説明

映像処理装置

【課題】 入力される映像データ、および、映像受信装置が対応している解像度および垂直周波数の組合せに応じて、最適な出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する。
【解決手段】 AVアンプ1は、入力される映像データの解像度および垂直周波数の組合せを検出し、ディスプレイ装置30に予め記憶されている解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を読み出す。AVアンプ1は、映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せであり、かつ、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する値を、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定された出力解像度および出力垂直周波数に映像データを変換して出力する映像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BDプレーヤ、AVアンプおよびディスプレイ装置がHDMIケーブルを介して接続されるシステムが採用されている。BDプレーヤで再生された映像データは、AVアンプを介してディスプレイ装置に出力される。
【0003】
ディスプレイ装置は複数の解像度および垂直周波数で画像を表示することができ、表示可能な解像度および垂直周波数の種類がEDIDとして、内部に設けられたPROMに予め記憶されている(例えば、特許文献1)。AVアンプは、接続されているディスプレイ装置からEDIDを読み出して、EDIDからディスプレイ装置が表示可能な解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を読み出す。AVアンプは、ディスプレイ装置が表示可能な解像度および垂直周波数の組合せの中から例えばユーザ操作に応じて1つを選択し、出力解像度および出力垂直周波数として設定する。AVアンプは、BDプレーヤから受信した映像データを設定された出力解像度および出力垂直周波数に変換し、ディスプレイ装置に出力する。
【0004】
最近、フルHDの約4倍の高解像度として、4K2Kといわれる高解像度が登場してきている。4K2Kには、垂直周波数を含めて表現すると、3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzが存在する。ユーザは、これらの4K2Kの解像度のうち、どの解像度を出力解像度に設定すればよいかを理解することが困難である。例えば、ディスプレイ装置が3840x2160に対応している場合であっても、4K2Kには3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hzの3組が存在するので、どちらが最適であるかを理解することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−79176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、入力される映像データ、および、映像受信装置が対応している解像度および垂直周波数の組合せに応じて、最適な出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する映像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による映像処理装置は、入力される映像データの解像度および垂直周波数の組合せを検出する映像検出部と、外部に接続される映像受信装置に予め記憶されている解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を、前記映像受信装置から読み出す読出部と、前記映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せであり、かつ、前記読出部によって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する値を、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして設定する設定部と、前記設定部によって設定された出力解像度および出力垂直周波数の組合せに、映像データを変換して、前記映像受信装置に出力する映像変換部とを備える。
【0008】
映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数に映像データを変換することにより、変換後の映像データを滑らかな映像データにすることができる。従って、自動的に最適な出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せが、前記読出部によって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在しない場合、前記設定部が、所定の出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する。
【0010】
好ましい実施形態においては、前記映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せが、前記読出部によって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に複数存在する場合、前記設定部が、出力解像度が最も高い出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する。
【0011】
この場合、映像データを最も高い出力解像度に変換することができる。従って、自動的に最適な出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定することができる。
【発明の効果】
【0012】
