映像信号の表示制御装置および表示制御方法
【課題】動画表示領域と非動画表示領域が存在する画像を表示する表示手段において、PLE制御を実行するように構成した場合に発生する非動画表示領域の輝度の変化を抑制できるようにした表示制御装置および表示制御方法を提供すること。
【解決手段】表示パネル11において表示される画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定手段4と、この動画表示領域設定手段により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出手段5が備えられる。フレームメモリ3から読み出された映像信号は輝度制御手段6に供給され、輝度制御手段6は前記点灯率算出手段5により算出された画素の点灯率に応じて、表示パネル11において表示される動画表示領域の発光輝度を可変制御するように動作する。
【解決手段】表示パネル11において表示される画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定手段4と、この動画表示領域設定手段により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出手段5が備えられる。フレームメモリ3から読み出された映像信号は輝度制御手段6に供給され、輝度制御手段6は前記点灯率算出手段5により算出された画素の点灯率に応じて、表示パネル11において表示される動画表示領域の発光輝度を可変制御するように動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示すべき映像信号の平均輝度レベル(APL=Average Picture Level)を求めて、この平均輝度レベルに基づいて映像表示装置における表示輝度を制御する例えばPLE(Peak Luminance Enhancement)制御手段を備えた映像信号の表示制御装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)などにおいては、画像表示を行うにあたっては、前記したPLE制御が実行される。このPLE制御はフィールドもしくはフレーム画面全体に対応する映像信号の前記平均輝度レベルを算出し、この平均輝度レベルに基づいて実際に画像表示させるための表示輝度レベルを制御するように動作する。
【0003】
この場合、前記PLE制御では同じ輝度レベルの映像信号であっても、平均輝度レベルが小さい場合(画像全体が暗い場合)には、表示輝度レベルを高く設定して高輝度な表示が行われるように制御される。これに対して平均輝度レベルが大きい場合(画像全体が明るい場合)には、表示輝度レベルを下げて電力消費量を抑制するように制御される。このようにしてPLE制御が行われることにより、低消費電力化を実現させることができると共に、コントラストの良好な画像を表示させることが可能となる。
【0004】
前記したように、表示すべき映像信号の平均輝度レベルAPLを求め、このAPLにより表示輝度レベルを制御するPLE制御手段を備えた表示装置は、次に示す特許文献1および2などに示されている。
【特許文献1】特開平9−281927号公報
【特許文献2】特開2001−175220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した表示装置によって表示される映像画面には、動画表示領域と非動画(静止画)表示領域が共存する場合がある。図1および図2はその一例を示したものであり、符号Aで示す全体の領域は表示装置によって表示される映像の全体画面を示しており、符号Bで示す領域は動画表示領域を示している。
【0006】
すなわち、図1および図2に示した例においては、動画表示領域Bの外側にCとして示した非動画表示領域が額縁状に形成され、前記額縁状の非動画表示領域Cの下側の領域には、例えばアイコンなどの固定パターンが表示された例を示している。
【0007】
前記図1および図2に示したようにレイアウトされた表示画面Aにおいて、前記したPLE制御を行った場合には、このPLE制御はフィールドもしくはフレーム画面全体に対応する平均輝度レベル(APL)に基づいて、全体画面の表示輝度レベルを制御するように動作するので、例えば図1に示したように動画表示領域Bの画面が全体に明るい場合には、全体画面の表示輝度レベルが下げられて、Cとして示す非動画表示領域は暗く表示されるように制御される。
【0008】
また、図2に示したように動画表示領域Bの画面が全体に暗い場合には、全体画面の表示輝度レベルが上げられて、Cとして示す非動画表示領域は明るく表示されるように制御される。すなわち、非動画表示領域Cは、動画表示領域Bの輝度レベルに応じて、その都度表示輝度レベルが制御されるために、ユーザに対しては非動画表示領域において、ちらつきが発生しているような見苦しさを感じさせる結果を招来させる。
【0009】
この発明は、動画表示領域と非動画表示領域が存在する画像を表示する表示手段において、PLE制御を実行するように構成した場合に発生する前記した技術的な問題点を解消できるようにした映像信号の表示制御装置および表示制御方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる表示制御装置における好ましい基本形態は、請求項1に記載のとおり、複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御装置であって、表示される前記画像内の動画表示領域における画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域における発光輝度を可変制御する輝度制御手段を具備した構成にされる。
【0011】
また、前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる表示制御方法における好ましい基本態様は、請求項14に記載のとおり、複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御方法であって、表示される前記画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定動作と、前記動画表示領域設定動作により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出動作と、前記点灯率算出動作により算出された点灯率に応じて前記動画表示領域における発光輝度の可変制御を行う輝度制御動作とが実行される点に特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明にかかる映像信号の表示制御装置および表示制御方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下においては有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に代表される発光素子を表示画素として用いた表示パネルを点灯制御する例に基づいて説明する。
【0013】
図3は、その第1の形態を示したものであり、これはアクティブマトリクス型表示パネルを対象とした表示制御装置の例を示している。なお、この図3に示す実施の形態は特許請求の範囲における主に請求項5〜6、および請求項17に示した発明に対応するものである。
【0014】
図3に示すようにコントローラ回路1にはアナログ/デジタル(A/D)変換部2および映像信号メモリ(以下、VRAMとも言う。)3が接続されており、アナログ映像信号による入力映像信号は、コントローラ回路1およびA/D変換部2に供給されるように構成されている。
【0015】
前記コントローラ回路1はアナログ映像信号中における水平および垂直同期信号に基づいて、前記A/D変換部2に対するクロック信号CK、前記VRAM3に対する書き込み信号Wおよび読み出し信号Rを生成する。
【0016】
前記A/D変換部2は、コントローラ回路1から供給されるクロック信号CKに基づいて、入力されるアナログ映像信号をサンプリングし、これを1画素ごとの映像データに変換してVRAM3に供給するように作用する。前記VRAM3は前記コントローラ回路1からの書き込み信号WによってA/D変換部2から供給される映像データをVRAM3に順次書き込むように動作する。
【0017】
前記VRAM3としては例えばフレームメモリが用いられており、前記した書き込み動作によって、後述する表示パネルにおける一画面分の映像信号の書き込みが行われる。また、VRAM3に書き込まれた映像信号は前記コントローラ回路1からの読み出し信号Rを受けて読み出され、動画表示領域設定手段4および輝度制御手段6に供給されるように構成されている。なお、図3においては、動画表示領域設定手段は、動画領域設定手段4と表記している。
【0018】
前記動画表示領域設定手段4としては、後述する表示パネルにおける画像の表示形態によって、二つの異なった機能を備えた構成を適宜採用することができる。その一つは、例えば図1および図2に示したように表示画面Aにおける動画表示領域Bと非動画表示領域Cとが常に定められて、各領域が変化しない場合である。この場合においては前記動画表示領域設定手段4としては、予め定められた動画表示領域を前記各画素単位で指定するように構成される。すなわち、動画表示領域設定手段4は予め定められた動画表示領域Bに対応するVRAM3からの映像データを抽出して、後述する点灯率算出手段5に供給するように動作する。
【0019】
また他の一つは、図1および図2に示した表示画面Aにおいて、動画表示領域Bと非動画表示領域Cとが入力映像信号によって変化する場合である。この場合においては、前記動画表示領域設定手段4としては、前記各画素に対応する入力映像信号の時間変化を検出することにより前記動画表示領域を検知し、その都度、動画表示領域を前記各画素単位で指定するように構成される。すなわち、この場合の動画表示領域設定手段4は、入力映像信号の時間変化の検出により設定される動画表示領域Bに対応するVRAM3からの映像信号を抽出して、後述する点灯率算出手段5に供給するように動作する。
【0020】
なお、前記動画表示領域設定手段4は、前記した後者の場合において、非動画表示領域(静止画領域)を検知することによって、前記静止画領域以外の領域すなわち動画表示領域を設定するようにしてもよい。
【0021】
前記動画表示領域設定手段4からの動画表示領域に対応するVRAM3からの映像信号は点灯率算出手段5に供給され、この点灯率算出手段5は動画表示領域に対応する映像信号に基づいて画素単位の点灯率を算出するように動作する。なお、前記点灯率算出手段5は、動画表示領域に対応するすでに説明した映像信号の平均輝度レベル(APL)を算出する機能と同等の結果を得ることができる。
【0022】
前記点灯率算出手段5によって得られる動画表示領域における点灯率のデータは、輝度制御手段6に供給される。この輝度制御手段6には前記したとおりVRAM3から読み出された映像データが供給されるように構成されており、前記輝度制御手段6はVRAM3から読み出された映像信号のうち、動画表示に対応する映像信号の階調値を前記点灯率に基づいて変更する映像信号の変換処理を実行する。
【0023】
すなわち、輝度制御手段6はVRAM3から読み出された映像信号のうち、動画表示に寄与する映像信号を前記点灯率算出手段5により算出された画素の点灯率に応じた輝度に対応する階調値に変換する処理を実行するように動作する。これにより、後述する表示パネルに配列された動画表示領域における各画素の発光輝度を制御するPLE制御が実現される。そして、輝度制御手段6はPLE制御による階調制御が施された前記映像信号を、後述するデータドライバにおいて駆動可能な信号形態に変換して出力する。
【0024】
なお、前記したコントローラ回路1は、映像信号中における前記水平および垂直同期信号に基づいて、後述する走査ドライバ13およびデータドライバ14に対するシフトクロック信号やスタートパルス等を生成し、それぞれのドライバ13,14に供給するように構成されている。
【0025】
図3に示す符号11は前記した有機EL素子からなる発光素子をそれぞれに含む多数の画素12をマトリクス状に配列した表示パネルを示している。この表示パネル11には、走査ドライバ13、データドライバ14にそれぞれ接続される走査線21、データ線22が互いに直交する方向に配列されており、これらの交差位置に前記発光素子を含む画素12がそれぞれ配置されている。なお、前記各画素12には、電源供給回路16より画素の点灯駆動用電圧が電源供給線24を介して、それぞれ供給されるように構成されている。
