映像表示装置およびその制御方法
【課題】映像表示装置において、光源として使用するランプを切換える際の適切な制御態様を実現する。
【解決手段】プロジェクタにおいて、光源として使用されるランプが第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えられる際には、つまり、ミラー10Dが第1の状態から第2の状態へと切換えられる期間では、第1ランプ10Aと第2ランプ10Bのいずれもが消灯状態とされているため、これらのランプが発する光が投射レンズ3を介して外部へ出射されることのが抑制される。つまり、ランプ切換処理を実行する制御部100により、抑制手段が構成されていることになる。
【解決手段】プロジェクタにおいて、光源として使用されるランプが第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えられる際には、つまり、ミラー10Dが第1の状態から第2の状態へと切換えられる期間では、第1ランプ10Aと第2ランプ10Bのいずれもが消灯状態とされているため、これらのランプが発する光が投射レンズ3を介して外部へ出射されることのが抑制される。つまり、ランプ切換処理を実行する制御部100により、抑制手段が構成されていることになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置に関し、特に、複数のランプへの電力の供給を単一の電源部で行なう映像表示装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタなどの映像表示装置に用いられるランプは、点灯させるために電流を流す際、高圧駆動が必要となることなどにより、従来から、映像表示装置において、ランプへの通電制御に関する種々の技術が提案されてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2003−229289号公報)では、複数の高圧放電灯について、個々の高圧放電灯の種類を電気特性等に基づいて判別し、その判別結果に基づいて、高圧放電灯を定格点灯させる技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2003−215704号公報)には、複数のランプを備えた映像表示装置において、使用中のランプの劣化をランプ切れの前あるいはランプ出力の制御ができなくなる前に検知し、予備のランプを予め点灯させてから一定時間後に映像の表示に用いるランプの交換を行なう技術が開示されている。また、特許文献3(特開2001−357984号公報)には、使用中のランプの点灯状態を検出し、当該検出した点灯状態が異常を示すものである場合には、消灯されているランプを点灯させ、当該点灯が確認された後、使用中であったランプを消灯させる技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献4(特開2004−157201号公報)では、使用中のランプに不具合が生じた場合に使用するために、予備のランプを予め点灯回路手段とマッチングを取った上で、使用するランプの交換を行なう技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−229289号公報
【特許文献2】特開2003−215704号公報
【特許文献3】特開2001−357984号公報
【特許文献4】特開2004−157201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来では、映像表示装置においては、ランプごとに、ランプに電力を供給するための電源装置が搭載されていた。したがって、ランプが複数搭載される場合には、電源装置も複数搭載されることとなり、映像表示装置のコストを増加させるとともに、その体積および質量を増加させていた。
【0007】
また、従来の映像表示装置では、複数のランプの中から、光源として使用するランプとを切換える際に、光源として使用するランプの物理的な位置の入換えを必要としたため、ランプを移動させる機構が必要であった。このため、当該移動機構を備えることにより、映像表示装置のコストが増加し、また、その体積や質量が増加することにより設置や移動について利便性に今ひとつ欠けるという問題があった。
【0008】
特許文献4には、単一の点灯回路手段に複数のランプを接続し、そして、点灯回路手段とそれぞれのランプとの間に切換スイッチを挿入する旨の技術がなされている。
【0009】
しかしながら、特許文献4には、上記切換スイッチの制御態様等、使用するランプを複数の中で切換える際の具体的な制御内容については開示がなされていない。
【0010】
一方、ランプの切換時には、通常の使用時と異なる事情が生じるものと考えられ、ランプに関する制御態様は、慎重に検討されるべきである。
【0011】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数のランプを備える映像表示装置において、光源として使用するランプを切換える際の適切な制御態様を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従った映像表示装置は、第1のランプと、第2のランプと、前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部と、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する抑制手段とを備える。
【0013】
また、本発明の映像表示装置は、前記電源部と前記第1のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第1のリレーと、前記電源部と前記第2のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第2のリレーとをさらに備え、前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記電源部からの前記第1のランプへの電力の供給を停止した後で前記第1のリレーを開状態とし、さらに、前記第2のリレーを閉状態とした後で前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給を開始させることが好ましい。
【0014】
また、本発明の映像表示装置は、前記第1のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第1の状態と、前記第2のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第2の状態とを取る切換手段と、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられるときに、前記切換手段の状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更させる制御を実行する切換制御手段とをさらに備え、前記抑制手段は、前記切換制御手段が前記切換手段の状態を変更させている期間中は、前記電源部から前記第1のランプへの電力の供給を停止させることが好ましい。
【0015】
また、本発明の映像表示装置は、前記第1のランプが発する光の外部への出射を遮断するシャッタをさらに備え、前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、当該切換の制御が開始してから終了するまでは前記シャッタを閉じることが好ましい。
【0016】
また、本発明の映像表示装置は、前記第1のランプを冷却する第1の冷却手段と、前記第2のランプを冷却する第2の冷却手段と、前記第1および第2の冷却手段の動作を制御する冷却制御手段とをさらに備え、前記冷却制御手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記第2の冷却手段には、前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給が開始されたときに前記第2のランプの冷却を開始させ、前記第1の冷却手段には、前記第2のランプへの電力の供給が開始された後一定時間経過後に前記第1のランプの冷却を停止させることが好ましい。
【0017】
また、本発明の映像表示装置は、映像の表示に利用するランプを指定する情報の入力を受付ける受付手段と、前記受付手段に入力された情報に基づいて、前記電源部からの電力の供給先を切換えるための電源制御手段とをさらに備え、前記受付手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間での切換えが行なわれている期間および切換が完了した後の一定期間は、前記情報の入力を無効化することが好ましい。
【0018】
本発明の映像表示装置の制御方法は、第1および第2のランプと、前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部とを備える映像表示装置の制御方法であって、電力の供給先を前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、映像表示装置において、複数のランプの中で電力が供給されるランプが切換えられる期間中に、ランプから発せられる光が、映像表示装置の外部へ出射されることを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の映像表示装置の一実施の形態であるプロジェクタの主要部の構成を模式的に示す図である。
【0021】
図1を参照して、プロジェクタは、光学エンジン2と、投射レンズ3とを含み、その外郭をキャビティ(図示略)で覆われている。なお、プロジェクタは、スピーカ等の音声を出力するための構成要素や、光学エンジン2の構成要素および音声出力手段を電気的に制御するための回路基板なども搭載されているが、図1では、これらを含む一部の構成要素の図示は省略されている。
【0022】
光学エンジン2は、照明装置10を含む。照明装置10は、2つのランプ10A,10Bと、ミラー10Dの駆動等のためのミラーユニット(図2に示すミラーユニット120)を有する。ランプ10A,10Bは、たとえば超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどからなる。ランプ10A,10Bからの光Lは、リフレクタの作用により、ほぼ平行光となって出射される。
【0023】
ミラー10Dは、同図ミラー10Dの中心部のY軸を回動中心として回動可能であり、ランプ10Aの起動時には図1に示されるように、ランプ10Aからの光をフライアイインテグレータ11へと導く状態となる。一方、ランプ10Bの起動時には、ミラー10Dを時計回りに90°回動させて、ランプ10Bからの光をフライアイインテグレータ11へ導く状態となる。
【0024】
照明装置10からの光は、フライアイインテグレータ11を介して、PBS(偏光ビームスプリッタ)アレイ12およびコンデンサレンズ13に入射される。フライアイインテグレータ11は、蝿の目状のレンズ群からなるフライアイレンズを備え、液晶パネル18,24,33に入射する光の光量分布が均一となるよう、照明装置10から入射される光に光学作用を付与する。
【0025】
PBSアレイ12は、複数のPBSと1/2波長板がアレイ上に配列されたものであり、フライアイインテグレータ11から入射された光の偏光方向を1方向に揃える。コンデンサレンズ13は、PBSアレイ12から入射された光に集光作用を付与する。コンデンサレンズ13を透過した光は、ダイクロイックミラー14に入射する。
【0026】
