説明

映像表示装置および映像表示方法

【課題】入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かをより適切に判定して、入力映像を表示する映像表示装置を提供する。
【解決手段】映像表示装置は、入力映像を取得する入力映像取得部11と、類似度を算出する類似度算出部12と、入力映像が、3次元映像として表示するための第1映像であるか、2次元映像として表示するための第2映像であるか、または、第1映像および第2映像のいずれであるかが不明な第3映像であるかを判定する第1判定部13と、第1判定部13で得られた複数の判定結果に依存させて、入力映像が第1映像および第2映像のいずれであるかを判定する第2判定部14と、入力映像の表示を切り替える表示部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元映像(以下、立体映像とも呼ぶ)を表示する映像表示装置が普及し始めている。このような映像表示装置は、視聴者の左眼に左眼用の映像(以下、左眼映像とも呼ぶ)を提示し、視聴者の右眼に右眼用の映像(以下、右眼映像とも呼ぶ)を提示する。左眼映像と右眼映像との間には、視差、すなわち、画像のずれがある。視聴者は、左眼映像を左眼で、右眼映像を右眼で見ることにより、視差を有する両映像を立体映像として認識する。
【0003】
左眼に左眼映像を提示し、右眼に右眼映像を提示する方法には、様々な方法がある。最も普及している方法のひとつは、偏光フィルムを有するメガネを用いる方法である。このようなメガネを介することにより、視聴者の左眼には左眼映像のみが提示され、視聴者の右眼には右眼映像のみが提示される。この場合、映像表示装置は、左眼映像と右眼映像とを重畳して表示する。映像表示装置は、左眼映像と右眼映像とを1画素ライン毎に交互に表示してもよいし、左眼映像と右眼映像とを時間的に交互に表示してもよい。
【0004】
その他の方法として、シャッタメガネを用いる方法がある。この方法では、映像表示装置は、左眼映像と右眼映像とを交互に表示する。そして、シャッタメガネは、左眼映像および右眼映像の表示時間と同期をとりながら、シャッタを開閉する。これにより、視聴者の両目にそれぞれ対応する映像が提示される。
【0005】
その他にも、ヘッドマウントディスプレイを用いる方法も、立体映像を提示する方法のひとつである。また、最近では、メガネを用いずに、立体映像を提示する方法も普及し始めている。
【0006】
一方で、このような立体映像を提示するためのデータが、DVD(Digital Versatile Disc)、あるいは、BD(Blu−ray Disc(登録商標))に格納される場合がある。また、立体映像を提示するためのデータが、放送によって配信される場合がある。そして、既存の枠組みに整合させるため、SBS(Side By Side)と呼ばれる形式で、映像が格納され、あるいは、映像が配信される場合がある。
【0007】
SBSでは、左眼映像と右眼映像とでひとつの映像(以下、SBS映像とも呼ぶ)が構成される。左眼映像は、SBS映像の左側に配置され、右眼映像は、SBS映像の右側に配置される。このように左眼映像と右眼映像とが配置されることにより、既存の映像記録方法、および、既存の映像配信方法と同様の取り扱いが可能になる。
【0008】
立体映像を表示する映像表示装置は、SBS映像を左側と右側とに分離することにより、左眼映像と右眼映像とを取得する。そして、映像表示装置は、映像表示装置が有する方法で、視聴者の左眼に左眼映像を提示し、視聴者の右眼に右眼映像を提示する。これにより、既存の枠組みを利用しつつ、立体映像の提示が実現される。
【0009】
さらに、映像表示装置は、2次元で表示するための通常の映像(以下、2次元映像または2D映像とも呼ぶ)をそのまま表示する。つまり、格納された映像、または、配信された映像が、2D映像である場合、映像表示装置は、2D映像を左側と右側とに分離することなく、そのまま、2D映像を2次元の映像として表示する。これにより、映像表示装置は、2D映像を2次元の映像として表示し、SBS映像を立体映像として表示することができる。
【0010】
さらに、映像表示装置は、入力される映像に応じて、このような2次元表示と3次元表示とを自動的に切り替えることが望ましい。例えば、映像表示装置は、左側に配置される映像(以下、左映像と呼ぶ)と、右側に配置される映像(以下、右映像と呼ぶ)との類似度に応じて、2次元表示と3次元表示とを自動的に切り替える。SBS映像における左映像と右映像とは、視差のみに基づく違いを有している。その違いは、2D映像における左映像と右映像との違いに比べて小さい。
【0011】
そのため、入力映像の左映像と右映像との類似度が高い場合、入力映像は、SBS映像であると想定される。この場合、映像表示装置は、入力映像を立体映像として表示する。このように、類似度に応じて自動的にSBS映像と2D映像とを判定する画像処理装置として、特許文献1に記載された画像処理装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−169777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、表示対象の映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかが、適切に判定されない場合がある。例えば、SBS映像であっても、左映像と右映像とが類似していない場合がある。また、2D映像であっても、左映像と右映像とが、偶然に類似している場合がある。以下、具体的に説明する。
【0014】
図22は、撮像シーンを示す概念図である。図22の例では、左カメラ91と右カメラ92とが、被写体93を撮像している。さらに、被写体93の後方に、太陽のような強い光源94が存在する。
【0015】
図23は、図22の撮像シーンで被写体93を撮像することにより生成されたSBS映像を示す概念図である。左カメラ91によって左映像95が生成される。右カメラ92によって右映像96が生成される。SBS映像97は、左映像95および右映像96で構成される。左映像95は、強い光源94が映りこんでいるため、全体として明るい映像である。一方、右映像96は、強い光源94が映りこんでおらず、全体として暗い映像である。
【0016】
図24は、入力映像がSBS映像であるか2D映像であるかの判定を示す概念図である。通常、SBS映像では、左映像と右映像とが類似している。したがって、入力映像の左映像と右映像とが類似している場合、入力映像はSBS映像と判定される。一方、両者が類似していない場合、入力映像は2D映像と判定される。両者が類似しているか否かは、画素値の差に基づく類似度と、所定の閾値との比較によって、判定される。
【0017】
図24の例では、時刻t3まで、SBS映像が入力されている。時刻t3の後、2D映像が入力されている。また、時刻t1から時刻t2までの間、図23に示されたSBS映像97のように、強い光源94が左映像95に映りこんでいる。
【0018】
入力映像がSBS映像である場合、通常、左映像と右映像とが類似している。この場合、左映像と右映像との類似度は閾値以上である。よって、入力映像は、SBS映像と判定される。逆に、入力映像が2D映像である場合、左映像と右映像とが類似していない。この場合、左映像と右映像との類似度は閾値未満である。よって、入力映像は、2D映像と判定される。
【0019】
しかし、図23に示されたSBS映像97は、SBS映像にもかかわらず、左映像と右映像とが類似していない。この場合、左映像と右映像との類似度は閾値未満である。よって、入力映像は、2D映像と誤って判定される。
【0020】
上記のように、SBS映像が誤って2D映像と判定された場合、本来、ひとつの3D映像として表示されるべき映像が、そのまま、表示される。具体的には、左眼映像が左側に表示され、右眼映像が右側に表示されることにより、両映像がそれぞれ別々に表示される。つまり、入力映像が適切に表示されない。
【0021】
また、上記では、SBS映像が誤って2D映像と判定される例が示されたが、左映像と右映像とが、偶然に類似している場合には、2D映像が誤ってSBS映像と判定される。この場合も、本来ひとつの3D映像にならない左映像と右映像とが合成される。そのため、入力映像が適切に表示されない。
【0022】
そこで、本発明は、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かをより適切に判定して、入力映像を表示する映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するため、本発明に係る映像表示装置は、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する映像表示装置であって、前記入力映像を取得する入力映像取得部と、前記入力映像を複数の領域に分割し、前記複数の領域から得られる複数の映像の類似度合いを示す類似度を算出する類似度算出部と、前記入力映像が、前記3次元映像として表示するための第1映像であるか、前記2次元映像として表示するための第2映像であるか、または、前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかが不明な第3映像であるかを所定の時間間隔毎に判定する第1判定部と、前記第1判定部で得られた複数の判定結果に依存させて、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定する第2判定部と、前記第2判定部で得られた判定結果に依存させて、前記入力映像の表示を切り替える表示部とを備え、前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、予め定められた第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さい予め定められた第2類似度閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定し、前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さく、前記第2類似度閾値よりも大きい場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定する。
【0024】
これにより、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか、2次元映像を表示するための映像であるか、または、不明であるかが、所定の時間間隔毎に、類似度に基づいて、事前に判定される。そして、所定の時間間隔毎の判定によって得られる複数の判定結果により、入力映像が3次元用の映像であるか、または、2次元用の映像であるかが、最終的に判定される。したがって、映像表示装置は、入力映像の特性をより適切に判定して、入力映像を表示することができる。
【0025】
また、前記第2判定部は、前記入力映像が前記第3映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記第2判定部で判定された前回の判定結果と同じになるように、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定してもよい。
【0026】
これにより、入力映像が3次元用および2次元用のいずれか不明である場合、前回の判定結果が維持される。よって、より適切に、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かが判定される。
【0027】
また、前記第2判定部は、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、前記第2判定部は、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定してもよい。
