって、香り情報のうち鎮静効果のあるものが香り鎮静化情報である。この香り鎮静化情報を用いるときには、鎮静化出力手段として香り情報出力手段(例えば、香りを周囲に放出する装置)が用いられる。
【0022】
また、本発明の請求項2に記載の映像視聴システムによれば、鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報は、映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報及び香り鎮静化情報であるので、これらの鎮静化情報を鎮静化情報出力手段から出力することにより、視聴者の興奮した状態をアクティブに効果的に鎮静化することができる。尚、映像鎮静化情報とは、例えば、2D映像情報などであり、画像鎮静化情報とは、例えば、パターン画像情報、イメージ画像情報などであり、またサウンド鎮静化情報とは、例えば、クラシック音楽などである。
【0023】
また、本発明の請求項3に記載の映像・サウンド視聴システムによれば、映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される映像・サウンドコンテンツ情報を所定設定時間継続して視聴したときには、視聴者は興奮状態になっており、このようなときには、鎮静化情報強制挿入手段は、映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される映像・サウンドコンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、そして鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報を情報処理し、このように鎮静化情報を処理することによって、視聴者の興奮状態を効果的に抑えることができる。また、鎮静化情報供給手段からの鎮静化情報は、視聴者の視聴中における興奮度レベルが所定レベル以上になったときに上述したと同様にすることによって、視聴中における過度の興奮状態になることを未然に抑えることができる。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の映像・サウンド視聴システムによれば、鎮静化時間演算手段は、映像・サウンドコンテンツ情報の刺激度及びその映像・サウンドコンテンツを継続して視聴した継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算するので、映像・サウンドコンテンツを視聴した後の視聴者の興奮状態を推測し、この興奮状態を通常の状態に戻すに要する鎮静化時間を視聴した映像・サウンドコンテンツに対応して設定することができる。また、コントローラは、映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後にこの鎮静化時間の間継続して鎮静化情報を情報処理するので、視聴した映像・サウンドコンテンツによる興奮状態を適切に鎮静化することができる。
【0025】
また、本発明の請求項5に記載の映像・サウンドコンテンツ及び請求項9の製作方法によれば、映像・サウンドコンテンツ情報に加えて鎮静化情報を含んでいるので、この鎮静化情報によって興奮状態の鎮静化が図られ、映像・サウンドコンテンツを視聴した後においては興奮状態が抑えられており、視聴による興奮状態を自然に抑えることができる。
【0026】
また、本発明の請求項6に記載の映像・サウンドコンテンツによれば、鎮静化情報が映像・サウンドコンテンツ情報の後に挿入されているので、映像・サウンドコンテンツを視聴した後において視聴者の興奮状態を抑えて元の状態に戻すことができる。
【0027】
また、本発明の請求項7に記載の映像・サウンドコンテンツによれば、多数の映像コンテンツフレームの所定枚数(例えば、30〜100枚)毎に鎮静化フレームが挿入されているので、視聴中において興奮状態となることが抑えられる。また、鎮静化情報が一つ又は複数の鎮静化フレームから構成されているので、鎮静化情報の出力時間は短く、この鎮静化情報を気にせずに映像・サウンドコンテンツ情報を視聴することができる。
【0028】
また、本発明の請求項8に記載の映像・サウンドコンテンツによれば、映像コンテンツフレームは、その映像内容に基づいて興奮度ベクトルとして示され、この興奮度ベクトルの積算値が所定興奮度レベルを超えると、多数の映像コンテンツフレームの間に鎮静化フレームが挿入されるので、映像・サウンドコンテンツの視聴中に視聴者が異常な興奮状態となることを抑えることができる。
【0029】
また、本発明の請求項10に記載の記録媒体によれば、請求項5〜8のいずれかに記載の映像・サウンドコンテンツが記録されているので、この記録媒体を視聴することによる興奮状態の発生を自然に抑えることができる。尚、この記録媒体とは、DVD、ビデオテープ、ブルーレイディスク、CD−ROM、HDD、SDメモリなどである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従う映像・サウンド視聴システムの一例としての3D映像・サウンド視聴システムの一実施形態を示すブロック図。
【図2】図1の3D映像・サウンド視聴システムにおけるコンテンツ情報データベースを具体的に示すブロック図。
【図3】図1の3D映像・サウンド視聴システムにおける鎮静化情報データベースを具体的に示すブロック図。
【図4】図1の3D映像視聴システムにおけるコントローラ及び操作装置を具体的に示すブロック図。
【図5】図1の3D映像・サウンド視聴システムにおける視聴の流れを示すフローチャート。
【図6】コンテンツ情報データベースに収納された3Dコンテンツ情報のカテゴリーとその刺激度との関係を示す図。
【図7】本発明に従う映像・サウンドコンテンツの一例の内容を簡略的に示す図。
【図8】図7の映像・サウンドコンテンツを制作する工程の一例の流れを示す製作工程図。
【図9】図7の映像・サウンドコンテンツを製作する工程の他の例の流れを示す製作工程図。
【図10】3D映像・サウンドコンテンツ情報を視聴した視聴時間と視聴直後に行った百ます計算能力との関係を示す図。
【図11】3D映像・サウンドコンテンツ情報を視聴した後に興奮状態の鎮静化を行ったときの鎮静化時間と鎮静化直後に行った百ます計算能力との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う映像・サウンドコンテンツ、その製作方法及びこれを記録した記録媒体の実施形態、更には映像・サウンドコンテンツを視聴するための映像・サウンド視聴システム及び鎮静化方法の実施形態について説明する。
【0032】
図1において、図示の映像・サウンド視聴システムは、3D映像・サウンドコンテンツを視聴するためのシステムであり、視聴者が視聴するコンテンツ情報が収納されたコンテンツ情報データベース2と、視聴者の興奮状態を鎮静化する鎮静化情報が収納された鎮静化情報データベース4と、これらコンテンツ情報及び鎮静化情報を情報処理して後述する如く出力するためのコントローラ6と、コントローラ6を操作するための操作装置8と、画像・映像情報を出力するための画像・映像情報出力手段10と、サウンド情報を出力するためのサウンド情報出力手段12と、を含んでいる。画像・映像情報出力手段10とは、3D(三次元)映像情報(動きのある情報)及び2D(二次元)映像情報(動きのある情報)、2D画像情報(一枚ものの情報)を表示することが可能なディスプレイであって、例えば3D液晶表示装置、3Dプラズマ表示装置などであり、またサウンド情報出力手段12とは、サウンド情報(音響情報及び音声情報を含む)を出力することが可能なスピーカ装置などである。
【0033】
次に、図1及び図2を参照してコンテンツ情報データベース2について説明すると、このコンテンツ情報データベース2は、サーバ、HDD(ハードディスク駆動装置)などから構成され、3D映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための3D映像・サウンドコンテンツ情報供給手段を構成する。この実施形態では、コンテンツ情報データベース2には、複数の3Dコンテンツ情報、例えば第1の3D映像・サウンドコンテンツ情報14a、第2の3D映像・サウンドコンテンツ情報14b、第3の3D映像・サウンドコンテンツ情報14c・・・が収納されているとともに、複数の2Dコンテンツ情報、例えば第1の2D映像・サウンドコンテンツ情報16a、第2の2D映像・サウンドコンテンツ情報16b、第3の2D映像・サウンドコンテンツ情報16c・・・が収納されている。
【0034】
複数の3Dコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)には、3D映像情報及びサウンド情報が含まれているとともに、映像情報の刺激度情報、即ちその映像情報を視聴者が視聴することによって受ける刺激度のレベル情報が含まれている。また、複数の2Dコンテンツ情報(16a,16b,16c・・・)には、2D映像情報及びサウンド情報が含まれている。
【0035】
この実施形態では、コンテンツ情報データベース2には、複数の3Dコンテンツ情報及び2Dコンテンツ情報の双方が含まれているが、3Dコンテンツ情報のみを収納するようにしてもよい。また、3D映像・サウンドコンテンツ情報供給手段をコンテンツ情報データベース2から構成するものに適用して説明しているが、このような構成に限定されず、3Dコンテンツ情報を記録した記録媒体(例えば、DVD、ブルーレイデスク、SDメモリなど)を再生するための映像・サウンド情報再生装置、3Dコンテンツ情報を配信するための映像・サウンド情報配信装置、3Dコンテンツ情報を放送するための映像・サウンド情報放送装置などから構成するものにも同様に適用することができる。
【0036】
また、図1及び図3を参照して鎮静化情報データベース4について説明すると、この鎮静化情報データベース4は、サーバ、HDD、メモリ手段などから構成され、コンテンツ情報データベース2の一部に鎮静化情報データベース4を一体的に組み込むようにしてもよい。この鎮静化情報データベース4は、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報供給手段を構成し、この実施形態では、鎮静化情報データベース4には、複数の鎮静化情報、例えば第1の鎮静化情報18a、第2の鎮静化情報18b、第3の鎮静化情報18c・・・が収納されているとともに、特定鎮静化情報18nが収納されている。
【0037】
複数の鎮静化情報(18a,18b,18c・・・18n)には、映像鎮静化情報及びサウンド鎮静化情報が含まれている。鎮静化情報に含まれた映像鎮静化情報とは、視聴者の興奮状態を鎮静化するのに効果的な映像情報(2D映像情報)であって、例えば大自然風景の映像情報、田舎風景の映像情報などであり、またサウンド鎮静化情報とは、視聴者の興奮状態を鎮静化するのに効果的なサウンド情報であって、例えばクラシック音楽の音響情報、童謡音楽の音響情報、静かに語りかける音声情報などである。この実施形態では、後に説明するように、鎮静化のために視聴する鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)を選択したときには、選択した鎮静化情報が出力されるが、鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)を選択しないときには、特定鎮静化情報18nが出力される。
【0038】
この実施形態では、鎮静化情報データベース4には、複数の鎮静化情報が含まれているが、一つの鎮静化情報のみを収納するようにしてもよい。また、これら鎮静化情報には映像鎮静化情報及びサウンド鎮静化情報の双方を含めているが、一部又は全部の鎮静化情報を映像鎮静化情報のみから構成してもよく、或いは一部又は全部の鎮静化情報をサウンド鎮静化情報のみから構成してもよい。尚、映像鎮静化情報に代えて画像鎮静化情報を用いるようにしてもよく、この画像鎮静化情報としては、パターン画像情報(例えば、特定色のパターン画像情報)、イメージ画像情報などでよい。また、鎮静化情報として香り鎮静化情報を用いるようにしてもよく、この場合、鎮静化情報出力手段として香り情報出力手段が用いられ、例えば、鎮静効果のある香りを発生する香り発生装置(香り放出装置)が用いられる。
【0039】
次に、図1ととともに図4を参照して、コントローラ6及び操作装置8について説明する。コントローラ6は、システム全体を制御するためのマイクロコンピュータなどから構成され、コンテンツ情報読出し手段20、鎮静化情報読み出し手段22、画像・映像情報処理手段24及びサウンド情報処理手段26を備えている。コンテンツ情報読出し手段20は、コンテンツ情報データベース2から選択された3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を読み出し、読み出された3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)の3D映像情報(又は2D映像情報)は、画像・映像情報処理手段24にて所要の通りに画像処理された後に画像・映像情報出力手段10にて3D画像(又は2D画像)として表示され、また読み出された3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)のサウンド情報は、サウンド情報処理手段26にて所要の通りに情報処理された後にサンド情報出力手段12から出力される。
【0040】
また、鎮静化情報読出し手段22は、鎮静化情報データベース4から選択された鎮静化情報を読み出し、読み出された鎮静化情報の鎮静化画像情報は、画像処理手段24にて所要の通りに画像処理された後に画像情報出力手段10にて鎮静化画像として表示され、また読み出された鎮静化情報の鎮静化音声情報は、音声情報処理手段26にて所要の通りに情報処理された後に音声情報出力手段12から出力される。
【0041】
このコントローラ6は、更に、鎮静化時間演算手段28、鎮静化時間設定手段30、興奮度演算手段32、鎮静化情報強制挿入手段34、計時手段36及びメモリ手段38を含んでいる。鎮静化時間演算手段28は、コンテンツ情報データベース2の3Dコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)を視聴した後に、視聴した3Dコンテンツ情報の刺激度及びその3Dコンテンツ情報を継続して視聴した継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算し、鎮静化時間設定手段30は、鎮静化時間演算手段28により演算された鎮静化時間を、視聴者の興奮状態を鎮静化させるために鎮静化情報を視聴すべき鎮静化時間として設定し、計時手段36は、時刻情報に基づいて時間を計時する。
【0042】