ダイクロイックミラー14は、コンデンサレンズ13から入射された光のうち、青色波長帯の光(以下、「B光」という)のみを透過し、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)と緑色波長帯の光(以下、「G光」という)を反射する。ダイクロイックミラー14を透過したB光は、ミラー15に導かれ、そこで反射され、コンデンサレンズ16に入射される。
【0027】
コンデンサレンズ16は、B光がほぼ平行光で液晶パネル18に入射するよう、B光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ16を透過したB光は、入射側偏光板17を介して液晶パネル18に入射される。液晶パネル18は、青色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてB光を変調する。液晶パネル18によって変調されたB光は、出射側偏光板19を介して、ダイクロイックプリズム(以下、単に「プリズム」という)20に入射される。
【0028】
ダイクロイックミラー14によって反射された光のうちG光は、ダイクロイックミラー21によって反射され、コンデンサレンズ22に入射される。コンデンサレンズ22は、G光がほぼ平行光で液晶パネル24に入射するよう、G光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ22を透過したG光は、入射側偏光板23を介して液晶パネル24に入射される。液晶パネル24は、緑色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてG光を変調する。液晶パネル24によって変調されたG光は、出射側偏光板25を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0029】
ダイクロイックミラー21を透過したR光は、コンデンサレンズ26に入射される。コンデンサレンズ26は、R光がほぼ平行光で液晶パネル33に入射するよう、R光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ26を透過したR光は、光路長調整用のリレーレンズ27,29,31と2つのミラー28,30からなる光路を進み、入射側偏光板32を介して液晶パネル33に入射される。液晶パネル33は、赤色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動情報に応じてR光を変調する。液晶パネル33によって変調されたR光は、出射側偏光板34を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0030】
ダイクロイックプリズム20は、液晶パネル18,24,33によって変調されたB光,G光およびR光を色合成し、投射レンズ3へと入射させる。投射レンズ3は、投射光を被投射面上に結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投射画像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。ダイクロイックプリズム20によって色合成された光は、投射レンズ3によって、スクリーン上に拡大投射される。
【0031】
なお、本実施の形態のプロジェクタでは、投射レンズ3とダイクロイックプリズム20との間に、シャッタ3Aが配置されている。本実施の形態のプロジェクタでは、シャッタ3Aを閉状態とすることにより、ランプ10Aまたはランプ10Bが発する光の、投射レンズ3を介しての外部への出射を遮断できる。
【0032】
図2は、本実施の形態のプロジェクタの主要部の制御ブロック図である。
図2を参照して、プロジェクタには、当該プロジェクタの動作を全体的に制御する制御部100が含まれる。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を含む。
【0033】
また、プロジェクタは、外部からの操作を受付ける入力部90を含む。入力部90は、たとえば、プロジェクタの外郭となる筐体の表面に設けられたボタンから構成されてもよいし、また、当該筐体とは離間して設けられたリモートコントローラにおけるソフトキーやタッチパネル上のボタン等によって構成されてもよい。入力部90に対して操作がなされると、当該操作に応じた情報が、入力部90から制御部100へ入力される。
【0034】
また、プロジェクタは、ミラーユニット120を含む。ミラーユニット120は、ミラー10Dの他に、ミラー10Dを駆動する駆動機構(図示略)を含む。さらに、ミラーユニット120は、第1ランプ10Aの発する光をプリズム20へ送る状態にあるか否かを検出する第1検出スイッチ121と、第2ランプ10Bが発する光をプリズム20へ送る状態にあるか否かを検出する第2検出スイッチ122とを含む。制御部100は、第1検出スイッチ121および第2検出スイッチ122の検出結果を取得できる。
【0035】
本明細書では、以下、ミラー10Dについて、第1ランプ10Aの発する光をプリズム20へ送る状態を第1の状態といい、第2ランプ10Bが発する光をプリズム20へ送る状態を第2の状態という。
【0036】
また、プロジェクタは、第1ランプ10Aあるいは第2ランプ10Bに高圧の電力を供給するためのランプバラストユニット101を備えている。ランプバラストユニット101から第1ランプ10Aへは、第1リレー111を介して電力が供給される。また、ランプバラストユニット101から第2ランプ10Bへは、第2リレー112を介して電力が供給される。
【0037】
第1リレー111および第2リレー112は、リレーユニット110に配置されており、これらのリレーの開閉は、制御部100から出力される信号に基づいて切換えられる。
【0038】
第1リレー111は、第1検出スイッチ121によってミラー10Dが上記した第1の状態にあることを検出しており、かつ、制御部100から回路を閉じる信号をリレーユニット110に対して出力された場合に、ランプバラストユニット101と第1ランプ10Aとを繋ぐ回路を閉じる。第1検出スイッチ121の検出出力は、制御部100に出力されるとともに、それとは独立してリレーユニット110へ出力される。
【0039】
第2リレー112は、第2検出スイッチ122によってミラー10Dが上記した第2の状態にあることを検出しており、かつ、制御部100から回路を閉じる信号をリレーユニット110に対して出力された場合に、ランプバラストユニット101と第2ランプ10Bとを繋ぐ回路を閉じる。第2検出スイッチ122の検出出力は、制御部100に出力されるとともに、それとは独立してリレーユニット110へ出力される。
【0040】
ランプバラストユニット101には、その出力電圧値を検出する出力電圧検出部101Aを含む。制御部100は、出力電圧検出部101Aが検出する電圧値に基づいて、ランプバラストユニット101からリレーユニット110へ電力の供給がされているか否かを判断する。
【0041】
また、プロジェクタは、第1ランプ10Aを冷却するための排気ファン131および第2ランプ10Bを冷却するための排気ファン132を備えている。これらの駆動のオン/オフは、制御部100によって制御される。
【0042】
次に、本実施の形態のプロジェクタにおいて、光源として使用されるランプを、第1ランプ10Aから第2ランプ10Bに切換えられる際に制御部100が実行する処理(ランプ切換処理)の内容について、当該処理のフローチャートである図3を参照して説明する。
【0043】
図3を参照して、ランプバラストユニット101の出力電圧検出部101Aによる第1ランプ10Aの動作不良の検出結果や、入力部90から光源として使用するランプを変更する情報が入力されると、制御部100は、まずステップSA10で、第1ランプ10Aの消灯過程を実行する。
【0044】
第1ランプ10Aの消灯過程とは、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給を停止させ、そして、排気ファン131の駆動を開始する。なお、排気ファン131は、第1ランプ10Aへの電力の供給が開始された時点から継続して駆動されていてもよい。
【0045】
ここで、ステップSA10の処理の前段階である、第1ランプ10Aが光源として使用されている状態の、制御信号の流れを図4に模式的に示す。
【0046】
図4を参照して、この状態では、ランプバラストユニット101からリレーユニット110へ電力が供給され、そして、リレーユニット110では、制御部100によって第1リレー111は閉状態とされ、第2リレー112は開状態とされている。これにより、ランプバラストユニット101から供給される電力は、第2ランプ10Bには供給されず、第1ランプ10Aには供給される。
【0047】
この状態では、ミラー10Dが第1の状態となっていることに基づいて、第1検出スイッチ121はH(High)の信号を出力する。また、ミラー10Dが第2の状態ではないことに基づいて、第2検出スイッチ122はL(Low)を出力する。これらの信号は、制御部100に出力されるとともに、リレーユニット110へも出力される。
【0048】
制御部100は、第1ランプ10Aを光源として点灯させるべき場合に、第1検出スイッチ121からH信号が入力されたことに応じて、リレーユニット110に対して第1リレー111をオンさせる信号を出力する。
【0049】
リレーユニット110は、制御部100から第1リレー111をオンする信号が入力された場合、第1リレー111を閉状態とする。なお、リレーユニット110において、第1リレー111をオンするためには、第1リレー111へ駆動電力が供給されていることを要する。第1リレー111は、第1検出スイッチ121からHが出力されていることを条件として、駆動電力を供給される。
【0050】
制御部100は、第1リレー111をオンする信号を出力してから、リレーユニット110によって第1リレー111が閉状態とされる処理が完了すると想定される時間より十分長い時間の後、ランプバラストユニット101に対して、リレーユニット110への電力の供給を開始する信号を出力する。これにより、まず第1リレー111が閉状態とされた後、ランプバラストユニット101から、第1リレー111を介して、第1ランプ10Aへの電力の供給が開始される。
【0051】
上記したステップSA10における、第1ランプの消灯過程が実行されることにより、本実施の形態のプロジェクタでは、各構成要素の接続状態は、図4に示された状態から図5に示された状態へと変化する。
【0052】
図5を参照して、制御部100からランプバラストユニット101へ電力の供給を停止する信号が出力されることにより、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給が停止している。
【0053】
出力電圧検出部101Aによって検出される電圧値が、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給が停止された状態に対応する値となったことを条件として、制御部100は、処理をステップSA20へ進める。
【0054】
図3に戻って、ステップSA20では、制御部100は、第1リレー111の接点を開放する過程の処理を実行する。
【0055】
具体的には、制御部100は、リレーユニット110に対して、第1リレー111を閉状態から開状態へと変更するための信号を出力する。なお、第1ランプ10Aが光源として使用されていた状態では、ミラー10Dは第1の状態にあるため、第1リレー111には駆動電力が供給され、第2リレー112には駆動電力は供給されていない。ステップSA20では、制御部100は、リレーユニット110に対して、第2リレー112を継続して開状態とする信号を出力する。
【0056】
ステップSA20が実行されることにより、本実施の形態のプロジェクタにおける構成要素間の接続の状態は、図5に示されたものから図6に示すものへと変更される。
【0057】
