説明

映像投射装置及び映像投射装置の制御方法

【課題】アナモフィックレンズを利用することなく、アスペクト比が16:9より横長である表示デバイスを用いて映画の映像ソースを表示するのに適した映像投射装置を提供する。
【解決手段】プロジェクター1は、外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部3と、映像処理部3により処理を施された映像信号に基づいて駆動されるLCDパネル5と、LCDパネル5によって形成された映像を外部に投射するレンズ6と、レンズ6を駆動するレンズ駆動部7と、制御部9とを備える。制御部9は、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように映像処理部3を制御する。合わせて、映像ソースのアスペクト比に応じたレンズ6の位置の調整値を保存し、この調整値のうち外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出してレンズ駆動部7を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像投射装置及び映像投射装置の制御方法に関し、特に、アナモフィックレンズを利用することなく、アスペクト比が16:9より横長である表示デバイスを用いて映像ソースを表示するのに適したものに関する。
【背景技術】
【0002】
外部からの入力映像信号に基づいて表示デバイスとしてのLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)パネルを駆動し、このLCDパネルによって形成された映像をレンズにより外部のスクリーンに投射する映像投射装置が、家庭等に普及している。従来の映像投射装置では、アスペクト比2.35:1のCINEMASCOPE(登録商標)の映像ソースを表示する場合、次の〈a〉及び〈b〉に示す方法を採用していた。
〈a〉入力した2.35:1の映像ソースを、映像投射装置内の映像処理部で、縦方向に拡大することによりLCDパネルのアスペクト比に合わせてアスペクト変換する。
〈b〉そして、LCDパネルによって形成された映像を、市販のアナモフィックレンズを利用して横方向に拡大することにより再び2.35:1にアスペクト変換して、アスペクト比2.35:1のスクリーンにフィットさせて投射する。
【0003】
また、従来から、映像投射装置の分野では、アナモフィックレンズを利用することにより、光の利用効率を向上させて映像を投射する技術が提案されている。(例えば特許文献1。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−95063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、アナモフィックレンズは高価なため、アナモフィックレンズを利用できないユーザーもいる。アナモフィックレンズを利用できない場合、アスペクト比2.35:1の映像ソースを表示するためには、従来、上記の〈a〉及び〈b〉の方法に代えて次の〈c〉及び〈d〉に示す方法を採用していた。
〈c〉2.35:1の映像ソースを、映像投射装置内の映像処理部から、本来の映像部分のアスペクト比は2.35:1のままで(LCDパネルのアスペクト比が16:9の場合には、それに合わせて上下に横の黒帯を付加したレターボックスとして)出力する。
〈d〉そして、映像投射装置に備え付けのレンズのズーム,フォーカス,シフト(映像を投射する位置の上下左右への移動)の値を、ユーザーがマニュアルで調整する。この調整作業により、LCDパネルによって形成された映像のうちの黒帯以外の本来の映像部分を、アスペクト比2.35:1のスクリーンにフィットさせて投射する。
【0006】
しかし、このようにマニュアルでレンズの位置を調整することは、ユーザーにとって煩雑である。そして、映画の映像ソースには、アスペクト比が2.35:1以外のもの(例えばアスペクト比が1.85:1のビスタなど)も存在する。そのため、ユーザーは、アスペクト比が異なる映画の映像ソースを表示する毎に、そうしたレンズの位置の調整を行わなければならなくなる。
【0007】
また、映像投射装置には、デジタルシネマに関するDCI(Digital Cinema Initiative)仕様に準拠してアスペクト比17:9のLCDパネルを用いたものも存在している。そうした映像投射装置内の映像処理部では、上記の〈c〉の方法において、2.35:1の映像ソースに、上下に横の黒帯を付加するだけでなく左右にも縦の黒帯を付加する(すなわち額縁画面にする)ことになる。
【0008】
しかし、このように上下だけでなく左右にも黒帯を付加した黒信号分の多い映像信号に基づいてLCDパネルを駆動すると、LCDパネルからの出射光量が少なくなるので、スクリーンに投射される映像の輝度が低くなってしまう。
【0009】
本開示は、上述の点に鑑み、アナモフィックレンズを利用することなく、アスペクト比が16:9より横長である表示デバイスを用いて映画の映像ソースを表示するのに適した映像投射装置及び映像投射装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本開示に係る映像投射装置は、外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部と、映像処理部により処理を施された映像信号に基づいて駆動される表示デバイスと、表示デバイスによって形成された映像を外部に投射するレンズと、レンズを駆動するレンズ駆動部と、制御部と、を備える。