コンテンツ情報データベース2に格納された3Dコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)は、例えば、図6に示すように、コンテンツ刺激度が弱い(第1レベル)カテゴリーAのもの、コンテンツ刺激度が中程度である(第2レベル)カテゴリーBのもの、コンテンツ刺激度が強い(第3レベル)カテゴリーCのものに区別される。カテゴリーA(第1レベル)のものとしては、刺激的な動きがほとんどないコンテンツ情報であり、例えば、農村風景、自然風景などのコンテンツ情報、世界遺産、神社仏閣などのコンテンツ情報、宇宙映像などのコンテンツ情報などであり、またカテゴリーB(第2レベル)のものとしては、刺激的な動きが少しあるコンテンツ情報であり、例えば海中遊泳、登山などのコンテンツ情報、野球やサッカーなどのスポーツ中継のコンテンツ情報などであり、更にカテゴリーC(第3レベル)のものとしては、刺激的な動きが多いコンテンツ情報であり、例えばプロレス、ボクシングなどの格闘スポーツ中継のコンテンツ情報、冒険アクション映画のコンテンツ情報などである。尚、この形態では、コンテンツ情報を三段階のカテゴリーに分類しているが、四段階又は5段階以上に分類するようにしてもよい。
【0043】
コンテンツ情報のこの刺激度は、例えば、3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)の製作ときに決定され、刺激度情報として3Dコンテンツ情報に予め含まれる。このコンテンツ刺激度は、視聴に与える興奮状態に密接に関連し、刺激度の弱いものでは、例えば4時間程度の長時間にわたって継続して視聴しても視聴者の興奮状態はあまり高まらないが、刺激度の高いものでは、例えば1時間程度の短時間にわたって視聴することによって、視聴者の興奮度は高まるようになる。
【0044】
このようなことから、この実施形態においては、刺激度の低いもの(第1レベル)を例えば1時間継続して視聴することを一つの基準とし、カテゴリーAの3Dコンテンツ情報を1時間以上視聴したときには、鎮静化時間演算手段28は、3Dコンテンツ情報の刺激度(刺激度のレベル)及び3Dコンテンツ情報の継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算し、その演算結果に基づき、鎮静化時間設定手段30は、例えば表1に示す通りの鎮静化時間を設定する。尚、この鎮静化時間を演算するための鎮静化視聴時間演算データは、コントローラ6のメモリ手段38に予め登録される。
【0045】
【表1】
また、この実施形態では、興奮度演算手段32は、3D映像コンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)を視聴中において視聴者の興奮度を演算し、この興奮度は、上述したと同様に、視聴中の3Dコンテンツ情報の刺激度及びその3Dコンテンツ情報を継続して視聴した継続視聴時間に基づいて興奮度を演算する。刺激度の弱いものでは長時間にわたって継続して視聴しても視聴者の興奮状態はあまり高まらないが、刺激度の高いものでは短時間にわたって視聴することによって、視聴者の興奮状態は高まる。このようなことから、この実施形態では、コンテンツ刺激度が弱い(第1レベル)カテゴリーAのものではその係数αが例えば「1」と、コンテンツ刺激度が中程度である(第2レベル)カテゴリーBのものではその係数αが例えば「1.5」と、また、コンテンツ刺激度が強い(第3レベル)カテゴリーCのものではその係数αが「2」と設定され、興奮度演算手段32は、次のようにして視聴中の興奮度Pを演算する。
【0046】
興奮度P=(コンテンツ情報の係数α)×(継続視聴時間h) ・・・(1)
そして、この興奮度演算手段32により演算された興奮度Pが興奮度しきい値以上になると、コントローラ6は鎮静化情報挿入信号を生成し、鎮静化情報強制挿入手段34は、コンテンツ情報データベース2から供給された3D映像コンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、この3D映像コンテンツ情報に代えて、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出して情報処理し、この鎮静化情報データの鎮静化映像情報を画像・映像情報出力手段10に表示するとともに、その鎮静化サウンド情報をサウンド情報出力手段12から出力し、このように鎮静化情報を処理することによって、視聴中において視聴者の興奮状態を鎮静化して過度の興奮状態を抑えることができる。
【0047】
この実施形態では、興奮度しきい値データとして例えば「6」がメモリ手段38に登録されている。従って、カテゴリーCのものを継続して例えば3時間視聴すると、興奮度演算手段32により演算された興奮度Pは「6」となり、またカテゴリーBのものを継続して例えば4時間視聴すると、興奮度演算手段32により演算された興奮度Pは「6」となり、これらの場合、視聴者が過度の興奮状態になっていると予測し、コントローラ6は鎮静化情報挿入信号を生成し、鎮静化情報強制挿入手段34は、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出して情報処理する。この実施形態では、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出しているが、このような構成に代えて、鎮静化情報データベース4に格納された鎮静化情報(18a,18b,18c・・・18n)の一つ、例えば特定鎮静化情報18nを読み出して情報処理するようにしてもよい。
【0048】
このシステムでは、視聴者の興奮状態を直接的に測定するように構成されている。更に説明すると、視聴者の興奮状態を測定するための興奮状態測定手段40が設けられ、この興奮状態測定手段40からの測定情報がコントローラ6に送給される。興奮状態測定手段40として例えば心拍数測定センサが用いられ、この心拍数測定センサが3D映像を見る際に用いられる同期シャッタ型のメガネ(図示せず)に組み込まれ、メガネを装着した状態にて視聴者の心拍数を心拍数測定センサで計測し、その計測した心拍数に基づいて視聴者の興奮状態を調べる。視聴者は興奮状態になると、その心拍数が上昇し、視聴者の興奮状態とその心拍数とは密接な関係にあることから、このような関係を利用して興奮状態を計測する。
【0049】
この実施形態では、興奮状態しきい値データとして、例えば「心拍数80」がメモリ手段38に登録されている。興奮状態測定手段40からの計測心拍数が80以上になると、上述したと同様に、コントローラ6は鎮静化情報挿入信号を生成する。かくすると、上述したと同様に、鎮静化情報挿入信号に基づき、鎮静化情報強制挿入手段34は、コンテンツ情報データベース2から供給された3D映像コンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出して情報処理し、この鎮静化情報データの鎮静化映像情報を画像・映像情報出力手段10に表示するとともに、その鎮静化サウンド情報をサウンド情報出力手段12から出力し、このように鎮静化情報を処理することによって、視聴中の視聴者の実際の興奮状態を調べながら過度の興奮状態を鎮静化して抑えることができる。尚、この形態では、興奮状態と心拍数との密接な関係を利用しているが、興奮状態と血圧との間にも密接な関係があり、興奮状態と血圧との関係を利用して興奮状態を測定するようにしてもよく、この場合、興奮状態測定手段40として血圧測定センサが用いられる。興奮状態と脳波、血流、瞳孔、体温、発汗、顔色などとの間でも密接な関係があり、上述の心拍数、血圧に代えて、この脳波、血流、瞳孔、体温、発汗、顔色などを測定して用いるようにしてもよく、これらの任意の二つ以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0050】
操作装置8は、コントローラ6を所要の通りに操作制御するために設けられる。図示の操作装置8は、例えば操作リモコン、操作パネル装置などから構成され、電源スイッチ42、データベース選択手段44、3D・2D選択ボタン46、情報選択ボタン48及び情報終了ボタン50を含んでいる。電源スイッチ42は、システムの電源をオン、オフするためのもので、この電源スイッチを押圧操作するとシステムがオンとなり、再度押圧操作するとオフとなる。データベース選択ボタン44は、コンテンツ情報データベース2及び鎮静化情報データベース4を選択するためのものであり、押圧操作する毎にコンテンツ情報データベース2及び鎮静化情報データベース4が交互に選択される。3D・2D選択ボタン46は、コンテンツ情報データベース2を選択した場合において3Dコンテンツ情報及び2Dコンテンツ情報を選択するためのものであり、押圧操作する毎に3Dコンテンツ情報及び2Dコンテンツ情報が交互に選択される。また、情報選択ボタン48は情報を選択するためのものであり、コンテンツ情報データベース2の3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を選択した場合において押圧操作することによって複数の3Dコンテンツ情報14a,14b,14c・・・(又は2Dコンテンツ情報16a,16b,16c・・・)のうちの任意の一つを選択し、また鎮静化情報データベース4を選択した場合において押圧操作することによって複数の鎮静化情報18a,18b,18c・・・のうちの任意の一つを選択する。更に、情報終了ボタン50は、情報の映像視聴を終了するためのものであり、コンテンツ情報データベース2からのコンテンツ情報(3Dコンテンツ情報又は2Dコンテンツ情報)を視聴しているときには、押圧操作することによって、このコンテンツ情報の供給が終了し、鎮静化情報データベース4からの鎮静化情報が出力されているときには、押圧操作することによって、この鎮静化情報の供給が終了する。
【0051】
この実施形態では、更に、コントローラ6にゲーム装置52が接続可能に構成され、ゲーム装置52からのゲーム用映像・サウンドコンテンツ情報が、コンテンツ情報データベース2からの3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)と同様にコントローラ6にて情報処理されて画像・映像情報出力手段10及びサウンド情報出力手段12から出力されるように構成されている。ゲーム装置52は、ゲームソフトを処理するためのマイクロプロセッサなどが内蔵されたゲーム機本体54と、遊戯者がゲームの際に操作するゲーム操作装置56とを含み、ゲーム操作装置56を操作することにより生じる操作信号に基づいてゲーム機本体54にて信号処理され、信号処理された映像・サウンドコンテンツ情報のうち映像情報がコントローラ6を介して画像・映像情報出力手段10から出力され、そのサウンド情報がコントローラ6を介してサウンド情報出力手段12から出力される。
【0052】
このようなゲーム装置54における鎮静化情報とは、ゲームの表現を変える情報、例えば3D用のゲーム情報を2D用のゲーム情報に切り換える情報、ゲームの内容を切り換える情報(例えば、ゲームのストーリーを刺激の少ないものに切り換える情報)、ゲームのスピードを変える情報、ゲームの展開を変える情報(例えば、次のステージに進むことができない情報)ゲームを強制的に中止する情報などであり、このような鎮静化情報を生成して出力する(このような鎮静化情報の信号を出力するものが、本発明における鎮静化情報出力手段を構成する)ことによって、ゲームに夢中になって興奮状態が高まるのを鎮静化して平常心に戻すことができる。
【0053】
次に、主として図1、図4及び図5を参照して、この3D映像・サウンド視聴システムにおける映像視聴の流れについて説明する。コンテンツ情報データベース2のコンテンツ情報を視聴するには、操作装置8の電源スイッチ42をオン操作し(ステップS1)、視聴したいコンテンツ情報を選択する(ステップS2)。このコンテンツ情報を選択するには、データベース選択ボタン44を操作してコンテンツ情報データベース2を選択し、3D・2D選択ボタン46を操作して3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を選択し、更に情報選択ボタン48を操作して視聴したい3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を選択する。
【0054】
視聴したいコンテンツ情報が2Dコンテンツ情報(2D映像・サウンドコンテンツ情報)である場合、ステップS3からステップS4に進み、選択した2Dコンテンツの視聴が行われる(ステップS4)。即ち、コントローラ6のコンテンツ情報読出し手段20は、コンテンツ情報データベース2から選択された2Dコンテンツ情報を読み出し、画像・映像情報処理手段24は2Dコンテンツ情報の2D映像情報を情報処理し、情報処理された2D映像情報が画像・映像情報出力手段10から出力されるとともに、サウンド情報処理手段26は2Dコンテンツ情報のサウンド情報を情報処理し、情報処理されたサウンド情報がサウンド情報出力手段12から出力され、視聴者はこのようにして選択した2Dコンテンツ情報を視聴することができる。
【0055】
そして、2Dコンテンツ情報の視聴を終了すると、ステップS5からステップS6に進み、電源スイッチ42をオフ操作することによってシステムの電源がオフとなり、このようにして映像視聴システムによる視聴が終了する。尚、2Dコンテンツ情報の視聴終了とは、選択した2Dコンテンツ情報の供給が終了する、又は操作装置8の情報終了ボタン50を操作して2Dコンテンツ情報の供給を強制的に終了させることであり、このような2Dコンテンツ情報の視聴においては、視聴者は過度に興奮状態になることはなく、従って興奮状態の鎮静化のための手段が適用されることはない。
【0056】
尚、この実施形態では、2Dコンテンツ情報については鎮静化情報による鎮静化が行われないが、上述したように2Dコンテンツ情報を視聴したときにも情報の種類によっては視聴者が興奮状態になることがあり、このような2Dコンテンツ情報については、次に説明する3Dコンテンツ情報と同様にして視聴者の鎮静化を図るのが望ましい。
【0057】
一方、視聴したいコンテンツ情報が3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)である場合、ステップS3からステップS7に進み、選択した3Dコンテンツの視聴が行われる(ステップS7)。即ち、コントローラ6のコンテンツ情報読出し手段20は、コンテンツ情報データベース2から選択された3Dコンテンツ情報を読み出し、画像・映像情報処理手段24は3Dコンテンツ情報の3D映像情報を情報処理し、情報処理された3D映像情報が画像・映像情報出力手段10から出力されるとともに、サウンド情報処理手段26は3Dコンテンツ情報のサウンド情報を情報処理し、情報処理されたサウンド情報がサウンド情報出力手段12から出力される。このとき、視聴者は、例えば同期シャッタ型のメガネを装着し、このような3D用メガネを装着することによって、選択した3Dコンテンツ情報を3D化して視聴することができる。
