説明

映像伝送システム、映像入力装置および映像出力装置

【課題】立体映像データをHDMI規格に準拠したインタフェースを介して映像出力装置から映像表示装置へ矛盾なく伝送できる立体映像伝送システム、映像表示装置および映像出力装置を提供する。
【解決手段】記録再生装置100では、光ディスク101に記録された3D圧縮映像データは記録再生部102で再生され、コーデック103でベースバンドの3D映像データに復元される。フォーマット変換部104は、事前に取得した表示装置200の表示能力に合わせて光ディスク101の記録フォーマットをHDMIの伝送フォーマットへ変換して出力する。表示装置200のフォーマット変換部204は、HDMIケーブル205経由で受信した3D映像データの伝送フォーマットを表示フォーマットに変換する。表示制御部201は表示フォーマットに変換された3D映像データで表示パネル202に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像を伝送する立体映像伝送システムおよびこれを構成する映像表示装置および映像出力装置に関し、特にHDMI規格に準拠したインタフェースを介して立体映像を伝送する映像伝送システム、映像入力装置および映像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テレビジョン画像を立体視するため、種々の方式が提案されている。これらは、両眼視差の原理を利用して、1台のディスプレイ上に左眼像および右眼像を空間的または時間的に交互に切り換えて提示し、これを視聴者が特殊な眼鏡をかけて、または裸眼のままで見ることによって立体像を得るものである。
【0003】
また、最近ではHDMI(High Definition Multimedia Interface)規格に対応したHDMI端子を有する機器が普及してきている。例えば、テレビとDVDレコーダをHDMI接続ケーブルで接続することにより、高品質の映像、音声データおよび各種制御情報を機器間で送受信することが可能となっている。
【0004】
ところで、テレビの映像フォーマットとしては、SD(Standard Definition)とHD(High Definition)があり、HDの中にも走査線数、フレームレートの違う多くの映像フォーマットがすでに世の中に普及している。
【0005】
一方、テレビやDVDレコーダ等の映像機器はメーカー、発売時期、価格帯等によって、その機能、性能に差があるのが一般的であり、送受信できる映像フォーマットは各機器で異なる場合が多い。
【0006】
したがって、相互に対応していないフォーマットの映像データや音声データを通信してもうまく通信できない。このような問題はHDMIがサポートしている各種制御情報を使うことによって解決できる。
【0007】
例えば、HDMI接続ケーブルを介してDVDレコーダに記録された映像音声データを再生してテレビに出力する場合、事前にテレビからEDID(Extended Display Identification Data)と呼ばれるROMに記憶されたEDID情報(テレビの表示能力等)を取得し、取得されたEDIDに従って、テレビの表示可能なフォーマットに変換して、テレビに出力することができるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−180746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1を含む従来の方法では、立体映像の伝送は考慮されておらず立体映像を機器間で接続する際に依然として問題があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、立体映像データをHDMI規格に準拠したインタフェースを介して映像出力装置から映像入力装置へ矛盾なく伝送できる映像伝送システム、映像入力装置および映像出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明の映像出力装置は、映像信号を出力する映像出力装置であって、映像信号を入力して処理する映像入力装置の受信能力に応じて、映像出力装置から出力する映像信号の形式を変換するフォーマット変換部と、フォーマット変換部が変換した映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースで出力するHDMI送信部と、を備え、フォーマット変換部は、出力する映像信号の形式が立体映像信号である場合に、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、を生成する。
【0012】
本発明の映像入力装置は、映像出力装置から入力される映像信号と垂直同期信号を処理する映像入力装置であって、映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を保持するEDID記憶部と、EDID記憶部に保持されている処理可能な映像信号が立体映像信号である場合、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、をHDMI規格に準拠したインタフェースで受信するHDMI受信部と、を備える。
【0013】
本発明の映像出力装置の出力制御方法は、映像信号を出力する映像出力装置の出力制御方法であって、映像信号を入力して処理する映像入力装置の受信能力に応じて、映像出力装置から出力する映像信号の形式を変換するフォーマット変換ステップと、フォーマット変換ステップが変換した映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースで出力するHDMI送信ステップと、を備え、フォーマット変換ステップは、出力する映像信号の形式が立体映像信号である場合に、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、を生成する。
【0014】