【0026】
図4は前記した表示パネル11に配置された1つの画素に対応する回路構成を示すものであり、これは発光素子として有機EL素子を用いる場合の最も基本的な画素構成を示している。この画素12には前記データドライバ14からの映像信号に対応したデータ信号Vdataが、表示パネルに配列されたデータ線22を介して制御用TFT、すなわちデータ書き込みトランジスタTr1のソースに供給されるように構成されている。
【0027】
前記データ書き込みトランジスタTr1のゲートには、走査ドライバ13に接続された走査線21を介して走査信号Select(これを書き込みパルスとも言う。)が供給されるように構成されている。前記データ書き込みトランジスタTr1のドレインは、点灯駆動用TFT、すなわち点灯駆動トランジスタTr2のゲートに接続されると共に、電荷保持用キャパシタC1の一方の端子に接続されている。
【0028】
また、点灯駆動トランジスタTr2のソースは、前記キャパシタC1の他方の端子に接続されると共に、電源供給線24を介して前記した電源供給回路16より駆動電圧Vccが供給されるように構成されている。前記点灯駆動トランジスタTr2のドレインは、発光素子としての有機EL素子E1のアノード端子に接続され、この有機EL素子E1のカソード端子は、表示パネルの基準電位点(グランド)に接続されている。
【0029】
なお、図4に示す画素12の回路構成においては、データ書き込みトランジスタTr1がnチャンネル型TFTにより構成され、駆動トランジスタTr2がpチャンネル型TFTにより構成されている。そして、前記した構成による画素12は、図3に示したように行および列方向にマトリクス状に多数配置されて表示パネル11が構成されている。
【0030】
図4に示した画素12の構成において、制御トランジスタTr1のゲートには、アドレス期間において走査ドライバ13より走査信号としての書き込みパルスSelectが供給される。この時、データドライバ14から供給されるデータ信号Vdataが画素を点灯させるデータである場合においては、制御トランジスタTr1のソース・ドレインを介して、データ信号Vdataに対応した電流がキャパシタC1に流れ、キャパシタC1は充電される。
【0031】
そして、その充電電圧が駆動トランジスタTr2のゲートに供給されて、トランジスタTr2はそのゲート電圧とドレインに供給される駆動電圧Vccに対応した電流を前記EL素子E1に流し、これによりEL素子E1は発光(点灯)する。
【0032】
前記制御トランジスタTr1のゲートに対する前記書き込みパルスの印加が停止されると、トランジスタTr1はいわゆるカットオフとなる。しかしながら、キャパシタC1に蓄積された電荷により駆動トランジスタTr2のゲート電圧が保持され、これによりEL素子E1への駆動電流が維持される。
【0033】
したがって、EL素子E1は次のアドレス動作に至る期間において、前記データ信号Vdataに対応した点灯状態を継続することができる。それ故、前記したアドレス期間において、データドライバ14から供給されるデータ信号Vdataに応じて画素の点灯もしくは消灯が制御され、これにより各画素の単位期間における点灯期間が個別に制御されて階調制御が実現される。
【0034】
図3および図4に示した実施の形態においては、前記したPLE制御による階調表現を実現させるために、1フレーム期間を複数のサブフレームに分割し、各サブフレームごとに画素の点灯または非点灯を制御することで、1フレーム期間内における画素の点灯期間の累計により階調制御を実現する制御手段が採用されている。
【0035】
図5はその階調制御の一例を示すものであり、この例においては説明を簡素化するために1フレーム期間を7つのサブフレームに分割し、サブフレーム期間の単純な累計により“階調0”〜“階調7”の8階調を表現する単純サブフレーム法を示している。この例においてはサブフレーム期間ごとに、そのサブフレーム期間の開始時に、前記したデータドライバ14より画素を点灯または非点灯に制御するデータ信号Vdataが供給される。
【0036】
ここで1つのフレーム期間を構成する第1〜第7のサブフレームの全てにおいて、画素を非点灯に制御するデータ信号が供給された場合には、図5に示すように“階調0”が実現される。また、第1〜第7のサブフレームの全てにおいて、画素を点灯状態に制御するデータ信号が供給された場合には、図5に示すように“階調7”が実現される。
【0037】
前記した輝度制御手段6はすでに説明したとおり、動画表示領域に対応する画素の点灯率に応じて、動画表示領域の画素の階調を制御するものであり、点灯率が大きくなる場合には階調を低くする制御を実行するように動作する。これにより、動画表示領域に対応する画素の点灯率が例えば100%に近い状態である場合においては、入力される映像信号に基づく階調に対して、階調がn段(nは整数)下げるように動作する。したがって、前記点灯率が高い場合においては、動画表示領域における画素の1フレーム期間における点灯期間は縮小され、当該画素の発光輝度は抑制される。この結果、低消費電力化を実現させることができる。
【0038】
一方、動画表示領域に対応する画素の点灯率が小さくなる場合には、入力される映像信号に基づく階調に対して、動画表示領域の階調をn段(nは整数)上げるように動作する。これにより、動画表示領域における画素の1フレーム期間における累積点灯期間が拡大され、動画表示領域におけるコントラストの良好な画像を表示させることが可能となる。なお、前記した実施の形態によると、非動画(静止画)領域においてはPLE動作は実行されないので、非動画領域の階調は入力映像信号に基づく階調で表示される。
【0039】
次に、前記した図3および図4に示した表示制御装置の構成を利用して、他のPLE制御動作を実現させることもできる。以下に説明するPLE制御動作は、特許請求の範囲における主に請求項7、請求項18に示した発明に対応するものである。
【0040】
この実施の形態における前記輝度制御手段6は、動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバ14からの出力電圧値を、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて可変制御するように構成した点に特徴を有する。
【0041】
この場合における図4に示す画素構成におけるデータ書き込みトランジスタTr1および点灯駆動トランジスタTr2はアナログ動作(定電流駆動)領域にて動作するように設定される。そして、各走査線21に対応するそれぞれのアドレス期間において、動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバ14からのデータ信号Vdataの電圧値が、前記点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるように構成される。
【0042】
この結果、各走査線21に対応するそれぞれのアドレス期間において、各画素の電荷保持用キャパシタC1に書き込まれる電圧値は、前記データ信号Vdataの電圧値に対応したものとなる。そして、点灯駆動トランジスタTr2は電荷保持用キャパシタC1に書き込まれた電圧値に対応した駆動電流を、前記EL素子E1に供給するように動作する。したがって、動画表示領域に対応する各画素12の輝度は、前記した点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるPLE動作が実現される。
【0043】
この場合、各走査線21に対応するそれぞれのアドレス期間において、非動画表示領域に対応する各データ線に供給されるデータドライバ14からのデータ信号Vdataの電圧値は、前記点灯率に関係なく入力映像信号に基づいて制御される。したがって、非動画領域における画素の発光輝度が、前記点灯率による影響を受ける問題を回避することができる。
【0044】
図6は、この発明にかかる他の表示制御装置の例を示すものであり、これは特許請求の範囲における主に請求項8〜9、および請求項19に示した発明に対応するものである。なお、図6に示す構成において、すでに説明した図3に示す各部と同様の機能を果たす部分を同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省略する。また、図6に示す表示制御装置の構成においても、表示パネル11に配列された各画素12の構成は、図4に示した構成を採用することができる。
【0045】
この図6に示す実施の形態における輝度制御手段6は、動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線24に対して、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて可変される駆動電圧を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線24に対しては、予め定められた値の駆動電圧を供給するように構成した点に特徴を有する。
【0046】
このために前記電源供給回路16には、輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データによって出力値が可変される可変電圧源EV1と、予め定められた値の電圧が出力される固定電圧源EF1が備えられている。そして、前記可変電圧源EV1もしくは固定電圧源EF1からの駆動電圧を、各電源供給線24に対して選択的に供給するための選択手段としてのスイッチS1,S2,……が各電源供給線24に対応して備えられている。
【0047】
また、図6に示すように動画表示領域設定手段4により設定される動画表示領域の情報データが、コントローラ回路1に供給されるように構成されている。そして、前記コントローラ回路1は前記動画表示領域の情報データを受けて、電源供給回路16における前記各スイッチS1,S2,……を、前記可変電圧源EV1もしくは固定電圧源EF1側に択一的に接続するように制御する。
【0048】
すなわち、前記動画表示領域設定手段4からの動画表示領域の情報に基づいて、動画表示領域の画素に対応する電源供給線24には、前記各スイッチS1,S2,……を介して可変電圧源EV1からの駆動電圧が供給されるように動作し、非動画表示領域の画素に対応する電源供給線24には、前記各スイッチS1,S2,……を介して固定電圧源EF1からの駆動電圧が供給されるように動作する。
【0049】
したがって、動画表示領域の各画素12には、輝度制御手段6からの輝度制御データによって出力値が可変される可変電圧源EV1からの駆動電圧が供給され、これにより、動画表示領域に対応する各画素12の輝度は、前記した点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるPLE動作が実現される。一方、非動画表示領域の各画素12には、固定電圧源EF1からの駆動電圧が供給されるので、非動画表示領域に対応する各画素12は一定の輝度に保つことができる。
【0050】
なお、図6に示した実施の形態によると、表示パネル11における電源供給線24の配列方向によって、動画表示領域および非動画表示領域が区画されることになる。すなわち、図6に示した表示パネル11のように電源供給線24の配列方向が縦方向である場合には、図7に示したように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが縦方向の線で区画されることになる。
【0051】
したがって、図6に示す走査線21、データ線22、電源供給線24の配列関係を、表示パネル11上においてそのまま例えば90度回転させた状態に配列することで、図8に示すように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが横方向の線で区画されるように構成させることができる。
【0052】
図9は、この発明にかかる他の表示制御装置の例を示すものであり、これはパッシブマトリクス型表示パネルを対象とした表示制御装置の例を示している。なお、この図9に示す実施の形態は特許請求の範囲における主に請求項10〜11、および請求項20に示した発明に対応するものである。
【0053】
