説明

映像記録装置

【課題】映像信号を処理するソフトウェアの使用が容易で、かつソフトウェアの不正使用を防止できる映像記録装置を提供する。
【解決手段】外部から入力される映像信号を取得する信号取得部20、映像信号を記録するための映像信号記録領域111と、映像記録装置を特定する第1の認証情報を含み、映像信号記録領域111に記録された映像信号に対して信号処理を行うためのソフトウェアが予め記録されており、かつ映像信号の記録が禁止されているデータ記録領域112とを有する第1の記録部11、コンピュータ2が、第1の認証情報と照合し、その照合結果が一致した場合のみソフトウェアを実行することを可能とさせるための第2の認証情報を記憶している第2の記録部50、第1の記録部11の接続先を信号取得部20及びコンピュータ2のいずれかに切り替えるインタフェース部30、信号取得部20とインタフェース部30とを制御する制御部40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号を記録する記録媒体を有する映像記録装置に係り、特に映像信号を処理するソフトウェアを実行するコンピュータが接続可能な映像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体にデジタル記録された動画及び静止画等の映像信号に対して閲覧、再生、加工、編集、印刷等のデータ処理を行う外部コンピュータ用ソフトウェア(以下において、単に「ソフトウェア」という。)は、通常、インストーラによって外部コンピュータにインストールされる形式で用いられる。デジタル記録された映像信号を処理するソフトウェアにおいては、ソフトウェアの開発者以外に、映像データ圧縮・伸張アルゴリズムの開発者等の知的財産権が関わる。そのため、不正な配布を防止することが、ソフトウェアの配布条件となる場合がある。インストーラを使用する目的の一つは、ユーザがインストールの際に外部コンピュータに入力するキーコードによって、ソフトウェアの不正な配布を防止し、使用権のないユーザがソフトウェアを不正に使用することを防ぐためである。
【0003】
しかし、コンピュータにインストールされるソフトウェアの使用権は、ユーザの所有する1台のコンピュータに限定されることが一般的であり、ユーザの所有する2台目のコンピュータや、ユーザ所有以外のコンピュータでは使用することができない。つまり、コンピュータと映像記録装置が接続された場合に記録された映像信号を処理するソフトウェアを即時使用できない場合があり、映像信号を処理するソフトウェアの使用が困難な場合があるという問題があった。
【0004】
また、ソフトウェアは第3者によって容易に消去されない必要があり、更に、使用権がない者によるソフトウェアの不正な使用を防止する必要がある。映像記録装置が内蔵するハードディスク装置(HDD)等の記録媒体がパーティションで分割された複数の領域(以下において、「ボリューム」という。)を備え、記録されたデータを消去可能なボリュームと消去不可能なボリュームとを有する映像記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、特許文献1に開示された映像記録装置は、記録媒体に記録された再生専用データと記録データを別に扱うことを特徴としており、外部コンピュータによって実行される映像信号処理用ソフトウェアを記録媒体に記録するものではない。ソフトウェアは、映像装置に接続される外部コンピュータに記録され、実行される。そのため、ソフトウェアを他の記録媒体に複写して利用することを制限できず、不正な配布を防止できない。つまり、第3者によるソフトウェアの消去や、不正な使用を防止することが困難であるという問題があった。
【特許文献1】特開2005−235339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、映像信号を処理するソフトウェアの使用が容易で、かつソフトウェアの不正使用を防止できる映像記録装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、外部のコンピュータに接続可能な映像記録装置であって、(イ)外部から入力される映像信号を取得する信号取得部と、(ロ)映像信号を記録するための映像信号記録領域と、映像記録装置を特定する第1の認証情報を含み、映像信号記録領域に記録された映像信号に対して信号処理を行うためのソフトウェアが予め記録されており、かつ、映像信号の記録が禁止されているデータ記録領域とを有する第1の記録部と、(ハ)コンピュータが、第1の認証情報と照合し、その照合結果が一致した場合のみ、ソフトウェアを実行することを可能とさせるための第2の認証情報を記憶している第2の記録部と、(ニ)第1の記録部の接続先を信号取得部及びコンピュータのいずれかに切り替えるインタフェース部と、(ホ)信号取得部とインタフェース部とを制御する制御部とを備え、制御部が、映像信号を記録する場合は、第1の記録部と信号取得部とを接続するようにインタフェース部を制御するとともに、映像信号の取得を行わせ映像信号記録領域に映像信号を記録させるように信号取得部を制御し、コンピュータに映像信号記録領域に記録された映像信号に対して信号処理させる場合は、第1の記録部とコンピュータとを接続させるようにインタフェース部を制御する映像記録装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、映像信号を処理するソフトウェアの使用が容易で、かつソフトウェアの不正使用を防止できる映像記録装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