本発明の映像入力装置の入力制御方法は、映像出力装置から入力される映像信号と垂直同期信号を処理する映像入力装置の入力制御方法であって、EDID記憶部に記録された映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を、映像信号を出力する映像出力装置へ送信するステップと、映像出力装置へ送信した映像信号形式の情報に基づいて映像出力装置から送信される映像信号が立体映像信号である場合、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、をHDMI規格に準拠したインタフェースで受信するHDMI受信ステップと、を備える。
【0015】
本発明の映像伝送システムは、映像信号を出力する映像出力装置と、映像信号を入力として処理する映像入力装置と、を備えた映像伝送システムであって、映像入力装置は、映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を保持するEDID記憶部と、映像出力装置から出力された映像信号を、HDMI規格に準拠したインタフェースで受信するHDMI受信部と、を備え、映像出力装置は、EDID記憶部に保持されている映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報が立体映像信号であることを示す場合、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、を生成するフォーマット変換部と、フォーマット変換部が生成した映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースで映像入力装置へ送信するHDMI送信部と、を備える。
【0016】
本発明の映像伝送方法は、映像信号を出力する映像出力装置から、映像信号を入力として処理する映像入力装置へ、映像信号を伝送する映像伝送方法であって、映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を映像出力装置へ送信する情報伝送ステップと、映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報が立体映像信号である場合に、立体映像信号を、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、に変換する変換ステップと、変換された映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースを用いて映像出力装置から映像入力装置へ伝送する伝送ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、立体映像データをHDMI規格に準拠したインタフェースを介して映像出力装置から映像入力装置へ矛盾なく伝送できる映像伝送システム、映像入力装置および映像出力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における立体映像伝送システムの構成例を示す図
【図2】HDMIの概要を説明するための図
【図3】本発明の実施の形態1における表示装置の能力(表示及び受信能力)を表すパラメータの例を示す図
【図4】3D映像の表示方式(3D method)を説明するための図
【図5】3D映像データの伝送フォーマット(3D format)を説明するための図
【図6】3D映像伝送フォーマット(3D format)についてより詳細に説明するための図
【図7】オーバーアンダー方式のL画像とR画像の2通りの伝送方法を説明するための図
【図8】3D映像をインタレース方式で伝送する場合の伝送方法(伝送フォーマット)の一例を示す図
【図9】1125/60iの現行のHD信号伝送フォーマットに3D映像データをマッピングする場合の一例を示す図
【図10】サイドプライオリティ(side priority)の意味を説明するための図
【図11】本発明の実施の形態1におけるEDIDのフォーマット(メモリマップ)を説明する図
【図12】本発明の実施の形態1におけるAVIインフォフレームのフォーマットを説明する図
【図13】本発明の実施の形態1におけるCECのフォーマットを説明するための図
【図14】本発明の実施の形態2における立体映像伝送システムの構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における立体映像(以下、「3D(Dimensional)映像」ともいう)を伝送する立体映像伝送システムの構成例を示す図である。図1において立体映像伝送システム1は立体映像を再生可能な映像出力装置としての映像記録再生装置(以下、「記録再生装置」と略記する)100と、映像入力装置としての立体映像を表示可能な映像表示装置(以下、「表示装置」と略記する)200とを備えている。記録再生装置100と表示装置200とはHDMIケーブル205で接続されている。
【0021】
記録再生装置100は、例えば、DVDレコーダであり、光ディスク101、記録再生部102、コーデック103、フォーマット変換部104およびHDMI送信部110を備えている。光ディスク101に記録されたMPEG2等で圧縮された3D圧縮映像データは映像取得手段としての記録再生部102で再生され、コーデック103でベースバンドの3D映像データに復元される。フォーマット変換部104は光ディスク101の記録フォーマットからHDMIで伝送される伝送フォーマットへ変換する。HDMI送信部110はHDMIケーブル205を介して、3D映像データを表示装置200へ送出する。記録再生装置100は、表示装置200が受信可能な伝送フォーマットの情報をHDMIを介して表示装置200から事前に取得し、この情報に基づいてフォーマット変換部104はフォーマット変換を実施する。
【0022】
なお、光ディスク101に3D映像が非圧縮(ベースバンド)で記録してある場合には、コーデック103は不要となる。
【0023】