【0028】
これにより、事前の判定処理において入力映像が3次元用および2次元用のいずれか不明でない場合、事前の判定結果が最終の判定結果としてそのまま利用される。したがって、簡潔に、最終の判定結果が得られる。
【0029】
また、前記映像表示装置は、さらに、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記第1映像への適合度合いを示すカウンタ値を増加させ、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を減少させ、前記入力映像が前記第3映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持するカウンタ部を備え、前記第2判定部は、前記カウンタ値が、予め定められた第1カウンタ閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、前記第2判定部は、前記カウンタ値が、前記第1カウンタ閾値よりも小さい予め定められた第2カウンタ閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定し、前記第2判定部は、前記カウンタ値が、前記第1カウンタ閾値よりも小さく、前記第2カウンタ閾値よりも大きい場合、前記第2判定部で判定された前回の判定結果と同じになるように、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定してもよい。
【0030】
これにより、過去の傾向に基づいて、より適切に、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かが判定される。また、入力映像が3次元用および2次元用のいずれか不明な映像である場合、カウンタ値が維持される。したがって、より適切な判定処理が実現される。
【0031】
また、前記カウンタ部は、前記カウンタ値が前記第1カウンタ閾値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持し、前記カウンタ部は、前記カウンタ値が前記第2カウンタ閾値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持してもよい。
【0032】
これにより、カウンタ値の範囲が限定される。また、表示を切り替えるタイミングが明確になる。したがって、より簡潔な構造で、判定処理が実現される。
【0033】
また、前記カウンタ部は、前記カウンタ値が、前記第1カウンタ閾値よりも大きい予め定められた上限値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持し、前記カウンタ部は、前記カウンタ値が、前記第2カウンタ閾値よりも小さい予め定められた下限値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持してもよい。
【0034】
これにより、表示を切り替えるタイミングがより柔軟に設定される。したがって、より適切な判定処理が実現される。
【0035】
また、前記類似度算出部は、前記入力映像を左側と右側との2つの領域に分割し、前記2つの領域から得られる2つの映像の類似度合いを示す前記類似度を算出し、前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が、前記3次元映像を構成する前記2つの映像を含む前記第1映像であると判定してもよい。
【0036】
これにより、映像表示装置は、左眼映像と右眼映像とが左右に配置されているSBS映像を認識することができる。
【0037】
また、前記類似度算出部は、前記入力映像を上側と下側との2つの領域に分割し、前記2つの領域から得られる2つの映像の類似度合いを示す前記類似度を算出し、前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が、前記3次元映像を構成する前記2つの映像を含む前記第1映像であると判定してもよい。
【0038】
これにより、映像表示装置は、左眼映像と右眼映像とが上下に配置されているTAB映像を認識することができる。
【0039】
また、前記第1判定部は、前記入力映像に含まれる複数の画素値の偏りが所定の基準以上である場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定し、前記第1判定部は、前記偏りが前記所定の基準よりも小さい場合、かつ、前記類似度が前記第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、前記第1判定部は、前記偏りが前記所定の基準よりも小さい場合、かつ、前記類似度が前記第2類似度閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定してもよい。
【0040】
これにより、類似度による判定の信頼性が低い場合、入力映像が3次元用および2次元用のいずれか不明な映像であると判定される。したがって、より適切な判定処理が実現される。
【0041】
また、前記類似度算出部は、前記複数の領域の各領域から前記各領域に含まれる複数の画素値の分布を示すヒストグラムを取得することにより、複数のヒストグラムを取得し、前記分布の一致度合いを算出するためのヒストグラム・インタセクションを用いて、前記複数のヒストグラムから前記類似度を算出し、前記第1判定部は、前記複数のヒストグラムから得られる前記偏りが前記所定の基準以上である場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定してもよい。
【0042】
これにより、類似度がヒストグラムに基づいて算出される。そして、ヒストグラムは、偏りの検出にも用いられる。したがって、効率的に処理が実行される。
【0043】
また、前記表示部は、前記入力映像が前記第1映像であると前記第2判定部で判定された場合、前記入力映像を前記3次元映像として表示し、前記入力映像が前記第2映像であると前記第2判定部で判定された場合、前記入力映像を前記2次元映像として表示することにより、前記入力映像の表示を切り替えてもよい。
【0044】
これにより、2次元映像として表示するための映像は、2次元映像として表示され、3次元映像として表示するための映像は、3次元映像として表示される。したがって、より適切な表示処理が実現される。
【0045】
また、前記表示部は、前記第2判定部で得られた判定結果に変更があった場合、前記入力映像を前記3次元映像として表示するか、または、前記入力映像を前記2次元映像として表示するかの選択を促すメッセージを表示することにより、前記入力映像の表示を切り替えてもよい。
【0046】
これにより、映像表示装置は、適切なタイミングで、2次元映像として入力映像を表示するか、または、3次元映像として入力映像を表示するかの選択を促すことができる。
【0047】
また、前記入力映像取得部は、前記入力映像を放送または記録媒体を介して取得してもよい。
【0048】
これにより、映像表示装置は、放送または記録媒体から得られる入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かを適切に判定することができる。
【0049】
また、本発明に係る映像表示方法は、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する映像表示方法であって、前記入力映像を取得する入力映像取得ステップと、前記入力映像を複数の領域に分割し、前記複数の領域から得られる複数の映像の類似度合いを示す類似度を算出する類似度算出ステップと、前記入力映像が、前記3次元映像として表示するための第1映像であるか、前記2次元映像として表示するための第2映像であるか、または、前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかが不明な第3映像であるかを所定の時間間隔毎に判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップで得られた複数の判定結果に依存させて、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定する第2判定ステップと、前記第2判定ステップで得られた判定結果に依存させて、前記入力映像の表示を切り替える表示ステップとを含み、前記第1判定ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された前記類似度が、予め定められた第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、前記第1判定ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さい予め定められた第2類似度閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定し、前記第1判定ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さく、前記第2類似度閾値よりも大きい場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定する映像表示方法であってもよい。
【0050】
これにより、前記映像表示装置が、映像表示方法として実現される。
【発明の効果】
【0051】
本発明により、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かが、より適切に判定される。したがって、入力映像が適切に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、実施の形態1に係る映像表示装置の構成図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係る入力映像の分割処理の第1例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1に係る入力映像の分割処理の第2例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態1に係る輝度ヒストグラムの第1例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態1に係る輝度ヒストグラムの第2例を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1に係る判定結果の例を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態1に係る映像表示装置の処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施の形態1に係る映像表示装置の特徴的な処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施の形態1に係る第1判定結果と第2判定結果との関係を示す図である。
【図10】図10は、実施の形態1に係る3次元映像表示の第1例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態1に係る3次元映像表示の第2例を示す図である。
【図12】図12は、実施の形態1に係る輝度ヒストグラムの第3例を示す図である。
【図13】図13は、実施の形態2に係る映像表示装置の構成図である。
【図14】図14は、実施の形態2に係る判定結果の第1例を示す図である。
【図15】図15は、実施の形態2に係る判定結果の第2例を示す図である。
【図16】図16は、実施の形態2に係る映像表示装置の処理を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施の形態2の変形例に係る判定結果の例を示す図である。
