説明

映像処理装置及び映像処理方法

【課題】映像信号の特徴に基づく階調補正により映像の黒浮きを改善できる映像処理装置を実現する。
【解決手段】トーンカーブ生成モジュール701は、ヒストグラムに基づいて動的コントラスト制御のためのトーンカーブを生成する。暗部面積算出モジュール702は、ヒストグラムに基づいて画素が低い輝度レベルに集中している度合いを示す暗部面積を算出する。暗部ブレンド補正値算出モジュール703は暗部面積に基づいて暗部ブレンド補正値を算出する。ブレンドパラメータ生成モジュール704は、暗部に適用されるパラメータに暗部ブレンド補正値とユーザ設定によるブレンド値のうち効果が高い方の値を設定し、明部に適用されるパラメータにユーザ設定によるブレンド値を設定したブレンドパラメータを生成する。アルファブレンディングモジュール705は、ブレンドパラメータに基づいて、生成されたトーンカーブと標準設定のトーンカーブとをブレンドしたトーンカーブを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像のコントラストを制御する映像処理装置及び該装置に適用される映像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像を鮮明に見せるために、映像信号の輝度成分に対して階調補正を施す様々な技術が提案されている。階調補正は、例えば映像の輝度のヒストグラムに基づいて行われる。
【0003】
特許文献1には、輝度のヒストグラムに度数変換処理を施し、それに基づいて映像信号に非線形補正処理を施す映像信号処理装置が開示されている。この映像信号処理装置では、輝度のヒストグラムに対する度数変換処理により、輝度に対する階調補正処理の制御範囲を可変にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−36946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、テレビジョン放送番組等の映像コンテンツには、黒を表現すべき画素の輝度レベルがペデスタルレベルよりも高い値に設定された映像が含まれる場合がある。このような映像が暗いシーンを捉えた映像であるとき、視聴者は表示された映像から黒浮きを知覚する可能性がある。視聴者は例えば、映像内の暗い部分が黒(漆黒)ではなく、やや明るく表示されることに違和感を受ける可能性がある。
【0006】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、映像信号の特徴に基づく階調補正により映像の黒浮きを改善できる映像処理装置及び映像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明の映像処理装置は、映像信号の画素の輝度レベルに基づいてヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、前記ヒストグラムに基づいて、前記映像信号の輝度値を制御する第1のトーンカーブを生成するトーンカーブ生成手段と、前記ヒストグラムに基づいて、前記第1のトーンカーブと規定のトーンカーブとをブレンドするためのブレンドパラメータを生成するブレンドパラメータ生成手段と、前記ブレンドパラメータに基づいて、前記第1のトーンカーブと前記規定のトーンカーブとをブレンドした第2のトーンカーブを生成するブレンディング手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、映像信号の特徴に基づく階調補正により映像の黒浮きを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像処理装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の映像処理装置に設けられるコントラスト制御モジュール及びヒストグラム算出モジュールの構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の映像処理装置に設けられた暗部面積算出モジュールにより算出される暗部面積について説明する図。
【図4】同実施形態の映像処理装置に設けられた暗部ブレンド補正値算出モジュールにより算出される暗部ブレンド補正値について説明する図。
【図5】同実施形態の映像処理装置に設けられたアルファブレンディングモジュールにより算出されるトーンカーブについて説明する図。
【図6】同実施形態の映像処理装置によるコントラスト制御処理の手順を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の映像処理装置による暗部面積算出処理の手順を示すフローチャート。
【図8】同実施形態の映像処理装置によるブレンドパラメータ生成処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る映像処理装置の一例としてのデジタルテレビジョン受信機11を説明する。
【0012】