表示装置200は、HDMI受信部210、フォーマット変換部204、表示制御部201、表示パネル202を備えている。HDMI受信部210は、HDMIケーブル205で伝送されてきた3D映像データを受信する。フォーマット変換部204は受信した3D映像データの伝送フォーマットを表示フォーマットに変換する。表示制御部201は表示フォーマットに変換された3D映像データで表示パネル202を駆動制御する。表示パネル202は、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶ディスプレイ(LCD)であり、3D映像を表示する。
【0024】
なお、3D映像データは、左眼映像データ(以下、単に「L」と略記することもある)と右眼映像データ(以下、単に「R」と略記することもある)の2種類の映像データから構成されている。これら2種類の映像データを別々に伝送し、フォーマット変換部204で合成して3D映像として表示する。伝送フォーマット、表示フォーマットについては後ほど詳しく説明する。
【0025】
また、上記説明では3D映像伝送システム1を構成する記録再生装置および表示装置はそれぞれ1台としたが、この台数は本実施の形態に限定されるものではなく任意の台数で構成してもよい。
【0026】
また、上記説明では音声データについて触れていないが、音声データも必要に応じて適宜伝送してもよいことは言うまでもない。
【0027】
図2は、HDMIの概要を説明するための図である。HDMIはTMDS(Transition−Minimized Differential Signaling)チャンネル、DDC(Display Data Channel)、CEC(Consumer Electronics Control)チャンネルの3つのチャンネルで映像データ、音声データおよび制御情報の伝送を行う。
【0028】
HDMI送信部110は、TMDSエンコーダ111およびパケット処理部112を備え、HDMI受信部210はTMDSデコーダ211、パケット処理部212およびEDID_ROM213を備えている。
【0029】
映像データ、H/V同期信号、ピクセル(画素)クロックは、TMDSエンコーダ111に入力され、TMDSエンコーダ111において、8ビットデータが10ビットデータに変換されるとともに、シリアルデータに変換されて3つのTMDSデータチャンネル(データ#0、データ#1、データ#2)を使って送出される。ピクセルクロックはTMDSクロックチャンネルを使って伝送される。3つのデータチャンネルを用いた最大伝送速度は165Mピクセル/秒であり、HDMIを使えば1080Pの映像データをも伝送可能である。
【0030】
音声データや制御データは、パケット処理部112でパケット化されてTMDSエンコーダ111で特定の10ビットパターンに変換され、2つのデータチャンネルの映像ブランキング期間を使って伝送される。また2ビットの水平/垂直同期信号(H/V同期)も特定の10ビットパターンに変換され、1つのデータチャンネルのブランキング期間に重畳して伝送される。なお、制御データにはAVI(Auxially Video Information)インフォフレームという映像の補助データが含まれており、このAVIインフォフレームを使って記録再生装置100から表示装置200へ映像データのフォーマット情報を伝送することができる。AVIインフォフレームについては後ほど詳しく説明する。
【0031】
表示装置(シンク)200の能力を表す情報は記憶手段としてのEDID_ROM213にEDID情報として格納されている。記録再生装置(ソース)100はDDCを利用してこのEDID情報を読み取ることにより、例えば出力する映像データ、音声データのフォーマット等を決定することが可能である。
【0032】
CECは、HDMIで接続された機器間でコントロール信号を双方向に伝送することにより、例えば1つのリモコンで複数の機器を操作することも可能となる。
【0033】
次に、図3を用いて本実施の形態における表示装置200の能力(表示及び受信能力)を表すパラメータの例について説明する。これらのパラメータは、表示装置(シンク)200側のみが持っており、記録再生装置(ソース)100側は知らない情報である。従って、3D映像伝送システム1において記録再生装置100が3D映像データを送信する前に表示装置200から取得するのが望ましい情報である。これらのパラメータはHDMIのDDC(Aグループのパラメータ)およびCECチャンネル(Bグループのパラメータ)によって取得される。詳細については後程説明する。
【0034】
図3において、3D表示可能性(3D Capabe)は表示装置200が3D表示機能を有するか否かを示す(1;表示能力あり、0;表示能力なし)。3D表示方式(3D
method)は表示装置200の3D映像の表示方式(以下、「表示フォーマット」ともいう)を示し、タイムシーケンシャル方式(time sequential;0)、偏光方式(polarizer;1)、レンチキュラー方式(lenticular;2)およびパララックスバリア方式(parallax barrier;3)の4つの方式がある。
【0035】
3D伝送フォーマット(3D format)は表示装置200が受信可能な3D映像データの伝送フォーマットを示し、ドットインターリーブ方式(dot interleaved)、ラインインターリーブ方式(line interleaved)、サイドバイサイド方式(side by side)およびオーバーアンダー方式(over under)の4つの伝送フォーマットがある。
【0036】
画像サイズ(単位;ピクセル)としては水平画像サイズ(image width)および垂直画像サイズ(image height)があり、水平画像サイズは0〜8192ピクセルまで変更可能であり、垂直画像サイズは0〜4096ピクセルまで変更可能である。
【0037】
画面サイズ(単位;cm)としては水平画面サイズ(display width)および垂直画面サイズ(display height)があり、水平画面サイズは0〜9999cmまで変更可能であり、垂直画面サイズは0〜4999cmまで変更可能である。
【0038】
