説明

映像伝送システム、送信装置、受信装置及び保持時間制御方法

【課題】送信装置側でデータパケットの伝送レートが変更された場合であっても、受信装置側で正常に誤り訂正を行うことが可能な映像伝送システムと、このシステムに用いられる送信装置、受信装置及び保持時間制御方法を提供する。
【解決手段】送信装置10では、パケット化部11でパケット化した映像データを、誤り訂正符号化バッファ部12で誤り訂正符号化し、送信部16から受信装置20へ送信する。受信装置20では、送信装置10からの映像データに対して誤り訂正バッファ部23−1,23−2で誤り訂正し、後段へ出力する。このとき、制御パケット生成部13は、誤り訂正符号化バッファ部12がデータパケットを所定容量分蓄積するのにかかる時間に基づいて、誤り訂正バッファ部23−1,23−2の保持時間を制御するための制御情報を生成する。受信制御部25は、この制御情報に従って、誤り訂正バッファ部23−1,23−2の保持時間を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パケット化した映像データを、ネットワーク網を介して伝送する映像伝送システムと、このシステムに用いられる送信装置、受信装置及び保持時間制御方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上のデータ伝送において、従来から利用されているダウンロード型伝送方式に加えて、ストリーム型伝送方式によるサービスが増加してきている(例えば、特許文献1参照)。このストリーム型伝送方式では、伝送システムの送信装置から受信装置にデータ転送が行われている間に、受信したデータを再生ができるため、インターネット電話、遠隔テレビ会議、ビデオオンデマンドといったインターネットサービスに利用されている。
【0003】
ストリーム型伝送方式に適したインターネット技術に、IETF RFC3550で規定されているRTP(Realtime TransportProtocol)がある。RTPによるデータ転送では、時間情報としてパケットにタイムスタンプを付加しておき、これによって送信装置と受信装置の時間的関係を把握することで、パケット転送の遅延ゆらぎ(ジッター)などの影響を受けずに同期をとって再生することができる。
【0004】
ここで、RTPは実時間のデータ転送を保証しているものではない。パケット配送の優先度や設定、管理などはRTPが提供するトランスポートサービスの範疇ではないため、RTPパケットはほかのパケットと同様に配送遅延やパケットロスがおきる可能性がある。このような事態が起こっても、受信装置は期待する時間内に到着したパケットだけを利用してデータを再生することが可能である。これは、映像や音声データが多少のデータ損失があったとしても、ある程度再生できるからである。
【0005】
RTPを用いてデータ転送の信頼性を向上させる手法として、前方誤り訂正符号化方式、いわゆるFEC(Forward Error Correction)方式、という手法がある。このFEC方式では、所定の個数のデータパケットを一つの単位として、RS(Reed-Solomon)符号等の誤り訂正符号を用いて冗長符合化を行う。
【0006】
例えば、送信装置において、(n,k)RS符号を用いる場合、データパケットk個に、n−k個の冗長パケットを付加したn個のパケットを受信装置へ送信することができる。ここで、n>kである。受信装置は、受信したパケットを保持し、予め設定された保持時間毎に誤り訂正を行うようにしている。このとき、この保持時間内に、送信装置から合計n個のパケットを受信することができれば、n−k個の冗長パケットを用いたRS復号処理により、パケットロス等の影響によるデータパケットの損失を復元することができる。しかしながら、送信装置において、受信装置へ伝送するデータパケットの伝送レートが変更される場合がある。このような場合、単位時間当たりに伝送されるデータパケットの数が変化してしまうため、冗長パケットを含むn個のパケットを受信することができなくなり、正常に誤り訂正を行えないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−112136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、従来の映像伝送システムでは、送信装置側でデータパケットの伝送レートが変更された場合、受信装置側で正常に誤り訂正を行うことができなかった。
【0009】
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、送信装置側でデータパケットの伝送レートが変更された場合であっても、受信装置側で正常に誤り訂正を行うことが可能な映像伝送システムと、このシステムに用いられる送信装置、受信装置及び保持時間制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る映像伝送システムは、パケット化された映像データを送信装置及び受信装置により伝送する映像伝送システムにおいて、前記送信装置は、前記映像データをパケット化してデータパケットを生成するパケット化部と、前記生成されたデータパケットを順次保持し、保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記容量分のデータパケット及び前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケットを出力する符号化バッファ部と、前記符号化バッファ部に保持される前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて前記受信装置に対する制御情報を生成する制御情報生成部と、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御情報を前記受信装置へ送信する送信部とを備え、前記受信装置は、前記送信装置から送信されたデータパケット、冗長パケット及び制御情報を受信する受信部と、前記受信したデータパケット及び冗長パケットを一時的に保持し、指定された保持時間が経過した場合、前記保持時間に保持されたデータパケットを、前記冗長パケットを用いて誤り訂正したのち出力する誤り訂正バッファ部と、前記制御情報に基づいて前記誤り訂正バッファ部における保持時間を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る送信装置は、パケット化された映像データを送信装置及び受信装置により伝送する映像伝送システムに用いられ、前記映像データをパケット化してデータパケットを生成するパケット化部と、前記生成されたデータパケットを順次保持し、保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記容量分のデータパケット及び前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケットを出力する符号化バッファ部と、前記符号化バッファ部に保持される前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて前記受信装置に対する制御情報を生成する制御情報生成部と、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御情報を前記受信装置へ送信する送信部とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る受信装置は、映像データをパケット化してデータパケットを生成するパケット化部と、前記生成されたデータパケットを順次保持し、保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記容量分のデータパケット及び前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケットを出力する符号化バッファ部と、前記符号化バッファ部に保持される前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて制御情報を生成する制御情報生成部と、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御情報を送信する送信部とを備える送信装置を具備する映像伝送システムに用いられ、前記送信装置から送信されたデータパケット、冗長パケット及び制御情報を受信する受信部と、前記受信したデータパケット及び冗長パケットを一時的に保持し、指定された保持時間が経過した場合、前記保持時間に保持されたデータパケットを、前記冗長パケットを用いて誤り訂正したのち出力する誤り訂正バッファ部と、前記制御情報に基づいて前記誤り訂正バッファ部における保持時間を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る保持時間制御方法は、パケット化された映像データを送信装置及び受信装置により伝送する映像伝送システムで用いられる保持時間制御方法において、前記映像データをパケット化してデータパケットを生成し、前記生成されたデータパケットを前記受信装置の符号化バッファ部に順次保持し、前記保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記符号化バッファ部に保持した前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて前記受信装置に対する制御情報を生成し、前記容量分のデータパケット、前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケット及び前記制御情報を前記送信装置から前記受信装置へ送信し、前記送信装置から送信された制御情報に基づいて、前記受信装置の誤り訂正バッファ部におけるデータパケット及び冗長パケットの保持時間を制御し、前記送信装置から送信されたデータパケット及び冗長パケットを前記誤り訂正バッファ部に一時的に保持し、前記制御した保持時間が経過した場合、前記誤り訂正バッファ部に保持したデータパケットを、前記冗長パケットを用いて誤り訂正することを特徴とする。
【0014】
上記構成による映像伝送システム、送信装置、受信装置及び保持時間制御方法では、送信装置の符号化バッファ部においてデータパケットを所定容量分蓄積するのにかかる時間に基づいて、受信装置の誤り訂正バッファ部の保持時間を制御するようにしている。これにより、伝送レートが送信装置で変更された場合であっても、伝送レートの変更に従って誤り訂正バッファ部の保持時間を変更することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、送信装置側でデータパケットの伝送レートが変更された場合であっても、正常に誤り訂正を行うことが可能な映像伝送システムと、このシステムに用いられる送信装置、受信装置及び保持時間制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像伝送システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1の誤り訂正符号化バッファ部におけるFEC冗長符号化の一例を示す模式図である。
【図3】図1の受信制御部が誤り訂正バッファ部の保持時間を制御する際のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明に係る映像伝送システム、送信装置、受信装置及び保持時間制御方法の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像伝送システムの機能構成を示すブロック図である。送信装置10と受信装置20とは、ネットワーク網を介して接続され、送信装置10から送信されたパケット化された映像データは、受信装置20へ伝送される。
【0019】