デジタルテレビジョン受信機11は、映像表示モジュール14、スピーカ15、操作モジュール16、受光モジュール18、放送信号入力端子48,53、アナログ信号入力端子60、出力端子63,64、チューナ49,54,56、PSK復調器50、OFDM復調器55、アナログ復調器57、信号処理モジュール51、音声処理モジュール59、グラフィック処理モジュール58、映像処理モジュール62、OSD信号生成モジュール61、制御モジュール65等を備える。
【0013】
また、放送信号入力端子48及び放送信号入力端子53には、それぞれBS/CSデジタル放送受信用アンテナ47及び地上波放送受信用アンテナ52が接続される。受光モジュール18は、リモートコントローラ17から出力される信号を受信する。
【0014】
制御モジュール65は、デジタルテレビジョン受信機11内の各部の動作を制御する。制御モジュール65は、CPU71、ROM66、RAM67、及び不揮発性メモリ68を備える。ROM66は、CPU71によって実行される制御プログラムを格納する。不揮発性メモリ68は、各種の設定情報及び制御情報を格納する。CPU71は、処理に必要な命令群及びデータをRAM67にロードし、処理を実行する。
【0015】
制御モジュール65には、操作モジュール16による操作情報、もしくは受光モジュール18で受信されるリモートコントローラ17による操作情報が入力される。制御モジュール65は、この操作内容を反映した各部の制御を行う。
【0016】
BS/CSデジタル放送受信用アンテナ47は、衛星デジタルテレビジョン放送信号を受信する。BS/CSデジタル放送受信用アンテナ47は、受信した衛星デジタルテレビジョン放送信号を、入力端子48を介して衛星デジタル放送用のチューナ49に出力する。チューナ49は、この放送信号からユーザが選択しているチャンネルの放送信号を選局する。チューナ49は、選局した放送信号をPSK復調器50に出力する。PSK(Phase Shift Keying)復調器50は、チューナ49により選局された放送信号をデジタルの映像信号及び音声信号に復調する。PSK復調器50は、復調したデジタルの映像信号及び音声信号を信号処理モジュール51に出力する。
【0017】
地上波放送受信用アンテナ52は、地上デジタルテレビジョン放送信号及び地上アナログテレビジョン放送信号を受信する。地上波放送受信用アンテナ52は、地上デジタルテレビジョン放送信号を、入力端子53を介してチューナ54に出力する。チューナ54は、この放送信号からユーザが選択しているチャンネルの放送信号を選局する。チューナ54は、選局した放送信号をOFDM復調器55に出力する。OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器55は、チューナ54により選局された放送信号をデジタルの映像信号及び音声信号に復調する。OFDM復調器55は復調したデジタルの映像信号及び音声信号を信号処理モジュール51に出力する。
【0018】
また、地上波放送受信用アンテナ52は、地上アナログテレビジョン放送信号を、入力端子53を介して地上アナログ放送用のチューナ56に出力する。チューナ56は、この放送信号からユーザが選択しているチャンネルの放送信号を選局する。チューナ56は選局した放送信号をアナログ復調器57に出力する。アナログ復調器57は、チューナ56により選局された放送信号をアナログの映像信号及び音声信号に復調する。アナログ復調器57は、復調したアナログの映像信号及び音声信号を信号処理モジュール51に出力する。
【0019】
また、信号処理モジュール51には、入力端子60が接続される。この入力端子60は、デジタルテレビジョン受信機11に対して、外部からアナログの映像信号及び音声信号を入力するための端子である。信号処理モジュール51は、アナログ復調器57又は入力端子60を介して入力されたアナログの映像信号及び音声信号を、それぞれデジタルの映像信号及び音声信号に変換する。
【0020】
信号処理モジュール51は、変換されたデジタルの映像信号及び音声信号、並びにPSK復調器50又はOFDM復調器55から入力されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施す。信号処理モジュール51は、所定のデジタル信号処理を施した映像信号及び音声信号を、グラフィック処理モジュール58及び音声処理モジュール59に出力する。
【0021】
音声処理モジュール59は、入力されたデジタル音声信号を、スピーカ15で再生可能なアナログ音声信号に変換する。音声処理モジュール59は、このアナログ音声信号をスピーカ15に出力する。スピーカ15は、入力されたアナログ音声信号に基づいて音声を再生する。音声処理モジュール59はさらに、出力端子64を介してアナログ音声信号を外部に導出してもよい。
【0022】
グラフィック処理モジュール58は、信号処理モジュール51から出力されるデジタル映像信号に、OSD(On Screen Display)信号生成モジュール61で生成されるメニュー等のOSD信号を重畳する。グラフィック処理モジュール58は、OSD信号が重畳された映像信号を映像処理モジュール62に出力する。また、グラフィック処理モジュール58は、信号処理モジュール51の出力である映像信号と、OSD信号生成モジュール61の出力であるOSD信号とを選択的に出力してもよい。
【0023】
映像処理モジュール62は、入力されたデジタル映像信号に所定の処理を施し、映像表示モジュール14で表示可能なアナログ映像信号に変換する。映像処理モジュール62は、このアナログ映像信号を映像表示モジュール14に出力する。映像表示モジュール14は、入力されたアナログ映像信号に基づいて映像を表示する。映像処理モジュール62はさらに、出力端子63を介してアナログ映像信号を外部に導出してもよい。
【0024】
信号処理モジュール51は、ヒストグラム算出モジュール69を備える。また、映像処理モジュール62は、コントラスト制御モジュール70を備える。信号処理モジュール51では、処理対象の映像信号のうち、輝度信号(Y)がヒストグラム算出モジュール69に入力される。ヒストグラム算出モジュール69は、輝度信号(Y)に基づいてヒストグラムを生成する。映像処理モジュール62では、輝度信号(Y)、色差信号(Cb/Pb)、及び色差信号(Cr/Pr)から構成される映像信号がコントラスト制御モジュール70に入力される。コントラスト制御モジュール70は、ヒストグラム算出モジュール69により生成されたヒストグラムに基づいて、映像信号のコントラストを制御する。
【0025】
コントラスト制御モジュール70は、標準設定(規定)のトーンカーブと動的にコントラストを制御するためのトーンカーブとを、ブレンドパラメータに基づいてブレンディングしたトーンカーブに従って、入力映像信号のコントラストを制御する。標準設定のトーンカーブは、例えば、入力輝度レベルをそのまま出力輝度レベルとして用いるようなコントラストの制御を伴わないトーンカーブ(コントラスト制御効果がオフであるトーンカーブ)である。動的にコントラストを制御するためのトーンカーブは、例えば、コントラストの制御を伴うトーンカーブ(コントラスト制御効果がオンであるトーンカーブ)である。動的にコントラストを制御するためのトーンカーブは、例えば、コントラスト制御効果の大きさを変更できる。
【0026】
本実施形態では、映像が暗いシーンを捉えた映像である場合、すなわち映像に黒浮きが生じる可能性がある場合、映像に対して、暗部のコントラストを改善する処理を施す。具体的には、コントラスト制御モジュール70は、映像が暗いシーンを捉えた映像であることを示す指標として、映像フレーム中の画素が低い輝度レベル(暗部)に集中している度合い(暗部面積)を用いる。コントラスト制御モジュール70は、この暗部面積が大きい場合には、映像の暗部に対して、動的にコントラストを制御するためのトーンカーブの効果が大きく反映され、標準設定のトーンカーブの効果が小さく反映されるように、ブレンドパラメータを設定する。一方、コントラスト制御モジュール70は、この暗部面積が小さい場合には、映像の暗部に対して、動的にコントラストを制御するためのトーンカーブの効果が小さく反映され、標準設定のトーンカーブの効果が大きく反映されるように、ブレンドパラメータを設定する。なお、コントラスト制御モジュール70は、映像の明部に対して、動的にコントラストを制御するためのトーンカーブの効果と標準設定のトーンカーブの効果とが、それぞれ所定の割合で反映されるように、ブレンドパラメータを設定する。この所定の割合は、例えば、ユーザによって設定された値(又はユーザによって設定された表示モードに対応する値)や予め決められた規定値等である。
【0027】
図2は、ヒストグラム算出モジュール69及びコントラスト制御モジュール70の構成を示すブロック図である。
【0028】
コントラスト制御モジュール70は、トーンカーブ生成モジュール701、暗部面積算出モジュール702、暗部ブレンド補正値算出モジュール703、ブレンドパラメータ生成モジュール704、及びアルファブレンディングモジュール705を備える。ヒストグラム算出モジュール69は、トーンカーブ生成モジュール701及び暗部面積算出モジュール702に算出したヒストグラムを入力する。
【0029】
トーンカーブ生成モジュール701は、輝度ヒストグラムに応じてコントラストを動的に制御するためのトーンカーブDtoneを生成する。トーンカーブは、入力映像信号の画素の輝度(入力輝度レベル)と、当該画素が画面に表示される際の輝度(出力輝度レベル)との対応を示す。つまり、トーンカーブに基づいて、入力輝度レベルに対応する出力輝度レベルが算出される。トーンカーブ生成モジュール701によるトーンカーブDtoneの生成には、従来提案されている階調補正に関する種々の方法を用いることができる。
【0030】
また、トーンカーブ生成モジュール701は、メニュー画面等を介して設定された、コントラスト制御の効果を指定する値に応じて、コントラストを動的に制御するためのトーンカーブDtoneを生成してもよい。ユーザは、例えば、コントラスト制御の効果を強、中、弱、オフのいずれに設定するかをメニュー画面から選択することができる。また、ユーザは、例えば、映画モード、アニメーションモード等の表示モードをメニュー画面から選択してもよい。この場合、トーンカーブ生成モジュール701は、選択された表示モードに対応する映像の内容に適したトーンカーブDtoneを生成する。
【0031】