また、パララックス・コンペンセーション・ケーパブル(parallax compensation capable)は視差補正の能力である(1;補正能力あり、0;補正能力なし)。すなわち、実物を見るときと表示装置200で3D映像を見るときとでは、視距離等の条件が異なるために視差(パララックス)の補正が必要である。パララックス・コンペンセーションは、左眼映像(以下、「L画像」ともいう)と右眼映像(以下、「R画像」ともいう)いずれか一方を他方に対して所定ピクセル数だけ移動させて表示装置200の画面上に表示させることによって行われる。このときの移動すべきピクセル数は上記画像サイズ、画面サイズおよび視距離(表示装置と視聴者との間の距離)で決定される。
【0039】
仮想視距離(assumed viewing distance;単位はcm)は、視差補正の前提となる視距離である。これらの情報(画像サイズ、画面サイズ、仮想視距離)は、記録再生装置100側で視差補正を行い、補正後の映像データを表示装置200側へ伝送する際に必要となる。
【0040】
最後の3D処理遅延(extra delay for 3D process;単位はフレーム)は、3D表示処理のために表示装置200側で発生する遅延時間である。映像と音声の同期(リップシンク)をとるために記録再生装置100側で予め遅延処理を実行するために使用される。
【0041】
図4は、3D映像の表示方式(3D method)を説明するための図である。特殊メガネが必要か否か、表示パネルの駆動条件等で以下の4種類の方式がある。
【0042】
図4(a)はタイムシーケンシャル方式であり、ディスプレイ上にフレーム毎にL(左眼映像)とR(右眼映像)を交互表示する。そして視聴者は、液晶シャッタメガネでフレームに同期して左右の映像を分離する。なお、液晶シャッタメガネのシャッター動作と表示フレームは赤外線通信等を利用して同期がとられる。例えば、表示パネル(例えば、PDP)を120Pで駆動すれば、60Pの3D映像の表示が可能となる。
【0043】
図4(b)は偏光方式であり、偏光素子を表示パネル(例えば、現行LCD(液晶ディスプレイ))上に位相差フィルムとして重ね合わせ、ライン(水平走査線)毎に直交する偏光でL(左眼映像)とR(右眼映像)を表示する。この偏光方向の異なるラインの映像を偏光メガネでライン毎に分離して立体映像を得る。
【0044】
図4(c)はレンチキュラー方式であり、レンチキュラー・レンズという特殊なレンズを画素の上に置き、見る角度によって異なる映像が表示されるようにする。レンチキュラー・レンズは1個が画素数個分の寸法のかまぼこ型の凸レンズを、多数アレイ状に敷き詰めたものである。表示パネル(例えば、LCD)にはL(左眼映像)とR(右眼映像)を画素ごとに一度分解し、ディスプレイの画素に再び並べなおす(レンダリングする)。これを両目で見ると、右目と左目で見る角度が異なるため、3D映像に見える。この方式の特徴は、特殊なメガネをかけず裸眼で3D映像を視聴できることである。
【0045】
図4(d)はパララックスバリア方式であり、開口部を有するバリアを表示パネル(例えば、LCD)の前に置き、開口部を通過する視線角度が両眼で異なるので、この視差による視線分離現象を利用して3D映像を得る。この方式も、特殊なメガネをかけず裸眼で3D映像を視聴できる。
【0046】
図5は、3D映像データの伝送フォーマット(3D format)を説明するための図である。伝送条件、表示条件などに適合させるために以下の5種類の伝送フォーマットが用いられている。
【0047】
図5(a)はドットインターリーブ方式であり、フレーム内にL、R画像を市松模様に並べる方式である。
【0048】
図5(b)はラインインターリーブ方式であり、フレーム内にL、R画像を1ラインごとに交互に並べる方式である。
【0049】
図5(c)はサイドバイサイド方式であり、フレーム内にL、R画像をラインの前後(画面の左右)に並べる方式である。
【0050】
図5(d)はオーバーアンダー方式であり、フレーム内にL、R画像を時系列(画面の上下)に並べる方式である。
【0051】
図5(e)は(2d+デプス)方式であり、3D映像をL、R画像で表現するのではなく、2次元画像と、各画素の奥行きのペアで表現する方式である。
【0052】
次に、図6を用いて図3に示した3D映像の伝送フォーマット(3D format)の各パラメータについてより詳細に説明する。この3D映像の各パラメータは記録再生装置(ソース)100側のみが持っている情報であり、表示装置(シンク)200は知らない情報である。従って、3D映像伝送システム1において3D映像データの送信時あるいは送信に先立って、記録再生装置100側から表示装置200側へ伝送しておくのが望ましい情報である。これらのパラメータはHDMIのAVIインフォフレームにより、映像データのブランキング期間に伝送される。詳細については後程説明する。
【0053】
なお、通常は、記録再生装置100が送信する3D映像データの伝送フォーマットは、表示装置200から事前に取得した情報に基づいて決定されるが、表示装置200が複数の伝送フォーマットを受信することができる場合には、そのうちの1つを記録再生装置100が選択することができる。この場合には、記録再生装置100は選択した伝送フォーマットの情報をAVIインフォフレームを使って表示装置200に伝送することになる。
【0054】
図6において、3D映像?(3D image?)は伝送される映像データが3D映像か否かを示す(1;3D映像、0;通常映像)。伝送フォーマット(format)は3D映像表示方式がメガネ方式(stereoscopic;0)か、裸眼方式(2d+depth;1)かによって2つに分かれる。ここでは、メガネ方式の場合についてのみ説明する。
【0055】
メガネ方式にはレイアウト(layout)、イメージサイズ(image saize)およびパララックス・コンペンセーション(parallax compensation)の3つのパラメータがある。レイアウトには図3、図5で説明した4つの3D映像伝送フォーマットが含まれる。
【0056】
L/R配置(L/R maping)はL画像とR画像を伝送する場合の配置を示す。ドットインターリーブ方式(図5(a))では固定(fixed;0)かライン毎に交互(alternating by line;1)かを示す。ラインインターリーブ方式(図5(b))では固定(fixed;0)かフィールド毎に交互(alternating by field;1)かを示す。このようにL画像とR画像の順番をライン毎またはフィールド毎に入れ替えることによって固定で伝送する場合に比較して表示画像の解像度を上げることが可能となる。サイドバイサイド方式(図5(c))およびオーバーアンダー方式(図5(d))は常に固定(0)である。