この図9に示す表示制御装置の構成においても、すでに説明した図6に示した構成と同様にコントローラ回路1、A/D変換部2、VRAM3、動画表示領域設定手段4、点灯率算出手段5、輝度制御手段6が具備されるが、図9においてはコントローラ回路1、輝度制御手段6を除き、前記他の構成は省略して示している。
【0054】
この図9に示す実施の形態における輝度制御手段6は、動画表示領域に対応する画素に接続されたデータ線に対して、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて可変される駆動電流を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続されたデータ線に対しては、予め定められた値の駆動電流を供給するように構成した点に特徴を有する。
【0055】
図9に示す表示パネル31には、n本のデータ線としての陽極線A1〜Anが縦方向(列方向)に配列され、m本の走査線としての陰極線K1〜Kmが横方向(行方向)に配列され、各々の交差した部分(計n×m箇所)に、ダイオードのシンボルマークで示した画素を構成する有機EL素子E11〜Enmが各陽極線と走査線との間に接続されて配置されている。そして、各陽極線A1〜Anはデータドライバとしての陽極線ドライブ回路32に接続され、各陰極線K1〜Kmは同じく走査ドライバとしての陰極線走査回路33に接続されてそれぞれ駆動される。
【0056】
前記陽極線ドライブ回路32には、駆動電圧VHを利用して動作する第1群の定電流源Ia1〜Ianが備えられている。この第1群の定電流源Ia1〜Ianには、前記輝度制御手段6からのPLE制御に基づく信号が供給される。これにより第1群の定電流源Ia1〜Ianは、すでに説明した点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて、その出力電流値(駆動電流値)が制御されるように動作する。
【0057】
一方、陽極線ドライブ回路32には、第2群の定電流源Ib1〜Ibnが備えられており、これは予め定められた値の駆動電流を供給するように構成されている。そして、前記第1群または第2群の定電流源、もしくは基準電位点としてのグランドを選択することができる選択手段としてのドライブスイッチSa1〜Sanが各陽極線A1〜Anに対応して備えられており、このドライブスイッチSa1〜Sanは、コントローラ回路1からの指令信号によって切り換えられるように構成されている。
【0058】
また、前記陰極線走査回路33には、各陰極線K1〜Kmに対応して走査スイッチSk1〜Skmが備えられ、コントローラ回路1からの指令信号によって、非走査選択電位として機能するクロストーク発光を防止するための逆バイアス電圧源VMまたは走査選択電位として機能するグランド電位のうちのいずれか一方を、対応する陰極線に接続するように作用する。
【0059】
これにより、陰極線を所定の周期で基準電位点(グランド電位)に設定しながら、所望の陽極線A1〜Anに第1群または第2群の定電流源を接続することにより、前記各EL素子を選択的に発光させるように作用する。
【0060】
なお、図9に示す実施の形態においては、コントローラ回路1より陰極線走査回路33に対して走査同期信号が供給され、これにより各陰極線K1〜Kmを順次グランド電位(走査選択電位)に設定する動作が繰り返される。またコントローラ回路1より陽極線ドライブ回路32に対して走査同期信号に同期して走査ラインごとにドライブ制御信号が供給される。
【0061】
すなわち、コントローラ回路1には、図6に基づいてすでに説明したように動画表示領域設定手段4により設定される動画表示領域の情報データが供給される。コントローラ回路1は、これに基づいて動画表示領域の画素を点灯させる場合においては第1群の定電流源Ia1〜Ianを選択するようにドライブスイッチSa1〜Sanを制御し、非動画表示領域の画素を点灯させる場合においては第2群の定電流源Ib1〜Ibnを選択するようにドライブスイッチSa1〜Sanを制御する。さらに画素を非点灯にする場合には基準電位(グランド電位)を選択するようにドライブスイッチSa1〜Sanを制御する。
【0062】
したがって、動画表示領域の各画素(EL素子)には、輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データによって定電流値が可変される第1群の定電流源Ia1〜Ianからの駆動電流が供給される。これにより、動画表示領域に対応する各画素の輝度は、すでに説明した点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるPLE動作が実現される。一方、非動画表示領域の各画素には、第1群の定電流源Ia1〜Ianからの一定の駆動電流が供給されるので、非動画表示領域に対応する各画素の輝度を一定の輝度に保つことができる。
【0063】
なお、図9に示した実施の形態においても、表示パネル31におけるデータ線としての陽極線A1〜Anの配列方向によって、動画表示領域および非動画表示領域が区画されることになる。すなわち、図9に示した表示パネル31のように陽極線A1〜Anの配列方向が縦方向である場合には、図7に示したように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが縦方向の線で区画されることになる。
【0064】
したがって、図9に示す直交関係にあるデータ線A1〜An、走査線K1〜Kmの配列関係を、表示パネル31上においてそのまま例えば90度回転させた状態に配列することで、図8に示すように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが横方向の線で区画されるように構成せることができる。
【0065】
図10〜図13は、この発明にかかるさらに他の表示制御装置の例を示すものであり、これはSES(Simultaneous Erasing Scan)駆動方式を採用したアクティブマトリクス型表示パネルを対象とした表示制御装置の例を示している。
【0066】
なお、この図10〜図13に示す実施の形態は特許請求の範囲における主に請求項12〜13、および請求項21に示した発明に対応するものである。そして、図10に示す構成においては、すでに説明した図6に示す各部と同様の機能を果たす部分を同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省略する。
【0067】
この図10〜図13に示す実施の形態においては、動画表示領域に対応する点灯対象にされる画素を、1フレームもしくは1サブフレーム期間の途中において非点灯(消灯)状態に制御する消灯走査手段が具備される。そして、輝度制御手段6は前記消灯走査手段における消灯動作のタイミングを、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて制御するようにした点に特徴を有する。
【0068】
前記した動作を実現させるために図10に示した構成においては、すでに説明した図6に示す構成に対して消去タイミング信号生成手段8および前記した消灯走査手段として機能する消去ドライバ15が具備されている。前記消去タイミング信号生成手段8は、コントローラ回路1からの同期信号、および輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データによって、消去制御信号(消去パルス)の出力タイミングを調整するように動作するものである。なお、この消去タイミング信号生成手段8については、図13に基づいて後で詳しく説明する。
【0069】
一方、前記消去ドライバ15は消去タイミング信号生成手段8からのタイミング信号を受けて、1フレームもしくは1サブフレーム期間の途中において、画素12を消灯動作させるように機能する。すなわち表示パネル11には、各画素12の走査線21に対応して消去信号線23が配列されており、この消去信号線23に消去パルスを供給することにより、当該消去信号線23に対応する画素を消灯させるように動作する。
【0070】
図11は前記したSES駆動方式において好適に採用される画素の構成例を示したものである。この図11に示す画素の構成例は、図4に示した画素の構成に加えてTFTによる消去用トランジスタTr3がさらに具備されている。そして、消去用トランジスタTr3のソースおよびドレインは電荷保持用キャパシタC1の両端にそれぞれ接続されており、そのゲートには表示パネル11に配列された前記消去信号線23を介して消去ドライバ15より消去パルスEraseが供給されるように構成されている。
【0071】
前記した画素の構成において、トランジスタTr1およびTr2の働きは、図4に示した例と同様である。一方、消去トランジスタTr3のゲートには、前記EL素子E1の点灯期間の途中(この実施の形態においては、1サブフレーム期間の途中)のタイミングにおいて、前記消去ドライバ15よりトランジスタTr3をオンさせる消去パルスEraseが消去信号線23を介して供給される。
【0072】
これにより、キャパシタC1にチャージされている電荷は瞬時にして消去(放電)される。この結果、駆動トランジスタTr2はカットオフ状態となり、EL素子E1は直ちに消灯される。換言すれば、消去ドライバ15からの消去パルスEraseの出力タイミングを制御することで、EL素子E1の1サブフレームにおける点灯期間が制御され、これにより多階調表現を実現させることができる。
【0073】
図12は、図10および図11に示した構成によってなされる動画表示領域のPLE制御を説明するものである。このPLE制御を実現させるにあたって、この実施の形態においては1フレーム期間を複数のサブフレームに分割し、このサブフレームの選択による1フレーム期間内における画素の点灯期間の累計により階調制御を実現する制御手段が採用されている。
【0074】
すなわち図12に示す例は、説明を簡素化するために1フレーム期間を7つのサブフレーム(SF1〜SF7)に分割し、1フレーム期間における各サブフレームを選択することで、8つの階調表現(100%非点灯も1つの階調と見なすことができ、7+1の階調表現)を実現する例を示している。
【0075】
図12(a)および(b)は、前記輝度制御手段6からの輝度制御データに基づいて、サブフレームごとの点灯期間と非点灯期間の割合を制御する例を示したものであり、(a)はサブフレームごとの点灯期間の割合が大きく、また(b)はサブフレームごとの点灯期間の割合が小さい場合を示している。なお、前記(a)および(b)は共に階調特性のガンマ値が同一で、ディマー特性が変更される例を示している。
【0076】
ここで、動画表示領域における画素の点灯率が低い場合においては、動画表示領域において図12(a)に示す点灯制御が実行され、動画表示領域における画素の点灯率が高い場合においては動画表示領域において図12(b)に示す点灯制御が実行されるように制御される。要するに画素の点灯率の程度に応じて、サブフレームごとの点灯期間の割合が図12(a)と(b)の間で変化するように制御される。これにより、特に画素の点灯率が高い場合においては1フレーム期間内における画素の点灯期間の累計が低く抑えられ、各画素に供給される駆動電流値を抑制させることができる。
【0077】
図12(c)および(d)は、図12(b)に示した点灯制御を実現させる場合の前記した書き込みパルスおよび消去パルスの発生タイミングを説明するものである。すなわち、図12に示す例においては、各サブフレームのスタートに同期して(c)に示す書き込みパルスが発生し、これにより画素は点灯状態にされる。そして、そのサブフレームの経過途中において(d)として示す消去パルスが発生し、これにより画素は非点灯状態にされる。
【0078】
ここで、例えば“階調8”を実現しようとした場合には、1フレーム期間において、画素は図12(a)または(b)に示す一連の点灯パターンが実行される。また例えば“階調5”を実現しようとした場合には、図12(a)または(b)に示すSf1〜Sf4の期間において点灯駆動動作が実行され、それ以降の各サブフレームの期間Sf5〜Sf7は全て消灯状態にされる。これにより、1フレーム期間における画素の点灯期間の累計にしたがった発光輝度を得ることができる。
【0079】
図12(d)に示す消去パルスは、次に説明する図13に示す消去タイミング信号生成手段8によって生成することができる。図13における符号8aはサブフレームカウンタを、符号8bは論理演算ユニットを、さらに符号8cは輝度設定テーブルを示している。すなわち、サブフレームカウンタ8aはコントローラ1からの同期信号に基づいて、サブフレームに同期した制御信号を論理演算ユニット8bに供給するように動作する。