【0058】
そして、3Dコンテンツ情報の視聴を終了すると、ステップS8からステップS9に進み、視聴者の興奮状態を鎮静化すべき鎮静化時間の演算が行われ、演算された鎮静化時間が設定される(ステップS10)。このステップS8における3Dコンテンツ情報の視聴終了とは、選択した3Dコンテンツ情報の供給が終了する、又は操作装置8の情報終了ボタン50を操作して3Dコンテンツ情報の供給を強制的に終了させることである。
【0059】
鎮静化時間の演算は、コントローラ6の鎮静化時間演算手段28によって行われ、鎮静化時間演算手段28は、視聴した3Dコンテンツ情報の刺激度及びその3Dコンテンツ情報を継続して視聴した継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算し、この演算結果に基づき、鎮静化時間設定手段30は、上記表1に示す通りの鎮静化時間を設定する。例えば、カテゴリーBの3Dコンテンツ情報を例えば2.5時間視聴したときには、鎮静化時間演算手段28による演算結果に基づき、鎮静化時間設定手段30は鎮静化時間として6分を設定する。
【0060】
このように鎮静化時間の設定が行われると、鎮静化情報の視聴が行われる(ステップS11)。即ち、コントローラ6の鎮静化情報読出し手段22は、鎮静化情報データベース4から選択された鎮静化情報を読み出し、画像・映像情報処理手段24は鎮静化情報の画像情報(画像鎮静化情報は2D映像情報を用いる)を情報処理し、情報処理された画像鎮静化情報が画像・映像情報出力手段10から出力されるとともに、サウンド情報処理手段26は鎮静化情報のサウンド鎮静化情報を情報処理し、情報処理されたサウンド鎮静化情報がサウンド情報出力手段12から出力され、視聴者はこのようにして鎮静化情報を視聴し、これによって、3Dコンテンツ情報視聴後の興奮状態が鎮静化されて元の平常な状態に短時間に戻るようになる。
【0061】
この鎮静化情報の視聴が鎮静化時間継続して行われると、ステップS12からステップS13に進み、電源スイッチ42をオフ操作することによってシステムの電源がオフとなり、このようにして映像視聴システムによる3Dコンテンツ情報の視聴が完全に終了し、このように完全に終了したときには、視聴者の興奮状態は鎮静化されて抑えられた状態となる。
【0062】
以上、上述した3D映像・サウンド視聴システムの一実施形態について説明したが、このような実施形態に限定されず、種々の変更乃至修正が可能である。
【0063】
例えば、上述した実施形態では、3D映像・サウンドコンテンツ視聴後の興奮状態の鎮静化、3D映像・サウンドコンテンツ視聴中の予測した興奮状態の鎮静化及び3D映像・サウンドコンテンツ視聴中の実際の興奮状態の鎮静化の三つの様式を備えているが、これら三つの様式の全てを必ずしも備える必要はなく、これらの任意の一つ又は任意の二つを備えることによって、所望の効果を得ることができる。
【0064】
上述した実施形態では、3D映像・サウンドコンテンツ視聴による興奮状態を元の状態に戻すために、この3D映像・サウンドコンテンツ視聴に関連させて興奮状態の鎮静化を図っているが、このような興奮状態は、2D映像・サウンドコンテンツ視聴する(例えば、格闘シーンを多く含む2D映像・サウンドコンテンツコンテンツ、冒険アクション2D映像・サウンドコンテンツなどを視聴する、又はゲームをしながらゲーム用2D映像・サウンドコンテンツなどを視聴する)ときにも生じ、従って、このような2D映像視聴のときにも、上述した3D映像視聴のときと同様に、視聴者の興奮状態を抑えて鎮静化を図るようにするのが望ましい。
【0065】
また、上述した実施形態では、3D映像・サウンド視聴システムに本発明が適用され、このシステムのコンテンツデータベース2にコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)が登録され、鎮静化情報データベース4に鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)が登録され、これら登録されたコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)及び鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)が読み出されて視聴される構成であるが、このような構成に限定されず、映像・サウンドコンテンツ自体に本発明を適用することもでき、又は映像・サウンドコンテンツを記録する記録媒体に本発明を適用することもできる。
【0066】
次に、図7〜図9を参照して、本発明を映像・サウンドコンテンツに適用した実施形態について説明する。図7は、映像・サウンドコンテンツ、例えば3D映像・サウンドコンテンツを簡略的に示す図であり、この図7において、図示の3D映像・サウンドコンテンツ102は、全体として一つのコンテンツであり、この3D映像・サウンドコンテンツ102がDVD、ブルーレイディスクなどの記録媒体(図示せず)に記録されて販売などされ、この記録媒体に記録された映像・サウンドコンテンツ102を再生する再生装置(図示せず)を用いて再生して視聴される。
【0067】
この3D映像・サウンドコンテンツ102は、視聴者が視聴するための映像コンテンツ情報104(例えば、上述したシステムの実施形態におけるコンテンツ情報データベース2に登録された例えば3Dコンテンツ情報14a,14b,14c・・・に相当する)と、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報106,108(上述したシステムの実施形態における鎮静化情報データベース4に登録された鎮静化情報18a,18b,18c・・・に相当する)とを含み、これら映像コンテンツ情報104に鎮静化情報106,108が一体的に埋め込まれている。
【0068】
図7に示すように、この実施形態では、映像コンテンツ情報104に組み合わされる鎮静化情報は、映像コンテンツ情報104間に組み込まれる鎮静化情報106と映像コンテンツ情報104の終了後に組み合わされる鎮静化情報108との二種類が用いられている。この形態では、映像コンテンツ情報104は多数の映像コンテンツフレーム(例えば、1秒間の映像が例えば30フレームから構成される)から構成され、この映像コンテンツフレームの所定枚数、例えば30〜100枚の適宜の枚数(例えば、30枚)毎に鎮静化情報106が組み込まれる。従って、図7に示すように、映像コンテンツ情報104の第1番目の映像コンテンツ情報104a(例えば、最初の30枚の映像コンテンツフレーム)の後に鎮静化情報106が組み込まれ、第2番目の映像コンテンツフレーム104b(例えば、次の30枚の映像コンテンツフレーム)の後に鎮静化情報106が組み込まれ、このように例えば30枚の映像コンテンツフレームを一組の単位として鎮静化情報106が組み込まれる。尚、鎮静化情報の組み込み方法については、後述する。
【0069】
映像コンテンツ情報104の間に組み込まれる鎮静化情報106は、同一の鎮静化情報でもよく、この鎮静化情報は、例えば一つの鎮静化フレーム(例えば、一つのパターン画像フレーム、一つのイメージ画像フレーム)から構成され、映像コンテンツフレームの所定枚数毎に一つの鎮静化フレームが組み込まれる。
【0070】
鎮静化情報106は、一つ又は複数の鎮静化フレームから構成してもよく、視聴者の興奮状態が弱いときには、例えば一つの鎮静化フレームを挿入し、視聴者の興奮状態が高まったときには、複数枚、例えば二つ又は三つの鎮静化フレームを挿入し、興奮状態の高まり度合いが高くなるに伴い挿入する鎮静化フレームの枚数を多くするようにしてもよい。尚、挿入する鎮静化情報106は、映像コンテンツ情報104の視聴に実質上影響のないように組み込むのが望ましい。
【0071】
映像コンテンツ情報104の終了後に組み込まれる鎮静化情報108は、視聴後の興奮状態を抑えて元に戻すために組み込まれ、例えば3〜10分程度の適宜の時間継続して視聴するように映像コンテンツ情報104の後に含まれる。
【0072】
この実施例では、映像コンテンツ情報104の間に組み込むものと映像コンテンツ情報104の終了後に組み込むものとの二つ鎮静化情報106,108を適用しているが、これら二つを併せて適用する必要はなく、映像コンテンツ情報104の間に組み込むもの及び映像コンテンツ情報104の終了後に組み込むもののいずれか一方のみを適用することによって、映像コンテンツ102を視聴したときの興奮状態の鎮静化効果を得ることができる。
【0073】
次に、図8を参照して、鎮静化情報106を映像コンテンツ情報104間に挿入する組込み方法の一例について説明する。図8において、鎮静化情報106を組み込むに際し、この映像コンテンツ情報104を各映像コンテンツフレーム112(即ち、各映像シーン)に展開する。そして、各映像コンテンツフレーム112についてシーン要素分解し、各シーン要素と興奮度との関係をシーンコードブック114を用いて「興奮度」に変換する。この実施形態では、多数の映像コンテンツを基に統計解析にてシーンコードブック114が求められ、シーン要素と「興奮度」との関係がシーンコードブック114として予め設定されており、設定されたこのシーンコードブック114におけるシーン要素と「興奮度」との関係を用いて、映像コンテンツ情報104の各映像コンテンツフレーム112(即ち、シーン要素)について「興奮度」に変換され、変換された「興奮度」は興奮度ベクトルとして示される。
【0074】
このように興奮度ベクトルに変換した後に、所定枚数(例えば、30枚)毎について映像コンテンツフレーム112の興奮度ベクトルの積算を行い、積算した興奮度ベクトルに対応した鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。この実施形態では、興奮度ベクトルの大きさと挿入される鎮静化情報との関係が鎮静化コードブック116に予め設定されており、この鎮静化コードブック116には、どのような鎮静化情報をどの程度の長さにするかが興奮度ベクトルの大きさとの関係で設定されており、設定されたこの鎮静化コードブック116における興奮度ベクトルの大きさと鎮静化情報106との関係を用いて、挿入される鎮静化情報106が選択され、選択された鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。
【0075】
このような鎮静化情報106の組み込みは、映像コンテンツ情報104の全体にわたって行われ、このようにして鎮静化情報106が組み込まれた映像・サウンドコンテンツ102が制作され、このような方法を用いれば、映像コンテンツ情報104に最適な鎮静化情報106を自動的に組み込むことができ、視聴中における視聴者の興奮状態を効果的に抑えることができ、視聴直後における興奮状態も弱くなり、視聴者にとって安心な映像・サウンドコンテンツを提供することができる。
【0076】
この方法では、所定枚数(例えば、30枚)毎について映像コンテンツフレーム112の興奮度ベクトルの積算を行い、その積算興奮度ベクトルの大きさに対応した鎮静化情報106を挿入しているが、このような方法に代えて、積算した興奮度ベクトルの大きさが所定興奮度レベルを超えたときに鎮静化情報106を挿入するようにすることもできる。
【0077】
鎮静化情報106の映像コンテンツ情報104への挿入は、例えば、図9に示すように行うこともできる。図9において、例えば心拍数の変化をセンサ120で計測するように視聴者が身体に装着し、この装着状態にて映像コンテンツ情報104を視聴し、この心拍数センサ120からの測定信号を基に視聴者の興奮状態を生態興奮度ベクトルとして示す。この生態興奮度ベクトルを示すに際し、視聴者の初期状態と現在の状態の心拍数の差からどの程度の興奮状態にあるかを示す生態興奮度ベクトルを予め求めて変換行列データベース122に設定しておき、この変換行列データベース122を用いて生態興奮度ベクトルを算出する。尚、この変換行列データベース122の変換行列は、統計学習でもって求めることができる。
【0078】
そして、所定枚数(例えば、30枚)毎について視聴者の心拍数を測定し、この測定心拍数に基づき変換行列データベース122を用いてその時点における生態興奮度ベクトルの大きさが算出され、算出した生態興奮度ベクトルに対応した鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。この実施形態でも、生態興奮度ベクトルの大きさと挿入される鎮静化情報106との関係が鎮静化コードブック124に予め設定されており、この鎮静化コードブック124には、どのような鎮静化情報をどの程度の長さにするかが生態興奮度ベクトルの大きさとの関係で設定されており、設定されたこの鎮静化コードブック124における生態興奮度ベクトルの大きさと鎮静化情報106との関係を用いて、挿入される鎮静化情報106が選択され、選択された鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。尚、生態興奮度ベクトルの大きさが小さく、視聴者が平常状態であるときには、このような鎮静化情報106の埋め込みは不要となる。
【0079】
この場合においても、鎮静化情報106の埋め込みは、映像コンテンツ情報104の全体にわたって行われ、このようにして鎮静化情報106が組み込まれた映像・サウンドコンテンツ102が制作され、このような方法を用いれば、映像コンテンツ情報104に最適な鎮静化情報106を自動的に組み込むことができ、視聴中における視聴者の興奮状態を効果的に抑えることができ、視聴者にとって安心な映像・サウンドコンテンツを提供することができる。
【0080】
次に、映像・サウンド視聴システムを視聴することによって生じる視聴者の興奮状態を確認するために、また映像・サウンド視聴システムを視聴した後に鎮静化情報を視聴することにより視聴者の興奮状態が鎮静化することを確認するために、次の通りの実験を行った。
【0081】
この実験に用いた映像・サウンド視聴システムとしての3D映像・サウンド視聴システムとして54型のプラズマディスプイテレビを用いた。このプラズマディスプレイテレビは、フルハイビジョン対応のもので、同期シャッタ型のメガネを装着することによって、3Dコンテンツ情報を立体的に視聴できるものであった。
【0082】