トーンカーブDtoneは、例えばn点のデータDtone(1)〜Dtone(n)により表される。Dtone(1)は、最も低い入力輝度レベルに適用されるトーンカーブのデータを示し、Dtone(2)以降、順番に、より高い入力輝度レベルに適用されるトーンカーブのデータを示す。
【0032】
トーンカーブ生成モジュール701は、生成したトーンカーブDtoneをアルファブレンディングモジュール705に出力する。
【0033】
暗部面積算出モジュール702は、輝度ヒストグラムに基づいて暗部面積を算出する。ヒストグラムは、処理対象の映像フレームに含まれる画素を、輝度レベル毎にカウントした輝度レベル毎の画素数を示す。暗部面積算出モジュール702は、輝度レベル毎の画素数に当該輝度レベルに対応する重みを付けた値を算出し、算出した値の総和である暗部面積を算出する。図3は、暗部面積算出モジュール702による暗部面積の算出の例を示す。
【0034】
まず、暗部面積算出モジュール702は、輝度レベル毎の画素数を用いて、ペデスタルレベルより大きく、且つしきい値TH以下の輝度レベルの各々に対応する画素数に、輝度レベル毎に設定される重み付け係数を乗じた値を算出する。次に、暗部面積算出モジュール702は、算出した値の総和(重み付き累積値)を算出する。算出した総和は、映像フレーム中の画素が低い輝度レベル(暗部)に集中している度合いを示し、暗部面積とも称する。
【0035】
しきい値THは、例えば20IREに設定される。テレビジョン放送番組等の映像信号には、黒に対応する輝度レベルを7IRE程度まで浮かせた状態で送信される信号が含まれる場合がある。したがって、しきい値THには、黒に対応する輝度レベルとして用いられる可能性があるレベル(例えば、7IRE)より大きい、暗部の傾向を把握するために必要な輝度レベルを含む値(例えば、20IRE)が設定される。
【0036】
また、暗部面積の算出に、ペデスタルレベルに対応する画素数を用いない理由は、黒(ペデスタルレベル)が設定されるサイドパネル又はレターボックスが映像に含まれる場合に、これらサイドパネル又はレターボックスに対応する画素が、算出される暗部面積に影響することを避けるためである。
【0037】
なお、輝度レベル毎に設定される重み付け係数は、図3に示すように、最暗部付近で高く、輝度レベルが大きくなるにつれて小さくなる。例えば、重み付け係数には、最暗部付近(0から7IREまで)で1に近い値(例えば、255/256)が設定され、輝度レベルが大きくなるにつれて0に近い値(例えば、0/256)が設定される。これは、暗部面積算出の対象とする輝度レベルの範囲において、その上限付近の輝度レベルに対応する画素数が、算出される暗部面積に大きく影響することを避けるためである。これにより、例えば上限付近の輝度レベルで、対応する画素数が急激に増加するような映像においても、適切に暗部面積を算出することができる。
【0038】
暗部面積算出モジュール702は、算出した暗部面積を暗部ブレンド補正値算出モジュール703に出力する。なお、暗部面積算出モジュール702は、算出した暗部面積をトーンカーブ生成モジュール701に出力してもよい。また、トーンカーブ生成モジュール701は、暗部面積に基づいて、映像のコントラストを動的に制御するトーンカーブを生成してもよい。
【0039】
暗部ブレンド補正値算出モジュール703は、暗部面積算出モジュール702により算出された暗部面積に基づいて、暗部ブレンド補正値Bldを算出する。暗部ブレンド補正値Bldは、0から1までの値を取り得る。暗部ブレンド補正値Bldは、トーンカーブ生成モジュール701により生成されたトーンカーブDtoneを映像の暗部(例えば、1からn/2)に適用する効果の割合(アルファ値)を示す。つまり、映像の暗部に対しては、暗部ブレンド補正値Bldに設定される割合だけ、トーンカーブDtoneによるコントラスト制御の効果が反映される。また、映像の暗部に対して、暗部ブレンド補正値Bldの残りの割合(1−Bld)だけ、標準設定のトーンカーブDbaseによるコントラストの制御効果が反映される。この暗部ブレンド補正値Bldにより、トーンカーブ生成モジュール701により生成されたトーンカーブDtoneのコントラスト制御効果が弱い場合(例えば、表示モードが映画モードである場合)であっても、暗部のコントラスト制御効果(ダイナミックガンマ効果)を強めることができる。
【0040】
暗部ブレンド補正値算出モジュール703は、例えば、暗部面積と暗部ブレンド補正値Bldとの関係を表す変換関数を用いて、算出された暗部面積に対応する暗部ブレンド補正値Bldを算出する。図4は、暗部面積と暗部ブレンド補正値Bldとの関係を表す変換関数の例を示す。この変換関数では、暗部面積が0から第1のしきい値TH未満である場合、暗部ブレンド補正値Bldには暗部ブレンド補正値Bldの基本設定値が設定される。この基本設定値は、例えば、メニュー画面等で指定された値(又は指定された表示モードに対応する値)や、予め設定された規定値である。暗部面積が第1のしきい値TH以上であり、且つ第2のしきい値TH未満である場合、暗部ブレンド補正値Bldには、暗部面積が大きくなるにつれて、暗部ブレンド補正値Bldの基本設定値から上限値まで線形に増加する値が設定される。また、暗部面積が第2のしきい値TH以上である場合、暗部ブレンド補正値Bldには、暗部ブレンド補正値Bldの上限値が設定される。なお、第1のしきい値THには、例えば映像フレームの全画素数の60%を示す値が設定される。また、第2のしきい値THには、例えば映像フレームの全画素数の90%を示す値が設定される。つまり、暗部ブレンド補正値Bldは、暗部面積が大きいほど、映像の暗部に対してトーンカーブDtoneの効果が大きく反映されるように設定される。