【0080】
また、前記輝度設定テーブル8cには、前記輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データが供給され、この輝度制御データに基づいて適切な輝度設定テーブルが選択される。なお、選択された輝度設定テーブル8cには、各サブフレームごとの点灯期間がパラメータとして格納されている。
【0081】
そして、サブフレームカウンタ8aより、点灯制御されるべきサブフレームナンバが論理演算ユニット8bに供給された場合、論理演算ユニット8bは選択されたテーブルをアクセスし、サブフレームナンバに対応して格納されている点灯時間のパラメータに基づいて、消去パルスの出力タイミング信号を生成するように動作する。
【0082】
これは図12(d)に示したように動画表示領域の画素の点灯率にそれぞれ対応してサブフレームごとの消去パルスの出力タイミング信号として生成される。このタイミング信号は前記した消去ドライバ15に供給され、消去ドライバ15からは前記したとおり、各サブフレームごとに消去パルスを出力するように動作する。
【0083】
前記した実施の形態によると、特定のガンマ特性を持たせた状態で、動画表示領域の画素の点灯率に基づいてPLE制御を行うように動作する。なお、前記した消去ドライバ15は動画表示領域に対応して消去動作を実行し、これにより動画表示領域の輝度制御が実行される。換言すれば、非動画表示領域においては消去ドライバ15による消去動作は実行されず、非動画表示領域に対応する画素においては、入力映像信号に基づく階調になされる。
【0084】
なお、図10〜図13に示した実施の形態においても、表示パネル11に配列された消去信号線23の配列方向によって、動画表示領域および非動画表示領域が区画されることになる。すなわち、図10に示した表示パネル11のように消去信号線23の配列方向が横方向である場合には、図8に示したように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cは横方向の線で区画されることになる。
【0085】
したがって、図10に示す走査線21、データ線22、消去信号線23の配列関係を、表示パネル11上においてそのまま例えば90度回転させた状態に配列することで、図7に示すように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが縦方向の線で区画されるように構成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】動画表示領域と非動画表示領域が共存する場合においてPLE制御が実行された場合の表示例を説明する模式図である。
【図2】同じく他の表示例を説明する模式図である。
【図3】この発明にかかる表示制御装置における第1の構成例を示したブロック図である。
【図4】図3に示す表示パネルに配列される好ましい画素の構成例を示した回路構成図である。
【図5】図3および図4に示す構成によってなされる階調制御手段の一例を示すタイミング図である。
【図6】この発明にかかる表示制御装置における第2の構成例を示したブロック図である。
【図7】動画表示領域と非動画表示領域の区画例を説明する模式図である。
【図8】同じく他の区画例を説明する模式図である。
【図9】この発明にかかる表示制御装置における第3の構成例を示したブロック図である。
【図10】同じく第4の構成例を示したブロック図である。
【図11】図10に示す表示パネルに配列される好ましい画素の構成例を示した回路構成図である。
【図12】図10および図11に示す構成によってなされる階調制御手段の一例を示すタイミング図である。
【図13】図10に示す構成において好適に採用される消去タイミング信号生成手段の構成例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
1 コントローラ回路
2 A/D変換部
3 映像信号メモリ
4 動画表示領域設定手段
5 点灯率算出手段
6 輝度制御手段
8 消去タイミング信号生成手段
11,31 表示パネル
12 画素
13,33 走査ドライバ
13,32 データドライバ
15 消去ドライバ(消灯走査手段)
16 電源供給回路
21 走査線
22 データ線
23 消去信号線
24 電源供給線
A 映像画面
B 動画表示領域
C 非動画(静止画)表示領域
C1 電荷保持用キャパシタ
E1,E11〜Enm EL素子(発光素子)
EF1 固定電圧源
EV1 可変電圧源
Ia1〜Ian 定電流源(第1群)
Ib1〜Ibn 定電流源(第2群)
Tr1 データ書き込みトランジスタ
Tr2 点灯駆動トランジスタ
Tr3 消去用トランジスタ
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示すべき映像信号の平均輝度レベル(APL=Average Picture Level)を求めて、この平均輝度レベルに基づいて映像表示装置における表示輝度を制御する例えばPLE(Peak Luminance Enhancement)制御手段を備えた映像信号の表示制御装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばPDP(プラズマディスプレイパネル)などにおいては、画像表示を行うにあたっては、前記したPLE制御が実行される。このPLE制御はフィールドもしくはフレーム画面全体に対応する映像信号の前記平均輝度レベルを算出し、この平均輝度レベルに基づいて実際に画像表示させるための表示輝度レベルを制御するように動作する。
【0003】
この場合、前記PLE制御では同じ輝度レベルの映像信号であっても、平均輝度レベルが小さい場合(画像全体が暗い場合)には、表示輝度レベルを高く設定して高輝度な表示が行われるように制御される。これに対して平均輝度レベルが大きい場合(画像全体が明るい場合)には、表示輝度レベルを下げて電力消費量を抑制するように制御される。このようにしてPLE制御が行われることにより、低消費電力化を実現させることができると共に、コントラストの良好な画像を表示させることが可能となる。
【0004】
前記したように、表示すべき映像信号の平均輝度レベルAPLを求め、このAPLにより表示輝度レベルを制御するPLE制御手段を備えた表示装置は、次に示す特許文献1および2などに示されている。
【特許文献1】特開平9−281927号公報
【特許文献2】特開2001−175220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した表示装置によって表示される映像画面には、動画表示領域と非動画(静止画)表示領域が共存する場合がある。図1および図2はその一例を示したものであり、符号Aで示す全体の領域は表示装置によって表示される映像の全体画面を示しており、符号Bで示す領域は動画表示領域を示している。
【0006】
すなわち、図1および図2に示した例においては、動画表示領域Bの外側にCとして示した非動画表示領域が額縁状に形成され、前記額縁状の非動画表示領域Cの下側の領域には、例えばアイコンなどの固定パターンが表示された例を示している。
【0007】
前記図1および図2に示したようにレイアウトされた表示画面Aにおいて、前記したPLE制御を行った場合には、このPLE制御はフィールドもしくはフレーム画面全体に対応する平均輝度レベル(APL)に基づいて、全体画面の表示輝度レベルを制御するように動作するので、例えば図1に示したように動画表示領域Bの画面が全体に明るい場合には、全体画面の表示輝度レベルが下げられて、Cとして示す非動画表示領域は暗く表示されるように制御される。
【0008】
また、図2に示したように動画表示領域Bの画面が全体に暗い場合には、全体画面の表示輝度レベルが上げられて、Cとして示す非動画表示領域は明るく表示されるように制御される。すなわち、非動画表示領域Cは、動画表示領域Bの輝度レベルに応じて、その都度表示輝度レベルが制御されるために、ユーザに対しては非動画表示領域において、ちらつきが発生しているような見苦しさを感じさせる結果を招来させる。
【0009】
この発明は、動画表示領域と非動画表示領域が存在する画像を表示する表示手段において、PLE制御を実行するように構成した場合に発生する前記した技術的な問題点を解消できるようにした映像信号の表示制御装置および表示制御方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる表示制御装置における好ましい基本形態は、請求項1に記載のとおり、複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御装置であって、表示される前記画像内の動画表示領域における画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域における発光輝度を可変制御する輝度制御手段を具備した構成にされる。
【0011】
また、前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる表示制御方法における好ましい基本態様は、請求項14に記載のとおり、複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御方法であって、表示される前記画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定動作と、前記動画表示領域設定動作により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出動作と、前記点灯率算出動作により算出された点灯率に応じて前記動画表示領域における発光輝度の可変制御を行う輝度制御動作とが実行される点に特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明にかかる映像信号の表示制御装置および表示制御方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、以下においては有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に代表される発光素子を表示画素として用いた表示パネルを点灯制御する例に基づいて説明する。
【0013】
図3は、その第1の形態を示したものであり、これはアクティブマトリクス型表示パネルを対象とした表示制御装置の例を示している。なお、この図3に示す実施の形態は特許請求の範囲における主に請求項5〜6、および請求項17に示した発明に対応するものである。
【0014】
図3に示すようにコントローラ回路1にはアナログ/デジタル(A/D)変換部2および映像信号メモリ(以下、VRAMとも言う。)3が接続されており、アナログ映像信号による入力映像信号は、コントローラ回路1およびA/D変換部2に供給されるように構成されている。
【0015】
前記コントローラ回路1はアナログ映像信号中における水平および垂直同期信号に基づいて、前記A/D変換部2に対するクロック信号CK、前記VRAM3に対する書き込み信号Wおよび読み出し信号Rを生成する。
【0016】
前記A/D変換部2は、コントローラ回路1から供給されるクロック信号CKに基づいて、入力されるアナログ映像信号をサンプリングし、これを1画素ごとの映像データに変換してVRAM3に供給するように作用する。前記VRAM3は前記コントローラ回路1からの書き込み信号WによってA/D変換部2から供給される映像データをVRAM3に順次書き込むように動作する。
【0017】
前記VRAM3としては例えばフレームメモリが用いられており、前記した書き込み動作によって、後述する表示パネルにおける一画面分の映像信号の書き込みが行われる。また、VRAM3に書き込まれた映像信号は前記コントローラ回路1からの読み出し信号Rを受けて読み出され、動画表示領域設定手段4および輝度制御手段6に供給されるように構成されている。なお、図3においては、動画表示領域設定手段は、動画領域設定手段4と表記している。
【0018】