入力される映像データ、および、映像受信装置が対応している解像度および垂直周波数の組合せに応じて、最適な出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する映像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ1およびディスプレイ装置30を示すブロック図である。
【図2】制御部7の処理を示すフローチャートである。
【図3】制御部7の処理を示すフローチャートである。
【図4】制御部7の処理を示すフローチャートである。
【図5】制御部7の処理を示すフローチャートである。
【図6】垂直周波数の変換を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態によるBD(ブルーレイディスク)プレーヤ、AVアンプ(本発明の映像処理装置に対応)およびディスプレイ装置(本発明の映像受信装置に対応)について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0015】
図1は、AVアンプ1およびディスプレイ装置30を示すブロック図である。AVアンプ1には、HDMIケーブルを介してBDプレーヤ20Aが接続され、アナログ映像ケーブルを介してBDプレーヤ20Bが接続されている。AVアンプ1には、HDMIケーブルを介してディスプレイ装置30が接続されている。
【0016】
AVアンプ1は、HDMI受信部2と、ビデオデコーダ3と、映像処理部4と、HDMI送信部5と、音声処理部6と、制御部7と、メモリ(ROM、RAM等)8、操作表示部9と、HDMI入力端子10と、アナログ映像入力端子11と、HDMI出力端子12とを備える。
【0017】
HDMI受信部2は、BDプレーヤ20AからのHDMIデータを、HDMI入力端子10を介して受信する。HDMI受信部2は、HDMIデータから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成し、映像処理部4に供給する。HDMI受信部2は、HDMIデータから元の音声データ生成し、音声処理部6に供給する。
【0018】
ビデオデコーダ3は、BDプレーヤ20Bからのアナログの映像信号を、入力端子11を介して受信し、デジタルの映像データに変換し、映像処理部4に供給する。
【0019】
映像処理部4は、制御部7の指示に応じて、HDMI受信部2から供給される映像データおよびビデオデコーダ3から供給される映像データの中から、映像処理すべき1つの映像データを選択する。映像処理部4は、選択した映像データについて、映像処理(本例では、解像度および垂直周波数の変換処理)を実行し、HDMI送信部5に供給する。つまり、映像処理部4は、制御部7によって設定された出力解像度および出力垂直周波数の組合せに、映像データを変換して出力する。
【0020】
HDMI送信部5は、映像処理部4から供給された映像データ、および、必要に応じて音声処理部6から供給された音声データを、HDMIデータに変換して、出力端子12を介してディスプレイ装置30に送信する。HDMI送信部5は、TMDSラインを介してディスプレイ装置30のHDMI受信部31に接続されている。
【0021】
音声処理部6は、HDMI受信部2から供給された音声データに対して、信号処理、増幅処理、D/A変換等の処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。また、必要に応じて、音声処理部6は、音声データをHDMI送信部5に供給する。
【0022】
制御部7は、メモリ8に格納されているプログラムを実行することによって、AVアンプ1の各部を制御するものであり、例えばマイコンやCPU等である。制御部7は、HDMIのDDCラインを介して、ディスプレイ装置30のPROM34に接続され、PROM34からディスプレイ装置30で表示可能な解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を含むEDID(Extended Display Identification Data)を読み出す。
【0023】
制御部7は、現在入力されている映像データの解像度および垂直周波数の組合せの情報を、映像処理部4に検出させ、映像処理部4から取得する。制御部7は、現在入力されている映像データの解像度および垂直周波数の組合せ、および、ディスプレイ装置30で表示可能な解像度および垂直周波数の組合せに基づいて、ディスプレイ装置30に映像データを出力する際の出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する(設定とはメモリ8に記憶することを意味する)。
【0024】
詳細には、制御部7は、映像処理部4によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となるような出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せであり、かつ、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する値を、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして設定する。
【0025】
例えば、AVアンプ1が映像データを4K2Kである3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzに変換可能である場合(なお、これらの変換可能な解像度および垂直周波数の組合せはメモリ8に予め記憶されている)、映像データの垂直周波数が60Hzであれば、3840x2160 30Hzが、60Hz÷30Hz=2であり、整数となる。従って、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に3840x2160 30Hzが存在する場合、3840x2160
30Hzが出力解像度および出力垂直周波数として設定される。
【0026】
または、AVアンプ1が映像データを4K2Kである3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzに変換可能である場合、映像データの垂直周波数が50Hzであれば、3840x2160 25Hzが、50Hz÷25Hz=2であり、整数となる。従って、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に3840x2160 25Hzが存在する場合、3840x2160