【0057】
L/R識別情報(L/R indentification)はL画像とR画像の伝送順序を表す。ドットインターリーブ方式では、第1画素(first pixel)がL画像(0)かR画像(1)か、ラインインターリーブ方式では第1ラインがL画像(0)かR画像(1)かを示す。また、サイドバイサイド方式ではL画像を左半画面(left
side;0)に配置するか右半画面(right side;1)に配置するか、オーバーアンダー方式ではL画像を上半画面(upper;0)に配置するか、下半画面(lower;1)に配置するかを示す。
【0058】
ところで、オーバーアンダー方式の場合、図7に示すように2通りの伝送方法がある。図7(a)のようにL画像とR画像を1枚(1フレーム)の画像として送る方法と、図7(b)、図7(c)のようにL画像とR画像を2枚(2フレーム)の画像に分けて送る方法である。図7(a)のように1フレームで送る場合には、L画像とR画像はV同期信号を参照すれば容易に識別が可能である。一方、図7(b)、図7(c)のように2フレームに分けて送る場合は、V同期信号を参照するだけではL画像とR画像とを識別ができない。そこで、L画像とR画像を識別するために、L画像とR画像の識別情報をAVIインフォフレームで送ることも可能であるが、AVIインフォフレームは必ずしも毎フレーム送られるとは限らない。そこで、図7(b)に示すように、L画像のV同期信号の間隔TとR画像のV同期信号の間隔Tを変えてもよい。また。図7(c)に示すように、L画像のV同期信号の幅WとR画像のV同期信号の幅Wを変えてもよい。
【0059】
また、図8では3D映像のL画像とR画像がそれぞれ順次走査方式(120P)で伝送されることを前提としたが、この場合は2D映像に比較して2倍の伝送帯域を必要とする。そこで、2D映像と同じ伝送帯域で3D映像を伝送するためにL画像とR画像をインタレース方式で伝送してもよい。3D映像をインタレース方式で伝送することにより、伝送帯域を半減できるのみならず、表示装置200の処理回路のクロック周波数を半減できるので消費電力を下げることができる。さらには、処理するデータ量が半分になるので表示装置200が搭載する処理メモリの容量も半分ですみ処理回路のコストを下げることができる。
【0060】
図8は、3D映像をインタレース方式で伝送する場合の伝送方法(伝送フォーマット)の一例を示す図である。L画像、R画像とも1フレームを相補関係にあるTOPフィールドとBOTTOMフィールドに分割して伝送する。4つのフィールドは、例えば、第1フィールドでL画像のTOPフィールドを送り、それに続く第2フィールドでR画像のTOPフィールドを伝送する。その後、第2フィールドに続く第3フィールドでL画像のBOTTOMフィールドを送り、第4フィールドでR画像のBOTTOMフィールドを送る。このような順番で3D映像の4つのフィールドを伝送することにより、4フィールドに1回だけV同期信号を付加することで、表示装置200はこのV同期信号から容易に4つのフィールドを識別することができる。また、R画像とL画像のTOPフィールド同士、BOTTOMフィールド同士をペアとして連続して伝送することにより、表示装置200側での処理が簡単となる。なお、上記伝送フォーマットは、図1における記録再生装置100のフォーマット変換部104において生成され、HDMI送信部110によって記録再生装置100から表示装置200へ伝送される。図9は、1125/60iの現行のHD信号伝送フォーマットに3D映像データをマッピングする場合の一例を示す図である。図9に示すように、従来のHD信号のデータエリアに2D映像データに代えて3D映像データを挿入するのみで容易に3D映像データの伝送が可能となる。
【0061】
さて、3D映像データを通常の2D映像データと同じ伝送帯域で伝送するとL、Rそれぞれの映像データを半分に縮小して伝送する必要があり、解像度が1/2となる。一方、2D映像データの2倍の伝送帯域を使って3D映像データを伝送すればそのままの大きさで伝送できるので解像度はそのまま維持される。画像サイズ(image size)は、このように伝送路(帯域)で決まる3D映像の解像度を表す。非スクイーズ(not squeezed;0)は画面が縮小されておらず解像度が低下しないことを示す。水平半サイズ(horizontal half size;1)は水平方向に画像が1/2に縮小(水平解像度が1/2)されていることを示す。ドットインターリーブ方式とサイドバイサイド方式で伝送される場合に関係するパラメータである。
【0062】
一方、垂直半サイズ(virtical half size;2)は垂直方向に画像が1/2に縮小(垂直解像度が1/2)されていることを示す。ラインインターリーブ方式とオーバーアンダー方式で伝送される場合に関係するパラメータである。
【0063】
パララックス・コンペンセーション(parallax compensation)は視差補正に関するパラメータであり、図3で説明したパララックス・コンペンセーション(parallax compensation)と異なるのは、図3が表示装置200側の視差補正のパラメータであったのに対して、この場合は、記録再生装置100側での視差補正の状態を示すものである。視差補正なし(0)および視差補正あり(1)のいずれかを示す。視差補正なし(0)の場合に、サイドプライオリティ(side priority)が定義されており、未定義(not defind;0)、左サイド優先(left side;1)か右サイド優先(right side;2)かのいずれかを示す。
【0064】