【0041】
暗部ブレンド補正値算出モジュール703は、算出した暗部ブレンド補正値Bldをブレンドパラメータ生成モジュール704に出力する。
【0042】
ブレンドパラメータ生成モジュール704は、暗部ブレンド補正値算出モジュール703により算出された暗部ブレンド補正値Bldと、ユーザにより設定されたブレンド設定値Bldとを用いて、ブレンドパラメータBldを生成する。ブレンドパラメータBldは、n点のデータで表されるトーンカーブDtoneに対応して、Bld(1)〜Bld(n)の値を含む。
【0043】
ブレンドパラメータ生成モジュール704は、暗部のブレンドパラメータBld(i)(例えば、Bld(1)からBld(n/2))に、ユーザにより設定されたブレンド設定値Bldと暗部ブレンド補正値Bldのうち、コントラスト制御効果が高い方の値(すなわち、大きい方の値)を設定する。また、ブレンドパラメータ生成モジュール704は、明部のブレンドパラメータBld(i)(例えば、Bld(n/2+1)からBld(n))に、ユーザにより設定されたブレンド設定値Bldを設定する。
【0044】
ブレンドパラメータ生成モジュール704は、例えば、暗部ブレンド補正値Bld=0.6,ユーザにより設定されたブレンド設定値Bld=0.2である場合、暗部のブレンドパラメータであるBld(1)からBld(n/2)に0.6を設定し、明部のブレンドパラメータであるBld(n/2+1)からBld(n)に0.2を設定する。
【0045】
また、ブレンドパラメータ生成モジュール704は、例えば、暗部ブレンド補正値Bld=0.3,ユーザにより設定されたブレンド設定値Bld=0.4である場合、暗部のブレンドパラメータであるBld(1)からBld(n/2)に0.4を設定し、明部のブレンドパラメータであるBld(n/2+1)からBld(n)にも0.4を設定する。
【0046】
ブレンドパラメータ生成モジュール704は、算出したブレンドパラメータBld(i)をアルファブレンディングモジュール705に出力する。
【0047】
アルファブレンディングモジュール705は、ブレンドパラメータBldに指定された割合で、トーンカーブDtoneによる制御効果とトーンカーブDbaseによる制御効果とを反映させたトーンカーブDbldを生成する。アルファブレンディングモジュール705は、例えば、次式によりトーンカーブDbldを生成する。
【0048】
bld(i)=Dtone(i)×Bld(i)
+Dbase(i)×(1−Bld(i)) ・・・(1)
図5は、アルファブレンディングモジュール705により算出されるトーンカーブDbldの例を示す。アルファブレンディングモジュール705は、図5に示すように、ブレンドパラメータBldが大きい場合(すなわち、暗部面積が大きい場合)には、映像の暗部に対して、トーンカーブDtoneによる制御効果が大きく反映されるトーンカーブDbldを生成する。つまり、アルファブレンディングモジュール705は、暗部面積が大きい場合には、暗部に適用されるトーンカーブDbldのダイナミックガンマ効果を上げる。例えば、トーンカーブDbaseがトーンカーブ801であり、トーンカーブDtoneがトーンカーブ804であると仮定したとき、アルファブレンディングモジュール705は、ブレンドパラメータBldが大きい場合、例えば、トーンカーブDtoneによる制御効果が大きく反映されたトーンカーブDbld803を生成する。
【0049】
一方、アルファブレンディングモジュール705は、ブレンドパラメータBldが小さい場合(すなわち、暗部面積が小さい場合)には、映像の暗部に対して、トーンカーブDtoneによる制御効果が小さく反映されるトーンカーブDbldを生成する。例えば、トーンカーブDbaseがトーンカーブ801であり、トーンカーブDtoneがトーンカーブ804であると仮定したとき、アルファブレンディングモジュール705は、ブレンドパラメータBldが小さい場合、例えば、トーンカーブDtoneによる制御効果が小さく反映されたトーンカーブDbld802を生成する。
【0050】
なお、図5に示すように、アルファブレンディングモジュール705は、映像の明部に対して、トーンカーブDtoneによる制御効果とトーンカーブDbaseによる制御効果とが、規定の割合で反映されたトーンカーブDbldを生成する。これは、映像信号の明部に対応するトーンカーブDbldの生成には、上述のように、ブレンド設定値Bldが設定されたブレンドパラメータBldが用いられるためである。なお、ブレンド設定値Bldは、ユーザにより設定された値に限らず、予め決められた値であってもよい。
【0051】
映像処理モジュール62は、映像の入力輝度レベルを、生成されたトーンカーブDbldを用いて変換した出力輝度レベルを算出する。映像処理モジュール62は、算出した映像の出力輝度レベルを映像表示モジュール14に出力する。