図6を参照して、制御部100からリレーユニット110へ第1リレー111をオフする信号が出力されることにより、第1リレー111が開状態とされる。
【0058】
図3に戻って、ステップSA30では、制御部100は、ミラー10Dの切換過程を実行する。
【0059】
具体的には、制御部100は、まずミラーユニット120に対して、ミラー10Dの状態を第1の状態から第2の状態への切換を指示する信号を出力する。そして、制御部100は、この信号に基づきミラー10Dが回動されて、第1検出スイッチ121からの信号の出力がなくなり、そして、ミラー10Dが第2の状態まで回動されることによって第2検出スイッチ122が信号を出力する。制御部100は、このように第2検出スイッチ122が信号を出力してくるのを待って、ステップSA40へ処理を進める。
【0060】
ステップSA30の処理により、プロジェクタでは、図6に示した状態から、図7に示されるように、ミラー10Dが回動され、そして、ミラー10Dは、図8に示されるように、第2ランプ10Bが発する光をプリズム20へと送る第2の状態とされる。
【0061】
ミラーユニット120では、ミラー10Dが第1の状態から回動を開始すると、それまでの第1の検出スイッチ121からの信号の出力が停止される。
【0062】
そして、ミラー10Dが第2の状態まで回動され、その回動が停止されると、第2検出スイッチ122は、そのことを検出して、制御部100とリレーユニット110に対して信号を出力する。
【0063】
図3に戻って、ステップSA40では、制御部100は、第2リレー112の接点接続過程を実行する。
【0064】
具体的には、ステップSA40では、制御部100は、リレーユニット110に対して、第1リレー111をオフ、第2リレー112をオンにする信号を出力する。
【0065】
ステップSA40の処理により、プロジェクタにおける信号の流れは、図8に示されたものから図9に示したものへと変更される。
【0066】
図9を参照して、既に第2検出スイッチ122からリレーユニット110に対して信号が出力されている状態となっているため、第2リレー112には、駆動電力が供給される状態となっている。そして、ステップSA40では、制御部100からリレーユニット110に対して出力される、第2リレー112をオンする信号に基づき、第2リレー112は閉状態へと駆動される。
【0067】
制御部100は、ステップSA40においてリレーユニット110へ信号を出力した後、リレーユニット110が第2リレー112を閉状態とするまでの処理時間より十分長い時間の後、ステップSA50へ処理を進める。
【0068】
図3に戻って、ステップSA50では、制御部100は、第2ランプ10Bの点灯過程を実行する。
【0069】
具体的には、制御部100は、まず、ランプバラストユニット101に、リレーユニット110への電力の供給を開始させ、排気ファン132の駆動を開始することにより第2ランプ10Bの冷却を開始する。
【0070】
ステップSA50中のここまでの処理により、プロジェクタにおける信号の流れは、図9に示されたものから図10に示すものとへと変更される。
【0071】
図10を参照して、既に第2リレー112が閉状態とされているため、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給が開始されると、ランプバラストユニット101から第2リレー112を介して第2ランプ10Bへ電力が供給される。また、排気ファン132が駆動されることにより、第2ランプ10Bの冷却も開始される。
【0072】
図3に戻って、制御部100は、ステップSA10で消灯させた第1ランプ10Aの冷却を終了させるため、排気ファン131の駆動を停止する。この場合、図11に示されように、制御部100から排気ファン131への駆動信号の出力が停止される。
【0073】
なお、制御部100が排気ファン131の駆動を停止するタイミングは、ステップSA10でランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給を停止させてから一定時間経過後としてもよいし、ステップSA50において第2ランプ10Bへの電力の供給を開始した時点から所定の時間経過後としてもよい。
【0074】
以上説明したランプ切換処理によれば、光源として使用されるランプが第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えられる際には、つまり、ミラー10Dが第1の状態から第2の状態へと切換えられる期間(ステップSA30)では、第1ランプ10Aと第2ランプ10Bのいずれもが消灯状態とされているため、これらのランプが発する光が投射レンズ3を介して外部へ出射されることのが抑制される。つまり、ランプ切換処理を実行する制御部100により、抑制手段が構成されていることになる。
【0075】
本実施の形態において、制御部100中のCPUは、当該制御部100内の記憶装置に記録されたプログラムを実行することにより、図3等を参照して説明した処理を実行する。なお、当該プログラムは、プロジェクタ出荷時から制御部100内に記録されていても良いし、プロジェクタが通信機能を備える場合に、ネットワーク等を介してダウンロードされて制御部100内に記録されても良いし、または、プロジェクタが当該プロジェクタから離間した記録媒体に記録された情報の読込みが可能な場合に、当該記録媒体に記録されていたものを制御部100内に書込むことにより記録されても良い。
【0076】
本実施の形態において、第1ランプ10Aと第2ランプ10B、第1検出スイッチ121と第2検出スイッチ122、第1リレー111と第2リレー112は、いずれも等価である。よって、光源として使用されるランプが第2ランプ10Bから第1ランプ10Aに変更される場合には、図3を参照して説明した処理において、これらを入換え、また、ミラー10Dについての第1の状態と第2の状態を入換えることにより、対応が可能である。
【0077】
また、本実施の形態では、第1ランプ10Aおよび第2ランプ10Bの冷却手段として、排気ファン131,132が採用されているが、冷却手段は、液体を用いた冷却装置など、冷却機能を有するものであれば、ファンに限定されない。
【0078】
なお、本実施の形態のプロジェクタでは、光源として使用されるランプが第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えられる場合に、ミラー10Dが第1の状態から第2の状態へと切換えられる期間中から第2ランプ10Bを点灯させておき、より早期に第2ランプ10Bによる映像の表示を開始することも可能である。この場合、シャッタ3Aが利用される。この場合に実行されるランプ切換処理の内容について、当該処理のフローチャートである図12を参照して説明する。
【0079】
図12に示されたランプ切換処理では、ステップSB10〜ステップSB40の処理と、ステップSC10〜ステップSC30の処理が並行して実行される。
【0080】
ステップSB10〜ステップSB40の内容を説明する。
ステップSB10では、制御部100は、ステップSA10と同様に、第1ランプ10Aの消灯過程を実行し、ステップSB20へ処理を進める。
【0081】
ステップSB20では、制御部100は、ステップSA20と同様に、第1リレー111の接点を開放する過程の処理を実行し、ステップSB30へと処理を進める。
【0082】
ステップSB30では、制御部100は、ステップSA40と同様に、第2リレー112の接点接続過程を実行し、ステップSB40へと処理を進める。
【0083】
ステップSB40では、制御部100は、ステップSA50と同様に、第2ランプ10Bの点灯過程を実行する。
【0084】
次に、ステップSC10〜ステップSC30の内容を説明する。
ステップSC10では、制御部100は、シャッタ3Aを閉状態として、ステップSC20へ処理を進める。
【0085】
ステップSC20では、制御部100は、ステップSA30と同様に、ミラーの切換過程を実行して、ステップSC30へ処理を進める。
【0086】
ステップSC30では、制御部100は、シャッタ3Aを開状態とする。
以上、図12を参照して説明したランプ切換処理では、ミラーの切換過程(ステップSC20)の前にシャッタ3Aが閉じられ、当該過程が終了するとシャッタ3Aが開かれる。これにより、確実に、ミラー10Dが第1の状態と第2の状態との間で状態を変更されている期間中に、第1ランプ10Aおよび第2ランプ10Bから発せられる光が投射レンズ3を介してプロジェクタの外部に出力されることを回避できる。
【0087】
以上図12を参照して説明したランプ切換処理では、シャッタ3Aの開閉を行なう制御部100により抑制手段が構成されている。
【0088】
本実施の形態では、映像表示装置の一実施の形態であるプロジェクタにおいて、電源部として単一の電源装置(ランプバラストユニット101)から、第1ランプ10Aと第2ランプ10Bに電力が供給され、そして、これらの間で電力の供給先が切換えられる場合に、一時的に第1および第2のランプのいずれにも電力が供給されなくなったり、シャッタ3Aが閉状態とされたりすることにより、映像表示装置から外部へ出射される光の強度に著しく変動が見られるような場合に、一律に、外部への光の出射が抑制される。このため、映像表示装置の視聴者に不快感を与えることを回避できる。
【0089】
したがって、複数のランプに対して一の電源装置で電力を供給する場合であっても、つまり、ランプごとに電源装置を備えなくとも、映像表示装置の視聴者に不快感を与えることなく、使用するランプの交換が可能となる。これにより、視聴者に不快感を与えることなく、映像表示装置のコストの削減ならびに小型化および軽量化が可能となる。
【0090】
また、以上説明した本実施の形態では、第1ランプ10Aに電力が供給される場合には、まず、第1リレー111が閉状態にされてから、ランプバラストユニット101からの電力の供給が開始され、また、第1ランプ10Bへの電力の供給を停止する場合には、ランプバラストユニット101からの電力の供給が停止された後で、第1リレー111が開状態とされている。つまり、ランプバラストユニット101からランプ10Aへの電力供給の開始と停止の間の状態の切換えは、第1リレー111が閉状態とされた状態で行なわれている。
【0091】
これは、ランプバラストユニット101からの電力の供給が開始されるときには、ランプバラストユニット101と第1ランプ10Aの間の電気回路上には、図13に「ランプの始動時の電力波形の一例」として示されるような波形の電力が生じる。このような状態では、図13において破線で示された、第1リレー111の接点の開閉についての定格容量を超え、第1リレー111のアーク放電による溶着などの事態が想定される。
【0092】
このような事態を回避するために、本実施の形態では、上記のように、ランプバラストユニット101からランプ10Aへの電力供給の開始と停止の間の状態の切換えは、第1リレー111が閉状態とされた状態で行なわれている。
【0093】
これにより、プロジェクタのような複数のランプを備えた映像表示装置において、電源装置(ランプバラストユニット101)を単一としつつ、電力の供給対象となるランプの切換時の安全性が担保されている。これにより、映像表示装置において、製造コストを抑え、小型化および軽量化を可能とし、かつ、使用するランプの切換時の安全性が確保されていることになる。
【0094】
なお、ランプの通常点灯時の電力波形が、図13の「ランプの通常点灯時の電力波形の一例」として示されるような場合、通常の点灯時の当該回路の電力波形は、上記定格容量以下が維持される。そのため、点灯中にリレー接点が開放しても、第1リレー111において上述した溶着等の不都合が生じる事態は想定されない。
【0095】