【図18】図18は、実施の形態2の変形例に係る映像表示装置の処理を示すフローチャートである。
【図19】図19は、実施の形態3に係る映像表示装置の外観図である。
【図20】図20は、実施の形態3に係る映像表示装置の利用形態を示す図である。
【図21】図21は、実施の形態3に係る画面表示の例を示す図である。
【図22】図22は、撮像シーンを示す概念図である。
【図23】図23は、SBS映像を示す概念図である。
【図24】図24は、従来技術に係る判定結果の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る映像表示装置の構成図である。図1に示された映像表示装置10は、映像表示装置10に入力される映像である入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する。また、映像表示装置10は、入力映像取得部11、類似度算出部12、第1判定部13、第2判定部14および表示部15を備える。
【0054】
入力映像取得部11は、入力映像を取得する。入力映像取得部11は、典型的には、外部から信号を受信するインタフェース部であって、例えば、放送または記録媒体から入力映像を取得する。
【0055】
類似度算出部12は、入力映像を複数の領域に分割し、複数の領域から得られる複数の映像の類似度合いを示す類似度を所定の時間間隔毎に算出する。典型的には、類似度算出部12は、入力映像を左側と右側との2つの領域に分割することにより、左映像と右映像とを取得する。そして、類似度算出部12は、左映像と右映像との類似度を算出する。
【0056】
第1判定部13は、類似度に基づいて、入力映像が、3次元映像として表示するためのSBS映像であるか、2次元映像として表示するための2D映像であるか、または、それらのいずれであるかが不明な映像であるかを所定の時間間隔毎に判定する。
【0057】
より具体的には、第1判定部13は、類似度が、予め定められた第1類似度閾値(以下、第1閾値とも呼ぶ)以上である場合、入力映像がSBS映像であると判定する。また、第1判定部13は、類似度が、第1類似度閾値よりも小さい予め定められた第2類似度閾値(以下、第2閾値とも呼ぶ)以下である場合、入力映像が2D映像であると判定する。また、第1判定部13は、類似度が、第1類似度閾値よりも小さく、第2類似度閾値よりも大きい場合、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。
【0058】
そして、第1判定部13は、入力映像が、SBS映像か、2D映像か、または、不明かを所定の時間間隔毎に判定することによって、複数の判定結果を取得する。
【0059】
第2判定部14は、第1判定部13で得られた複数の判定結果に依存させて、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれであるかを判定する。すなわち、第1判定部13による事前の判定に基づいて、第2判定部14は、入力映像の特性を最終的に判定する。
【0060】
例えば、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると第1判定部13で判定された場合、入力映像がSBS映像であると判定する。また、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると第1判定部13で判定された場合、入力映像が2D映像であると判定する。また、第2判定部14は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると第1判定部13で判定された場合、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれであるかを判定する。すなわち、この場合、前回の判定結果が維持される。
【0061】
表示部15は、入力映像を表示するインタフェース部である。表示部15は、典型的には、入力映像を表示するための画面を有するが、入力映像を外部の画面に投影してもよい。表示部15は、第2判定部14で得られた判定結果に依存させて、入力映像の表示を切り替える。例えば、表示部15は、入力映像がSBS映像であると第2判定部14で判定された場合、入力映像を3次元映像として表示する。一方、表示部15は、入力映像が2D映像であると第2判定部14で判定された場合、入力映像を2次元映像として表示する。
【0062】
図2は、実施の形態1に係る入力映像の分割処理の第1例を示す図である。図2では、入力映像20が左映像21と右映像22とに分割されている。入力映像20がSBS映像である場合、左映像21が左眼映像であり、右映像22が右眼映像である。この場合、左映像21と右映像22との間には、左眼と右眼とに基づく視差による違いのみしかない。したがって、この場合、両映像は類似する。一方、入力映像20が2D映像である場合、通常、左映像21と右映像22とは、類似しない。
【0063】
したがって、類似度算出部12は、入力映像20を左映像21と右映像22とに分割し、左映像21と右映像22との類似度を算出することにより、入力映像20がSBS映像である可能性の高さを算出することができる。実施の形態1では、入力映像20が左右に分割され、入力映像20がSBS映像であるか否かが判定される。しかし、図3に示すように、入力映像20が上下に分割され、SBS映像の形式とは異なる形式が判定されてもよい。
【0064】
図3は、実施の形態1に係る入力映像の分割処理の第2例を示す図である。図3では、入力映像20が、上側に配置されている上映像23と下側に配置されている下映像24とに分割されている。
【0065】
3次元映像を既存の枠組みに整合させるための方法として、TAB(Top And Bottom)と呼ばれる形式で、映像が格納され、あるいは、映像が配信される場合がある。TABでは、左眼映像および右眼映像でひとつの映像(以下、TAB映像とも呼ぶ)が構成される。典型的には、左眼映像は、TAB映像の上側に配置され、右眼映像は、TAB映像の下側に配置される。TAB映像も、SBS映像と同様に、既存の映像記録方法、および、既存の映像配信方法によって取り扱われる。
【0066】
このようなTAB映像を検出するため、類似度算出部12は、図3に示すように、入力映像20を上側と下側との2つの領域に分割することにより、上映像23と下映像24とを取得する。そして、類似度算出部12は、上映像23と下映像24との類似度を算出する。
【0067】
入力映像20がTAB映像である場合、上映像23が左眼映像であり、下映像24が右眼映像である。この場合、上映像23と下映像24との間には、左眼および右眼の視差による違いのみしかない。したがって、この場合、両映像は類似する。一方、入力映像20が2D映像である場合、通常、上映像23と下映像24とは、類似しない。
【0068】
したがって、類似度算出部12は、入力映像20を上映像23と下映像24とに分割し、上映像23と下映像24との類似度を算出することにより、入力映像20がTAB映像である可能性の高さを算出することができる。
【0069】
図4は、実施の形態1に係る輝度ヒストグラムの第1例を示す図である。輝度ヒストグラムは、輝度の分布を示すグラフであって、左映像と右映像との類似度を判定するために用いられる尺度のひとつである。
【0070】
図4の輝度ヒストグラムにおいて、横軸は輝度レベルを示し、縦軸は頻度を示している。ここでは、輝度値が、輝度レベル1〜輝度レベル4に分割されている。輝度レベル1は、輝度値が0から63までの範囲である。輝度レベル2は、輝度値が64から127までの範囲である。輝度レベル3は、輝度値が128から191までの範囲である。輝度レベル4は、輝度値が192から255までの範囲である。
【0071】
また、図4の輝度ヒストグラムには、左画像と右画像の輝度値の分布が示されている。左画像は、左映像の一時点の画像である。右画像は、右映像の一時点の画像である。左画像と右画像とは、それぞれ、複数の画素値で構成される。そして、複数の画素値は、それぞれ、輝度値を有する。図4の輝度ヒストグラムは、その輝度値の分布を示している。
【0072】
具体的には、左画像に含まれる各画素の輝度値に応じて、輝度レベルが画素毎に決定される。そして、左画像の各画素が、その画素に対応する輝度レベルに振り分けられる。そして、輝度レベル毎に振り分けられた画素数が、頻度としてカウントされる。これにより、左画像の輝度の分布を示す輝度ヒストグラムが得られる。また、同様の方法で、右画像の輝度の分布を示す輝度ヒストグラムが得られる。
【0073】
実施の形態1に係る類似度算出部12は、左画像の輝度ヒストグラムと右画像の輝度ヒストグラムとを比較することにより、類似度を算出する。具体的には、類似度算出部12は、各輝度レベルにおいて、左画像の頻度、および、右画像の頻度のうち、小さい頻度を選択する。そして、類似度算出部12は、輝度レベル毎に選択された頻度を加算する。これにより、左画像と右画像との類似度、すなわち、左映像と右映像との類似度が得られる。次に示す式1は、類似度を算出する式である。
【0074】
【数1】

【0075】
ここで、iは、輝度レベルを示す。nは、輝度レベルの最大値を示す。histA[i]は、左画像の輝度レベル毎の頻度を示す。histB[i]は、右画像の輝度レベル毎の頻度を示す。minは、最小値を取得する関数を示す。Dは、類似度を示す。なお、このようにして得られる類似度Dは、ヒストグラム・インタセクション(Histogram Intersection)とも呼ばれる。
【0076】
例えば、左画像と右画像とが類似している場合、輝度の分布も類似していると想定される。したがって、輝度レベル毎の頻度も類似しているため、最小値が選択されても、カウントされない画素数は、比較的少ない。一方、左画像と右画像とが類似していない場合、輝度レベル毎に得られる頻度も、左画像と右画像とで大きく異なる。したがって、最小値が選択された場合、カウントされない画素数が多くなる。
【0077】
図5は、実施の形態1に係る輝度ヒストグラムの第2例を示す図である。図5では、左画像と右画像とが類似していない場合の例が示されている。この場合、輝度レベル毎の頻度が、左画像と右画像とで大きく異なる。そのため、最小値が選択された場合、カウントされない画素数が多くなる。したがって、類似度Dは、低い値になる。
【0078】
類似度算出部12は、上述の式により、左映像と右映像との類似度を所定の時間間隔毎に算出する。第1判定部13は、類似度算出部12によって算出された類似度に基づいて、入力映像がSBS映像であるか、2D映像であるか、または、不明であるかを所定の時間間隔毎に判定する。
【0079】
所定の時間間隔とは、一定の時間間隔であってもよいし、一定ではない時間間隔であってもよい。また、入力映像を構成する複数の入力画像のそれぞれについて、類似度算出部12が類似度を算出し、第1判定部13がその特性を判定してもよい。すなわち、所定の時間間隔は、1フレーム毎のように、表示順における所定の時間間隔であってもよい。
【0080】
なお、上述に示された類似度を算出する方法は、一例であって、別の方法が類似度の算出に用いられてもよい。例えば、画素値を構成する色差が、類似度の算出に用いられてもよい。また、RGB形式の画素値が、類似度の算出に用いられてもよい。また、類似度算出部12は、左画像の複数の画素値と、右画像の複数の画素値とのSAD(Sum of Absolute Difference)値を求めることにより、類似度を算出してもよい。
【0081】
また、上述の方法では、左画像全体の輝度ヒストグラムと、右画像全体の輝度ヒストグラムとが、比較されている。しかし、類似度算出部12は、左画像と右画像とをそれぞれ、さらに複数の小領域に分割して、2つの対応する小領域毎に、2つの輝度ヒストグラムを比較してもよい。すなわち、類似度算出部12は、左画像における相対的な位置と、右画像における相対的な位置とが同じである2つの小領域から、2つの輝度ヒストグラムを取得し、それらを比較してもよい。これにより、2つの画像の類似度が、より適切に算出される。