前記動画表示領域設定手段4としては、後述する表示パネルにおける画像の表示形態によって、二つの異なった機能を備えた構成を適宜採用することができる。その一つは、例えば図1および図2に示したように表示画面Aにおける動画表示領域Bと非動画表示領域Cとが常に定められて、各領域が変化しない場合である。この場合においては前記動画表示領域設定手段4としては、予め定められた動画表示領域を前記各画素単位で指定するように構成される。すなわち、動画表示領域設定手段4は予め定められた動画表示領域Bに対応するVRAM3からの映像データを抽出して、後述する点灯率算出手段5に供給するように動作する。
【0019】
また他の一つは、図1および図2に示した表示画面Aにおいて、動画表示領域Bと非動画表示領域Cとが入力映像信号によって変化する場合である。この場合においては、前記動画表示領域設定手段4としては、前記各画素に対応する入力映像信号の時間変化を検出することにより前記動画表示領域を検知し、その都度、動画表示領域を前記各画素単位で指定するように構成される。すなわち、この場合の動画表示領域設定手段4は、入力映像信号の時間変化の検出により設定される動画表示領域Bに対応するVRAM3からの映像信号を抽出して、後述する点灯率算出手段5に供給するように動作する。
【0020】
なお、前記動画表示領域設定手段4は、前記した後者の場合において、非動画表示領域(静止画領域)を検知することによって、前記静止画領域以外の領域すなわち動画表示領域を設定するようにしてもよい。
【0021】
前記動画表示領域設定手段4からの動画表示領域に対応するVRAM3からの映像信号は点灯率算出手段5に供給され、この点灯率算出手段5は動画表示領域に対応する映像信号に基づいて画素単位の点灯率を算出するように動作する。なお、前記点灯率算出手段5は、動画表示領域に対応するすでに説明した映像信号の平均輝度レベル(APL)を算出する機能と同等の結果を得ることができる。
【0022】
前記点灯率算出手段5によって得られる動画表示領域における点灯率のデータは、輝度制御手段6に供給される。この輝度制御手段6には前記したとおりVRAM3から読み出された映像データが供給されるように構成されており、前記輝度制御手段6はVRAM3から読み出された映像信号のうち、動画表示に対応する映像信号の階調値を前記点灯率に基づいて変更する映像信号の変換処理を実行する。
【0023】
すなわち、輝度制御手段6はVRAM3から読み出された映像信号のうち、動画表示に寄与する映像信号を前記点灯率算出手段5により算出された画素の点灯率に応じた輝度に対応する階調値に変換する処理を実行するように動作する。これにより、後述する表示パネルに配列された動画表示領域における各画素の発光輝度を制御するPLE制御が実現される。そして、輝度制御手段6はPLE制御による階調制御が施された前記映像信号を、後述するデータドライバにおいて駆動可能な信号形態に変換して出力する。
【0024】
なお、前記したコントローラ回路1は、映像信号中における前記水平および垂直同期信号に基づいて、後述する走査ドライバ13およびデータドライバ14に対するシフトクロック信号やスタートパルス等を生成し、それぞれのドライバ13,14に供給するように構成されている。
【0025】
図3に示す符号11は前記した有機EL素子からなる発光素子をそれぞれに含む多数の画素12をマトリクス状に配列した表示パネルを示している。この表示パネル11には、走査ドライバ13、データドライバ14にそれぞれ接続される走査線21、データ線22が互いに直交する方向に配列されており、これらの交差位置に前記発光素子を含む画素12がそれぞれ配置されている。なお、前記各画素12には、電源供給回路16より画素の点灯駆動用電圧が電源供給線24を介して、それぞれ供給されるように構成されている。
【0026】
図4は前記した表示パネル11に配置された1つの画素に対応する回路構成を示すものであり、これは発光素子として有機EL素子を用いる場合の最も基本的な画素構成を示している。この画素12には前記データドライバ14からの映像信号に対応したデータ信号Vdataが、表示パネルに配列されたデータ線22を介して制御用TFT、すなわちデータ書き込みトランジスタTr1のソースに供給されるように構成されている。
【0027】
前記データ書き込みトランジスタTr1のゲートには、走査ドライバ13に接続された走査線21を介して走査信号Select(これを書き込みパルスとも言う。)が供給されるように構成されている。前記データ書き込みトランジスタTr1のドレインは、点灯駆動用TFT、すなわち点灯駆動トランジスタTr2のゲートに接続されると共に、電荷保持用キャパシタC1の一方の端子に接続されている。
【0028】
また、点灯駆動トランジスタTr2のソースは、前記キャパシタC1の他方の端子に接続されると共に、電源供給線24を介して前記した電源供給回路16より駆動電圧Vccが供給されるように構成されている。前記点灯駆動トランジスタTr2のドレインは、発光素子としての有機EL素子E1のアノード端子に接続され、この有機EL素子E1のカソード端子は、表示パネルの基準電位点(グランド)に接続されている。
【0029】
なお、図4に示す画素12の回路構成においては、データ書き込みトランジスタTr1がnチャンネル型TFTにより構成され、駆動トランジスタTr2がpチャンネル型TFTにより構成されている。そして、前記した構成による画素12は、図3に示したように行および列方向にマトリクス状に多数配置されて表示パネル11が構成されている。
【0030】
図4に示した画素12の構成において、制御トランジスタTr1のゲートには、アドレス期間において走査ドライバ13より走査信号としての書き込みパルスSelectが供給される。この時、データドライバ14から供給されるデータ信号Vdataが画素を点灯させるデータである場合においては、制御トランジスタTr1のソース・ドレインを介して、データ信号Vdataに対応した電流がキャパシタC1に流れ、キャパシタC1は充電される。
【0031】
そして、その充電電圧が駆動トランジスタTr2のゲートに供給されて、トランジスタTr2はそのゲート電圧とドレインに供給される駆動電圧Vccに対応した電流を前記EL素子E1に流し、これによりEL素子E1は発光(点灯)する。
【0032】
前記制御トランジスタTr1のゲートに対する前記書き込みパルスの印加が停止されると、トランジスタTr1はいわゆるカットオフとなる。しかしながら、キャパシタC1に蓄積された電荷により駆動トランジスタTr2のゲート電圧が保持され、これによりEL素子E1への駆動電流が維持される。
【0033】
したがって、EL素子E1は次のアドレス動作に至る期間において、前記データ信号Vdataに対応した点灯状態を継続することができる。それ故、前記したアドレス期間において、データドライバ14から供給されるデータ信号Vdataに応じて画素の点灯もしくは消灯が制御され、これにより各画素の単位期間における点灯期間が個別に制御されて階調制御が実現される。
【0034】
図3および図4に示した実施の形態においては、前記したPLE制御による階調表現を実現させるために、1フレーム期間を複数のサブフレームに分割し、各サブフレームごとに画素の点灯または非点灯を制御することで、1フレーム期間内における画素の点灯期間の累計により階調制御を実現する制御手段が採用されている。
【0035】
図5はその階調制御の一例を示すものであり、この例においては説明を簡素化するために1フレーム期間を7つのサブフレームに分割し、サブフレーム期間の単純な累計により“階調0”〜“階調7”の8階調を表現する単純サブフレーム法を示している。この例においてはサブフレーム期間ごとに、そのサブフレーム期間の開始時に、前記したデータドライバ14より画素を点灯または非点灯に制御するデータ信号Vdataが供給される。
【0036】
ここで1つのフレーム期間を構成する第1〜第7のサブフレームの全てにおいて、画素を非点灯に制御するデータ信号が供給された場合には、図5に示すように“階調0”が実現される。また、第1〜第7のサブフレームの全てにおいて、画素を点灯状態に制御するデータ信号が供給された場合には、図5に示すように“階調7”が実現される。
【0037】
前記した輝度制御手段6はすでに説明したとおり、動画表示領域に対応する画素の点灯率に応じて、動画表示領域の画素の階調を制御するものであり、点灯率が大きくなる場合には階調を低くする制御を実行するように動作する。これにより、動画表示領域に対応する画素の点灯率が例えば100%に近い状態である場合においては、入力される映像信号に基づく階調に対して、階調がn段(nは整数)下げるように動作する。したがって、前記点灯率が高い場合においては、動画表示領域における画素の1フレーム期間における点灯期間は縮小され、当該画素の発光輝度は抑制される。この結果、低消費電力化を実現させることができる。
【0038】
一方、動画表示領域に対応する画素の点灯率が小さくなる場合には、入力される映像信号に基づく階調に対して、動画表示領域の階調をn段(nは整数)上げるように動作する。これにより、動画表示領域における画素の1フレーム期間における累積点灯期間が拡大され、動画表示領域におけるコントラストの良好な画像を表示させることが可能となる。なお、前記した実施の形態によると、非動画(静止画)領域においてはPLE動作は実行されないので、非動画領域の階調は入力映像信号に基づく階調で表示される。
【0039】
次に、前記した図3および図4に示した表示制御装置の構成を利用して、他のPLE制御動作を実現させることもできる。以下に説明するPLE制御動作は、特許請求の範囲における主に請求項7、請求項18に示した発明に対応するものである。
【0040】
この実施の形態における前記輝度制御手段6は、動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバ14からの出力電圧値を、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて可変制御するように構成した点に特徴を有する。
【0041】
この場合における図4に示す画素構成におけるデータ書き込みトランジスタTr1および点灯駆動トランジスタTr2はアナログ動作(定電流駆動)領域にて動作するように設定される。そして、各走査線21に対応するそれぞれのアドレス期間において、動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバ14からのデータ信号Vdataの電圧値が、前記点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるように構成される。
【0042】
この結果、各走査線21に対応するそれぞれのアドレス期間において、各画素の電荷保持用キャパシタC1に書き込まれる電圧値は、前記データ信号Vdataの電圧値に対応したものとなる。そして、点灯駆動トランジスタTr2は電荷保持用キャパシタC1に書き込まれた電圧値に対応した駆動電流を、前記EL素子E1に供給するように動作する。したがって、動画表示領域に対応する各画素12の輝度は、前記した点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるPLE動作が実現される。
【0043】
この場合、各走査線21に対応するそれぞれのアドレス期間において、非動画表示領域に対応する各データ線に供給されるデータドライバ14からのデータ信号Vdataの電圧値は、前記点灯率に関係なく入力映像信号に基づいて制御される。したがって、非動画領域における画素の発光輝度が、前記点灯率による影響を受ける問題を回避することができる。
【0044】
図6は、この発明にかかる他の表示制御装置の例を示すものであり、これは特許請求の範囲における主に請求項8〜9、および請求項19に示した発明に対応するものである。なお、図6に示す構成において、すでに説明した図3に示す各部と同様の機能を果たす部分を同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省略する。また、図6に示す表示制御装置の構成においても、表示パネル11に配列された各画素12の構成は、図4に示した構成を採用することができる。
【0045】
この図6に示す実施の形態における輝度制御手段6は、動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線24に対して、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて可変される駆動電圧を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線24に対しては、予め定められた値の駆動電圧を供給するように構成した点に特徴を有する。