ここで、サイドプライオリティの意味を説明する。記録再生装置100側で視差補正がされていない場合は、表示装置200側で視差補正が必要な場合がある。図10に示すように、視差補正のために表示装置200側でL画像に対してR画像をXピクセルだけ右にシフトした場合、図10(a)のようにL画像を表示画面いっぱいに表示する場合と、図10(b)のようにR画像を表示画面いっぱいに表示する場合の2通りの表示方法がある。図10(a)の表示方法が左サイド優先であり、図10(b)の表示方法が右サイド優先である。上記では、L画像に対してR画像をXピクセルだけ右にシフトした場合を想定したが、逆に、L画像に対してR画像をXピクセルだけ左にシフトした場合でも、L画像とR画像が反対になるだけで同様である。
【0065】
また、パララックス・コンペンセーションで視差補正あり(1)の場合には、記録再生装置100で補正した際に想定した表示装置200の画面サイズである仮想画面サイズ(assumed width of display;単位はcm)を送ることができる。仮想画面サイズは0〜9999cmの範囲で変更することができる。
【0066】
次に、図3および図6で説明した3D映像に関連する各種パラメータの伝送方法について図11〜図13を用いて説明する。図2において説明したようにHDMI規格で送信側(ソース)と受信側(シンク)との間で制御情報を伝送するには、TMDSチャンネル(AVIインフォフレーム)、DDC(EDID)、CECチャンネルの3種類の伝送路を使うことができる。そこで、前述の3D映像に関連する各種パラメータをそれぞれ最も適した方法で伝送すれば、機器のリソース、伝送路の帯域等を有効に利用することができる。
【0067】
本実施の形態では、図3のAグループの情報はDDCを介してEDID情報として取得し、Bグループの情報はCECチャンネルで取得する。Bグループの情報は、画像や画面のサイズ情報等の情報量の多い、またはリアルタイムに伝送する必要性の低い静的な情報である。このようなBグループの情報は、CECチャンネルで取得することにより、EDID_ROM213の容量を節約できる。また、図6の伝送フォーマット情報はTMDSチャンネルを使ってAVIインフォフレームの情報として送る。
【0068】
図11はEDIDのフォーマット(EDID_ROM213のメモリマップ)を説明する図であり、EDIDにおけるHDMI VSDB(Vender−Specific Data Block)に図3のAグループの情報をマッピングするフォーマットを示す。VSDBのByte#8のBit#5に3D_presentを割り当てる。3D_presentが「1」であれば3Dフィールドがあることを示し、「0」であればフィールドがないことを示す。3Dフィールドがある場合には、3Dフィールド長に従ってByte#13から所定数のバイトを確保する。この3Dフィールド長は、Byte#13のBit#4〜Bit#0の5ビットに割り当てられた3D_LEN4〜3D_LEN0で定義される。3D_LENで定義された長さ(Mバイト)のデータがByte#14〜Byte#(13+M)まで続くことになる。Byte#(14+3D_LEN)からByte#Nまでは未使用(Reserved)とされる。すなわち、表示装置200の3D映像の表示能力(伝送フォーマットおよび表示方式)に関連するパラメータのうち、3D表示可能性(3D Capable)、3D表示方式(3D image)および3D伝送フォーマット(3D format)の各パラメータが3Dフィールドの所定の位置(3D_X)に割り当てられてEDID情報としてEDID_ROM213に記憶される。
【0069】
次に、映像のブランキング期間に重畳して伝送するAVIインフォフレーム(AVI infoFrame)について説明する。
【0070】
図12は、AVIインフォフレームのフォーマットを説明する図であり、ベンダーインフォフレーム(HDMI Vender Specific infoFrame)のフォーマットを示す。図12(a)は、ベンダーインフォフレームのパケットヘッダ(HDMI Vender Specific infoFrame Packet Header)の構成、図12(b)はベンダーインフォフレームのパケットコンテンツ(HDMI Vender Specific infoFrame Packet Contents)の構成を示している。
【0071】
まず、パケットヘッダのByte#HB0には、ベンダー独自のインフォフレームであることを宣言するためにパケットタイプ(Packet Type)=0X81を記述すし、Byte#HB1には、バージョン番号(0X01)を記述する。また、Byte#HB2のBit#4〜Bit#0の5ビットを使って、ベンダーインフォフレームのペイロード長(Nv)を記述する。
【0072】
パケットコンテンツのByte#PB0〜Byte#PB2の3バイトにはIEEEに登録されたベンダーIDを記述する。Byte#PB3(データ領域)にデータ(3D_7〜3D_0)が記述され、Byte#PB4〜Byte#PB(Nv−4)はReserved(0)とする。すなわち、このデータ領域に図6の3D映像の伝送フォーマットの各パラメータを記述する。
【0073】
なお、上記ではデータ領域を1バイト(Byte#PB3)として説明したが、これは図6に示す伝送フォーマットの全パラメータを1つのコードで伝送する場合を想定しているためである。データ領域としてはこれに限定されるものではなく、例えば、図6に示した伝送フォーマットの全てのパラメータを伝送する場合は、それに必要なデータ領域を確保することもできる。
【0074】
また、図6に示す伝送フォーマットの情報の一部は、CECチャンネルを経由して送ることもできる。
【0075】
図13は、CECのフォーマットを説明するための図であり、図3におけるBグループの各種パラメータをCECチャンネルで伝送するためのフォーマットを示す。CECでは情報をメッセージ(message)として伝送する。図13(a)はメッセージを構成するCECフレーム(CEC frame)のパケット構造を示し、図13(b)は、図3のBグループの各種パラメータを送るためのCECフレームの例を示す。
【0076】