また、同様の理由から、ランプバラストユニット101からランプ10Bへの電力供給の開始と停止の間の状態の切換えは、第2リレー112が閉状態とされた状態で行なわれている。
【0096】
また、図3を参照して説明したランプ切換処理では、ステップSA10でランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給を停止させてから一定時間経過後、または、ステップSA50において第2ランプ10Bへの電力の供給を開始した時点から所定の時間経過後まで、切換前に使用されていたランプ(第1ランプ10A)の冷却、つまり、排気ファン131の駆動が実行されていた。このようなランプの冷却が確実に実行されるために、ランプ切換処理は、一度ランプ切換処理が開始された後、ステップSA50における排気ファン131の駆動が停止されるまでの期間、制御部100が、新たなランプ切換処理を実行しないように構成されていることが好ましい。
【0097】
つまり、本実施の形態であれば、光源として使用するランプを第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えるためのランプ切換処理が開始された後は、ステップSA50の処理が完了するまで、制御部100は、たとえ入力部90に新たなランプ切換処理(光源として使用するランプを第2ランプ10Bから第1ランプ10Aへ切換えるための処理)の開始を指示する情報が入力された場合でも、当該新たな処理を開始せず、または、当該指示の入力を無効化することが好ましい。
【0098】
なお、無効化しない場合には、ランプの冷却不足によってランプへの始動(電力の供給の開始)が失敗し、ランプが点灯しない事態が想定される。そのような事態発生の結果として最終的に必要とされる冷却時間も合わせると、上記制御順序に従った場合と比較して、再点灯までに余計に時間を要することとなる。
【0099】
また、安全性などを考慮して、始動失敗をランプの異常として処理し、映像表示装置の制御動作を停止させてしまった場合であって、ユーザが装置の再起動のための操作を必要とされた場合、ユーザに対して余計な手間をかけることとなり、映像表示装置の利便性を大幅に低下させてしまう。
【0100】
さらに、上記のような、ランプの冷却不足が発生した場合、ランプ自体の劣化の原因にもなり、ランプの損傷を引き起こす等、点灯後に通常の冷却期間冷却するようにして使用した場合よりも、ランプの寿命が低下する事態が想定される。このようなランプの損傷は、映像表示装置の利便性や経済性を著しく低下させてしまう。
【0101】
一方、本実施の形態では、上述の通り新たな処理の開始指示の入力を無効化することにより、映像表示装置の利便性を向上させている。また、当該入力の無効化により、ランプを十分に冷却するための冷却時間が確保されることとなり、映像表示装置の利便性や経済性の低下を回避している。
【0102】
このような、ランプ切換処理を開始してから、新たな処理の開始を待つ期間や新たな処理の開始指示を無効化する時間は、図14に示されるように、「ランプ切換命令無効化制御期間」として、プロジェクタの仕様とすることができる。図14において1〜5として示された期間は、図3のステップSA10〜ステップSA50の各過程において必要とされる時間に対応している。
【0103】
ただし、各過程の処理に要する時間の長さは、異なる。本実施の形態では、1,2,4の過程(ステップSA10,ステップSA20,ステップSA40)は、ほぼ同じ長さの時間で処理され、1〜5の過程(ステップSA10〜ステップSA50)の中で最も時間が短いものとなる。次に処理に要する時間が短いものは、3の過程(ステップSA30)となる。最も要する時間が長いのは、5の過程(ステップSA50)である。当該5の過程(ステップSA50)の処理に要する時間の長さを主に支配するのは、消灯した第1ランプ10Aの冷却に要する時間である。なお、図14における、各過程についての、次に実行される過程との記載間隔は、実際の各過程の実行に要する時間の長さとは対応していない。
【0104】
電力を供給するランプを連続的に切換える場合、切換えに要する時間、つまり、上記したような指示の入力を無効化される時間が短いほど、結果としてユーザの指示に感度良く対応できることとなり、映像表示装置の利便性が高いと言える。逆に、当該時間が長くなるほど、ユーザを指示の入力の無効化が解除されるまで待たせることとなり、ユーザにとっては操作が煩雑となり、また、場合によってはユーザに無効化が解除されたことを確認させた上で指示の入力のための操作をすることを要求することとなる。よって、映像表示装置が利便性の欠けたものとなる。
【0105】
このような指示入力の無効化の時間の短縮化は、特に、映像表示装置(プロジェクタ)が、プレゼンテーションや展示に使用される際に効果を発揮する。つまり、プレゼンテーションや展示会の準備中あるいは直前などに、プロジェクタに搭載された複数のランプが点灯するか否かを確認するために、複数のランプそれぞれを、1つずつ切換ながら点灯させるような場合、上述のように無効化の時間が短縮化されることは、確認に要する時間の短縮化につながり、特に映像表示装置(プロジェクタ)の利便性を向上するといえる。
【0106】
なお、ステップSA50において排気ファン131を駆動させる時間や、上記のように新たなランプ切換処理の開始を待つ時間、指示の入力を無効化する時間の長さは、ランプ10Aの性能や、排気ファン131の冷却性能等を向上させれば、短縮化が可能である。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の映像表示装置の一実施の形態であるプロジェクタの主要部の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のプロジェクタの制御ブロック構成を模式的に示す図である。
【図3】図2の制御部が実行するランプ切換処理のフローチャートである。
【図4】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図5】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図6】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図7】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図8】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図9】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図10】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図11】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図12】図3のランプ切換処理の変形例のフローチャートである。
【図13】図1のプロジェクタにおけるリレー接点の開閉についての定格容量を説明とランプへの電力供給開始時の電力波形との関係を説明するための図である。
【図14】図1のプロジェクタにおける「ランプ切換命令無効化制御期間」を説明するための図である。
【符号の説明】
【0109】
2 光学エンジン、3 投射レンズ、3A シャッタ、10 照明装置、10A 第1ランプ、10B 第2ランプ、10D,15,28,30 ミラー、11 フライアイインテグレータ、12 PBSアレイ、13,16,22,31 コンデンサレンズ、14 ダイクロイックミラー、17,23,32 入射側偏光板、18,24,33 液晶パネル、19,25,34 出射側偏光板、20 プリズム、21 ダイクロイックミラー、90 入力部、100 制御部、101 ランプバラストユニット,101A 検出部、110 リレーユニット、111 第1リレー、112 第2リレー、120 ミラーユニット、121 第1検出スイッチ、122 第2検出スイッチ,131,132 排気ファン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示装置に関し、特に、複数のランプへの電力の供給を単一の電源部で行なう映像表示装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタなどの映像表示装置に用いられるランプは、点灯させるために電流を流す際、高圧駆動が必要となることなどにより、従来から、映像表示装置において、ランプへの通電制御に関する種々の技術が提案されてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2003−229289号公報)では、複数の高圧放電灯について、個々の高圧放電灯の種類を電気特性等に基づいて判別し、その判別結果に基づいて、高圧放電灯を定格点灯させる技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2003−215704号公報)には、複数のランプを備えた映像表示装置において、使用中のランプの劣化をランプ切れの前あるいはランプ出力の制御ができなくなる前に検知し、予備のランプを予め点灯させてから一定時間後に映像の表示に用いるランプの交換を行なう技術が開示されている。また、特許文献3(特開2001−357984号公報)には、使用中のランプの点灯状態を検出し、当該検出した点灯状態が異常を示すものである場合には、消灯されているランプを点灯させ、当該点灯が確認された後、使用中であったランプを消灯させる技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献4(特開2004−157201号公報)では、使用中のランプに不具合が生じた場合に使用するために、予備のランプを予め点灯回路手段とマッチングを取った上で、使用するランプの交換を行なう技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−229289号公報
【特許文献2】特開2003−215704号公報
【特許文献3】特開2001−357984号公報
【特許文献4】特開2004−157201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来では、映像表示装置においては、ランプごとに、ランプに電力を供給するための電源装置が搭載されていた。したがって、ランプが複数搭載される場合には、電源装置も複数搭載されることとなり、映像表示装置のコストを増加させるとともに、その体積および質量を増加させていた。
【0007】
また、従来の映像表示装置では、複数のランプの中から、光源として使用するランプとを切換える際に、光源として使用するランプの物理的な位置の入換えを必要としたため、ランプを移動させる機構が必要であった。このため、当該移動機構を備えることにより、映像表示装置のコストが増加し、また、その体積や質量が増加することにより設置や移動について利便性に今ひとつ欠けるという問題があった。
【0008】
特許文献4には、単一の点灯回路手段に複数のランプを接続し、そして、点灯回路手段とそれぞれのランプとの間に切換スイッチを挿入する旨の技術がなされている。
【0009】
しかしながら、特許文献4には、上記切換スイッチの制御態様等、使用するランプを複数の中で切換える際の具体的な制御内容については開示がなされていない。
【0010】
一方、ランプの切換時には、通常の使用時と異なる事情が生じるものと考えられ、ランプに関する制御態様は、慎重に検討されるべきである。