【0082】
図6は、実施の形態1に係る判定結果の例を示す図である。図6には、時刻t3まで、SBS映像が入力され、その後、2D映像が入力される場合の例が示されている。また、時刻t1から時刻t2までの間、強い光が左映像のみに映りこんでいる状態が想定されている。また、時刻t5から時刻t6までの間、左映像と右映像とが偶然に類似している状態が想定されている。このような状態において、第1判定部13および第2判定部14は、以下のように、入力映像の特性を判定する。
【0083】
まず、時刻t1まで、類似度は、第1閾値以上である。したがって、時刻t1まで、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であると判定する。この場合、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0084】
次に、時刻t1から時刻t2まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0085】
次に、時刻t2から時刻t3まで、類似度は、第1閾値以上である。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であると判定する。この場合、第2判定部14も、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0086】
次に、時刻t3から時刻t4まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0087】
次に、時刻t4から時刻t5まで、類似度は、第2閾値以下である。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像が2D映像であると判定する。この場合、第2判定部14も、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。したがって、第2判定部14は、時刻t4において入力映像がSBS映像から2D映像へ切り替えられたと判定する。
【0088】
次に、時刻t5から時刻t6まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0089】
次に、時刻t6の後、類似度は、第2閾値以下である。したがって、第1判定部13は、入力映像が2D映像であると判定する。この場合、第2判定部14も、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0090】
上述の判定処理により、入力映像がSBS映像であって、比較的類似度が低い場合であっても、映像表示装置10は、入力映像がSBS映像であると判定できる。また、入力映像が2D映像であって、比較的類似度が高い場合であっても、映像表示装置10は、入力映像が2D映像であると判定できる。
【0091】
特に、時刻t1から時刻t2までの間において、入力映像がSBS映像であって、強い光源が左眼映像に映りこんでいる場合でも、映像表示装置10は、入力映像がSBS映像であると適切に判定できる。また、時刻t5から時刻t6までの間において、入力映像が2D映像であって、左映像と右映像とが比較的類似している場合でも、映像表示装置10は、入力映像が2D映像であると適切に判定できる。
【0092】
なお、2段階の閾値を設けることにより、時刻t3から時刻t4までの間、入力映像が、2D映像であっても、SBS映像と判定される。しかし、通常、SBS映像と2D映像との切り替えが発生した時、類似度は瞬時に大きく変動する。そのため、実際には、時刻t3から時刻t4までの間は長くない。したがって、この間による影響は、ほとんど発生しない。
【0093】
図7は、図1に示された映像表示装置10の処理を示すフローチャートである。図1に示された映像表示装置10は、図7に示された処理を繰り返して実行することにより、入力映像の特性を判定し、表示を切り替える。
【0094】
まず、入力映像取得部11は、入力映像を取得する(S101)。入力映像取得部11は、放送を介して、入力映像を取得してもよいし、記録媒体を介して、入力映像を取得してもよい。次に、類似度算出部12は、入力映像を左映像と右映像とに分割する。そして、類似度算出部12は、左映像と右映像との類似度を算出する(S102)。
【0095】
次に、第1判定部13は、類似度が第1閾値以上であるか否かを判定することにより、入力映像がSBS映像であるか否かを判定する(S103)。次に、類似度が第2閾値以下であるか否かを判定することにより、入力映像が2D映像であるか否かを判定する(S104)。
【0096】
第1判定部13は、類似度が、第1閾値以上であるか、第2閾値以下であるか、または、第1閾値よりも小さく第2閾値よりも大きいかを判定することにより、実質的に、第1判定部13は、入力映像が、SBS映像か、2D映像か、または、不明かを判定する。
【0097】
第2判定部14は、類似度が第1閾値以上である場合(S103でYes)、入力映像がSBS映像であると判定する(S106)。また、第2判定部14は、類似度が第2閾値以下である場合(S104でYes)、入力映像が2D映像であると判定する(S108)。
【0098】
また、第2判定部14は、類似度が第1閾値よりも小さく第2閾値よりも大きい場合(S104でNo)、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていたか否かを判定する(S105)。
【0099】
そして、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていた場合(S105でYes)、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると判定する(S106)。一方、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていなかった場合(S105でNo)、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると判定する(S108)。
【0100】
第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定された場合(S106)、表示部15は入力映像を3次元映像として表示する(S107)。一方、第2判定部14で入力映像が2D映像と判定された場合(S108)、表示部15は入力映像を2次元映像として表示する(S109)。
【0101】
これにより、表示部15は、入力映像に応じて、表示を切り替える。また、映像表示装置10は、実質的に2段階の判定処理を行うことにより、より適切に、入力映像の特性を判定することができる。
【0102】
図8は、図1に示された映像表示装置10の特徴的な処理を示すフローチャートである。
【0103】
まず、第1判定部13は、所定の時間間隔毎に入力映像がSBS映像であるか2D映像であるか不明であるかを判定する(S201)。典型的には、第1判定部13は、類似度に基づいて、入力映像が上述の3つのうちのいずれであるかを判定する。第1判定部13は、入力映像に付与された信号から、入力映像がSBS映像であるか2D映像であるかを判定してもよい。そして、第1判定部13は、そのような信号が得られなかった場合、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれであるか不明な映像と判定してもよい。
【0104】
次に、第2判定部14は、第1判定部13によって得られた複数の判定結果に依存させて、入力映像がSBS映像であるか2D映像であるかを判定する(S202)。
【0105】
例えば、図7のフローチャートで示されたように、第2判定部14は、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていたか否かに基づいて、入力映像がSBS映像であるか2D映像であるかを判定する。前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていたか否かは、前回、第1判定部13で入力映像がSBS映像と判定されていたか否かに基づいている。このように、第2判定部14は、実質的に、第1判定部13によって得られた複数の判定結果に基づいて、入力映像の特性を判定する。
【0106】
次に、表示部15は、第2判定部14によって得られた判定結果に基づいて、入力映像の表示を切り替える(S203)。例えば、表示部15が入力映像を2次元映像として表示している時に、入力映像がSBS映像であると第2判定部14で判定される場合がある。このような場合、表示部15は、入力映像を3次元映像として表示することにより、入力映像の表示を切り替える。
【0107】
なお、このような場合、表示部15は、入力映像を3次元映像として表示するか、または、入力映像を2次元映像として表示するかの選択を促すメッセージを表示することにより、入力映像の表示を切り替えてもよい。
【0108】
図9は、図7のフローチャートに基づいて得られる第1判定結果と第2判定結果との関係を示す図である。第1判定結果は、第1判定部13によって得られた事前の判定結果である。第2判定結果は、第2判定部14によって得られた最終の判定結果である。図9には、パターンAからパターンFまでの複数のパターンが示されている。
【0109】
例えば、パターンAでは、最新(今回)の第1判定結果は、SBS映像である。したがって、第2判定結果は、SBS映像になる。パターンBでは、最新の第1判定結果は、2D映像である。したがって、第2判定結果は、2D映像になる。
【0110】
パターンCおよびパターンDでは、最新の第1判定結果は、不明である。したがって、前回の第1判定結果に基づいて、第2判定結果が得られる。
【0111】
さらに、パターンEおよびパターンFでは、最新の第1判定結果、および、前回の第1判定結果が、不明である。したがって、前々回の第1判定結果に基づいて、第2判定結果が得られる。
【0112】
上述のように、第2判定結果は、所定の時間間隔毎の判定によって得られた複数の第1判定結果に基づいて、決定される。すなわち、第2判定部14は、第1判定部13によって得られた複数の第1判定結果に依存させて、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定する。
【0113】
図10は、実施の形態1に係る3次元映像表示の第1例を示す図である。図10に示された例では、第2判定部14で入力映像がSBS映像であると判定された場合、表示部15は、左映像21と右映像22とを時間的に交互に表示する。これにより、画面全体に左映像21と右映像22とが表示される。そして、シャッタメガネ等を介して、左映像21は視聴者の左眼に提示され、右映像22は視聴者の右眼に提示される。これにより、視聴者は、入力映像を3次元映像として認識できる。
【0114】
図11は、実施の形態1に係る3次元映像表示の第2例を示す図である。図11に示された例では、第2判定部14で入力映像がSBS映像であると判定された場合、表示部15は、左映像21と右映像22とを画素ライン毎に交互に表示する。すなわち、表示部15は、左映像21と右映像22とを空間的に交互に表示する。そして、偏光メガネ等を介して、左映像21は視聴者の左眼に提示され、右映像22は視聴者の右眼に提示される。これにより、視聴者は、入力映像を3次元映像として認識できる。
【0115】
図10および図11は、3次元映像表示の一例を示しており、3次元映像表示の方法は、図10および図11の例に限られない。表示部15は、様々な方法で、3次元映像表示を実現することができる。
【0116】