3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)として、図6に示す三つのカテゴリーのものを選択してそれぞれ一時間の3Dコンテンツ情報を作成した。カテゴリーA(刺激度が弱い第1レベル)のものとしては、比較的遠くから撮影されていて動きの小さいものであって、農村風景のものを用い、カテゴリーB(刺激度が中程度である第2レベル)のものとしては、一部のオブジェクトの動きが速いものであって、海中を泳ぐ魚のものを用い、またカテゴリーC(オブジェクトが人物で全体的に速く動くものであって、プロレス中継のものを用いた。
【0083】
まず、三つのカテゴリーA,B,Cの3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)を視聴することにより、視聴者の興奮状態に変化が現れたかを調べた。この実験では、10人の学生モニターを使って行った。興奮状態の検証として、三つのカテゴリーA,B,Cの3Dコンテンツ情報を1時間、2時間及び4時間継続して視聴させ、視聴直後に「百ます計算テスト」を行って有意差が現れるかを調べた。
【0084】
「百ます計算」は、人間が生産的な活動を行う際の能力低下を測定するのに用いられており、この「百ます計算」を3分間行って正解数で評価し、平常時の正解数を「100」として相対値でもって評価した。
【0085】
興奮状態の有意差に関する実験結果は、図10に示す通りであり、図10における相対値は、学生モニター10人の平均値を示している。図10の結果から明らかなように、カテゴリーC(第3レベル)の3Dコンテンツ情報を視聴した場合、1時間の視聴で能力が約70%まで低下し、4時間の視聴で能力が約50%まで低下しており、3Dコンテンツ情報の視聴直後においては興奮状態が残存していて、「百ます計算テスト」に集中することことができないことが判る。このことから、3Dコンテンツ情報の視聴は、脳に及ぼす影響が大きいことが推測される。カテゴリーA,Bの3Dコンテンツ情報の視聴後においても能力低下が見られるが、3Dコンテンツ情報の刺激度が小さくなるに従って、能力低下の度合も小さくなり、脳に及ぼす影響も小さいことが推測される。
【0086】
以上の結果から、刺激度の強い3Dコンテンツ情報を長時間継続して視聴すると、集中力と知的生産能力に低下をもたらすことが判る。そのために、能力をいち早く回復させるための手段を講ずることが望ましく、このような手段を講ずることによって脳への影響も小さくなることが期待できる。特に、成長期の子供の脳は、シナプスが活発に増殖しているので、3Dコンテンツ情報の視聴後の興奮状態から速く回復させることが重要であると思われる。
【0087】
次に、カテゴリーC(第3レベル)の3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)を4時間視聴させた後に、鎮静化させるための手段を講じて、視聴者の興奮状態の鎮静化に変化が現れたかを調べた。この実験でも、10人の学生モニターを使って行った。興奮状態の鎮静化の検証として、三つのカテゴリーCの3Dコンテンツ情報を4時間継続して視聴させ、視聴直後から鎮静化を行い、鎮静化直後に「百ます計算テスト」を行って有意差を調べた。鎮静化させるための手段としては、一つとして何もしない、他の一つとして静かな部屋でアイマスクをして静かに休む、残りの一つとして鎮静化情報を視聴するとの三つの様式でそれぞれ行った。鎮静化情報としては、自然映像(2D映像鎮静化情報)とクラシック音楽(サウンド鎮静化情報)を用いたものを用いた。そして、この実験においても、「百ます計算」を3分間行って正解数で評価し、平常時の正解数を「100」として相対値でもって評価した。
【0088】
興奮状態の鎮静化の有意差に関する実験結果は、図11に示す通りであり、図11における相対値も、学生モニター10人の平均値を示している。図11の結果から明らかなように、鎮静化情報を5分間視聴することによって、約50%まで低下していた能力が約90%まで回復し、この鎮静化情報を約10分視聴することによって約100%まで回復することが確認できた。次に効果的であったのがアイマスクを付けて休むことであり、目と耳からの刺激を一切無くす方法であるが、何もしない場合とほとんど変わらない結果であった。これらのことから、鎮静化情報を視聴することは、興奮とは逆の刺激(逆移送の信号)を脳に加えることに相当し、積極的に元の平常状態に戻す手法となるので、興奮状態の鎮静化についての効果が大きいと考えられる。
【符号の説明】
【0089】
2 映像・サウンドコンテンツ情報データベース
4 鎮静化情報データベース
6 コントローラ
8 操作装置
10 画像・映像情報出力手段
12 サウンド情報出力手段
14a,14b,14c 3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)
16a,16b,16c 2Dコンテンツ情報(2D映像・サウンドコンテンツ情報)
18a,18b,18c,18n 鎮静化情報
28 鎮静化時間演算手段
32 興奮度演算手段
34 鎮静化情報強制挿入手段
40 興奮状態測定手段
52 ゲーム装置
102 映像・サウンドコンテンツ
104 映像コンテンツ情報
106,108 鎮静化情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(三次元)映像などの映像・サウンドコンテンツ、これを製作する方法、これを記録した記録媒体及び映像・サウンドコンテンツを視聴する映像視聴システム並びに鎮静化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像・サウンドコンテンツを立体的に視聴する3D(三次元)映像・サウンド視聴システム、例えば3Dテレビの本格的普及時代を迎え、3D映像・サウンド視聴による人体又は脳への悪影響が心配され、3D映像・サウンド視聴に関する指針が示されている(例えば、非特許文献1参照)。指針として3つのガイドライン、即ち視聴者に周知すべきガイドライン(視聴姿勢や視聴時間、低年齢層への配慮などに関するガイドライン)、コンテンツ制作者のためのガイドライン(ディスプレイの寸法と視差情報の関係や、撮影時に使用するカメラの同期などに関するガイドライン)及び製造者のためのガイドライン(左目が受けるべき映像と右目が受けるべき映像が一時的に混在することによって起こるストロークをなるべく小さくすることや、時分割表示方式をとったときの推奨周波数などに関するガイドライン)が示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3DC安全ガイドライン(産業技術総合研究所)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなガイドラインは、一応の目安として示されているが、視聴時間などにおいて守られ難く、このような場合、人体や脳などへの悪影響が心配される。
【0005】
そこで、このようなガイドラインの他に、3D映像・サウンドコンテンツ視聴に伴う興奮状態を鎮めるための鎮静化手段が求められる。このような問題は、3D映像・サウンドコンテンツ視聴において生じるのみならず、格闘シーンなどを多く含む2D映像・サウンドコンテンツ視聴においても生じ、ゲーム装置用いて長時間継続してゲームを行う場合などにおいても生じる。
【0006】
本発明の目的は、3D映像・サウンドコンテンツ視聴などに伴う興奮状態を鎮静化することができる映像・コンテンツ視聴システム及び鎮静化方法を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、3D映像・コンテンツ視聴などの視聴に伴う興奮状態を抑えることができる映像・サウンドコンテンツ、これを製作する方法及びこれを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の映像・サウンド試聴システムは、映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための映像・サウンドコンテンツ情報供給手段と、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報供給手段と、前記映像・サウンドコンテンツ情報及び前記鎮静化情報を所要の通りに情報処理するためのコントローラと、前記鎮静化情報を出力するための鎮静化情報出力手段と、を備え、
前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の映像・サウンド視聴システムでは、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報は、映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報及び香り鎮静化情報のいずれか一つ又はこれらの二つ以上の組合せであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の映像・サウンド視聴システムでは、前記コントローラは、前記鎮静化情報を強制的に挿入するための鎮静化情報強制挿入手段を含み、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報を所定設定時間継続して視聴したとき、又は前記映像・サウンドコンテンツ情報を視聴中に興奮度レベルが所定レベル以上に興奮したときに、前記鎮静化情報強制挿入手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の映像・サウンド視聴システムでは、前記コントローラは、視聴者を鎮静させるに要する時間を演算するための鎮静化時間演算手段を含み、前記鎮静化時間演算手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の刺激度及び前記映像・サウンドコンテンツを継続して視聴した継続視聴時間に基づいて前記鎮静化時間を演算し、前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後に前記鎮静化時間の間継続して前記鎮静化情報を情報処理して前記鎮静化出力手段から出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の映像・サウンドコンテンツは、視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報と、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の映像・サウンドコンテンツでは、前記鎮静化情報は、前記映像・サウンドコンテンツ情報の後に挿入されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の映像・サウンドコンテンツでは、前記映像・サウンドコンテンツ情報は、多数の映像コンテンツフレームから構成され、前記鎮静化情報は、一つ又は複数の鎮静化フレームから構成され、前記多数の映像コンテンツフレームの所定枚数毎に前記鎮静化フレームが挿入されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項8に記載の映像・サウンドコンテンツでは、前記多数の映像コンテンツフレームの各映像コンテンツフレームは、その映像内容に基づいて興奮度の強さを示す興奮度ベクトルとして示され、前記興奮度ベクトルの積算値が所定興奮度レベルを超えると、前記多数の映像コンテンツフレームの間に前記鎮静化フレームが挿入されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項9に記載の映像・サウンドコンテンツの製作方法は、視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報に、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報を組み込むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項10に記載の記録媒体は、請求項5〜8のいずれかに記載の映像・サウンドコンテンツが記録されたことを特徴とする。
【0018】
更に、本発明の鎮静化方法は、映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、鎮静化情報を出力して視聴者の興奮状態を鎮静化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1に記載の映像・サウンド視聴システム及び請求項11に記載の鎮静化方法によれば、映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後に、鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力するので、映像・サウンドコンテンツ視聴後の視聴者の興奮状態が、この鎮静化情報の出力によってアクティブに鎮静化され、短時間のうちに興奮状態を抑えて人体、脳などへの悪影響を少なくすることができる。この鎮静化情報供給手段からの鎮静化情報の供給は、映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に行うようにしてもよく、このときには、映像・サウンド視聴中の視聴者の興奮状態が、この鎮静化情報の出力によって、短時間のうちに抑えられる。例えば、3D映像・サウンドコンテンツ情報及び格闘シーンなどが多い2D映像・サウンドコンテンツ情報を視聴すると興奮状態になり易く、このような興奮状態を抑えるために鎮静化が図られ、これらの映像コンテンツ情報の視聴の際に鎮静化を図るのが望ましい。また、ゲーム装置を用いてゲーム用映像・サウンドコンテンツ情報を見ながらゲームを行うときには、そのゲームに夢中になって興奮状態になり易く、このようなときにも視聴者(遊戯者)の興奮状態を効果的に抑えることができる。
【0020】
鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報とは、例えば、2D(二次元)映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報、香り鎮静化情報などである。映像・サウンド情報とは、画像〔映像(motion picture)と画像(still picture)とを含む)とサウンドとが組み合わされた情報であって、映像・サウンド情報のうち鎮静効果のあるものが映像・サウンド鎮静化情報である。映像情報とは、動きのある画像情報であって、映像情報のうち鎮静効果のあるものが映像鎮静化情報であり、また画像情報とは、一枚ものの画像情報であって、画像情報のうち鎮静効果のあるものが画像鎮静化情報である。尚、映像情報と画像情報とを含めて画像情報と表現することもある。また、サウンド情報とは、音響情報(音楽を含む)と音声情報とを含み、このサウンド情報のうち鎮静効果のあるものがサウンド鎮静化情報である。映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報及びサウンド鎮静化情報を用いるときには、鎮静化情報出力手段として画像・映像情報出力手段及び/又はサウンド情報出力手段が用いられる。