そして、制御部は、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように映像処理部を制御するとともに、映像ソースのアスペクト比に応じたレンズの位置の調整値を保存し、調整値のうち外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出してレンズ駆動部を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本開示に係る映像投射装置の制御方法は、外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部と、映像処理部により処理を施された映像信号に基づいて駆動される表示デバイスと、表示デバイスによって形成された映像を外部に投射するレンズと、レンズを駆動するレンズ駆動部と、制御部とを備えた映像投射装置の制御方法である。
そして、制御部が、映像ソースのアスペクト比に応じてレンズの位置の調整値を保存することと、制御部が、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように映像処理部を制御することと、制御部が、調整値のうち外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出してレンズ駆動部を制御することとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように映像処理部が制御される。
したがって、例えばアスペクト比が16:9より横長である表示デバイスを用いて映画の映像ソースを表示する場合には、映像ソースの上下左右に付加された黒帯による黒信号分を、解像度変換によって減少させることができるようになる。その結果、表示デバイスを、黒信号分がより少ない映像信号に基づいて駆動することができるようになる。これにより、アスペクト比が16:9より横長である表示デバイスを用いて映画の映像ソースを表示する場合に、スクリーンに投射される映像の輝度を高めることができる。
【0013】
さらに、本開示によれば、映像ソースのアスペクト比に応じたレンズの調整値が保存され、その調整値のうち、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出してレンズ駆動部が制御される。
したがって、例えば映画の映像ソースを表示する場合には、映画の映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを当該アスペクト比のスクリーンにフィットさせて投射するような調整値を保存しておく。その後、保存した調整値を呼び出してレンズ駆動部を制御することができるようになる。これにより、高価なアナモフィックレンズを利用することなく、且つアスペクト比の異なる映像ソース毎にユーザーがマニュアルでレンズの位置を調整することなく、映画の映像ソースをスクリーンにフィットさせて投射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の一実施の形態における映像投射装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】本開示の一実施の形態における映像投射装置でアスペクト比2.35:1の映像ソースを表示する場合の制御の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の一実施の形態における映像投射装置(以下、プロジェクターと呼ぶ。)の主要部の構成を示す。この実施の形態では、プロジェクター1には、プレーヤー12からHDTV(High Definition Television)方式の映像信号が入力される。なお、プレーヤー12は、Blu−rayディスク(Blu−rayは登録商標)やDVD(Digital Versatile Disc)を再生するものである。
【0016】
プロジェクター1に入力された映像信号は、入力部2で解像度やフレームレートや走査方式(例えば1080.60iであるか1080.60pであるか)を判別された後、各種の映像信号処理を施す映像処理部3を経て、パネル駆動部4に送られる。パネル駆動部4は、表示デバイスとしての3枚のLCDパネル5を、R,G,Bの映像信号に基づいて駆動する。これらのLCDパネル5のアスペクト比は、デジタルシネマに関するDCI仕様に準拠して17:9になっている。
【0017】
3枚のLCDパネル5には、プロジェクター1内の光源及び照明光学系(図示略)により、赤色,緑色,青色の光が照射される。そして、パネル駆動部4からの駆動電圧に応じて、3枚のLCDパネル5により赤色,緑色,青色の映像が形成される。
【0018】
これらのLCDパネル5によって形成された赤色,緑色,青色の映像は、色合成光学素子(図示略)で合成された後、レンズ6により外部に投射される。レンズ6は、レンズ駆動部7により駆動されることによって、ズーム,フォーカス,シフト(投射位置の上下左右への移動)の値を調整可能になっている。
【0019】
受光部8では、プロジェクター1に付属したリモートコントローラ11の操作内容を示す赤外線信号が受光される。CPU(Central Processing Unit)9は、リモートコントローラ11の操作内容や入力部2の判別結果等に基づいてプロジェクター1全体を制御する制御部である。