なお、映像表示装置10は、SBS映像を3次元映像として表示するため、SBS映像を左映像21および右映像22に分割し、左映像21および右映像22を水平方向に伸張し、再合成する。SBS映像を3次元映像として表示するためのこのような映像処理は、表示部15が実行してもよいし、別個の独立した映像処理部(図示せず)が実行してもよい。
【0117】
映像表示装置10は、入力映像を2次元映像として表示する場合、このような映像処理を実行せず、入力映像をそのまま表示する。
【0118】
図12は、実施の形態1に係る輝度ヒストグラムの第3例を示す図である。左映像と右映像との類似度に基づいて、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定することが困難な場合がある。
【0119】
例えば、入力映像を構成する入力画像の複数の画素値に偏りがある場合、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定することが困難である。偏りがある場合として、入力映像が単調な映像または平坦な映像である場合がある。また、極端な例として、入力映像が真っ黒な映像である場合がある。このような場合、入力映像に基づいて、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定することは、困難である。
【0120】
図12は、そのような場合における輝度ヒストグラムの例を示している。図12に示された例では、輝度レベル1の範囲に属する画素が集中している。すなわち、入力映像に含まれる画素値に偏りがある。このような場合、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定することは、困難である。したがって、複数の輝度レベルのいずれかにおける頻度が所定の閾値以上である場合、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像であると判定する。
【0121】
なお、上述された判定の基準は、一例であって、判定の基準は、上述の例に限られない。第1判定部13は、入力映像に含まれる複数の画素値の偏りが所定の基準以上である場合、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像であると判定してもよい。そして、この場合、第1判定部13は、類似度にかかわらず、入力映像が不明な映像であると判定する。したがって、この場合、類似度が算出されなくてもよい。
【0122】
そして、第1判定部13は、偏りが所定の基準よりも小さい場合にのみ、類似度に基づいて、入力映像が、SBS映像であるか、2D映像であるか、または、いずれか不明な映像であるかを判定してもよい。
【0123】
例えば、第1判定部13は、偏りが所定の基準よりも小さい場合、かつ、類似度が第1閾値以上である場合、入力映像がSBS映像であると判定する。また、第1判定部13は、偏りが所定の基準よりも小さい場合、かつ、類似度が第2閾値以下である場合、入力映像が2D映像であると判定する。そして、第1判定部13は、偏りが所定の基準以上である場合、または、類似度が第1閾値よりも大きく第2閾値よりも小さい場合、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像であると判定する。
【0124】
入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像である場合、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定しない、または、判定を保留することにより、誤検出を抑制できる。
【0125】
以上のように、実施の形態1に係る映像表示装置10は、入力映像がSBS映像であるか、2D映像であるか、または、SBS映像および2D映像のいずれか不明な映像であるかを判定する。これにより、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かを適切に判定することができる。そして、映像表示装置10は、判定結果に基づいて、適切に入力映像を表示することができる。
【0126】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る映像表示装置は、SBS映像への適合度合いを示すカウンタ値を用いる。そして、映像表示装置は、入力映像がSBS映像である可能性が高い場合に、カウンタ値を増加させ、入力映像がSBS映像である可能性が低い場合に、カウンタ値を減少させる。そして、カウンタ値が閾値に到達した時、映像表示装置は、入力映像の表示を切り替える。
【0127】
図13は、実施の形態2に係る映像表示装置の構成図である。図13に示された映像表示装置10は、実施の形態1と同様、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する。また、映像表示装置10は、入力映像取得部11、類似度算出部12、第1判定部13、カウンタ部16、第2判定部14および表示部15を備える。入力映像取得部11、類似度算出部12、第1判定部13および表示部15は、実施の形態1と同様の構成要素である。
【0128】
カウンタ部16は、SBS映像への適合度合いを示すカウンタ値を更新する。カウンタ値は、カウンタ部16の内部に保持されていてもよいし、別個の独立した記憶部(図示せず)に保持されていてもよい。
【0129】
例えば、入力映像がSBS映像であると第1判定部13で判定された場合、カウンタ部16はカウンタ値を増加させる。また、入力映像が2D映像であると第1判定部13で判定された場合、カウンタ部16はカウンタ値を減少させる。そして、入力映像が不明な映像であると第1判定部13で判定された場合、カウンタ部16は、カウンタ値を増減させる処理を実行せずに、カウンタ値を維持する。これにより、カウンタ値は、第1判定部13で得られた複数の判定結果に基づく値に更新される。
【0130】
典型的には、カウンタ部16は、カウンタ値を1ずつ増加させ、または、カウンタ値を1ずつ減少させるが、1よりも大きい値で増減させてもよい。
【0131】
第2判定部14は、カウンタ値に基づいて、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを最終的に判定する。
【0132】
具体的には、第2判定部14は、カウンタ値が、予め定められた第1カウンタ閾値(以下、SBS閾値とも呼ぶ)以上である場合、入力映像がSBS映像であると判定する。また、第2判定部14は、カウンタ値が、予め定められた第2カウンタ閾値(以下、2D閾値とも呼ぶ)以下である場合、入力映像が2D映像であると判定する。第2カウンタ閾値は、第1カウンタ閾値よりも小さい値である。
【0133】
そして、第2判定部14は、カウンタ値が、第1カウンタ閾値よりも小さく、第2カウンタ閾値よりも大きい場合、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれであるかを判定する。
【0134】
なお、カウンタ値には、上限値と下限値とが設定されていてもよい。すなわち、入力映像がSBS映像であると第1判定部13で判定された場合でも、カウンタ値が上限値と同じ値である場合、カウンタ部16はカウンタ値を維持する。また、入力映像が2D映像であると第1判定部13で判定された場合でも、カウンタ値が下限値と同じ値である場合、カウンタ部16はカウンタ値を維持する。
【0135】
これにより、映像表示装置10は、カウンタ値が過大または過小になることを抑制できる。したがって、映像表示装置10は、SBS映像と2D映像との切り替えを早期に検出できる。
【0136】
上限値は、第1カウンタ閾値と同じであってもよいし、第1カウンタ閾値よりも大きい値であってもよい。下限値は、第2カウンタ閾値と同じであってもよいし、第2カウンタ閾値よりも小さい値であってもよい。
【0137】
上限値と第1カウンタ閾値とが同じ値であって、下限値と第2カウンタ閾値とが同じ値である場合、カウンタ値が比較的小さな範囲に限定され、簡潔な構造で、判定処理が実現される。上限値が第1カウンタ閾値よりも大きい値であって、下限値が第2カウンタ閾値よりも小さい値である場合、表示を切り替えるタイミングがより柔軟に設定される。したがって、より適切な判定処理が実現される。
【0138】
実施の形態2では、上限値と第1カウンタ閾値とが同じ値であって、下限値と第2カウンタ閾値とが同じ値である場合が想定されている。上限値が第1カウンタ閾値よりも大きい値であって、下限値が第2カウンタ閾値よりも小さい値である場合については、実施の形態2の変形例として、後述する。
【0139】
図14は、実施の形態2に係る判定結果の第1例を示す図である。図14では、時刻t5まで、SBS映像が入力され、その後、2D映像が入力される場合の例が示されている。また、時刻t1から時刻t4までの間、強い光が左映像のみに映りこんでいる状態が想定されている。このような状態において、第1判定部13および第2判定部14は、以下のように、入力映像の特性を判定する。
【0140】
まず、時刻t1まで、類似度は、第1閾値以上である。したがって、時刻t1まで、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であると判定する。本来であれば、この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を増加させる。しかし、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達しているため、カウンタ部16は、カウンタ値を増加させずに、維持する。また、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達しているため、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0141】
次に、時刻t1から時刻t2まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を更新せずに、維持する。また、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達しているため、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0142】
次に、時刻t2から時刻t3まで、類似度は、第2閾値以下である。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像が2D映像であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を減少させる。そして、カウンタ値は、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値になる。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0143】
次に、時刻t3から時刻t4まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を更新せずに、維持する。
【0144】
そして、カウンタ値は、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値に維持される。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0145】
次に、時刻t4から時刻t5まで、類似度は、第1閾値以上である。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を上限値に到達するまで増加させる。
【0146】