【0021】
また、香り情報とは、視聴者の嗅覚で捉える情報であって、香り情報のうち鎮静効果のあるものが香り鎮静化情報である。この香り鎮静化情報を用いるときには、鎮静化出力手段として香り情報出力手段(例えば、香りを周囲に放出する装置)が用いられる。
【0022】
また、本発明の請求項2に記載の映像視聴システムによれば、鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報は、映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報及び香り鎮静化情報であるので、これらの鎮静化情報を鎮静化情報出力手段から出力することにより、視聴者の興奮した状態をアクティブに効果的に鎮静化することができる。尚、映像鎮静化情報とは、例えば、2D映像情報などであり、画像鎮静化情報とは、例えば、パターン画像情報、イメージ画像情報などであり、またサウンド鎮静化情報とは、例えば、クラシック音楽などである。
【0023】
また、本発明の請求項3に記載の映像・サウンド視聴システムによれば、映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される映像・サウンドコンテンツ情報を所定設定時間継続して視聴したときには、視聴者は興奮状態になっており、このようなときには、鎮静化情報強制挿入手段は、映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される映像・サウンドコンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、そして鎮静化情報供給手段から供給される鎮静化情報を情報処理し、このように鎮静化情報を処理することによって、視聴者の興奮状態を効果的に抑えることができる。また、鎮静化情報供給手段からの鎮静化情報は、視聴者の視聴中における興奮度レベルが所定レベル以上になったときに上述したと同様にすることによって、視聴中における過度の興奮状態になることを未然に抑えることができる。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の映像・サウンド視聴システムによれば、鎮静化時間演算手段は、映像・サウンドコンテンツ情報の刺激度及びその映像・サウンドコンテンツを継続して視聴した継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算するので、映像・サウンドコンテンツを視聴した後の視聴者の興奮状態を推測し、この興奮状態を通常の状態に戻すに要する鎮静化時間を視聴した映像・サウンドコンテンツに対応して設定することができる。また、コントローラは、映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後にこの鎮静化時間の間継続して鎮静化情報を情報処理するので、視聴した映像・サウンドコンテンツによる興奮状態を適切に鎮静化することができる。
【0025】
また、本発明の請求項5に記載の映像・サウンドコンテンツ及び請求項9の製作方法によれば、映像・サウンドコンテンツ情報に加えて鎮静化情報を含んでいるので、この鎮静化情報によって興奮状態の鎮静化が図られ、映像・サウンドコンテンツを視聴した後においては興奮状態が抑えられており、視聴による興奮状態を自然に抑えることができる。
【0026】
また、本発明の請求項6に記載の映像・サウンドコンテンツによれば、鎮静化情報が映像・サウンドコンテンツ情報の後に挿入されているので、映像・サウンドコンテンツを視聴した後において視聴者の興奮状態を抑えて元の状態に戻すことができる。
【0027】
また、本発明の請求項7に記載の映像・サウンドコンテンツによれば、多数の映像コンテンツフレームの所定枚数(例えば、30〜100枚)毎に鎮静化フレームが挿入されているので、視聴中において興奮状態となることが抑えられる。また、鎮静化情報が一つ又は複数の鎮静化フレームから構成されているので、鎮静化情報の出力時間は短く、この鎮静化情報を気にせずに映像・サウンドコンテンツ情報を視聴することができる。
【0028】
また、本発明の請求項8に記載の映像・サウンドコンテンツによれば、映像コンテンツフレームは、その映像内容に基づいて興奮度ベクトルとして示され、この興奮度ベクトルの積算値が所定興奮度レベルを超えると、多数の映像コンテンツフレームの間に鎮静化フレームが挿入されるので、映像・サウンドコンテンツの視聴中に視聴者が異常な興奮状態となることを抑えることができる。
【0029】
また、本発明の請求項10に記載の記録媒体によれば、請求項5〜8のいずれかに記載の映像・サウンドコンテンツが記録されているので、この記録媒体を視聴することによる興奮状態の発生を自然に抑えることができる。尚、この記録媒体とは、DVD、ビデオテープ、ブルーレイディスク、CD−ROM、HDD、SDメモリなどである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に従う映像・サウンド視聴システムの一例としての3D映像・サウンド視聴システムの一実施形態を示すブロック図。
【図2】図1の3D映像・サウンド視聴システムにおけるコンテンツ情報データベースを具体的に示すブロック図。
【図3】図1の3D映像・サウンド視聴システムにおける鎮静化情報データベースを具体的に示すブロック図。
【図4】図1の3D映像視聴システムにおけるコントローラ及び操作装置を具体的に示すブロック図。
【図5】図1の3D映像・サウンド視聴システムにおける視聴の流れを示すフローチャート。
【図6】コンテンツ情報データベースに収納された3Dコンテンツ情報のカテゴリーとその刺激度との関係を示す図。
【図7】本発明に従う映像・サウンドコンテンツの一例の内容を簡略的に示す図。
【図8】図7の映像・サウンドコンテンツを制作する工程の一例の流れを示す製作工程図。
【図9】図7の映像・サウンドコンテンツを製作する工程の他の例の流れを示す製作工程図。
【図10】3D映像・サウンドコンテンツ情報を視聴した視聴時間と視聴直後に行った百ます計算能力との関係を示す図。
【図11】3D映像・サウンドコンテンツ情報を視聴した後に興奮状態の鎮静化を行ったときの鎮静化時間と鎮静化直後に行った百ます計算能力との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う映像・サウンドコンテンツ、その製作方法及びこれを記録した記録媒体の実施形態、更には映像・サウンドコンテンツを視聴するための映像・サウンド視聴システム及び鎮静化方法の実施形態について説明する。
【0032】
図1において、図示の映像・サウンド視聴システムは、3D映像・サウンドコンテンツを視聴するためのシステムであり、視聴者が視聴するコンテンツ情報が収納されたコンテンツ情報データベース2と、視聴者の興奮状態を鎮静化する鎮静化情報が収納された鎮静化情報データベース4と、これらコンテンツ情報及び鎮静化情報を情報処理して後述する如く出力するためのコントローラ6と、コントローラ6を操作するための操作装置8と、画像・映像情報を出力するための画像・映像情報出力手段10と、サウンド情報を出力するためのサウンド情報出力手段12と、を含んでいる。画像・映像情報出力手段10とは、3D(三次元)映像情報(動きのある情報)及び2D(二次元)映像情報(動きのある情報)、2D画像情報(一枚ものの情報)を表示することが可能なディスプレイであって、例えば3D液晶表示装置、3Dプラズマ表示装置などであり、またサウンド情報出力手段12とは、サウンド情報(音響情報及び音声情報を含む)を出力することが可能なスピーカ装置などである。
【0033】
次に、図1及び図2を参照してコンテンツ情報データベース2について説明すると、このコンテンツ情報データベース2は、サーバ、HDD(ハードディスク駆動装置)などから構成され、3D映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための3D映像・サウンドコンテンツ情報供給手段を構成する。この実施形態では、コンテンツ情報データベース2には、複数の3Dコンテンツ情報、例えば第1の3D映像・サウンドコンテンツ情報14a、第2の3D映像・サウンドコンテンツ情報14b、第3の3D映像・サウンドコンテンツ情報14c・・・が収納されているとともに、複数の2Dコンテンツ情報、例えば第1の2D映像・サウンドコンテンツ情報16a、第2の2D映像・サウンドコンテンツ情報16b、第3の2D映像・サウンドコンテンツ情報16c・・・が収納されている。
【0034】
複数の3Dコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)には、3D映像情報及びサウンド情報が含まれているとともに、映像情報の刺激度情報、即ちその映像情報を視聴者が視聴することによって受ける刺激度のレベル情報が含まれている。また、複数の2Dコンテンツ情報(16a,16b,16c・・・)には、2D映像情報及びサウンド情報が含まれている。
【0035】
この実施形態では、コンテンツ情報データベース2には、複数の3Dコンテンツ情報及び2Dコンテンツ情報の双方が含まれているが、3Dコンテンツ情報のみを収納するようにしてもよい。また、3D映像・サウンドコンテンツ情報供給手段をコンテンツ情報データベース2から構成するものに適用して説明しているが、このような構成に限定されず、3Dコンテンツ情報を記録した記録媒体(例えば、DVD、ブルーレイデスク、SDメモリなど)を再生するための映像・サウンド情報再生装置、3Dコンテンツ情報を配信するための映像・サウンド情報配信装置、3Dコンテンツ情報を放送するための映像・サウンド情報放送装置などから構成するものにも同様に適用することができる。
【0036】
また、図1及び図3を参照して鎮静化情報データベース4について説明すると、この鎮静化情報データベース4は、サーバ、HDD、メモリ手段などから構成され、コンテンツ情報データベース2の一部に鎮静化情報データベース4を一体的に組み込むようにしてもよい。この鎮静化情報データベース4は、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報供給手段を構成し、この実施形態では、鎮静化情報データベース4には、複数の鎮静化情報、例えば第1の鎮静化情報18a、第2の鎮静化情報18b、第3の鎮静化情報18c・・・が収納されているとともに、特定鎮静化情報18nが収納されている。
【0037】
複数の鎮静化情報(18a,18b,18c・・・18n)には、映像鎮静化情報及びサウンド鎮静化情報が含まれている。鎮静化情報に含まれた映像鎮静化情報とは、視聴者の興奮状態を鎮静化するのに効果的な映像情報(2D映像情報)であって、例えば大自然風景の映像情報、田舎風景の映像情報などであり、またサウンド鎮静化情報とは、視聴者の興奮状態を鎮静化するのに効果的なサウンド情報であって、例えばクラシック音楽の音響情報、童謡音楽の音響情報、静かに語りかける音声情報などである。この実施形態では、後に説明するように、鎮静化のために視聴する鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)を選択したときには、選択した鎮静化情報が出力されるが、鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)を選択しないときには、特定鎮静化情報18nが出力される。
【0038】
この実施形態では、鎮静化情報データベース4には、複数の鎮静化情報が含まれているが、一つの鎮静化情報のみを収納するようにしてもよい。また、これら鎮静化情報には映像鎮静化情報及びサウンド鎮静化情報の双方を含めているが、一部又は全部の鎮静化情報を映像鎮静化情報のみから構成してもよく、或いは一部又は全部の鎮静化情報をサウンド鎮静化情報のみから構成してもよい。尚、映像鎮静化情報に代えて画像鎮静化情報を用いるようにしてもよく、この画像鎮静化情報としては、パターン画像情報(例えば、特定色のパターン画像情報)、イメージ画像情報などでよい。また、鎮静化情報として香り鎮静化情報を用いるようにしてもよく、この場合、鎮静化情報出力手段として香り情報出力手段が用いられ、例えば、鎮静効果のある香りを発生する香り発生装置(香り放出装置)が用いられる。
【0039】
次に、図1ととともに図4を参照して、コントローラ6及び操作装置8について説明する。コントローラ6は、システム全体を制御するためのマイクロコンピュータなどから構成され、コンテンツ情報読出し手段20、鎮静化情報読み出し手段22、画像・映像情報処理手段24及びサウンド情報処理手段26を備えている。コンテンツ情報読出し手段20は、コンテンツ情報データベース2から選択された3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を読み出し、読み出された3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)の3D映像情報(又は2D映像情報)は、画像・映像情報処理手段24にて所要の通りに画像処理された後に画像・映像情報出力手段10にて3D画像(又は2D画像)として表示され、また読み出された3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)のサウンド情報は、サウンド情報処理手段26にて所要の通りに情報処理された後にサンド情報出力手段12から出力される。
【0040】
また、鎮静化情報読出し手段22は、鎮静化情報データベース4から選択された鎮静化情報を読み出し、読み出された鎮静化情報の鎮静化画像情報は、画像処理手段24にて所要の通りに画像処理された後に画像情報出力手段10にて鎮静化画像として表示され、また読み出された鎮静化情報の鎮静化音声情報は、音声情報処理手段26にて所要の通りに情報処理された後に音声情報出力手段12から出力される。
【0041】
このコントローラ6は、更に、鎮静化時間演算手段28、鎮静化時間設定手段30、興奮度演算手段32、鎮静化情報強制挿入手段34、計時手段36及びメモリ手段38を含んでいる。鎮静化時間演算手段28は、コンテンツ情報データベース2の3Dコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)を視聴した後に、視聴した3Dコンテンツ情報の刺激度及びその3Dコンテンツ情報を継続して視聴した継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算し、鎮静化時間設定手段30は、鎮静化時間演算手段28により演算された鎮静化時間を、視聴者の興奮状態を鎮静化させるために鎮静化情報を視聴すべき鎮静化時間として設定し、計時手段36は、時刻情報に基づいて時間を計時する。