【0046】
このために前記電源供給回路16には、輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データによって出力値が可変される可変電圧源EV1と、予め定められた値の電圧が出力される固定電圧源EF1が備えられている。そして、前記可変電圧源EV1もしくは固定電圧源EF1からの駆動電圧を、各電源供給線24に対して選択的に供給するための選択手段としてのスイッチS1,S2,……が各電源供給線24に対応して備えられている。
【0047】
また、図6に示すように動画表示領域設定手段4により設定される動画表示領域の情報データが、コントローラ回路1に供給されるように構成されている。そして、前記コントローラ回路1は前記動画表示領域の情報データを受けて、電源供給回路16における前記各スイッチS1,S2,……を、前記可変電圧源EV1もしくは固定電圧源EF1側に択一的に接続するように制御する。
【0048】
すなわち、前記動画表示領域設定手段4からの動画表示領域の情報に基づいて、動画表示領域の画素に対応する電源供給線24には、前記各スイッチS1,S2,……を介して可変電圧源EV1からの駆動電圧が供給されるように動作し、非動画表示領域の画素に対応する電源供給線24には、前記各スイッチS1,S2,……を介して固定電圧源EF1からの駆動電圧が供給されるように動作する。
【0049】
したがって、動画表示領域の各画素12には、輝度制御手段6からの輝度制御データによって出力値が可変される可変電圧源EV1からの駆動電圧が供給され、これにより、動画表示領域に対応する各画素12の輝度は、前記した点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるPLE動作が実現される。一方、非動画表示領域の各画素12には、固定電圧源EF1からの駆動電圧が供給されるので、非動画表示領域に対応する各画素12は一定の輝度に保つことができる。
【0050】
なお、図6に示した実施の形態によると、表示パネル11における電源供給線24の配列方向によって、動画表示領域および非動画表示領域が区画されることになる。すなわち、図6に示した表示パネル11のように電源供給線24の配列方向が縦方向である場合には、図7に示したように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが縦方向の線で区画されることになる。
【0051】
したがって、図6に示す走査線21、データ線22、電源供給線24の配列関係を、表示パネル11上においてそのまま例えば90度回転させた状態に配列することで、図8に示すように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが横方向の線で区画されるように構成させることができる。
【0052】
図9は、この発明にかかる他の表示制御装置の例を示すものであり、これはパッシブマトリクス型表示パネルを対象とした表示制御装置の例を示している。なお、この図9に示す実施の形態は特許請求の範囲における主に請求項10〜11、および請求項20に示した発明に対応するものである。
【0053】
この図9に示す表示制御装置の構成においても、すでに説明した図6に示した構成と同様にコントローラ回路1、A/D変換部2、VRAM3、動画表示領域設定手段4、点灯率算出手段5、輝度制御手段6が具備されるが、図9においてはコントローラ回路1、輝度制御手段6を除き、前記他の構成は省略して示している。
【0054】
この図9に示す実施の形態における輝度制御手段6は、動画表示領域に対応する画素に接続されたデータ線に対して、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて可変される駆動電流を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続されたデータ線に対しては、予め定められた値の駆動電流を供給するように構成した点に特徴を有する。
【0055】
図9に示す表示パネル31には、n本のデータ線としての陽極線A1〜Anが縦方向(列方向)に配列され、m本の走査線としての陰極線K1〜Kmが横方向(行方向)に配列され、各々の交差した部分(計n×m箇所)に、ダイオードのシンボルマークで示した画素を構成する有機EL素子E11〜Enmが各陽極線と走査線との間に接続されて配置されている。そして、各陽極線A1〜Anはデータドライバとしての陽極線ドライブ回路32に接続され、各陰極線K1〜Kmは同じく走査ドライバとしての陰極線走査回路33に接続されてそれぞれ駆動される。
【0056】
前記陽極線ドライブ回路32には、駆動電圧VHを利用して動作する第1群の定電流源Ia1〜Ianが備えられている。この第1群の定電流源Ia1〜Ianには、前記輝度制御手段6からのPLE制御に基づく信号が供給される。これにより第1群の定電流源Ia1〜Ianは、すでに説明した点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて、その出力電流値(駆動電流値)が制御されるように動作する。
【0057】
一方、陽極線ドライブ回路32には、第2群の定電流源Ib1〜Ibnが備えられており、これは予め定められた値の駆動電流を供給するように構成されている。そして、前記第1群または第2群の定電流源、もしくは基準電位点としてのグランドを選択することができる選択手段としてのドライブスイッチSa1〜Sanが各陽極線A1〜Anに対応して備えられており、このドライブスイッチSa1〜Sanは、コントローラ回路1からの指令信号によって切り換えられるように構成されている。
【0058】
また、前記陰極線走査回路33には、各陰極線K1〜Kmに対応して走査スイッチSk1〜Skmが備えられ、コントローラ回路1からの指令信号によって、非走査選択電位として機能するクロストーク発光を防止するための逆バイアス電圧源VMまたは走査選択電位として機能するグランド電位のうちのいずれか一方を、対応する陰極線に接続するように作用する。
【0059】
これにより、陰極線を所定の周期で基準電位点(グランド電位)に設定しながら、所望の陽極線A1〜Anに第1群または第2群の定電流源を接続することにより、前記各EL素子を選択的に発光させるように作用する。
【0060】
なお、図9に示す実施の形態においては、コントローラ回路1より陰極線走査回路33に対して走査同期信号が供給され、これにより各陰極線K1〜Kmを順次グランド電位(走査選択電位)に設定する動作が繰り返される。またコントローラ回路1より陽極線ドライブ回路32に対して走査同期信号に同期して走査ラインごとにドライブ制御信号が供給される。
【0061】
すなわち、コントローラ回路1には、図6に基づいてすでに説明したように動画表示領域設定手段4により設定される動画表示領域の情報データが供給される。コントローラ回路1は、これに基づいて動画表示領域の画素を点灯させる場合においては第1群の定電流源Ia1〜Ianを選択するようにドライブスイッチSa1〜Sanを制御し、非動画表示領域の画素を点灯させる場合においては第2群の定電流源Ib1〜Ibnを選択するようにドライブスイッチSa1〜Sanを制御する。さらに画素を非点灯にする場合には基準電位(グランド電位)を選択するようにドライブスイッチSa1〜Sanを制御する。
【0062】
したがって、動画表示領域の各画素(EL素子)には、輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データによって定電流値が可変される第1群の定電流源Ia1〜Ianからの駆動電流が供給される。これにより、動画表示領域に対応する各画素の輝度は、すでに説明した点灯率算出手段5により得られる点灯率に応じて可変制御されるPLE動作が実現される。一方、非動画表示領域の各画素には、第1群の定電流源Ia1〜Ianからの一定の駆動電流が供給されるので、非動画表示領域に対応する各画素の輝度を一定の輝度に保つことができる。
【0063】
なお、図9に示した実施の形態においても、表示パネル31におけるデータ線としての陽極線A1〜Anの配列方向によって、動画表示領域および非動画表示領域が区画されることになる。すなわち、図9に示した表示パネル31のように陽極線A1〜Anの配列方向が縦方向である場合には、図7に示したように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが縦方向の線で区画されることになる。
【0064】
したがって、図9に示す直交関係にあるデータ線A1〜An、走査線K1〜Kmの配列関係を、表示パネル31上においてそのまま例えば90度回転させた状態に配列することで、図8に示すように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが横方向の線で区画されるように構成せることができる。
【0065】
図10〜図13は、この発明にかかるさらに他の表示制御装置の例を示すものであり、これはSES(Simultaneous Erasing Scan)駆動方式を採用したアクティブマトリクス型表示パネルを対象とした表示制御装置の例を示している。
【0066】
なお、この図10〜図13に示す実施の形態は特許請求の範囲における主に請求項12〜13、および請求項21に示した発明に対応するものである。そして、図10に示す構成においては、すでに説明した図6に示す各部と同様の機能を果たす部分を同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省略する。
【0067】
この図10〜図13に示す実施の形態においては、動画表示領域に対応する点灯対象にされる画素を、1フレームもしくは1サブフレーム期間の途中において非点灯(消灯)状態に制御する消灯走査手段が具備される。そして、輝度制御手段6は前記消灯走査手段における消灯動作のタイミングを、点灯率算出手段5により得られる動画表示領域における画素の点灯率に応じて制御するようにした点に特徴を有する。
【0068】
前記した動作を実現させるために図10に示した構成においては、すでに説明した図6に示す構成に対して消去タイミング信号生成手段8および前記した消灯走査手段として機能する消去ドライバ15が具備されている。前記消去タイミング信号生成手段8は、コントローラ回路1からの同期信号、および輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データによって、消去制御信号(消去パルス)の出力タイミングを調整するように動作するものである。なお、この消去タイミング信号生成手段8については、図13に基づいて後で詳しく説明する。
【0069】
一方、前記消去ドライバ15は消去タイミング信号生成手段8からのタイミング信号を受けて、1フレームもしくは1サブフレーム期間の途中において、画素12を消灯動作させるように機能する。すなわち表示パネル11には、各画素12の走査線21に対応して消去信号線23が配列されており、この消去信号線23に消去パルスを供給することにより、当該消去信号線23に対応する画素を消灯させるように動作する。
【0070】
図11は前記したSES駆動方式において好適に採用される画素の構成例を示したものである。この図11に示す画素の構成例は、図4に示した画素の構成に加えてTFTによる消去用トランジスタTr3がさらに具備されている。そして、消去用トランジスタTr3のソースおよびドレインは電荷保持用キャパシタC1の両端にそれぞれ接続されており、そのゲートには表示パネル11に配列された前記消去信号線23を介して消去ドライバ15より消去パルスEraseが供給されるように構成されている。
【0071】
前記した画素の構成において、トランジスタTr1およびTr2の働きは、図4に示した例と同様である。一方、消去トランジスタTr3のゲートには、前記EL素子E1の点灯期間の途中(この実施の形態においては、1サブフレーム期間の途中)のタイミングにおいて、前記消去ドライバ15よりトランジスタTr3をオンさせる消去パルスEraseが消去信号線23を介して供給される。
【0072】
これにより、キャパシタC1にチャージされている電荷は瞬時にして消去(放電)される。この結果、駆動トランジスタTr2はカットオフ状態となり、EL素子E1は直ちに消灯される。換言すれば、消去ドライバ15からの消去パルスEraseの出力タイミングを制御することで、EL素子E1の1サブフレームにおける点灯期間が制御され、これにより多階調表現を実現させることができる。