カウンタ値が、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値である場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。また、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達した後も、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0147】
次に、時刻t5から時刻t6まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を更新せずに、維持する。また、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達しているため、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0148】
次に、時刻t6の後、類似度は、第2閾値以下である。したがって、第1判定部13は、入力映像が2D映像であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を下限値に到達するまで減少させる。
【0149】
カウンタ値が、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値である場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。
【0150】
また、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達した後、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。すなわち、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達した時、最終判定結果が切り替えられる。
【0151】
上述の判定処理により、時刻t2から時刻t3までのように、類似度が一時的に著しく低くなるような場合であっても、判定結果が維持される。したがって、左眼映像と右眼映像との間に、一時的に大きな差が発生した場合であっても、映像表示装置10は、入力映像がSBS映像であるか否かを適切に判定することができる。また、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像である場合、カウンタ値が維持される。これにより、誤検出が抑制される。
【0152】
なお、時刻t5の後、カウンタ値が下限値に到達するまで、2D映像である入力映像が、SBS映像と判定される。この時間は、上限値と下限値とを適切な値に設定することにより、調整可能である。
【0153】
図15は、実施の形態2に係る判定結果の第2例を示す図である。図15では、時刻t6まで、2D映像が入力され、その後、SBS映像が入力される場合の例が示されている。また、時刻t1から時刻t4までの間、2D映像の左映像と右映像とが偶然に類似している状態が想定されている。このような状態において、第1判定部13および第2判定部14は、以下のように、入力映像の特性を判定する。
【0154】
まず、時刻t1まで、類似度は、第2閾値以下である。したがって、時刻t1まで、第1判定部13は、入力映像が2D映像であると判定する。本来であれば、この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を減少させる。しかし、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達しているため、カウンタ部16は、カウンタ値を減少させずに、維持する。また、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達しているため、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0155】
次に、時刻t1から時刻t2まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を更新せずに、維持する。また、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達しているため、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0156】
次に、時刻t2から時刻t3まで、類似度は、第1閾値以上である。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を増加させる。そして、カウンタ値は、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値になる。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0157】
次に、時刻t3から時刻t4まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を更新せずに、維持する。
【0158】
そして、カウンタ値は、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値に維持される。この場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0159】
次に、時刻t4から時刻t5まで、類似度は、第2閾値以下である。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像が2D映像であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を下限値に到達するまで減少させる。
【0160】
カウンタ値が、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値である場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。また、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達した後も、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0161】
次に、時刻t5から時刻t6まで、類似度は、第1閾値未満であって、第2閾値よりも大きい。したがって、この間、第1判定部13は、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を更新せずに、維持する。また、カウンタ値が第2カウンタ閾値である下限値に到達しているため、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0162】
次に、時刻t6の後、類似度は、第1閾値以上である。したがって、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であると判定する。この場合、カウンタ部16は、カウンタ値を上限値に到達するまで増加させる。
【0163】
カウンタ値が、第1カウンタ閾値である上限値よりも小さく、第2カウンタ閾値である下限値よりも大きい値である場合、第2判定部14は、第2判定部14で判定された前回の判定結果と同じになるように、入力映像の特性を判定する。すなわち、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると最終的に判定する。
【0164】
また、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達した後、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると最終的に判定する。すなわち、カウンタ値が第1カウンタ閾値である上限値に到達した時、最終判定結果が切り替えられる。
【0165】
上述の判定処理により、時刻t2から時刻t3までのように、類似度が一時的に著しく高くなるような場合であっても、判定結果が維持される。したがって、2D映像の左映像と右映像とが一時的に同じような映像になった場合であっても、映像表示装置10は、入力映像がSBS映像であるか否かを適切に判定することができる。また、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像である場合、カウンタ値が維持される。これにより、誤検出が抑制される。
【0166】
なお、時刻t5の後、カウンタ値が上限値に到達するまで、SBS映像である入力映像が、2D映像と判定される。この時間は、上限値と下限値とを適切な値に設定することにより、調整可能である。
【0167】
2D映像とSBS映像との切り替えが短期間に繰り返されることは、稀である。そのため、類似度に基づく判定結果の頻繁な変更は、SBS映像と2D映像との切り替え以外の理由で発生したと想定される。したがって、映像表示装置10は、カウンタを用いて、頻繁な切り替えを抑制する。また、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像である場合、映像表示装置10は、カウンタ値を維持する。これにより、映像表示装置10は、より適切に入力映像の特性を判定する。
【0168】
図16は、図13に示された映像表示装置10の処理を示すフローチャートである。図13に示された映像表示装置10は、図16に示された処理を繰り返して実行することにより、入力映像の特性を判定し、表示を切り替える。
【0169】
まず、入力映像取得部11は、入力映像を取得する(S301)。入力映像取得部11は、放送を介して、入力映像を取得してもよいし、記録媒体を介して、入力映像を取得してもよい。次に、類似度算出部12は、入力映像を左映像と右映像とに分割する。そして、類似度算出部12は、左映像と右映像との類似度を算出する(S302)。
【0170】
次に、第1判定部13は、類似度が第1閾値以上であるか否かを判定することにより、入力映像がSBS映像であるか否かを判定する(S303)。次に、類似度が第2閾値以下であるか否かを判定することにより、入力映像が2D映像であるか否かを判定する(S304)。ここまでの処理は、実施の形態1と同様である。
【0171】
カウンタ部16は、類似度が第1閾値以上である場合(S303でYes)、カウンタ値を増加させる(S305)。また、カウンタ部16は、類似度が第2閾値以下である場合(S304でYes)、カウンタ値を減少させる(S306)。
【0172】
また、カウンタ部16は、類似度が第1閾値よりも小さく第2閾値よりも大きい場合(S304でNo)、カウンタ値を更新せずに、維持する。
【0173】
次に、第2判定部14は、カウンタ値が上限値である場合(S307でYes)、入力映像がSBS映像であると判定する(S310)。また、第2判定部14は、カウンタ値が下限値である場合(S308でYes)、入力映像が2D映像であると判定する(S312)。
【0174】
また、第2判定部14は、カウンタ値が上限値よりも小さく下限値よりも大きい場合(S308でNo)、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていたか否かを判定する(S309)。
【0175】
そして、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていた場合(S309でYes)、第2判定部14は、入力映像がSBS映像であると判定する(S310)。一方、前回、第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定されていなかった場合(S309でNo)、第2判定部14は、入力映像が2D映像であると判定する(S312)。
【0176】
第2判定部14で入力映像がSBS映像と判定された場合(S310)、表示部15は入力映像を3次元映像として表示する(S311)。一方、第2判定部14で入力映像が2D映像と判定された場合(S312)、表示部15は入力映像を2次元映像として表示する(S313)。