本発明の実施の形態に係る映像記録装置1は、外部のコンピュータ2に接続可能な映像記録装置1であって、外部から入力される映像信号を取得する信号取得部20と、映像信号を記録するための映像信号記録領域111と、映像記録装置を特定する第1の認証情報を含み、映像信号記録領域111に記録された映像信号に対して信号処理を行うためのソフトウェアが予め記録されており、かつ、映像信号の記録が禁止されているデータ記録領域112とを有する第1の記録部11と、コンピュータ2が、第1の認証情報と照合し、その照合結果が一致した場合のみ、ソフトウェアを実行することを可能とさせるための第2の認証情報を記憶している第2の記録部50と、第1の記録部11の接続先を信号取得部20及びコンピュータ2のいずれかに切り替えるインタフェース部30と、信号取得部20とインタフェース部30とを制御する制御部40とを備える。制御部40は、映像信号を記録する場合は、第1の記録部11と信号取得部20とを接続するようにインタフェース部30を制御するとともに、映像信号の取得を行わせ映像信号記録領域111に映像信号を記録させるように信号取得部20を制御し、コンピュータ2に映像信号記録領域111に記録された映像信号に対して信号処理させる場合は、第1の記録部11とコンピュータ2とを接続させるようにインタフェース部30を制御する。
【0010】
映像記録装置1は制御部40を更に備える。制御部40は、映像記録装置1に内蔵される図示を省略する半導体メモリ等の記録装置に記録されたファームウェアによって、映像記録装置1全体の機能を制御する。
【0011】
第1の記録部11、第2の記録部50としては、HDD、半導体メモリ等が採用可能である。第1の記録部11に記録されたデータは、コンピュータ2によってアクセス可能とするため、一般的なファイルシステムとして使用されるファイル・アロケーション・テーブル(FAT)形式等が採用可能である。また、映像記録装置1とコンピュータ2の接続には、例えばユニバーサル・シリアル・バス(USB)等が採用可能である。
【0012】
第1の記録部11は、図1に示すように、メモリコントローラ12を有する信号記録部10に含まれる。メモリコントローラ12は、第1の記録部11におけるデータ読み出し、データ書き込み、及びフォーマット等を制御する。
【0013】
図2に示すように、第1の記録部11は映像信号記録領域111及びハッチングで示したデータ記録領域112を有する。映像信号記録領域111に、映像記録装置1によって取得された映像信号が記録される。データ記録領域112に、第1の記録部11に記録される映像信号を処理するソフトウェアが記録される。既に述べたように、データ記録領域112に記録されたソフトウェアは、映像記録装置1を特定する第1の認証情報をデータとして含む。映像信号記録領域111及びデータ記録領域112は、第1の記録部11をパーティションで分割して設定されたボリュームであり、制御部40に制御されたメモリコントローラ12によって異なる管理がなされる。
【0014】
図3に、映像信号記録領域111及びデータ記録領域112に対する管理例を示す。映像信号記録領域111は、映像信号が記録され、領域のフォーマット及び外部からのデータ書き込みが許可される。データ記録領域112は、映像信号が記録されず、領域のフォーマット及び外部からのデータ書き込みが禁止される。「領域のフォーマット」とは、第1の記録部11に記録された動画ファイルまたは静止画ファイルが不要になった場合や、ファイルシステムに何らかの障害が生じた場合に、映像記録装置1の操作によって第1の記録部11を初期化する機能である。第1の記録部11のフォーマットはボリューム単位で行われるため、映像信号記録領域111をフォーマットしても、データ記録領域112に記録されたデータは全く影響を受けない。
【0015】
以上の記録領域の管理内容は一例であり、実際には映像記録装置1の仕様により管理内容は決定される。また、映像記録装置1の操作によって記録領域の管理内容を変更するようにしてもよい。図2では、第1の記録部11が映像信号記録領域111及びデータ記録領域112の2つのボリュームを有する例を示した。しかし、第1の記録部11が3以上のボリュームを有し、そのうちの少なくとも1つをソフトウェアが記録されたデータ記録領域としてもかまわないのは勿論である。
【0016】
信号取得部20は、入力された映像データや音声データをデジタル信号に変換し、モーション・ピクチャ・エキスパーツ・グループ(MPEG)−2形式等の映像信号を取得する。信号取得部20は、図1に示すように撮像素子21、映像信号処理器22、映像量子化器23、映像符号器24、情報多重器25、録音マイク26、音声量子化器27及び音声符号器28を有する。