【0052】
図6は、ヒストグラム算出モジュール69により算出された輝度ヒストグラムを用いた、コントラスト制御モジュール70によるコントラスト制御処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0053】
まず、ヒストグラム算出モジュール69は、輝度のダイナミックレンジをm個に分割して、m段階の輝度レベルに基づく輝度ヒストグラムを生成する(ステップS101)。具体的には、ヒストグラム算出モジュール69は、映像信号の画素の輝度レベルに基づいて、映像フレーム毎に、輝度レベル毎の画素数DIN(1)〜DIN(m)を算出する。なお、輝度レベルの分割数mは十分に細かいものとする(例えば、m=256)。
【0054】
次に、コントラスト制御モジュール70(トーンカーブ生成モジュール701)は、算出された輝度ヒストグラムに基づいて、動的にコントラストを制御するためのトーンカーブDtoneを生成する(ステップS102)。このトーンカーブDtoneは、例えば、Dtone(1)からDtone(n)で示されるn点のデータで表現される。
【0055】
コントラスト制御モジュール70は、算出された輝度ヒストグラムに基づいて、暗部面積(暗部の重み付き累積値)を算出する(ステップS103)。具体的には、コントラスト制御モジュール70(暗部面積算出モジュール702)は、輝度レベル毎の画素数を用いて、ペデスタルレベルより大きく、且つしきい値TH以下の輝度レベルの各々に対応する画素数に、輝度レベル毎に設定される重み付け係数を乗じた値を算出する。そして、コントラスト制御モジュール70(暗部面積算出モジュール702)は、算出した値の総和である暗部面積を算出する。暗部面積は、映像フレーム中の画素が、低い輝度レベル(暗部)に集中している度合いを示す。ステップS103の暗部面積算出処理の手順は、図7に示すフローチャートを参照して後述する。
【0056】
次いで、コントラスト制御モジュール70(暗部ブレンド補正値算出モジュール703)は、図4に示すような暗部面積と暗部ブレンド補正値Bldとの関係を示す変換関数を用いて、算出した暗部面積に対応する暗部ブレンド補正値Bldを算出する(ステップS104)。
【0057】
そして、コントラスト制御モジュール70は、繰り返し処理(ループ)のための変数iに1を設定する(ステップS105)。変数iは1からnの値を取り得る。nは、上述のようにトーンカーブを表す点(データ)の数である。
【0058】
コントラスト制御モジュール70(ブレンドパラメータ生成モジュール704)は、入力されるユーザ設定ブレンドパラメータBldと、ステップS104において算出された暗部ブレンド補正値Bldとを用いて、ブレンドパラメータBld(i)を生成する(ステップS106)。ステップS106のブレンドパラメータ生成処理の手順は、図8に示すフローチャートを参照して後述する。
【0059】
コントラスト制御モジュール70(アルファブレンディングモジュール705)は、入力される基本トーンカーブデータDbase(i),ステップS102において生成されたトーンカーブデータDtone(i),及びステップS106において生成されたブレンドパラメータBld(i)を用いて、アルファブレンディングを行う(ステップS107)。すなわち、コントラスト制御モジュール70(アルファブレンディングモジュール705)は、ブレンドパラメータBld(i)に指定された割合でトーンカーブDtone(i)による制御効果を反映させ、残りの割合でトーンカーブDbase(i)による制御効果を反映させた、式(1)に示すトーンカーブDbld(i)を生成する。
【0060】
次いで、コントラスト制御モジュール70は、変数iがn未満であるか否かを判定する(ステップS108)。変数iがn未満である場合、コントラスト制御モジュール70は、変数iに1を足して、ループ内の処理を再度実行する。変数iがn以上である場合、コントラスト制御モジュール70は、この繰り返し処理を終了する。
【0061】
そして、映像処理モジュール62は、映像の入力輝度レベルを、生成されたトーンカーブDbldを用いて変換した出力輝度レベルを算出する。(ステップS109)。
【0062】
以上の処理により、暗いシーンを捉えた映像のように暗部面積が大きな映像において、黒浮きの影響を低減するようにコントラストを制御した映像を生成できる。つまり、黒を表現すべき画素の輝度レベルがペデスタルレベルよりも高い値に設定された映像において、黒を表現すべき画素の輝度レベルをペデスタルレベルに近づけるトーンカーブが生成される。
【0063】
図7は、図6に示すステップS103に対応する暗部面積算出処理の手順の例を示すフローチャートである。コントラスト制御モジュール70は、映像フレーム毎に算出される輝度レベル毎の画素数DIN(1)〜DIN(m)を用いて、映像フレーム中の画素が、低い輝度レベル(暗部)に集中している度合いを示す暗部面積(暗部重み付き累積値)を算出する。
【0064】
まず、コントラスト制御モジュール70は、累積値を算出するための変数Sを初期化する(ステップS201)。具体的には、コントラスト制御モジュール70は、変数Sに0を設定する。