25Hzが出力解像度および出力垂直周波数として設定される。
【0027】
好ましくは、映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せが、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在しない場合、制御部7は、4K2Kのうち所定の解像度および垂直周波数の組合せである3840x2160 24Hzに設定する。
【0028】
例えば、AVアンプ1が映像データを4K2Kである3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzに変換可能である場合、映像データの垂直周波数が60Hzであれば、3840x2160 30Hzが、60Hz÷30Hz=2であり、整数となる。しかし、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に3840x2160 30Hzが存在しない場合、3840x2160
24Hzが出力解像度および出力垂直周波数として設定される。
【0029】
例えば、AVアンプ1が映像データを4K2Kである3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzに変換可能である場合、映像データの垂直周波数が50Hzであれば、3840x2160 25Hzが、50Hz÷25Hz=2であり、整数となる。しかし、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に3840x2160 25Hzが存在しない場合、3840x2160
24Hzが出力解像度および出力垂直周波数として設定される。
【0030】
好ましくは、映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せが、ディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に複数存在する場合、制御部7は、出力解像度が最も高い出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する。
【0031】
例えば、AVアンプ1が映像データを4K2Kである3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzに変換可能である場合、映像データの垂直周波数が24Hzであれば、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzが、24Hz÷24Hz=1であり、整数となる。これらが共にディスプレイ装置30から読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する場合、出力解像度が最も高い4096x2160 24Hzが最適な値であるので、出力解像度および出力垂直周波数として設定される。
【0032】
ディスプレイ装置30は、HDMI受信部31と、表示部32と、制御部33と、EDID PROM(以下、PROMという。)34と、操作部35と、音声処理部36と、スピーカー37と、HDMI入力端子38と、メモリ(ROM、RAM等)39とを有する。
【0033】
HDMI受信部31は、HDMI送信部5からのHDMIデータを、HDMI入力端子38を介して受信し、HDMIデータから元の映像データを生成し、表示部32に供給する。HDMI受信部31は、HDMIデータから元の音声データを生成して、音声処理部36に供給する。
【0034】
表示部32は、HDMI受信部31から映像データが供給され、映像データに基づいて映像を表示するものであり、例えば、LCD、PDP等である。
【0035】
音声処理部36は、HDMI受信部31から供給された音声データを、信号処理、増幅処理、D/A変換等の処理を実行し、スピーカー37に供給する。
【0036】
制御部33は、メモリ39に格納されているプログラムを実行することにより、ディスプレイ装置30の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。
【0037】
PROM34には、表示部32で表示可能な解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を含むEDIDが予め記憶されている。EDIDは、DDCラインを介して、AVアンプ1の制御部7によって読み出される。
【0038】
以下、AVアンプ1の制御部7による出力解像度および出力垂直周波数の組合せを決定する処理を説明する。図2に示すように、制御部7は、HDMIデータが入力されているか否かを判断する(S1)。これは、HDMI受信部2からの通知によって判断することができる。HDMIデータが入力されている場合(S1でYES)、制御部7は、映像データの経路を、HDMI受信部2−映像処理部4−HDMI送信部5となるように切換える(S2)。HDMIデータが入力されていない場合(S1でNO)、制御部7は、映像データの経路を、ビデオデコーダ3−映像処理部4−HDMI送信部5となるように切換える(S3)。
【0039】
制御部7は、現在、映像処理部4に入力されている映像データの解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を、映像処理部4に検出させ、映像処理部4から取得し、メモリ8に保存する(S4)。制御部7は、DDCラインを介して、ディスプレイ装置30のPROM34からEDIDを取得し、EDIDに含まれているディスプレイ装置30で表示可能な解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を読み出し、メモリ8に保存する(S5)。
【0040】
制御部7は、EDIDから読み出した解像度および垂直周波数の組合せの中に、AVアンプ1が変換可能な(つまりメモリ8に予め記憶されている)4K2K(3840x2160 30Hz、3840x2160 25Hz、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hz)のいずれかが含まれているか否かを判断する(S6)。