送信装置10は、パケット化部11、誤り訂正符号化バッファ部12、制御パケット生成部13、切替器14、切替制御部15及び送信部16を備える。パケット化部11は、例えばMPEG4等により圧縮処理された映像データをパケット化してデータパケットを生成する。このとき、パケット化部11は、IETF RFC1889に規定されるRTPに従ったデータパケットを生成する。
【0020】
誤り訂正符号化バッファ部12は、パケット化部11で生成されたデータパケットが所定容量蓄積されると、この所定容量蓄積されたデータパケットに対して、FEC(前方誤り訂正符号)冗長符号化を行い、所定容量のデータパケットとFEC冗長符号化により生成された冗長パケットとを切替器14へ出力する。
【0021】
図2は、誤り訂正符号化バッファ部12におけるFEC冗長符号化の一例を示す模式図である。誤り訂正符号化バッファ部12は、例えば3×3のマトリクス型のバッファであり、パケット化部11から供給されるデータパケットを「1」から順次蓄積する。このとき、誤り訂正符号化バッファ部12は、所定容量を満たす9個のデータパケットを1つの単位として、リードソロモン(RS:Read-Solomon)符号等の消失誤り訂正符号を用いて冗長符号化を行う。例えば、(12,9)RS符号を用いる場合、誤り訂正符号化バッファ部12では、冗長符号化前の9個のデータパケットから、3個の冗長パケットが生成され、合計12個のデータパケットとなる。ここで、誤り訂正符号化バッファ部12では、7番目のデータパケットが蓄積されると冗長パケット1が生成され、8番目のデータパケットが蓄積されると冗長パケット2が生成され、9番目のデータパケットが蓄積されると冗長パケット3が生成されることとなる。9個のデータパケットと3個の冗長パケットとは、例えば、図2に示す順序で切替器14へ供給される。
【0022】
制御パケット生成部13は、誤り訂正符号化バッファ部12にデータパケットが所定容量蓄積されると、この所定容量の蓄積までにかかった時間を計測し、データパケットの伝送レートを算出する。制御パケット生成部13は、伝送レートを算出すると、算出した伝送レートに基づく制御情報を生成する。制御パケット生成部13は、生成した制御情報にRTPに従ったパケット化を施して制御パケットを生成する。生成された制御パケットは切替器14へ出力される。
【0023】
切替器14は、誤り訂正符号化バッファ部12からのデータパケット及び冗長パケットと、制御パケット生成部13からの制御パケットとを受け取り、後述する切替制御部15からの切替制御に従っていずれかのデータパケットを選択的に導出する。
【0024】
切替制御部15は、切替器14に対して切替制御を行う。すなわち、切替制御部15は、誤り訂正符号化バッファ部12に所定容量のデータパケットが蓄積されたことを検知すると、制御パケット生成部13からの制御パケットを導出するように切替器14を切り替える。切替制御部15は、制御パケットの導出が完了すると、誤り訂正符号化バッファ部12からのデータパケット及び冗長パケットを導出するように切替器14を切り替える。切替器14から導出されたデータパケットは送信部16へ供給される。送信部16は、制御パケットと、データパケット及び冗長パケットとを別々のポートに割り当てて受信装置20へ送信する。
【0025】
上記受信装置20は、受信部21、切替器22、誤り訂正バッファ部23−1,23−2、タイマ24及び受信制御部25を備える。受信部21は、送信装置10から最初に送信される、制御パケット生成部13で生成された制御パケットを受信し、この制御パケットを受信制御部25へ出力する。また、受信部21は、制御パケットに続くデータパケット及び冗長パケットを受信し、これらを切替器22へ出力する。
【0026】
切替器22は、受信部21からのデータパケット及び冗長パケットを、後述する受信制御部25からの切替制御に従い、誤り訂正バッファ部23−1,23−2のうちいずれかへ選択的に導出する。
【0027】
誤り訂正バッファ部23−1,23−2は、切替器22から導出されたデータパケット及び冗長パケットを保持し、タイマ24で計測される時間が所定の保持時間に達する度に、保持したデータパケットをパケット解除部26−1,26−2へそれぞれ出力する。このとき、誤り訂正バッファ部23−1,23−2は、保持した冗長パケットを用いてデータパケットの誤り訂正を行う。
【0028】
誤り訂正バッファ部23−1,23−2は、例えば、誤り訂正符号化バッファ部12と同様の3×3のマトリクス型のバッファであり、誤り訂正符号化バッファ部12から図2に示される順序で送信されたデータパケットを「1」から順次蓄積する。誤り訂正バッファ部23−1,23−2は、1〜7番目までのデータパケットを蓄積し、次に冗長パケット1を受け取った場合、この冗長パケット1を用いて1,4,7番目のデータパケットを復元する。また、8番目のデータパケットを蓄積し、次に冗長パケット2を受け取った場合、この冗長パケット2を用いて2,5,8番目のデータパケットを復元する。また、9番目のデータパケットを蓄積し、次に冗長パケット3を受け取った場合、この冗長パケット3を用いて3,6,9番目のデータパケットを復元する。ただし、誤り訂正バッファ部23−1,23−2は、9個のデータパケット及び3個の冗長パケットの全てを受信する前に所定の保持時間が経過してしまった場合、冗長パケット1〜3に基づいた誤り訂正を行うことができない。
【0029】
パケット解除部26−1,26−2は、誤り訂正バッファ部23−1,23−2からのデータパケットをパケット解除し、後段へ出力する。
【0030】
受信制御部25は、切替器22に対して切替制御を行う。すなわち、誤り訂正バッファ部23−1からデータパケットが出力されている間は、誤り訂正バッファ部23−2へ受信したデータパケットが供給されるように切替器22を切り替え、誤り訂正バッファ部23−2からデータパケットが出力されている間は、誤り訂正バッファ部23−1へ受信したデータパケットが供給されるように切替器22を切り替える。
【0031】
また、受信制御部25は、受信部21から制御パケットを受け取ると、誤り訂正バッファ部23−1,23−2に対する制御を行う。すなわち、制御パケットに含まれる制御情報に従って、誤り訂正バッファ部23−1,23−2におけるデータパケットの保持時間を制御する。