【0073】
図12は、図10および図11に示した構成によってなされる動画表示領域のPLE制御を説明するものである。このPLE制御を実現させるにあたって、この実施の形態においては1フレーム期間を複数のサブフレームに分割し、このサブフレームの選択による1フレーム期間内における画素の点灯期間の累計により階調制御を実現する制御手段が採用されている。
【0074】
すなわち図12に示す例は、説明を簡素化するために1フレーム期間を7つのサブフレーム(SF1〜SF7)に分割し、1フレーム期間における各サブフレームを選択することで、8つの階調表現(100%非点灯も1つの階調と見なすことができ、7+1の階調表現)を実現する例を示している。
【0075】
図12(a)および(b)は、前記輝度制御手段6からの輝度制御データに基づいて、サブフレームごとの点灯期間と非点灯期間の割合を制御する例を示したものであり、(a)はサブフレームごとの点灯期間の割合が大きく、また(b)はサブフレームごとの点灯期間の割合が小さい場合を示している。なお、前記(a)および(b)は共に階調特性のガンマ値が同一で、ディマー特性が変更される例を示している。
【0076】
ここで、動画表示領域における画素の点灯率が低い場合においては、動画表示領域において図12(a)に示す点灯制御が実行され、動画表示領域における画素の点灯率が高い場合においては動画表示領域において図12(b)に示す点灯制御が実行されるように制御される。要するに画素の点灯率の程度に応じて、サブフレームごとの点灯期間の割合が図12(a)と(b)の間で変化するように制御される。これにより、特に画素の点灯率が高い場合においては1フレーム期間内における画素の点灯期間の累計が低く抑えられ、各画素に供給される駆動電流値を抑制させることができる。
【0077】
図12(c)および(d)は、図12(b)に示した点灯制御を実現させる場合の前記した書き込みパルスおよび消去パルスの発生タイミングを説明するものである。すなわち、図12に示す例においては、各サブフレームのスタートに同期して(c)に示す書き込みパルスが発生し、これにより画素は点灯状態にされる。そして、そのサブフレームの経過途中において(d)として示す消去パルスが発生し、これにより画素は非点灯状態にされる。
【0078】
ここで、例えば“階調8”を実現しようとした場合には、1フレーム期間において、画素は図12(a)または(b)に示す一連の点灯パターンが実行される。また例えば“階調5”を実現しようとした場合には、図12(a)または(b)に示すSf1〜Sf4の期間において点灯駆動動作が実行され、それ以降の各サブフレームの期間Sf5〜Sf7は全て消灯状態にされる。これにより、1フレーム期間における画素の点灯期間の累計にしたがった発光輝度を得ることができる。
【0079】
図12(d)に示す消去パルスは、次に説明する図13に示す消去タイミング信号生成手段8によって生成することができる。図13における符号8aはサブフレームカウンタを、符号8bは論理演算ユニットを、さらに符号8cは輝度設定テーブルを示している。すなわち、サブフレームカウンタ8aはコントローラ1からの同期信号に基づいて、サブフレームに同期した制御信号を論理演算ユニット8bに供給するように動作する。
【0080】
また、前記輝度設定テーブル8cには、前記輝度制御手段6からの輝度制御(PLE制御)データが供給され、この輝度制御データに基づいて適切な輝度設定テーブルが選択される。なお、選択された輝度設定テーブル8cには、各サブフレームごとの点灯期間がパラメータとして格納されている。
【0081】
そして、サブフレームカウンタ8aより、点灯制御されるべきサブフレームナンバが論理演算ユニット8bに供給された場合、論理演算ユニット8bは選択されたテーブルをアクセスし、サブフレームナンバに対応して格納されている点灯時間のパラメータに基づいて、消去パルスの出力タイミング信号を生成するように動作する。
【0082】
これは図12(d)に示したように動画表示領域の画素の点灯率にそれぞれ対応してサブフレームごとの消去パルスの出力タイミング信号として生成される。このタイミング信号は前記した消去ドライバ15に供給され、消去ドライバ15からは前記したとおり、各サブフレームごとに消去パルスを出力するように動作する。
【0083】
前記した実施の形態によると、特定のガンマ特性を持たせた状態で、動画表示領域の画素の点灯率に基づいてPLE制御を行うように動作する。なお、前記した消去ドライバ15は動画表示領域に対応して消去動作を実行し、これにより動画表示領域の輝度制御が実行される。換言すれば、非動画表示領域においては消去ドライバ15による消去動作は実行されず、非動画表示領域に対応する画素においては、入力映像信号に基づく階調になされる。
【0084】
なお、図10〜図13に示した実施の形態においても、表示パネル11に配列された消去信号線23の配列方向によって、動画表示領域および非動画表示領域が区画されることになる。すなわち、図10に示した表示パネル11のように消去信号線23の配列方向が横方向である場合には、図8に示したように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cは横方向の線で区画されることになる。
【0085】
したがって、図10に示す走査線21、データ線22、消去信号線23の配列関係を、表示パネル11上においてそのまま例えば90度回転させた状態に配列することで、図7に示すように画面Aにおいて、動画表示領域Bおよび非動画表示領域Cが縦方向の線で区画されるように構成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】動画表示領域と非動画表示領域が共存する場合においてPLE制御が実行された場合の表示例を説明する模式図である。
【図2】同じく他の表示例を説明する模式図である。
【図3】この発明にかかる表示制御装置における第1の構成例を示したブロック図である。
【図4】図3に示す表示パネルに配列される好ましい画素の構成例を示した回路構成図である。
【図5】図3および図4に示す構成によってなされる階調制御手段の一例を示すタイミング図である。
【図6】この発明にかかる表示制御装置における第2の構成例を示したブロック図である。
【図7】動画表示領域と非動画表示領域の区画例を説明する模式図である。
【図8】同じく他の区画例を説明する模式図である。
【図9】この発明にかかる表示制御装置における第3の構成例を示したブロック図である。
【図10】同じく第4の構成例を示したブロック図である。
【図11】図10に示す表示パネルに配列される好ましい画素の構成例を示した回路構成図である。
【図12】図10および図11に示す構成によってなされる階調制御手段の一例を示すタイミング図である。
【図13】図10に示す構成において好適に採用される消去タイミング信号生成手段の構成例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
1 コントローラ回路
2 A/D変換部
3 映像信号メモリ
4 動画表示領域設定手段
5 点灯率算出手段
6 輝度制御手段
8 消去タイミング信号生成手段
11,31 表示パネル
12 画素
13,33 走査ドライバ
13,32 データドライバ
15 消去ドライバ(消灯走査手段)
16 電源供給回路
21 走査線
22 データ線
23 消去信号線
24 電源供給線
A 映像画面
B 動画表示領域
C 非動画(静止画)表示領域
C1 電荷保持用キャパシタ
E1,E11〜Enm EL素子(発光素子)
EF1 固定電圧源
EV1 可変電圧源
Ia1〜Ian 定電流源(第1群)
Ib1〜Ibn 定電流源(第2群)
Tr1 データ書き込みトランジスタ
Tr2 点灯駆動トランジスタ
Tr3 消去用トランジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御装置であって、
表示される前記画像内の動画表示領域における画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域における発光輝度を可変制御する輝度制御手段を具備したことを特徴とする映像信号の表示制御装置。
【請求項2】
表示される前記画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定手段と、前記動画表示領域設定手段により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出手段がさらに具備され、
前記輝度制御手段は、前記点灯率算出手段により算出された画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域の発光輝度を可変制御するように構成したことを特徴とする請求項1に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項3】
前記動画表示領域設定手段では、表示される前記画像内の静止画領域を検知することによって、前記表示画像内の前記静止画領域以外の領域を前記動画領域として設定することを特徴とする請求項2に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項4】
前記動画表示領域設定手段は、予め定められた前記各画素に対応する表示領域を指定することにより、もしくは前記各画素に対応する入力映像信号の時間変化を検出することにより、前記動画表示領域を設定するように構成したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項5】
前記輝度制御手段は、前記点灯率算出手段により算出された画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域を表示する映像信号の変換処理を実行するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項6】
前記映像信号の変換処理は、前記入力映像信号を前記点灯率算出手段により算出された画素の点灯率に応じた輝度に対応する階調値に変換する処理であることを特徴とする請求項5に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項7】
前記輝度制御手段は、動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバからの出力電圧値を、前記点灯率に応じて可変制御するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項8】
前記輝度制御手段は、前記動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電圧を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対しては、予め定められた値の駆動電圧を供給するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項9】
前記電源供給線に対して、選択手段を介して前記点灯率に応じて可変される駆動電圧または予め定められた値の駆動電圧が供給されるように構成したことを特徴とする請求項8に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項10】
前記輝度制御手段は、前記動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電流を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対しては、予め定められた値の駆動電流を供給するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項11】
前記データ線に対して、選択手段を介して前記点灯率に応じて可変される駆動電流または予め定められた値の駆動電流が供給されるように構成したことを特徴とする請求項10に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項12】