【0011】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数のランプを備える映像表示装置において、光源として使用するランプを切換える際の適切な制御態様を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従った映像表示装置は、第1のランプと、第2のランプと、前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部と、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する抑制手段とを備える。
【0013】
また、本発明の映像表示装置は、前記電源部と前記第1のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第1のリレーと、前記電源部と前記第2のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第2のリレーとをさらに備え、前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記電源部からの前記第1のランプへの電力の供給を停止した後で前記第1のリレーを開状態とし、さらに、前記第2のリレーを閉状態とした後で前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給を開始させることが好ましい。
【0014】
また、本発明の映像表示装置は、前記第1のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第1の状態と、前記第2のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第2の状態とを取る切換手段と、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられるときに、前記切換手段の状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更させる制御を実行する切換制御手段とをさらに備え、前記抑制手段は、前記切換制御手段が前記切換手段の状態を変更させている期間中は、前記電源部から前記第1のランプへの電力の供給を停止させることが好ましい。
【0015】
また、本発明の映像表示装置は、前記第1のランプが発する光の外部への出射を遮断するシャッタをさらに備え、前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、当該切換の制御が開始してから終了するまでは前記シャッタを閉じることが好ましい。
【0016】
また、本発明の映像表示装置は、前記第1のランプを冷却する第1の冷却手段と、前記第2のランプを冷却する第2の冷却手段と、前記第1および第2の冷却手段の動作を制御する冷却制御手段とをさらに備え、前記冷却制御手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記第2の冷却手段には、前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給が開始されたときに前記第2のランプの冷却を開始させ、前記第1の冷却手段には、前記第2のランプへの電力の供給が開始された後一定時間経過後に前記第1のランプの冷却を停止させることが好ましい。
【0017】
また、本発明の映像表示装置は、映像の表示に利用するランプを指定する情報の入力を受付ける受付手段と、前記受付手段に入力された情報に基づいて、前記電源部からの電力の供給先を切換えるための電源制御手段とをさらに備え、前記受付手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間での切換えが行なわれている期間および切換が完了した後の一定期間は、前記情報の入力を無効化することが好ましい。
【0018】
本発明の映像表示装置の制御方法は、第1および第2のランプと、前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部とを備える映像表示装置の制御方法であって、電力の供給先を前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、映像表示装置において、複数のランプの中で電力が供給されるランプが切換えられる期間中に、ランプから発せられる光が、映像表示装置の外部へ出射されることを回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の映像表示装置の一実施の形態であるプロジェクタの主要部の構成を模式的に示す図である。
【0021】
図1を参照して、プロジェクタは、光学エンジン2と、投射レンズ3とを含み、その外郭をキャビティ(図示略)で覆われている。なお、プロジェクタは、スピーカ等の音声を出力するための構成要素や、光学エンジン2の構成要素および音声出力手段を電気的に制御するための回路基板なども搭載されているが、図1では、これらを含む一部の構成要素の図示は省略されている。
【0022】
光学エンジン2は、照明装置10を含む。照明装置10は、2つのランプ10A,10Bと、ミラー10Dの駆動等のためのミラーユニット(図2に示すミラーユニット120)を有する。ランプ10A,10Bは、たとえば超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどからなる。ランプ10A,10Bからの光Lは、リフレクタの作用により、ほぼ平行光となって出射される。
【0023】
ミラー10Dは、同図ミラー10Dの中心部のY軸を回動中心として回動可能であり、ランプ10Aの起動時には図1に示されるように、ランプ10Aからの光をフライアイインテグレータ11へと導く状態となる。一方、ランプ10Bの起動時には、ミラー10Dを時計回りに90°回動させて、ランプ10Bからの光をフライアイインテグレータ11へ導く状態となる。
【0024】
照明装置10からの光は、フライアイインテグレータ11を介して、PBS(偏光ビームスプリッタ)アレイ12およびコンデンサレンズ13に入射される。フライアイインテグレータ11は、蝿の目状のレンズ群からなるフライアイレンズを備え、液晶パネル18,24,33に入射する光の光量分布が均一となるよう、照明装置10から入射される光に光学作用を付与する。
【0025】
PBSアレイ12は、複数のPBSと1/2波長板がアレイ上に配列されたものであり、フライアイインテグレータ11から入射された光の偏光方向を1方向に揃える。コンデンサレンズ13は、PBSアレイ12から入射された光に集光作用を付与する。コンデンサレンズ13を透過した光は、ダイクロイックミラー14に入射する。
【0026】
ダイクロイックミラー14は、コンデンサレンズ13から入射された光のうち、青色波長帯の光(以下、「B光」という)のみを透過し、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)と緑色波長帯の光(以下、「G光」という)を反射する。ダイクロイックミラー14を透過したB光は、ミラー15に導かれ、そこで反射され、コンデンサレンズ16に入射される。
【0027】
コンデンサレンズ16は、B光がほぼ平行光で液晶パネル18に入射するよう、B光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ16を透過したB光は、入射側偏光板17を介して液晶パネル18に入射される。液晶パネル18は、青色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてB光を変調する。液晶パネル18によって変調されたB光は、出射側偏光板19を介して、ダイクロイックプリズム(以下、単に「プリズム」という)20に入射される。
【0028】
ダイクロイックミラー14によって反射された光のうちG光は、ダイクロイックミラー21によって反射され、コンデンサレンズ22に入射される。コンデンサレンズ22は、G光がほぼ平行光で液晶パネル24に入射するよう、G光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ22を透過したG光は、入射側偏光板23を介して液晶パネル24に入射される。液晶パネル24は、緑色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてG光を変調する。液晶パネル24によって変調されたG光は、出射側偏光板25を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0029】
ダイクロイックミラー21を透過したR光は、コンデンサレンズ26に入射される。コンデンサレンズ26は、R光がほぼ平行光で液晶パネル33に入射するよう、R光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ26を透過したR光は、光路長調整用のリレーレンズ27,29,31と2つのミラー28,30からなる光路を進み、入射側偏光板32を介して液晶パネル33に入射される。液晶パネル33は、赤色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動情報に応じてR光を変調する。液晶パネル33によって変調されたR光は、出射側偏光板34を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
【0030】
ダイクロイックプリズム20は、液晶パネル18,24,33によって変調されたB光,G光およびR光を色合成し、投射レンズ3へと入射させる。投射レンズ3は、投射光を被投射面上に結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投射画像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。ダイクロイックプリズム20によって色合成された光は、投射レンズ3によって、スクリーン上に拡大投射される。
【0031】
なお、本実施の形態のプロジェクタでは、投射レンズ3とダイクロイックプリズム20との間に、シャッタ3Aが配置されている。本実施の形態のプロジェクタでは、シャッタ3Aを閉状態とすることにより、ランプ10Aまたはランプ10Bが発する光の、投射レンズ3を介しての外部への出射を遮断できる。
【0032】
図2は、本実施の形態のプロジェクタの主要部の制御ブロック図である。
図2を参照して、プロジェクタには、当該プロジェクタの動作を全体的に制御する制御部100が含まれる。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)を含む。
【0033】
また、プロジェクタは、外部からの操作を受付ける入力部90を含む。入力部90は、たとえば、プロジェクタの外郭となる筐体の表面に設けられたボタンから構成されてもよいし、また、当該筐体とは離間して設けられたリモートコントローラにおけるソフトキーやタッチパネル上のボタン等によって構成されてもよい。入力部90に対して操作がなされると、当該操作に応じた情報が、入力部90から制御部100へ入力される。
【0034】
また、プロジェクタは、ミラーユニット120を含む。ミラーユニット120は、ミラー10Dの他に、ミラー10Dを駆動する駆動機構(図示略)を含む。さらに、ミラーユニット120は、第1ランプ10Aの発する光をプリズム20へ送る状態にあるか否かを検出する第1検出スイッチ121と、第2ランプ10Bが発する光をプリズム20へ送る状態にあるか否かを検出する第2検出スイッチ122とを含む。制御部100は、第1検出スイッチ121および第2検出スイッチ122の検出結果を取得できる。
【0035】
本明細書では、以下、ミラー10Dについて、第1ランプ10Aの発する光をプリズム20へ送る状態を第1の状態といい、第2ランプ10Bが発する光をプリズム20へ送る状態を第2の状態という。
【0036】