【0017】
撮像素子21は、図示を省略する撮影レンズ等を介して取得された入力光等の映像データを画素の配列により電気信号に変換する。映像信号処理器22は、撮像素子21から転送された電気信号を処理して、色差信号等に変換する。映像信号処理器22によって変換された信号は、映像量子化器23によって量子化された後、映像符号器24により圧縮符号化される。また、録音マイク26によって取得された音声データは、音声量子化器27によって量子化された後、音声符号器28によって圧縮符号化される。圧縮符号化された映像データ及び音声データは、情報多重器25によって多重化される。
【0018】
インタフェース部30は、映像データ・音声データの取得時は、信号取得部20と信号記録部10を接続する。映像記録装置1にコンピュータ2が接続された場合は、インタフェース部30は、コンピュータ2と信号記録部10を接続する。インタフェース部30による信号取得部20或いはコンピュータ2と第1の記録部11の接続の切り替え方法としては、映像記録装置1に付属の切り替えボタン等によるユーザによる手動の切り替え、映像記録装置1とコンピュータ2との接続を検知することによる自動切り替え等が採用可能である。
【0019】
信号取得部20と第1の記録部11が接続された場合、情報多重器25から出力される多重化されたデジタル信号DTが、信号取得部20からインタフェース部30を介して第1の記録部11に転送される。このとき、制御部40によってメモリコントローラ12が制御され、デジタル信号DTは第1の記録部11の映像信号記録領域111に記録される。つまり、映像記録装置1はデジタルビデオカメラとして機能する。
【0020】
コンピュータ2と第1の記録部11が接続された場合、コンピュータ2は、メモリコントローラ12を制御して、信号記録部10を外部記録装置として使用できる。その場合、コンピュータ2は、第1の記録部11の映像信号記録領域111とデータ記録領域112を独立したボリュームとして使用する。例えばコンピュータ2は、映像信号記録領域111及びデータ記録領域112をそれぞれ「ドライブF」及び「ドライブG」等として認識する。そして、コンピュータ2は、例えば「ドライブF」をデータの書き込みが可能なデータ記録用ボリューム、「ドライブG」を記録されたソフトウェアを読み出せるがデータを書き込めないソフトウェア専用ボリュームとして使用する。
【0021】
以下に、映像記録装置1とコンピュータ2がUSBで接続される場合を例示的に説明する。図4に、USBデバイスのデバイス・ディスクリプタの情報例を示す。デバイス・ディスクリプタは、USBデバイス毎に異なる情報であり、USBデバイスのベンダID、プロダクトID、構成(コンフィグレーション)の数等の情報を含む。ベンダIDは製品の販売者に固有のコードであり、プロダクトIDは製品に固有のコードである。デバイス・ディスクリプタの情報は、USBデバイスの製造時に設定され、通常は書き換えることができない。つまり、デバイス・ディスクリプタの情報はUSBデバイスに固有の情報であり、USBデバイスを特定する認証情報として用いることができる。
【0022】
映像記録装置1によって記録された映像信号を、第1の記録部11に記録されたソフトウェアを実行してコンピュータ2によって処理する例を、図5に示したフローチャートを用いて説明する。図5に示した例では、ベンダIDとプロダクトIDを映像記録装置1を特定する認証情報として用いる。ここで、映像記録装置1のデバイス・ディスクリプタが、第2の認証情報として第2の記録部50に記録されているとする。また、映像記録装置1の第1の記録部11に記録されたソフトウェアには、映像記録装置1のベンダIDとプロダクトIDが第1の認証情報として記述されている。
【0023】
(イ)ステップS10において、映像記録装置1にコンピュータ2が接続されると、インタフェース部30によってコンピュータ2と第1の記録部11が接続される。更に、コンピュータ2のオペレーションシステム(OS)によって、ベンダID及びプロダクトIDを含む映像記録装置1のデバイス・ディスクリプタの情報が、映像記録装置1を特定する第2の認証情報として第2の記録部50からコンピュータ2に読み込まれる。
【0024】
(ロ)ステップS20において、コンピュータ2が第1の記録部11に記録されたソフトウェアを起動する。起動されたソフトウェアは、ソフトウェアに含まれる第1の認証情報とステップS10でコンピュータ2に読み込まれた第2の認証情報とを照合する。具体的には、ステップS21において、ソフトウェアに記述されたベンダIDと映像記録装置1のベンダIDが照合される。照合の結果、ベンダIDが一致すればステップS22に進み、一致しなければステップS40に進む。ステップS22において、ソフトウェアに含まれるプロダクトIDと映像記録装置1のプロダクトIDが照合される。照合の結果、プロダクトIDが一致すればステップS30に進み、一致しなければステップS40に進む。
【0025】