【0065】
次に、コントラスト制御モジュール70は、繰り返し処理(ループ)のための変数jに、ペデスタルレベルより1だけ大きい輝度レベルを設定する(ステップS202)。変数jは、ペデスタルレベルより1だけ大きい値からしきい値THまでの値を取り得る。なお、しきい値THは、暗部面積の算出に用いられる最大の輝度レベルを示す。しきい値THには、映像の暗部の傾向を把握するために必要な輝度レベルを含む値(例えば、20IRE)が設定される。
【0066】
そして、コントラスト制御モジュール70は、輝度レベルjの画素数DIN(j)と、輝度レベル(j)に対応する重み付け係数w(j)とを乗じた値を、変数Sに加える(ステップS203)。すなわち、コントラスト制御モジュール70は、変数Sの値を次式により算出する。
【0067】
S=S+DIN(j)×w(j) ・・・(2)
次いで、コントラスト制御モジュール70は、変数jがしきい値TH未満であるか否かを判定する(ステップS204)。変数jがしきい値TH未満である場合、コントラスト制御モジュール70は、変数jに1を足して、ループ内の処理を再度実行する。変数jがしきい値TH以上である場合、コントラスト制御モジュール70は、変数Sに設定されている値を暗部面積に設定して、処理を終了する。
【0068】
以上の処理により、コントラスト制御モジュール70は、映像フレーム中の画素が、低い輝度レベル(暗部)に集中している度合いを示す暗部面積(暗部重み付き累積値)を算出する。
【0069】
また、図8は、図6に示すステップS106に対応するブレンドパラメータ生成処理の手順の例を示すフローチャートである。コントラスト制御モジュール70は、変数i,ユーザ設定ブレンドパラメータBld,及び暗部ブレンド補正値Bldに基づいて、ブレンドパラメータBld(i)を決定する。変数iは、図6のステップS105で設定される値である。なお、変数iは、図6の説明で述べたように、1からnの値を取り得る。nは、トーンカーブを表す点の数(データ数)である。
【0070】
コントラスト制御モジュール70は、まず、変数iが1以上であり、且つn/2以下であるか否かを判定する(ステップS301)。変数iが1以上であり、且つn/2以下である場合(ステップS301のYES)、コントラスト制御モジュール70は、暗部ブレンド補正値Bldがユーザ設定ブレンドパラメータBld以上であるか否かを判定する(ステップS302)。暗部ブレンド補正値Bldがユーザ設定ブレンドパラメータBld以上である場合(ステップS302のYES)、コントラスト制御モジュール70は、ブレンドパラメータBld(i)に暗部ブレンド補正値Bldを設定する(ステップS303)。
【0071】
変数iがn/2より大きい場合(ステップS301のNO)、又は暗部ブレンド補正値Bldがユーザ設定ブレンドパラメータBld以上でない場合(ステップS302のNO)、コントラスト制御モジュール70は、ブレンドパラメータBld(i)にユーザ設定ブレンドパラメータBldを設定する(ステップS304)。
【0072】
以上の処理により、コントラスト制御モジュール70は、ブレンドパラメータBld(i)を生成する。コントラスト制御モジュール70は、暗部のブレンドパラメータBld(i)(すなわち、Bld(1)からBld(n/2))に、ユーザ設定ブレンドパラメータBldと暗部ブレンド補正値Bldのうち、効果が高い方の値(大きい方の値)を設定する。また、コントラスト制御モジュール70は、明部のブレンドパラメータBld(i)(すなわち、Bld(n/2+1)からBld(n))に、ユーザ設定ブレンドパラメータBldを設定する。
【0073】
上述のように設定されたブレンドパラメータBld(i)を用いて、コントラスト制御モジュール70はトーンカーブのブレンディングを行う。つまり、動的コントラスト制御のためのトーンカーブDtoneと標準設定のトーンカーブDbaseとを、式(1)に示すようにブレンドパラメータBld(i)に応じて適用した映像が生成される。これにより、暗部面積(映像中に輝度が低い画素が占める割合)が大きい場合に、暗部の動的コントラスト制御の効果を強めることができる。
【0074】
なお、ブレンドパラメータBldは、暗部に適用されるパラメータと明部に適用されるパラメータとをそれぞれ異なる値に設定するだけでなく、任意の輝度レベルに対して異なる値を設定することができる。つまり、動的コントラスト制御の効果を任意の輝度レベルで指定することができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、映像信号の特徴に基づく階調補正により映像の黒浮きを改善できる。コントラスト制御モジュール70は、動的コントラスト制御のためのトーンカーブDtoneと標準設定(規定)のトーンカーブDbaseとを、暗部面積の大きさに基づくブレンドパラメータBldに応じてブレンドしたトーンカーブDbldを生成する。このトーンカーブDbldに基づいて入力映像信号を階調補正することにより、暗部面積(映像中に輝度が低い画素が占める割合)が大きい場合に、暗部の動的コントラスト制御の効果を強めることができる。したがって、暗いシーンを捉えた映像のように暗部面積が大きな映像において、黒浮きの影響を低減することができる。つまり、黒を表現すべき画素の輝度レベルがペデスタルレベルよりも高い値に設定された映像において、黒を表現すべき画素の輝度レベルをペデスタルレベルに近づけることができ、黒が締まった印象を与える映像を提供できる。