【0041】
含まれている場合(S6でYES)、制御部7は、現在、映像処理部4に入力されている映像データの解像度および垂直周波数の組合せ、および、EDIDから読み出した解像度および垂直周波数の組合せに基づいて、出力解像度および出力垂直周波数の組合せを決定する処理を実行する(S7)。
【0042】
含まれていない場合(S6でNO)、制御部7は、EDIDから読み出した解像度および垂直周波数の組合せの中から、ディスプレイ装置30によって推奨されている解像度および垂直周波数の組合せを、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして決定する(S8)。
【0043】
S7の詳細を図3〜図5を参照して説明する。制御部7は、現在、映像処理部4に入力されている映像データの垂直周波数が60Hzであるか否かを判断する(S11)。60Hzである場合(S11でYES)、制御部7は、4K2Kの垂直周波数の中で、60Hzを除算すると整数である2になる値、つまり30Hzが出力垂直周波数として最適であると判断する。図6に示すように、垂直周波数を(a)60Hzから(b)30Hzに変換する場合、2つのフレームを結合させて、1つのフレームを生成すればよいので、フレームの生成処理を簡易にすることができ、かつ、滑らかな映像データを生成することができるからである。4K2Kの中で、垂直周波数が30Hzであるのは、3840x2160 30Hzである。
【0044】
従って、制御部7は、ディスプレイ装置30が3840x2160
30Hzの映像データを表示できるか否かを判断する(S12)。つまり、EDIDから読み出した解像度および垂直周波数の組合せの中に、3840x2160 30Hzが存在するか否かが判断される。3840x2160
30Hzが存在する場合(S12でYES)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして、3840x2160 30Hzを設定する(S13)。
【0045】
3840x2160 30Hzが存在しない場合(S12でNO)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとしてその他の4K2Kを設定する(S14)。詳細には、4K2Kのうち、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとしてデフォルト(所定)の3840x2160 24Hzが設定される。これは、ディスプレイ装置30が4K2Kに対応している場合、3840x2160 24Hzには必ず対応していると考えられるからである。
【0046】
S11において、解像度が60Hzでない場合(S11でNO)、S21に進む。図4に示すように、制御部7は、現在、映像処理部4に入力されている映像データの垂直周波数が50Hzであるか否かを判断する(S21)。50Hzである場合(S21でYES)、制御部7は、4K2Kの垂直周波数の中で、50Hzを除算すると整数である2になる値、つまり25Hzが出力垂直周波数として最適であると判断する。垂直周波数を50Hzから25Hzに変換する場合、2つのフレームを結合させて、1つのフレームを生成すればよいので、フレームの生成処理が簡易であり、かつ、滑らかな映像データを生成することができるからである。4K2Kの中で、垂直周波数が25Hzであるのは、3840x2160 25Hzである。
【0047】
従って、制御部7は、ディスプレイ装置30が3840x2160
25Hzの映像データを表示できるか否かを判断する(S22)。つまり、EDIDから読み出した解像度および垂直周波数の組合せの中に、3840x2160 25Hzが存在するか否かが判断される。3840x2160
25Hzが存在する場合(S22でYES)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せを3840x2160 25Hzとして設定する(S23)。
【0048】
3840x2160 25Hzが存在しない場合(S22でNO)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとしてその他の4K2Kを設定する(S24)。詳細には、4K2Kのうち、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとしてデフォルトの3840x2160 24Hzが設定される。
【0049】
S21において、垂直周波数が50Hzでない場合(S21でNO)、S31に進む。図5に示すように、制御部7は、現在、映像処理部4に入力されている映像データの垂直周波数が24Hzであるか否かを判断する(S31)。24Hzである場合(S31でYES)、制御部7は、24Hzを除算すると整数である1になる値、つまり24Hzが出力垂直周波数として最適であると判断する。垂直周波数を変換しないので、滑らかな映像データを生成することができるからである。AVアンプ1が変換できる4K2Kの中で、垂直周波数が24Hzであるのは、3840x2160 24Hz、4096x2160 24Hzである。2つ存在するので、解像度が高い方の4096x2160 24Hzが優先的にディスプレイ装置30で表示できるか否かが判断される。
【0050】
制御部7は、ディスプレイ装置30が4096x2160
24Hzの映像データを表示できるか否かを判断する(S32)。つまり、EDIDから読み出した解像度および垂直周波数の組合せの中に、4096x2160 24Hzが存在するか否かが判断される。4096x2160
24Hzが存在する場合(S32でYES)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして4096x2160 24Hzを設定する(S33)。
【0051】