(ハ)ステップS30に進んだ場合は、コンピュータ2がデータ記録領域112に記録されたソフトウェアの実行を続行し、映像信号記録領域111に記録された映像信号はインタフェース部30を介してコンピュータ2に転送され、映像信号の処理が行われる。
【0026】
(ニ)一方、第1の認証情報と第2の認証情報が一致しないためステップS40に進んだ場合は、映像記録装置1に不正なソフトウェアが記録されているとして、コンピュータ2は警告をユーザに表示する。そして、映像信号の処理は行われず、ソフトウェアの実行が終了する。
【0027】
上記では、第1の認証情報及び第2の認証情報として映像記録装置1のデバイス・ディスクリプタのうち、ベンダIDとプロダクトIDを使用する例を説明した。デバイス・ディスクリプタに含まれる他のフィールドの情報を使用して、更に詳細な映像記録装置1の判別を行ってもよい。
【0028】
また、第2の認証情報が第2の記録部50に記録されている例を説明したが、第2の認証情報が第2の記録部50以外の映像記録装置1の構成要素、例えばインタフェース部30に記録されていてもよいのは勿論である。
【0029】
図5に示した一連の映像信号の処理操作は、図4に示したフローチャートと等価なアルゴリズムのプログラムにより、図1に示した映像記録装置1及びコンピュータ2を制御して実行できる。
【0030】
以上に説明したように、本発明の実施の形態に係る映像記録装置1では、映像記録装置1に固有の情報を利用してソフトウェアの不正使用を防止しており、ソフトウェアの使用権は、コンピュータ2ではなくソフトウェアが記録された映像記録装置1に属する。そのため、映像記録装置1にコンピュータ2を接続するだけで、ユーザは映像記録装置1に記録されたソフトウェアを実行して、映像記録装置1に記録された映像信号を処理できる。つまり、ユーザが所有する2台以上のコンピュータ、或いはユーザ所有以外の任意のコンピュータでも、映像記録装置1に記録された映像信号を処理するソフトウェアを使用できる。そのため、図1に示した映像記録装置1によれば、映像信号を処理するソフトウェアの使用が容易である。
【0031】
更に、ソフトウェアに含まれる第1の認証情報と映像記録装置1から取得する第2の認証情報を照合することによって、ソフトウェアによる映像信号処理を行うか否かが決定される。そのため、映像記録装置1の第1の記録部11に記録されたソフトウェアを他の映像記録装置の記録媒体に不正に複写しても、複写したソフトウェアによって映像信号の処理を行うことができない。また、ソフトウェアは第1の記録部11のデータ記録領域112に記録されているため、第3者によって容易に消去されず、ソフトウェアの不正な改ざんも防止できる。
【0032】
<変形例>
上記では、照合される第1の認証情報及び第2の認証情報として映像記録装置1のデバイス・ディスクリプタの情報を用いる例を説明したが、第1の記録部11の記憶容量の大きさ等の情報を第1の認証情報及び第2の認証情報として用いてもよい。
【0033】
図6に、第1の記録部11のデータ記録領域112の例を示す。図6に示したデータ記録領域112は、ハッチングで示した使用領域112aと、未使用の空き領域112bからなる。使用領域112aにソフトウェアが記録されている。既に述べたように、データ記録領域112は外部からの書き込みが禁止されており、また信号取得部20もデータ記録領域112に何らデータを記録しない。そのため、データ記録領域112の全記憶容量、及び使用領域112aの記憶容量は、映像記録装置1の製造時に確定し、その後に変更されない。したがって、第1の記録部11のデータ記録領域112の全記憶容量、及び使用領域112aの記憶容量の情報を第1の認証情報及び第2の認証情報として使用できる。
【0034】
図7に示したフローチャートを用いて、データ記録領域112の全記憶容量及び使用領域112aの記憶容量の情報を第1の認証情報及び第2の認証情報として使用する例を説明する。つまり、データ記録領域112に記録されたソフトウェアは、データ記録領域112の全記憶容量及び使用領域112aの記憶容量の情報を第1の認証情報として含む。
【0035】
(イ)ステップS10において、インタフェース部30によってコンピュータ2と第1の記録部11が接続される。更に、コンピュータ2のOSによって、第2の記録部50に記録されたデータ記録領域112の全記憶容量及び使用領域112aの記憶容量の情報が、映像記録装置1を特定する第2の認証情報としてインタフェース部30を介してコンピュータ2に読み込まれる。
【0036】
(ロ)ステップS20において、コンピュータ2が第1の記録部11に記録されたソフトウェアを起動する。起動されたソフトウェアは、ソフトウェアに含まれる第1の認証情報とステップS10でコンピュータ2に読み込まれた第2の認証情報とを照合する。具体的には、ステップS23において、ソフトウェアに含まれるデータ記録領域112の全記憶容量の情報と映像記録装置1から読み込まれたデータ記録領域112の全記憶容量の情報とが照合される。照合の結果、データ記録領域112の全記憶容量の情報が一致すればステップS24に進み、一致しなければステップS40に進む。ステップS24において、ソフトウェアに含まれる使用領域112aの記憶容量の情報と映像記録装置1から読み込まれた使用領域112aの記憶容量の情報とが照合される。照合の結果、使用領域112aの記憶容量の情報が一致すればステップS30に進み、一致しなければステップS40に進む。