【0020】
リモートコントローラ11には、本開示に関連する操作釦として、次のような操作を行うための操作釦が設けられている。
・レンズ6の位置(ズーム,フォーカス,シフトの値)を調整する第1の操作
・第1の操作によるレンズ6の位置の調整値を、調整時に入力させた映像ソースのアスペクト比と対応させて保存する第2の操作
・第2の操作によるレンズ6の位置の調整値の保存結果をメニュー表示させ、そのうちの任意のアスペクト比(例えばユーザーが外部から入力させて表示しようとする映像ソースのアスペクト比)についての保存結果を選択する第3の操作
【0021】
CPU9は、この第2の操作が行われたことに基づき、第1の操作によるレンズ6の位置の調整値を、映画の映像ソースのアスペクト比と対応させて不揮発性のメモリ10に保存する。
【0022】
したがって、ユーザーは、映画の映像ソースのアスペクト比毎に、当該アスペクト比の映像ソースを当該アスペクト比のスクリーンにフィットさせて投射するように一度レンズ6の位置を調整しておけば、その調整値をメモリ10に保存させることができる。
【0023】
また、CPU9は、上記の第3の操作が行われたことに基づき、メモリ10の保存結果を外部のスクリーンにメニュー画面として投射して表示させ、そのメニュー画面での選択結果に応じて映像処理部3及びレンズ駆動部7を次のように制御する。
・外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大する「入力信号拡大処理」を行うように、映像処理部3を制御する。
・メモリ10に保存したレンズ6の位置の調整値のうち、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値をメモリ10から呼び出し、その調整値に基づいてレンズ駆動部7を制御する「レンズ位置呼び出し制御」を行う。
【0024】
図2は、図1のプロジェクター1にHDTV方式のアスペクト比2.35:1のCINEMASCOPE(登録商標)の映像ソースを入力させて表示する場合の、上記の「入力信号拡大処理」及び「レンズ位置呼び出し制御」の様子を示す。なお、図2Aには、従来のプロジェクター(LCDパネルのアスペクト比は16:9)でアナモフィックレンズを利用することなくアスペクト比2.35:1の映像ソースを表示する場合の制御の様子を示している。そして、それと対比させるようにして、図2Bに、プロジェクター1でアスペクト比2.35:1の映像ソースを表示する場合の制御の様子を示している。
【0025】
図2Aに示すように、従来のプロジェクターでは、入力した2.35:1の映像ソースを、プロジェクター内の映像処理部21から、本来の映像部分のアスペクト比は2.35:1のままで出力する。このため、従来のプロジェクターが出力する映像は、LCDパネル22のアスペクト比16:9に合わせて上下に横の黒帯を付加したレターボックスとされている。したがって、レンズ23のズーム,フォーカス,シフトの値を調整しない場合、レンズ23からアスペクト比2.35:1のスクリーン24に投射される映像は、黒枠を含んだものとなる。
【0026】
しかし、この状態では、スクリーン24に投射される映像のうちの本来の映像部分が小さくなってしまい、また、本来の映像部分の周囲に黒枠が表示されるので黒色の浮きを原因としてコントラストが低下してしまう。そうした不都合を解消するために黒帯以外の本来の映像部分をスクリーン24にフィットさせて投射させようとすると、ユーザーは、レンズ23のズーム,シフト,フォーカスの値をマニュアルで調整しなければならなくなる。そして、映画の映像ソースにはアスペクト比が2.35:1以外のものも存在するため、ユーザーは、アスペクト比が異なる映画の映像ソースを表示するたびに、毎回そうしたレンズ23の位置の調整を行わなければならなくなる。
【0027】
これに対し、図1に示すプロジェクター1では、リモートコントローラ11の前述の第3の操作により、図2Bの左下隅に示すようなメニュー画面がスクリーン24に表示される。このメニュー画面では、「1.85:1」,「2.35:1」,「Custom1」,「Custom2」,「Custom3」という5つのピクチャーポジションのうちの任意の1つを選択可能になっている。
【0028】
「1.85:1」は、アスペクト比1.85:1の映像ソースについてのレンズ6の位置の調整値の保存結果(前述の第1及び第2の操作による保存結果)に対応したピクチャーポジションである。「2.35:1」は、アスペクト比2.35:1の映像ソースについてのレンズ6の位置の調整値の保存結果に対応したピクチャーポジションである。
【0029】
「Custom1」〜「Custom3」は、1.85:1,2.35:1以外のアスペクト比であってユーザーがレンズ6の位置の調整時に入力させた映画の映像ソースについての調整値の保存結果に対応したピクチャーポジションである。1.85:1,2.35:1以外のアスペクト比の映画の映像ソースとしては、例えば、本来の映像部分は2.35:1であるがその下に字幕が付加されたものなどが存在する。そうした字幕が付加された映像ソースの場合、字幕を表示するためには、通常の2.35:1の場合よりもレンズ6を上方向にシフトする必要があるので、レンズ6の位置の調整値が通常の2.35:1の場合とは異なることになる。
【0030】
図2Bに示すように、このメニュー画面で「2.35:1」が選択されると、CPU9は、次の〈1〉に示す「入力信号拡大処理」を行うように映像処理部3を制御するとともに、次の〈2〉に示す「レンズ位置呼び出し制御」をレンズ駆動部7に対して行う。