4096x2160 24Hzが存在しない場合(S32でNO)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとしてデフォルトの3840x2160 24Hzを設定する(S34)。S31において、垂直周波数が24Hzでない場合(S31でNO)、制御部7は、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとしてデフォルトの3840x2160 24Hzを設定する(S34)。
【0052】
以上のように、本実施形態によると、入力される映像データ、および、映像受信装置が対応している解像度および垂直周波数の組合せに応じて、最適な出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定することができる。
【0053】
なお、本発明の映像処理装置はAVアンプ1以外にも適用可能であり、例えば、ディスプレイ装置にBDプレーヤ等のソース機器が直接接続される場合、BDプレーヤにも適用することもできる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、BDプレーヤ、AVアンプ、ディスプレイ装置の上記動作をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、AVアンプやBDプレーヤ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0056】
1 AVアンプ
2 HDMI受信部
3 ビデオデコーダ
4 映像処理部
5 HDMI送信部
6 音声処理部
7 制御部
8 メモリ
9 操作表示部
10 HDMI入力端子
11 アナログ映像入力端子
12 HDMI出力端子
20A BDプレーヤ
20B BDプレーヤ
30 ディスプレイ装置
31 HDMI受信部
32 表示部
33 制御部
34 PROM
35 操作部
36 音声処理部
37 スピーカー
38 HDMI入力端子
39 メモリ
60 スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される映像データの解像度および垂直周波数の組合せを検出する映像検出部と、
外部に接続される映像受信装置に予め記憶されている解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を、前記映像受信装置から読み出す読出部と、
前記映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せであり、かつ、前記読出部によって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する値を、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして設定する設定部と、
前記設定部によって設定された出力解像度および出力垂直周波数の組合せに、映像データを変換して、前記映像受信装置に出力する映像変換部とを備える、映像処理装置。
【請求項2】
前記映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せが、前記読出部によって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在しない場合、前記設定部が、所定の出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する、請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記映像検出部によって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せが、前記読出部によって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に複数存在する場合、前記設定部が、出力解像度が最も高い出力解像度および出力垂直周波数の組合せを設定する、請求項1または2に記載の映像処理装置。
【請求項4】
入力される映像データの解像度および垂直周波数の組合せを検出する映像検出ステップと、
外部に接続される映像受信装置に予め記憶されている解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を、前記映像受信装置から読み出す読出ステップと、
前記映像検出ステップによって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せであり、かつ、前記読出ステップによって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する値を、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして設定する設定ステップと、
前記設定ステップによって設定された出力解像度および出力垂直周波数の組合せに、映像データを変換して、前記映像受信装置に出力する映像変換ステップとを映像処理装置に実行させる、映像処理プログラム。
【請求項5】
入力される映像データの解像度および垂直周波数の組合せを検出する映像検出ステップと、
外部に接続される映像受信装置に予め記憶されている解像度および垂直周波数の組合せに関する情報を、前記映像受信装置から読み出す読出ステップと、
前記映像検出ステップによって検出された映像データの垂直周波数を出力垂直周波数で除算した値が整数となる出力垂直周波数を含む出力解像度および出力垂直周波数の組合せであり、かつ、前記読出ステップによって読み出された解像度および垂直周波数の組合せの中に存在する値を、出力解像度および出力垂直周波数の組合せとして設定する設定ステップと、
前記設定ステップによって設定された出力解像度および出力垂直周波数の組合せに、映像データを変換して、前記映像受信装置に出力する映像変換ステップとを含む、映像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−150221(P2012−150221A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7997(P2011−7997)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】