【0042】
コンテンツ情報データベース2に格納された3Dコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)は、例えば、図6に示すように、コンテンツ刺激度が弱い(第1レベル)カテゴリーAのもの、コンテンツ刺激度が中程度である(第2レベル)カテゴリーBのもの、コンテンツ刺激度が強い(第3レベル)カテゴリーCのものに区別される。カテゴリーA(第1レベル)のものとしては、刺激的な動きがほとんどないコンテンツ情報であり、例えば、農村風景、自然風景などのコンテンツ情報、世界遺産、神社仏閣などのコンテンツ情報、宇宙映像などのコンテンツ情報などであり、またカテゴリーB(第2レベル)のものとしては、刺激的な動きが少しあるコンテンツ情報であり、例えば海中遊泳、登山などのコンテンツ情報、野球やサッカーなどのスポーツ中継のコンテンツ情報などであり、更にカテゴリーC(第3レベル)のものとしては、刺激的な動きが多いコンテンツ情報であり、例えばプロレス、ボクシングなどの格闘スポーツ中継のコンテンツ情報、冒険アクション映画のコンテンツ情報などである。尚、この形態では、コンテンツ情報を三段階のカテゴリーに分類しているが、四段階又は5段階以上に分類するようにしてもよい。
【0043】
コンテンツ情報のこの刺激度は、例えば、3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)の製作ときに決定され、刺激度情報として3Dコンテンツ情報に予め含まれる。このコンテンツ刺激度は、視聴に与える興奮状態に密接に関連し、刺激度の弱いものでは、例えば4時間程度の長時間にわたって継続して視聴しても視聴者の興奮状態はあまり高まらないが、刺激度の高いものでは、例えば1時間程度の短時間にわたって視聴することによって、視聴者の興奮度は高まるようになる。
【0044】
このようなことから、この実施形態においては、刺激度の低いもの(第1レベル)を例えば1時間継続して視聴することを一つの基準とし、カテゴリーAの3Dコンテンツ情報を1時間以上視聴したときには、鎮静化時間演算手段28は、3Dコンテンツ情報の刺激度(刺激度のレベル)及び3Dコンテンツ情報の継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算し、その演算結果に基づき、鎮静化時間設定手段30は、例えば表1に示す通りの鎮静化時間を設定する。尚、この鎮静化時間を演算するための鎮静化視聴時間演算データは、コントローラ6のメモリ手段38に予め登録される。
【0045】
【表1】
また、この実施形態では、興奮度演算手段32は、3D映像コンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)を視聴中において視聴者の興奮度を演算し、この興奮度は、上述したと同様に、視聴中の3Dコンテンツ情報の刺激度及びその3Dコンテンツ情報を継続して視聴した継続視聴時間に基づいて興奮度を演算する。刺激度の弱いものでは長時間にわたって継続して視聴しても視聴者の興奮状態はあまり高まらないが、刺激度の高いものでは短時間にわたって視聴することによって、視聴者の興奮状態は高まる。このようなことから、この実施形態では、コンテンツ刺激度が弱い(第1レベル)カテゴリーAのものではその係数αが例えば「1」と、コンテンツ刺激度が中程度である(第2レベル)カテゴリーBのものではその係数αが例えば「1.5」と、また、コンテンツ刺激度が強い(第3レベル)カテゴリーCのものではその係数αが「2」と設定され、興奮度演算手段32は、次のようにして視聴中の興奮度Pを演算する。
【0046】
興奮度P=(コンテンツ情報の係数α)×(継続視聴時間h) ・・・(1)
そして、この興奮度演算手段32により演算された興奮度Pが興奮度しきい値以上になると、コントローラ6は鎮静化情報挿入信号を生成し、鎮静化情報強制挿入手段34は、コンテンツ情報データベース2から供給された3D映像コンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、この3D映像コンテンツ情報に代えて、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出して情報処理し、この鎮静化情報データの鎮静化映像情報を画像・映像情報出力手段10に表示するとともに、その鎮静化サウンド情報をサウンド情報出力手段12から出力し、このように鎮静化情報を処理することによって、視聴中において視聴者の興奮状態を鎮静化して過度の興奮状態を抑えることができる。
【0047】
この実施形態では、興奮度しきい値データとして例えば「6」がメモリ手段38に登録されている。従って、カテゴリーCのものを継続して例えば3時間視聴すると、興奮度演算手段32により演算された興奮度Pは「6」となり、またカテゴリーBのものを継続して例えば4時間視聴すると、興奮度演算手段32により演算された興奮度Pは「6」となり、これらの場合、視聴者が過度の興奮状態になっていると予測し、コントローラ6は鎮静化情報挿入信号を生成し、鎮静化情報強制挿入手段34は、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出して情報処理する。この実施形態では、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出しているが、このような構成に代えて、鎮静化情報データベース4に格納された鎮静化情報(18a,18b,18c・・・18n)の一つ、例えば特定鎮静化情報18nを読み出して情報処理するようにしてもよい。
【0048】
このシステムでは、視聴者の興奮状態を直接的に測定するように構成されている。更に説明すると、視聴者の興奮状態を測定するための興奮状態測定手段40が設けられ、この興奮状態測定手段40からの測定情報がコントローラ6に送給される。興奮状態測定手段40として例えば心拍数測定センサが用いられ、この心拍数測定センサが3D映像を見る際に用いられる同期シャッタ型のメガネ(図示せず)に組み込まれ、メガネを装着した状態にて視聴者の心拍数を心拍数測定センサで計測し、その計測した心拍数に基づいて視聴者の興奮状態を調べる。視聴者は興奮状態になると、その心拍数が上昇し、視聴者の興奮状態とその心拍数とは密接な関係にあることから、このような関係を利用して興奮状態を計測する。
【0049】
この実施形態では、興奮状態しきい値データとして、例えば「心拍数80」がメモリ手段38に登録されている。興奮状態測定手段40からの計測心拍数が80以上になると、上述したと同様に、コントローラ6は鎮静化情報挿入信号を生成する。かくすると、上述したと同様に、鎮静化情報挿入信号に基づき、鎮静化情報強制挿入手段34は、コンテンツ情報データベース2から供給された3D映像コンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、メモリ手段38に登録された鎮静化情報データを読み出して情報処理し、この鎮静化情報データの鎮静化映像情報を画像・映像情報出力手段10に表示するとともに、その鎮静化サウンド情報をサウンド情報出力手段12から出力し、このように鎮静化情報を処理することによって、視聴中の視聴者の実際の興奮状態を調べながら過度の興奮状態を鎮静化して抑えることができる。尚、この形態では、興奮状態と心拍数との密接な関係を利用しているが、興奮状態と血圧との間にも密接な関係があり、興奮状態と血圧との関係を利用して興奮状態を測定するようにしてもよく、この場合、興奮状態測定手段40として血圧測定センサが用いられる。興奮状態と脳波、血流、瞳孔、体温、発汗、顔色などとの間でも密接な関係があり、上述の心拍数、血圧に代えて、この脳波、血流、瞳孔、体温、発汗、顔色などを測定して用いるようにしてもよく、これらの任意の二つ以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0050】
操作装置8は、コントローラ6を所要の通りに操作制御するために設けられる。図示の操作装置8は、例えば操作リモコン、操作パネル装置などから構成され、電源スイッチ42、データベース選択手段44、3D・2D選択ボタン46、情報選択ボタン48及び情報終了ボタン50を含んでいる。電源スイッチ42は、システムの電源をオン、オフするためのもので、この電源スイッチを押圧操作するとシステムがオンとなり、再度押圧操作するとオフとなる。データベース選択ボタン44は、コンテンツ情報データベース2及び鎮静化情報データベース4を選択するためのものであり、押圧操作する毎にコンテンツ情報データベース2及び鎮静化情報データベース4が交互に選択される。3D・2D選択ボタン46は、コンテンツ情報データベース2を選択した場合において3Dコンテンツ情報及び2Dコンテンツ情報を選択するためのものであり、押圧操作する毎に3Dコンテンツ情報及び2Dコンテンツ情報が交互に選択される。また、情報選択ボタン48は情報を選択するためのものであり、コンテンツ情報データベース2の3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を選択した場合において押圧操作することによって複数の3Dコンテンツ情報14a,14b,14c・・・(又は2Dコンテンツ情報16a,16b,16c・・・)のうちの任意の一つを選択し、また鎮静化情報データベース4を選択した場合において押圧操作することによって複数の鎮静化情報18a,18b,18c・・・のうちの任意の一つを選択する。更に、情報終了ボタン50は、情報の映像視聴を終了するためのものであり、コンテンツ情報データベース2からのコンテンツ情報(3Dコンテンツ情報又は2Dコンテンツ情報)を視聴しているときには、押圧操作することによって、このコンテンツ情報の供給が終了し、鎮静化情報データベース4からの鎮静化情報が出力されているときには、押圧操作することによって、この鎮静化情報の供給が終了する。
【0051】
この実施形態では、更に、コントローラ6にゲーム装置52が接続可能に構成され、ゲーム装置52からのゲーム用映像・サウンドコンテンツ情報が、コンテンツ情報データベース2からの3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)と同様にコントローラ6にて情報処理されて画像・映像情報出力手段10及びサウンド情報出力手段12から出力されるように構成されている。ゲーム装置52は、ゲームソフトを処理するためのマイクロプロセッサなどが内蔵されたゲーム機本体54と、遊戯者がゲームの際に操作するゲーム操作装置56とを含み、ゲーム操作装置56を操作することにより生じる操作信号に基づいてゲーム機本体54にて信号処理され、信号処理された映像・サウンドコンテンツ情報のうち映像情報がコントローラ6を介して画像・映像情報出力手段10から出力され、そのサウンド情報がコントローラ6を介してサウンド情報出力手段12から出力される。
【0052】
このようなゲーム装置54における鎮静化情報とは、ゲームの表現を変える情報、例えば3D用のゲーム情報を2D用のゲーム情報に切り換える情報、ゲームの内容を切り換える情報(例えば、ゲームのストーリーを刺激の少ないものに切り換える情報)、ゲームのスピードを変える情報、ゲームの展開を変える情報(例えば、次のステージに進むことができない情報)ゲームを強制的に中止する情報などであり、このような鎮静化情報を生成して出力する(このような鎮静化情報の信号を出力するものが、本発明における鎮静化情報出力手段を構成する)ことによって、ゲームに夢中になって興奮状態が高まるのを鎮静化して平常心に戻すことができる。
【0053】
次に、主として図1、図4及び図5を参照して、この3D映像・サウンド視聴システムにおける映像視聴の流れについて説明する。コンテンツ情報データベース2のコンテンツ情報を視聴するには、操作装置8の電源スイッチ42をオン操作し(ステップS1)、視聴したいコンテンツ情報を選択する(ステップS2)。このコンテンツ情報を選択するには、データベース選択ボタン44を操作してコンテンツ情報データベース2を選択し、3D・2D選択ボタン46を操作して3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を選択し、更に情報選択ボタン48を操作して視聴したい3Dコンテンツ情報(又は2Dコンテンツ情報)を選択する。
【0054】
視聴したいコンテンツ情報が2Dコンテンツ情報(2D映像・サウンドコンテンツ情報)である場合、ステップS3からステップS4に進み、選択した2Dコンテンツの視聴が行われる(ステップS4)。即ち、コントローラ6のコンテンツ情報読出し手段20は、コンテンツ情報データベース2から選択された2Dコンテンツ情報を読み出し、画像・映像情報処理手段24は2Dコンテンツ情報の2D映像情報を情報処理し、情報処理された2D映像情報が画像・映像情報出力手段10から出力されるとともに、サウンド情報処理手段26は2Dコンテンツ情報のサウンド情報を情報処理し、情報処理されたサウンド情報がサウンド情報出力手段12から出力され、視聴者はこのようにして選択した2Dコンテンツ情報を視聴することができる。
【0055】
そして、2Dコンテンツ情報の視聴を終了すると、ステップS5からステップS6に進み、電源スイッチ42をオフ操作することによってシステムの電源がオフとなり、このようにして映像視聴システムによる視聴が終了する。尚、2Dコンテンツ情報の視聴終了とは、選択した2Dコンテンツ情報の供給が終了する、又は操作装置8の情報終了ボタン50を操作して2Dコンテンツ情報の供給を強制的に終了させることであり、このような2Dコンテンツ情報の視聴においては、視聴者は過度に興奮状態になることはなく、従って興奮状態の鎮静化のための手段が適用されることはない。
【0056】
尚、この実施形態では、2Dコンテンツ情報については鎮静化情報による鎮静化が行われないが、上述したように2Dコンテンツ情報を視聴したときにも情報の種類によっては視聴者が興奮状態になることがあり、このような2Dコンテンツ情報については、次に説明する3Dコンテンツ情報と同様にして視聴者の鎮静化を図るのが望ましい。
【0057】
一方、視聴したいコンテンツ情報が3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)である場合、ステップS3からステップS7に進み、選択した3Dコンテンツの視聴が行われる(ステップS7)。即ち、コントローラ6のコンテンツ情報読出し手段20は、コンテンツ情報データベース2から選択された3Dコンテンツ情報を読み出し、画像・映像情報処理手段24は3Dコンテンツ情報の3D映像情報を情報処理し、情報処理された3D映像情報が画像・映像情報出力手段10から出力されるとともに、サウンド情報処理手段26は3Dコンテンツ情報のサウンド情報を情報処理し、情報処理されたサウンド情報がサウンド情報出力手段12から出力される。このとき、視聴者は、例えば同期シャッタ型のメガネを装着し、このような3D用メガネを装着することによって、選択した3Dコンテンツ情報を3D化して視聴することができる。