図13(a)において、CECフレームは、ヘッダブロック(Header block)とデータブロック1〜データブロックN(data block1〜data blockN)(N=1〜13)で構成されている。ヘッダブロックには4ビットの発信者(Source)と宛先(Destination)のアドレスが記述される。各データブロックには1バイトの情報(Information)が含まれており、データブロック1でコマンドを送り、データブロック2以降で引数(パラメータ)が伝送される。またすべてのブロックには、1ビットのEOM(End of Message)が付加されており、このブロックの後にブロックが続く(0)か、このブロックでメッセージが終了(1)するかを示す。また、同様に1ビットのACK(Acknowldge)を含み、発信者はACKを1にして送信し、受信者は自分宛のメッセージであればACKを0にし、自分宛でなければ1のまま返信する。
【0077】
CECでは、ベンダー独自のベンダーコマンド(Vender Command)用のメッセージが用意されており、各ベンダーはこのメッセージを使って、ベンダー独自のコマンドや引数を機器間でやり取りすることができる。
【0078】
このCECのベンダーコマンドを使って図3のBグループのパラメータを伝送する方法について説明する。図13(b)において、ヘッダブロック(header block)に続いてID付ベンダーコマンド(vender command with ID)であることを示す“0XA0”の値を送り、次の3ブロックでベンダーID(Vender ID)を送る。その後に、ベンダー独自データ(Vender Specific data)を送る。ベンダー独自データの最初のブロックがベンダー定義コマンド(Vender Command)であり、その後にデータブロックを続ける。1つのCECメッセージは最大14ブロックであるので、ベンダー独自データとしては11ブロック(11byte)が伝送が可能となる。本実施の形態では、このベンダー定義コマンドとして3D映像に関連するコマンドを定義して、このコマンドを使って図3のBグループのパラメータを送るようにしている。
【0079】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図14を用いて説明する。図14は、本実施の形態における立体映像伝送システム2の構成例を示す図である。本実施の形態の3D映像伝送システム2が実施の形態1と異なる点は、映像出力装置が記録再生装置100からチューナ300に変更された点である。それ以外の構成要素は同じであるので同一の構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
映像受信装置としてのチューナ300は受信部305、フォーマット変換部304、HDMI送信部310を備えており、アンテナ301、同軸ケーブル302、インターネット303と接続されている。放送局(図示せず)より放送された3D映像はアンテナ301を経由して映像取得手段としての受信部305で所定の受信フォーマットで受信される。受信された3D映像はフォーマット変換部304で事前に取得された表示装置200の受信可能な伝送フォーマットへ変換されてHDMI送信部310を経由して表示装置200へ出力される。
【0081】
有線放送局(ケーブル局;図示せず)より放送された3D映像は同軸ケーブル302を、IP(Internet Protocol)ネットワークに対応した番組配信サーバ(図示せず)よりの3D映像はインターネット303をそれぞれ経由して受信部305に入力される。フォーマット変換部304はアンテナ301、同軸ケーブル302、インターネット303それぞれから受信した3D映像の受信フォーマットに対応した変換を行うことになる。以後の動作は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0082】
このように、本実施の形態の3D映像伝送システム2によれば、家庭等の外部から送られてくる種々のフォーマットの3D映像についてもHDMI端子を備えたチューナ300により表示装置200に伝送して表示することが可能である。
【0083】
以上説明したように、本発明によれば、HDMIを介して接続された映像出力装置と表示装置よりなる3D映像伝送システムにおいて、映像出力装置と表示装置の間で3D映像を伝送、表示するための各種パラメータを伝送することが可能となる。これにより、3D映像伝送システムに異なる表示能力を持った複数の表示装置が接続された場合でも、3D映像データを問題なく伝送することができる。
【0084】
なお、上記実施の形態では、記録再生装置100はDVDレコーダとして説明したが、これに限定されるものではなくBDレコーダ、HDD(ハードディスクドライブ)レコーダ等であってもよい。
【0085】
また、上記実施の形態では、HDMI規格に準拠したHDMIケーブルで映像出力装置と表示装置を接続した場合について説明したが、機器間の接続は無線で行ってもよい。無線通信方式がHDMIプロトコルに対応していれば本発明を適用可能である。この際、伝送する3D映像データはベースバンド映像データに限らず圧縮映像データでもよい。
【0086】
また、上記実施の形態は、HDMI規格を前提に記載したが、本実施の形態で説明した表示装置の表示能力を表す各種パラメータを機器間で交換できれば、他の伝送方法でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、HDMIで接続された機器間で立体映像データを送受信するシステムに幅広く利用することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
100 記録再生装置
101 光ディスク
102 記録再生部
103 コーデック
104,204,304 フォーマット変換部
110,310 HDMI送信部
111 TMDSエンコーダ
112,212 パケット処理部
200 表示装置
201 表示制御部
202 表示パネル
210 HDMI受信部
211 TMDSデコーダ
213 EDID ROM
300 チューナ
301 アンテナ
302 同軸ケーブル
303 インターネット
305 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を出力する映像出力装置であって、