【0177】
これにより、表示部15は、入力映像に応じて、表示を切り替える。また、映像表示装置10は、実質的に2段階の判定処理を行うことにより、より適切に、入力映像の特性を判定することができる。
【0178】
次に、実施の形態2の変形例について述べる。実施の形態2の変形例に係る映像表示装置は、実施の形態2に係る映像表示装置10と同様の構成要素を備える。実施の形態2では、上限値が、第1カウンタ閾値(SBS閾値)よりも大きい値であって、下限値が、第2カウンタ閾値(2D閾値)よりも小さい値である。また、表示部15は、最終判定結果が変更された時に、入力映像を3次元映像として表示するか、または、入力映像を2次元映像として表示するかの選択を促すメッセージを表示することにより、入力映像の表示を切り替える。
【0179】
図17は、実施の形態2の変形例に係る判定結果の例を示す図である。第1判定部13による第1判定結果がSBS映像である場合、カウンタ部16はカウンタ値に1を足す。第1判定結果が2D映像である場合、カウンタ部16はカウンタ値から1を引く。第1判定結果が不明である場合、カウンタ部16はカウンタ値を更新しない。これにより、カウンタ値が、増加、減少、または、維持される。
【0180】
カウンタ値がSBS閾値に到達した時、表示部15は、3D表示に切り替えるか否かの選択を視聴者に促すメッセージを表示する。表示部15は、視聴者の操作に従って、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する。すなわち、視聴者が3D表示への切り替えを選択した場合、表示部15は、入力映像を3次元映像として表示する。視聴者が3D表示への切り替えを選択しなかった場合、表示部15は、入力映像を2次元映像として表示する。
【0181】
また、カウンタ値が2D閾値に到達した時、表示部15は、2D表示に切り替えるか否かの選択を視聴者に促すメッセージを表示する。表示部15は、視聴者の操作に従って、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する。すなわち、視聴者が2D表示への切り替えを選択した場合、表示部15は、入力映像を2次元映像として表示する。視聴者が2D表示への切り替えを選択しなかった場合、表示部15は、入力映像を3次元映像として表示する。
【0182】
映像表示装置10は、視聴者の操作を受け付けるための別個の独立した操作インタフェース部を備えていてもよい。
【0183】
また、図17に示されているように、上限値は、SBS閾値よりも大きい。そして、下限値は、2D閾値よりも小さい。上限値、下限値、SBS閾値および2D閾値との組み合わせにより、柔軟に判定処理が調整される。
【0184】
図18は、実施の形態2の変形例に係る映像表示装置10の処理を示すフローチャートである。映像表示装置10は、図18に示された処理を繰り返して実行することにより、入力映像の特性を判定し、表示を切り替える。
【0185】
まず、第1判定部13は、入力映像がSBS映像であるか、2D映像であるか、または、SBS映像および2D映像のいずれか不明な映像であるかを判定する(S401)。典型的には、第1判定部13は、類似度に基づいて、入力映像の特性を判定する。第1判定部13は、入力映像に付与された信号から、入力映像がSBS映像であるか2D映像であるかを判定してもよい。また、第1判定部13は、入力映像に含まれる複数の画素値に偏りがある場合、入力映像が不明であると判定してもよい。
【0186】
入力映像がSBS映像であると第1判定部13で判定された場合、カウンタ部16はカウンタ値を増加させる(S402)。そして、第2判定部14は、カウンタ値がSBS閾値未満の値からSBS閾値以上の値へ変化したか否かを判定する(S403)。
【0187】
カウンタ値がSBS閾値未満の値からSBS閾値以上の値へ変化した場合(S403でYes)、表示部15は、3D表示に切り替えるか否かを選択するためのメッセージをOSD(On Screen Display)により表示する(S404)。表示部15は、入力映像が2次元映像として表示されている場合にのみ、上記メッセージを表示することが好ましい。そして、視聴者が3D表示への切り替えを選択した場合、表示部15は、入力映像を3次元映像として表示する。
【0188】
入力映像が2D映像であると第1判定部13で判定された場合、カウンタ部16はカウンタ値を減少させる(S405)。そして、第2判定部14は、カウンタ値が2D閾値より大きい値から2D閾値以下の値へ変化したか否かを判定する(S406)。
【0189】
カウンタ値が2D閾値より大きい値から2D閾値以下の値へ変化した場合(S406でYes)、表示部15は、2D表示に切り替えるか否かを選択するためのメッセージをOSDにより表示する(S407)。表示部15は、入力映像が3次元映像として表示されている場合にのみ、上記メッセージを表示することが好ましい。そして、視聴者が2D表示への切り替えを選択した場合、表示部15は、入力映像を3次元映像として表示する。
【0190】
入力映像が不明であると第1判定部13で判定された場合、表示部15は、メッセージを表示しない。また、カウンタ値がSBS閾値または2D閾値に到達しなかった場合(S403でNo、または、S406でNo)、表示部15は、メッセージを表示しない。この場合、表示部15は、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する状態を継続する。
【0191】
上述に示された処理によって、映像表示装置10は、実質的に2段階の判定処理を行って、判定結果が変化したタイミングで、切り替えのメッセージを表示する。また、入力映像がSBS映像および2D映像のいずれか不明な映像である場合、現状の表示が維持される。これにより、誤検出が抑制される。
【0192】
以上のように、実施の形態2に係る映像表示装置10は、入力映像がSBS映像であるか、2D映像であるか、または、SBS映像および2D映像のいずれか不明な映像であるかを判定する。映像表示装置10は、その結果に応じて、カウンタ値を増減させ、または、カウンタ値を維持する。そして、映像表示装置10は、カウンタ値に応じて、最終的に、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定する。
【0193】
これにより、入力映像が3次元映像を表示するための映像であるか否かを適切に判定することができる。そして、映像表示装置10は、判定結果に基づいて、適切に入力映像を表示することができる。
【0194】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2で示された映像表示装置の利用形態を示す。実施の形態3に係る映像表示装置は、実施の形態1または実施の形態2に係る映像表示装置と同様の構成要素を備える。
【0195】
図19は、実施の形態3に係る映像表示装置の外観図である。図19に示された実施の形態3に係る映像表示装置31は、テレビジョン受像機として実現される。映像表示装置31は、放送を介して、入力映像を取得する。放送は、インターネット放送などであってもよい。映像表示装置31は、放送を介して取得した入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを判定する。
【0196】
そして、映像表示装置31は、判定結果に基づいて、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する。映像表示装置31は、判定結果が切り替わった時、入力映像を3次元映像として表示するか、または、入力映像を2次元映像として表示するかを選択するためのメッセージを表示してもよい。
【0197】
図20は、図19に示された映像表示装置31の利用形態の例を示す図である。図20の例では、視聴者32が、映像表示装置31によって表示されている映像を視聴している。ここでは、映像表示装置31は、入力映像を3次元映像として表示しており、視聴者32は、メガネ33を介して、3次元映像として表示されている映像を視聴している。メガネ33によって、左眼映像は、視聴者32の左眼に提示され、右眼映像は、視聴者32の右眼に提示される。これにより、視聴者32は、映像を立体的に認識することができる。
【0198】
図21は、実施の形態3に係る画面表示の例を示す図である。この例において、映像表示装置31は、判定結果が2D映像からSBS映像へ切り替わった時に、3D表示に切り替えるか否かを選択するためのメッセージを表示している。視聴者32は、リモコン(リモートコントローラ)34を利用して、3D表示に切り替えるか否かを選択することができる。ここで、視聴者32が3D表示に切り替えることを選択した場合、映像表示装置31は、入力映像を3次元映像として表示するための映像処理を実行して、入力映像を3次元映像として表示する。
【0199】
以上のように、実施の形態3に係る映像表示装置31は、テレビジョン受像機として実現される。そして、映像表示装置31は、放送を介して得られる入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかを適切に判定し、入力映像の表示を切り替えることができる。
【0200】
以上、本発明に係る映像表示装置について、複数の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はそれらの実施の形態に限定されるものではない。それらの実施の形態に対して当業者が思いつく変形を施して得られる形態、および、それらの実施の形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される別の形態も本発明に含まれる。
【0201】
例えば、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0202】
また、上述の複数の実施の形態において、入力映像がSBS映像であるか、または、2D映像であるかが判定されている。しかし、SBS映像のみに限られず、入力映像が3次元映像として表示するための映像であるか、または、2次元映像として表示するための映像であるかが判定されてもよい。例えば、入力映像がTAB映像であるか否かが判定されてもよい。
【0203】
この場合、類似度算出部12は、入力映像を上側と下側との2つの領域に分割し、2つの領域から得られる2つの映像の類似度を算出する。そして、第1判定部13は、類似度算出部12で算出された類似度が、第1閾値以上である場合、入力映像が、3次元映像を構成する2つの映像を含むTAB映像であると判定する。
【0204】
また、本発明は、映像表示装置として実現できるだけでなく、映像表示装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現できる。例えば、それらのステップは、コンピュータによって実行される。そして、本発明は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本発明は、そのプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0205】
また、映像表示装置に含まれる複数の構成要素は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称されることもある。
【0206】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0207】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、映像表示装置に含まれる構成要素の集積回路化を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本発明に係る映像表示装置は、入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する映像表示装置に適用可能であって、テレビジョン受像機、携帯電話、または、ゲーム機等の様々な映像表示装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0209】