【0058】
そして、3Dコンテンツ情報の視聴を終了すると、ステップS8からステップS9に進み、視聴者の興奮状態を鎮静化すべき鎮静化時間の演算が行われ、演算された鎮静化時間が設定される(ステップS10)。このステップS8における3Dコンテンツ情報の視聴終了とは、選択した3Dコンテンツ情報の供給が終了する、又は操作装置8の情報終了ボタン50を操作して3Dコンテンツ情報の供給を強制的に終了させることである。
【0059】
鎮静化時間の演算は、コントローラ6の鎮静化時間演算手段28によって行われ、鎮静化時間演算手段28は、視聴した3Dコンテンツ情報の刺激度及びその3Dコンテンツ情報を継続して視聴した継続視聴時間に基づいて鎮静化時間を演算し、この演算結果に基づき、鎮静化時間設定手段30は、上記表1に示す通りの鎮静化時間を設定する。例えば、カテゴリーBの3Dコンテンツ情報を例えば2.5時間視聴したときには、鎮静化時間演算手段28による演算結果に基づき、鎮静化時間設定手段30は鎮静化時間として6分を設定する。
【0060】
このように鎮静化時間の設定が行われると、鎮静化情報の視聴が行われる(ステップS11)。即ち、コントローラ6の鎮静化情報読出し手段22は、鎮静化情報データベース4から選択された鎮静化情報を読み出し、画像・映像情報処理手段24は鎮静化情報の画像情報(画像鎮静化情報は2D映像情報を用いる)を情報処理し、情報処理された画像鎮静化情報が画像・映像情報出力手段10から出力されるとともに、サウンド情報処理手段26は鎮静化情報のサウンド鎮静化情報を情報処理し、情報処理されたサウンド鎮静化情報がサウンド情報出力手段12から出力され、視聴者はこのようにして鎮静化情報を視聴し、これによって、3Dコンテンツ情報視聴後の興奮状態が鎮静化されて元の平常な状態に短時間に戻るようになる。
【0061】
この鎮静化情報の視聴が鎮静化時間継続して行われると、ステップS12からステップS13に進み、電源スイッチ42をオフ操作することによってシステムの電源がオフとなり、このようにして映像視聴システムによる3Dコンテンツ情報の視聴が完全に終了し、このように完全に終了したときには、視聴者の興奮状態は鎮静化されて抑えられた状態となる。
【0062】
以上、上述した3D映像・サウンド視聴システムの一実施形態について説明したが、このような実施形態に限定されず、種々の変更乃至修正が可能である。
【0063】
例えば、上述した実施形態では、3D映像・サウンドコンテンツ視聴後の興奮状態の鎮静化、3D映像・サウンドコンテンツ視聴中の予測した興奮状態の鎮静化及び3D映像・サウンドコンテンツ視聴中の実際の興奮状態の鎮静化の三つの様式を備えているが、これら三つの様式の全てを必ずしも備える必要はなく、これらの任意の一つ又は任意の二つを備えることによって、所望の効果を得ることができる。
【0064】
上述した実施形態では、3D映像・サウンドコンテンツ視聴による興奮状態を元の状態に戻すために、この3D映像・サウンドコンテンツ視聴に関連させて興奮状態の鎮静化を図っているが、このような興奮状態は、2D映像・サウンドコンテンツ視聴する(例えば、格闘シーンを多く含む2D映像・サウンドコンテンツコンテンツ、冒険アクション2D映像・サウンドコンテンツなどを視聴する、又はゲームをしながらゲーム用2D映像・サウンドコンテンツなどを視聴する)ときにも生じ、従って、このような2D映像視聴のときにも、上述した3D映像視聴のときと同様に、視聴者の興奮状態を抑えて鎮静化を図るようにするのが望ましい。
【0065】
また、上述した実施形態では、3D映像・サウンド視聴システムに本発明が適用され、このシステムのコンテンツデータベース2にコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)が登録され、鎮静化情報データベース4に鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)が登録され、これら登録されたコンテンツ情報(14a,14b,14c・・・)及び鎮静化情報(18a,18b,18c・・・)が読み出されて視聴される構成であるが、このような構成に限定されず、映像・サウンドコンテンツ自体に本発明を適用することもでき、又は映像・サウンドコンテンツを記録する記録媒体に本発明を適用することもできる。
【0066】
次に、図7〜図9を参照して、本発明を映像・サウンドコンテンツに適用した実施形態について説明する。図7は、映像・サウンドコンテンツ、例えば3D映像・サウンドコンテンツを簡略的に示す図であり、この図7において、図示の3D映像・サウンドコンテンツ102は、全体として一つのコンテンツであり、この3D映像・サウンドコンテンツ102がDVD、ブルーレイディスクなどの記録媒体(図示せず)に記録されて販売などされ、この記録媒体に記録された映像・サウンドコンテンツ102を再生する再生装置(図示せず)を用いて再生して視聴される。
【0067】
この3D映像・サウンドコンテンツ102は、視聴者が視聴するための映像コンテンツ情報104(例えば、上述したシステムの実施形態におけるコンテンツ情報データベース2に登録された例えば3Dコンテンツ情報14a,14b,14c・・・に相当する)と、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報106,108(上述したシステムの実施形態における鎮静化情報データベース4に登録された鎮静化情報18a,18b,18c・・・に相当する)とを含み、これら映像コンテンツ情報104に鎮静化情報106,108が一体的に埋め込まれている。
【0068】
図7に示すように、この実施形態では、映像コンテンツ情報104に組み合わされる鎮静化情報は、映像コンテンツ情報104間に組み込まれる鎮静化情報106と映像コンテンツ情報104の終了後に組み合わされる鎮静化情報108との二種類が用いられている。この形態では、映像コンテンツ情報104は多数の映像コンテンツフレーム(例えば、1秒間の映像が例えば30フレームから構成される)から構成され、この映像コンテンツフレームの所定枚数、例えば30〜100枚の適宜の枚数(例えば、30枚)毎に鎮静化情報106が組み込まれる。従って、図7に示すように、映像コンテンツ情報104の第1番目の映像コンテンツ情報104a(例えば、最初の30枚の映像コンテンツフレーム)の後に鎮静化情報106が組み込まれ、第2番目の映像コンテンツフレーム104b(例えば、次の30枚の映像コンテンツフレーム)の後に鎮静化情報106が組み込まれ、このように例えば30枚の映像コンテンツフレームを一組の単位として鎮静化情報106が組み込まれる。尚、鎮静化情報の組み込み方法については、後述する。
【0069】
映像コンテンツ情報104の間に組み込まれる鎮静化情報106は、同一の鎮静化情報でもよく、この鎮静化情報は、例えば一つの鎮静化フレーム(例えば、一つのパターン画像フレーム、一つのイメージ画像フレーム)から構成され、映像コンテンツフレームの所定枚数毎に一つの鎮静化フレームが組み込まれる。
【0070】
鎮静化情報106は、一つ又は複数の鎮静化フレームから構成してもよく、視聴者の興奮状態が弱いときには、例えば一つの鎮静化フレームを挿入し、視聴者の興奮状態が高まったときには、複数枚、例えば二つ又は三つの鎮静化フレームを挿入し、興奮状態の高まり度合いが高くなるに伴い挿入する鎮静化フレームの枚数を多くするようにしてもよい。尚、挿入する鎮静化情報106は、映像コンテンツ情報104の視聴に実質上影響のないように組み込むのが望ましい。
【0071】
映像コンテンツ情報104の終了後に組み込まれる鎮静化情報108は、視聴後の興奮状態を抑えて元に戻すために組み込まれ、例えば3〜10分程度の適宜の時間継続して視聴するように映像コンテンツ情報104の後に含まれる。
【0072】
この実施例では、映像コンテンツ情報104の間に組み込むものと映像コンテンツ情報104の終了後に組み込むものとの二つ鎮静化情報106,108を適用しているが、これら二つを併せて適用する必要はなく、映像コンテンツ情報104の間に組み込むもの及び映像コンテンツ情報104の終了後に組み込むもののいずれか一方のみを適用することによって、映像コンテンツ102を視聴したときの興奮状態の鎮静化効果を得ることができる。
【0073】
次に、図8を参照して、鎮静化情報106を映像コンテンツ情報104間に挿入する組込み方法の一例について説明する。図8において、鎮静化情報106を組み込むに際し、この映像コンテンツ情報104を各映像コンテンツフレーム112(即ち、各映像シーン)に展開する。そして、各映像コンテンツフレーム112についてシーン要素分解し、各シーン要素と興奮度との関係をシーンコードブック114を用いて「興奮度」に変換する。この実施形態では、多数の映像コンテンツを基に統計解析にてシーンコードブック114が求められ、シーン要素と「興奮度」との関係がシーンコードブック114として予め設定されており、設定されたこのシーンコードブック114におけるシーン要素と「興奮度」との関係を用いて、映像コンテンツ情報104の各映像コンテンツフレーム112(即ち、シーン要素)について「興奮度」に変換され、変換された「興奮度」は興奮度ベクトルとして示される。
【0074】
このように興奮度ベクトルに変換した後に、所定枚数(例えば、30枚)毎について映像コンテンツフレーム112の興奮度ベクトルの積算を行い、積算した興奮度ベクトルに対応した鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。この実施形態では、興奮度ベクトルの大きさと挿入される鎮静化情報との関係が鎮静化コードブック116に予め設定されており、この鎮静化コードブック116には、どのような鎮静化情報をどの程度の長さにするかが興奮度ベクトルの大きさとの関係で設定されており、設定されたこの鎮静化コードブック116における興奮度ベクトルの大きさと鎮静化情報106との関係を用いて、挿入される鎮静化情報106が選択され、選択された鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。
【0075】
このような鎮静化情報106の組み込みは、映像コンテンツ情報104の全体にわたって行われ、このようにして鎮静化情報106が組み込まれた映像・サウンドコンテンツ102が制作され、このような方法を用いれば、映像コンテンツ情報104に最適な鎮静化情報106を自動的に組み込むことができ、視聴中における視聴者の興奮状態を効果的に抑えることができ、視聴直後における興奮状態も弱くなり、視聴者にとって安心な映像・サウンドコンテンツを提供することができる。
【0076】
この方法では、所定枚数(例えば、30枚)毎について映像コンテンツフレーム112の興奮度ベクトルの積算を行い、その積算興奮度ベクトルの大きさに対応した鎮静化情報106を挿入しているが、このような方法に代えて、積算した興奮度ベクトルの大きさが所定興奮度レベルを超えたときに鎮静化情報106を挿入するようにすることもできる。
【0077】
鎮静化情報106の映像コンテンツ情報104への挿入は、例えば、図9に示すように行うこともできる。図9において、例えば心拍数の変化をセンサ120で計測するように視聴者が身体に装着し、この装着状態にて映像コンテンツ情報104を視聴し、この心拍数センサ120からの測定信号を基に視聴者の興奮状態を生態興奮度ベクトルとして示す。この生態興奮度ベクトルを示すに際し、視聴者の初期状態と現在の状態の心拍数の差からどの程度の興奮状態にあるかを示す生態興奮度ベクトルを予め求めて変換行列データベース122に設定しておき、この変換行列データベース122を用いて生態興奮度ベクトルを算出する。尚、この変換行列データベース122の変換行列は、統計学習でもって求めることができる。
【0078】
そして、所定枚数(例えば、30枚)毎について視聴者の心拍数を測定し、この測定心拍数に基づき変換行列データベース122を用いてその時点における生態興奮度ベクトルの大きさが算出され、算出した生態興奮度ベクトルに対応した鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。この実施形態でも、生態興奮度ベクトルの大きさと挿入される鎮静化情報106との関係が鎮静化コードブック124に予め設定されており、この鎮静化コードブック124には、どのような鎮静化情報をどの程度の長さにするかが生態興奮度ベクトルの大きさとの関係で設定されており、設定されたこの鎮静化コードブック124における生態興奮度ベクトルの大きさと鎮静化情報106との関係を用いて、挿入される鎮静化情報106が選択され、選択された鎮静化情報106が映像コンテンツ情報104に組み込まれる。尚、生態興奮度ベクトルの大きさが小さく、視聴者が平常状態であるときには、このような鎮静化情報106の埋め込みは不要となる。
【0079】
この場合においても、鎮静化情報106の埋め込みは、映像コンテンツ情報104の全体にわたって行われ、このようにして鎮静化情報106が組み込まれた映像・サウンドコンテンツ102が制作され、このような方法を用いれば、映像コンテンツ情報104に最適な鎮静化情報106を自動的に組み込むことができ、視聴中における視聴者の興奮状態を効果的に抑えることができ、視聴者にとって安心な映像・サウンドコンテンツを提供することができる。
【0080】
次に、映像・サウンド視聴システムを視聴することによって生じる視聴者の興奮状態を確認するために、また映像・サウンド視聴システムを視聴した後に鎮静化情報を視聴することにより視聴者の興奮状態が鎮静化することを確認するために、次の通りの実験を行った。
【0081】
この実験に用いた映像・サウンド視聴システムとしての3D映像・サウンド視聴システムとして54型のプラズマディスプイテレビを用いた。このプラズマディスプレイテレビは、フルハイビジョン対応のもので、同期シャッタ型のメガネを装着することによって、3Dコンテンツ情報を立体的に視聴できるものであった。
【0082】
3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)として、図6に示す三つのカテゴリーのものを選択してそれぞれ一時間の3Dコンテンツ情報を作成した。カテゴリーA(刺激度が弱い第1レベル)のものとしては、比較的遠くから撮影されていて動きの小さいものであって、農村風景のものを用い、カテゴリーB(刺激度が中程度である第2レベル)のものとしては、一部のオブジェクトの動きが速いものであって、海中を泳ぐ魚のものを用い、またカテゴリーC(オブジェクトが人物で全体的に速く動くものであって、プロレス中継のものを用いた。