【0032】
次に、上記構成における動作を説明する。図3は、本発明の一実施形態における映像伝送システムにおいて、受信制御部25が誤り訂正バッファ部23−1,23−2の保持時間を制御する際のフローチャートを示す図である。ここでは、送信装置10から送信されるデータの伝送レートが30Mbpsから15Mbpsへ変更された場合を例に説明する。
【0033】
誤り訂正符号化バッファ部12は、パケット化部11から供給されたデータパケットを所定容量保持し、冗長符号化を行う。制御パケット生成部13は、データパケットが所定容量保持されるまでにかかった時間を計測し、計測した時間から伝送レート(15Mbps)を算出する。そして、算出した伝送レートに基づいて制御情報を生成する。いま、データパケットの伝送レートが30Mbpsから15Mbpsへと変更されたため、誤り訂正符号化バッファ部12が冗長符号化を行う際の時間は、30Mbpsであったときの2倍かかることとなる。制御パケット生成部13は、誤り訂正バッファ部23−1,23−2における保持時間を伝送レートが30Mbpsであったときの2倍となるように制御情報を生成する。送信装置10は、この制御情報を含む制御パケットを送信し、その後、所定容量分のデータパケット及び冗長符号化により生成された冗長パケットを送信する。
【0034】
受信装置20は、まず、送信装置10からの制御パケットを受信する。受信制御部25は、この制御パケットを受け取ると(ステップ31)、この制御情報に基づいて誤り訂正バッファ部23−1,23−2における保持時間を以前の2倍に設定する(ステップ32)。そして、誤り訂正バッファ部23−1,23−2は、送信装置10からのデータパケットを新たに設定された保持時間だけ保持し、冗長パケットを用いて誤り訂正を行い、誤り訂正後のデータパケットをパケット解除部26−1,26−2へ出力する。
【0035】
以上のように、上記一実施形態では、送信装置10の誤り訂正符号化バッファ部12においてデータパケットを所定容量分蓄積するのにかかる時間に基づいて、受信装置20における誤り訂正バッファ部23−1,23−2の保持時間を制御するようにしている。これにより、伝送レートが送信装置10で変更された場合であっても、伝送レートの変更に従って誤り訂正バッファ部23−1,23−2の保持時間を変更することが可能となる。
【0036】
したがって、本発明に係る映像伝送システムは、送信装置10側でデータパケットの伝送レートが変更された場合であっても、受信装置20側で正常に誤り訂正を行うことが可能となり、エラーに強いデータ伝送を行うことができる。
【0037】
なお、この発明は上記一実施形態に限定されるものではない。例えば上記一実施形態では、制御パケット生成部13で生成された制御情報がRTPに従ってパケット化される例を説明したが、制御情報のパケット化の方法はRTPに限定されるわけではなく、TCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(User Datagram Protocol)に従ってパケット化される場合であっても同様に実施可能である。
【0038】
また、上記一実施形態では、送信装置**が制御情報をパケット化して送信する例を説明したが、制御情報はパケット化されることに限定される訳ではない。
【0039】
また、上記一実施形態では、誤り訂正符号化バッファ部12及び誤り訂正バッファ部23−1,23−2が3×3のマトリクス型のバッファである例を説明したが、3×3以外のマトリクスバッファである場合も同様に実施可能である。
【0040】
また、上記一実施形態では、映像データをパケット化して、送信装置10から受信装置20へ伝送する例を説明したが、映像データに加えて音声データをパケット化して、送信装置10及び受信装置20間で伝送する場合であっても同様に実施可能である。
【0041】
さらに、この発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10…送信装置
11…パケット化部
12…誤り訂正符号化バッファ部
13…制御パケット生成部
14…切替器
15…切替制御部
16…送信部
20…受信装置
21…受信部
22…切替器
23−1,23−2…誤り訂正バッファ部
24…タイマ
25…受信制御部
26−1,26−2…パケット解除部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット化された映像データを送信装置及び受信装置により伝送する映像伝送システムにおいて、
前記送信装置は、
前記映像データをパケット化してデータパケットを生成するパケット化部と、
前記生成されたデータパケットを順次保持し、保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記容量分のデータパケット及び前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケットを出力する符号化バッファ部と、
前記符号化バッファ部に保持される前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて前記受信装置に対する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御情報を前記受信装置へ送信する送信部と
を備え、
前記受信装置は、
前記送信装置から送信されたデータパケット、冗長パケット及び制御情報を受信する受信部と、
前記受信したデータパケット及び冗長パケットを一時的に保持し、指定された保持時間が経過した場合、前記保持時間に保持されたデータパケットを、前記冗長パケットを用いて誤り訂正したのち出力する誤り訂正バッファ部と、
前記制御情報に基づいて前記誤り訂正バッファ部における保持時間を制御する制御部と
を備えることを特徴とする映像伝送システム。
【請求項2】
前記制御情報生成部は、前記生成した制御情報をパケット化して制御パケットを生成し、