10、31 映像表示装置
11 入力映像取得部
12 類似度算出部
13 第1判定部
14 第2判定部
15 表示部
16 カウンタ部
20 入力映像(入力画像)
21、95 左映像(左画像)
22、96 右映像(右画像)
23 上映像(上画像)
24 下映像(下画像)
32 視聴者
33 メガネ
34 リモコン(リモートコントローラ)
91 左カメラ
92 右カメラ
93 被写体
94 光源
97 SBS映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する映像表示装置であって、
前記入力映像を取得する入力映像取得部と、
前記入力映像を複数の領域に分割し、前記複数の領域から得られる複数の映像の類似度合いを示す類似度を算出する類似度算出部と、
前記入力映像が、前記3次元映像として表示するための第1映像であるか、前記2次元映像として表示するための第2映像であるか、または、前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかが不明な第3映像であるかを所定の時間間隔毎に判定する第1判定部と、
前記第1判定部で得られた複数の判定結果に依存させて、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定する第2判定部と、
前記第2判定部で得られた判定結果に依存させて、前記入力映像の表示を切り替える表示部とを備え、
前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、予め定められた第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、
前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さい予め定められた第2類似度閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定し、
前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さく、前記第2類似度閾値よりも大きい場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定する
映像表示装置。
【請求項2】
前記第2判定部は、前記入力映像が前記第3映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記第2判定部で判定された前回の判定結果と同じになるように、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定する
請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記第2判定部は、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、
前記第2判定部は、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定する
請求項1または2に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記映像表示装置は、さらに、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記第1映像への適合度合いを示すカウンタ値を増加させ、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を減少させ、前記入力映像が前記第3映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持するカウンタ部を備え、
前記第2判定部は、前記カウンタ値が、予め定められた第1カウンタ閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、
前記第2判定部は、前記カウンタ値が、前記第1カウンタ閾値よりも小さい予め定められた第2カウンタ閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定し、
前記第2判定部は、前記カウンタ値が、前記第1カウンタ閾値よりも小さく、前記第2カウンタ閾値よりも大きい場合、前記第2判定部で判定された前回の判定結果と同じになるように、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定する
請求項1または2に記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記カウンタ部は、前記カウンタ値が前記第1カウンタ閾値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持し、
前記カウンタ部は、前記カウンタ値が前記第2カウンタ閾値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持する
請求項4に記載の映像表示装置。
【請求項6】
前記カウンタ部は、前記カウンタ値が、前記第1カウンタ閾値よりも大きい予め定められた上限値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第1映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持し、
前記カウンタ部は、前記カウンタ値が、前記第2カウンタ閾値よりも小さい予め定められた下限値と同じ値であって、かつ、前記入力映像が前記第2映像であると前記第1判定部で判定された場合、前記カウンタ値を維持する
請求項4に記載の映像表示装置。
【請求項7】
前記類似度算出部は、前記入力映像を左側と右側との2つの領域に分割し、前記2つの領域から得られる2つの映像の類似度合いを示す前記類似度を算出し、
前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が、前記3次元映像を構成する前記2つの映像を含む前記第1映像であると判定する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項8】
前記類似度算出部は、前記入力映像を上側と下側との2つの領域に分割し、前記2つの領域から得られる2つの映像の類似度合いを示す前記類似度を算出し、
前記第1判定部は、前記類似度算出部で算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が、前記3次元映像を構成する前記2つの映像を含む前記第1映像であると判定する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項9】
前記第1判定部は、前記入力映像に含まれる複数の画素値の偏りが所定の基準以上である場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定し、
前記第1判定部は、前記偏りが前記所定の基準よりも小さい場合、かつ、前記類似度が前記第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、
前記第1判定部は、前記偏りが前記所定の基準よりも小さい場合、かつ、前記類似度が前記第2類似度閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定する
請求項1〜8のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項10】
前記類似度算出部は、前記複数の領域の各領域から前記各領域に含まれる複数の画素値の分布を示すヒストグラムを取得することにより、複数のヒストグラムを取得し、前記分布の一致度合いを算出するためのヒストグラム・インタセクションを用いて、前記複数のヒストグラムから前記類似度を算出し、
前記第1判定部は、前記複数のヒストグラムから得られる前記偏りが前記所定の基準以上である場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定する
請求項9に記載の映像表示装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記入力映像が前記第1映像であると前記第2判定部で判定された場合、前記入力映像を前記3次元映像として表示し、前記入力映像が前記第2映像であると前記第2判定部で判定された場合、前記入力映像を前記2次元映像として表示することにより、前記入力映像の表示を切り替える
請求項1〜10のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項12】
前記表示部は、前記第2判定部で得られた判定結果に変更があった場合、前記入力映像を前記3次元映像として表示するか、または、前記入力映像を前記2次元映像として表示するかの選択を促すメッセージを表示することにより、前記入力映像の表示を切り替える
請求項1〜10のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項13】
前記入力映像取得部は、前記入力映像を放送または記録媒体を介して取得する
請求項1〜12のいずれか1項に記載の映像表示装置。
【請求項14】
入力映像を3次元映像または2次元映像として表示する映像表示方法であって、
前記入力映像を取得する入力映像取得ステップと、
前記入力映像を複数の領域に分割し、前記複数の領域から得られる複数の映像の類似度合いを示す類似度を算出する類似度算出ステップと、
前記入力映像が、前記3次元映像として表示するための第1映像であるか、前記2次元映像として表示するための第2映像であるか、または、前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかが不明な第3映像であるかを所定の時間間隔毎に判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップで得られた複数の判定結果に依存させて、前記入力映像が前記第1映像および前記第2映像のいずれであるかを判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップで得られた判定結果に依存させて、前記入力映像の表示を切り替える表示ステップとを含み、
前記第1判定ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された前記類似度が、予め定められた第1類似度閾値以上である場合、前記入力映像が前記第1映像であると判定し、
前記第1判定ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さい予め定められた第2類似度閾値以下である場合、前記入力映像が前記第2映像であると判定し、
前記第1判定ステップでは、前記類似度算出ステップで算出された前記類似度が、前記第1類似度閾値よりも小さく、前記第2類似度閾値よりも大きい場合、前記入力映像が前記第3映像であると判定する
映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−156639(P2012−156639A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12088(P2011−12088)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】