【0076】
また、部分制御が可能なLED光源をバックライトとして備える液晶テレビでは、バックライトを部分領域毎に消灯することができるため、漆黒を表現できる。しかし、映像信号に黒浮きがある場合には、漆黒を表示できる機能を有効に利用することができない。そこで、LED光源をバックライトとして備える液晶テレビでも、本実施形態によるコントラスト制御処理を適用することで、黒レベルの浮きを抑制し、漆黒に近づけるように制御することができる。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0078】
69…ヒストグラム算出モジュール、70…コントラスト制御モジュール、70a…ユーザ設定ブレンドパラメータ、70b…基本トーンカーブデータ、701…トーンカーブ生成モジュール、702…暗部面積算出モジュール、703…暗部ブレンド補正値算出モジュール、704…ブレンドパラメータ生成モジュール、705…アルファブレンディングモジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号の画素の輝度レベルに基づいてヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、
前記ヒストグラムに基づいて、前記映像信号の輝度値を制御する第1のトーンカーブを生成するトーンカーブ生成手段と、
前記ヒストグラムに基づいて、前記第1のトーンカーブと規定のトーンカーブとをブレンドするためのブレンドパラメータを生成するブレンドパラメータ生成手段と、
前記ブレンドパラメータに基づいて、前記第1のトーンカーブと前記規定のトーンカーブとをブレンドした第2のトーンカーブを生成するブレンディング手段とを具備することを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記ブレンドパラメータは、前記第2のトーンカーブに前記第1のトーンカーブの効果を反映させる割合を示すことを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記ヒストグラム生成手段は、前記映像信号のフレーム毎に、輝度レベル毎の画素数を算出し、
前記輝度レベル毎の画素数のうち、ペデスタルレベルより大きく、且つ第2のしきい値より小さい輝度レベルの各々に対応する画素数の総和を算出する暗部累積値算出手段と、
前記総和に基づいてブレンド補正値を算出するブレンド補正値算出手段とをさらに具備し、
前記ブレンドパラメータ生成手段は、前記ブレンド補正値と所定のブレンド設定値とを用いて、前記ブレンドパラメータを生成することを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記ブレンドパラメータ生成手段は、第1の輝度レベル未満に適用されるブレンドパラメータに前記ブレンド補正値と前記所定のブレンド設定値のうち大きい方の値を設定し、前記第1の輝度レベル以上に適用されるブレンドパラメータに前記所定のブレンド設定値を設定することを特徴とする請求項3記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記暗部累積値算出手段は、前記輝度レベル毎の画素数のうち、ペデスタルレベルより大きく、且つ第2のしきい値より小さい輝度レベルの各々に対応する画素数に、当該輝度レベルに対応する重み付け係数を乗じた値を算出し、前記算出した値の総和を算出することを特徴とする請求項3記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記重み付け係数は、輝度レベルが大きくなるにつれて小さく設定されることを特徴とする請求項5記載の映像処理装置。
【請求項7】
前記映像信号を前記第2のトーンカーブに基づいて変換する階調補正手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の映像処理装置。
【請求項8】
映像信号の画素の輝度レベルに基づいてヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、
前記ヒストグラムに基づいて、前記映像信号の輝度値を制御する第1のトーンカーブを生成するトーンカーブ生成ステップと、
前記ヒストグラムに基づいて、前記第1のトーンカーブと規定のトーンカーブとをブレンドするためのブレンドパラメータを生成するブレンドパラメータ生成ステップと、
前記ブレンドパラメータに基づいて、前記第1のトーンカーブと前記規定のトーンカーブとをブレンドした第2のトーンカーブを生成するブレンディングステップとを具備することを特徴とする映像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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