映像信号を入力して処理する映像入力装置の受信能力に応じて、前記映像出力装置から出力する前記映像信号の形式を変換するフォーマット変換部と、
前記フォーマット変換部が変換した映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースで出力するHDMI送信部と、を備え、
前記フォーマット変換部は、前記出力する前記映像信号の形式が立体映像信号である場合に、前記立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、前記2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、を生成する、
映像出力装置。
【請求項2】
映像出力装置から入力される映像信号と垂直同期信号を処理する映像入力装置であって、
前記映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を保持するEDID記憶部と、
前記EDID記憶部に保持されている処理可能な映像信号が立体映像信号である場合、前記立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、前記2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、をHDMI規格に準拠したインタフェースで受信するHDMI受信部と、
を備える映像入力装置。
【請求項3】
映像信号を出力する映像出力装置の出力制御方法であって、
映像信号を入力して処理する映像入力装置の受信能力に応じて、前記映像出力装置から出力する前記映像信号の形式を変換するフォーマット変換ステップと、
前記フォーマット変換ステップが変換した映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースで出力するHDMI送信ステップと、を備え、
前記フォーマット変換ステップは、前記出力する前記映像信号の形式が立体映像信号である場合に、前記立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、前記2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、を生成する、
映像出力装置の出力制御方法。
【請求項4】
映像出力装置から入力される映像信号と垂直同期信号を処理する映像入力装置の入力制御方法であって、
EDID記憶部に記録された前記映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を、映像信号を出力する映像出力装置へ送信するステップと、
前記映像出力装置へ送信した映像信号形式の情報に基づいて前記映像出力装置から送信される映像信号が立体映像信号である場合、前記立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、前記2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期としての垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、をHDMI規格に準拠したインタフェースで受信するHDMI受信ステップと、
を備える映像入力装置の入力制御方法。
【請求項5】
映像信号を出力する映像出力装置と、前記映像信号を入力として処理する映像入力装置と、を備えた映像伝送システムであって、
前記映像入力装置は、
前記映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を保持するEDID記憶部と、
前記映像出力装置から出力された前記映像信号を、HDMI規格に準拠したインタフェースで受信するHDMI受信部と、
を備え、
前記映像出力装置は、
前記EDID記憶部に保持されている前記映像入力装置が処理可能な前記映像信号形式の情報が立体映像信号であることを示す場合、立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、前記2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、を生成するフォーマット変換部と、
前記フォーマット変換部が生成した映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースで前記映像入力装置へ送信するHDMI送信部と、
を備える、映像伝送システム。
【請求項6】
映像信号を出力する映像出力装置から、前記映像信号を入力として処理する映像入力装置へ、前記映像信号を伝送する映像伝送方法であって、
前記映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報を前記映像出力装置へ送信する情報伝送ステップと、
前記映像入力装置が処理可能な映像信号形式の情報が立体映像信号である場合に、立体映像信号を、前記立体映像信号を構成する2つの関連する映像信号と、前記2つの映像信号の一方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅と他方の映像信号の垂直同期として出力される垂直同期信号の信号幅とが異なる垂直同期信号と、に変換する変換ステップと、
前記変換された映像信号をHDMI規格に準拠したインタフェースを用いて前記映像出力装置から前記映像入力装置へ伝送する伝送ステップと、
を備える映像伝送方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−62839(P2013−62839A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238645(P2012−238645)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2011−258962(P2011−258962)の分割
【原出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】