〈1〉まず、アスペクト比2.35:1の映像ソースに、本来の映像部分のアスペクト比は2.35:1のままで、LCDパネル5のアスペクト比17:9に合わせて上下に横の黒帯を付加するとともに左右にも縦の黒帯を付加する(すなわち額縁画面にする)。図2Bにおける映像処理部3のブロック内の左側には、この処理の様子を描いている。
次に、この額縁画面にした映像ソースを、解像度変換により縦横同じ倍率で拡大することによって、縦の黒帯による黒信号分をなくすとともに横の黒帯による黒信号分も減少させる。図2Bにおける映像処理部3のブロック内の右側には、この処理の様子を描いている。なお、アスペクト比17:9のLCDパネル5の場合、縦の黒帯による黒信号分がちょうどなくなる倍率は16/15倍である。
【0031】
〈2〉メモリ10に保存したレンズ6の位置の調整値のうち、アスペクト比2.35:1に対応した調整値をメモリ10から呼び出し、その調整値に基づいてレンズ駆動部7を制御する。
【0032】
映像処理部3が〈1〉に示す「入力信号拡大処理」を行うことにより、LCDパネル5を、黒信号分がより少ない映像信号に基づいて駆動することができる。これにより、アスペクト比17:9のLCDパネル5を用いてアスペクト比2.35:1の映像ソースを表示する場合に、スクリーン24に投射される映像の輝度を高めることができる。
【0033】
さらに、レンズ6に対して上記の〈2〉に示す「レンズ位置呼び出し制御」が行われることにより、アスペクト比2.35:1の映像ソースが、アスペクト比2.35:1のスクリーン24にフィットして投射される。これにより、高価なアナモフィックレンズを利用することなく、且つアスペクト比の異なる映像ソース毎にユーザーがマニュアルでレンズ6の位置を調整することなく、アスペクト比2.35:1の映像ソースをスクリーン24にフィットさせて投射することができる。
【0034】
しかも、ユーザーがメニュー画面でピクチャーポジションを選択する1つの操作を行うだけで、上記のような映像処理部3の「入力信号拡大処理」とレンズ駆動部7に対する「レンズ位置呼び出し制御」とが連動して実行される。したがって、映像処理部3で映像ソースを拡大するための操作と、レンズ6の位置の調整値を呼び出すための操作とを別々に行う必要がないので、操作の手間が軽減される。
【0035】
図2Bにはメニュー画面で「2.35:1」を選択した場合について示したが、メニュー画面で「2.35:1」以外のピクチャーポジションを選択した場合も、映像処理部3及びレンズ駆動部7が同様にして制御される。したがって、選択結果に応じたアスペクト比のスクリーンを配置すれば、やはり、スクリーンに投射される映像の輝度を高めることができるとともに、映像ソースをスクリーンにフィットさせて投射することができる。
【0036】
上述した実施の形態では、デジタルシネマに関するDCI仕様に準拠したアスペクト比17:9のLCDパネル5を用いたプロジェクター1に本開示を適用している。しかし、別の実施の形態として、アスペクト比が17:9以外であって16:9より横長であるLCDパネル(例えばアスペクト比を18:9とする仕様等ができた場合にはそれに準拠したLCDパネル)を用いたプロジェクターに本開示を適用してもよい。また、従来のアスペクト比が16:9であるLCDパネルを用いたプロジェクターに本開示を適用してもよい。このため、アスペクト比が16:9とは異なるLCDパネルを用いても、適宜レンズ位置を調整することにより、所望の映像をスクリーンに投射することができる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、「1.85:1」,「2.35:1」,「Custom1」〜「Custom3」という5つのピクチャーポジション(すなわち5通りのアスペクト比の映像ソースについてのレンズ6の位置の調整値の保存結果)を選択可能である。しかし、別の実施の形態として、2通り,3通り,4通りまたは6通り以上のアスペクト比の映像ソースについてのレンズ6の位置の調整値の保存結果を選択できるようにしてもよい。
【0038】
また、本開示は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例や変形例を取り得ることは勿論である。
【0039】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部と、
前記映像処理部により処理を施された映像信号に基づいて駆動される表示デバイスと、
前記表示デバイスによって形成された映像を外部に投射するレンズと、
前記レンズを駆動するレンズ駆動部と、
外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように前記映像処理部を制御するとともに、
映像ソースのアスペクト比に応じた前記レンズの位置の調整値を保存し、前記調整値のうち前記外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出して前記レンズ駆動部を制御する制御部と、を備える
映像投射装置。
(2)前記表示デバイスは、アスペクト比が16:9より横長である液晶ディスプレイパネルであり、
前記制御部は、前記映像処理部に対する制御を、外部から入力される映画の映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースの上下及び左右に黒帯を付加した後、当該映像ソースを解像度変換により拡大することによって前記黒帯による黒信号分を減少させるように行う