前記動画表示領域に対応する点灯対象にされる画素を、1フレームもしくは1サブフレーム期間の途中において非点灯(消灯)状態に制御する消灯走査手段が具備され、前記輝度制御手段は前記消灯走査手段における消灯動作のタイミングを、前記点灯率に応じて制御するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項13】
非動画表示領域に対応する画素においては、前記消灯走査手段による消灯動作が実行されないように構成したことを特徴する請求項12に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項14】
複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御方法であって、
表示される前記画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定動作と、
前記動画表示領域設定動作により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出動作と、
前記点灯率算出動作により算出された点灯率に応じて前記動画表示領域における発光輝度の可変制御を行う輝度制御動作と、
が実行されることを特徴とする映像信号の表示制御方法。
【請求項15】
前記動画表示領域設定動作では、表示される前記画像内の静止画領域を検知することによって、前記表示画像内の前記静止画領域以外の領域を前記動画領域として設定する動作が実行されることを特徴とする請求項14に記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項16】
前記動画表示領域設定動作が、予め定められた前記各画素に対応する表示領域を指定することにより、もしくは前記各画素に対応する入力映像信号の時間変化を検出することにより実行されることを特徴とする請求項14または請求項15に記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項17】
前記入力映像信号を、前記点灯率算出動作により算出された画素の点灯率に応じた輝度に対応する階調値に変換する処理を実行することで、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項18】
前記動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバからの出力電圧値を、前記点灯率に応じて可変制御する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項19】
前記動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電圧を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対しては、予め定められた値の駆動電圧を供給する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項20】
前記動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電流を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対しては、予め定められた値の駆動電流を供給する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項21】
前記動画表示領域に対応する点灯対象にされる画素を、1フレームもしくは1サブフレームの期間の途中において非点灯状態に制御する消灯動作のタイミングを、前記点灯率に応じて制御する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項1】
複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御装置であって、
表示される前記画像内の動画表示領域における画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域における発光輝度を可変制御する輝度制御手段を具備したことを特徴とする映像信号の表示制御装置。
【請求項2】
表示される前記画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定手段と、前記動画表示領域設定手段により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出手段がさらに具備され、
前記輝度制御手段は、前記点灯率算出手段により算出された画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域の発光輝度を可変制御するように構成したことを特徴とする請求項1に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項3】
前記動画表示領域設定手段では、表示される前記画像内の静止画領域を検知することによって、前記表示画像内の前記静止画領域以外の領域を前記動画領域として設定することを特徴とする請求項2に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項4】
前記動画表示領域設定手段は、予め定められた前記各画素に対応する表示領域を指定することにより、もしくは前記各画素に対応する入力映像信号の時間変化を検出することにより、前記動画表示領域を設定するように構成したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項5】
前記輝度制御手段は、前記点灯率算出手段により算出された画素の点灯率に応じて、前記動画表示領域を表示する映像信号の変換処理を実行するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項6】
前記映像信号の変換処理は、前記入力映像信号を前記点灯率算出手段により算出された画素の点灯率に応じた輝度に対応する階調値に変換する処理であることを特徴とする請求項5に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項7】
前記輝度制御手段は、動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバからの出力電圧値を、前記点灯率に応じて可変制御するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項8】
前記輝度制御手段は、前記動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電圧を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対しては、予め定められた値の駆動電圧を供給するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項9】
前記電源供給線に対して、選択手段を介して前記点灯率に応じて可変される駆動電圧または予め定められた値の駆動電圧が供給されるように構成したことを特徴とする請求項8に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項10】
前記輝度制御手段は、前記動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電流を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対しては、予め定められた値の駆動電流を供給するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項11】
前記データ線に対して、選択手段を介して前記点灯率に応じて可変される駆動電流または予め定められた値の駆動電流が供給されるように構成したことを特徴とする請求項10に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項12】
前記動画表示領域に対応する点灯対象にされる画素を、1フレームもしくは1サブフレーム期間の途中において非点灯(消灯)状態に制御する消灯走査手段が具備され、前記輝度制御手段は前記消灯走査手段における消灯動作のタイミングを、前記点灯率に応じて制御するように構成したことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項13】
非動画表示領域に対応する画素においては、前記消灯走査手段による消灯動作が実行されないように構成したことを特徴する請求項12に記載された映像信号の表示制御装置。
【請求項14】
複数のデータ線と複数の走査線の各交差位置に画素が配置され、入力映像信号に基づいて前記画素を選択的に点灯駆動させることで画像を表示する映像信号の表示制御方法であって、
表示される前記画像内の動画表示領域を設定する動画表示領域設定動作と、
前記動画表示領域設定動作により設定された動画表示領域における画素の点灯率を算出する点灯率算出動作と、
前記点灯率算出動作により算出された点灯率に応じて前記動画表示領域における発光輝度の可変制御を行う輝度制御動作と、
が実行されることを特徴とする映像信号の表示制御方法。
【請求項15】
前記動画表示領域設定動作では、表示される前記画像内の静止画領域を検知することによって、前記表示画像内の前記静止画領域以外の領域を前記動画領域として設定する動作が実行されることを特徴とする請求項14に記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項16】
前記動画表示領域設定動作が、予め定められた前記各画素に対応する表示領域を指定することにより、もしくは前記各画素に対応する入力映像信号の時間変化を検出することにより実行されることを特徴とする請求項14または請求項15に記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項17】
前記入力映像信号を、前記点灯率算出動作により算出された画素の点灯率に応じた輝度に対応する階調値に変換する処理を実行することで、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項18】
前記動画表示領域に対応する各データ線に供給するデータドライバからの出力電圧値を、前記点灯率に応じて可変制御する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項19】
前記動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電圧を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された電源供給線に対しては、予め定められた値の駆動電圧を供給する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項20】
前記動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対して、前記点灯率に応じて可変される駆動電流を供給し、非動画表示領域に対応する画素に接続された前記データ線に対しては、予め定められた値の駆動電流を供給する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【請求項21】
前記動画表示領域に対応する点灯対象にされる画素を、1フレームもしくは1サブフレームの期間の途中において非点灯状態に制御する消灯動作のタイミングを、前記点灯率に応じて制御する動作を実行することにより、前記動画表示領域の発光輝度の可変制御を行うことを特徴する請求項14ないし請求項16のいずれかに記載された映像信号の表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−171727(P2007−171727A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371437(P2005−371437)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】
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