前記送信部は、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御パケットを前記受信装置へ送信し、
前記受信部は、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御パケットを受信し、
前記制御部は、前記制御パケットに含まれる制御情報に基づいて前記保持時間を制御することを特徴とする請求項1記載の映像伝送システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記制御パケットを最初に前記受信装置へ送信し、その後に前記データパケット及び前記冗長パケットを前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項2記載の映像伝送システム。
【請求項4】
パケット化された映像データを送信装置及び受信装置により伝送する映像伝送システムに用いられ、
前記映像データをパケット化してデータパケットを生成するパケット化部と、
前記生成されたデータパケットを順次保持し、保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記容量分のデータパケット及び前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケットを出力する符号化バッファ部と、
前記符号化バッファ部に保持される前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて前記受信装置に対する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御情報を前記受信装置へ送信する送信部と
を具備することを特徴とする送信装置。
【請求項5】
前記制御情報生成部は、前記生成した制御情報をパケット化して制御パケットを生成し、
前記送信部は、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御パケットを前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項4記載の送信装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記制御パケットを最初に前記受信装置へ送信し、その後に前記データパケット及び前記冗長パケットを前記受信装置へ送信することを特徴とする請求項5記載の送信装置。
【請求項7】
映像データをパケット化してデータパケットを生成するパケット化部と、前記生成されたデータパケットを順次保持し、保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、前記容量分のデータパケット及び前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケットを出力する符号化バッファ部と、前記符号化バッファ部に保持される前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて制御情報を生成する制御情報生成部と、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御情報を送信する送信部とを備える送信装置を具備する映像伝送システムに用いられ、
前記送信装置から送信されたデータパケット、冗長パケット及び制御情報を受信する受信部と、
前記受信したデータパケット及び冗長パケットを一時的に保持し、指定された保持時間が経過した場合、前記保持時間に保持されたデータパケットを、前記冗長パケットを用いて誤り訂正したのち出力する誤り訂正バッファ部と、
前記制御情報に基づいて前記誤り訂正バッファ部における保持時間を制御する制御部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
前記制御情報生成部が前記生成した制御情報をパケット化して制御パケットを生成し、前記送信部が前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御パケットを前記受信装置へ送信する場合、
前記受信部は、前記データパケット、前記冗長パケット及び前記制御パケットを受信し、
前記制御部は、前記制御パケットに含まれる制御情報に基づいて前記保持時間を制御することを特徴とする請求項7記載の受信装置。
【請求項9】
パケット化された映像データを送信装置及び受信装置により伝送する映像伝送システムで用いられる保持時間制御方法において、
前記映像データをパケット化してデータパケットを生成し、
前記生成されたデータパケットを前記受信装置の符号化バッファ部に順次保持し、
前記保持したデータパケットの容量が予め設定された容量に達した場合、前記容量分のデータパケットに誤り訂正符号化を行い、
前記符号化バッファ部に保持した前記データパケットの容量が前記予め設定された容量に達するまでの時間に基づいて前記受信装置に対する制御情報を生成し、
前記容量分のデータパケット、前記誤り訂正符号化により生成された冗長パケット及び前記制御情報を前記送信装置から前記受信装置へ送信し、
前記送信装置から送信された制御情報に基づいて、前記受信装置の誤り訂正バッファ部におけるデータパケット及び冗長パケットの保持時間を制御し、
前記送信装置から送信されたデータパケット及び冗長パケットを前記誤り訂正バッファ部に一時的に保持し、
前記制御した保持時間が経過した場合、前記誤り訂正バッファ部に保持したデータパケットを、前記冗長パケットを用いて誤り訂正することを特徴とする保持時間制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−245838(P2010−245838A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92322(P2009−92322)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】