前記(1)に記載の映像投射装置。
(3)前記制御部は、前記レンズの位置の調整値として、前記レンズのズーム,フォーカス,シフトの調整値を保存する
前記(1)又は(2)に記載の映像投射装置。
(4)前記レンズの位置を調整する第1の操作と、
前記第1の操作による調整値を映画の映像ソースのアスペクト比と対応させて保存する第2の操作と、
前記第2の操作による保存結果のうちの任意のアスペクト比についての保存結果を選択する第3の操作と
を行うための操作部をさらに備え、
前記制御部は、
前記操作部で前記第2の操作が行われたことに基づいて前記レンズの位置の調整値を保存し、
前記操作部で前記第3の操作が行われたことに基づいて前記映像処理部及び前記レンズ駆動部に対する制御を行う
前記(1)〜(3)のいずれかに記載の映像投射装置。
(5)外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部と、
前記映像処理部により処理を施された映像信号に基づいて駆動される表示デバイスと、
前記表示デバイスによって形成された映像を外部に投射するレンズと、
前記レンズを駆動するレンズ駆動部と、
制御部と
を備えた映像投射装置の制御方法において、
前記制御部が、映像ソースのアスペクト比に応じて前記レンズの位置の調整値を保存することと、
前記制御部が、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように前記映像処理部を制御することと、
前記制御部が、前記調整値のうち前記外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出して前記レンズ駆動部を制御することとを含む
映像投射装置の制御方法。
【符号の説明】
【0040】
1…プロジェクター、2…入力部、3…映像処理部、4…パネル駆動部、5…LCDパネル、6…レンズ、7…レンズ駆動部、8…受光部、9…CPU、10…メモリ、11…リモートコントローラ、24…スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部と、
前記映像処理部により処理を施された映像信号に基づいて駆動される表示デバイスと、
前記表示デバイスによって形成された映像を外部に投射するレンズと、
前記レンズを駆動するレンズ駆動部と、
外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように前記映像処理部を制御するとともに、映像ソースのアスペクト比に応じた前記レンズの位置の調整値を保存し、前記調整値のうち前記外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出して前記レンズ駆動部を制御する制御部と、を備える
映像投射装置。
【請求項2】
前記表示デバイスは、アスペクト比が16:9より横長である液晶ディスプレイパネルであり、
前記制御部は、前記映像処理部に対する制御を、外部から入力される映画の映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースの上下及び左右に黒帯を付加した後、当該映像ソースを解像度変換により拡大することによって前記黒帯による黒信号分を減少させるように行う
請求項1記載の映像投射装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記レンズの位置の調整値として、前記レンズのズーム,フォーカス,シフトの調整値を保存する
請求項2記載の映像投射装置。
【請求項4】
前記レンズの位置を調整する第1の操作と、
前記第1の操作による調整値を映画の映像ソースのアスペクト比と対応させて保存する第2の操作と、
前記第2の操作による保存結果のうちの任意のアスペクト比についての保存結果を選択する第3の操作と
を行うための操作部をさらに備え、
前記制御部は、
前記操作部で前記第2の操作が行われたことに基づいて前記レンズの位置の調整値を保存し、
前記操作部で前記第3の操作が行われたことに基づいて前記映像処理部及び前記レンズ駆動部に対する制御を行う
請求項3記載の映像投射装置。
【請求項5】
外部からの入力映像信号に処理を施す映像処理部と、
前記映像処理部により処理を施された映像信号に基づいて駆動される表示デバイスと、
前記表示デバイスによって形成された映像を外部に投射するレンズと、
前記レンズを駆動するレンズ駆動部と、
制御部と
を備えた映像投射装置の制御方法において、
前記制御部が、映像ソースのアスペクト比に応じて前記レンズの位置の調整値を保存することと、
前記制御部が、外部から入力される映像ソースのアスペクト比に応じて、当該映像ソースを解像度変換により拡大するように前記映像処理部を制御することと、
前記制御部が、前記調整値のうち前記外部から入力される映像ソースのアスペクト比に対応した調整値を呼び出して前記レンズ駆動部を制御することとを含む
映像投射装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−54093(P2013−54093A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190432(P2011−190432)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】