【0037】
(ハ)ステップS30に進んだ場合は、コンピュータ2がデータ記録領域112に記録されたソフトウェアの実行を続行し、映像信号記録領域111に記録された映像信号はインタフェース部30を介してコンピュータ2に転送され、映像信号の処理が行われる。
【0038】
(ニ)一方、第1の認証情報と第2の認証情報が一致しないためステップS40に進んだ場合は、映像記録装置1に不正なソフトウェアが記録されているとして、コンピュータ2は警告をユーザに表示する。そして、映像信号の処理は行われず、ソフトウェアの実行が終了する。
【0039】
上記では、第2の認証情報が第2の記録部50に記録されている例を説明したが、第2の認証情報が第2の記録部50以外の映像記録装置1の構成要素、例えばインタフェース部30或いは第1の記録部11に記録されていてもよいのは勿論である。
【0040】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0041】
既に述べた実施の形態の説明においては、第1の認証情報と第2の認証情報の照合結果が一致しなかった場合に、映像信号を処理するソフトウェアの実行が中止される例を説明した。しかし、照合結果が一致しなかった場合に、ソフトウェア開発者の権利を侵害しない範囲で、ソフトウェアの機能を制限して実行してもよい。例えば、有償で使用が許可されるデコーダの使用は禁止されるが、無償のデコーダの使用は許可されるようにしてもよい。
【0042】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像記録装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る映像記録装置の第1の記録部の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る映像記録装置の第1の記録部の管理例を示す模式図である。
【図4】USBデバイスのデバイス・ディスクリプタの例を示す表である。
【図5】本発明の実施の形態に係る映像記録装置の映像信号を処理する方法例を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る映像記録装置の第1の記録部のデータ記録領域の構成例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に係る映像記録装置の映像信号を処理する方法例を説明するための工程フローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1…映像記録装置
2…コンピュータ
10…信号記録部
11…第1の記録部
111…映像信号記録領域
112…データ記録領域
112a…使用領域
112b…空き領域
12…メモリコントローラ
20…信号取得部
30…インタフェース部
40…制御部
50…第2の記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のコンピュータに接続可能な映像記録装置であって、
外部から入力される映像信号を取得する信号取得部と、
前記映像信号を記録するための映像信号記録領域と、前記映像記録装置を特定する第1の認証情報を含み、前記映像信号記録領域に記録された映像信号に対して信号処理を行うためのソフトウェアが予め記録されており、かつ、前記映像信号の記録が禁止されているデータ記録領域とを有する第1の記録部と、
前記コンピュータが、前記第1の認証情報と照合し、該照合結果が一致した場合のみ、前記ソフトウェアを実行することを可能とさせるための第2の認証情報を記憶している第2の記録部と、
前記第1の記録部の接続先を前記信号取得部及び前記コンピュータのいずれかに切り替えるインタフェース部と、
前記信号取得部と前記インタフェース部とを制御する制御部と
を備え、
前記制御部が、前記映像信号を記録する場合は、前記第1の記録部と前記信号取得部とを接続するように前記インタフェース部を制御するとともに、前記映像信号の取得を行わせ前記映像信号記録領域に前記映像信号を記録させるように前記信号取得部を制御し、前記コンピュータに前記映像信号記録領域に記録された映像信号に対して信号処理させる場合は、前記第1の記録部と前記コンピュータとを接続させるように前記インタフェース部を制御することを特徴とする映像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−124710(P2008−124710A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305335(P2006−305335)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】