また、プロジェクタは、第1ランプ10Aあるいは第2ランプ10Bに高圧の電力を供給するためのランプバラストユニット101を備えている。ランプバラストユニット101から第1ランプ10Aへは、第1リレー111を介して電力が供給される。また、ランプバラストユニット101から第2ランプ10Bへは、第2リレー112を介して電力が供給される。
【0037】
第1リレー111および第2リレー112は、リレーユニット110に配置されており、これらのリレーの開閉は、制御部100から出力される信号に基づいて切換えられる。
【0038】
第1リレー111は、第1検出スイッチ121によってミラー10Dが上記した第1の状態にあることを検出しており、かつ、制御部100から回路を閉じる信号をリレーユニット110に対して出力された場合に、ランプバラストユニット101と第1ランプ10Aとを繋ぐ回路を閉じる。第1検出スイッチ121の検出出力は、制御部100に出力されるとともに、それとは独立してリレーユニット110へ出力される。
【0039】
第2リレー112は、第2検出スイッチ122によってミラー10Dが上記した第2の状態にあることを検出しており、かつ、制御部100から回路を閉じる信号をリレーユニット110に対して出力された場合に、ランプバラストユニット101と第2ランプ10Bとを繋ぐ回路を閉じる。第2検出スイッチ122の検出出力は、制御部100に出力されるとともに、それとは独立してリレーユニット110へ出力される。
【0040】
ランプバラストユニット101には、その出力電圧値を検出する出力電圧検出部101Aを含む。制御部100は、出力電圧検出部101Aが検出する電圧値に基づいて、ランプバラストユニット101からリレーユニット110へ電力の供給がされているか否かを判断する。
【0041】
また、プロジェクタは、第1ランプ10Aを冷却するための排気ファン131および第2ランプ10Bを冷却するための排気ファン132を備えている。これらの駆動のオン/オフは、制御部100によって制御される。
【0042】
次に、本実施の形態のプロジェクタにおいて、光源として使用されるランプを、第1ランプ10Aから第2ランプ10Bに切換えられる際に制御部100が実行する処理(ランプ切換処理)の内容について、当該処理のフローチャートである図3を参照して説明する。
【0043】
図3を参照して、ランプバラストユニット101の出力電圧検出部101Aによる第1ランプ10Aの動作不良の検出結果や、入力部90から光源として使用するランプを変更する情報が入力されると、制御部100は、まずステップSA10で、第1ランプ10Aの消灯過程を実行する。
【0044】
第1ランプ10Aの消灯過程とは、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給を停止させ、そして、排気ファン131の駆動を開始する。なお、排気ファン131は、第1ランプ10Aへの電力の供給が開始された時点から継続して駆動されていてもよい。
【0045】
ここで、ステップSA10の処理の前段階である、第1ランプ10Aが光源として使用されている状態の、制御信号の流れを図4に模式的に示す。
【0046】
図4を参照して、この状態では、ランプバラストユニット101からリレーユニット110へ電力が供給され、そして、リレーユニット110では、制御部100によって第1リレー111は閉状態とされ、第2リレー112は開状態とされている。これにより、ランプバラストユニット101から供給される電力は、第2ランプ10Bには供給されず、第1ランプ10Aには供給される。
【0047】
この状態では、ミラー10Dが第1の状態となっていることに基づいて、第1検出スイッチ121はH(High)の信号を出力する。また、ミラー10Dが第2の状態ではないことに基づいて、第2検出スイッチ122はL(Low)を出力する。これらの信号は、制御部100に出力されるとともに、リレーユニット110へも出力される。
【0048】
制御部100は、第1ランプ10Aを光源として点灯させるべき場合に、第1検出スイッチ121からH信号が入力されたことに応じて、リレーユニット110に対して第1リレー111をオンさせる信号を出力する。
【0049】
リレーユニット110は、制御部100から第1リレー111をオンする信号が入力された場合、第1リレー111を閉状態とする。なお、リレーユニット110において、第1リレー111をオンするためには、第1リレー111へ駆動電力が供給されていることを要する。第1リレー111は、第1検出スイッチ121からHが出力されていることを条件として、駆動電力を供給される。
【0050】
制御部100は、第1リレー111をオンする信号を出力してから、リレーユニット110によって第1リレー111が閉状態とされる処理が完了すると想定される時間より十分長い時間の後、ランプバラストユニット101に対して、リレーユニット110への電力の供給を開始する信号を出力する。これにより、まず第1リレー111が閉状態とされた後、ランプバラストユニット101から、第1リレー111を介して、第1ランプ10Aへの電力の供給が開始される。
【0051】
上記したステップSA10における、第1ランプの消灯過程が実行されることにより、本実施の形態のプロジェクタでは、各構成要素の接続状態は、図4に示された状態から図5に示された状態へと変化する。
【0052】
図5を参照して、制御部100からランプバラストユニット101へ電力の供給を停止する信号が出力されることにより、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給が停止している。
【0053】
出力電圧検出部101Aによって検出される電圧値が、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給が停止された状態に対応する値となったことを条件として、制御部100は、処理をステップSA20へ進める。
【0054】
図3に戻って、ステップSA20では、制御部100は、第1リレー111の接点を開放する過程の処理を実行する。
【0055】
具体的には、制御部100は、リレーユニット110に対して、第1リレー111を閉状態から開状態へと変更するための信号を出力する。なお、第1ランプ10Aが光源として使用されていた状態では、ミラー10Dは第1の状態にあるため、第1リレー111には駆動電力が供給され、第2リレー112には駆動電力は供給されていない。ステップSA20では、制御部100は、リレーユニット110に対して、第2リレー112を継続して開状態とする信号を出力する。
【0056】
ステップSA20が実行されることにより、本実施の形態のプロジェクタにおける構成要素間の接続の状態は、図5に示されたものから図6に示すものへと変更される。
【0057】
図6を参照して、制御部100からリレーユニット110へ第1リレー111をオフする信号が出力されることにより、第1リレー111が開状態とされる。
【0058】
図3に戻って、ステップSA30では、制御部100は、ミラー10Dの切換過程を実行する。
【0059】
具体的には、制御部100は、まずミラーユニット120に対して、ミラー10Dの状態を第1の状態から第2の状態への切換を指示する信号を出力する。そして、制御部100は、この信号に基づきミラー10Dが回動されて、第1検出スイッチ121からの信号の出力がなくなり、そして、ミラー10Dが第2の状態まで回動されることによって第2検出スイッチ122が信号を出力する。制御部100は、このように第2検出スイッチ122が信号を出力してくるのを待って、ステップSA40へ処理を進める。
【0060】
ステップSA30の処理により、プロジェクタでは、図6に示した状態から、図7に示されるように、ミラー10Dが回動され、そして、ミラー10Dは、図8に示されるように、第2ランプ10Bが発する光をプリズム20へと送る第2の状態とされる。
【0061】
ミラーユニット120では、ミラー10Dが第1の状態から回動を開始すると、それまでの第1の検出スイッチ121からの信号の出力が停止される。
【0062】
そして、ミラー10Dが第2の状態まで回動され、その回動が停止されると、第2検出スイッチ122は、そのことを検出して、制御部100とリレーユニット110に対して信号を出力する。
【0063】
図3に戻って、ステップSA40では、制御部100は、第2リレー112の接点接続過程を実行する。
【0064】
具体的には、ステップSA40では、制御部100は、リレーユニット110に対して、第1リレー111をオフ、第2リレー112をオンにする信号を出力する。
【0065】
ステップSA40の処理により、プロジェクタにおける信号の流れは、図8に示されたものから図9に示したものへと変更される。
【0066】
図9を参照して、既に第2検出スイッチ122からリレーユニット110に対して信号が出力されている状態となっているため、第2リレー112には、駆動電力が供給される状態となっている。そして、ステップSA40では、制御部100からリレーユニット110に対して出力される、第2リレー112をオンする信号に基づき、第2リレー112は閉状態へと駆動される。
【0067】
制御部100は、ステップSA40においてリレーユニット110へ信号を出力した後、リレーユニット110が第2リレー112を閉状態とするまでの処理時間より十分長い時間の後、ステップSA50へ処理を進める。
【0068】
図3に戻って、ステップSA50では、制御部100は、第2ランプ10Bの点灯過程を実行する。
【0069】
具体的には、制御部100は、まず、ランプバラストユニット101に、リレーユニット110への電力の供給を開始させ、排気ファン132の駆動を開始することにより第2ランプ10Bの冷却を開始する。
【0070】
ステップSA50中のここまでの処理により、プロジェクタにおける信号の流れは、図9に示されたものから図10に示すものとへと変更される。
【0071】
図10を参照して、既に第2リレー112が閉状態とされているため、ランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給が開始されると、ランプバラストユニット101から第2リレー112を介して第2ランプ10Bへ電力が供給される。また、排気ファン132が駆動されることにより、第2ランプ10Bの冷却も開始される。
【0072】
図3に戻って、制御部100は、ステップSA10で消灯させた第1ランプ10Aの冷却を終了させるため、排気ファン131の駆動を停止する。この場合、図11に示されように、制御部100から排気ファン131への駆動信号の出力が停止される。
【0073】
なお、制御部100が排気ファン131の駆動を停止するタイミングは、ステップSA10でランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給を停止させてから一定時間経過後としてもよいし、ステップSA50において第2ランプ10Bへの電力の供給を開始した時点から所定の時間経過後としてもよい。
【0074】
以上説明したランプ切換処理によれば、光源として使用されるランプが第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えられる際には、つまり、ミラー10Dが第1の状態から第2の状態へと切換えられる期間(ステップSA30)では、第1ランプ10Aと第2ランプ10Bのいずれもが消灯状態とされているため、これらのランプが発する光が投射レンズ3を介して外部へ出射されることのが抑制される。つまり、ランプ切換処理を実行する制御部100により、抑制手段が構成されていることになる。
【0075】