【0083】
まず、三つのカテゴリーA,B,Cの3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)を視聴することにより、視聴者の興奮状態に変化が現れたかを調べた。この実験では、10人の学生モニターを使って行った。興奮状態の検証として、三つのカテゴリーA,B,Cの3Dコンテンツ情報を1時間、2時間及び4時間継続して視聴させ、視聴直後に「百ます計算テスト」を行って有意差が現れるかを調べた。
【0084】
「百ます計算」は、人間が生産的な活動を行う際の能力低下を測定するのに用いられており、この「百ます計算」を3分間行って正解数で評価し、平常時の正解数を「100」として相対値でもって評価した。
【0085】
興奮状態の有意差に関する実験結果は、図10に示す通りであり、図10における相対値は、学生モニター10人の平均値を示している。図10の結果から明らかなように、カテゴリーC(第3レベル)の3Dコンテンツ情報を視聴した場合、1時間の視聴で能力が約70%まで低下し、4時間の視聴で能力が約50%まで低下しており、3Dコンテンツ情報の視聴直後においては興奮状態が残存していて、「百ます計算テスト」に集中することことができないことが判る。このことから、3Dコンテンツ情報の視聴は、脳に及ぼす影響が大きいことが推測される。カテゴリーA,Bの3Dコンテンツ情報の視聴後においても能力低下が見られるが、3Dコンテンツ情報の刺激度が小さくなるに従って、能力低下の度合も小さくなり、脳に及ぼす影響も小さいことが推測される。
【0086】
以上の結果から、刺激度の強い3Dコンテンツ情報を長時間継続して視聴すると、集中力と知的生産能力に低下をもたらすことが判る。そのために、能力をいち早く回復させるための手段を講ずることが望ましく、このような手段を講ずることによって脳への影響も小さくなることが期待できる。特に、成長期の子供の脳は、シナプスが活発に増殖しているので、3Dコンテンツ情報の視聴後の興奮状態から速く回復させることが重要であると思われる。
【0087】
次に、カテゴリーC(第3レベル)の3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)を4時間視聴させた後に、鎮静化させるための手段を講じて、視聴者の興奮状態の鎮静化に変化が現れたかを調べた。この実験でも、10人の学生モニターを使って行った。興奮状態の鎮静化の検証として、三つのカテゴリーCの3Dコンテンツ情報を4時間継続して視聴させ、視聴直後から鎮静化を行い、鎮静化直後に「百ます計算テスト」を行って有意差を調べた。鎮静化させるための手段としては、一つとして何もしない、他の一つとして静かな部屋でアイマスクをして静かに休む、残りの一つとして鎮静化情報を視聴するとの三つの様式でそれぞれ行った。鎮静化情報としては、自然映像(2D映像鎮静化情報)とクラシック音楽(サウンド鎮静化情報)を用いたものを用いた。そして、この実験においても、「百ます計算」を3分間行って正解数で評価し、平常時の正解数を「100」として相対値でもって評価した。
【0088】
興奮状態の鎮静化の有意差に関する実験結果は、図11に示す通りであり、図11における相対値も、学生モニター10人の平均値を示している。図11の結果から明らかなように、鎮静化情報を5分間視聴することによって、約50%まで低下していた能力が約90%まで回復し、この鎮静化情報を約10分視聴することによって約100%まで回復することが確認できた。次に効果的であったのがアイマスクを付けて休むことであり、目と耳からの刺激を一切無くす方法であるが、何もしない場合とほとんど変わらない結果であった。これらのことから、鎮静化情報を視聴することは、興奮とは逆の刺激(逆移送の信号)を脳に加えることに相当し、積極的に元の平常状態に戻す手法となるので、興奮状態の鎮静化についての効果が大きいと考えられる。
【符号の説明】
【0089】
2 映像・サウンドコンテンツ情報データベース
4 鎮静化情報データベース
6 コントローラ
8 操作装置
10 画像・映像情報出力手段
12 サウンド情報出力手段
14a,14b,14c 3Dコンテンツ情報(3D映像・サウンドコンテンツ情報)
16a,16b,16c 2Dコンテンツ情報(2D映像・サウンドコンテンツ情報)
18a,18b,18c,18n 鎮静化情報
28 鎮静化時間演算手段
32 興奮度演算手段
34 鎮静化情報強制挿入手段
40 興奮状態測定手段
52 ゲーム装置
102 映像・サウンドコンテンツ
104 映像コンテンツ情報
106,108 鎮静化情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための映像・サウンドコンテンツ情報供給手段と、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報供給手段と、前記映像・サウンドコンテンツ情報及び前記鎮静化情報を所要の通りに情報処理するためのコントローラと、前記鎮静化情報を出力するための鎮静化情報出力手段と、を備え、
前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力することを特徴とする映像・サウンド視聴システム。
【請求項2】
前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報は、映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報及び香り鎮静化情報のいずれか一つ又はこれらの二つ以上の組合せであることを特徴とする請求項1に記載の映像・サウンド視聴システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記鎮静化情報を強制的に挿入するための鎮静化情報強制挿入手段を含み、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報を所定設定時間継続して視聴したとき、又は前記映像・サウンドコンテンツ情報を視聴中に興奮度レベルが所定レベル以上に興奮したときに、前記鎮静化情報強制挿入手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像・サウンド視聴システム。
【請求項4】
前記コントローラは、視聴者を鎮静させるに要する時間を演算するための鎮静化時間演算手段を含み、前記鎮静化時間演算手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の刺激度及び前記映像・サウンドコンテンツを継続して視聴した継続視聴時間に基づいて前記鎮静化時間を演算し、前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後に前記鎮静化時間の間継続して前記鎮静化情報を情報処理して前記鎮静化出力手段から出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の映像・サウンド視聴システム。
【請求項5】
視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報と、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報とを含むことを特徴とする映像・サウンドコンテンツ。
【請求項6】
前記鎮静化情報は、前記映像・サウンドコンテンツ情報の後に挿入されていることを特徴とする請求項5に記載の映像・サウンドコンテンツ。
【請求項7】
前記映像・サウンドコンテンツ情報は、多数の映像コンテンツフレームから構成され、前記鎮静化情報は、一つ又は複数の鎮静化フレームから構成され、前記多数の映像コンテンツフレームの所定枚数毎に前記鎮静化フレームが挿入されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の映像・サウンドコンテンツ。
【請求項8】
前記多数の映像コンテンツフレームの各映像コンテンツフレームは、その映像内容に基づいて興奮度の強さを示す興奮度ベクトルとして示され、前記興奮度ベクトルの積算値が所定興奮度レベルを超えると、前記多数の映像コンテンツフレームの間に前記鎮静化フレームが挿入されることを特徴とする請求項5又は6に記載の映像・サウンドコンテンツ。
【請求項9】
視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報に、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報を組み込むことを特徴とする映像・サウンドコンテンツの製作方法。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれかに記載の映像・サウンドコンテンツが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項11】
映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、鎮静化情報を出力して視聴者の興奮状態を鎮静化することを特徴とする鎮静化方法。
【請求項1】
映像・サウンドのコンテンツ情報を供給するための映像・サウンドコンテンツ情報供給手段と、鎮静化情報を供給するための鎮静化情報供給手段と、前記映像・サウンドコンテンツ情報及び前記鎮静化情報を所要の通りに情報処理するためのコントローラと、前記鎮静化情報を出力するための鎮静化情報出力手段と、を備え、
前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理して鎮静化情報出力手段から出力することを特徴とする映像・サウンド視聴システム。
【請求項2】
前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報は、映像・サウンド鎮静化情報、映像鎮静化情報、画像鎮静化情報、サウンド鎮静化情報及び香り鎮静化情報のいずれか一つ又はこれらの二つ以上の組合せであることを特徴とする請求項1に記載の映像・サウンド視聴システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記鎮静化情報を強制的に挿入するための鎮静化情報強制挿入手段を含み、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報を所定設定時間継続して視聴したとき、又は前記映像・サウンドコンテンツ情報を視聴中に興奮度レベルが所定レベル以上に興奮したときに、前記鎮静化情報強制挿入手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の情報処理を強制的に停止し、前記鎮静化情報供給手段から供給される前記鎮静化情報を情報処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像・サウンド視聴システム。
【請求項4】
前記コントローラは、視聴者を鎮静させるに要する時間を演算するための鎮静化時間演算手段を含み、前記鎮静化時間演算手段は、前記映像・サウンドコンテンツ情報供給手段から供給される前記映像・サウンドコンテンツ情報の刺激度及び前記映像・サウンドコンテンツを継続して視聴した継続視聴時間に基づいて前記鎮静化時間を演算し、前記コントローラは、前記映像・サウンドコンテンツ情報の視聴後に前記鎮静化時間の間継続して前記鎮静化情報を情報処理して前記鎮静化出力手段から出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の映像・サウンド視聴システム。
【請求項5】
視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報と、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報とを含むことを特徴とする映像・サウンドコンテンツ。
【請求項6】
前記鎮静化情報は、前記映像・サウンドコンテンツ情報の後に挿入されていることを特徴とする請求項5に記載の映像・サウンドコンテンツ。
【請求項7】
前記映像・サウンドコンテンツ情報は、多数の映像コンテンツフレームから構成され、前記鎮静化情報は、一つ又は複数の鎮静化フレームから構成され、前記多数の映像コンテンツフレームの所定枚数毎に前記鎮静化フレームが挿入されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の映像・サウンドコンテンツ。
【請求項8】
前記多数の映像コンテンツフレームの各映像コンテンツフレームは、その映像内容に基づいて興奮度の強さを示す興奮度ベクトルとして示され、前記興奮度ベクトルの積算値が所定興奮度レベルを超えると、前記多数の映像コンテンツフレームの間に前記鎮静化フレームが挿入されることを特徴とする請求項5又は6に記載の映像・サウンドコンテンツ。
【請求項9】
視聴者が視聴するための映像・サウンドコンテンツ情報に、視聴者の興奮状態を抑えるための鎮静化情報を組み込むことを特徴とする映像・サウンドコンテンツの製作方法。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれかに記載の映像・サウンドコンテンツが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【請求項11】
映像・サウンドコンテンツ情報の視聴中に、又は視聴後に、鎮静化情報を出力して視聴者の興奮状態を鎮静化することを特徴とする鎮静化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−254282(P2011−254282A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126467(P2010−126467)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(504017681)日本ロジックス株式会社 (8)
【出願人】(507022802)Takumi Vision株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(504017681)日本ロジックス株式会社 (8)
【出願人】(507022802)Takumi Vision株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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