本実施の形態において、制御部100中のCPUは、当該制御部100内の記憶装置に記録されたプログラムを実行することにより、図3等を参照して説明した処理を実行する。なお、当該プログラムは、プロジェクタ出荷時から制御部100内に記録されていても良いし、プロジェクタが通信機能を備える場合に、ネットワーク等を介してダウンロードされて制御部100内に記録されても良いし、または、プロジェクタが当該プロジェクタから離間した記録媒体に記録された情報の読込みが可能な場合に、当該記録媒体に記録されていたものを制御部100内に書込むことにより記録されても良い。
【0076】
本実施の形態において、第1ランプ10Aと第2ランプ10B、第1検出スイッチ121と第2検出スイッチ122、第1リレー111と第2リレー112は、いずれも等価である。よって、光源として使用されるランプが第2ランプ10Bから第1ランプ10Aに変更される場合には、図3を参照して説明した処理において、これらを入換え、また、ミラー10Dについての第1の状態と第2の状態を入換えることにより、対応が可能である。
【0077】
また、本実施の形態では、第1ランプ10Aおよび第2ランプ10Bの冷却手段として、排気ファン131,132が採用されているが、冷却手段は、液体を用いた冷却装置など、冷却機能を有するものであれば、ファンに限定されない。
【0078】
なお、本実施の形態のプロジェクタでは、光源として使用されるランプが第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えられる場合に、ミラー10Dが第1の状態から第2の状態へと切換えられる期間中から第2ランプ10Bを点灯させておき、より早期に第2ランプ10Bによる映像の表示を開始することも可能である。この場合、シャッタ3Aが利用される。この場合に実行されるランプ切換処理の内容について、当該処理のフローチャートである図12を参照して説明する。
【0079】
図12に示されたランプ切換処理では、ステップSB10〜ステップSB40の処理と、ステップSC10〜ステップSC30の処理が並行して実行される。
【0080】
ステップSB10〜ステップSB40の内容を説明する。
ステップSB10では、制御部100は、ステップSA10と同様に、第1ランプ10Aの消灯過程を実行し、ステップSB20へ処理を進める。
【0081】
ステップSB20では、制御部100は、ステップSA20と同様に、第1リレー111の接点を開放する過程の処理を実行し、ステップSB30へと処理を進める。
【0082】
ステップSB30では、制御部100は、ステップSA40と同様に、第2リレー112の接点接続過程を実行し、ステップSB40へと処理を進める。
【0083】
ステップSB40では、制御部100は、ステップSA50と同様に、第2ランプ10Bの点灯過程を実行する。
【0084】
次に、ステップSC10〜ステップSC30の内容を説明する。
ステップSC10では、制御部100は、シャッタ3Aを閉状態として、ステップSC20へ処理を進める。
【0085】
ステップSC20では、制御部100は、ステップSA30と同様に、ミラーの切換過程を実行して、ステップSC30へ処理を進める。
【0086】
ステップSC30では、制御部100は、シャッタ3Aを開状態とする。
以上、図12を参照して説明したランプ切換処理では、ミラーの切換過程(ステップSC20)の前にシャッタ3Aが閉じられ、当該過程が終了するとシャッタ3Aが開かれる。これにより、確実に、ミラー10Dが第1の状態と第2の状態との間で状態を変更されている期間中に、第1ランプ10Aおよび第2ランプ10Bから発せられる光が投射レンズ3を介してプロジェクタの外部に出力されることを回避できる。
【0087】
以上図12を参照して説明したランプ切換処理では、シャッタ3Aの開閉を行なう制御部100により抑制手段が構成されている。
【0088】
本実施の形態では、映像表示装置の一実施の形態であるプロジェクタにおいて、電源部として単一の電源装置(ランプバラストユニット101)から、第1ランプ10Aと第2ランプ10Bに電力が供給され、そして、これらの間で電力の供給先が切換えられる場合に、一時的に第1および第2のランプのいずれにも電力が供給されなくなったり、シャッタ3Aが閉状態とされたりすることにより、映像表示装置から外部へ出射される光の強度に著しく変動が見られるような場合に、一律に、外部への光の出射が抑制される。このため、映像表示装置の視聴者に不快感を与えることを回避できる。
【0089】
したがって、複数のランプに対して一の電源装置で電力を供給する場合であっても、つまり、ランプごとに電源装置を備えなくとも、映像表示装置の視聴者に不快感を与えることなく、使用するランプの交換が可能となる。これにより、視聴者に不快感を与えることなく、映像表示装置のコストの削減ならびに小型化および軽量化が可能となる。
【0090】
また、以上説明した本実施の形態では、第1ランプ10Aに電力が供給される場合には、まず、第1リレー111が閉状態にされてから、ランプバラストユニット101からの電力の供給が開始され、また、第1ランプ10Bへの電力の供給を停止する場合には、ランプバラストユニット101からの電力の供給が停止された後で、第1リレー111が開状態とされている。つまり、ランプバラストユニット101からランプ10Aへの電力供給の開始と停止の間の状態の切換えは、第1リレー111が閉状態とされた状態で行なわれている。
【0091】
これは、ランプバラストユニット101からの電力の供給が開始されるときには、ランプバラストユニット101と第1ランプ10Aの間の電気回路上には、図13に「ランプの始動時の電力波形の一例」として示されるような波形の電力が生じる。このような状態では、図13において破線で示された、第1リレー111の接点の開閉についての定格容量を超え、第1リレー111のアーク放電による溶着などの事態が想定される。
【0092】
このような事態を回避するために、本実施の形態では、上記のように、ランプバラストユニット101からランプ10Aへの電力供給の開始と停止の間の状態の切換えは、第1リレー111が閉状態とされた状態で行なわれている。
【0093】
これにより、プロジェクタのような複数のランプを備えた映像表示装置において、電源装置(ランプバラストユニット101)を単一としつつ、電力の供給対象となるランプの切換時の安全性が担保されている。これにより、映像表示装置において、製造コストを抑え、小型化および軽量化を可能とし、かつ、使用するランプの切換時の安全性が確保されていることになる。
【0094】
なお、ランプの通常点灯時の電力波形が、図13の「ランプの通常点灯時の電力波形の一例」として示されるような場合、通常の点灯時の当該回路の電力波形は、上記定格容量以下が維持される。そのため、点灯中にリレー接点が開放しても、第1リレー111において上述した溶着等の不都合が生じる事態は想定されない。
【0095】
また、同様の理由から、ランプバラストユニット101からランプ10Bへの電力供給の開始と停止の間の状態の切換えは、第2リレー112が閉状態とされた状態で行なわれている。
【0096】
また、図3を参照して説明したランプ切換処理では、ステップSA10でランプバラストユニット101からリレーユニット110への電力の供給を停止させてから一定時間経過後、または、ステップSA50において第2ランプ10Bへの電力の供給を開始した時点から所定の時間経過後まで、切換前に使用されていたランプ(第1ランプ10A)の冷却、つまり、排気ファン131の駆動が実行されていた。このようなランプの冷却が確実に実行されるために、ランプ切換処理は、一度ランプ切換処理が開始された後、ステップSA50における排気ファン131の駆動が停止されるまでの期間、制御部100が、新たなランプ切換処理を実行しないように構成されていることが好ましい。
【0097】
つまり、本実施の形態であれば、光源として使用するランプを第1ランプ10Aから第2ランプ10Bへと切換えるためのランプ切換処理が開始された後は、ステップSA50の処理が完了するまで、制御部100は、たとえ入力部90に新たなランプ切換処理(光源として使用するランプを第2ランプ10Bから第1ランプ10Aへ切換えるための処理)の開始を指示する情報が入力された場合でも、当該新たな処理を開始せず、または、当該指示の入力を無効化することが好ましい。
【0098】
なお、無効化しない場合には、ランプの冷却不足によってランプへの始動(電力の供給の開始)が失敗し、ランプが点灯しない事態が想定される。そのような事態発生の結果として最終的に必要とされる冷却時間も合わせると、上記制御順序に従った場合と比較して、再点灯までに余計に時間を要することとなる。
【0099】
また、安全性などを考慮して、始動失敗をランプの異常として処理し、映像表示装置の制御動作を停止させてしまった場合であって、ユーザが装置の再起動のための操作を必要とされた場合、ユーザに対して余計な手間をかけることとなり、映像表示装置の利便性を大幅に低下させてしまう。
【0100】
さらに、上記のような、ランプの冷却不足が発生した場合、ランプ自体の劣化の原因にもなり、ランプの損傷を引き起こす等、点灯後に通常の冷却期間冷却するようにして使用した場合よりも、ランプの寿命が低下する事態が想定される。このようなランプの損傷は、映像表示装置の利便性や経済性を著しく低下させてしまう。
【0101】
一方、本実施の形態では、上述の通り新たな処理の開始指示の入力を無効化することにより、映像表示装置の利便性を向上させている。また、当該入力の無効化により、ランプを十分に冷却するための冷却時間が確保されることとなり、映像表示装置の利便性や経済性の低下を回避している。
【0102】
このような、ランプ切換処理を開始してから、新たな処理の開始を待つ期間や新たな処理の開始指示を無効化する時間は、図14に示されるように、「ランプ切換命令無効化制御期間」として、プロジェクタの仕様とすることができる。図14において1〜5として示された期間は、図3のステップSA10〜ステップSA50の各過程において必要とされる時間に対応している。
【0103】
ただし、各過程の処理に要する時間の長さは、異なる。本実施の形態では、1,2,4の過程(ステップSA10,ステップSA20,ステップSA40)は、ほぼ同じ長さの時間で処理され、1〜5の過程(ステップSA10〜ステップSA50)の中で最も時間が短いものとなる。次に処理に要する時間が短いものは、3の過程(ステップSA30)となる。最も要する時間が長いのは、5の過程(ステップSA50)である。当該5の過程(ステップSA50)の処理に要する時間の長さを主に支配するのは、消灯した第1ランプ10Aの冷却に要する時間である。なお、図14における、各過程についての、次に実行される過程との記載間隔は、実際の各過程の実行に要する時間の長さとは対応していない。
【0104】
電力を供給するランプを連続的に切換える場合、切換えに要する時間、つまり、上記したような指示の入力を無効化される時間が短いほど、結果としてユーザの指示に感度良く対応できることとなり、映像表示装置の利便性が高いと言える。逆に、当該時間が長くなるほど、ユーザを指示の入力の無効化が解除されるまで待たせることとなり、ユーザにとっては操作が煩雑となり、また、場合によってはユーザに無効化が解除されたことを確認させた上で指示の入力のための操作をすることを要求することとなる。よって、映像表示装置が利便性の欠けたものとなる。
【0105】
このような指示入力の無効化の時間の短縮化は、特に、映像表示装置(プロジェクタ)が、プレゼンテーションや展示に使用される際に効果を発揮する。つまり、プレゼンテーションや展示会の準備中あるいは直前などに、プロジェクタに搭載された複数のランプが点灯するか否かを確認するために、複数のランプそれぞれを、1つずつ切換ながら点灯させるような場合、上述のように無効化の時間が短縮化されることは、確認に要する時間の短縮化につながり、特に映像表示装置(プロジェクタ)の利便性を向上するといえる。
【0106】
なお、ステップSA50において排気ファン131を駆動させる時間や、上記のように新たなランプ切換処理の開始を待つ時間、指示の入力を無効化する時間の長さは、ランプ10Aの性能や、排気ファン131の冷却性能等を向上させれば、短縮化が可能である。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の映像表示装置の一実施の形態であるプロジェクタの主要部の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のプロジェクタの制御ブロック構成を模式的に示す図である。
【図3】図2の制御部が実行するランプ切換処理のフローチャートである。
【図4】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図5】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図6】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図7】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図8】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図9】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図10】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図11】図1のプロジェクタ中の制御信号の流れの一例を模式的に示す図である。
【図12】図3のランプ切換処理の変形例のフローチャートである。
【図13】図1のプロジェクタにおけるリレー接点の開閉についての定格容量を説明とランプへの電力供給開始時の電力波形との関係を説明するための図である。
【図14】図1のプロジェクタにおける「ランプ切換命令無効化制御期間」を説明するための図である。
【符号の説明】
【0109】
2 光学エンジン、3 投射レンズ、3A シャッタ、10 照明装置、10A 第1ランプ、10B 第2ランプ、10D,15,28,30 ミラー、11 フライアイインテグレータ、12 PBSアレイ、13,16,22,31 コンデンサレンズ、14 ダイクロイックミラー、17,23,32 入射側偏光板、18,24,33 液晶パネル、19,25,34 出射側偏光板、20 プリズム、21 ダイクロイックミラー、90 入力部、100 制御部、101 ランプバラストユニット,101A 検出部、110 リレーユニット、111 第1リレー、112 第2リレー、120 ミラーユニット、121 第1検出スイッチ、122 第2検出スイッチ,131,132 排気ファン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のランプと、
第2のランプと、
前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部と、
前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する抑制手段とを備えた、映像表示装置。
【請求項2】
前記電源部と前記第1のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第1のリレーと、
前記電源部と前記第2のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第2のリレーとをさらに備え、
前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記電源部からの前記第1のランプへの電力の供給を停止した後で前記第1のリレーを開状態とし、さらに、前記第2のリレーを閉状態とした後で前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給を開始させる、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記第1のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第1の状態と、前記第2のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第2の状態とを取る切換手段と、
前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられるときに、前記切換手段の状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更させる制御を実行する切換制御手段とをさらに備え、
前記抑制手段は、前記切換制御手段が前記切換手段の状態を変更させている期間中は、前記電源部から前記第1のランプへの電力の供給を停止させる、請求項1または請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記第1のランプが発する光の外部への出射を遮断するシャッタをさらに備え、
前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、当該切換の制御が開始してから終了するまでは前記シャッタを閉じる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記第1のランプを冷却する第1の冷却手段と、
前記第2のランプを冷却する第2の冷却手段と、
前記第1および第2の冷却手段の動作を制御する冷却制御手段とをさらに備え、
前記冷却制御手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記第2の冷却手段には、前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給が開始されたときに前記第2のランプの冷却を開始させ、前記第1の冷却手段には、前記第2のランプへの電力の供給が開始された後一定時間経過後に前記第1のランプの冷却を停止させる、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項6】
映像の表示に利用するランプを指定する情報の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段に入力された情報に基づいて、前記電源部からの電力の供給先を切換えるための電源制御手段とをさらに備え、
前記受付手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間での切換えが行なわれている期間および切換が完了した後の一定期間は、前記情報の入力を無効化する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項7】
第1および第2のランプと、前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部とを備える映像表示装置の制御方法であって、
電力の供給先を前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する、映像表示装置の制御方法。
【請求項1】
第1のランプと、
第2のランプと、
前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部と、
前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する抑制手段とを備えた、映像表示装置。
【請求項2】
前記電源部と前記第1のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第1のリレーと、
前記電源部と前記第2のランプとの電気回路の開閉状態を切換える第2のリレーとをさらに備え、
前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記電源部からの前記第1のランプへの電力の供給を停止した後で前記第1のリレーを開状態とし、さらに、前記第2のリレーを閉状態とした後で前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給を開始させる、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記第1のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第1の状態と、前記第2のランプが発する光を映像の表示に利用するために外部に送る第2の状態とを取る切換手段と、
前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられるときに、前記切換手段の状態を前記第1の状態から前記第2の状態に変更させる制御を実行する切換制御手段とをさらに備え、
前記抑制手段は、前記切換制御手段が前記切換手段の状態を変更させている期間中は、前記電源部から前記第1のランプへの電力の供給を停止させる、請求項1または請求項2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記第1のランプが発する光の外部への出射を遮断するシャッタをさらに備え、
前記抑制手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、当該切換の制御が開始してから終了するまでは前記シャッタを閉じる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記第1のランプを冷却する第1の冷却手段と、
前記第2のランプを冷却する第2の冷却手段と、
前記第1および第2の冷却手段の動作を制御する冷却制御手段とをさらに備え、
前記冷却制御手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプから前記第2のランプに切換えられる場合に、前記第2の冷却手段には、前記電源部から前記第2のランプへの電力の供給が開始されたときに前記第2のランプの冷却を開始させ、前記第1の冷却手段には、前記第2のランプへの電力の供給が開始された後一定時間経過後に前記第1のランプの冷却を停止させる、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項6】
映像の表示に利用するランプを指定する情報の入力を受付ける受付手段と、
前記受付手段に入力された情報に基づいて、前記電源部からの電力の供給先を切換えるための電源制御手段とをさらに備え、
前記受付手段は、前記電源部からの電力の供給先が前記第1のランプと前記第2のランプとの間での切換えが行なわれている期間および切換が完了した後の一定期間は、前記情報の入力を無効化する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項7】
第1および第2のランプと、前記第1あるいは第2のランプに電力を供給する電源部とを備える映像表示装置の制御方法であって、
電力の供給先を前記第1のランプと前記第2のランプとの間で切換えられる場合に、前記第1および第2のランプが発する光の外部への出射を抑制する、映像表示装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−134250(P2010−134250A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310973(P2008−310973)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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